2σ Guide

加害者が弁護士を通じて
被害者と示談交渉する流れ

相手方弁護士から連絡が来たときに、何を確認し、どの資料を保存し、どの段階まで示談を急がないかを整理します。

6領域 法律・医療・保険等
120万円 自賠責の傷害限度額
10場面 相談検討の目安
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加害者が弁護士を通じて 被害者と示談交渉する流れ

相手方弁護士から連絡が来たときに、何を確認し、どの資料を保存し、どの段階まで示談を急がないかを整理します。

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加害者が弁護士を通じて 被害者と示談交渉する流れ
相手方弁護士から連絡が来たときに、何を確認し、どの資料を保存し、どの段階まで示談を急がないかを整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 加害者が弁護士を通じて 被害者と示談交渉する流れ
  • 相手方弁護士から連絡が来たときに、何を確認し、どの資料を保存し、どの段階まで示談を急がないかを整理します。

POINT 1

  • 加害者が弁護士を通じて被害者と示談交渉する流れの全体像
  • 相手方弁護士は中立ではないことを前提に、書面・資料・時期を分けて確認します。
  • 事故解析
  • 収入・生活
  • 交通事故で加害者が弁護士を通じて被害者と示談交渉する流れは、謝罪してお金を払うだけの手続ではありません。

POINT 2

  • 加害者が弁護士を通じて示談交渉する標準的な流れ
  • 1. 救護・警察届出・受診:警察への届出、相手方情報、目撃者、ドラレコ、医師の診断を優先します。
  • 2. 保険会社または加害者側弁護士から連絡:代理人名、所属、委任範囲、連絡方法、目的を書面で確認します。
  • 3. 事故証明・診断書・画像・修理見積・映像:原本やデータを保全し、後から確認できる形で整理します。
  • 4. 治療費・通院・休業損害・症状経過:医師の判断を中心に治療を進め、症状や生活支障を診療録に残します。
  • 5. 後遺障害診断書の要否を検討:これ以上大きな改善が見込めない医学的段階かどうかを医師と確認します。
  • 6. 治療費・慰謝料・逸失利益・物損・過失割合:自賠責基準、任意保険基準、裁判で参照される基準の違いを確認します。
  • 7. 金額と条項の提示:清算条項、支払条件、後遺障害、将来損害、刑事処分への意見を確認します。
  • 8. 文言調整・入金・領収:入金確認、領収、保険処理、不成立時のADR・調停・訴訟を検討します。

POINT 3

  • 加害者側弁護士から連絡が来たときの初動
  • 慌てて合意せず、誰の代理人で何を求めているのかを書面で確認します。
  • 一時対応の基本
  • 加害者側弁護士から電話、書面、メールで連絡が来ても、それ自体が異常というわけではありません。
  • 重要なのは、口頭で重要事項に合意せず、検討に必要な情報を確認することです。

POINT 4

  • 加害者側弁護士が集める資料と被害者が保存すべき資料
  • 事故態様、医療、損害の3系統で資料を整理します。
  • 自賠責保険、任意保険、弁護士交渉の関係
  • 加害者側弁護士は、示談案を作る前に事故態様、医療資料、損害資料を集めます。
  • 被害者側も同じ資料群を整理し、相手方の評価に抜けや誤りがないか確認できる状態にしておくことが大切です。

POINT 5

  • 治療中・症状固定前の示談交渉で注意すべきこと
  • 治療費打切り、健康保険・労災、後遺障害申請を分けて考えます。
  • 治療費の継続
  • 健康保険や労災
  • 症状固定前の全面示談

POINT 6

  • 加害者側弁護士との示談交渉で見る損害賠償額と過失割合
  • 総額だけでなく、損害項目・基準・過失割合・既払金を確認します。
  • 過失割合で確認する証拠
  • 刑事手続と民事示談の関係
  • 過失割合は賠償額を大きく左右します。

POINT 7

  • 示談書で必ず確認すべき条項
  • 署名押印後に覆すことは難しいため、金額以外の文言を丁寧に確認します。
  • 示談書は単なる領収書ではありません。
  • 加害者側弁護士が作成した示談書は法的に整った文書である一方、被害者にとって不利益な清算条項や文言が含まれることがあります。

POINT 8

  • 被害者が弁護士相談を検討すべき場面と不成立時の選択肢
  • 相手方に弁護士がついた場合、被害者側も独立した相談先を持つ意義があります。
  • 交渉がまとまらない場合の選択肢
  • 日弁連交通事故相談センターの示談あっせん
  • そんぽADR・自賠責紛争処理

まとめ

  • 加害者が弁護士を通じて 被害者と示談交渉する流れ
  • 加害者が弁護士を通じて被害者と示談交渉する流れの全体像:相手方弁護士は中立ではないことを前提に、書面・資料・時期を分けて確認します。
  • 加害者が弁護士を通じて示談交渉する標準的な流れ:事故直後から示談成立・不成立まで、どの時点で何を確認するかを整理します。
  • 加害者側弁護士から連絡が来たときの初動:慌てて合意せず、誰の代理人で何を求めているのかを書面で確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

加害者が弁護士を通じて被害者と示談交渉する流れの全体像

相手方弁護士は中立ではないことを前提に、書面・資料・時期を分けて確認します。

交通事故で加害者が弁護士を通じて被害者と示談交渉する流れは、謝罪してお金を払うだけの手続ではありません。民事上の損害賠償、刑事事件、保険金支払、自賠責調査、医療記録、後遺障害、過失割合、車両損傷、休業損害、将来介護、労災や健康保険が重なる複合的なプロセスです。

最重要加害者側弁護士は、原則として加害者または加害者側の保険契約に関係する側の代理人です。丁寧に対応していても、中立の調整役ではない点を前提に検討します。
LEGAL

法律

損害賠償、過失相殺、示談、調停、訴訟、刑事和解、被害者参加が関係します。

MEDICAL

医療

診断書、画像、治療経過、症状固定、後遺障害診断書が損害額の基礎になります。

INSURANCE

保険

自賠責、任意保険、一括対応、示談代行、弁護士費用特約、健康保険や労災との調整が問題になります。

EVIDENCE

事故解析

ドラレコ、実況見分、車両損傷、EDR、信号、標識、速度、衝突角度が過失割合に影響します。

WORK

収入・生活

休業損害、逸失利益、家事労働、介護、復職、障害年金、生活再建の資料が必要です。

DOCUMENT

示談書

金額だけでなく、清算条項、支払期限、刑事処分への意見、守秘義務、接触禁止を確認します。

Section 01

加害者が弁護士を通じて示談交渉する標準的な流れ

事故直後から示談成立・不成立まで、どの時点で何を確認するかを整理します。

事故直後

救護・警察届出・受診

警察への届出、相手方情報、目撃者、ドラレコ、医師の診断を優先します。

初期連絡

保険会社または加害者側弁護士から連絡

代理人名、所属、委任範囲、連絡方法、目的を書面で確認します。

証拠収集

事故証明・診断書・画像・修理見積・映像

原本やデータを保全し、後から確認できる形で整理します。

治療継続

治療費・通院・休業損害・症状経過

医師の判断を中心に治療を進め、症状や生活支障を診療録に残します。

症状固定

後遺障害診断書の要否を検討

これ以上大きな改善が見込めない医学的段階かどうかを医師と確認します。

損害算定

治療費・慰謝料・逸失利益・物損・過失割合

自賠責基準、任意保険基準、裁判で参照される基準の違いを確認します。

示談案提示

金額と条項の提示

清算条項、支払条件、後遺障害、将来損害、刑事処分への意見を確認します。

交渉・成立

文言調整・入金・領収

入金確認、領収、保険処理、不成立時のADR・調停・訴訟を検討します。

段階主な動き被害者側の注意点
受任通知今後は弁護士を窓口にする旨の通知電話だけでなく書面を求めます。
治療中の協議治療費、通院頻度、休業損害、症状経過の確認症状固定前の全面示談は慎重に検討します。
後遺障害申請事前認定または被害者請求画像、神経学的所見、日常生活支障を整理します。
示談案の検討金額、過失割合、既払金、支払条件の確認内訳がない案や清算条項に注意します。
不成立時ADR、調停、訴訟、自賠責紛争処理など時効、証拠、費用、見通しを確認します。
Section 02

加害者側弁護士から連絡が来たときの初動

慌てて合意せず、誰の代理人で何を求めているのかを書面で確認します。

加害者側弁護士から電話、書面、メールで連絡が来ても、それ自体が異常というわけではありません。重要なのは、口頭で重要事項に合意せず、検討に必要な情報を確認することです。

確認事項理由
弁護士の氏名、所属、登録番号、連絡先実在性と窓口を確認するためです。
誰の代理人か加害者本人、保険会社、会社、刑事弁護人などで意味が違います。
委任範囲民事賠償のみか、刑事示談も含むかを確認します。
今後の連絡方法電話だけでなく書面で残すためです。
事故番号、保険会社、担当部署保険手続と連動させるためです。
何を求めているのか謝罪面会、資料提供、示談、治療費協議など目的を把握します。
口頭合意に注意金額、治療終了、過失割合、物損評価、後遺障害を請求しないこと、刑事処分に関する意見は、電話だけで返答しないことが重要です。

一時対応の基本

  • 提案内容は書面で送ってもらう。
  • 返答は資料確認後に行う。
  • 医師、保険会社、弁護士等に確認してから回答する。
  • 署名押印前に示談書全文を確認する。
  • 後遺障害の可能性がある場合は清算条項を特に確認する。
Section 03

加害者側弁護士が集める資料と被害者が保存すべき資料

事故態様、医療、損害の3系統で資料を整理します。

加害者側弁護士は、示談案を作る前に事故態様、医療資料、損害資料を集めます。被害者側も同じ資料群を整理し、相手方の評価に抜けや誤りがないか確認できる状態にしておくことが大切です。

事故態様に関する資料

交通事故証明書、実況見分調書、ドラレコ、防犯カメラ、目撃者供述、車両損傷写真、修理見積、現場写真、信号、標識、EDRなどです。

過失割合早期保存

医療資料

診断書、診療報酬明細書、カルテ、レントゲン、CT、MRI、神経学的検査、リハビリ記録、後遺障害診断書などです。

治療必要性因果関係

損害資料

治療費領収書、通院交通費、休業損害証明書、源泉徴収票、確定申告書、修理見積、介護費、装具費、葬儀費などです。

損害額内訳確認

自賠責保険、任意保険、弁護士交渉の関係

自賠責保険・共済は交通事故被害者を救済するための基本的な対人補償です。傷害による損害の限度額は被害者1人につき120万円とされ、後遺障害や死亡には別の限度額が定められています。物損は自賠責の対象外です。

制度概要注意点
加害者請求加害者が被害者へ賠償金を支払い、その後に自賠責保険金を請求する方法加害者の支払後に問題になります。
被害者請求被害者が加害者加入の自賠責保険会社へ直接請求する方法資料を自分で選び、追加説明を付けやすい面があります。
一括払制度任意保険会社が自賠責部分を含めて賠償金を一括して支払う実務弁護士が出てきても、支払原資が任意保険であることは多くあります。
Section 04

治療中・症状固定前の示談交渉で注意すべきこと

治療費打切り、健康保険・労災、後遺障害申請を分けて考えます。

治療中の争点として多いのが、治療費の継続です。相手方保険会社や加害者側弁護士が「そろそろ治療終了ではないか」と主張することがありますが、治療の必要性は基本的に医師の医学的判断を中心に検討されます。

TREATMENT

治療費の継続

症状、通院頻度、治療内容、仕事や日常生活への支障を医師へ具体的に伝え、診療録に残るようにします。

INSURANCE

健康保険や労災

第三者行為による傷病届、労災の第三者行為災害手続、給付調整、求償への影響を確認します。

FIXED

症状固定前の全面示談

後遺障害が後から明らかになる可能性がある段階では、清算条項を入れることに特に注意します。

後遺障害がある場合の流れ

後遺障害の可能性がある場合は、示談を急がず、症状固定、後遺障害診断書、等級認定、損害算定の順番を確認します。むち打ち、しびれ、痛み、めまい、耳鳴り、高次脳機能障害、脳脊髄液減少症などは、画像所見や検査所見、症状の一貫性、通院経過が重視されます。

方式概要特徴
事前認定任意保険会社が資料を取りまとめて自賠責側へ照会する方式被害者の事務負担は少ない一方、資料提出を任意保険会社に依存しやすい面があります。
被害者請求被害者側が自賠責保険会社へ直接請求する方式資料を自分で選び、追加説明を付けやすい面があります。
後遺障害資料後遺障害診断書、初診時診断書、MRI、CT、レントゲン、神経学的検査、可動域測定、神経心理学的検査、生活変化、職場復帰状況、家族や職場の陳述書、医師意見書が重要です。
Section 05

加害者側弁護士との示談交渉で見る損害賠償額と過失割合

総額だけでなく、損害項目・基準・過失割合・既払金を確認します。

区分主な内容
治療関係費診察料、投薬、手術、入院、リハビリ、装具、診断書料
入通院慰謝料事故による精神的、肉体的苦痛に対する慰謝料
休業損害事故により働けず収入が減った損害、有給休暇使用、家事従事者を含みます。
後遺障害慰謝料後遺障害が残ったことによる精神的損害
後遺障害逸失利益労働能力低下により将来失う収入
死亡慰謝料・死亡逸失利益被害者本人・遺族の慰謝料、将来得られたはずの収入
葬儀費・物損・将来費用葬儀費、修理費、時価額、評価損、代車費用、介護費、住宅改造費など

過失割合で確認する証拠

  • 信号表示、一時停止の有無、速度、車線変更、右左折方法
  • 歩行者、自転車、高齢者、児童など交通弱者性
  • 夜間、雨天、見通し、ブレーキ痕
  • ドラレコ映像、車両損傷部位、目撃者証言、実況見分調書

過失割合は賠償額を大きく左右します。例えば総損害額が1000万円で被害者過失が20%なら、原則として200万円が減額される形になります。加害者側弁護士が「判例上は何対何です」と説明しても、事故類型の選択や修正要素の適用に誤りがないかを確認します。

刑事手続と民事示談の関係

刑事事件は国家が加害者の刑事責任を問う手続であり、民事示談は被害者と加害者の間で損害賠償を解決する手続です。示談成立が不起訴、略式命令、執行猶予、量刑判断に影響する可能性はありますが、民事損害の全体解決と同じではありません。

宥恕文言「刑事処分を望まない」といった文言を入れるかは、被害者の心情と法的効果の両面から慎重に検討する必要があります。謝罪を受け入れることと、刑事処分を望まないことは同じではありません。
Section 06

示談書で必ず確認すべき条項

署名押印後に覆すことは難しいため、金額以外の文言を丁寧に確認します。

示談書は単なる領収書ではありません。加害者側弁護士が作成した示談書は法的に整った文書である一方、被害者にとって不利益な清算条項や文言が含まれることがあります。

確認項目具体的に見る点注意点
事故の特定事故日、場所、当事者、車両番号、事故態様、人身・物損の範囲別損害や別事故との区別が曖昧にならないようにします。
支払金額と内訳治療費、交通費、休業損害、慰謝料、後遺障害、物損、既払金控除総額だけでは、どの損害が抜けているか確認できません。
支払期限と方法振込先、振込手数料、遅延損害金、分割払い、期限の利益喪失無保険で分割払いの場合は強制執行可能性も検討します。
清算条項本件に関し債権債務がないという文言治療中、後遺障害申請前、将来介護費未確定の段階では特に注意します。
留保・別途協議後遺障害認定時の追加協議、将来手術、物損のみ先行示談未確定損害を残す必要がある場合に検討します。
守秘義務・接触禁止・謝罪・刑事意見SNS投稿禁止、面会条件、宥恕文言、嘆願書など意味が不明な文言は署名前に確認します。
物損先行示談物損だけを先に解決する場合は、「物的損害についてのみ清算する」「人身損害については別途協議する」といった切り分けが必要になることがあります。
Section 07

被害者が弁護士相談を検討すべき場面と不成立時の選択肢

相手方に弁護士がついた場合、被害者側も独立した相談先を持つ意義があります。

状況相談の必要性が高い理由
相手方に弁護士がついた法的知識と交渉力の差が生じやすいためです。
事故態様や過失割合に争いがある証拠評価と事故類型の判断が必要です。
治療費打切りを言われた医療上の必要性と法的相当性を整理する必要があります。
後遺障害の可能性がある等級認定と損害額が大きく変わります。
休業損害が争われている給与、自営業、家事労働の資料整理が必要です。
死亡事故、重傷事故遺族固有慰謝料、逸失利益、相続、刑事手続が重なります。
100対0事故被害者側保険会社が示談代行できないことがあります。
加害者が無保険回収可能性、被害者請求、政府保障事業を検討する必要があります。
示談書への署名を求められた清算条項や支払条件の確認が必要です。
弁護士費用特約がある費用負担を抑えて依頼できる可能性があります。

交渉がまとまらない場合の選択肢

ADR

日弁連交通事故相談センターの示談あっせん

相手方保険会社との示談交渉がまとまらない場合に、弁護士が中立的に意見調整を図る制度があります。

ADR

そんぽADR・自賠責紛争処理

保険会社の対応や自賠責支払に不服がある場合の相談先になります。

COURT

民事調停

裁判所の調停委員会を通じて話し合う手続です。交通事故用の申立書式があります。

COURT

民事訴訟

過失割合、損害額、因果関係、後遺障害、逸失利益などを証拠に基づいて判断してもらう手続です。

Section 08

事案別に変わる加害者側弁護士との示談交渉ポイント

事故類型ごとに、急いで合意してはいけない論点が変わります。

物損だけを先に示談する場合

物的損害についてのみ清算し、人身損害は別途協議と明記する必要があります。

100対0事故

被害者側保険会社が示談代行できないことがあるため、自分で交渉するか専門家に依頼するかを検討します。

加害者が無保険またはひき逃げ

自賠責、被害者請求、政府保障事業、人身傷害保険、労災、健康保険などの利用可能性を確認します。

死亡事故

相続人、慰謝料、逸失利益、葬儀費、扶養関係、生活費控除、刑事裁判参加、示談金分配が問題になります。

事業者・自営業者・会社役員

休業損害や逸失利益が争われやすいため、確定申告書、決算書、売上推移、事故前後の受注状況を整理します。

高次脳機能障害・脊髄損傷・将来介護

介護費、住宅改造費、装具、将来治療、復職、成年後見、福祉サービスまで見据える必要があります。

高次脳機能障害は、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などを伴い、外見から分かりにくいことがあります。事故からしばらくして日常生活に戻った頃に症状に気付く場合もあるため、早期示談には特に注意します。

Section 09

被害者が保存すべき資料チェックリストと対応文例

交渉の窓口が弁護士になっても、記録と書面化が防御線になります。

保存すべき資料

分類保存する資料
事故関係交通事故証明書、警察署名、担当警察官名、事故現場写真、相手車両ナンバー、相手方情報、保険会社、目撃者、ドラレコ、防犯カメラ設置場所メモ
医療関係診察券、診断書、領収書、診療明細、処方薬情報、画像データ、リハビリ記録、症状メモ、通院交通費、後遺障害診断書
収入・生活関係休業損害証明書、給与明細、源泉徴収票、確定申告書、勤務シフト、欠勤・有給休暇の記録、家事支障、介護・看護記録、装具領収書
交渉関係加害者側弁護士の受任通知、保険会社書面、示談案、メール、SMS、通話メモ、入金記録、同意書、委任状、既払金一覧

加害者側弁護士への対応文例

NOTICE

受任通知を求める

今後のやり取りを正確に行うため、所属、委任者、委任範囲、連絡先を記載した受任通知を郵送またはメールで送ってもらうよう依頼します。

PROPOSAL

示談案を書面で求める

示談金額、損害項目ごとの内訳、過失割合の根拠、既払金控除、示談条項案を文書で送ってもらいます。

TREATMENT

治療中のため全体示談を保留する

治療継続中で症状固定や後遺障害の有無が未確定であるため、人身損害全体の示談は現時点で判断できないと伝えます。

PROPERTY

物損のみ先行協議する

物損は先行して協議可能だが、人身損害は別途協議とし、物損示談書に人身損害を含まないことを明記してもらいます。

Section 10

専門職別に見る示談交渉の視点

一つの示談案には、警察・医療・保険・法律・事故解析・生活再建の情報が反映されます。

専門職・領域見るポイント
警察官・交通事故捜査事故発生状況、交通規制、信号、標識、当事者供述、実況見分、物証を記録します。人身事故扱いかも確認します。
救急隊・医師・看護師・リハビリ職痛み、しびれ、頭痛、めまい、記憶障害、睡眠障害、日常生活支障を医療記録に残します。
保険担当者・損害調査担当事故態様、損害額、既払金、自賠責限度額、過失割合、治療相当性を確認します。
弁護士・裁判官・調停委員どの損害が、どの証拠により、いくら発生したのかという証拠に基づく主張を重視します。
事故鑑定人・整備士・映像解析車両損傷、衝突角度、速度、ブレーキ、映像、EDRを事故態様や過失割合の争いで確認します。
社会保険労務士・福祉職・心理職休業、復職、障害年金、労災、傷病手当金、介護保険、障害福祉、心理的外傷を確認します。
Section 11

加害者側弁護士との示談交渉でよくある質問

FAQは一般的な制度説明です。具体的な判断は資料と事情により変わります。

Q1. 加害者側弁護士から連絡が来たら、直接話してはいけませんか。

一般的には、直接話すこと自体が禁止されているわけではありません。ただし、重要な合意を口頭ですることは避け、提案は書面でもらうのが安全とされています。事故態様、負傷程度、証拠関係、保険契約によって対応は変わるため、不安がある場合は弁護士等へ相談する必要があります。

Q2. 加害者側弁護士は中立ですか。

一般的には、加害者側弁護士は加害者本人、保険会社、会社、刑事弁護人など、委任を受けた側の代理人です。中立の調整役ではないと理解したうえで、提案内容を資料に基づいて確認する必要があります。

Q3. 弁護士から示談案が来たら、すぐ署名しなければなりませんか。

一般的には、示談案を受け取ったからといって直ちに署名する必要はありません。治療中、症状固定前、後遺障害申請前、損害内訳が不明な場合は、結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、示談書全文と資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

Q4. 加害者側弁護士が「これが相場です」と言っています。

一般的には、相場という言葉だけでは十分ではありません。自賠責基準、任意保険会社の提示基準、裁判で参照される基準、過失割合、後遺障害評価、既払金控除のどれを前提にしているかで金額は変わります。根拠資料と内訳を確認する必要があります。

Q5. 物損だけ先に示談しても大丈夫ですか。

一般的には、物損だけを明確に切り分け、人身損害は別途協議と明記することで先行解決できる場合があります。ただし、示談書の清算条項によって結論が変わる可能性があります。署名前に文言を確認する必要があります。

Q6. 弁護士費用が心配です。

一般的には、自動車保険、火災保険、家族の保険、勤務先や学校関係の保険に弁護士費用特約が付いている場合があります。利用可否、上限額、対象者、事前承認の要否は契約によって変わるため、保険証券や約款を確認する必要があります。

Q7. 交通事故証明書がありません。

一般的には、警察への届出がない事故では交通事故証明書が発行されません。自賠責請求や保険手続に影響する可能性があります。届出の可否や代替資料は、警察、保険会社、弁護士等へ確認する必要があります。

Q8. 加害者が謝罪に来たいと言っています。

一般的には、謝罪を受けるかどうかは被害者側の意向によります。面会する場合は、日時、場所、同席者、録音の可否、謝罪と示談交渉の切り分けを事前に確認するとされています。精神的負担が大きい場合は、書面や代理人経由の連絡も選択肢になります。

Q9. 治療費を打ち切ると言われました。

一般的には、医師が治療継続の必要性を認めているか、症状経過、検査所見、通院状況、症状固定時期が重要になります。健康保険への切替、労災、被害者請求、専門家への相談などが問題になる可能性があります。

Q10. 示談が成立した後に痛みが悪化しました。追加請求できますか。

一般的には、示談書の清算条項により追加請求が困難になることがあります。ただし、文言、当時の予見可能性、後遺障害の扱いなどで結論は変わる可能性があります。具体的な見通しは、示談書と医療資料を確認したうえで弁護士等へ相談する必要があります。

Reference

参考資料

法令・制度

  • e-Gov法令検索 民法
  • e-Gov法令検索 自動車損害賠償保障法
  • e-Gov法令検索 道路交通法
  • 金融庁 金融サービス利用者相談室
  • 自動車安全運転センター 申請方法

交通事故・保険・被害者支援

  • 国土交通省 自賠責保険・共済ポータルサイト 交通事故にあったらまずどうする
  • 国土交通省 自賠責保険・共済ポータルサイト 怪我をしたときは
  • 国土交通省 自賠責保険・共済ポータルサイト 支払までの流れと請求方法
  • 国土交通省 自賠責保険・共済ポータルサイト 限度額と補償内容
  • 国土交通省 自賠責保険・共済ポータルサイト 相談先にお困りのときは
  • 日弁連交通事故相談センター 公式案内
  • 日本弁護士連合会 弁護士費用保険に関する案内
  • 法務省 公判段階での被害者支援
  • 裁判所 民事調停で使う書式
  • 裁判所 民事訴訟 交通事件で使う書式
  • 全国健康保険協会 第三者行為による傷病届
  • 厚生労働省 労災補償