後遺障害逸失利益と死亡逸失利益について、基礎収入、労働能力喪失率、喪失期間、ライプニッツ係数、生活費控除、証拠収集を整理します。
後遺障害逸失利益と死亡逸失利益について、基礎収入、労働能力喪失率、喪失期間、ライプニッツ係数、生活費控除、証拠収集を整理します。
将来の収入減を現在価値に直す損害として、2つの基本式から整理します。
和歌山県の交通事故の逸失利益とは、事故がなければ将来得られたであろう収入や利益を、事故によって失った損害です。後遺障害では将来の労働能力低下、死亡事故では生存していれば得られたはずの収入が中心になります。
次の2つの式は、逸失利益を考える出発点です。なぜ重要かというと、基礎収入、喪失率、期間、生活費控除、係数のどこか一つが変わるだけで金額が大きく変わるためです。式の各要素が争点になることを読み取ってください。
後遺障害逸失利益は、基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数です。死亡逸失利益は、基礎収入 ×(1 − 生活費控除率)× 就労可能年数に対応するライプニッツ係数です。
逸失利益は全国共通の算定枠組みに基づきますが、和歌山県内では証拠の集め方に地域性があります。次の一覧は、計算式と立証資料を分けて示します。どの資料がどの要素に対応するかを読み取ってください。
民法、自賠法、自賠責支払基準、裁判実務上の考え方に基づきます。
農業、漁業、観光業、運送業、建設業など、身体機能への依存度が高い職種では業務内容の具体化が重要です。
道路状況、ドライブレコーダー、実況見分、防犯カメラ、救急搬送の経過などを確認します。
基準、法的根拠、地域の証拠事情を分けて確認します。
逸失利益を考える前提として、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準の違いを押さえます。同じ「逸失利益」という言葉でも、提示書の計算が裁判基準で妥当とは限りません。
次の比較表は、3つの基準が逸失利益とどう関係するかを示します。位置づけ欄と関係欄を見比べることで、保険会社提示の計算をそのまま上限と考えない理由を読み取れます。
| 区分 | 位置づけ | 逸失利益との関係 |
|---|---|---|
| 自賠責保険・共済の支払基準 | 基本補償を迅速・公平に確保するための制度的基準 | 後遺障害・死亡の逸失利益を定型的に算定し、限度額があります。 |
| 任意保険会社の提示基準 | 各保険会社が示談交渉で用いる内部的な算定枠組み | 自賠責より上乗せされることがありますが、裁判基準より低い提示もあります。 |
| 裁判基準・弁護士基準 | 裁判例や実務書に基づく損害賠償実務上の基準 | 個別事情を反映しやすく、後遺障害逸失利益・死亡逸失利益で差が出やすいです。 |
法的根拠は、逸失利益が単なる見込みではなく損害賠償の対象として検討される理由を示します。次の一覧は、民法、自賠法、自賠責、等級表の関係をまとめたものです。どの制度が損害の発生、責任主体、喪失率に関わるかを確認してください。
民法709条の不法行為責任を基礎に、相当因果関係、損害額、過失相殺などを検討します。
自動車の運行によって生命または身体が害された場合の損害賠償保障制度が問題になります。
傷害が治ったときに残る精神的・肉体的な毀損状態で、事故との相当因果関係と医学的根拠が必要です。
和歌山県内の医療記録、産業、就労実態、管轄裁判所、相談窓口が立証の精度に影響します。
和歌山県の交通事故発生状況は、個別の逸失利益額を直接決める資料ではありません。しかし、死亡・負傷事故が現実に発生し、被害者支援や証拠収集が必要である背景を示します。速報値は確定値と異なることがあるため、統計の性質も読み取ってください。
基礎収入、喪失率、期間、係数、控除、過失、既払いを順に確認します。
逸失利益は、計算要素を7段階に分けると整理しやすくなります。順番を飛ばすと、基礎収入や期間、係数、控除のどこに争点があるか見えにくくなります。
次の表は、検討段階と典型的な証拠を対応させたものです。左から順に確認することで、後遺障害事故か死亡事故か、どの資料が不足しているかを読み取れます。
| 段階 | 検討事項 | 典型的な証拠 |
|---|---|---|
| 1 | 後遺障害事故か死亡事故か | 診断書、死亡診断書、交通事故証明書 |
| 2 | 症状固定日または死亡日 | 後遺障害診断書、診療録、画像 |
| 3 | 基礎収入 | 源泉徴収票、確定申告書、課税証明書、賃金センサス |
| 4 | 労働能力喪失率または生活費控除率 | 後遺障害等級、職種、家族構成 |
| 5 | 労働能力喪失期間・就労可能年数 | 年齢、職種、平均余命、就労継続可能性 |
| 6 | ライプニッツ係数 | 法定利率、期間、事故日・症状固定日 |
| 7 | 過失相殺・既払金・給付調整 | 保険金支払通知、労災給付、過失割合資料 |
7段階は、後遺障害逸失利益と死亡逸失利益で使う要素が少し違います。次の重要ポイントでは、2つの計算の骨格を比べます。生活費控除が死亡逸失利益に入る点を読み取ってください。
被害者は生存して生活費を支出するため、原則として死亡逸失利益のような生活費控除は行いません。
生存していれば支出した生活費を控除するため、生活費控除率と家族構成が重要です。
年齢、職種、収入、医療記録、家族構成、法定利率、過失割合、既払い金を確認します。
給与、自営業、家事、学生、高齢者など、属性ごとに必要資料を整理します。
基礎収入は、逸失利益計算の土台です。事故前の現実収入だけでなく、将来の昇給、家事労働、事業実態、年金、就職可能性などを見ます。
次の一覧は、被害者の属性ごとに基礎収入の見方を整理するものです。属性により必要資料が異なるため、自分に近い欄から、どの証拠を集めるべきかを読み取ってください。
源泉徴収票、給与明細、賞与明細、課税証明書、雇用契約、賃金規程、配置転換資料を確認します。
事故前年収入が低くても、全年齢平均給与額や年齢別平均給与額、将来の資格取得・昇進可能性が問題になります。
確定申告書、青色申告決算書、売上台帳、取引先契約、代替人件費、家族労働を整理します。
役員報酬規程、株主構成、決算書、業務分掌、代替役員や従業員の採用費用を確認します。
家事、育児、介護、買い物、家計管理への支障、家族の代替負担、外部サービス利用を記録します。
学歴、専攻、内定、資格、進路希望、賃金センサスを検討します。
実際の就労、健康状態、雇用継続可能性、年金の種類、生活費控除との関係を確認します。
離職票、求職活動、内定、資格、職務経歴、退職理由、再就職可能性を整理します。
就労制限、生活拠点、日本で働く蓋然性、母国収入との関係を確認します。
基礎収入では、現実収入が低く見える理由を説明できるかが重要です。次の重要ポイントは、過小評価されやすい場面をまとめています。数字だけでなく、将来性や労務内容をどう示すかを読み取ってください。
事故時点だけでなく、将来の就労復帰や家事労働の価値を検討します。
所得が低くても、売上推移、取引先、代替人件費、事業計画が重要になることがあります。
将来の昇進遅れ、転職困難、退職リスク、残業制限を確認します。
家事・育児・介護の支障は経済的損害として評価され得ます。
等級表を出発点に、医療記録と職務上の支障で実態を確認します。
労働能力喪失率は、後遺障害等級に対応する目安から出発します。ただし、表の数値は機械的な結論ではなく、職種や実際の就労制限で争われることがあります。
次の表は、自賠責実務で用いられる後遺障害等級ごとの労働能力喪失率を示します。上位等級ほど喪失率が高く、12級は14%、14級は5%が出発点になることを読み取ってください。
| 後遺障害等級 | 労働能力喪失率 |
|---|---|
| 1級 | 100% |
| 2級 | 100% |
| 3級 | 100% |
| 4級 | 92% |
| 5級 | 79% |
| 6級 | 67% |
| 7級 | 56% |
| 8級 | 45% |
| 9級 | 35% |
| 10級 | 27% |
| 11級 | 20% |
| 12級 | 14% |
| 13級 | 9% |
| 14級 | 5% |
等級表を使うだけでは、実際の仕事への影響を十分に説明できないことがあります。次の横方向の比較は、代表的な等級の喪失率の大小を示します。横方向の長さが大きいほど、収入減の評価が大きくなりやすいと読み取れます。
医療記録は、喪失率を裏づける中核資料です。次の一覧は、等級表から実際の労働能力低下へつなぐための資料を整理します。医学的所見と仕事上の支障を対応させて読み取ってください。
症状固定日、残存症状、可動域、神経症状、画像所見を確認します。
症状の一貫性、治療経過、MRI、CT、神経学的所見、リハビリ記録を確認します。
重量物、運転、立ち仕事、介護、農漁業、細かい手作業、長時間PC作業などの支障を示します。
軽作業化、残業制限、昇進遅れ、外注費増加、家族支援による業務維持を確認します。
何年分の収入減を、どの法定利率で現在価値に直すかを確認します。
労働能力喪失期間は、何年間の収入減を評価するかという問題です。原則、症状固定時から67歳までを出発点にしつつ、高齢者、未成年者、むち打ちなどでは調整が争点になります。
次の時系列は、喪失期間を考える主な分岐を示します。順番が重要なのは、年齢や症状の種類によって開始時点と終了時点が異なるためです。どの場面で期間が短縮または調整されるかを読み取ってください。
後遺障害が残った時点から将来の収入減を評価します。
職種や健康状態により、67歳までを基本に検討します。
67歳までより平均余命の2分の1が長い場合など、個別事情を見ます。
18歳など就労開始までの期間を控除する考え方が問題になります。
むち打ちなどでは、14級で5年程度、12級で10年程度などが争点になることがあります。
ライプニッツ係数は、将来分を一括で受け取るために中間利息を控除する係数です。次の表は、年3%を前提にした代表的な年数の係数を並べます。年数が長いほど係数が大きくなり、逸失利益も大きくなりやすいことを読み取ってください。
| 年数 | 3%ライプニッツ係数 |
|---|---|
| 1年 | 0.971 |
| 2年 | 1.913 |
| 3年 | 2.829 |
| 5年 | 4.580 |
| 10年 | 8.530 |
| 15年 | 11.938 |
| 20年 | 14.877 |
| 27年 | 18.327 |
| 30年 | 19.600 |
| 37年 | 22.167 |
| 40年 | 23.115 |
| 49年 | 25.502 |
法定利率は係数に直結します。令和8年4月1日から令和11年3月31日までの法定利率は年3%とされています。次の重要ポイントは、係数の式と注意点をまとめます。事故日や症状固定日と適用利率を確認する必要があることを読み取ってください。
ライプニッツ係数は {1 − (1 + r)^−n} ÷ r で整理されます。rは法定利率、nは年数です。事故日、症状固定日、死亡日、適用される法定利率により係数確認が必要です。
死亡事故では、基礎収入から生活費控除をしたうえで就労可能年数を掛けます。
死亡逸失利益では、被害者が生存していれば支出したはずの生活費を基礎収入から控除します。後遺障害逸失利益では、被害者は生存して生活費を支出し続けるため、原則としてこの控除は行いません。
次の表は、死亡逸失利益で使われる生活費控除率の目安を示します。家族構成や被扶養者の有無で控除率が変わり、控除率が高いほど逸失利益は小さくなることを読み取ってください。
| 被害者の属性 | 生活費控除率の目安 |
|---|---|
| 一家の支柱・被扶養者1人 | 40% |
| 一家の支柱・被扶養者2人以上 | 30% |
| 女性(主婦、独身、幼児等を含む) | 30% |
| 男性(独身、幼児等を含む) | 50% |
| 兄弟姉妹のみが相続人の場合 | 事案により高めの控除が検討されることがあります |
生活費控除率は、死亡事故の金額に大きく影響します。次の比較は、同じ基礎収入でも控除率が30%、40%、50%と変わる場合の残る割合を示します。縦方向の高さが大きいほど、逸失利益に反映される割合が大きいと読み取れます。
死亡逸失利益は相続関係や保険金、年金とも関係します。次の重要ポイントは、死亡事故で確認する要素を整理したものです。生活費控除だけでなく、請求権者や給付調整をあわせて読み取ってください。
死亡逸失利益は、被害者本人に発生した損害賠償請求権が相続される構造で検討されます。
死亡逸失利益とは別に、遺族固有の慰謝料が問題になることがあります。
遺族年金、労災、生命保険、人身傷害保険などとの調整を確認します。
高額事案では、保険金受取人、相続関係、税務処理の確認が必要になることがあります。
6つのモデルで、等級・期間・係数・生活費控除の影響を確認します。
計算例は、基礎収入、喪失率、期間、係数、生活費控除が金額にどう影響するかを見るためのものです。実際の金額は証拠と個別事情で変わります。
次の表は、後遺障害と死亡事故の6つのモデルをまとめたものです。前提、式、概算額を横に見比べることで、期間や係数の違いが金額に反映されることを読み取ってください。
| モデル | 前提 | 計算式 | 概算 |
|---|---|---|---|
| 会社員・後遺障害12級 | 40歳、年520万円、喪失率14%、27年係数18.327 | 520万円 × 14% × 18.327 | 約1,334万円 |
| むち打ち後遺障害12級 | 40歳、年520万円、喪失率14%、10年係数8.530 | 520万円 × 14% × 8.530 | 約621万円 |
| 自営業者・後遺障害9級 | 50歳、年600万円、喪失率35%、17年係数13.166 | 600万円 × 35% × 13.166 | 約2,765万円 |
| 家事従事者・後遺障害14級 | 45歳、年420万円と仮定、喪失率5%、5年係数4.580 | 420万円 × 5% × 4.580 | 約96万円 |
| 死亡事故・一家の支柱 | 45歳、年600万円、生活費控除30%、22年係数15.937 | 600万円 ×(1 − 30%)× 15.937 | 約6,693万円 |
| 10歳児の死亡逸失利益 | 10歳から67歳まで57年、10歳から18歳まで8年 | 57年係数27.151 − 8年係数7.020 | 係数20.131を用いて検討 |
同じ基礎収入でも、喪失期間や等級で概算額は大きく変わります。次の比較は、主なモデルの概算額の大小を示します。高い項目ほど、基礎収入や期間、生活費控除の検証が重要です。
計算例を見るときは、結論額だけでなく、どの係数を使ったかを確認します。次の重要ポイントは、計算根拠の確認項目を並べたものです。保険会社提示書でも同じ項目を確認してください。
事故前年収入だけでよいか、統計や将来昇給を考慮すべきかを確認します。
等級表どおりでよいか、職種や実際の支障により修正が必要かを確認します。
67歳まで、平均余命の2分の1、神経症状の期間制限などを確認します。
法定利率と年数が一致しているかを確認します。
死亡事故では家族構成や被扶養者の有無に合っているかを確認します。
障害の種類、収入減の有無、非該当、既往症、労災・税務を分けて確認します。
逸失利益の争点は、後遺障害の種類や保険会社の主張によって変わります。症状名だけで判断せず、医療記録、就労制限、事故後の生活変化を具体的に整理します。
次の一覧は、後遺障害別の注意点を示します。どの障害でどの資料が重要になるかを読み取り、症状と仕事上の制限を結びつけて確認してください。
14級で5年程度、12級で10年程度など、喪失期間が争点になりやすいです。
可動域制限、疼痛、手術歴、リハビリ経過、重量物や立ち仕事への支障を確認します。
記憶、注意、遂行機能、社会行動、復職困難、家族記録、神経心理検査を整理します。
就労可能性だけでなく、将来介護、生活支援、福祉制度との関係を確認します。
職種、接客、営業、芸能、心理的影響、収入への影響が争点になることがあります。
診断、治療経過、事故との因果関係、既往歴、就労制限を慎重に確認します。
保険会社から逸失利益を否定または低く提示される場合、主張ごとに反論資料が異なります。次の比較表は、よくある争点と確認資料を整理したものです。どの理由で低く見積もられているかを読み取ってください。
| 争点 | 確認する事情 |
|---|---|
| 事故後も収入が減っていない | 本人の努力、会社の配慮、軽作業化、残業・夜勤・出張制限、昇進遅れ、転職困難、外注費増加。 |
| 後遺障害非該当 | 非該当理由、医証不足、画像評価、症状固定時期、検査不足、異議申立ての可能性。 |
| 既往症・素因減額 | 事故前の通院歴、健康診断、勤務状況、日常生活、画像変化、事故後の症状悪化。 |
| 労災・社会保険・障害年金 | 休業補償、障害補償、特別支給金、傷病手当金、障害年金、損益相殺の対象。 |
| 税務上の注意 | 自営業者の事業補償、法人経理、遺族の相続・保険金、高額事案の税務確認。 |
事故、医療、収入、生活、保険の資料を分けてそろえます。
相談前の資料準備は、逸失利益の精度を大きく左右します。事故関係、医療、収入・労務、家事・生活支障を分けてそろえると、基礎収入や喪失率の説明がしやすくなります。
次の比較表は、資料の種類と使い道を整理したものです。左欄の分類ごとに、右欄の資料がどの計算要素に結びつくかを読み取ってください。
| 分類 | 準備したい資料 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 事故関係資料 | 交通事故証明書、実況見分、現場写真、車両損傷写真、ドライブレコーダー映像、修理見積書 | 事故態様、過失割合、因果関係。 |
| 医療資料 | 診断書、後遺障害診断書、等級認定結果、診療報酬明細書、画像データ、薬剤情報 | 症状固定、後遺障害等級、喪失率。 |
| 収入・労務資料 | 源泉徴収票、給与明細、確定申告書、決算書、課税証明書、休業損害証明書、労災資料 | 基礎収入、職務内容、収入減、給付調整。 |
| 家事・生活支障資料 | 家事・仕事への支障メモ、家族構成資料、介護・育児負担、外部サービス利用記録 | 家事従事者の評価、生活費控除、将来支障。 |
| 保険資料 | 保険会社書類、示談案、損害計算書、弁護士費用特約の保険証券 | 提示額の検証、既払い金、特約利用。 |
実務では、どの専門職の資料が必要かを見極めることも重要です。次の一覧は、現場、医療、保険、労務、法律の視点をまとめます。逸失利益は法律だけでなく、将来の働き方を説明する資料で決まることを読み取ってください。
事故態様、速度、衝突角度、信号、視認性、過失割合に関係します。
過失現場傷害の重症度、治療経過、後遺障害の医学的根拠を示します。
医証等級後遺障害認定資料、既払い金控除、任意保険提示の根拠を確認します。
提示書控除休職、復職、障害年金、労災、家計、事業継続、生活支援を整理します。
収入生活資料を損害賠償法の枠組みに整理し、示談交渉、異議申立て、調停、訴訟で主張立証します。
示談訴訟弁護士相談を考えるタイミングは、資料が複雑になりやすい場面に集中します。次の重要ポイントは、早めに相談する価値が高い典型例です。どの場面で金額差が大きくなりやすいかを読み取ってください。
等級、喪失率、喪失期間、慰謝料の検証が必要になります。
異議申立てや医証の補充を検討する余地があります。
相続人、死亡逸失利益、生活費控除、遺族慰謝料、給付調整が絡みます。
子ども、学生、家事従事者、自営業者、会社役員、高齢者では基礎収入の検討が難しくなります。
基礎収入、喪失率、喪失期間、係数、控除が明示されているか確認します。
署名後の増額は難しくなるため、計算根拠を確認します。
後遺障害と死亡事故で項目を分け、相談前に資料をそろえます。
計算テンプレートを使うと、保険会社提示書の内訳と自分側の検討項目を照合しやすくなります。後遺障害と死亡事故では、確認すべき項目が異なるため、分けて整理します。
次の表は、後遺障害逸失利益と死亡逸失利益の記入項目を並べたものです。左欄と右欄の違いから、死亡事故では家族構成、生活費控除率、相続人・請求権者が加わることを読み取ってください。
| 後遺障害逸失利益の確認項目 | 死亡逸失利益の確認項目 |
|---|---|
| 被害者の年齢 | 被害者の年齢 |
| 症状固定日 | 死亡日 |
| 職業 | 職業 |
| 基礎収入 | 基礎収入 |
| 後遺障害等級 | 家族構成 |
| 労働能力喪失率 | 被扶養者の有無・人数 |
| 労働能力喪失期間 | 生活費控除率 |
| 法定利率・ライプニッツ係数 | 就労可能年数・ライプニッツ係数 |
| 計算、過失相殺、既払い金控除、最終検討額 | 計算、過失相殺、既払い金控除、相続人・請求権者、最終検討額 |
持参資料は、計算要素ごとにそろえると相談の精度が上がります。次の一覧は、相談時に確認したい資料をまとめたものです。事故、医療、収入、保険、生活支障のどの欄が不足しているかを読み取ってください。
| 資料 | 確認する目的 |
|---|---|
| 交通事故証明書、事故現場写真、車両損傷写真、ドライブレコーダー映像 | 事故態様、過失割合、因果関係。 |
| 保険会社からの書類、示談案、損害計算書 | 提示額の内訳、既払い金、控除、基準。 |
| 診断書、後遺障害診断書、等級認定結果、診療報酬明細書、画像データ、薬剤情報 | 後遺障害等級、症状固定、医療経過。 |
| 源泉徴収票、給与明細、賞与明細、確定申告書、決算書、課税証明書、休業損害証明書 | 基礎収入、収入減、事業実態。 |
| 労災関係資料、障害年金・健康保険給付資料 | 給付調整、損益相殺、生活再建。 |
| 修理見積書、家事・仕事への支障メモ、家族構成資料、弁護士費用特約の保険証券 | 事故影響、生活支障、特約利用。 |
個別の結論を断定せず、一般的な制度説明として整理します。
一般的には、全国平均の賃金センサス、性別・年齢別・学歴別・職種別賃金、現実収入、将来の就労蓋然性などを総合して検討するとされています。都道府県別統計が参考になることはありますが、和歌山県平均だけで機械的に決まるわけではありません。具体的には資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、14級の労働能力喪失率5%は目安として用いられますが、喪失期間は症状、職種、治療経過、就労制限によって変わる可能性があります。むち打ちなどの神経症状では5年程度が目安とされる例が多いため、延長を検討するには具体的な仕事上の支障を示す必要があります。具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、勤務先の配慮、本人の努力、将来の昇進遅れ、退職リスク、転職困難性があれば、逸失利益が問題になる可能性があります。事故前後の仕事内容、残業、評価、配置転換、同僚の支援状況によって結論は変わります。具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、家事労働には経済的価値があるとされています。現金収入がないことだけで逸失利益がゼロになるとは限りません。家事・育児・介護の内容、事故後の支障、家族の代替負担、外部サービス利用を記録し、具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、確定申告所得は重要資料ですが、それだけで全てが決まるとは限りません。事業実態、代替人件費、減価償却、青色申告特別控除、家族労働、事故前後の売上推移などによって評価が変わる可能性があります。具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、死亡逸失利益は被害者本人に発生した損害賠償請求権が相続されるものとして、相続人が請求する構造になるとされています。遺族固有の慰謝料、相続関係、保険金受取人、遺族年金などが絡むため、具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、示談は紛争を終局的に解決する合意であり、署名後に増額することは難しくなるとされています。後遺障害、死亡事故、子ども、自営業者、家事従事者、高齢者、高収入者の案件では、署名前に計算根拠を確認し、具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、自動車保険、火災保険、個人賠償責任保険などに弁護士費用特約が付いている場合、費用負担を抑えて相談・依頼できる可能性があります。ただし、本人や家族の範囲、上限額、対象事故は保険約款で変わります。具体的には保険会社や弁護士等へ確認する必要があります。
和歌山県の交通事故の逸失利益の計算は、表面的には式で表せます。しかし実務上は、どの収入を基礎にするか、どの等級・喪失率を採用するか、何年間の喪失を認めるか、医療記録や仕事上の支障をどう証明するかで金額が変わります。
最後に確認したい要点は、式ではなく証拠で差が出るという点です。次の重要ポイントは、示談前に見直すべき項目をまとめています。保険会社の提示額を即断せず、どこが不足しているかを読み取ってください。
事故前年収入だけでよいか、賃金センサスや将来昇給、家事労働を考慮すべきか確認します。
後遺障害等級、労働能力喪失率、職種や症状の影響を確認します。
67歳まで、平均余命、神経症状の期間制限などを確認します。
生活費控除率、家族構成、被扶養者、相続関係を確認します。
ライプニッツ係数、過失割合、労災・年金・既払い金控除を確認します。
清算条項、未請求項目、後遺障害の見通しを確認してから判断します。