自賠責の後遺障害分3年、加害者への人身損害賠償5年、物損3年、現行民法の完成猶予と更新を混同しないために、日付管理と実務対応を整理します。
自賠責の後遺障害分3年、加害者への人身損害賠償5年、物損3年、現行民法の完成猶予と更新を混同しないために、日付管理と実務対応を整理します。
自賠責の3年、民法上の5年、物損3年、20年の長期期間を分けて管理します。
愛媛県で交通事故後の後遺障害申請を考えるとき、最初に分けるべきものは、自賠責保険・共済へ後遺障害等級の認定を求める請求期限と、加害者または加害者側保険会社に対する損害賠償請求権の消滅時効です。前者は後遺障害分について症状固定日の翌日から3年以内が基本で、後者は人身損害について原則5年の枠組みで検討します。
次の重要ポイントは、期限を混同しないための最初の整理を表しています。読者にとって重要なのは、同じ交通事故でも相手方、損害項目、起算点、手続が異なる点です。3年と5年の数字だけでなく、どの権利に関する期限かを読み取ってください。
後遺障害診断書の作成依頼、任意保険会社との交渉、自賠責認定待ち、異議申立ては、それだけで民法上の時効を安全に止めるものではありません。期限が近い場合は、催告、協議合意、裁判上の請求、承認など、法的効果のある手段を別に検討します。
次の早見表は、後遺障害申請と損害賠償で問題になりやすい期限を並べたものです。読者にとって重要なのは、起算点が事故日、症状固定日、死亡日、損害と加害者を知った時などに分かれる点です。左から順に、対象、起算点、期間、注意点を確認してください。
| 対象 | 典型的な起算点 | 期間の基本 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自賠責の後遺障害分 | 症状固定 | 症状固定日の翌日から3年以内 | 後遺障害診断書の作成日と症状固定日は同一とは限りません。 |
| 自賠責の傷害分 | 事故発生 | 事故発生日の翌日から3年以内 | 治療費、休業損害など傷害部分は別管理が必要です。 |
| 加害者への人身損害賠償 | 損害および加害者を知った時 | 原則5年 | 後遺障害損害は症状固定時を中心に検討することが重要です。 |
| 加害者への物損請求 | 損害および加害者を知った時 | 原則3年 | 人身事故でも車両修理費や評価損は3年管理が必要です。 |
| 不法行為からの長期期間 | 不法行為の時 | 20年 | 加害者不明や損害認識の遅れがある場合にも問題となる客観的期間です。 |
| 労災の障害給付 | 傷病が治癒した日の翌日 | 5年 | 業務中・通勤中事故では別制度として管理します。 |
後遺症、後遺障害、症状固定を分けると、いつから何年を数えるかが分かります。
交通事故後の後遺障害申請という言葉は、自賠責保険・共済への請求、加害者側への損害賠償請求、労災・障害年金・福祉制度の申請を含めて使われることがあります。このページの中心は、交通事故の損害賠償実務、とくに自賠責と民法上の時効です。
次の比較表は、後遺症、後遺障害、症状固定の違いを表しています。読者にとって重要なのは、痛みが残ることと、自賠責の後遺障害として認定されることは同じではない点です。各行の定義と期限への影響を読み分けてください。
| 用語 | 意味 | 期限管理との関係 |
|---|---|---|
| 後遺症 | 治療後も残る痛み、しびれ、可動域制限、めまい、記憶障害などを広く指す日常的な言葉です。 | 症状が残っているだけで等級認定されるわけではありません。 |
| 後遺障害 | 交通事故による傷害が治った時に身体に残り、自賠責の等級表に該当または相当すると判断されるものです。 | 等級認定後に慰謝料、逸失利益などの損害賠償が問題になります。 |
| 症状固定 | 症状が安定し、一般に認められた医療を行っても大きな改善が期待できなくなった時点です。 | 自賠責後遺障害分の3年、後遺障害損害の時効起算点検討の基準になります。 |
症状固定日は、後遺障害診断書を作成する基準日であり、自賠責の後遺障害分の請求期限や、後遺障害慰謝料・逸失利益の時効起算点を考える基準にもなります。次の一覧は、症状固定日がどの実務に影響するかを表しています。上から順に確認すると、医療、保険、損害賠償、生活再建が同じ日付を基準に動くことを読み取れます。
残存症状、検査所見、可動域、日常生活への影響を記載する基準になります。
症状固定日の翌日から3年以内という期限管理につながります。
後遺障害慰謝料や逸失利益の時効起算点を考える基準になります。
症状固定後の治療費や休業損害をどう扱うかの争点になります。
労災の障害給付、障害年金、復職や配置転換の検討にも関係します。
自賠責保険・共済では、被害者請求について、傷害は事故発生の翌日から3年以内、後遺障害は症状固定日の翌日から3年以内、死亡は死亡日の翌日から3年以内と整理されています。この3年は等級認定にかかる期間ではなく、請求権を行使できる期間の管理です。
次の比較表は、事前認定と被害者請求の違いを表しています。読者にとって重要なのは、どちらのルートでも最終的な自賠責調査は提出資料をもとに進む点です。負担、主導権、向きやすい場面の違いを読み取ってください。
| ルート | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 事前認定 | 加害者側の任意保険会社が窓口になり、後遺障害診断書などを自賠責側へ送ります。 | 被害者の事務負担は比較的小さい一方、提出資料の構成を主導しにくいことがあります。 |
| 被害者請求 | 被害者本人または代理人が、加害車両の自賠責保険会社へ直接請求します。 | 資料収集の負担はありますが、画像、医師意見書、生活状況資料などを整理して提出しやすくなります。 |
自賠責の期限が近いときは、電話相談だけ、任意保険会社との交渉だけ、病院への診断書作成依頼だけでは足りないことがあります。次の判断の流れは、3年期限が迫る場面で最初に確認する順番を表しています。読者にとって重要なのは、自賠責の手続と加害者への民事請求を別々に確認する点です。
交通事故証明書や保険情報から請求先を確認します。
後遺障害分、傷害分、死亡分で起算点を分けます。
必要書式、提出期限、受付日を保険会社へ確認します。
民法上の完成猶予・更新も同時に検討します。
画像、診断書、検査結果、生活状況資料をそろえます。
後遺障害等級に応じた自賠責の支払限度額は、常時介護を要する第1級4,000万円、随時介護を要する第2級3,000万円、それ以外の後遺障害は第1級3,000万円から第14級75万円までの範囲です。これは自賠責の限度額であり、民事上の損害賠償額の上限ではありません。
自賠責の請求期限とは別に、民法上の損害賠償請求権を管理します。
民法では、不法行為による損害賠償請求権について、被害者または法定代理人が損害および加害者を知った時から一定期間行使しないとき、または不法行為の時から20年を経過したときに時効が問題になります。人の生命または身体を害する不法行為では、現行法上、主観的期間は原則5年です。
次の比較表は、人身損害、物損、後遺障害損害、20年期間、2020年4月1日前後の事故で見るべき点を表しています。読者にとって重要なのは、人身事故でも物損まで5年になるわけではない点です。各損害項目の期間と起算点を別々に読み取ってください。
| 項目 | 基本期間 | 実務上の注意 |
|---|---|---|
| 人身損害 | 損害および加害者を知った時から原則5年 | 治療費、休業損害、慰謝料、後遺障害損害が問題になります。 |
| 物損 | 損害および加害者を知った時から原則3年 | 車両修理費、評価損、代車費用、積荷損害などは別管理です。 |
| 後遺障害損害 | 症状固定時を中心に起算点を検討 | 症状固定日、診断書作成日、等級認定日を混同しないことが重要です。 |
| 20年期間 | 不法行為の時から20年 | 加害者不明、後発損害、重度事案でも問題となる客観的期間です。 |
| 改正日前後の事故 | 経過規定を含めて個別検討 | 2020年4月1日前に時効が完成していた権利が当然に復活するわけではありません。 |
後遺障害事案では、事故日、治療終了日、症状固定日、後遺障害診断書作成日、等級認定日、最終支払日、示談案提示日を時系列化して検討します。単に「後遺障害なら症状固定から5年」と単純化せず、損害項目と証拠を分けて確認する必要があります。
旧来の時効中断という言葉は、現行法では完成猶予と更新に分けて考えます。
2020年4月1日施行の改正民法では、旧来の時効の中断・停止という用語が、完成猶予と更新に整理されました。一般には今も「時効を止める」「時効中断」と表現されることがありますが、内容証明郵便、協議合意、裁判上の請求、承認は効果が異なります。
次の比較表は、主な時効対策の効果と限界を表しています。読者にとって重要なのは、内容証明郵便だけでは通常6か月の時間を確保するにとどまり、時効期間を当然にリセットするものではない点です。各行の効果と次に必要な行動を読み取ってください。
| 手段 | 主な効果 | 限界・注意点 |
|---|---|---|
| 催告 | 原則として6か月の完成猶予 | 再度の催告で延長し続けることはできません。6か月以内に次の手続が必要です。 |
| 裁判上の請求・支払督促・民事調停 | 手続終了まで完成猶予し、権利確定により更新されます。 | すべての相談や保険会社交渉がこの効果を持つわけではありません。 |
| 協議を行う旨の書面合意 | 一定期間の完成猶予 | 当事者、事故、請求権、期間、通知方法を明確にする必要があります。 |
| 承認 | 時効がその時から新たに進行 | 治療費支払や示談案がどの損害項目の承認に当たるかは個別判断です。 |
| 時効の援用 | 時効の利益を受ける側が主張することで問題になります。 | 期間経過後に保険会社や加害者が援用する可能性があります。 |
時効が迫る場面では、「通知を送ったから安心」では足りません。次の判断の流れは、催告後に6か月以内で次の手段を選ぶ考え方を表しています。読者にとって重要なのは、確保した時間の中で、協議合意、調停、訴訟、承認取得などへ進む設計をすることです。
事故、相手方、損害、請求意思を明確にします。
交渉状況、資料の完成度、時効までの残り期間を確認します。
書面または電磁的記録で効果を確認します。
期限直前では準備が難しいため早期相談が重要です。
愛媛県で後遺障害申請を検討する場合、まず日付を一覧化することが重要です。症状固定日、後遺障害診断書作成日、等級認定日、示談案提示日を混同していると、期限判断を誤りやすくなります。
次の一覧は、最初に作るべき時系列表の項目を表しています。読者にとって重要なのは、各日付に対応する確認資料と実務上の意味が違う点です。左から順に、何を、どの資料で、何のために確認するかを読み取ってください。
| 日付項目 | 確認資料 | 実務上の意味 |
|---|---|---|
| 事故日・事故時刻 | 交通事故証明書、実況見分資料、ドラレコ | 傷害分、物損、20年期間、事故態様立証の基礎です。 |
| 初診日 | 診断書、診療録 | 事故と傷害の因果関係、初期症状の立証に関係します。 |
| 画像撮影日 | X線、CT、MRI、画像CD | 骨折、靱帯損傷、神経根、脳損傷などの立証に関係します。 |
| 治療費打切り日 | 保険会社書面、メール | 症状固定日と混同せず、交渉経緯の証拠として保存します。 |
| 医師の症状固定日 | 後遺障害診断書、カルテ | 自賠責後遺障害分3年、後遺障害損害の時効起算点検討の基準です。 |
| 後遺障害申請日 | 提出控え、受付票、郵便記録 | 自賠責請求期限の管理に関係します。 |
| 等級認定日 | 認定結果通知 | 示談交渉、異議申立て、紛争処理、訴訟の起点になります。 |
| 最終支払日・示談案提示日 | 振込明細、支払案内、示談案 | 承認や交渉経緯の検討に関係します。 |
安全管理日は、法的な最終日ぎりぎりではなく、数か月前に手続を終えるために設定します。次の重要ポイントは、症状固定日が2026年9月30日の例を表しています。読者にとって重要なのは、3年後・5年後の同じ日だけを覚えるのではなく、その前に請求や更新手続を完了する設計を読むことです。
自賠責の後遺障害分は2029年9月30日を安全管理日の目安とし、その数か月前までに請求または時効更新手続を終える設計にします。加害者への人身損害賠償請求は2031年9月30日を一つの目安にしつつ、傷害部分、物損部分、承認の有無を別に確認します。
制度は全国共通でも、医療機関への距離、相談窓口、証明書取得、裁判所の動線は地域事情で変わります。
愛媛県では、松山市、今治市、新居浜市、西条市、四国中央市、宇和島市、大洲市、八幡浜市、離島・中山間地域など、医療機関への距離や通院手段が大きく異なります。通院間隔が空く理由が症状軽快ではなく交通手段、仕事、介護、島しょ部の移動事情にあるなら、その事情を医療記録や陳述書で説明できるようにしておくべきです。
次の比較表は、愛媛県で後遺障害申請や時効管理に関係しやすい地域窓口を表しています。読者にとって重要なのは、窓口相談だけで時効が当然に止まるわけではない点です。窓口の役割と準備資料を読み分けてください。
| 窓口・機関 | 役割 | 実務上の注意 |
|---|---|---|
| 愛媛県交通事故相談所 | 交通事故証明書、治療経過、保険会社通知などを持参して相談しやすい窓口です。 | 相談は期限管理のきっかけになりますが、時効対策そのものではありません。 |
| 日弁連交通事故相談センター愛媛相談所 | 面接相談、高次脳機能障害面接相談、示談あっ旋などが案内されています。 | 高次脳機能障害、重度後遺障害、死亡事故では早期相談の意義が高くなります。 |
| 自動車安全運転センター愛媛県事務所 | 交通事故証明書の取得に関係します。 | 証明書は過失割合や後遺障害を認定する資料ではありません。 |
| 松山地方裁判所・簡易裁判所 | 訴訟、調停などの手続で関係します。 | 請求額や管轄によって利用裁判所が変わります。 |
むち打ちや神経症状で14級9号、12級13号が問題になる場合、通院の継続性、症状の一貫性、神経学的所見、画像所見、事故の衝撃の程度が重視されます。専門医へのアクセスが限られる地域でも、必要に応じて紹介状、MRI撮影、神経伝導検査、耳鼻科・眼科・歯科口腔外科・脳神経外科・リハビリ科の評価を検討します。
症状固定前後に、医師資料、専門科評価、保険会社対応を同時に整えます。
後遺障害申請では、整形外科、脳神経外科、耳鼻科、眼科、歯科口腔外科、形成外科、精神科・心療内科など、症状に応じた専門科の資料が重要になります。後遺障害診断書は、等級そのものを医師に判断してもらう書類ではなく、医学的事実を正確に記載してもらう書類です。
次の一覧は、症状分野ごとに期限対策として整えるべき医学資料を表しています。読者にとって重要なのは、症状固定前に必要な検査や専門科評価を終えておくことです。各項目の資料と争点を読み比べてください。
むち打ち、腰椎捻挫、骨折、靱帯損傷、可動域制限では、初診時症状、画像、神経学的所見、疼痛の推移、リハビリ経過が重要です。
画像可動域急性期画像、意識障害、神経心理学的検査、家族や職場の観察、リハビリ記録が重要です。
検査家族記録PTSD、不安、うつ、不眠、運転恐怖では、診断、既往歴、治療経過、就労・家事・学業への影響を整理します。
治療経過生活影響保険実務では、一括対応中でも時効が自動的に安全とは限りません。後遺障害認定待ち、異議申立て中、追加資料収集中であっても、加害者への損害賠償請求権の時効は別に進む可能性があります。示談書に署名した後は、清算条項により追加請求が困難になることがあります。
不服申立てや別制度の申請をしている間も、各期限は別に確認します。
後遺障害等級が非該当または低い等級である場合、異議申立て、自賠責保険・共済紛争処理機構、訴訟を検討することがあります。ただし、これらの手続を検討していること自体が、すべての時効対策になるわけではありません。
次の比較表は、不服申立てや関連制度の位置づけを表しています。読者にとって重要なのは、自賠責、民事賠償、労災、福祉制度が別の制度として動く点です。手続ごとに目的と期限管理を読み分けてください。
| 手続・制度 | 目的 | 期限管理の注意 |
|---|---|---|
| 異議申立て | 非該当や低い等級について、追加医証を出して再検討を求めます。 | 異議申立て中も、自賠責請求権や民法上の時効を別に確認します。 |
| 自賠責保険・共済紛争処理機構 | 自賠責の支払をめぐる紛争処理を行う制度です。 | 裁判外の自賠責に関する最終判断と位置づけられるため、提出資料の完成度が重要です。 |
| 訴訟 | 自賠責非該当でも後遺障害や損害額を裁判で争う手段です。 | 強力な完成猶予手段ですが、訴状、証拠、請求額計算の準備が必要です。 |
| 労災保険 | 業務中・通勤中事故で療養、休業、障害給付などを扱います。 | 療養・休業は2年、障害給付は治癒日の翌日から5年など、別期限があります。 |
| 障害年金・福祉制度 | 生活再建、就労支援、介護、福祉サービスにつながります。 | 交通事故賠償の後遺障害等級とは一致しません。 |
後遺障害申請は、法律だけでなく、事故態様、救急記録、医療評価、保険実務、車両技術、福祉支援が重なります。次の一覧は、専門職ごとにどの資料を見ているかを表しています。読者にとって重要なのは、時効対策と等級認定が、複数分野の証拠を同じ時系列でつなげる作業だと読み取ることです。
| 視点 | 確認する資料・事情 | 後遺障害申請での意味 |
|---|---|---|
| 警察・事故捜査 | 実況見分、現場写真、車両位置、信号周期、防犯カメラ、ドラレコ | 過失割合と受傷機転を説明する基礎になります。 |
| 救急・初期医療 | 救急搬送記録、初診時意識レベル、疼痛部位、外傷所見、画像 | 事故と症状をつなぐ初期証拠になります。 |
| 医師・リハビリ職 | 後遺障害診断書、可動域、筋力、ADL、高次脳機能、復職可能性 | 医学的事実と生活機能の低下を示します。 |
| 法律相談 | 時効管理、過失割合、損害項目、異議申立て、示談案、訴訟資料 | 完成猶予・更新の手段と損害額を統合して検討します。 |
| 保険会社・損害調査 | 約款、支払基準、因果関係、既往症、治療の相当性、支払履歴 | 承認や時効更新の可能性、争点整理に関係します。 |
| 車両技術・事故鑑定 | 車両損傷、衝突方向、速度変化、シートベルト、ヘルメット、EDR | 事故の衝撃と症状の整合性を補う資料になります。 |
| 労務・福祉・心理 | 休業、復職、配置転換、障害年金、介護、就労支援、心理的ケア | 賠償金だけでは解決できない生活再建の資料になります。 |
損害項目ごとに、必要な資料と争点も異なります。次の比較表は、後遺障害事案で時効と立証を考える主な損害項目を表しています。読者にとって重要なのは、時効が迫る段階でも、どの損害について何を請求するのかを概括できるようにする点です。項目、主要資料、争点を横に見て確認してください。
| 損害項目 | 主要資料 | 主な争点 |
|---|---|---|
| 治療費 | 診療報酬明細書、領収書、医師意見 | 治療の必要性・相当性、症状固定後治療費です。 |
| 通院交通費 | 交通費明細、公共交通機関記録、タクシー領収書 | 通院経路、タクシー利用の必要性です。 |
| 休業損害 | 休業損害証明書、源泉徴収票、確定申告書 | 休業必要性、基礎収入、自営業の減収です。 |
| 入通院慰謝料 | 診療録、入通院日数 | 通院頻度、治療期間の相当性です。 |
| 後遺障害慰謝料 | 後遺障害認定、診断書、生活状況資料 | 等級、裁判基準との差です。 |
| 逸失利益 | 収入資料、等級、職種、年齢、就労状況 | 労働能力喪失率、喪失期間、基礎収入です。 |
| 将来介護費 | 医師意見、介護記録、福祉サービス計画 | 介護必要性、近親者介護、職業介護、平均余命です。 |
| 装具・住宅改造 | 見積書、医師・作業療法士意見、写真 | 必要性、相当額、交換周期です。 |
| 物損 | 修理見積、写真、車検証、評価資料 | 修理相当性、評価損、代車期間、3年時効です。 |
次の事例一覧は、期限管理で誤解しやすい場面を表しています。読者にとって重要なのは、状況が違っても、まず日付と資料を整理し、自賠責と民法上の時効を分けて確認する点です。各事例の争点と初動を読み取ってください。
むち打ちで14級9号が争点の場合、自賠責3年まで数か月なら、後遺障害診断書、MRI、神経学的所見、通院記録を急いで整理します。
神経心理学的検査、家族陳述書、職場資料を集める間も、時効更新手続や被害者請求の先行提出を確認します。
物的損害に限定した示談か、人身損害まで清算しているかは文言次第です。人身と物損の時効は分けて管理します。
政府保障事業が問題になることがあります。自賠責と似ていますが同一ではないため、請求できる者、社会保険給付との調整、期限管理を早期に確認します。
回答は一般的な制度説明です。事故日、症状固定日、資料、交渉経緯により結論は変わります。
一般的には、任意保険会社と話し合っているだけでは、民法上の完成猶予・更新事由に当然当たるとはいえないとされています。内容証明による催告、協議を行う旨の書面合意、裁判上の請求、民事調停、承認など、法的効果のある手段を確認する必要があります。
一般的には、診断書作成依頼は保険会社への請求や時効更新手続そのものではありません。自賠責の後遺障害分は症状固定日の翌日から3年以内という期限管理が必要です。請求書類の提出または時効更新手続を確認する必要があります。
一般的には、自賠責への請求と加害者への民事損害賠償請求は、別の権利・別の相手方です。自賠責申請中に5年時効が迫る場合、民法上の完成猶予・更新手段を別途検討する必要があります。
一般的には、催告による効果は6か月の完成猶予であり、時効期間を当然にリセットするものではありません。6か月以内に訴訟、民事調停、協議合意、承認の取得などを検討する必要があります。
一般的には、時効は援用されて初めて裁判所が判断に用いる制度です。ただし、保険会社や加害者が援用する可能性があります。起算点争い、承認、完成猶予・更新の有無などが残ることもあるため、個別の見通しは弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、医学的な症状固定は医師が判断するとされています。ただし、損害賠償実務では保険会社が治療費支払の相当期間や症状固定時期を争うことがあります。診断、治療経過、画像、検査、リハビリ記録が重要です。
一般的には、非該当でも治療費、入通院慰謝料、休業損害、物損などは問題となります。異議申立て、紛争処理機構、訴訟で後遺障害を争う余地もあります。ただし、期限管理を並行して行う必要があります。
一般的には、行政書士は一定の書類作成支援を行うことがありますが、加害者側保険会社との示談交渉、損害賠償請求の代理、訴訟対応は弁護士の領域とされています。時効完成猶予・更新、訴訟、過失割合、損害額交渉が問題になる場合は、弁護士相談が必要です。
期限管理では、相談を先送りしない方がよいサインがあります。次の一覧は、後遺障害申請と時効中断で早期相談の意義が高くなりやすい事情を表しています。読者にとって重要なのは、症状の重さだけでなく、日付、等級、保険会社対応、労災、事故態様、生活再建の複雑さをまとめて読むことです。
| 相談サイン | 確認する理由 |
|---|---|
| 症状固定日から2年以上経過している | 自賠責3年の安全管理日が近づいている可能性があります。 |
| 事故日から3年または5年が近い | 傷害分、物損、人身損害賠償を分けて時効確認する必要があります。 |
| 後遺障害申請をまだしていない、または非該当・14級で症状が重い | 追加医証、異議申立て、紛争処理、訴訟の可能性を検討します。 |
| 12級以上や重度後遺障害が見込まれる | 逸失利益、将来介護費、住宅改造、近親者慰謝料などが大きな争点になります。 |
| 高次脳機能障害、脊髄損傷、CRPS、外貌醜状、歯牙・聴覚・視覚障害がある | 専門科評価、検査、生活状況資料を早期に整理する必要があります。 |
| 治療費打切り、低額示談、過失割合、刑事記録が争点である | 示談前に証拠構造と時効対策を確認します。 |
| 業務中・通勤中事故、未成年者、高齢者、主婦・主夫、学生、自営業者である | 労災、逸失利益、基礎収入、代理権、生活支援の検討が複雑になりやすいです。 |
| 相手方が任意保険未加入、ひき逃げ、無保険、盗難車、業務車両である | 政府保障事業、使用者責任、請求先、証拠保全を早期に確認します。 |
次の実務チェック一覧は、事故直後、治療中、症状固定前後、等級認定後に行うことを表しています。読者にとって重要なのは、期限が近づいてから資料を集めるのではなく、時期ごとに資料を保存する点です。上から順に、いつ何を残すかを確認してください。
人身事故届出、交通事故証明書、初診時症状、診断書、領収書、車両損傷、休業資料を保存します。
症状メモ、専門科受診、MRIやCT、神経学的検査、治療費打切り連絡を残します。
後遺障害診断書、画像CD、検査結果、診療情報、リハビリ記録を収集し、安全管理日を設定します。
認定理由、異議申立て、慰謝料基準、逸失利益、時効完成が近い場合の完成猶予・更新策を確認します。