2σ Guide

物損事故や軽傷の交通事故で
少額訴訟を使うメリット

60万円以下の金銭請求、原則1回の審理、証拠集中という特徴を、物損事故や軽傷事故の実務に合わせて整理します。

60万円 請求上限
原則1回 審理の特徴
年10回 利用制限
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物損事故や軽傷の交通事故で 少額訴訟を使うメリット

60万円以下の金銭請求、原則1回の審理、証拠集中という特徴を、物損事故や軽傷事故の実務に合わせて整理します。

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物損事故や軽傷の交通事故で 少額訴訟を使うメリット
60万円以下の金銭請求、原則1回の審理、証拠集中という特徴を、物損事故や軽傷事故の実務に合わせて整理します。
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  • 物損事故や軽傷の交通事故で 少額訴訟を使うメリット
  • 60万円以下の金銭請求、原則1回の審理、証拠集中という特徴を、物損事故や軽傷事故の実務に合わせて整理します。

POINT 1

  • 物損事故や軽傷で少額訴訟を使うメリット
  • 少額、定型、証拠化しやすい交通事故紛争で、簡易裁判所手続が選択肢になります。
  • 60万円以下、証拠あり、争点が少ない事故ほど相性がよい
  • 物損事故や軽傷の交通事故で少額訴訟を使うメリットは、単に安く早い手続という点だけではありません。
  • 次の重要ポイントは、少額訴訟が向きやすい事故の条件をまとめたものです。

POINT 2

  • 少額訴訟の制度要件と交通事故での意味
  • 60万円以下、簡易裁判所、原則1回、不服申立ての制限を確認します。
  • 制度要件が重要なのは、便利に見えても請求内容や金額が合わなければ使えないからです。
  • 左から要件、交通事故での意味、注意点を確認してください。
  • 次の計算例は、訴額や既払金の考え方を示しています。

POINT 3

  • 物損事故や軽傷で少額訴訟を使うメリット
  • 争点整理、交渉停滞の打開、費用倒れ対策、証拠集中、和解形成が中心です。
  • 支払うべき金額に集中
  • 低額提示や放置に対応
  • 負担を抑えやすい

POINT 4

  • 少額訴訟に向く物損事故と軽傷事故
  • 修理費の一部未払い
  • 修理範囲、部品交換、工賃、塗装費などを、見積書と損傷写真で説明できる事案です。
  • 代車費用やレッカー費用
  • 必要性、使用期間、日額、搬送距離、料金の相当性を領収書や工程表で示します。

POINT 5

  • 少額訴訟で勝敗を分ける証拠設計
  • 1. 届出と初期記録:警察届出、現場写真、相手情報、レッカー領収書などを確保します。
  • 2. 受診と修理見積:診断書、領収書、修理見積書、損傷写真をそろえます。
  • 3. 提示と差額を整理:相手方保険会社の提示書、メール、既払金、未払い額をまとめます。
  • 4. 証拠番号と請求額を確定:甲第1号証から順に番号を付け、残請求額を説明できる形にします。

POINT 6

  • 少額訴訟の手続の流れ
  • 1. 事前準備:誰に、何円を、どの証拠で請求するか、既払金と相手の争点を整理します。
  • 2. 管轄裁判所を確認:相手方住所地、支払場所、事故発生地などを踏まえて簡易裁判所を確認します。
  • 3. 訴状を作成:当事者、請求の趣旨、請求原因、証拠、添付書類を簡潔に記載します。
  • 4. 証拠を番号付け:交通事故証明書、現場写真、損傷写真、修理見積書、領収書などを期日に見られる形にします。
  • 5. 期日に説明:事故、損害、未払い理由を短時間で説明できるよう準備します。
  • 6. 判決または和解:和解が成立しない場合、原則としてその日に判決が言い渡されることがあります。

POINT 7

  • 少額訴訟と他の解決手段の比較
  • 任意交渉、民事調停、支払督促、ADR、通常訴訟との違いを整理します。
  • 比較が重要なのは、少額訴訟が常に最善ではなく、相手の対応、争点の複雑さ、証拠の状態で選択が変わるからです。
  • 手段ごとの向く場面と注意点を読み取ってください。
  • 少額訴訟は通常訴訟の廉価版ではありません。

POINT 8

  • 少額訴訟を選ぶ前の判断基準
  • 前向きに検討しやすい条件と、弁護士相談を優先すべき条件を分けます。
  • 判断基準が重要なのは、本人でも利用しやすい制度であっても、本人だけで進めるべきかは別問題だからです。
  • 左右の条件を見比べ、どちらに近いかを読み取ってください。
  • 次の重要ポイントは、時効と証拠散逸の観点をまとめたものです。

まとめ

  • 物損事故や軽傷の交通事故で 少額訴訟を使うメリット
  • 物損事故や軽傷で少額訴訟を使うメリット:少額、定型、証拠化しやすい交通事故紛争で、簡易裁判所手続が選択肢になります。
  • 少額訴訟の制度要件と交通事故での意味:60万円以下、簡易裁判所、原則1回、不服申立ての制限を確認します。
  • 物損事故や軽傷で少額訴訟を使うメリット:争点整理、交渉停滞の打開、費用倒れ対策、証拠集中、和解形成が中心です。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

物損事故や軽傷で少額訴訟を使うメリット

少額、定型、証拠化しやすい交通事故紛争で、簡易裁判所手続が選択肢になります。

物損事故や軽傷の交通事故で少額訴訟を使うメリットは、単に安く早い手続という点だけではありません。修理費、代車費用、レッカー費用、診断書代、短期間の治療費、通院交通費、軽微な休業損害など、請求項目が定型化しやすい事故では、交通事故証明書、写真、見積書、領収書、診断書、診療報酬明細書、ドライブレコーダー映像、保険会社とのやり取りで争点を整理しやすくなります。

次の重要ポイントは、少額訴訟が向きやすい事故の条件をまとめたものです。ここが重要なのは、少額訴訟の速さは準備済みの事案では利点になり、未確定または複雑な事案では不利にもなるからです。請求額、証拠、争点、支払拒否の4条件を読み取ってください。

60万円以下、証拠あり、争点が少ない事故ほど相性がよい

損害額が60万円以下に確定し、証拠が手元にあり、争点が限られ、相手の支払拒否や過少提示を司法手続で整理したい場合にメリットが大きくなります。

一方で、治療が終わっていない、後遺障害が疑われる、過失割合が複雑、相手が通常訴訟への移行を求める可能性が高い、請求額が60万円を超える、被告選定が難しい場合は、少額訴訟を選ぶ前に弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Section 01

少額訴訟の制度要件と交通事故での意味

60万円以下、簡易裁判所、原則1回、不服申立ての制限を確認します。

次の比較表は、少額訴訟制度の骨格を交通事故の文脈で整理したものです。制度要件が重要なのは、便利に見えても請求内容や金額が合わなければ使えないからです。左から要件、交通事故での意味、注意点を確認してください。

制度の要素交通事故での意味注意点
60万円以下金銭支払請求が60万円以下の場合に利用できます。損害総額が大きいのに無理に60万円だけ請求するかは慎重に検討します。
金銭請求修理費、治療費、通院交通費、休業損害などの支払を求めます。謝罪文、修理そのもの、交通違反の認定を直接求める手続ではありません。
簡易裁判所60万円以下の金銭請求を簡易迅速に扱います。請求額が60万円超140万円以下なら通常の簡易裁判所訴訟を検討します。
原則1回の審理最初の期日までに言い分と証拠をそろえる必要があります。後から証拠追加や鑑定が必要な事故には向きにくいです。
和解と強制執行判決や和解調書に基づき、支払われない場合の次の手段を検討できます。判決を取れば自動的に回収できるわけではありません。
不服申立ての制限異議申立てはできますが、地方裁判所への控訴はできません。何段階でも争いたい事案には向きません。
年間10回制限同一簡易裁判所で1人あたり年間10回までです。一般の被害者より、同種請求が多い事業者で注意が必要です。

次の計算例は、訴額や既払金の考え方を示しています。数字を整理することが重要なのは、少額訴訟では請求する金額が60万円以下かどうかが入口になるからです。損害総額、既払金、残請求額の違いを読み取ってください。

請求額の例修理費45万円、レッカー費用3万円、代車費用6万円の合計54万円で、相手が30万円だけ支払った場合、残額24万円が請求額になります。車両損害80万円、治療費等を含めて120万円になる事案では、少額訴訟に収めるため一部だけ請求することの妥当性を慎重に検討します。
Section 02

物損事故や軽傷で少額訴訟を使うメリット

争点整理、交渉停滞の打開、費用倒れ対策、証拠集中、和解形成が中心です。

次の比較一覧は、少額訴訟の実務上のメリットを整理したものです。メリットを分けて理解することが重要なのは、単に早いか遅いかではなく、交渉を法的な争点に変換する効果があるからです。各項目で、どのような場面に効くのかを読み取ってください。

争点整理

支払うべき金額に集中

感情的な対立を、事故発生、責任、損害額、因果関係、既払金の問題に整理できます。

交渉打開

低額提示や放置に対応

訴状が送達されると、相手は支払拒否の理由や反論を手続内で明確にする必要があります。

費用比例

負担を抑えやすい

印紙代、郵便料、コピー代、交通費はかかりますが、原則1回の審理により時間的負担を抑えやすい制度です。

証拠集中

準備の方向性が明確

交通事故証明書、写真、修理見積、領収書、診断書などを、期日で説明できる形に整えます。

和解形成

現実的な着地点

過失割合、支払期限、分割払、遅延時の扱いなどを、法的効力のある和解調書にできます。

回収可能性

次の手段につながる

判決や和解調書があれば、任意支払がない場合に強制執行を検討できます。

少額訴訟の価値は、必ず勝てることではなく、当事者の主張を裁判所の枠組みに載せて争点を見える形にすることです。結果として、実際に提訴する前に示談がまとまることもあります。

Section 03

少額訴訟に向く物損事故と軽傷事故

修理費、代車費用、レッカー費用、治療終了後の残額などが候補になります。

次の比較一覧は、少額訴訟に向きやすい交通事故の類型をまとめたものです。類型化が重要なのは、少額訴訟は少額、単純、証拠即時型の紛争に向く制度であり、複雑な事故を簡単にする制度ではないからです。どの争点なら手続に載せやすいかを読み取ってください。

修理費の一部未払い

修理範囲、部品交換、工賃、塗装費などを、見積書と損傷写真で説明できる事案です。

代車費用やレッカー費用

必要性、使用期間、日額、搬送距離、料金の相当性を領収書や工程表で示します。

軽傷事故の残額請求

治療終了後、後遺障害が問題にならず、治療費や通院交通費、文書料、軽微な休業損害が整理済みの事案です。

自転車事故や駐車場事故

保険会社が十分に介入しない小規模事故で、相手の住所、責任主体、映像保全ができている場合です。

次の比較一覧は、少額訴訟に向かない典型場面を整理したものです。避けるべき条件を知ることが重要なのは、速い手続に乗せることで、後日の追加請求や医学的争点、過失割合の立証が不十分になるおそれがあるからです。該当する項目が多い場合は、先に専門家へ相談する必要があります。

後遺障害が疑われる

しびれ、可動域制限、頭痛、めまい、神経症状などが残る可能性がある場合は避けるべきです。

過失割合が複雑

信号、速度、見通し、右左折、駐車場動線、映像解析などが激しく争われる場合です。

請求額が60万円超

無理に一部だけ請求すると、後日の追加請求、時効、訴訟戦略の問題が出る可能性があります。

被告選定が難しい

社用車、業務中事故、無保険車、ひき逃げ、車両名義と運転者が異なる事故では慎重な検討が必要です。

Section 04

少額訴訟で勝敗を分ける証拠設計

事故、責任、損害、因果関係を1回の期日に出せる形へ整理します。

次の表は、物損事故にも軽傷事故にも共通する証拠を、目的と注意点に分けて整理したものです。証拠設計が重要なのは、少額訴訟では最初の期日までに言い分と証拠をそろえる必要があるからです。各資料が何を証明するかを読み取ってください。

証拠目的実務上の注意
交通事故証明書事故の発生、日時、場所、当事者を確認します。警察への届出が前提で、過失割合までは通常示しません。
事故発生状況報告書進行方向、速度、信号、停止位置を説明します。図で示すと期日に説明しやすくなります。
現場写真見通し、道路幅、停止線、標識、信号を説明します。事故後すぐの写真が望ましいです。
車両写真損傷箇所、衝突方向、損害範囲を説明します。全体写真と接写を分けます。
ドライブレコーダー事故態様、速度感、信号、回避可能性を示します。元データ保全、時刻ずれ、編集の有無に注意します。
相手とのやり取り認否、支払拒否理由、保険会社の提示を把握します。メール、SMS、書面を保存します。

次の表は、物損と軽傷で請求項目ごとに必要になりやすい資料を整理したものです。項目別に分けることが重要なのは、領収書だけでは事故との関係や金額の相当性まで説明しきれない場合があるからです。請求項目、主な証拠、補足の対応を確認してください。

請求項目主な証拠補足
修理費見積書、請求書、領収書、修理明細、損傷写真既存損傷が含まれていないか注意します。
代車費用代車契約書、領収書、修理期間資料必要性、車種、期間、日額が争点です。
レッカー費用搬送明細、領収書、自走不能の資料距離、搬送先、料金の妥当性を説明します。
治療費領収書、診療報酬明細書健康保険利用の有無と既払金に注意します。
通院交通費通院日一覧、交通費メモ、領収書公共交通、自家用車、タクシーの必要性を区別します。
休業損害休業損害証明書、給与明細、勤務表自営業者は売上と経費資料が必要になりやすいです。

次の時系列は、事故から請求までの流れを一枚で示す考え方です。時系列が重要なのは、少額訴訟では短時間で全体像を伝える必要があり、日付、出来事、証拠を対応させると説明が安定するからです。上から下へ、証拠が積み上がる順番として読んでください。

事故当日

届出と初期記録

警察届出、現場写真、相手情報、レッカー領収書などを確保します。

翌日以降

受診と修理見積

診断書、領収書、修理見積書、損傷写真をそろえます。

交渉段階

提示と差額を整理

相手方保険会社の提示書、メール、既払金、未払い額をまとめます。

提訴前

証拠番号と請求額を確定

甲第1号証から順に番号を付け、残請求額を説明できる形にします。

Section 05

少額訴訟の手続の流れ

事前準備、管轄確認、訴状、証拠番号、期日、判決・和解へ進みます。

次の判断の流れは、少額訴訟を検討してから判決または和解後の対応までを示しています。順番が重要なのは、請求先や金額が曖昧なまま訴状を作ると、手続が無駄になるおそれがあるからです。上から下へ、準備から回収可能性の確認まで進む流れとして読み取ってください。

少額訴訟を進める基本順序

事前準備

誰に、何円を、どの証拠で請求するか、既払金と相手の争点を整理します。

管轄裁判所を確認

相手方住所地、支払場所、事故発生地などを踏まえて簡易裁判所を確認します。

訴状を作成

当事者、請求の趣旨、請求原因、証拠、添付書類を簡潔に記載します。

証拠を番号付け

交通事故証明書、現場写真、損傷写真、修理見積書、領収書などを期日に見られる形にします。

期日に説明

事故、損害、未払い理由を短時間で説明できるよう準備します。

判決または和解

和解が成立しない場合、原則としてその日に判決が言い渡されることがあります。

次の重要ポイントは、期日での3分説明の骨子を整理したものです。短く説明する準備が重要なのは、少額訴訟では複雑な経緯よりも、事故、損害、反論への対応を簡潔に示す必要があるからです。3つの問いに答えられるか確認してください。

期日説明事故はいつ、どこで、どう起きたか。どの損害が発生し、いくらかかったか。相手方は何を払わず、なぜその反論が不当か。この3点を資料番号と結び付けて説明します。

少額訴訟判決に不服がある場合、同じ簡易裁判所に異議を申し立てることはできますが、地方裁判所への控訴はできません。また、被告が通常訴訟への移行を求める場合もあるため、必ず1回で完全に終わるとは限りません。

Section 06

少額訴訟と他の解決手段の比較

任意交渉、民事調停、支払督促、ADR、通常訴訟との違いを整理します。

次の比較表は、交通事故の少額紛争で検討される解決手段を整理したものです。比較が重要なのは、少額訴訟が常に最善ではなく、相手の対応、争点の複雑さ、証拠の状態で選択が変わるからです。手段ごとの向く場面と注意点を読み取ってください。

手段向く場面注意点
任意交渉相手や保険会社が誠実に対応し、損害額と過失割合の争いが小さい場合回答がない、根拠なく低額提示が続く場合は停滞しやすいです。
民事調停話合いの余地があり、円満な整理を目指す場合相手が支払義務を否定し、出頭も期待できない場合は弱くなります。
支払督促相手が請求額を争わず、早く強制執行につなげたい場合交通事故では過失割合や因果関係が争われやすく、異議で通常訴訟へ移ります。
ADR保険会社との交渉を中立的な窓口で整理したい場合対象事故、物損のみの扱い、審査の可否などに制約があります。
通常訴訟60万円超、争点が複雑、鑑定が必要、後遺障害がある場合期日が続き、時間と労力が大きくなります。
少額訴訟60万円以下で、証拠がそろい、争点が少なく、早期に司法判断や和解を得たい場合準備不足や複雑な事故には向きません。

少額訴訟は通常訴訟の廉価版ではありません。目的が異なります。少額訴訟は、少額、単純、証拠即時型の紛争を迅速に処理する制度であり、通常訴訟は、より複雑な紛争を段階的に審理する制度です。

Section 07

少額訴訟を選ぶ前の判断基準

前向きに検討しやすい条件と、弁護士相談を優先すべき条件を分けます。

次の比較表は、少額訴訟を前向きに検討しやすい条件と、先に弁護士相談を優先すべき条件を並べたものです。判断基準が重要なのは、本人でも利用しやすい制度であっても、本人だけで進めるべきかは別問題だからです。左右の条件を見比べ、どちらに近いかを読み取ってください。

前向きに検討しやすい条件弁護士相談を優先すべき条件
請求額が60万円以下で確定している請求総額が60万円を超える可能性がある
修理、治療、支払資料が揃っているけがの治療がまだ終わっていない
事故態様が比較的単純である後遺症が残る可能性がある
相手方の住所が分かり送達できる相手方を誰にするか分からない
争点が修理費、代車費、軽微な治療費に限られる過失割合に大きな争いがある
1回の期日で説明できる証拠整理ができているドラレコやEDR解析、事故鑑定が必要である
相手が任意交渉で支払拒否や低額提示を維持している相手から逆に損害賠償を請求されている

次の重要ポイントは、時効と証拠散逸の観点をまとめたものです。早期対応が重要なのは、物損事故では写真、監視カメラ映像、ドラレコ映像、修理部品、会話記録が失われやすく、軽傷事故でも初診の遅れや領収書紛失が立証を難しくするからです。時効完成前に動く利点と、治療未了で急ぎすぎる危険の両方を読み取ってください。

時効と証拠不法行為に基づく損害賠償請求権は、損害及び加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年が基本です。人の生命・身体の侵害では知った時から5年とされます。ただし、治療未了の人身損害を不十分な形で請求することは避けるべきです。
Section 08

少額訴訟と保険、医療、修理の実務

自賠責、任意保険、被告選定、医療記録、修理資料を分けて確認します。

次の比較一覧は、少額訴訟を検討する際に見落としやすい保険、医療、修理、事故調査の視点を整理したものです。専門分野を分けることが重要なのは、少額に見える事故でも、自賠責、被告選定、医療記録、修理の相当性で結論が変わるからです。どの視点で何を確認するかを読み取ってください。

自賠責と任意保険

軽傷事故では自賠責でどこまで支払われるか、任意保険会社がどの範囲を一括対応しているか、既払金はいくらかを整理します。物損は自賠責の対象ではありません。

既払金二重請求注意

誰を相手にするか

交渉相手が保険会社でも、法的責任を負うのは加害運転者や運行供用者などの場合があります。被告選定を誤ると手続が無駄になる可能性があります。

被告選定

医療記録

初診日、診断名、通院期間、通院頻度、領収書、診療報酬明細書、治療終了または症状固定の判断を確認します。

因果関係

修理資料

部品、工賃、塗装、脱着、調整、センサー校正など、修理見積の内訳と損傷写真を対応させます。

相当性
調

事故調査

速度計算、衝突角度、映像解析、EDR解析が必要な事故は、少額訴訟の即時処理になじみにくい場合があります。

複雑事案

一般的には、修理工場に損傷箇所と事故との対応、交換が必要な理由、修理ではなく交換を選んだ理由、部品代と工賃の内訳、代車を要した修理期間を説明してもらうと、期日での説明がしやすくなります。ただし、具体的な立証方法は事故態様と争点で変わります。

Section 09

少額訴訟前の反論対応とチェックリスト

修理費、既存損傷、代車、けが、過失割合への反論を想定します。

次の比較表は、交通事故の少額訴訟で出やすい反論と、準備すべき対応資料を整理したものです。反論を想定することが重要なのは、相手の言い分を待ってから資料を探すと、原則1回の審理に間に合わないことがあるからです。反論ごとに、何を示すかを確認してください。

相手の反論対応の基本主な資料
修理費が高すぎるどの項目が高いのか、代替見積りや補修で足りる根拠の有無を確認します。見積内訳、損傷写真、修理工場説明
事故前からあった傷だ既存損傷と事故による損傷を区別し、損傷位置と相手車両の損傷を対応させます。事故前写真、車検記録、事故直後写真
代車は不要だった通勤、通院、業務、介護、家族送迎など、車が必要だった事情を説明します。代車契約書、工程表、使用目的メモ
けがは事故と関係ない事故態様、受診時期、診断書、症状経過、通院記録を整理します。診断書、領収書、通院日一覧
あなたにも過失がある自分に一定の過失がある場合は、それを前提に請求額を計算すると現実的です。事故状況図、現場写真、ドラレコ

次の重要ポイントは、少額訴訟前に最低限確認したい項目をまとめたものです。事前確認が重要なのは、請求額、証拠、相手方、リスクのどれかが欠けると、手続の速さがかえって不利に働くからです。基本情報、請求額、証拠、リスクの4領域を読み取ってください。

確認項目相手方の氏名、住所、法人情報、事故日、事故場所、交通事故証明書、60万円以下の請求額、損害内訳、既払金、過失割合、写真、ドラレコ、見積書、領収書、診断書、相手からの反対請求、通常訴訟移行への対応可能性を確認します。
Section 10

少額訴訟でも弁護士相談を使う意味

手続選択、被告選定、請求額、証拠、和解案、追加請求リスクを確認します。

次の比較一覧は、少額訴訟を自分で進める場合でも弁護士相談が役立つ論点をまとめたものです。相談の意味が重要なのは、「本人でできる制度」と「本人だけで進めるべき事案」は同じではないからです。どの論点を相談で確認するかを読み取ってください。

選択

少額訴訟に向くか

通常訴訟、ADR、調停、支払督促の方がよいかを確認します。

相手

被告を誰にするか

運転者、所有者、使用者、保険会社などの関係を整理します。

金額

請求額の計算

既払金、過失割合、未確定損害、追加請求リスクを確認します。

証拠

資料の足りなさ

写真、見積、医療記録、通院日一覧、交渉記録の不足を補います。

反論

相手の反論への備え

修理費、既存損傷、代車、因果関係、過失割合への対応を考えます。

和解

現実的な着地点

どの金額なら合意可能か、分割払や期限の利益喪失条項を確認します。

物損事故や軽傷の交通事故で少額訴訟を使うメリットは、迅速性、低コスト性、争点整理、証拠集中、和解形成、判決・和解調書による回収可能性にあります。ただし、少額訴訟は簡単に勝てる制度ではありません。治療未了、後遺障害の疑い、複雑な過失割合、請求額60万円超、相手方選定の難しさがある場合は、先に弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Reference

参考資料

裁判所、公的機関、交通事故相談機関の資料を中心に整理しています。

裁判所と法令

  • 裁判所「少額訴訟」
  • 裁判所「民事訴訟」
  • 裁判所「簡易裁判所の民事事件Q&A」
  • 裁判所「損害賠償(交通事故による物損)請求事件」訴状様式
  • 裁判所「手数料」
  • 裁判所「民事調停」
  • e-Gov法令検索「民事訴訟法」

交通事故と保険の公的資料

  • 国土交通省「交通事故にあったらまずどうする?」
  • 国土交通省「損害賠償を受けるときは?」
  • 自動車安全運転センター「交通事故に関する証明書」
  • 自動車安全運転センター「申請方法」
  • 法務省「消滅時効に関する見直し」

交通事故の相談機関

  • 福岡地方裁判所「交通事故(物的損害)のことでお困りの方へ」
  • 交通事故紛争処理センター公式サイト
  • 日弁連交通事故相談センター「示談あっせん・審査」