過失運転致死傷、危険運転致死傷、ひき逃げ、飲酒運転、無免許運転、妨害運転を、法定刑・量刑要素・事故後対応の順に整理します。
過失運転致死傷、危険運転致死傷、ひき逃げ、飲酒運転、無免許運転、妨害運転を、法定刑・量刑要素・事故後対応の順に整理します。
事故の結果、運転態様、事故後対応が、罪名と重さを大きく左右します。
法令確認日は2026年4月24日です。交通事故の刑事責任は、単に事故を起こしたかどうかだけで決まるものではありません。人を死傷させたか、どのような運転だったか、飲酒・薬物・無免許・ひき逃げ・妨害運転などの悪質性があるかによって、問題になる罪名と刑の重さが変わります。
次の重要ポイント一覧は、交通事故の刑事罰を読む入口として、最初に確認すべき結論を並べたものです。各項目は罪名や手続の分岐に直結するため、左から順に「通常事故」「重い危険運転」「事故後対応」「刑事以外の責任」の関係を読み取ってください。
前方不注視や安全確認不足などの不注意で人を死傷させた場合、中心になるのは過失運転致死傷罪です。法定刑は7年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。
飲酒・薬物、高速度、赤信号の殊更無視、妨害目的運転など、法律が特に危険と評価する運転では危険運転致死傷罪が問題になります。
救護しない、警察に報告しない、現場から離れる、追加飲酒をするなどの行為は、事故そのものとは別に重い犯罪となる可能性があります。
刑事罰とは別に、民事上の損害賠償責任、行政上の免許停止・取消し、勤務先での懲戒や職業上の不利益も並行して問題になります。保険で賠償したことにより刑事責任が当然に消えるわけではなく、不起訴になったことにより民事責任が当然になくなるわけでもありません。
刑事罰、法定刑、量刑、民事責任、行政処分を分けて考えます。
刑事罰とは、犯罪に対して国が科す制裁です。交通事故では拘禁刑、罰金、科料が問題になり、執行猶予は有罪判決を受けても一定期間刑の執行を猶予する制度として登場します。
次の比較表は、交通事故で出てくる刑罰と関連制度を整理したものです。各行の「交通事故での位置づけ」を見ると、どの罪名でどの制裁が問題になりやすいかを確認できます。
| 種類 | 内容 | 交通事故での位置づけ |
|---|---|---|
| 拘禁刑 | 刑事施設に拘置される自由刑。2025年施行の刑法改正により、従来の懲役・禁錮が拘禁刑に一本化されました。 | 危険運転致死傷、過失運転致死傷、ひき逃げ、飲酒運転などで問題になります。 |
| 罰金 | 一定額の金銭を国に納付する刑罰です。 | 過失運転致死傷、酒気帯び運転、無免許運転、一定の道路交通法違反などで問題になります。 |
| 科料 | 罰金より軽い金銭刑です。 | 刑法上の過失傷害などで問題になり得ます。 |
| 執行猶予 | 刑そのものではなく、有罪判決を受けても一定期間刑の執行を猶予する制度です。 | 死亡事故や重傷事故でも事案により執行猶予付き判決となることがありますが、危険性や悪質性が高い場合は実刑の可能性が高まります。 |
反則金と罰金は別物です。軽微な道路交通法違反で反則金を納付すると通常の刑事手続に進まない制度がありますが、罰金は刑罰であり、前科として扱われ得ます。人身事故では、単なる反則金の問題にとどまらないことが多くなります。
次の比較表は、同じ事故をめぐって並行する三つの責任を示しています。判断主体と内容が異なるため、一つの責任が軽く見られても、別の責任が残る可能性を読み取ることが大切です。
| 区分 | 誰が判断するか | 内容 |
|---|---|---|
| 刑事責任 | 警察・検察・裁判所 | 犯罪として処罰するか。拘禁刑、罰金など。 |
| 民事責任 | 当事者、保険会社、裁判所 | 治療費、休業損害、逸失利益、慰謝料、物損などの損害賠償。 |
| 行政処分 | 公安委員会など | 運転免許の点数、停止、取消し、欠格期間など。 |
法定刑は法律が定める刑の範囲で、量刑は個別事件で実際に選ばれる刑の重さです。被害の程度、過失の重さ、飲酒・薬物・無免許・速度超過・信号無視・スマートフォン使用、事故後の救護・通報、被害弁償、示談、謝罪、前科・前歴、職業運転者としての注意義務などが量刑に影響します。
過失運転、危険運転、救護義務違反、飲酒運転などを一つの表で確認します。
交通事故の刑事罰は、事故の発生原因だけでなく、死傷結果、事故後の行動、運転資格、飲酒や妨害目的の有無によって複数の罪名が重なります。次の比較表では、類型ごとに根拠法、典型例、法定刑の概要を横並びで確認できます。
| 類型 | 主な根拠法 | 典型例 | 法定刑の概要 |
|---|---|---|---|
| 過失運転致死傷 | 自動車運転処罰法5条 | 前方不注視、安全確認不十分、交差点での不注意などにより人を死傷させた場合。 | 7年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金。軽い傷害は情状により刑の免除あり。 |
| 危険運転致死傷 | 自動車運転処罰法2条 | 正常運転困難な飲酒・薬物運転、制御困難な高速度、赤信号の殊更無視、妨害目的運転などで人を死傷させた場合。 | 負傷は15年以下の拘禁刑。死亡は1年以上の有期拘禁刑。 |
| 第3条の危険運転致死傷 | 自動車運転処罰法3条 | 飲酒・薬物・一定の病気により正常運転に支障が生じるおそれがある状態で運転し、実際に正常運転困難となって人を死傷させた場合。 | 負傷は12年以下の拘禁刑。死亡は15年以下の拘禁刑。 |
| 発覚免脱 | 自動車運転処罰法4条 | 飲酒・薬物の影響が発覚しないよう、事故後に追加飲酒、現場離脱などをした場合。 | 12年以下の拘禁刑。 |
| 無免許運転による加重 | 自動車運転処罰法6条 | 無免許で過失運転致死傷、危険運転致死傷などを起こした場合。 | 罪の類型に応じて加重。過失運転致死傷は10年以下の拘禁刑など。 |
| 救護義務違反・ひき逃げ | 道路交通法72条、117条等 | 事故後に停止せず、負傷者を救護せず、危険防止措置をしない場合。 | 死傷が自己の運転に起因する場合は10年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金など。 |
| 報告義務違反 | 道路交通法72条、119条等 | 事故を警察に報告しない場合。 | 3か月以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金など。 |
| 飲酒運転 | 道路交通法 | 酒酔い運転、酒気帯び運転。 | 酒酔いは5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金。酒気帯びは3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。 |
| 無免許運転 | 道路交通法 | 免許を受けず、停止中・取消後・期限切れ等で運転した場合。 | 3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が基本。 |
| 妨害運転 | 道路交通法 | あおり運転、急ブレーキ、車間距離不保持、進路変更等による妨害。 | 基本類型は最大3年の拘禁刑、著しい交通の危険を生じさせた場合は最大5年の拘禁刑。 |
| 刑法上の過失致死傷等 | 刑法209条から211条 | 自転車、軽車両、歩行者、道路外事故、業務上の過失など。 | 過失傷害、過失致死、業務上過失致死傷、重過失致死傷が問題になります。 |
同じ事故で複数の犯罪が成立し得ます。たとえば、飲酒して人身事故を起こし、そのまま逃げた場合、過失運転致死傷、道路交通法上の飲酒運転、救護義務違反、報告義務違反が重なり、事情によっては危険運転致死傷や発覚免脱も問題になります。
通常の不注意による事故と、法律が特に重く扱う危険運転を分けて整理します。
過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、その結果、人を死傷させた場合に成立する犯罪です。ここでいう自動車には、道路交通法上の自動車だけでなく原動機付自転車も含まれるため、四輪車、バイク、原付による人身事故も対象になり得ます。
典型例は、前方不注視で横断歩行者に衝突した、一時停止を十分に守らず交差道路の車両と衝突した、右左折時に歩行者や自転車の確認を怠った、車間距離不保持により追突した、後退時の安全確認不足で人に接触した、雨天・夜間・見通し不良にもかかわらず安全速度を保たなかった、などです。
過失の有無は、事故が起きたという事実だけで決まるものではありません。道路状況、信号、速度、視認可能性、被害者の動き、運転者の認識、回避可能性などを総合的に検討します。軽い傷害では情状により刑が免除される余地がありますが、当然ではありません。
危険運転致死傷罪は、通常の過失運転よりもはるかに危険で悪質な運転に対して、重い刑罰を科す制度です。人を負傷させた場合は15年以下の拘禁刑、人を死亡させた場合は1年以上の有期拘禁刑で、罰金刑は用意されていません。
次の一覧は、自動車運転処罰法2条で問題になりやすい主な危険運転類型を整理したものです。各項目は単なる危ない運転の印象ではなく、条文上の要件と証拠で判断されるため、どの行為類型に近いかを読み取ることが重要です。
酒や薬物の影響により、道路状況や交通状況に応じた正常な運転が困難な状態で走行し、人を死傷させた場合です。
単なる速度超過ではなく、道路形状、天候、路面、交通量、車両性能などから進行制御が困難な高速度で走行した場合です。
現実に運転に必要な技能を欠く状態で自動車を走行させ、人を死傷させた場合です。無免許運転の加重とも関係します。
他車の通行を妨害する目的で、直前進入、著しい接近、高速道路上での停止などを行い、人を死傷させた場合です。
赤信号であることを認識しながらあえて従わず、重大な交通の危険を生じさせる速度で進行した場合です。
一方通行逆走、進入禁止道路、歩行者専用道路などの交通規制に反して進行し、人を死傷させた場合です。
第3条の危険運転致死傷は、飲酒、薬物、又は政令で定める病気の影響により、走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で運転し、その影響で実際に正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた場合に成立し得ます。負傷の場合は12年以下の拘禁刑、死亡の場合は15年以下の拘禁刑です。
この類型では、病気そのものを処罰するのではありません。症状、服薬状況、医師からの指導、過去の発作歴、眠気、意識障害の兆候などを認識しながら運転を続けた危険性が問題になります。
発覚免脱、無免許、ひき逃げ、飲酒運転、妨害運転は別個に重く評価されます。
発覚免脱罪は、飲酒や薬物の影響がある状態で事故を起こした後、その影響の有無や程度が発覚することを免れる目的で追加飲酒、現場離脱、検査妨害につながる行動などをする場合に問題になります。法定刑は12年以下の拘禁刑で、罰金刑はありません。
ひき逃げは救護義務違反・報告義務違反が中心で、発覚免脱罪は飲酒・薬物の影響を隠す目的が中心です。両者は重なることがありますが、判断対象は同じではありません。
無免許運転は、それ自体が道路交通法上の犯罪で、一般に3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が問題になります。免許を取得していない場合だけでなく、免許取消し後、免許停止中、期限切れ、免許外の車種を運転した場合も含まれ得ます。
無免許で過失運転致死傷を起こした場合、自動車運転処罰法6条による加重により、法定刑は10年以下の拘禁刑などになります。過去の免許取消し、飲酒運転歴、速度違反歴、無免許の常習性がある場合は、量刑上も重く評価されやすくなります。
道路交通法は、交通事故があった場合、運転者などに対して、直ちに停止し、負傷者を救護し、道路上の危険を防止する措置をとり、警察官に報告する義務を定めています。自己の運転に起因する死傷事故で救護せず立ち去った場合、10年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金となり得ます。
事故直後に動揺することはありますが、「怖くなった」「気が動転した」という説明だけで責任が軽く扱われるわけではありません。救命可能性、二次事故の危険、通報の遅れ、証拠保全の困難化を考えると、事故後の逃走は非常に重く見られます。
飲酒運転の分類と罰則は、事故がない場合でも重く、事故があれば過失運転致死傷又は危険運転致死傷などと重なります。次の比較表は、酒酔い運転と酒気帯び運転の違いを示し、周囲の人にも責任が及び得る前提を確認するためのものです。
| 類型 | 概要 | 罰則 |
|---|---|---|
| 酒酔い運転 | アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態です。 | 5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金。 |
| 酒気帯び運転 | 呼気中アルコール濃度など一定基準以上のアルコールを保有して運転する状態です。 | 3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。 |
飲酒運転は運転者本人だけの問題ではありません。運転者が酒酔い運転をした場合、車両提供者は運転者と同じく5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金、酒類提供者又は同乗者は3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金となり得ます。
妨害運転は、車間距離を極端に詰める、急ブレーキをかける、急な進路変更をする、幅寄せをする、執拗なパッシングやクラクションで威圧する、高速道路上で停止させる、通行妨害目的で前方に割り込むなどの行為です。道路交通法上、基本類型は最大3年の拘禁刑、著しい交通の危険を生じさせた場合は最大5年の拘禁刑に処せられ得ます。
妨害運転により人を死傷させた場合は、道路交通法上の妨害運転だけでなく、自動車運転処罰法上の危険運転致死傷罪が問題になり得ます。ドライブレコーダー、防犯カメラ、走行記録、目撃証言、車間距離、速度、車両位置関係などが重要になります。
自転車、歩行者、道路外での事故、作業車両や重機の事故では、刑法上の過失傷害、過失致死、業務上過失致死傷、重過失致死傷が問題になることがあります。次の比較表は、自動車運転処罰法以外で問題になる刑法上の罪名を確認するためのものです。
| 罪名 | 根拠 | 法定刑の概要 |
|---|---|---|
| 過失傷害 | 刑法209条 | 30万円以下の罰金又は科料。親告罪です。 |
| 過失致死 | 刑法210条 | 50万円以下の罰金。 |
| 業務上過失致死傷・重過失致死傷 | 刑法211条 | 5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金。 |
電動モビリティ、ペダル付き電動バイク、特定小型原動機付自転車などでは、車両区分により適用法令、免許義務、罰則が変わるため、専門的確認が必要です。
被害結果、過失・危険性、事故後対応、前歴が実務上の焦点になります。
刑事罰の重さは、罪名だけで機械的に決まるものではありません。次の一覧は、実務で量刑に影響しやすい要素を四つに分けたものです。どの要素が多いほど重く見られやすいか、事故後にどの資料を整理すべきかを読み取ってください。
軽傷か、長期通院か、骨折・脳損傷・脊髄損傷などの重傷か、後遺障害が残ったか、死亡事故か、被害者が複数かが重視されます。
一瞬の不注意か、長時間のスマートフォン注視か、大幅な速度超過か、赤信号を認識しながら進入したかなどで評価が変わります。
救護しない、119番・110番をしない、逃げる、飲酒・薬物の発覚を免れようとする、証拠を隠す、虚偽説明をする行為は重く見られます。
過去の飲酒運転、無免許運転、速度違反、信号無視、人身事故、免許停止・取消し歴は、再犯防止可能性の評価にも関係します。
医療実務上は、診断書、画像所見、手術記録、救急搬送記録、リハビリ記録、後遺障害に関する資料が重要になります。刑事事件では、傷害の程度、治療期間、生命への危険、後遺症の重さが処分や量刑に影響し得ます。
交通事故鑑定では、速度、制動距離、衝突角度、回避可能性、視認可能性、ブレーキ痕、車両損傷、ドライブレコーダー映像、EDR・ECUデータなどが検討されます。職業運転者、事業用車両、企業の安全管理体制が関係する場合は、運行管理や安全教育の履歴も問題になります。
警察の捜査、医療資料、デジタル証拠が罪名と量刑を支えます。
人身事故が発生すると、警察は現場確認、実況見分、当事者・目撃者の事情聴取、車両確認、ドライブレコーダーや防犯カメラの収集などを行います。死亡事故や重傷事故では、より詳細な捜査が行われます。
次の一覧は、刑事責任の判断で確認されやすい証拠を、現場、医療、デジタル情報に分けたものです。どの資料が何を示すかを把握すると、罪名選択や量刑事情の争点を理解しやすくなります。
衝突地点、進行方向、信号表示、一時停止・優先道路、速度、ブレーキやハンドル操作、視認可能性、回避可能性、被害者の位置や動き、車両損傷、路面痕跡、破片、血痕などが確認されます。
実況見分鑑定診断書、画像所見、救急搬送記録、手術記録、リハビリ記録、精神科・心療内科の資料などは、傷害の有無・程度、治療期間、生命身体への危険性を示す中核資料になります。
診断書因果関係ドライブレコーダー、防犯カメラ、EDR・ECUデータ、スマートフォンの通話・メッセージ・アプリ使用履歴、カーナビ・GPSログ、運行記録計、ETC通過履歴などが重要になります。
映像ログスマートフォン使用が事故原因と疑われる場合、直前の操作履歴、通知、通話、メッセージ送受信が重要になります。証拠を消去したり、端末を隠したりすると、事実認定だけでなく、量刑上も不利に評価され得ます。
刑事事件では、民事の後遺障害認定と完全に同じ評価がされるわけではありません。刑事事件では死傷結果と運転行為との因果関係、傷害の程度、生命身体への危険性が重視され、民事事件では治療費、休業損害、逸失利益、慰謝料、将来介護費などの損害額が中心になります。
通報から判決までの流れと、双方が整理すべき事項を確認します。
刑事手続は、事故直後の通報・救護から始まり、警察捜査、検察官の判断、刑事裁判、判決へ進みます。次の時系列は、各段階で何が行われるかを順番に示すものです。上から下に進むほど、証拠整理と専門的判断の比重が高まることを読み取ってください。
110番・119番、現場保存、負傷者救護、危険防止措置を行います。
実況見分、供述調書、目撃者聴取、映像収集、車両確認、飲酒・薬物検査などが行われます。
警察が事件を検察庁に送り、検察官が起訴、不起訴、略式命令請求などを判断します。
罪名、過失・危険運転の成否、因果関係、量刑事情が争われます。危険運転致死傷のように罰金刑がない重大類型では正式裁判が中心になります。
無罪又は有罪の場合の拘禁刑、罰金、執行猶予、実刑などが言い渡され、免許処分、損害賠償、保険対応、労災・社会保障も別途進みます。
被害者側が加害者の刑事処分を知りたい場合、まず、過失運転致死傷、危険運転致死傷、飲酒運転、無免許運転、ひき逃げ、発覚免脱、妨害運転のどれが捜査対象になっているかが重要です。
診断書、通院資料、被害状況、生活への影響、処罰感情、示談の有無などを適切に伝えることが大切です。死亡事故、重傷事故、危険運転致死傷など一定の重大事件では、被害者や遺族が刑事裁判に参加し、意見を述べる制度が利用できる場合があります。
加害者側で最も重要なのは、事故直後の対応です。現場から逃げる、負傷者を確認しない、警察に通報しない、飲酒・薬物の影響を隠す、証拠を壊す・消す、虚偽説明をする、同乗者に口裏合わせを求める、被害者側に威圧的な連絡をする行為は、刑事責任を重くする危険があります。
供述は重要な証拠になります。動揺した状態で曖昧な記憶を断定的に述べると、後に映像や鑑定と矛盾し、不利に評価されることがあります。死亡事故、飲酒、無免許、ひき逃げ、危険運転が疑われる事案では、早期に刑事弁護人へ相談することが重要です。
示談や被害弁償は、刑事処分に影響し得る重要な事情です。特に軽傷事故では、不起訴や罰金の判断に影響することがあります。一方で、死亡事故、危険運転、飲酒、無免許、ひき逃げなどでは、被害弁償があっても起訴・実刑の可能性が残ります。
人命・安全を優先し、救護、通報、証拠保全を順番に行います。
事故直後の対応は、被害者の安全だけでなく、刑事責任の評価にも直結します。次の判断の流れは、事故現場で優先すべき行動の順番を示しています。上から下へ進み、分岐では負傷者の有無と通報・救護の必要性を確認してください。
車両を止め、二次事故を防ぐために周囲の危険を確認します。
見た目が軽くても、痛みや意識状態を確認します。
救急要請、応急対応、危険防止措置を行います。
警察に事故を報告し、当事者・現場情報を整理します。
飲酒・薬物・居眠り・体調不良を隠さず、映像や車両データを保存します。
次の一覧は、加害者側・運転者側と被害者側で、事故直後から早期に整理したい事項を分けたものです。左右の内容は立場により重点が異なるため、自分の立場で必要な記録や資料を確認してください。
人命・安全に関わる場面では、119番・110番への連絡や医療機関の受診が優先される対応とされています。事故態様や証拠関係で法的評価は変わるため、現場判断だけで結論を決めないことが重要です。
保険、軽傷、飲酒、ひき逃げ、民事責任、行政処分の誤解を整理します。
一般的には、保険による賠償は民事責任への対応であり、刑事責任とは別とされています。ただし、被害回復として量刑上考慮される可能性はあります。事故態様、負傷程度、示談内容、前歴によって評価は変わるため、具体的な見通しは弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、軽傷であることは処分判断の一事情とされています。ただし、飲酒、無免許、ひき逃げ、信号無視、速度超過、スマートフォン注視、前歴などがあれば、処罰される可能性があります。具体的な対応は、診断書や事故資料を整理したうえで弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、飲酒運転は道路交通法上の犯罪ですが、危険運転致死傷罪になるには自動車運転処罰法の要件を満たす必要があるとされています。ただし、飲酒量、運転状態、ふらつき、事故態様、検査結果などで結論は変わる可能性があります。
一般的には、事故後は直ちに停止し、救護し、危険防止措置をとり、警察に報告する必要があるとされています。現場を離れた理由、距離、時間、救護・通報の有無によって、救護義務違反や報告義務違反が問題になる可能性があります。
一般的には、刑事事件と民事事件では判断対象や証明の程度が異なるとされています。刑事事件で不起訴又は無罪になっても、民事上の過失や損害賠償責任が認められる可能性があります。具体的な賠償関係は、証拠と損害資料を整理して専門家へ相談する必要があります。
一般的には、行政処分は刑事罰ではないとされています。免許停止・取消し、違反点数、欠格期間は公安委員会による行政上の処分であり、刑事罰とは別に進みます。事故態様や処分歴により影響は変わるため、通知や資料を確認する必要があります。
危険運転致死傷罪の要件明確化と、複数分野の確認ポイントをまとめます。
2026年4月24日時点では、自動車運転処罰法と道路交通法の改正案について、危険運転致死傷罪の要件明確化が議論されています。参議院の議案情報では、2026年4月17日に参議院で可決され、衆議院へ送付された改正案として、アルコール影響、速度、タイヤを滑らせ又は浮かせる走行行為などに関する明確化・追加が示されています。
次の重要ポイントは、改正案で示された主な方向性を整理したものです。事故日、公布日、施行日、経過措置により適用関係が変わるため、どの時点の法令を確認する必要があるかを読み取ってください。
アルコール影響による正常運転困難状態、最高速度を大きく超える高速度運転、タイヤを滑らせ又は浮かせる走行行為などについて、条文上の要件をより具体化する方向が示されています。実務では、事故日の法令と施行状況を確認する必要があります。
交通事故は、法律だけでなく、警察・検察・裁判実務、医療、交通事故鑑定、保険・損害調査、労務・福祉・心理支援が交差する問題です。次の一覧は、専門職ごとに何を見ているかを整理し、どの資料をどの分野につなげるべきかを確認するためのものです。
信号、速度、位置関係、映像、痕跡、医学的証拠をもとに、罪名選択、起訴・不起訴、有罪・無罪、量刑を判断します。
刑事手続救命、治療、診断、リハビリに加え、刑事・民事の基礎資料となる診断書や画像所見を作成します。
診断書速度、衝突角度、制動距離、視認可能性、回避可能性、車両損傷、映像、EDRデータを分析します。
解析業務中・通勤中事故の労災、傷病手当金、障害年金、復職支援、介護保険、障害福祉、遺族の心理支援や生活再建を確認します。
生活再建交通事故の刑事罰は、死亡事故なら実刑、軽傷なら処罰なしというように単純には決まりません。事故態様、過失の程度、危険運転該当性、飲酒・薬物・無免許・妨害運転・ひき逃げの有無、被害結果、事故後対応、被害回復、前歴、証拠を総合して判断されます。