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利用目的を具体的に書く義務と
記載例を実務で使える形に整理

個人情報保護法上の利用目的は、本人が情報の使われ方を合理的に予測できる粒度で特定する必要があります。取得導線、広告・分析、第三者提供、従業員情報、改定管理までまとめて確認します。

6概念 個人情報の基本分類
17用途 記載例テンプレート
2026年 改正動向にも留意
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利用目的を具体的に書く義務と 記載例を実務で使える形に整理

個人情報保護法上の利用目的は、本人が情報の使われ方を合理的に予測できる粒度で特定する必要があります。

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利用目的を具体的に書く義務と 記載例を実務で使える形に整理
個人情報保護法上の利用目的は、本人が情報の使われ方を合理的に予測できる粒度で特定する必要があります。
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  • 利用目的を具体的に書く義務と 記載例を実務で使える形に整理
  • 個人情報保護法上の利用目的は、本人が情報の使われ方を合理的に予測できる粒度で特定する必要があります。

POINT 1

  • 利用目的を具体的に書く義務の全体像
  • 本人が何のために、どのように使われるかを予測できる粒度で整理します。
  • 誰の情報か
  • どこで取得するか
  • 何に使うか

POINT 2

  • 利用目的と個人情報保護法の基本概念
  • 個人情報の種類と法的義務を分けて、利用目的の射程を確認します。
  • 基本概念と法的根拠は、利用目的の記載範囲を決めるための土台です。
  • なぜ重要かというと、ひとつの プライバシーポリシー 文案だけでは各義務を満たせないことがあるためです。

POINT 3

  • 利用目的を具体的に書く粒度と改善例
  • 1. 取得場面を特定する:問い合わせ、購入、採用応募、会員登録、Cookieなどを分けます。
  • 2. 本人が自然に予測できる利用を洗い出す:回答、配送、本人確認、請求、契約履行などを確認します。
  • 3. 予測しにくい利用があるか:広告配信、行動履歴分析、AI学習、スコアリング、第三者提供、共同利用を確認します。
  • 4. 具体的に明示し、必要な同意を設計:利用項目、目的、提供先、撤回方法などを分けます。
  • 5. 業務類型ごとに整理:具体例を列挙し、付随目的は補助として使います。

POINT 4

  • 利用目的の通知・公表・明示とフォーム設計
  • 1. 利用目的の要点を近くに表示:氏名、会社名、連絡先、問い合わせ内容など、取得項目と利用目的を対応させます。
  • 2. 詳細ページへの明確な導線を置く:プライバシーポリシーへのリンクと、重要事項の要点表示を併用します。
  • 3. 掲載と同意を分ける:第三者提供、広告メール、要配慮個人情報、海外移転などは必要に応じて同意取得を設計します。
  • 4. ログと版数を保存:同意文言、画面、日時、ポリシー版数、適用日を管理します。

POINT 5

  • 利用目的とプロファイリング・AI分析の記載
  • 本人が予測できない
  • 広告、AI分析、第三者提供、社内研修、営業電話などの可能性を判断できません。
  • 目的外利用の判断ができない
  • 部門ごとに都合よく解釈され、マーケティング、開発、人事、CSで統制が崩れます。

POINT 6

  • 利用目的と第三者提供・委託・共同利用
  • 1. 外部者に個人データを扱わせる:提供、委託、共同利用、M&A承継のいずれかを整理します。
  • 2. 自社の利用目的の達成に必要な範囲か:目的外利用に当たる場合は、原則として本人同意を検討します。
  • 3. 提供規制を確認:同意、提供項目、提供先、提供目的を明確化します。
  • 4. 監督・法定表示を整備:委託先管理または共同利用事項を整えます。

POINT 7

  • 利用目的と従業員・採用・Cookie情報の整理
  • 顧客情報以外のデータも、取得場面と本人への影響で分けます。
  • 人事・労務管理
  • 選考と再連絡
  • 法人取引の担当者情報

POINT 8

  • 利用目的の変更・安全管理・違反リスク
  • 1. 関連性と予測可能性を確認
  • 2. 変更後の目的を示す:変更前後の対照、改定日、適用日、改定理由を表示すると、本人にも社内にも分かりやすくなります。
  • 3. 目的外利用として同意を検討:無関係な第三者広告事業者への提供、信用スコアリング、採用選考への転用などは、関連性を超える可能性が高いです。
  • 4. 安全管理と保存期間を更新:アクセス権限、保存期間、委託先、ログ管理、削除ルールを利用目的に合わせます。

まとめ

  • 利用目的を具体的に書く義務と 記載例を実務で使える形に整理
  • 利用目的を具体的に書く義務の全体像:本人が何のために、どのように使われるかを予測できる粒度で整理します。
  • 利用目的と個人情報保護法の基本概念:個人情報の種類と法的義務を分けて、利用目的の射程を確認します。
  • 利用目的を具体的に書く粒度と改善例:本人の予測可能性を軸に、抽象表現を実務で使える文言へ直します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

利用目的を具体的に書く義務の全体像

本人が何のために、どのように使われるかを予測できる粒度で整理します。

利用目的を具体的に書く義務は、プライバシーポリシーの文章表現だけでなく、取得導線、社内データ管理、委託先管理、広告・分析・AI活用、従業員情報管理、M&A後のデータ統合まで影響する実務上の起点です。

このページでは、本人が自分の情報の使われ方を一般的・合理的に予測できる粒度を基準に、法的根拠、表示方法、用途別の記載例、悪い例の直し方、社内チェックまでを一体で整理します。個別事情によって判断は変わるため、具体的な対応は資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ確認する必要があります。

結論利用目的は「広く書けば安全」ではありません。取得場面、利用行為、本人への影響、第三者提供・共同利用・委託・AI分析の有無を分け、本人が予測できる言葉で具体化することが重要です。

次の重要ポイントは、利用目的を設計するときに最初に見るべき判断軸をまとめたものです。なぜ重要かというと、各軸が曖昧なままだと目的外利用、説明不足、委託先管理の不備につながるためです。左から順に、誰の情報か、どの場面か、何に使うか、本人への影響が大きい利用があるかを読み取ってください。

対象

誰の情報か

顧客、従業員、採用応募者、取引先担当者、株主、問い合わせ者など、本人との関係ごとに分けます。

場面

どこで取得するか

契約書、Webフォーム、アプリ登録、名刺交換、防犯カメラ、Cookieなど取得導線を特定します。

行為

何に使うか

連絡、契約履行、請求、配送、本人確認、広告、分析、問い合わせ対応などの利用行為を列挙します。

影響

特別な利用はあるか

第三者提供、共同利用、海外移転、プロファイリング、AI分析、信用スコアリングは明確に分けます。

Section 01

利用目的と個人情報保護法の基本概念

個人情報の種類と法的義務を分けて、利用目的の射程を確認します。

基本概念と法的根拠は、利用目的の記載範囲を決めるための土台です。なぜ重要かというと、個人情報、個人データ、保有個人データ、要配慮個人情報、個人関連情報では、必要な表示や同意、管理水準が変わるためです。次の比較表では、左列の概念ごとに、どのような情報が該当し、実務で何を確認すべきかを読み取ってください。

概念内容利用目的で確認する点
個人情報氏名、生年月日、住所、電話番号、メール、顔写真、社員番号、顧客番号、個人識別符号など、生存する個人を識別できる情報です。単独で識別できなくても、社内データベースと容易に照合できるIDや予約番号は個人情報として扱う場合があります。
個人データ検索できるよう体系的に構成された個人情報データベース等を構成する情報です。CRM、顧客名簿、人事台帳、問い合わせ履歴、購買履歴、会員IDと紐づくアクセス履歴は管理対象になりやすいです。
保有個人データ事業者が開示、訂正、利用停止等の権限を有する個人データです。利用目的は本人の知り得る状態に置く公表事項としても重要です。
要配慮個人情報病歴、犯罪歴、健康診断結果、診療・調剤情報など、不利益防止のため特に配慮が必要な情報です。原則として本人同意が必要で、利用目的だけでなく取得根拠、閲覧権限、委託先管理も厳格に設計します。
個人関連情報Cookie ID、広告ID、端末識別子、閲覧履歴、位置情報、行動ログなど、個人情報等に該当しない個人に関する情報です。提供先で個人データとして取得されることが想定される場合、第三者提供規制を確認します。
統計情報複数人の情報を集計し、特定個人との対応関係が排斥された情報です。統計化後は通常個人情報に該当しませんが、統計化前の取得・利用には利用目的の整理が必要です。

個人情報保護法上の義務は、利用目的を決める場面、実際に使う場面、本人へ示す場面、保有個人データとして公表する場面に分かれます。なぜ重要かというと、ひとつのプライバシーポリシー文案だけでは各義務を満たせないことがあるためです。次の比較表では、各義務がどの実務判断に結び付くかを確認してください。

義務実務上の意味注意点
利用目的の特定個人情報を取り扱うに当たり、利用目的をできる限り特定します。社内で使える範囲、本人に説明すべき範囲、第三者提供の同意範囲の基準になります。
目的外利用の制限特定した目的の達成に必要な範囲を超える利用には、原則として本人同意が必要です。後から広く書き換えるだけで過去取得データを自由に使えるわけではありません。
不適正利用の禁止違法または不当な行為を助長・誘発するおそれがある方法で利用してはなりません。目的に書いてあっても、違法・不当な利用は許されません。
取得時の通知・公表取得後、あらかじめ公表している場合を除き、速やかに本人へ通知または公表します。Web掲載だけで本人が見つけにくい場合は導線を設計します。
直接書面取得時の明示契約書、申込書、Webフォーム、アプリ入力画面では原則として取得前に明示します。入力前または送信前に本人が確認できる位置に置くことが重要です。
保有個人データの公表利用目的、開示等請求手続、苦情申出先、安全管理措置等を知り得る状態に置きます。開示等請求手続ページや問い合わせ窓口と整合させます。
Section 02

利用目的を具体的に書く粒度と改善例

本人の予測可能性を軸に、抽象表現を実務で使える文言へ直します。

利用目的の粒度は、広すぎても狭すぎても問題になります。なぜ重要かというと、広すぎると本人が予測できず、狭すぎると少し新しい利用をするだけで目的外利用になり得るためです。次の判断の流れでは、上から順に、取得場面から自然に予測できるか、本人への影響が大きい利用があるか、同意や別表示が必要かを読み取ってください。

利用目的の粒度を決める判断の流れ

取得場面を特定する

問い合わせ、購入、採用応募、会員登録、Cookieなどを分けます。

本人が自然に予測できる利用を洗い出す

回答、配送、本人確認、請求、契約履行などを確認します。

予測しにくい利用があるか

広告配信、行動履歴分析、AI学習、スコアリング、第三者提供、共同利用を確認します。

ある
具体的に明示し、必要な同意を設計

利用項目、目的、提供先、撤回方法などを分けます。

ない
業務類型ごとに整理

具体例を列挙し、付随目的は補助として使います。

抽象的な表現を改善するには、何を、どの業務で、どの行為に使うかを足します。なぜ重要かというと、同じ「サービス向上」でも分析、広告、研修、AI利用では本人への影響が違うためです。次の比較表では、左列の不十分な表現が、右列でどのように具体化されているかを確認してください。

不十分な表現改善の方向記載例
お客様サービス向上のため問い合わせ、利用状況、品質改善、不具合対応などに分けます。お問い合わせへの回答、当社サービスの利用状況の分析、サービスの品質改善、不具合対応、サポート体制の改善のため
マーケティング活動のため履歴分析、案内方法、広告配信、効果測定を示します。購入履歴、閲覧履歴、問い合わせ履歴を分析し、関心に応じた商品・サービスの案内、メール配信、広告配信、広告効果測定のため
事業活動のため契約管理、請求、問い合わせ、法令遵守、紛争対応などに分けます。商品・サービスの提供、契約管理、請求・決済、問い合わせ対応、関連商品・サービスの案内、サービス改善、法令遵守、紛争対応のため
その他必要な目的主目的を具体的に列挙したうえで、付随目的として限定します。上記各目的に付随または関連する業務の遂行のため
注意「関連する業務」のような文言は、具体的な目的の列挙を補完する表現として使います。主たる利用目的の代わりに置くと、本人の予測可能性を弱めます。
Section 03

利用目的の通知・公表・明示とフォーム設計

取得導線ごとに、本人が入力前に認識できる表示へ落とし込みます。

通知・公表・明示は、本人への示し方が異なります。なぜ重要かというと、直接書面取得では「後で知らせる」だけでは足りない場合があるためです。次の比較表では、取得場面ごとに、どの対応が原則になり、どのような実装に落とすかを読み取ってください。

取得場面原則対応実務例
店舗で口頭取得通知または公表店舗掲示、口頭説明、Web掲載
契約書で取得あらかじめ明示契約書条項、別紙、申込書記載
Webフォームで取得あらかじめ明示フォーム下部の利用目的表示、プライバシーポリシーリンク
アプリ登録で取得あらかじめ明示登録画面上の要点表示、同意導線
名刺交換原則として通知・公表の対象会社Webサイトでの公表、メール署名からの導線
防犯カメラ取得状況に応じた公表・掲示店舗入口掲示、プライバシーポリシー記載

Webフォームでは、入力前または送信前に本人が確認できる配置が重要です。なぜ重要かというと、問い合わせ回答から自然に予測できない広告配信、関連会社案内、第三者提供、AI分析などは別途示す必要があるためです。次の時系列では、上から順に、表示、同意、ログ、改定管理までの実装順を確認してください。

入力前

利用目的の要点を近くに表示

氏名、会社名、連絡先、問い合わせ内容など、取得項目と利用目的を対応させます。

送信前

詳細ページへの明確な導線を置く

プライバシーポリシーへのリンクと、重要事項の要点表示を併用します。

同意が必要な処理

掲載と同意を分ける

第三者提供、広告メール、要配慮個人情報、海外移転などは必要に応じて同意取得を設計します。

送信後

ログと版数を保存

同意文言、画面、日時、ポリシー版数、適用日を管理します。

フォーム別の記載例は、取得する情報とその後の利用を対応させるための雛形です。なぜ重要かというと、問い合わせ、資料請求、採用では本人が予測する利用範囲が異なるためです。次の一覧では、どの業務に使うのかが文中で具体化されている点を読み取ってください。

01

問い合わせフォーム

氏名、会社名、メールアドレス、電話番号、問い合わせ内容を、問い合わせへの回答、本人確認、回答履歴の管理、サービス改善、関連する案内のために利用します。広告・営業目的のメール配信を行う場合は、法令に従い必要な同意または配信停止手段を設けます。

回答広告配信
02

資料請求フォーム

入力情報を、資料送付、資料請求への対応、商品・サービス案内、商談管理、サービス改善、利用状況の分析のために利用します。

送付商談管理
03

採用応募フォーム

氏名、連絡先、履歴書、職務経歴書、応募書類、選考過程で取得する情報を、採用選考、応募者連絡、本人確認、入社手続、採用活動の改善、将来の採用機会に関する連絡のために利用します。

採用保管期間
Section 04

利用目的とプロファイリング・AI分析の記載

抽象表現を避け、分析対象・利用行為・本人への影響を分けて示します。

抽象的な利用目的は、本人対応、社内統制、委託先管理、開示請求対応を同時に不安定にします。なぜ重要かというと、本人が「そのように使われるとは思わなかった」と感じる領域ほど、行政対応やレピュテーションのリスクが高まるためです。次の注意要素の一覧では、どの業務上の弱点が生じるかを確認してください。

本人が予測できない

広告、AI分析、第三者提供、社内研修、営業電話などの可能性を判断できません。

目的外利用の判断ができない

部門ごとに都合よく解釈され、マーケティング、開発、人事、CSで統制が崩れます。

委託・共同利用の説明が弱くなる

委託先利用や共同利用が元の利用目的の範囲内か判断しにくくなります。

開示請求対応が難しくなる

本人から何に使っているか問われたとき、監督当局対応や訴訟対応で説明に窮します。

プロファイリング、行動履歴分析、スコアリング、AI利用は、本人への影響が大きくなりやすい領域です。なぜ重要かというと、単に「広告配信」や「研究開発」と書くだけでは、どの情報を分析し、何を推定し、どの判断に使うのかが伝わりにくいためです。次の比較表では、利用類型ごとに明示すべき要素と文案の方向を読み取ってください。

利用類型明示すべき要素記載の方向
行動履歴分析閲覧履歴、購買履歴、利用履歴、問い合わせ履歴、広告反応履歴興味・関心・属性・利用傾向に応じた商品案内、広告配信、キャンペーン案内、サービス改善を示します。
信用スコアリング申込情報、契約情報、取引履歴、支払履歴、利用履歴与信判断、信用リスク評価、不正利用防止、取引可否、利用限度額、債権管理を分けて示します。
AI・機械学習問い合わせ内容、利用履歴、操作ログ、統計処理、モデル学習・評価・改善品質向上、不具合検知、セキュリティ向上、問い合わせ効率化、商品開発を具体化し、必要な加工措置も示します。
採用・人事AI分析応募書類、適性検査結果、面接記録、選考過程で取得した情報採用選考、連絡、選考管理、採用活動改善、採用基準検証を分け、自動化や外部AI利用は慎重に整理します。
重要個人ごとの合否、与信、利用可否、健康・能力評価などに影響する分析では、利用目的の記載だけでなく、本人同意、要配慮個人情報、外部ツール入力、保存期間、説明可能性も確認します。
Section 05

利用目的と第三者提供・委託・共同利用

外部者が関わる場面を混同せず、同意・表示・監督を分けます。

第三者提供、委託、共同利用は、外部者が関与する点では似ていますが、法律上の位置づけが異なります。なぜ重要かというと、利用目的に「第三者提供」と書くだけでは本人同意や法定事項の表示を代替できないためです。次の比較表では、各類型で必要な説明と管理の違いを読み取ってください。

類型基本的な考え方記載・管理の要点
第三者提供個人データを第三者に提供する場合、原則として本人同意が必要です。提供先、提供目的、提供項目、提供方法、同意取得の要否を整理します。利用目的の記載だけで自由に提供できるわけではありません。
委託配送、決済、システム運用、CS、メール配信、採用管理、給与計算などを外部事業者に任せる場合です。委託先は一定要件のもとで第三者に該当しませんが、委託元は必要かつ適切な監督を行います。委託は利用目的の範囲内で行います。
共同利用グループ会社、提携先、共同事業者などが一定の個人データを共同して利用する仕組みです。共同利用項目、共同利用者の範囲、利用目的、管理責任者を、あらかじめ本人に通知または容易に知り得る状態に置きます。
M&A・事業承継合併、会社分割、事業譲渡等に伴い個人データが承継される場面です。一定の場合は第三者提供に該当しないことがありますが、承継後も原則として承継前の利用目的の範囲内で利用します。

外部者が関わる利用では、まず現在の利用目的の範囲内かを確認し、次に本人への説明や同意が必要かを判断します。なぜ重要かというと、委託と第三者提供を混同すると、同意や監督の設計を誤るためです。次の判断の流れでは、左から右へ、外部利用の性質と必要対応を確認してください。

外部利用を整理する判断の流れ

外部者に個人データを扱わせる

提供、委託、共同利用、M&A承継のいずれかを整理します。

自社の利用目的の達成に必要な範囲か

目的外利用に当たる場合は、原則として本人同意を検討します。

第三者提供
提供規制を確認

同意、提供項目、提供先、提供目的を明確化します。

委託・共同利用
監督・法定表示を整備

委託先管理または共同利用事項を整えます。

Section 06

利用目的と従業員・採用・Cookie情報の整理

顧客情報以外のデータも、取得場面と本人への影響で分けます。

顧客以外の個人情報やCookie等も、利用目的の整理対象になります。なぜ重要かというと、従業員情報、採用応募者情報、取引先担当者情報、Cookie、統計化前の個人情報では、本人との関係や予測可能性が異なるためです。次の一覧では、対象ごとに、どの情報をどの目的に使うかを読み取ってください。

従業員

人事・労務管理

勤怠、給与、社会保険、福利厚生、安全衛生、健康管理、教育研修、人事評価、配置、懲戒、緊急連絡、内部監査、紛争対応などを分けます。

採用

選考と再連絡

採用選考、日程調整、本人確認、応募履歴管理、入社手続、採用活動改善、将来の採用機会の連絡を整理します。

取引先

法人取引の担当者情報

契約締結・履行、商談、受発注、請求・支払、問い合わせ、取引管理、与信管理、セミナー案内、法令遵守、紛争対応に使います。

Cookie

広告ID・行動ログ

Cookie IDや広告IDは、会員ID等と紐づくと個人情報になり得ます。個人関連情報の提供規制も確認します。

統計

加工前の取扱い

統計情報化後は通常個人情報に該当しませんが、加工前の取得・利用には利用目的の特定と安全管理が必要です。

Cookie、広告ID、外部広告事業者の利用は、個人情報該当性と個人関連情報の双方から確認します。なぜ重要かというと、自社が取得する情報と広告事業者が取得する情報、タグ設置やカスタマーマッチ、リターゲティングの有無で説明範囲が変わるためです。次の比較表では、各情報の利用目的に含めるべき要素を確認してください。

情報・利用記載に含める要素補足
Cookie・広告ID端末識別子、閲覧履歴、検索履歴、広告閲覧履歴、位置情報、利用履歴サービス提供、利便性向上、利用状況分析、広告効果測定、興味関心に応じた広告、不正利用防止を分けます。
外部広告事業者広告配信事業者のタグ、Cookie、広告ID、広告効果測定広告配信事業者のポリシーに従って扱われる場合があることも整理します。
統計情報個人を識別できない統計情報への加工、サービス改善、商品開発、市場分析、経営分析、レポート作成常に必須記載とは限りませんが、本人の予測可能性が低い分析は具体化します。
Section 07

利用目的の変更・安全管理・違反リスク

後から広げる場面ほど、関連性、同意、ログ、保存期間を確認します。

利用目的の変更、安全管理、開示請求対応は、最初の文案作成後に問題化しやすい領域です。なぜ重要かというと、変更前の目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えると、目的外利用として本人同意が必要になり得るためです。次の時系列では、変更判断から公表、同意、社内運用までの順番を確認してください。

変更検討

関連性と予測可能性を確認

商品発送・問い合わせ対応から関連商品の案内へ広げる場合でも、取得時の文脈、案内内容、本人との関係、オプトアウト手段を確認します。

通知・公表

変更後の目的を示す

変更前後の対照、改定日、適用日、改定理由を表示すると、本人にも社内にも分かりやすくなります。

範囲超過

目的外利用として同意を検討

無関係な第三者広告事業者への提供、信用スコアリング、採用選考への転用などは、関連性を超える可能性が高いです。

運用

安全管理と保存期間を更新

アクセス権限、保存期間、委託先、ログ管理、削除ルールを利用目的に合わせます。

違反時のリスクは、行政、民事、信用、社内統制に分かれて現れます。なぜ重要かというと、プライバシーポリシーの不備は単なる文案ミスではなく、漏えい対応、取引先審査、採用、M&A審査にも波及するためです。次の注意要素の一覧では、どのリスクがどの場面で顕在化しやすいかを読み取ってください。

行政対応

報告徴求、立入検査、指導、助言、勧告、命令、公表、罰則の対象となる可能性があります。

民事対応

損害賠償請求、利用停止請求、削除請求、苦情申立て、契約違反や補償条項の発動につながることがあります。

信用低下

報道、SNS、取引先審査、採用活動、投資家評価、上場審査、M&Aデューデリジェンスに影響します。

社内統制

部門ごとにデータ利用判断が属人的になり、広告、AI開発、委託先連携、海外移転で統制不備が生じます。

Section 08

利用目的の記載例 ― 用途別テンプレート

EC、SaaS、採用、人事、Cookie、AIなど主要用途を一覧化します。

用途別テンプレートは、自社の業務実態に合わせて調整するための素材です。なぜ重要かというと、業種や取得場面ごとに、本人が予測する範囲と説明すべき利用行為が異なるためです。次の比較表では、各用途について、どの業務目的を列挙しているかを読み取ってください。

用途記載例の骨子
ECサイト販売、発送、決済、本人確認、注文管理、返品・交換・修理、問い合わせ、アフターサービス、ポイント管理、キャンペーン、購入履歴に基づく案内、分析、改善、不正防止、法令遵守、紛争対応。
SaaS・クラウドアカウント管理、本人確認、サービス提供、契約管理、請求・決済、サポート、障害対応、メンテナンス通知、利用状況分析、機能改善、新機能開発、セキュリティ、不正防止。
BtoB営業商談、契約締結・履行、業務連絡、資料送付、見積・請求・支払管理、取引履歴管理、商品・サービス案内、セミナー案内、アンケート、顧客管理。
メールマガジン氏名、会社名、メールアドレス、配信履歴、閲覧履歴、クリック履歴を、配信、配信管理、停止対応、関心分野に応じた情報提供、効果測定、改善に利用。
セミナー・イベント受付、本人確認、参加案内、資料送付、受講管理、アンケート、次回イベント案内、関連商品・サービス案内、運営改善、問い合わせ対応。
問い合わせ対応氏名、会社名、連絡先、問い合わせ内容を、回答、本人確認、対応履歴管理、品質改善、再発防止、社内教育、紛争対応に利用。
採用採用選考、応募者連絡、日程調整、本人確認、適性検査、リファレンス確認、採用可否、入社手続、採用活動改善、将来の採用機会の連絡。
従業員管理人事、労務、勤怠、給与・賞与・退職金、社会保険・労働保険、税務、福利厚生、安全衛生、健康管理、教育研修、評価、異動・懲戒、緊急連絡、情報セキュリティ、内部監査。
医療・ヘルスケアサービス提供、本人確認、健康相談、予約管理、利用履歴、医療機関・専門職との連携、問い合わせ、改善、安全管理、法令記録・報告、紛争対応。要配慮個人情報は必要な同意等を確認。
金融・決済・与信本人確認、申込審査、契約管理、決済処理、与信判断、信用リスク評価、取引管理、債権管理、不正利用防止、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策、法令対応。
不動産物件紹介、内覧調整、売買・賃貸借契約、本人確認、審査、重要事項説明、登記・保険・ローン・管理会社等との連携、契約後管理、問い合わせ、関連サービス案内。
教育・研修講座申込受付、本人確認、受講管理、教材・資料提供、成績・受講履歴管理、修了証発行、問い合わせ、講座改善、関連講座案内、アンケート。
防犯カメラ防犯、防災、事故防止、施設管理、入退館管理、不正防止、事故・トラブル時の事実確認、公的機関対応。
アプリ・位置情報アカウント情報、端末情報、位置情報、操作履歴、利用履歴を、機能提供、本人確認、位置情報に基づくサービス、利便性向上、分析、広告、セキュリティ、不正防止に利用。
AIチャットボット入力内容、問い合わせ内容、利用履歴、回答履歴を、問い合わせ対応、回答品質改善、FAQ整備、サービス改善、システム精度向上、不正防止、紛争対応に利用。
グループ会社連携同意または法令上認められる場合に共同利用し、商品・サービス提供、契約管理、問い合わせ、顧客管理、関連案内、内部管理、法令遵守に利用。
M&A・デューデリジェンス事業提携、合併、会社分割、事業譲渡、株式譲渡等の検討、デューデリジェンス、契約交渉、承継手続、PMI、法令遵守、紛争対応。
Section 09

利用目的の悪い記載例と社内チェック

抽象表現を具体化し、社内運用と表示のずれを点検します。

悪い記載例と改善例は、抽象表現を見つけて修正するための実務的な比較です。なぜ重要かというと、文言の広さだけでなく、本人が何を予測できるか、社内でどこまで使えるかが変わるためです。次の比較表では、問題点と改善後の具体化の方向を確認してください。

悪い例問題点改善例
当社の事業活動のため範囲が広すぎ、本人が具体的な利用を予測できません。商品・サービスの提供、契約管理、請求・決済、問い合わせ対応、アフターサービス、関連商品・サービスの案内、サービス改善、法令遵守、紛争対応のため。
お客様サービス向上のため分析、広告、研修、AI学習、第三者提供など、何を含むか不明確です。問い合わせ内容、利用履歴、購買履歴、アンケート結果を分析し、品質改善、不具合対応、サポート体制改善、新商品・新機能開発のため。
マーケティングのためメール、広告、行動履歴分析、電話営業、DMなどの範囲が不明確です。購入履歴、閲覧履歴、問い合わせ履歴、セミナー参加履歴を分析し、関心に応じた案内、メール配信、広告配信、キャンペーン案内、効果測定のため。
その他当社が必要と認める目的のため事業者の一方的判断で範囲が広がり、特定性を欠きます。上記各目的に付随または関連する業務の遂行のため。
当社は個人情報を第三者に提供することがあります提供先、提供目的、提供項目、同意取得の有無が不明です。本人の同意を得た場合または法令に基づく場合を除き、個人データを第三者に提供しません。提供する場合は必要事項を明示し、必要な同意を取得します。

社内チェックでは、文案だけでなく、取得場面、広告・分析、第三者提供、従業員・採用、改定運用を一体で確認します。なぜ重要かというと、実際のデータ利用が文案とずれていると、本人対応や監督当局対応で説明できなくなるためです。次の一覧では、上から順に確認することで、抜け漏れの多い論点を洗い出せます。

01

利用目的の特定

抽象的すぎないか、取得項目と目的が対応しているか、利用しない目的まで過度に列挙していないかを確認します。

文案
02

取得場面

直接書面取得では取得前に明示し、Webフォーム、採用応募、資料請求、問い合わせ、会員登録で表示を分けます。

導線
03

広告・分析

閲覧履歴・購買履歴・利用履歴の分析、広告配信、Cookie、広告ID、個人関連情報の規制を確認します。

分析
04

提供・共同利用・委託

第三者提供と委託を混同せず、共同利用事項、委託先管理、グループ会社利用の範囲を明確にします。

外部利用
05

従業員・採用

健康情報、懲戒情報、評価情報、採用応募者の保存期間、AI選考や適性検査の利用を確認します。

人事
06

改定・運用

版数管理、通知・公表、目的外利用の同意、社内規程・委託契約・実運用との整合を確認します。

管理
Section 10

利用目的の2026年改正動向とFAQ

現行法対応を前提に、改正後の見直しに備える観点を整理します。

2026年時点では、個人情報保護法等の一部改正法案が閣議決定され、国会に提出されています。なぜ重要かというと、本人の権利利益への影響が大きい情報、監視・監督、データ利活用促進の見直しは、利用目的の設計にも影響し得るためです。次の強調表示では、現行法対応を前提に、将来の見直しへ備えるべき点を読み取ってください。

現行法ベースで整え、改正後の見直しに備える

生体関連情報、違法な第三者提供等で得た利益への制裁、統計情報作成等を目的とする一定の提供、本人同意を要しないデータ利活用類型、監督強化は、政令・規則・ガイドラインで実務影響が変わります。

よくある疑問は、実務判断を誤りやすい論点に集中しています。なぜ重要かというと、同じ文言でも取得場面、データ項目、本人への影響、提供先の有無で結論が変わるためです。次のFAQでは、一般的な考え方と、個別確認が必要になる理由を確認してください。

質問一般的な考え方
広めに書けば目的外利用を避けられますか一般的には、広すぎる記載は特定性を欠く可能性があります。ただし、事業内容、取得場面、本人への表示、利用実態によって判断は変わります。具体的な文案は、データマッピングを踏まえて専門家へ確認する必要があります。
問い合わせ回答に使うだけなら明示は不要ですか一般的には、問い合わせ回答に使うことは取得状況から予測しやすい場合があります。ただし、広告メール、分析、第三者提供、AI学習などに使う場合は別途表示や同意が必要になる可能性があります。
プライバシーポリシーに書けば第三者提供できますか一般的には、第三者提供には本人同意など別の要件が問題になります。利用目的の記載は透明性を高めますが、同意要件を当然に代替するものではありません。
まとめ利用目的は、取得情報、利用部門、利用行為、本人への影響を正確に把握し、本人に分かる言葉で法的に過不足なく表現することが重要です。文章、取得導線、同意管理、委託先管理、改定管理まで一体で整備します。
Reference

参考資料

公的資料・法令資料

  • 個人情報の保護に関する法律
  • 個人情報の保護に関する法律施行令
  • 個人情報の保護に関する法律施行規則
  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドラインに関するQ&A」
  • 個人情報保護委員会「個人情報保護法等の改正法案に関する公表資料」
  • 政府広報オンライン「個人情報保護法の概要」に関する資料
  • 内閣法制局「個人情報の保護に関する法律の一部を改正する法律案」関係資料

このページは企業法務・個人情報保護実務に関する一般的な情報提供であり、個別の法的判断を示すものではありません。利用目的の記載、プライバシーポリシーの改定、同意取得設計、第三者提供、共同利用、海外移転、AI利用、要配慮個人情報の取扱いは、個別事情を踏まえて弁護士等の専門家へ相談する必要があります。