2σ Guide

外為法の技術輸出規制への
実務対応

技術提供規制、みなし輸出、該非判定、取引審査、クラウド、契約条項、社内体制、違反時対応を、企業法務で使える順番に整理します。

25条技術提供規制の中心条文
2022年みなし輸出の運用明確化
90日許可審査期間の原則
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外為法の 技術輸出規制への 実務対応

技術提供規制、みなし輸出、該非判定、取引審査、クラウド、契約条項、社内体制、違反時対応を、企業法務で使える順番に整理します。

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外為法の 技術輸出規制への 実務対応
技術提供規制、みなし輸出、該非判定、取引審査、クラウド、契約条項、社内体制、違反時対応を、企業法務で使える順番に整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 外為法の 技術輸出規制への 実務対応
  • 技術提供規制、みなし輸出、該非判定、取引審査、クラウド、契約条項、社内体制、違反時対応を、企業法務で使える順番に整理します。

POINT 1

  • 外為法の技術輸出規制への 実務対応の全体像
  • 貨物輸出だけでなく、技術データ、技術支援、クラウド、共同研究、海外子会社支援まで含めて確認します。
  • 技術輸出管理は、法務確認だけでなく業務設計です
  • 技術の内容
  • 提供先と用途

POINT 2

  • 外為法の技術輸出規制でいう 技術の定義
  • 設計、製造、使用に必要な情報と、文書化されていない技術支援を分けて確認します。
  • 技術輸出規制の出発点は、物ではなく情報や支援が対象になるという理解です。
  • 次の比較一覧は、技術データと技術支援を実務で見分けるための典型例を表しています。
  • 読者にとって重要なのは、ファイル送付だけでなく、研修、会議、実演、チャット上の助言も技術提供になり得ると読み取ることです。

POINT 3

  • 外為法の技術輸出規制の 許可要否判断
  • 1. Step 1 技術の特定:何を提供するのかを、設計、製造、使用、プログラム、技術支援の単位で特定します。
  • 2. Step 2 該非判定:外為令別表、貨物等省令、役務通達、マトリクス表に照らして規制技術か確認します。
  • 3. Step 3 提供先・場所・手段:相手の居住性、国内外の提供場所、メール、会議、クラウド、研修、出張などを確認します。
  • 4. Step 4 みなし輸出:国内の居住者への提供でも、特定類型該当者への提供として扱われないか確認します。
  • 5. Step 5 許可不要特例:公知情報、基礎科学研究、市販プログラム、特許出願に必要な最小限情報などの要件を確認します。
  • 6. Step 6 取引審査:用途、需要者、最終利用者、軍事転用懸念、外国ユーザーリスト、キャッチオール、インフォームを確認します。
  • 7. Step 7 申請又は停止:提供前に申請・取得します。
  • 8. Step 8 記録・監査:提供日時、方法、相手、技術範囲、許可番号、証跡を保存し、変更時に再確認します。

POINT 4

  • 外為法の技術輸出規制と 該非判定・みなし輸出
  • 製品名ではなく技術情報そのものを単位として判定し、国内提供でも特定類型を確認します。
  • 該非判定では、提供しようとする貨物又は技術が、輸出令別表第1又は外為令別表に基づく規制対象に該当するかを判断します。
  • 2026年2月18日時点で、令和8年2月14日施行対応版の貨物・技術マトリクス表が公表されています。
  • 後日の監査、当局照会、顧客説明、再確認、違反調査に耐えるため、結論だけでなく根拠、版数、証跡を残すことが重要です。

POINT 5

  • 外為法の技術輸出規制における キャッチオールと許可不要特例
  • 用途・需要者・最終利用者の審査と、公知情報・基礎科学研究・市販プログラム等の特例を整理します。
  • 2025年4月9日に関係政令・省令・告示・通達が公布され、2025年10月9日に補完的輸出規制の見直しが施行されました。
  • 読者にとって重要なのは、技術の性質だけでなく、誰が、どこで、何に使い、再移転されないかを読み取ることです。
  • 読者にとって重要なのは、特例を使える場合でも要件該当性を記録し、安易に一般化しないことです。

POINT 6

  • 外為法の技術輸出規制と クラウド・契約・許可申請
  • クラウド保存、ソースコード権限、許可申請資料、外為法条項を業務に落とし込みます。
  • クラウド、SaaS、ソースコード管理は、技術輸出規制の現代的な難所です。
  • 一方、サービス提供者等が閲覧、取得又は利用できることを知りながら契約する場合は、実質的な技術提供目的とみなされ得ます。
  • ソースコードリポジトリでは、ブランチ、ディレクトリ、ファイル、Issue、Wiki、添付ファイル単位で規制技術を特定します。

POINT 7

  • 外為法の技術輸出規制への 社内体制と実務手順
  • 三線モデル、専門職ごとの役割、KPI、案件受付、提供時管理を実装します。
  • 経済産業省は、輸出者等遵守基準を満たすため、企業・大学・研究機関の自主管理への取組が必要であると説明しています。
  • 輸出管理内部規程は、輸出や技術提供に関する一連の手続を規定し、法令遵守と違反防止のために使う内部規程です。
  • 読者にとって重要なのは、現場、管理部門、監査部門の役割を分け、現場だけにも法務だけにも判断を集中させないと読み取ることです。

POINT 8

  • 外為法の技術輸出規制の 実務場面と違反時対応
  • 1. 1 提供停止:追加提供、アクセス権、クラウド共有、リポジトリアクセス、出張指導を一時停止します。
  • 2. 2 証拠保全:メール、チャット、会議録、ログ、ファイル、アクセス権履歴、契約書、許可書、判定書を保全します。
  • 3. 3 事実調査:何を、いつ、誰が、誰に、どの国で、どの方法で、どの用途で提供したかを時系列化します。
  • 4. 4 法的評価:該非判定、許可要否、特例該当性、キャッチオール、みなし輸出、許可条件違反を評価します。
  • 5. 5 当局相談・自主申告検討:必要に応じ、外部弁護士と連携し、経済産業省への相談・報告・自主申告を検討します。
  • 6. 6 是正措置と経営報告:利用停止・削除要請、アクセス遮断、許可申請、再発防止策、教育、規程改定、経営報告を行います。

まとめ

  • 外為法の 技術輸出規制への 実務対応
  • 外為法の技術輸出規制への 実務対応の全体像:貨物輸出だけでなく、技術データ、技術支援、クラウド、共同研究、海外子会社支援まで含めて確認します。
  • 外為法の技術輸出規制でいう 技術の定義:設計、製造、使用に必要な情報と、文書化されていない技術支援を分けて確認します。
  • 外為法の技術輸出規制の 許可要否判断:該非判定、提供先、みなし輸出、特例、取引審査、許可申請、記録保存の順に処理します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

外為法の技術輸出規制への
実務対応の全体像

貨物輸出だけでなく、技術データ、技術支援、クラウド、共同研究、海外子会社支援まで含めて確認します。

外為法上の安全保障貿易管理は、貨物を海外へ出す場面だけを対象にしません。設計図、製造条件、ソースコード、操作・保守ノウハウ、技術指導、研修、共同研究、クラウド上のアクセス権限、海外子会社へのリモート支援など、形のない技術の提供も規制対象になり得ます。

企業法務で難しいのは、技術提供が営業、研究開発、知財、IT、労務、人事、海外子会社管理、大学・研究機関との連携に分散し、通関のような明確な関門を通らない点です。NDAを締結しただけで許可が必要になるとは限りませんが、個々の情報提供の時点では許可要否を確認します。

次の重要ポイントは、外為法の技術輸出規制を業務全体で見るための要点を表しています。読者にとって重要なのは、法令確認だけでなく、契約、アクセス権限、人事確認、記録保存まで一体で設計すると読み取れる点です。

技術輸出管理は、法務確認だけでなく業務設計です

提供前の該非判定、相手方・用途の取引審査、許可取得、契約条件、クラウド権限、教育、監査、違反時対応を一つの手順としてつなげることが中核になります。

次の3つの項目は、技術輸出規制への実務対応で最初に分けて考えるべき論点を表しています。読者にとって重要なのは、技術内容、相手方、社内統制のいずれか一つだけでは判断できないと読み取れる点です。

Point 1

技術の内容

設計、製造、使用、プログラム、技術支援のどれに当たるかを確認します。製品名ではなく、提供する情報そのものを特定します。

Point 2

提供先と用途

居住者・非居住者、提供場所、相手方、最終利用者、用途、再移転リスクを確認します。国籍だけで結論は決まりません。

Point 3

社内の実装

契約審査、出張申請、研修受入、クラウド共有、ソースコード権限、人事申告、監査に確認手順を組み込みます。

次の比較表は、技術提供規制を読むときに使う法令・資料の役割を整理しています。どの資料で何を確認するかを分けておくことが重要で、表からは根拠法、詳細仕様、実務運用、改正情報を順番に確認する必要があると読み取れます。

種類実務上の位置づけ
外国為替及び外国貿易法技術提供規制の根拠法です。中心条文は第25条で、違反時の刑事罰や行政制裁にも関係します。
外国為替令外為法第25条の委任を受け、許可を要する技術提供取引や特定記録媒体等輸出等の対象を定めます。
貨物等省令輸出令別表第1と外為令別表を受け、規制対象貨物・技術の詳細仕様を定めます。
貿易外省令技術提供取引に関する許可不要特例などを定めます。
役務通達技術提供取引、特定記録媒体等輸出等、用語解釈、みなし輸出、クラウド、特定類型などの実務運用を示します。
マトリクス表規制対象貨物・技術を項番ごとに整理し、政令・省令・通達を一覧化する重要資料です。
経済産業省Q&A・改正情報具体的場面の解釈、制度改正、申請・相談窓口を確認するための資料です。
確認の前提このページは一般的な情報提供です。個別案件の許可要否、行政解釈、法的見通しは、最新の法令、通達、マトリクス表、Q&A、事実関係により変わります。具体的な対応は専門家や関係機関への確認が必要です。
Section 01

外為法の技術輸出規制でいう
技術の定義

設計、製造、使用に必要な情報と、文書化されていない技術支援を分けて確認します。

技術輸出規制の出発点は、物ではなく情報や支援が対象になるという理解です。役務通達では、技術を貨物の設計、製造又は使用に必要な特定の情報と位置づけ、技術データ又は技術支援の形態で提供されると整理しています。

次の比較一覧は、技術データと技術支援を実務で見分けるための典型例を表しています。読者にとって重要なのは、ファイル送付だけでなく、研修、会議、実演、チャット上の助言も技術提供になり得ると読み取ることです。

D

技術データ

文書、設計図、仕様書、マニュアル、指示書、プログラム、CADデータ、数式、アルゴリズム、モデル、試験手順などです。

記録された情報
S

技術支援

技術指導、技能訓練、コンサルティング、オンライン会議、現地指導、リモート保守、口頭説明などです。

手段を問いません
技術データの例実務上の注意点
設計図、CADデータ、回路図、構造図製品仕様に見えても、設計・製造に必要な情報を含む場合があります。
製造条件、工程表、レシピ、パラメータ温度、圧力、精度、加工条件などが規制技術の中核になる場合があります。
試験方法、検査手順、校正手順単なる結果ではなく、試験方法や評価方法が技術に当たる場合があります。
操作・保守・修理マニュアル使用技術に当たり得ます。装置輸出時にも別途検討します。
ソースコード、ファームウェア、設定ファイルプログラムは技術に含まれ得ます。暗号、制御、解析、AIモデルは慎重に判定します。
トラブル対応記録、不具合解析原因究明や改善手法が設計・製造・使用技術に当たる場合があります。

次の表は、設計、製造、使用という用語が企業内の通常用語より広く読まれる点を表しています。営業上の導入支援や保守サポートでも、内容によっては使用技術に当たり得る点を確認してください。

用語外為法実務での読み方
技術貨物の設計、製造又は使用に必要な特定の情報をいいます。技術データ又は技術支援として提供されます。
設計設計研究、解析、プロトタイプ製作、試験、パイロット生産計画などを含む広い概念です。
製造建設、生産エンジニアリング、製品化、統合、組立て、検査、試験、品質保証などを含みます。
使用操作、据付、保守、修理、オーバーホール、分解修理などを含みます。
技術支援技術指導、技能訓練、コンサルティング、口頭説明、実演、オンライン会議などを含み得ます。
危険な思い込み資料を送っていないから安全とはいえません。画面共有、口頭説明、現地調整の実演、チャットでの製造条件の説明も、規制技術を含む場合には技術提供として確認します。
Section 02

外為法の技術輸出規制の
許可要否判断

該非判定、提供先、みなし輸出、特例、取引審査、許可申請、記録保存の順に処理します。

許可要否判断では、該非判定、相手方、提供場所、みなし輸出、許可不要特例、取引審査を順番に確認します。リスト規制技術に該当する場合、用途や需要者に懸念がないことだけで当然に許可不要になるわけではありません。

次の判断の流れは、外為法の技術輸出規制で提供前に確認する順番を表しています。読者にとって重要なのは、技術内容の判定と相手方・用途の審査を混同せず、最後に記録保存まで行う必要があると読み取ることです。

許可要否を確認する順番

Step 1 技術の特定

何を提供するのかを、設計、製造、使用、プログラム、技術支援の単位で特定します。

Step 2 該非判定

外為令別表、貨物等省令、役務通達、マトリクス表に照らして規制技術か確認します。

Step 3 提供先・場所・手段

相手の居住性、国内外の提供場所、メール、会議、クラウド、研修、出張などを確認します。

Step 4 みなし輸出

国内の居住者への提供でも、特定類型該当者への提供として扱われないか確認します。

Step 5 許可不要特例

公知情報、基礎科学研究、市販プログラム、特許出願に必要な最小限情報などの要件を確認します。

Step 6 取引審査

用途、需要者、最終利用者、軍事転用懸念、外国ユーザーリスト、キャッチオール、インフォームを確認します。

許可が必要
Step 7 申請又は停止

提供前に申請・取得します。条件付き許可は現場手順に反映します。

提供可能
Step 8 記録・監査

提供日時、方法、相手、技術範囲、許可番号、証跡を保存し、変更時に再確認します。

次の表は、許可要否判断で問題になりやすい取引類型を整理しています。どの類型でも、相手方の国籍だけでなく、居住性、提供場所、技術内容、提供方法を組み合わせて読むことが重要です。

取引類型確認ポイント
役務取引許可規制対象技術を外国で提供する場合、又は居住者が外国の非居住者に提供する場合などに問題になります。
特定記録媒体等輸出等許可文書、図画、記録媒体の輸出や、外国で受信される目的の電気通信による送信が関係します。
有償・無償無償の研修、技術指導、共同研究上の共有でも、双方の合意に基づく技術提供なら規制対象になり得ます。
プログラム提供ソースコード、ファームウェア、設定ファイル、リポジトリアクセスなどを確認します。
実務の分岐点特定記録媒体等には、USBメモリ、ノートPC、紙図面、CD-ROM、メール添付、ファイル転送、クラウド共有リンク、リポジトリアクセスなどが関係し得ます。
Section 03

外為法の技術輸出規制と
該非判定・みなし輸出

製品名ではなく技術情報そのものを単位として判定し、国内提供でも特定類型を確認します。

該非判定では、提供しようとする貨物又は技術が、輸出令別表第1又は外為令別表に基づく規制対象に該当するかを判断します。2026年2月18日時点で、令和8年2月14日施行対応版の貨物・技術マトリクス表が公表されています。

次の表は、技術該非判定を製品名だけで終わらせないための分解単位を表しています。読者にとって重要なのは、完成品が非該当でも、工程、装置、パラメータ、ソフトウェア、技術支援が別に規制技術へ当たる場合があると読み取ることです。

分解対象実務上の確認事項
製品製品そのものの輸出令別表第1該当性と、技術との対応関係を確認します。
部品・材料部品・材料が規制項番に該当しないかを確認します。
製造装置製造に使う装置、試験設備、測定機器の該非を確認します。
工程加工、成膜、熱処理、洗浄、検査、校正などの工程技術を確認します。
パラメータ温度、圧力、速度、精度、濃度、レシピ、制御条件を確認します。
ソフトウェア制御、解析、暗号、通信、AIモデル、ファームウェアを確認します。
技術支援操作、据付、保守、修理、訓練、トラブル対応を確認します。

次の表は、該非判定書や技術判定メモに残すべき事項を表しています。後日の監査、当局照会、顧客説明、再確認、違反調査に耐えるため、結論だけでなく根拠、版数、証跡を残すことが重要です。

項目記録する内容
判定対象技術ファイル名、版数、図面番号、リポジトリ、研修資料名、説明範囲を記録します。
関連貨物・装置関連製品、部品、製造装置、試験設備、ソフトウェアを記録します。
判定根拠外為令別表項番、貨物等省令条項、役務通達解釈、マトリクス表該当箇所を記録します。
仕様・パラメータ規制スペックとの比較に必要な数値、機能、性能、用途を記録します。
結論該当、非該当、対象外、要追加確認、提供範囲限定などを記録します。
判定者・承認者技術部門、輸出管理部門、法務、必要に応じ外部専門家を記録します。
日付・有効性判定日、参照法令日、変更時再確認条件を記録します。
証跡カタログ、仕様書、設計資料、議事録、メーカー判定書、照会結果を保存します。

みなし輸出管理では、日本国内での技術提供でも、非居住者等への提供と同じように管理が必要になる場合があります。2021年に運用明確化が公表され、関連省令・通達は2021年11月18日に公布され、2022年5月1日に施行・適用されました。

次の表は、2022年5月1日施行の運用明確化で重要になる特定類型を表しています。読者にとって重要なのは、国籍ではなく、外国法人・外国政府等からの指揮命令、利益、指示依頼という関係性を読み取ることです。

類型概要企業実務での典型例
特定類型1外国法人等又は外国政府等との契約に基づき、当該外国法人等・外国政府等の指揮命令に服する又は善管注意義務を負う居住者です。外国大学、外国企業、外国政府機関と雇用、委任、請負などの契約関係を持つ研究者・技術者です。
特定類型2外国政府等から多額の金銭その他重大な利益を得ている又は得ることを約している居住者です。外国政府等の資金提供プログラム、奨励金、報酬などを受ける研究者などです。年間所得の25%以上が例示されています。
特定類型3本邦における行動に関し外国政府等の指示又は依頼を受ける居住者です。個別案件で外国政府等から研究・技術移転に関する指示又は依頼を受ける者です。

次の表は、特定類型確認を人事・研究管理・アクセス管理に組み込む場面を表しています。読者にとって重要なのは、国籍や出身国による選別ではなく、目的を説明し、必要最小限かつ一律の確認として設計する点です。

場面実務対応
採用・受入時特定類型確認書、兼業・利益相反申告、研究費・委託契約確認を行います。
就業規則・研究規程副業、兼業、外部研究契約、外国政府等からの利益受領、利益相反の申告義務を明記します。
人事異動・プロジェクト参加時機微技術プロジェクトに参加する前に、特定類型確認とアクセス権限審査を行います。
継続確認年次申告、変更時申告、研究費採択時申告、外部兼業承認時確認を行います。
記録管理申告書、確認結果、アクセス許可、教育受講記録を保存します。
不利益取扱い防止該当性がある場合も直ちに不利益処分とせず、技術アクセス制御、許可取得、業務分掌変更などを検討します。
再確認のきっかけ法令・通達・マトリクス表の改正、仕様変更、ソースコードや暗号機能の追加、提供先国や最終需要者の変更、研修資料や技術支援範囲の変更、M&Aや事業譲渡があれば再確認します。
Section 04

外為法の技術輸出規制における
キャッチオールと許可不要特例

用途・需要者・最終利用者の審査と、公知情報・基礎科学研究・市販プログラム等の特例を整理します。

リスト規制に該当しない技術でも、用途、需要者、最終利用者、仕向地、インフォームなどにより、キャッチオール規制上の許可が必要になる場合があります。2025年4月9日に関係政令・省令・告示・通達が公布され、2025年10月9日に補完的輸出規制の見直しが施行されました。

次の表は、取引審査で相手方・用途・経路を確認する項目を表しています。読者にとって重要なのは、技術の性質だけでなく、誰が、どこで、何に使い、再移転されないかを読み取ることです。

審査項目確認事項
取引相手契約相手、技術受領者、研修参加者、アクセス権者、クラウド利用者を確認します。
最終需要者実際に技術を利用する者を特定します。取引相手と異なる場合は最終利用者を確認します。
仕向地・提供先国技術が受領・利用される国、サーバー所在地、研修地、出張先を確認します。
用途研究、製造、試験、保守、軍事用途、宇宙、核、化学・生物、ミサイル、無人航空機等を確認します。
需要者属性軍、兵器製造、国防研究、制裁対象、外国ユーザーリスト掲載、懸念機関との関係を確認します。
迂回リスク第三国経由、代理店、商社、共同研究先、再委託先、海外関連会社経由の再提供を確認します。
契約条件再移転禁止、用途制限、監査権、政府許可条件、違反時解除、通知義務を確認します。
客観要件用途要件、需要者要件、インフォーム要件、文書等告示、EULなどを確認します。

外国ユーザーリストに掲載されていない相手方でも、軍事研究、国防関連研究、制裁対象者との関係、異常な取引条件、用途説明の不自然さ、最終需要者の不明確さ、過剰な秘密保持要求、第三国転送の要請があれば追加審査の対象になります。

次の一覧は、許可不要特例として検討されることが多い論点を表しています。読者にとって重要なのは、特例を使える場合でも要件該当性を記録し、安易に一般化しないことです。

特例・論点実務上の確認
公知情報・公開講演不特定多数が入手可能な情報なら許可不要となる場合があります。未公開ノウハウの付加や、特定者向けの形式的公開には注意します。
基礎科学分野の研究活動自然科学分野の原理究明を主目的とし、特定製品の設計・製造を目的としない研究活動か確認します。企業研究では慎重に見極めます。
特許出願・紛争対応工業所有権出願に必要最小限の情報か確認します。非公開の和解交渉で規制技術を提示する場合は別途確認します。
市販プログラム販売店の技術支援が不要なように設計されるなど、一定要件を満たすか確認します。
SaaS利用者が使えるアプリケーション機能を中心に判定します。背後のOSやミドルウェアまで常に判定対象になるとは限りません。
特例利用の注意公開特許公報に未公開ノウハウを添えて提供する場合、特定者への提供を目的として一時的に公開する場合、企業の応用研究が特定製品の設計・製造に直結する場合は、許可不要特例の適用を慎重に確認します。
Section 05

外為法の技術輸出規制と
クラウド・契約・許可申請

クラウド保存、ソースコード権限、許可申請資料、外為法条項を業務に落とし込みます。

クラウド、SaaS、ソースコード管理は、技術輸出規制の現代的な難所です。情報保管だけを目的とするストレージ利用は、国外サーバーに特定技術が保管される場合でも、原則として役務取引に該当しないと整理されることがあります。一方、サービス提供者等が閲覧、取得又は利用できることを知りながら契約する場合は、実質的な技術提供目的とみなされ得ます。

次の表は、クラウドとソースコード管理で設計したい統制を表しています。読者にとって重要なのは、保存場所だけでなく、閲覧権限、外部招待、ログ、管理者アクセス、退職・異動時の停止まで読み取ることです。

領域統制例
データ分類技術情報を公開情報、社外秘、輸出管理対象候補、規制技術、許可済技術に分類します。
保存場所規制技術は承認済み環境に限定し、個人クラウド、未承認SaaS、生成AI外部入力を禁止又は制限します。
アクセス権限居住性、特定類型、所属国、業務上の必要性、許可条件に基づき権限を付与します。
ログダウンロード、閲覧、共有リンク発行、外部招待、リポジトリ複製を記録します。
共有リンク外部公開リンク、期限なしリンク、転送可能リンク、匿名アクセスを禁止又は例外承認制にします。
管理者権限海外拠点・外部委託先管理者が規制技術へアクセスできるかを確認します。
契約確認クラウド事業者のアクセス権、サポートアクセス、サブプロセッサ、保存国、政府アクセス対応を確認します。
退職・異動アクセス権を即時停止し、ローカルコピー、USB、個人端末、個人メールを確認します。

ソースコードリポジトリでは、ブランチ、ディレクトリ、ファイル、Issue、Wiki、添付ファイル単位で規制技術を特定します。海外子会社、海外委託先、非居住者、特定類型該当者へのアクセス付与前に、該非判定と取引審査を行います。

次の表は、許可申請前に整える資料を表しています。読者にとって重要なのは、申請書類だけでなく、技術説明、契約、需要者情報、提供方法、相手方側の管理方法まで一体で準備する点です。

資料実務上の目的
技術説明書提供技術の内容、用途、性能、関連貨物、該当項番を説明します。
該非判定資料外為令別表、貨物等省令、マトリクス表、役務通達との対比を示します。
契約書・ドラフト取引内容、提供範囲、相手方、再提供制限、許可条件を確認します。
需要者・利用者情報最終利用者、所在地、事業内容、軍事関係、研究内容を確認します。
用途説明・EUC/EUL技術の用途、最終用途、再移転禁止、軍事転用なしを確認します。
提供方法メール、クラウド、研修、出張、リモートアクセス、媒体送付などを示します。
管理方法相手方側のアクセス管理、保存、再移転防止、削除、監査、教育を説明します。
社内承認記録輸出管理責任者、法務、技術責任者、事業責任者の承認を示します。

許可審査では、国際的な平和及び安全の維持を妨げるおそれのある用途に使用されないことが確からしいかなどが審査されます。受理後の審査期間は原則90日以内と説明されていますが、補正依頼への応答期間は審査期間に含まれません。

次の表は、技術提供契約、共同開発契約、ライセンス契約、保守契約、クラウド利用、M&A、出向、研修で検討したい外為法条項を表しています。読者にとって重要なのは、条項を飾りにせず、提供停止、再提供禁止、監査、削除まで業務上の統制装置として読むことです。

条項実務上の意味
法令遵守外為法、日本の安全保障貿易管理、相手国輸出管理、制裁法令の遵守を明記します。
許可取得停止条件必要な政府許可取得を契約発効又は技術提供開始の条件にします。
技術範囲特定提供対象技術、除外技術、追加提供の承認手続を定めます。
用途限定研究、評価、製造、保守など、許容用途を限定します。
再提供・再移転禁止第三者、関連会社、委託先、国・地域を越える再提供を事前承認制にします。
最終需要者確認実際に利用する者を特定し、変更時通知を義務づけます。
軍事用途禁止大量破壊兵器、通常兵器、軍事用途、軍事エンドユーザーへの利用を禁止します。
記録・監査相手方のアクセス記録、利用記録、再提供記録を保存し、必要に応じ監査できるようにします。
通知義務用途変更、需要者変更、再移転要請、政府照会、違反疑義を通知させます。
解除・停止許可不取得、許可取消し、違反疑義、制裁指定時に提供停止・解除できるようにします。
返却・削除契約終了時・許可条件変更時に技術資料を返却・削除させ、証明書を取得します。
NDAレビューNDA締結時には、口頭開示、会議、画面共有も秘密情報及び輸出管理対象になり得ること、受領者・出席者・アクセス権者を事前登録すること、必要時に資料提供を拒否・停止できることを確認します。
Section 06

外為法の技術輸出規制への
社内体制と実務手順

三線モデル、専門職ごとの役割、KPI、案件受付、提供時管理を実装します。

経済産業省は、輸出者等遵守基準を満たすため、企業・大学・研究機関の自主管理への取組が必要であると説明しています。輸出管理内部規程は、輸出や技術提供に関する一連の手続を規定し、法令遵守と違反防止のために使う内部規程です。

次の表は、技術輸出管理を三線モデルで整理したものです。読者にとって重要なのは、現場、管理部門、監査部門の役割を分け、現場だけにも法務だけにも判断を集中させないと読み取ることです。

機能主担当役割
第1線事業部、営業、研究開発、技術サービス、海外子会社管理案件受付、技術内容の特定、相手方情報取得、現場での提供停止、記録作成を担います。
第2線輸出管理部門、法務、コンプライアンス、知財、情報セキュリティ、人事規程整備、該非判定レビュー、取引審査、許可申請、契約条項、アクセス統制、教育を担います。
第3線内部監査、監査役・監査委員会、外部専門家運用状況の監査、サンプルテスト、違反兆候の検知、改善勧告、経営報告を担います。

次の表は、専門職や部門ごとの関与を表しています。読者にとって重要なのは、外為法対応が法務、輸出管理、知財、研究開発、人事、IT、監査、経営の共同作業であると読み取ることです。

専門職・部門具体的関与
弁護士・企業内弁護士法令解釈、契約条項、違反時対応、当局対応、取締役会報告、M&A・共同研究のリスク評価を担います。
外部弁護士高難度案件、行政対応、クロスボーダー案件、内部調査、制裁・米国EAR等を含む多国法制の整理を担います。
輸出管理・通商法務担当該非判定手順、取引審査、許可申請、CP、教育、監査、当局窓口を担います。
知財法務・弁理士技術範囲特定、特許出願特例、ライセンス契約、ノウハウ管理、営業秘密保護を担います。
研究開発・技術部門規制技術の実体把握、仕様比較、提供範囲の限定、技術資料の分離を担います。
人事・労務みなし輸出、特定類型確認、兼業・利益相反管理、研修受入、出向管理を担います。
情報セキュリティ・ITクラウド、リポジトリ、アクセス権、ログ、DLP、端末・媒体管理を担います。
内部監査CP運用状況、判定記録、許可条件遵守、アクセス権限、教育受講状況の監査を担います。
経営者・取締役統制資源の確保、重大案件承認、違反時の経営判断、再発防止策の監督を担います。
M&A・内部統制担当M&A・事業譲渡・組織再編に伴う技術移転、PMI、内部統制評価、海外拠点管理を担います。

経営者は、技術該非判定の未了案件数・滞留日数、海外技術提供案件の事前審査率、みなし輸出確認の実施率、規制技術リポジトリのアクセス権棚卸し完了率、教育受講率、許可条件違反・ヒヤリハット件数、自主監査で発見された不備と是正完了率、法改正対応の完了状況をKPIとして確認します。

次の表は、提供範囲を限定するための資料分類を表しています。読者にとって重要なのは、一般説明と詳細技術資料を分け、規制技術候補は提供を止めて確認に回すことです。

分類対応
公開済み情報公開範囲、公開時期、誰でも入手可能かを記録します。
一般製品説明設計・製造・使用の具体情報を含まないか確認します。
非規制技術非該当根拠を記録し、混在情報がないか確認します。
規制技術候補提供を止め、該非判定・取引審査へ回します。
規制技術許可取得、アクセス制限、契約制限、提供記録が必要になります。

実務では、契約審査依頼、見積依頼、共同研究相談、海外出張申請、研修受入申請、クラウド外部共有申請、ソースコードアクセス申請、M&Aデューデリジェンス、知財ライセンス相談などに質問項目を組み込みます。外国、非居住者、海外子会社、外国大学、外国政府等の関与、提供資料、提供先、利用国、提供方法、用途、最終需要者、軍事関係、再移転先を確認します。

提供時管理会議前に参加者リストを確定し、投影資料、配布資料、デモ範囲を事前承認します。予定外質問への回答保留ルールを設け、会議後に提供資料、議事録、質問回答を保存します。
Section 07

外為法の技術輸出規制の
実務場面と違反時対応

海外子会社、共同研究、研修、出張、展示会、M&A、違反疑義の初動を整理します。

典型場面では、海外子会社、共同研究、外国人研修生、海外出張、展示会、M&Aのそれぞれで、相手方、提供技術、提供方法、再移転の有無を確認します。同じ企業グループ内でも、海外子会社及びその社員は非居住者として扱われる場合があります。

次の表は、典型場面ごとの確認ポイントを表しています。読者にとって重要なのは、通常の契約レビューや出張申請に見える場面にも、技術提供が含まれる可能性があると読み取ることです。

場面対応ポイント
海外子会社への技術移転グループ会社だから自由に共有できると考えず、ERP、PLM、Git、設計データベースの海外アクセスを棚卸しします。
外国企業との共同研究・共同開発提供予定技術と研究成果の共有範囲を分類し、成果が自動共有される仕組みに提供前レビューを挟みます。
外国人研修生・来日研究者の受入れ所属、居住性、研修資料、実機操作、写真撮影、USB持込、ネットワークアクセス、帰国時の持ち帰りを確認します。
海外出張・現地立上げ・保守装置本体の許可と別に、技術指導、保守マニュアル、プログラム、現地調整ノウハウを確認します。
展示会・ウェビナー・営業プレゼン一般公開資料と個別商談資料を分け、技術質問は後日レビューを経て回答します。
M&A・デューデリジェンスデータルーム開示が技術提供に当たる場合があります。閲覧者、所在地、ダウンロード可否、ログを管理します。

違反リスクでは、刑事罰、行政制裁、警告、公表、社会的信用失墜、取引停止、入札・補助金・許認可・金融機関対応への影響、株主代表訴訟リスクなどが問題になります。大量破壊兵器等又はその関連の貨物輸出・技術提供では、10年以下の拘禁、法人10億円以下の罰金、個人3000万円以下の罰金等があり得ると説明されています。通常兵器に係る貨物輸出・技術提供では、7年以下の拘禁、法人7億円以下の罰金、個人2000万円以下の罰金等が示されています。

次の比較グラフは、違反時に想定される主な制裁水準を相対的に示しています。読者にとって重要なのは、刑事罰だけでなく、3年以内の輸出・技術提供禁止など事業継続に影響する行政制裁も読み取ることです。

10年
重大違反の拘禁
10億円
法人罰金の例
3年
提供禁止の例

違反疑義が発覚した場合の初動は、追加提供を止め、証拠を保全し、事実を時系列化してから法的評価と当局相談・自主申告を検討する順番です。この順番が重要なのは、現場判断で資料削除や追加説明を行うと、事実確認と是正が難しくなるためです。

違反疑義発覚時の初動順序

1 提供停止

追加提供、アクセス権、クラウド共有、リポジトリアクセス、出張指導を一時停止します。

2 証拠保全

メール、チャット、会議録、ログ、ファイル、アクセス権履歴、契約書、許可書、判定書を保全します。

3 事実調査

何を、いつ、誰が、誰に、どの国で、どの方法で、どの用途で提供したかを時系列化します。

4 法的評価

該非判定、許可要否、特例該当性、キャッチオール、みなし輸出、許可条件違反を評価します。

5 当局相談・自主申告検討

必要に応じ、外部弁護士と連携し、経済産業省への相談・報告・自主申告を検討します。

6 是正措置と経営報告

利用停止・削除要請、アクセス遮断、許可申請、再発防止策、教育、規程改定、経営報告を行います。

次の割合の横棒グラフは、経済産業省資料で示された2023年度の違反原因分析を表しています。読者にとって重要なのは、違反の多くが該非判定と管理体制に集中し、教育と手順化で減らせる余地が大きいと読み取ることです。

該非判定
70%
管理体制
21%
その他
9%
割合は違反原因分析の説明に基づく整理です。

次の表は、技術輸出規制で起こりやすい違反原因と対策を表しています。読者にとって重要なのは、原因を個人ミスだけにせず、申請入口、教育、クラウド権限、法改正確認の仕組みに戻して改善することです。

原因具体例対策
該非判定未実施技術資料を貨物輸出と別に判定していません。技術提供前チェックを契約・出張・クラウド申請に組み込みます。
役務取引の認識不足口頭説明、研修、リモート保守を規制対象と考えていません。技術支援の定義を教育し、質疑応答も記録します。
グループ会社誤解海外子会社なら自由に共有できると誤解します。グループ内技術移転ルールを整備します。
クラウド統制不備外部共有リンクで非居住者が規制技術にアクセスします。DLP、権限棚卸し、承認制を導入します。
みなし輸出未対応特定類型確認が整備されていません。人事・研究規程・アクセス管理と連携します。
許可条件不遵守許可範囲外の追加資料を送付します。許可条件を現場手順に落とし込み、提供前に照合します。
法改正未反映旧マトリクスで非該当と判断します。改正情報の確認、年次再確認、変更管理を行います。
Section 08

外為法の技術輸出規制への
チェックリストと90日ロードマップ

提供前、契約、IT・クラウド、みなし輸出の確認項目と、30日・60日・90日の実装順を示します。

外為法の技術輸出規制への実務対応は、提供前、契約、IT・クラウド、みなし輸出の確認項目を分けて運用すると漏れを減らせます。チェック項目は形式的に埋めるのではなく、技術範囲、相手方、用途、証跡が具体的に残るように設計します。

技術提供前チェックリスト

  • 提供予定の技術データ・技術支援を具体的に特定します。
  • 設計、製造、使用、プログラム、技術支援のどれに該当するか確認します。
  • 外為令別表、貨物等省令、役務通達、マトリクス表に基づき該非判定を行います。
  • 参照した法令・マトリクス表の版、判定日、判定者、承認者を記録します。
  • 提供相手、技術受領者、最終利用者、研修参加者、アクセス権者を特定します。
  • 居住者・非居住者、提供場所、受領場所、利用国を確認します。
  • 特定類型該当性を確認します。
  • 用途、需要者、軍事転用懸念、外国ユーザーリスト、キャッチオールを確認します。
  • 許可不要特例の適用可否を検討し、要件と根拠を記録します。
  • 許可が必要な場合、提供前に申請・取得する手順を開始します。
  • 許可条件を契約、アクセス権限、提供手順に反映します。
  • 提供後の記録保存方法を決めます。

契約レビュー用チェックリスト

  • 契約の目的、技術範囲、成果物、バックグラウンド技術が明確か確認します。
  • 技術提供の時期、方法、相手、国・地域が明確か確認します。
  • 政府許可取得を停止条件又は提供条件にしているか確認します。
  • 再提供、再輸出、関連会社共有、再委託を制限しているか確認します。
  • 用途限定、軍事用途禁止、最終需要者変更時通知があるか確認します。
  • 監査権、記録保存、削除・返却、違反時停止・解除があるか確認します。
  • 許可条件を契約上の義務として相手方に負わせているか確認します。
  • 相手国法、米国EAR、制裁法令等との整合性を確認します。

IT・クラウドチェックリスト

  • 規制技術候補を含むフォルダ、リポジトリ、データベースを棚卸しします。
  • 海外拠点、外部委託先、非居住者、特定類型該当者のアクセス権を確認します。
  • 外部共有リンク、匿名アクセス、期限なしリンクを禁止又は承認制にします。
  • ダウンロード、閲覧、共有、削除、権限変更ログを保存します。
  • クラウド事業者・サポート担当者のアクセス可能性を契約・仕様から確認します。
  • サーバー所在地、サブプロセッサ、管理者権限、政府アクセス対応を確認します。
  • 規制技術を生成AI、外部翻訳、個人クラウド、個人メールに入力しないルールを設けます。
  • 退職・異動・プロジェクト終了時のアクセス削除を自動化又は監査します。

みなし輸出チェックリスト

  • 機微技術プロジェクトに参加する従業員・研究者・出向者を特定します。
  • 特定類型1・2について、自己申告又は利益相反申告を整備します。
  • 特定類型3について、契約書等から明らかな場合の確認手順を整備します。
  • 兼業、副業、外国大学・外国政府等との契約、外国政府等からの利益受領を申告対象にします。
  • 就業規則、研究規程、秘密情報管理規程、アクセス権限規程に反映します。
  • 国籍差別にならないよう、目的・範囲・利用方法を説明し、一律・必要最小限に確認します。
  • 特定類型該当者への技術提供について、該非判定・許可要否判断・アクセス制御を行います。

次の時系列は、90日で最低限の実務対応を立ち上げる順番を表しています。読者にとって重要なのは、最初の30日で高リスクの入口を止血し、60日で手順を組み込み、90日で規程・監査・経営報告につなげると読み取ることです。

30日以内

方針と高リスク入口の棚卸し

経営者名で対応方針を発出し、技術提供が発生する主要入口、海外子会社、外国企業、外国大学、非居住者、特定類型が関与する案件を抽出します。

60日以内

チェックシートと契約・人事確認の実装

契約審査、出張申請、研修受入、クラウド共有申請に技術提供前チェックを組み込み、該非判定書、みなし輸出確認書、外為法条項、教育を整備します。

90日以内

規程・承認・監査の稼働

CP又は輸出管理規程を整備・改定し、データ分類、アクセス制御、取引審査承認、許可申請準備、内部監査計画、経営報告を行います。

次の比較グラフは、30日、60日、90日の各段階で管理対象が広がるイメージを表しています。読者にとって重要なのは、初期対応を一度の整備で終わらせず、段階ごとに対象を増やしていくことです。

30日
入口把握
60日
手順実装
90日
監査稼働
Section 09

外為法の技術輸出規制への
実務対応FAQ

よくある疑問を一般情報として整理し、個別案件では事実関係と最新情報の確認が必要である点を明示します。

Q1. 外国籍従業員に技術を見せるだけで許可が必要ですか。

一般的には、国籍だけで許可要否が決まるものではないとされています。外国籍であっても日本の居住者であり、特定類型に該当せず、規制技術を提供しない場合には許可不要となる可能性があります。ただし、日本国籍者でも海外子会社勤務等により非居住者として扱われる場合があり、具体的な判断は居住性、特定類型、技術内容、提供場所により変わります。

Q2. NDAを締結するだけで許可が必要ですか。

一般的には、契約締結それ自体が役務取引許可の対象になるわけではないとされています。ただし、契約後に個々の技術情報を提供する段階では、技術内容、相手方、提供方法に応じて許可要否を確認する必要があります。具体的な契約運用は、提供予定資料と出席者を整理して確認することが重要です。

Q3. 口頭説明だけなら規制対象外ですか。

一般的には、リスト規制技術については提供手段を問わず対象になり得るとされています。資料を渡さない口頭説明、画面共有、実演、チャット回答でも、規制技術が含まれる場合は許可が必要となる可能性があります。具体的には説明内容、相手方、場所、技術範囲によって結論が変わります。

Q4. 海外子会社なら同じグループなので自由に技術共有できますか。

一般的には、同じ企業グループであることだけで自由に共有できるとは限らないとされています。海外子会社及びその社員は非居住者として扱われる場合があり、居住者から非居住者への技術提供として該非判定・許可要否判断が必要になる可能性があります。具体的な対応は、提供技術、利用国、受領者、許可条件を確認して検討します。

Q5. 公開情報なら常に許可不要ですか。

一般的には、不特定多数が入手可能な情報であれば許可不要となる場合があります。ただし、公開情報に未公開ノウハウを付加して提供する場合や、特定者への提供を目的として形式的に公開する場合は、特例が使えない可能性があります。具体的には公開範囲、公開時期、追加情報の有無を記録して確認します。

Q6. クラウドに保存するだけで技術提供になりますか。

一般的には、情報保管のみを目的とする限り、国外サーバーに保存されても原則として役務取引に該当しないと整理される場合があります。ただし、サービス提供者等が閲覧、取得又は利用できることを知りながら利用する場合など、実質的に技術提供目的とみなされる場合は許可が必要になり得ます。具体的には契約文面、セキュリティ、サーバー所在地、アクセス権限を確認します。

Q7. 許可を一度取得した相手には、同じ技術ならいつでも再提供できますか。

一般的には、許可の有効期間を過ぎた場合は改めて許可取得が必要になる可能性があります。有効期間内でも、取引・契約・提供範囲・相手方・用途が異なれば改めて確認が必要となる場合があります。具体的な対応は、許可証の条件、提供記録、変更内容を整理して専門家等へ相談する必要があります。

Section 10

外為法の技術輸出規制への
実務対応の要点

技術、相手方、特例、契約、IT権限、人事申告、監査をつなげて管理します。

外為法の技術輸出規制への実務対応は、法律知識だけで完結しません。技術の実体を理解する研究開発部門、取引の現場を知る営業部門、契約とリスクを設計する法務部門、機微情報を守るIT・情報セキュリティ部門、特定類型確認を担う人事部門、運用を検証する内部監査部門、リスクテイクの最終責任を負う経営陣が連携して機能します。

次の重要ポイントは、実務上の要諦を5つにまとめたものです。読者にとって重要なのは、技術提供の発生場面、居住性、該非判定の単位、許可不要特例の記録、内部統制としての設計を、最終確認項目として読み取ることです。

提供場面を広く見る

資料送付だけでなく、口頭説明、研修、出張、クラウド、アクセス権限付与でも技術提供が発生し得ます。

国籍だけで判断しない

居住性、非居住者性、特定類型、提供場所、技術内容を組み合わせて判断します。

技術情報単位で判定する

該非判定は製品名ではなく、提供される技術情報そのものを単位として行います。

特例は記録して使う

許可不要特例は、要件を満たす場合に限り、根拠記録を残して使います。

内部統制として設計する

契約、IT権限、人事申告、研究管理、許可条件、監査までつながる仕組みにします。

企業が外為法の技術輸出規制への実務対応を適切に行うことは、罰則回避だけが目的ではありません。機微技術の保護、国際的信用、サプライチェーン上の信頼、共同研究・海外展開の持続可能性、経営者の善管注意義務を支える基盤になります。

Reference

この記事の参考資料

法令・省令

  • e-Gov法令検索「外国為替及び外国貿易法」
  • e-Gov法令検索「外国為替令」
  • e-Gov法令検索「輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令」
  • e-Gov法令検索「輸出者等遵守基準を定める省令」

経済産業省資料

  • 経済産業省「安全保障貿易管理」
  • 経済産業省「安全保障貿易管理 リスト規制」
  • 経済産業省「該非判定/貨物・技術のマトリクス表について」
  • 経済産業省「改正情報」
  • 経済産業省「みなし輸出管理」
  • 経済産業省「技術関連 Q&A」
  • 経済産業省「補完的輸出規制の見直しについて」
  • 経済産業省「補完的輸出規制の見直しについて 2025年10月9日施行」
  • 経済産業省「輸出許可・役務取引許可・特定記録媒体等輸出等許可申請に係る提出書類及び注意事項等について」
  • 経済産業省「企業等の自主管理の促進」
  • 経済産業省「安全保障貿易管理の概要」

通達・実務資料

  • 経済産業省「外国為替及び外国貿易法第25条第1項及び外国為替令第17条第2項から第4項までの規定に基づき許可を要する技術を提供する取引又は行為について」
  • 一般財団法人安全保障貿易情報センター「輸出管理の基礎」
  • 一般財団法人安全保障貿易情報センター「モデルCPのご紹介」