2σ Guide

加害者懲戒基準を
規程に明記する是非

ハラスメント等の非違行為について、懲戒基準をどこまで規程化すべきかを、法的根拠、標準処分範囲、加重減軽要素、手続、周知、監査まで整理します。

5層望ましい規程構造
10分の1減給総額の上限
2026.10.1改正法施行予定
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加害者懲戒基準を 規程に明記する是非

ハラスメント等の非違行為について、懲戒基準をどこまで規程化すべきかを、法的根拠、標準処分範囲、加重減軽要素、手続、周知、監査まで整理します。

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加害者懲戒基準を 規程に明記する是非
ハラスメント等の非違行為について、懲戒基準をどこまで規程化すべきかを、法的根拠、標準処分範囲、加重減軽要素、手続、周知、監査まで整理します。
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  • 加害者懲戒基準を 規程に明記する是非
  • ハラスメント等の非違行為について、懲戒基準をどこまで規程化すべきかを、法的根拠、標準処分範囲、加重減軽要素、手続、周知、監査まで整理します。

POINT 1

  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非の全体像
  • 明記の必要性と自動処分表化の危険を分けて整理します。
  • 明記すべきは、結論の固定ではなく判断構造です
  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非を検討する場合、結論は単純な二択ではありません。
  • 次の重要ポイントは、規程化の結論を一文で整理したものです。

POINT 2

  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 問題の所在
  • 規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。
  • しかし、ここでしばしば次のような悩みが生じる。
  • この問題は、企業法務、労務管理、コンプライアンス、内部統制、危機管理が交差する。
  • 単に「厳罰化すればよい」という問題でも、「柔軟性を残すために書かないほうがよい」という問題でもない。

POINT 3

  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 用語の整理
  • 規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。
  • 2.1 加害者
  • 2.2 懲戒
  • 2.3 懲戒基準

POINT 4

  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 法的枠組み
  • 規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。
  • 3.1 就業規則と懲戒根拠
  • 3.2 労働契約法15条
  • 3.3 労働基準法上の制限

POINT 5

  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 裁判例から見る規程化の意味
  • 規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。
  • 4.1 フジ興産事件
  • 4.2 海遊館事件
  • この裁判例から得られる実務的示唆は明確である。

POINT 6

  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 明記するメリット
  • 規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。
  • 5.1 予見可能性が高まる
  • 5.2 抑止効果が生じる
  • 5.3 被害者保護と通報促進に資する

POINT 7

  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 明記するリスク
  • 規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。
  • 6.1 自動処分表になるリスク
  • 6.2 規程から外れた処分が争われやすくなる
  • 6.3 言い逃れの材料になるリスク

POINT 8

  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 実務上の結論
  • 規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。
  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非について、実務上の結論は次のとおりである。
  • 明記すべきである。
  • 言い換えると、規程化の対象は「結論の固定」ではなく「判断構造の明確化」である。

まとめ

  • 加害者懲戒基準を 規程に明記する是非
  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非の全体像:明記の必要性と自動処分表化の危険を分けて整理します。
  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 問題の所在:規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。
  • 加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 用語の整理:規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

加害者懲戒基準を規程に明記する是非の全体像

明記の必要性と自動処分表化の危険を分けて整理します。

加害者懲戒基準を規程に明記する是非を検討する場合、結論は単純な二択ではありません。実務上は、懲戒の根拠、対象行為、処分の種類、判断要素、手続、周知方法を明記しつつ、個別事案の評価を不要にする自動処分表としては書かない設計が重要です。

次の重要ポイントは、規程化の結論を一文で整理したものです。読者にとって重要なのは、明記する対象を「処分名の固定」ではなく「判断構造」に置く点であり、この考え方から各章の制度、判例、条文例を確認できます。

明記すべきは、結論の固定ではなく判断構造です

禁止行為、標準処分範囲、加重減軽要素、調査手続、周知方法を明記し、個別事情に応じた合理的かつ相当な判断ができる余地を残します。

次の比較表は、望ましい規程化の五層構造を整理したものです。読者にとって重要なのは、処分名だけを並べても足りず、禁止行為、処分範囲、判断要素、手続、周知が相互に支え合う点であり、各層の役割を確認してください。

規程に書く内容方向性
第1層禁止行為具体例と包括条項を併用します
第2層懲戒の種類就業規則に根拠を置きます
第3層標準処分範囲幅のある目安にします
第4層加重減軽要素反復、報復、被害重大性などを考慮します
第5層手続調査、弁明、決裁、記録、周知を明記します
Section 01

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 問題の所在

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

企業内でハラスメント、不正、暴力、差別的言動、情報漏えい、内部通報者への報復などが発生したとき、会社は被害者の安全と職場秩序の回復を図らなければならない。その中心手段の一つが、行為者への注意、指導、配置転換、降格、懲戒処分である。

しかし、ここでしばしば次のような悩みが生じる。

  • ハラスメントをした者にどの程度の処分を科せるのか。
  • 就業規則に「ハラスメントをした場合は懲戒する」とだけ書いておけば足りるのか。
  • 加害者懲戒基準を細かく表にして規程に入れるべきか。
  • あまり細かく書くと、処分の裁量を失うのではないか。
  • 被害者からは厳罰を求められ、加害者からは処分が重すぎると争われる場合、どのように説明するのか。
  • 管理職が加害者の場合、一般社員より重く扱えるのか。
  • 初回で懲戒解雇できる場合はあるのか。
  • 社内規程に明記した基準から外れる処分をした場合、無効にならないか。

この問題は、企業法務、労務管理、コンプライアンス、内部統制、危機管理が交差する。単に「厳罰化すればよい」という問題でも、「柔軟性を残すために書かないほうがよい」という問題でもない。

加害者懲戒基準を規程に明記する是非の本質は、処分の予見可能性と個別事案の相当性判断をどう両立させるかにある。

Section 02

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 用語の整理

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

2.1 加害者

このページでは便宜上「加害者」という語を用いるが、調査前または調査中の段階では、法務上は「行為者」「被申告者」「対象者」と表現することが望ましい。事実認定前から「加害者」と断定すると、名誉、プライバシー、手続保障、公平調査の観点から問題が生じる。

したがって、規程文言では次のように使い分けるのがよい。

  • 相談受付段階 ― 相談者、被申告者、関係者
  • 調査段階 ― 行為者とされる者、調査対象者
  • 認定後 ― 行為者、違反行為者、懲戒対象者
  • 被害者側への説明 ― 相手方、行為者、当該従業員

「加害者懲戒基準」という用語は、一般的な検索語や読者向けの説明としては有用であるが、社内規程本文では「行為者に対する措置基準」「懲戒処分の判断基準」「ハラスメント等違反行為に対する処分基準」などの中立的文言を用いるべきである。

2.2 懲戒

懲戒とは、企業秩序違反や服務規律違反に対し、使用者が制裁として行う不利益措置である。一般に、けん責、戒告、減給、出勤停止、降格、諭旨退職、懲戒解雇などがある。ただし、会社によって名称と内容は異なる。

懲戒は、単なる人事評価、業務上の注意指導、配置転換とは性質が異なる。懲戒は制裁であるため、根拠規程、事由該当性、処分相当性、手続の適正が厳しく問われる。

2.3 懲戒基準

懲戒基準とは、どのような行為が懲戒対象となり、どのような要素を考慮して、どの範囲の処分を検討するかを示す基準である。

ここで注意すべきは、懲戒基準には少なくとも三つの階層があることである。

次の比較表は、この章で確認すべき事項を一覧で整理したものです。読者にとって重要なのは、列ごとの違いが実務判断や手続設計に直結する点であり、左から順に確認対象、判断材料、注意点を読み取れます。

階層内容規程化の要否
根拠基準どの行為が懲戒対象になるか必須に近い
種類基準どの懲戒種類を会社が用意するか必須に近い
量定基準どの程度の行為ならどの処分範囲か明記が望ましいが、硬直化に注意

実務で問題になる「加害者懲戒基準を規程に明記する是非」は、主に三つ目の量定基準をどこまで書くかの問題である。

2.4 規程

このページでいう「規程」には、就業規則、服務規律、懲戒規程、ハラスメント防止規程、コンプライアンス規程、内部通報規程、人事委員会規程などが含まれる。

ただし、懲戒の種類及び程度に関する事項は、就業規則上の重要事項である。社内ポリシーやガイドラインにのみ懲戒基準を書き、就業規則と整合していない場合、懲戒の有効性や周知性をめぐる紛争が生じやすい。就業規則本体または就業規則に明確に紐づく別規程として整備する必要がある。

Section 03

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 法的枠組み

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

3.1 就業規則と懲戒根拠

厚生労働省のモデル就業規則は、就業規則に記載する事項として、絶対的必要記載事項、相対的必要記載事項、任意記載事項を整理している。表彰及び制裁の種類及び程度に関する事項は、相対的必要記載事項であり、これらについて定めをする場合には就業規則に記載しなければならないと説明されている。

また、モデル就業規則は、ハラスメントについて、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠、出産、育児休業、介護休業等に関するハラスメントの言動を行った者について、厳正に対処する旨の方針及び対処の内容を就業規則等の文書に規定し、管理監督者を含む労働者に周知する必要があると説明している。

したがって、加害者懲戒基準を規程に明記する是非を考える前提として、少なくとも次の事項は社内規程に置くべきである。

  • 懲戒の種類
  • 懲戒事由
  • ハラスメントその他の禁止行為
  • 行為者に厳正に対処する方針
  • 対処内容の概要
  • 処分判断における考慮要素
  • 手続の基本
  • 相談者、被害者、協力者への不利益取扱いの禁止
  • プライバシー保護

3.2 労働契約法15条

労働契約法15条は、使用者が労働者を懲戒できる場合であっても、当該懲戒が、労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らし、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない場合には、懲戒権の濫用として無効とする趣旨の規定である。

この条文から導かれる実務上のポイントは、次のとおりである。

  • 規程に書いてあれば常に有効、ではない。
  • 規程に書いていなければ懲戒の根拠が弱い。
  • 懲戒事由に該当しても、処分の重さが相当でなければ無効になり得る。
  • 「行為の性質及び態様その他の事情」を総合考慮する必要がある。

つまり、加害者懲戒基準を明記することは重要であるが、その基準は労働契約法15条の相当性判断を排除できない。むしろ、社内基準は労働契約法15条の判断枠組みに沿って設計すべきである。

3.3 労働基準法上の制限

労働基準法は、常時10人以上の労働者を使用する事業場に就業規則の作成、届出義務を課している。厚生労働省のモデル就業規則も、常時10人以上の労働者を使用する事業場では就業規則を作成、変更する場合に所轄労働基準監督署長へ届け出る必要があると説明している。

また、減給の制裁については、労働基準法91条により、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えず、総額が一賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えてはならないとされている。

さらに、懲戒解雇として即時解雇し、解雇予告手当を支払わない場合には、解雇予告除外認定の問題が生じる。モデル就業規則も、労働者を懲戒解雇として平均賃金30日分以上の解雇予告手当を支給せずに即時解雇する場合、あらかじめ所轄労働基準監督署長に解雇予告除外認定を申請し、その認定を受ける必要があると説明している。

ただし、解雇予告除外認定は、解雇予告手当の支払免除に関わる行政上の問題であり、民事上の懲戒解雇の有効性を当然に保証するものではない。したがって、懲戒解雇を規程に書く場合も、労働契約法15条、労働契約法16条、解雇権濫用法理、退職金規程との関係を併せて検討しなければならない。

3.4 ハラスメント防止措置と行為者対応

厚生労働省は、職場におけるハラスメントを防止するため、事業主が雇用管理上講ずべき措置として、方針の明確化、相談体制の整備、事実関係の迅速かつ正確な確認、被害者と行為者への適正な対処、再発防止、プライバシー保護、不利益取扱い禁止の周知などを挙げている。

職場におけるハラスメント対策パンフレットでは、行為者について厳正に対処する旨の方針及び対処の内容を、就業規則その他の服務規律等を定めた文書に規定し、管理監督者を含む労働者に周知、啓発することが示されている。また、具体的なハラスメント言動と処分内容を直接対応させた懲戒規定を定める方法のほか、どのようなハラスメント言動がどのような処分に相当するのかについて判断要素を明らかにする方法も考えられると説明されている。

この点は、加害者懲戒基準を規程に明記する是非を検討する上で極めて重要である。行政実務上も、単に「ハラスメント禁止」と書くだけでなく、行為者への対処内容を文書化し、周知することが求められているからである。

3.5 2026年10月1日以降のカスタマーハラスメント及び求職者等セクハラ対応

厚生労働省は、令和7年改正により、カスタマーハラスメント及び求職者等に対するセクシュアルハラスメントの防止措置が事業主の義務となり、令和8年10月1日に施行されると公表している。

この改正は、加害者懲戒基準の規程化にも影響する。顧客等からのカスタマーハラスメントは、顧客本人を会社が懲戒することはできないが、自社従業員が他社従業員、求職者、顧客、委託先、学生、インターン等に対してハラスメントを行う場合には、会社の懲戒対象になり得る。

したがって、今後の規程設計では、社内従業員間のハラスメントだけでなく、次の関係も視野に入れる必要がある。

  • 自社従業員から求職者、学生、インターンへのセクシュアルハラスメント
  • 自社従業員から取引先従業員へのハラスメント
  • 自社従業員から顧客、患者、利用者への不適切言動
  • 自社従業員が他社に対してカスタマーハラスメントに類する行為を行う場合
  • 顧客等から自社従業員が被害を受けた場合の保護措置

規程上は、「職場内」に限定しすぎると、採用活動、出張、懇親会、オンラインコミュニケーション、取引先訪問、SNS、OB訪問、インターン対応などが漏れる。懲戒対象行為の射程を、業務遂行に関連する場所、時間、媒体、関係性に広げて定義する必要がある。

Section 04

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 裁判例から見る規程化の意味

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

4.1 フジ興産事件

厚生労働省の「確かめよう労働条件」は、フジ興産事件について、最高裁が、懲戒処分には就業規則上の根拠と適用される労働者への周知が必要であるとした事案として紹介している。判示の骨子として、使用者が労働者を懲戒するには就業規則であらかじめ懲戒の種別と事由を定めておくこと、就業規則が法的規範として拘束力を生ずるには労働者への周知手続が必要であることが示されている。

この裁判例から得られる実務的示唆は明確である。

  • 懲戒の種類と事由は、後出しでは足りない。
  • 労基署に届け出たことだけではなく、労働者への周知が重要である。
  • 会社が「社内では常識」と考えていても、規程根拠と周知が弱いと紛争リスクが高まる。
  • 加害者懲戒基準を規程に明記する場合、作っただけでは足りず、研修、イントラネット、配布、確認記録などによる周知が必要である。

4.2 海遊館事件

厚生労働省の「あかるい職場応援団」は、海遊館事件について、セクハラの加害者が会社による出勤停止処分等を不服として訴えたが、会社の懲戒処分等が有効とされた事案として紹介している。最高裁は、Xらの行為を懲戒事由とする出勤停止処分は懲戒権を濫用したものとはいえず有効であり、懲戒処分を理由とする各降格も人事権を濫用したものとはいえず有効であると判断したとされる。

この事案の実務上の意味は、次の点にある。

  • 言葉によるセクハラでも、態様、反復性、地位、職場秩序への影響によっては重い処分が有効になり得る。
  • 管理職の立場は処分相当性を重くする要素になり得る。
  • 被害者が明確に拒否していないことを、安易に行為者に有利な事情として扱うべきではない。
  • 会社がハラスメント禁止文書を配布、掲示するなど、事前の周知を行っていたことは実務上重要である。

加害者懲戒基準を規程に明記する是非の観点から見ると、海遊館事件は、規程、文書、周知、管理職教育の組み合わせが、処分の合理性を支える一要素となることを示している。

Section 05

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 明記するメリット

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

5.1 予見可能性が高まる

従業員にとって、どのような行為が禁止され、どのような不利益につながるのかを理解できることは重要である。加害者懲戒基準を規程に明記すれば、従業員は「知らなかった」「その程度で処分されるとは思わなかった」と主張しにくくなる。

予見可能性は、処分される側だけでなく、被害者、相談者、管理職、調査担当者にとっても重要である。被害者は会社がどのように対応するのかを一定程度見通せる。管理職は初動対応で迷いにくくなる。調査担当者は処分判断に必要な事実を逆算して確認できる。

5.2 抑止効果が生じる

禁止行為と処分可能性が明確であれば、違反行為の抑止につながる。特にハラスメントでは、「冗談だった」「昔からこうだった」「指導のつもりだった」という認識のズレが発生しやすい。規程上、具体的な禁止行為と処分範囲を示すことで、職場の許容線を明確にできる。

ただし、抑止効果は文書化だけでは生じない。研修、管理職教育、ケーススタディ、内部通報制度、経営者メッセージと連動して初めて実効性を持つ。

5.3 被害者保護と通報促進に資する

被害者や相談者が最も不安に感じるのは、「相談しても会社は何もしないのではないか」「加害者が守られるのではないか」「報復されるのではないか」という点である。

規程に、行為者へ厳正に対処する方針、報復禁止、プライバシー保護、相談者への不利益取扱い禁止、事後措置を明記しておけば、被害者は相談しやすくなる。これは早期発見、被害拡大防止、企業の安全配慮義務、レピュテーションリスク低減にもつながる。

5.4 処分の公平性を担保しやすい

基準がなければ、同じような事案でも部署、上司、役員の感情、世論、被害者の声の大きさによって処分がばらつく。これにより、加害者側から「自分だけ重い」「過去事例と違う」と争われる。

懲戒基準を規程化し、過去事例との比較を可能にすれば、平等取扱いを確保しやすい。内部監査や監査役、社外取締役も、会社の対応が恣意的でないかを検証しやすくなる。

5.5 組織としての説明責任を果たしやすい

重大なハラスメントや不祥事では、被害者、労働組合、行政、親会社、取締役会、監査役、株主、取引先、メディアから説明を求められる場合がある。

その際、規程上の根拠、調査手続、判断要素、処分基準、再発防止策が整備されていれば、会社は「属人的判断ではなく、あらかじめ定めた基準に従って処理した」と説明しやすい。

5.6 管理職の自己流対応を防げる

ハラスメント事案では、現場管理職が「本人同士で話し合って」「今回は注意で済ませて」「大ごとにしないで」と処理してしまい、被害が拡大することがある。

加害者懲戒基準を規程に明記し、管理職の報告義務、調査協力義務、報復禁止、証拠保全義務を明確にすれば、初動対応の逸脱を防ぎやすい。

Section 06

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 明記するリスク

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

6.1 自動処分表になるリスク

最も危険なのは、懲戒基準を「この行為なら必ずこの処分」と書きすぎることである。実際の事案では、同じ「暴言」でも、1回限りか反復継続か、相手が部下か同僚か、公開の場か密室か、差別的要素があるか、精神疾患や休職につながったか、指導目的があるか、反省や謝罪があるかによって評価が変わる。

処分表が硬直的だと、軽すぎる処分を義務づけてしまう場合も、重すぎる処分を義務づけてしまう場合もある。結果として、被害者保護にも、懲戒の有効性にも悪影響が出る。

6.2 規程から外れた処分が争われやすくなる

詳細な基準を置くと、会社自身がその基準に拘束される。例えば、規程に「初回の侮辱発言は戒告」と書いた場合、初回でも極めて悪質な侮辱発言に対して出勤停止を科すと、行為者側は「規程では戒告」と主張しやすい。

したがって、基準は「原則」「標準」「目安」としつつ、情状、被害、反復性、地位、報復、証拠隠滅などにより加重または減軽できる構造にする必要がある。

6.3 言い逃れの材料になるリスク

具体例を列挙しすぎると、「規程にこの行為は書かれていない」「この分類には該当しない」という形式的反論が生じる。特にハラスメントは態様が多様であり、オンライン、SNS、チャット、リモート会議、業務外の懇親会、採用活動、取引先関係などに広がる。

そのため、禁止行為は具体例を示しつつ、包括条項を置く必要がある。例えば、「前各号に準ずる行為」「相手方の人格、尊厳、就業環境を害する行為」「業務上必要かつ相当な範囲を超える言動」などを組み合わせる。

6.4 処分の相場が固定化されるリスク

規程に軽い処分が標準として書かれると、現場はそれを「上限」と誤解する場合がある。逆に重い処分が標準として書かれると、現場が調査前から厳罰ありきで動く場合がある。

処分の相場を固定化しすぎることは、被害者にも行為者にも不利益となり得る。重要なのは、処分名そのものではなく、どの要素が重く評価されるのかを明確にすることである。

6.5 不利益変更や労使関係上の摩擦

懲戒事由を拡張し、処分を重くする規程改定は、労働者に不利益な変更と評価される可能性がある。就業規則変更手続、意見聴取、周知、経過措置、研修を丁寧に行わないと、労使関係上の反発が生じる。

特に、従来黙認されていた言動を新たに厳しく処分する場合、単に規程を改定するだけでは足りない。経営者メッセージ、管理職研修、全社員研修、相談窓口整備、過去慣行の是正をセットで行う必要がある。

Section 07

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 実務上の結論

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

加害者懲戒基準を規程に明記する是非について、実務上の結論は次のとおりである。

明記すべきである。ただし、処分を機械的に決める自動処分表としてではなく、禁止行為、処分範囲、判断要素、手続、周知、加重減軽事由を組み合わせた規程として明記すべきである。

言い換えると、規程化の対象は「結論の固定」ではなく「判断構造の明確化」である。

望ましい規程化は、次の五層構造である。

次の比較表は、この章で確認すべき事項を一覧で整理したものです。読者にとって重要なのは、列ごとの違いが実務判断や手続設計に直結する点であり、左から順に確認対象、判断材料、注意点を読み取れます。

規程に書くべき内容書き方の方向性
第1層禁止行為具体例と包括条項を併用
第2層懲戒の種類就業規則に明記
第3層標準処分範囲目安として幅を持たせる
第4層加重減軽要素総合考慮要素を列挙
第5層手続調査、弁明、決裁、記録、周知
Section 08

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 懲戒基準の設計原則

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

8.1 「行為類型」と「悪質性評価」を分ける

規程設計では、行為類型と悪質性評価を分けるべきである。

行為類型とは、例えば次のような分類である。

  • 身体的攻撃
  • 精神的攻撃
  • 人間関係からの切り離し
  • 過大な要求
  • 過小な要求
  • 個の侵害
  • 性的言動
  • 妊娠、出産、育児、介護等に関する不利益言動
  • 差別的言動
  • 報復、口止め、証拠隠滅
  • 取引先、顧客、求職者等への不適切言動

悪質性評価とは、同じ類型の中でどの程度重いかを判断する要素である。

  • 行為の回数
  • 継続期間
  • 被害の程度
  • 身体接触の有無
  • 性的性質の強さ
  • 優越的地位の利用
  • 管理職、役員、指導的立場か
  • 密室性
  • 拒否後の継続
  • 相談後の報復
  • 証拠隠滅、口裏合わせ
  • 被害者の退職、休職、受診、業務不能
  • 会社信用への影響
  • 過去の注意、研修、処分歴
  • 反省、謝罪、再発防止可能性

この二段階設計により、「セクハラだから必ず出勤停止」「パワハラだから必ず戒告」といった粗い判断を避けられる。

8.2 処分範囲は幅を持たせる

規程では、行為類型ごとに標準処分範囲を示すことができる。ただし、単一処分ではなく幅を持たせるべきである。

例としては次のような表現が考えられる。

  • 軽微な服務規律違反 ― 注意、指導、けん責、戒告
  • 反復する不適切言動 ― けん責、減給、出勤停止
  • 優越的地位を利用した継続的ハラスメント ― 減給、出勤停止、降格、諭旨退職、懲戒解雇
  • 身体的攻撃、性的接触、報復、証拠隠滅、被害重大事案 ― 出勤停止、降格、諭旨退職、懲戒解雇

「幅」を持たせるだけではなく、加重減軽要素とセットで書くことが重要である。

8.3 「初回なら軽い」と書かない

ハラスメントや暴力の規程で避けるべき表現は、「初回の場合は戒告」などである。初回でも悪質な場合は重い処分が相当になり得る。例えば、身体的暴行、強制わいせつ的言動、性的接触、重大な差別発言、部下の退職や休職に直結する言動、内部通報者への報復などは、初回であっても重い処分を検討すべき場合がある。

したがって、規程では次のように書くべきである。

規程例違反行為が初回であることは減軽事情として考慮することがある。ただし、行為の性質、態様、被害の重大性、優越的地位の利用、報復、証拠隠滅その他の事情に照らし、初回であっても重い懲戒処分を行うことがある。

8.4 管理職、役員、専門職の責任を明記する

管理職、役員、人事担当、教育担当、メンター、採用担当、指導教官的立場の従業員は、一般従業員より高い注意義務を負う。部下、求職者、インターン、派遣社員、委託先従業員などに対して優越的な地位を持ちやすいためである。

規程では、次のような加重要素を置くとよい。

  • 管理監督者、役員、採用担当者、人事担当者、教育指導担当者その他優越的地位にある者による違反行為
  • 被害者が部下、派遣社員、契約社員、求職者、学生、インターン、取引先従業員等であり、拒否や相談が困難な関係にあったこと
  • 会社のハラスメント防止研修を受け、または部下を指導すべき立場にあったこと

8.5 報復を最重視する

相談、通報、調査協力を理由とする報復は、ハラスメント事案において最も重く扱うべき行為の一つである。報復を放置すると、被害者保護、内部通報制度、調査協力、職場秩序が崩壊する。

規程では、報復、口止め、威迫、証拠隠滅、虚偽供述強要、関係者への接触禁止命令違反を、独立の懲戒事由として明記すべきである。

Section 09

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 規程条文例

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

以下は、実務での検討素材である。個別企業の業種、組織規模、既存規程、労働協約、過去事例、企業文化に合わせて調整が必要である。

9.1 基本方針条項

規程例会社は、労働者の人格、尊厳及び安全に配慮し、ハラスメント、差別、暴力、脅迫、報復その他職場環境を害する行為を許容しない。会社は、これらの行為が確認された場合、就業規則及び本規程に基づき、行為者に対し、必要な業務上の措置及び懲戒処分を含む厳正な措置を講ずる。

9.2 禁止行為条項

規程例労働者は、職場内外を問わず、業務遂行又は会社の信用に関連して、次の各号の行為をしてはならない。
1. 身体的攻撃、暴行、傷害、威迫又はこれらに準ずる行為
2. 脅迫、名誉毀損、侮辱、人格否定、ひどい暴言その他精神的攻撃
3. 業務上必要かつ相当な範囲を超える叱責、業務命令、過大な要求又は過小な要求
4. 隔離、仲間外し、無視その他人間関係から切り離す行為
5. 私生活、思想信条、家族、病歴、性的指向、性自認その他個人情報又は私的領域に不当に立ち入る行為
6. 性的な言動、性的接触、交際要求、性的冗談、性的画像の提示その他性的性質を有する不適切な行為
7. 妊娠、出産、育児、介護、休業、時短勤務その他法令上又は会社制度上の権利行使に関する嫌がらせ又は不利益言動
8. 国籍、人種、民族、信条、性別、年齢、障害、雇用形態その他の属性に関する差別的言動
9. 相談、通報、調査協力、証言、申告又は権利行使を理由とする報復、不利益取扱い、威迫、口止め、証拠隠滅又は関係者への不当な接触
10. 取引先、顧客、患者、利用者、求職者、学生、インターン、派遣労働者、委託先従業員その他会社の業務に関連して接する者に対する前各号に準ずる行為
11. 前各号に掲げるもののほか、相手方の人格、尊厳、就業環境、職場秩序又は会社の信用を害する行為

9.3 処分判断条項

規程例会社は、前条に違反する行為が認められた場合、行為の性質、態様、回数、継続期間、被害の程度、被害者との関係、職務上の地位、優越的関係の有無、会社業務及び職場秩序への影響、過去の注意指導又は懲戒歴、研修受講状況、反省及び再発防止可能性、報復又は証拠隠滅の有無、過去の同種事例との均衡その他一切の事情を総合考慮し、注意指導、配置転換、職務変更、管理職位の解任、降格その他の人事上の措置及び懲戒処分を行うことがある。

9.4 標準処分範囲条項

規程例前項の処分判断に当たっては、別表「ハラスメント等違反行為に関する標準処分範囲」を参考とする。ただし、別表は標準的な目安であり、個別事案の事情により、当該範囲より重い処分又は軽い処分を行うことがある。

9.5 加重事由条項

規程例次の各号のいずれかに該当する場合、会社は処分を加重することがある。
1. 行為者が役員、管理監督者、人事担当者、採用担当者、教育担当者その他指導的立場にある場合
2. 優越的地位を利用し、又は相手方が拒否、相談、離脱をしにくい状況を利用した場合
3. 行為が反復継続し、又は複数人に及ぶ場合
4. 身体的接触、暴行、脅迫、性的強要又は重大な差別的言動を含む場合
5. 被害者に休職、退職、通院、業務不能その他重大な不利益が生じた場合
6. 相談、通報又は調査協力に対する報復、威迫、口止め、証拠隠滅、虚偽説明、関係者への不当接触がある場合
7. 会社の信用、取引関係、採用活動、顧客対応又は職場秩序に重大な影響を与えた場合
8. 過去に同種又は類似の注意、指導、研修、警告又は懲戒処分を受けている場合

9.6 減軽事由条項

規程例次の各号の事情は、処分を減軽する事情として考慮することがある。ただし、行為の性質及び被害の重大性に照らし、減軽しないことがある。
1. 行為が軽微であり、反復継続していないこと
2. 行為者が事実を認め、被害者の意向に配慮しつつ誠実に謝罪し、再発防止に具体的に取り組んでいること
3. 会社の指導、研修、配置上の問題など、背景事情として会社側の改善余地があること
4. 被害者の安全及び職場環境の回復が、懲戒以外の措置によって相当程度確保できること

9.7 手続条項

規程例会社は、違反行為の有無及び処分の要否を判断するに当たり、必要な範囲で関係者から事情を聴取し、資料を確認し、対象者に弁明の機会を付与する。ただし、被害者又は関係者の安全確保、証拠保全、報復防止、調査の実効性確保のため必要がある場合、聴取の順序、方法、範囲を調整することがある。

9.8 不利益取扱い禁止条項

規程例会社及び労働者は、相談、通報、調査協力、証言、証拠提出、再発防止措置への協力その他本規程に基づく対応に関与したことを理由として、解雇、降格、減給、配置上の不利益、嫌がらせ、報復、威迫、孤立化その他不利益な取扱いをしてはならない。
Section 10

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 標準処分範囲表の例

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

以下は、あくまで規程設計上のサンプルであり、個別案件の結論を示すものではない。

次の比較表は、この章で確認すべき事項を一覧で整理したものです。読者にとって重要なのは、列ごとの違いが実務判断や手続設計に直結する点であり、左から順に確認対象、判断材料、注意点を読み取れます。

行為類型典型例標準処分範囲加重方向の例
軽微な不適切言動単発の配慮を欠く発言、誤解を招く冗談注意、指導、けん責、戒告拒否後の継続、相手の属性への攻撃、公開の場での発言
反復する精神的攻撃継続的な侮辱、人格否定、威圧的叱責けん責、減給、出勤停止、降格部下への継続行為、休職、退職、複数被害者
性的言動性的冗談、性的質問、性的画像の提示けん責、減給、出勤停止、降格反復、密室、上下関係、拒否後の継続、採用場面
性的接触等不必要な身体接触、交際要求、性的強要出勤停止、降格、諭旨退職、懲戒解雇強制性、密室性、報復、複数被害者、刑事事件化
身体的攻撃暴行、物を投げる、威迫減給、出勤停止、降格、懲戒解雇傷害、反復、部下への攻撃、職場安全への重大影響
制度利用への嫌がらせ育休、介護休業、時短勤務、妊娠等への否定的言動けん責、減給、出勤停止、降格退職強要、評価不利益、管理職による行為
差別的言動国籍、性別、障害、年齢等への侮辱けん責、減給、出勤停止、降格公開性、反復、採用や処遇への影響、会社信用毀損
報復、口止め相談者への嫌がらせ、証拠隠滅、関係者威迫出勤停止、降格、諭旨退職、懲戒解雇管理職による報復、組織的隠蔽、被害拡大
社外関係者への加害取引先、顧客、求職者、学生へのハラスメントけん責、減給、出勤停止、降格、懲戒解雇採用権限の利用、取引停止、SNS拡散、行政対応

この表の使い方で重要なのは、「標準処分範囲」と「加重方向」を併記することである。単に処分名を並べるのではなく、なぜ重くなるのかを説明できる構造にする。

Section 11

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 規程に明記すべきでない事項

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

11.1 被害者の処罰感情を処分基準にしない

被害者の意向は重要である。特に安全確保、接触禁止、配置、謝罪の要否、説明方法では十分に尊重されるべきである。

しかし、懲戒処分の重さを被害者の処罰感情だけで決めてはならない。被害者が厳罰を望む場合も、望まない場合も、会社は客観的事実、規程、過去事例、職場秩序、再発防止の観点から判断する必要がある。

規程には、被害者の意向を「考慮要素」として位置づけることはあり得るが、「被害者が望めば懲戒解雇」「被害者が望まなければ処分しない」といった表現は避けるべきである。

11.2 「証拠がなければ不問」と書かない

ハラスメントは密室、口頭、チャット削除、関係性の非対称性を伴うことが多い。明確な録音や動画がないからといって、常に不問とは限らない。関係者供述、メッセージ履歴、行動履歴、勤怠、医療記録、過去相談、同種被害の有無などを総合評価する。

ただし、十分な事実認定ができないまま懲戒することも危険である。規程には「証拠がない場合は不問」ではなく、「会社は合理的な調査により確認できた事実に基づき判断する」と書くべきである。

11.3 「被害者が拒否しなかった場合は軽い」と書かない

特にセクシュアルハラスメントやパワーハラスメントでは、被害者が立場上拒否できないことがある。管理職、採用担当、評価者、指導者、取引先担当などとの関係では、明示的拒否がないことを同意や許容と評価するのは危険である。

規程には、拒否の有無を機械的な基準にしないことを明記するのが望ましい。

11.4 「社外であれば対象外」と書かない

懇親会、出張、研修旅行、オンライン会議、チャット、SNS、OB訪問、採用面談、取引先対応など、職場外でも業務関連性がある場面は多い。社外だから対象外と書くと、重大事案に対応できなくなる。

規程では、場所、時間、媒体を問わず、業務遂行、会社の信用、職場環境、雇用関係に関連する行為を対象とすることを明記する。

Section 12

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 調査と懲戒の分離

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

加害者懲戒基準を規程に明記する場合、調査手続と懲戒手続を分けて考えることが重要である。

調査は、事実の有無を確認するプロセスである。懲戒は、認定された事実に対して処分を決めるプロセスである。両者が混同されると、最初から処分ありきの調査になり、対象者から手続違反を主張されやすい。

望ましい流れは次のとおりである。

  1. 相談受付
  2. 緊急措置の要否判断
  3. 調査方針の決定
  4. 証拠保全
  5. 関係者ヒアリング
  6. 対象者ヒアリング
  7. 事実認定
  8. 規程該当性判断
  9. 処分量定
  10. 弁明機会の付与
  11. 決裁
  12. 通知
  13. 被害者への必要な範囲の説明
  14. 再発防止措置
  15. 記録保存

規程上は、これらを詳細に書きすぎる必要はないが、基本プロセスは明記するのが望ましい。特に、弁明機会、利益相反排除、秘密保持、報復禁止、記録保存は重要である。

次の判断の流れは、相談受付から再発防止までを、調査と懲戒に分けて整理したものです。読者にとって重要なのは、事実認定前に処分を決めないことと、弁明機会や決裁記録を後半に置くことです。上から順に見ると、どの段階で証拠、評価、処分判断を切り分けるかを読み取れます。

調査と懲戒を分ける基本手順

相談受付と緊急措置

安全確保と証拠保全を確認する

調査方針

資料と面談対象を決める

事実認定

認定事実と規程条項を分ける

処分検討
量定と弁明機会

標準範囲、加重減軽、反論を確認する

処分外
再発防止

就業環境の回復と教育につなげる

Section 13

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 被害者への説明と守秘義務

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

懲戒処分後、被害者から「加害者はどうなったのか」と尋ねられることがある。被害者保護の観点から一定の説明は必要であるが、行為者の懲戒内容、給与、降格、退職条件などは個人情報や人事情報に関わる。

規程では、次のような原則を置くとよい。

  • 被害者には、安全確保と再発防止に必要な範囲で対応結果を説明する。
  • 行為者の個別処分内容は、法令、プライバシー、社内規程に照らし、必要かつ相当な範囲で説明する。
  • 接触禁止、配置変更、相談窓口、再発防止策など、被害者の就業環境に関わる事項は丁寧に説明する。
  • 被害者にも守秘義務を求める場合は、被害申告や行政、専門家への相談を不当に妨げないよう配慮する。
Section 14

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 社内ガバナンス上の決裁設計

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

加害者懲戒基準を規程に明記しても、誰が処分を決めるかが曖昧では意味がない。特に管理職、役員、経営幹部が対象者となる場合、直属上司や通常人事ラインでは利益相反が生じる。

望ましい決裁設計は次のとおりである。

次の比較表は、この章で確認すべき事項を一覧で整理したものです。読者にとって重要なのは、列ごとの違いが実務判断や手続設計に直結する点であり、左から順に確認対象、判断材料、注意点を読み取れます。

対象者調査主担当処分決裁監督関与
一般従業員人事、法務、コンプライアンス人事担当役員等必要に応じ法務確認
管理職人事、法務、コンプライアンス経営会議、人事委員会内部監査、社外役員が確認
役員取締役会、監査役、外部弁護士取締役会、株主総会事項の検討社外取締役、監査役、第三者委員会
人事、法務、通報窓口関係者利益相反のない別ライン、外部専門家経営会議、取締役会監査役、社外役員

処分が重いほど、証拠、判断理由、過去事例比較、法務レビュー、決裁記録が重要になる。

Section 15

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 中小企業における実装

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

中小企業では、詳細な懲戒基準表を作るリソースが限られていることがある。しかし、中小企業ほど、社長や管理職の属人的判断に依存しやすく、ハラスメント対応がこじれやすい。

最低限整備すべき文書は次のとおりである。

  • 就業規則の懲戒種類、懲戒事由
  • ハラスメント防止規程または服務規律
  • 相談窓口の案内
  • 行為者に厳正に対処する方針
  • 標準処分範囲の簡易表
  • 調査手続メモ
  • 相談者、協力者への不利益取扱い禁止

従業員10人未満で就業規則の作成届出義務がない事業場でも、懲戒を行う可能性がある以上、雇用契約書、労働条件通知書、社内規程、服務規律、誓約書などにより根拠と周知を整備するのが実務上望ましい。

Section 16

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 大企業、上場企業、グループ会社における実装

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

大企業や上場企業では、単体の就業規則だけでなく、グループ規程、コンプライアンスコード、内部通報制度、子会社管理、海外拠点、サプライチェーン、人的資本開示との整合が問題になる。

検討すべき事項は次のとおりである。

  • グループ共通のハラスメント禁止方針
  • 各社就業規則との整合
  • 出向者、派遣社員、委託先、外国籍従業員への適用範囲
  • 海外法との抵触
  • 英文規程との整合
  • 内部通報規程との接続
  • 取締役、執行役員、顧問、嘱託への適用
  • 報酬、賞与、株式報酬への影響
  • 人的資本、サステナビリティ、人権方針との整合
  • 重大事案の取締役会報告基準

大企業では、加害者懲戒基準を規程に明記するだけでなく、ケースデータベース化、処分の平準化、法務レビュー、内部監査によるモニタリングが求められる。

Section 17

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 役員、取締役、執行役員への対応

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

役員は労働者ではない場合が多く、就業規則上の懲戒がそのまま適用されないことがある。取締役については、会社法上の解任、報酬減額、任期満了、不再任、損害賠償、善管注意義務違反などの問題となる。

したがって、役員については、従業員向け懲戒基準とは別に、次の規程整備が必要である。

  • 役員行動規範
  • 役員コンプライアンス規程
  • 役員処分規程
  • 取締役会報告基準
  • 利益相反排除手続
  • 社外取締役、監査役への報告手続
  • 報酬委員会、指名委員会との接続

役員がハラスメント行為者となった場合、会社は単に人事問題として処理するのではなく、ガバナンス問題として扱う必要がある。

Section 18

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 社外関係者への加害行為

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

従業員が社外関係者に対してハラスメントを行う場合、会社には次のようなリスクが生じる。

  • 取引先からの契約解除、損害賠償請求
  • 採用候補者、学生からの告発
  • SNS拡散、報道
  • 行政指導
  • 企業ブランド毀損
  • 人材採用力の低下
  • 役員責任、内部統制不備

規程では、「職場内の同僚に対する行為」だけでなく、「業務に関連して接する者」に対する不適切行為を懲戒対象とする必要がある。

特に、採用担当者、面接官、リクルーター、OB訪問担当、インターン受入担当、営業担当、カスタマーサポート担当、医療福祉現場の従事者などは、社外関係者との接点が多い。研修と誓約を強化すべきである。

Section 19

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 処分通知書の書き方

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

加害者懲戒基準を規程に明記しても、処分通知書の記載が不十分であれば紛争になる。処分通知書には、少なくとも次の事項を整理する。

  • 処分対象者
  • 処分日
  • 処分内容
  • 認定した事実の概要
  • 該当する就業規則、規程条項
  • 処分理由
  • 考慮した主な事情
  • 処分の発効日、期間
  • 出勤停止中の賃金、貸与物、連絡方法
  • 再発防止義務、接触禁止、守秘義務
  • 異議申立てや相談先がある場合はその手続

通知書では、被害者の個人情報や詳細供述を過度に書かないよう注意する。一方で、行為者が何を理由に処分されたのか分からないほど抽象的でも不適切である。

Section 20

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 被害者保護措置と懲戒の関係

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

懲戒処分は被害者保護の一部であるが、すべてではない。会社は、懲戒とは別に、次の措置を検討する。

  • 接触禁止
  • 席替え
  • 配置転換
  • 業務分担変更
  • 上司変更
  • 休暇取得支援
  • 産業医、カウンセラー面談
  • 通院配慮
  • 在宅勤務
  • 評価、昇進、賃金への悪影響防止
  • 二次被害防止
  • 再発防止研修

ここで重要なのは、被害者側に一方的な異動や負担を押し付けないことである。被害者保護措置が、結果として被害者の不利益取扱いにならないようにする必要がある。

Section 21

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 内部通報制度との接続

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

ハラスメントや不正は、内部通報制度を通じて発覚することがある。加害者懲戒基準を規程に明記する場合、内部通報規程との整合が不可欠である。

特に、次の接続を確認する。

  • 通報受付後の調査手続
  • 匿名通報への対応
  • 通報者探索禁止
  • 報復禁止
  • 調査協力者保護
  • 虚偽通報への対応
  • 通報内容がハラスメントと不正の双方に関わる場合の主管部署
  • 役員関与事案の報告ライン
  • 外部窓口との連携

報復は独立の懲戒事由として明記すべきである。これにより、内部通報制度の実効性を守ることができる。

Section 22

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 虚偽申告への対応

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

規程には、虚偽申告や悪意ある申告への対応も必要である。ただし、ここは極めて慎重に書くべきである。

「申告内容が認定されなかった場合は虚偽申告として処分する」と書くのは不適切である。ハラスメントは証拠上認定できない場合もあるが、それが直ちに虚偽とは限らない。このような規程は、相談や通報を萎縮させる。

適切な書き方は次のようなものである。

規程例会社は、相談又は通報の内容が結果として事実認定に至らなかったことのみを理由として、相談者又は通報者を不利益に取り扱わない。ただし、他人を害する目的で、事実に反することを認識しながら虚偽の申告を行った場合は、就業規則に基づき懲戒処分の対象となることがある。
Section 23

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 研修と周知

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

規程は、従業員が読まなければ意味がない。特に懲戒基準は、作成時、改定時、入社時、管理職昇格時、採用担当任命時に周知する必要がある。

実務上は、次の周知策が有効である。

  • 就業規則、ハラスメント防止規程のイントラ掲載
  • 改定時の説明会
  • eラーニング
  • 管理職向けケース研修
  • 採用担当者向け研修
  • 相談窓口案内、ポスター
  • 確認テスト
  • 受講記録の保存
  • 役員向け研修
  • 派遣社員、出向者、委託先への必要範囲での周知

フジ興産事件の示唆からも、周知は懲戒の有効性に直結する。規程を作っただけで満足してはならない。

Section 24

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 内部監査とモニタリング

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

規程化後は、内部監査やコンプライアンス部門が運用状況を確認する必要がある。

チェック項目は次のとおりである。

  • 相談件数、調査件数、処分件数の推移
  • 部署別、職位別の偏り
  • 処分量定のばらつき
  • 調査期間の長期化
  • 被害者保護措置の実施状況
  • 報復事案の有無
  • 管理職による握りつぶしの有無
  • 研修受講率
  • 再発率
  • 規程改定の必要性
  • 取締役会、監査役への報告状況

懲戒基準は一度作って終わりではない。事案の蓄積、法改正、裁判例、社会的要請に応じて見直す必要がある。

Section 25

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― よくある誤解

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

25.1 「規程に書くと会社が縛られるから書かないほうがよい」

確かに、過度に詳細な自動処分表は会社を縛る。しかし、だからといって書かないのは危険である。懲戒の根拠、方針、判断要素、標準処分範囲を明記し、個別事情による調整条項を置けば、予見可能性と裁量の両立は可能である。

25.2 「ハラスメントは全部懲戒解雇にすればよい」

これは誤りである。ハラスメントには軽重があり、懲戒解雇は最も重い処分である。軽微な単発発言から重大な身体的、性的加害まで幅がある以上、事案に応じた相当性判断が必要である。

25.3 「被害者が許したなら処分できない」

これも誤りである。被害者の意向は尊重されるべきだが、懲戒は企業秩序維持の観点から会社が判断する。被害者が処分を望まない場合でも、反復性、職場秩序、再発防止、他の従業員への影響から処分が必要な場合がある。

25.4 「業務指導ならパワハラではない」

業務指導であっても、必要かつ相当な範囲を超えれば問題となる。規程では、業務上必要な指導とハラスメントの境界について、具体例を用いて教育する必要がある。

25.5 「懲戒基準は人事部だけが知っていればよい」

誤りである。懲戒基準は予防のために周知される必要がある。特に管理職、採用担当、人事評価者は、基準を知らなければならない。

Section 26

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 実務チェックリスト

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

加害者懲戒基準を規程に明記する際は、次の項目を確認する。

次の比較表は、この章で確認すべき事項を一覧で整理したものです。読者にとって重要なのは、列ごとの違いが実務判断や手続設計に直結する点であり、左から順に確認対象、判断材料、注意点を読み取れます。

項目確認ポイント
根拠就業規則に懲戒種類、懲戒事由があるか
接続ハラスメント防止規程と就業規則が整合しているか
周知全従業員、管理職、役員に周知されているか
対象社外関係者、求職者、取引先、オンライン行為を含むか
基準行為類型と悪質性評価が分かれているか
標準処分範囲に幅があるか
加重管理職、報復、反復、証拠隠滅、被害重大性を加重要素にしているか
減軽減軽要素が過度に行為者寄りになっていないか
手続調査、弁明、決裁、記録保存が明記されているか
保護被害者、相談者、協力者の不利益取扱い禁止があるか
守秘プライバシー保護と必要な説明のバランスがあるか
役員役員、管理職、採用担当への特則があるか
内部通報報復禁止、通報者保護と接続しているか
監査処分事例の平準化とモニタリング体制があるか
改定法改正、裁判例、実務運用に応じて見直す仕組みがあるか
Section 27

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 専門職の関与

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

加害者懲戒基準の規程化には、複数の専門職、実務職の関与が望ましい。

次の比較表は、この章で確認すべき事項を一覧で整理したものです。読者にとって重要なのは、列ごとの違いが実務判断や手続設計に直結する点であり、左から順に確認対象、判断材料、注意点を読み取れます。

関与者主な役割
弁護士法的有効性、裁判例、懲戒処分、紛争対応の確認
企業内弁護士経営判断、社内運用、グループ規程との整合
社会保険労務士就業規則、労基署届出、労務運用、研修支援
法務担当規程文言、証拠、契約、対外リスクの整理
人事労務担当処分運用、配置、評価、従業員対応
コンプライアンス担当予防策、通報制度、再発防止
内部監査担当運用状況の検証、統制不備の把握
産業医、カウンセラー被害者、行為者、職場への健康配慮
外部調査委員重大事案、役員関与事案、利益相反事案の調査
取締役、監査役、社外取締役ガバナンス、経営責任、重大処分の監督

規程作成は法務文書の作業に見えるが、実際には企業文化、マネジメント、内部統制、人権尊重の問題である。

Section 28

加害者懲戒基準を規程に明記する是非 ― 総合結論

規程化の法的根拠、設計上の利点と限界、運用上の注意点を整理します。

加害者懲戒基準を規程に明記する是非について、このページの結論は次のとおりである。

  1. 明記は必要である。 懲戒の根拠、事由、種類、対処方針、判断要素、手続を文書化し、周知することは、企業法務、労務コンプライアンス、被害者保護、紛争予防のいずれからも重要である。
  2. ただし、自動処分表にしてはならない。 懲戒の有効性は、行為の性質、態様、被害、地位、反復性、報復、証拠隠滅、過去事例などを総合考慮して判断される。
  3. 標準処分範囲と加重減軽要素をセットで書くべきである。 処分名を固定するのではなく、判断構造を明確にする。
  4. ハラスメント防止措置と接続すべきである。 方針明確化、相談体制、事実確認、行為者対応、被害者配慮、再発防止、プライバシー保護、不利益取扱い禁止を一体化する。
  5. 周知と運用が核心である。 規程を作るだけでは足りず、研修、管理職教育、記録化、内部監査、定期見直しが必要である。

したがって、企業が採るべき最適解は、加害者懲戒基準を規程に明記しつつ、個別事案に応じた合理的かつ相当な判断を可能にする設計である。

Reference

参考資料

制度・実務・研究上の根拠資料名を整理します。

次の一覧は、このページで参照した公的資料、法令、実務資料、研究資料の名称を整理したものです。読者にとって重要なのは、制度説明と調査実務の根拠を分けて確認できる点であり、必要に応じて各資料名を手がかりに一次情報を確認できます。

  • e-Gov法令検索「労働契約法」
  • e-Gov法令検索「労働基準法」
  • 厚生労働省労働基準局監督課「モデル就業規則」
  • 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
  • 厚生労働省「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました」
  • 厚生労働省「確かめよう労働条件 ― 就業規則の効力、フジ興産事件」
  • 厚生労働省「あかるい職場応援団 ― 海遊館事件」
  • 厚生労働省「令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について」