2σ Guide

秘密情報の複製・加工・
派生物の取り扱い

NDA、業務委託、共同研究、M&A、AI・データ利用で見落とされやすい原本以外の管理を整理します。

4層契約・技術・組織・証拠
5層加工物の整理
3層秘密保持・利用・帰属
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秘密情報の複製・加工・ 派生物の取り扱い

NDA、業務委託、共同研究、M&A、AI・データ利用で見落とされやすい原本以外の管理を整理します。

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秘密情報の複製・加工・ 派生物の取り扱い
NDA、業務委託、共同研究、M&A、AI・データ利用で見落とされやすい原本以外の管理を整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 秘密情報の複製・加工・ 派生物の取り扱い
  • NDA、業務委託、共同研究、M&A、AI・データ利用で見落とされやすい原本以外の管理を整理します。

POINT 1

  • 秘密情報の複製・加工・派生物の全体像
  • 原本以外に残る情報を、契約・技術・組織・証拠の4層で管理します。
  • 対象範囲
  • 保存場所
  • 説明可能性

POINT 2

  • 秘密情報・営業秘密・複製・加工・派生物の定義
  • 契約上の秘密情報と営業秘密を区別し、複製・加工・派生物の射程を明確にします。
  • 用語の違いは、条項設計と紛争時の立証に直結します。
  • 営業秘密に当たらなくても契約上保護できる情報がある点を確認してください。
  • 秘密保持の問題と知的財産権の帰属問題は別です。

POINT 3

  • 秘密情報の複製は範囲を絞って許す
  • 1. 本目的に必要か:契約目的の達成に必要な範囲に限ります。
  • 2. 保存先を限定できるか:端末、クラウド、メール、リポジトリの保存先を特定します。
  • 3. 終了時に処理できるか:返還、削除、廃棄、削除証明の対象にします。
  • 4. 例外保存を明示する:バックアップ、法令、監査、紛争対応保存は義務存続を付けます。

POINT 4

  • 秘密情報の加工とAI処理は階層ごとに扱う
  • 加工後の情報が元情報を含むか、復元・識別できるかで利用範囲を変えます。
  • 加工物を一律に秘密情報とすると受領者の事業活動を縛りすぎ、自由利用にすると提供者の価値が残る場合があります。
  • 上から下へ進むほど元情報との距離は広がりますが、完全な自由利用とは限りません。
  • AI・機械学習では、入力、前処理、モデル、評価、ログのどこに秘密情報が残るかを確認する必要があります。

POINT 5

  • 派生物は秘密保持・利用権限・権利帰属を分ける
  • 派生物の権利帰属だけで、秘密保持義務の有無は決まりません。
  • 第三者へ開示できるか
  • 自社事業で使えるか
  • 知的財産権は誰にあるか

POINT 6

  • 契約条項・社内運用・紛争対応へ落とし込む
  • 1. 開示範囲と閲覧者を特定:資料名、版、媒体、開示日時、秘密表示、アクセス権を記録します。
  • 2. 加工環境を分離:専用環境、外部送信制限、作業ログで処理を管理します。
  • 3. 返還・削除:通常利用環境から削除し、例外保存は復元禁止にします。

POINT 7

  • 場面別対応・結論・FAQ
  • M&A、共同研究、業務委託、AI開発、退職時対応では、秘密情報の残り方が異なります。
  • 実務上の結論
  • FAQでは、一般的な考え方を確認します。
  • 個別の見通しや対応方針は、契約文言、事実関係、証拠、業界規制により変わります。

まとめ

  • 秘密情報の複製・加工・ 派生物の取り扱い
  • 秘密情報の複製・加工・派生物の全体像:原本以外に残る情報を、契約・技術・組織・証拠の4層で管理します。
  • 秘密情報・営業秘密・複製・加工・派生物の定義:契約上の秘密情報と営業秘密を区別し、複製・加工・派生物の射程を明確にします。
  • 秘密情報の複製は範囲を絞って許す:必要な複製を許しつつ、保存場所・ログ・削除証跡を明確にします。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

秘密情報の複製・加工・派生物の全体像

原本以外に残る情報を、契約・技術・組織・証拠の4層で管理します。

秘密情報は、コピー、転記、要約、翻訳、分析、統計化、AI処理、バックアップ、報告書、改良案へ姿を変えます。原本だけを返還・削除しても、複製物・加工物・派生物が残ると目的外利用や漏えい時の争点になります。

次の一覧は、秘密情報のライフサイクルを制御する4つの視点です。各項目から、契約文言だけでなく、保存場所、閲覧者、ログ、削除証明までそろえる必要があることを読み取ってください。

契約

対象範囲

複製物、加工物、派生物、バックアップ、ログ、AI処理結果を対象に含めるかを定めます。

技術

保存場所

端末、クラウド、メール、チャット、分析環境、外部AIサービスへの入力可否を限定します。

組織

閲覧者

アクセス権、情報分類、研修、退職時確認、再委託先管理を契約上の義務と一致させます。

証拠

説明可能性

開示履歴、ダウンロード、印刷、削除証明、派生物の保存場所を記録します。

Section 01

秘密情報・営業秘密・複製・加工・派生物の定義

契約上の秘密情報と営業秘密を区別し、複製・加工・派生物の射程を明確にします。

用語の違いは、条項設計と紛争時の立証に直結します。次の比較表は、各概念の意味と契約で決めるべき点を整理するものです。営業秘密に当たらなくても契約上保護できる情報がある点を確認してください。

用語意味契約で決める点
秘密情報法令、契約、社内規程、情報の性質に照らして開示や目的外利用が制限される情報です。技術、営業、財務、顧客、個人情報、ログ、学習用データ、アルゴリズムを含めるか決めます。
営業秘密秘密管理性、有用性、非公知性を満たす不正競争防止法上の保護対象です。秘密表示、アクセス制限、分別管理、研修、誓約書などの管理措置とつなげます。
複製紙コピー、メール添付、クラウド保存、スクリーンショット、バックアップなどです。保存場所、利用者、返還・削除、バックアップ例外を定めます。
加工翻訳、要約、分析、匿名化、統計化、特徴量化、モデル学習などです。元情報を含む加工物を秘密情報に含めるかを定めます。
派生物秘密情報を利用・参照・分析・学習して作成された成果物です。秘密保持、利用権限、知的財産権の帰属を分けます。

秘密保持の問題と知的財産権の帰属問題は別です。受領者が作成した成果物でも、相手方の秘密情報を含むなら外部開示や目的外利用が制限されることがあります。

Section 02

秘密情報の複製は範囲を絞って許す

必要な複製を許しつつ、保存場所・ログ・削除証跡を明確にします。

複製を全面禁止すると、契約レビュー、技術検証、監査、M&A、共同開発、データ分析が止まりやすくなります。次の比較表は、複製物の種類ごとの管理ポイントです。媒体やシステムごとに回収・削除・ログ管理の方法が異なることを読み取ってください。

類型注意点
物理的複製紙コピー、印刷物、写真回収、廃棄、廃棄証明の対象にします。
電子的複製ファイルコピー、メール添付、クラウド保存保存場所、共有リンク、アクセスログを確認します。
バックアップ自動バックアップ、アーカイブ復元禁止、保存期間満了時削除、復元後再削除を定めます。
転記・抜粋メモ、議事録、レビューコメント一部引用でも秘密情報として扱うことを明記します。

次の判断の流れは、複製を許す場合に条件を絞る順番です。業務上の必要性から始め、保存先・閲覧者・終了時処理・例外保存の順に確認してください。

判断の流れ

本目的に必要か

契約目的の達成に必要な範囲に限ります。

保存先を限定できるか

端末、クラウド、メール、リポジトリの保存先を特定します。

終了時に処理できるか

返還、削除、廃棄、削除証明の対象にします。

例外保存を明示する

バックアップ、法令、監査、紛争対応保存は義務存続を付けます。

Section 03

秘密情報の加工とAI処理は階層ごとに扱う

加工後の情報が元情報を含むか、復元・識別できるかで利用範囲を変えます。

加工物を一律に秘密情報とすると受領者の事業活動を縛りすぎ、自由利用にすると提供者の価値が残る場合があります。次の比較表は加工物を5つに分ける考え方です。上から下へ進むほど元情報との距離は広がりますが、完全な自由利用とは限りません。

階層内容取り扱い
第1層 ― 同一性の高い加工物翻訳、形式変換、要約、抜粋原則として秘密情報に含めます。
第2層 ― 元情報を実質的に含む加工物分析表、特徴量、統合データ秘密情報または利用制限対象にします。
第3層 ― 復元・識別できない統計情報集計値、一般傾向、匿名統計利用許諾、外部提供、公表可否を定めます。
第4層 ― 受領者の独自知見一般的スキル、経験意図的記録や高機微情報を除外します。
第5層 ― 共同創出成果共同研究成果、改良技術、派生モデル権利帰属と利用権限を個別に定めます。

AI・機械学習では、入力、前処理、モデル、評価、ログのどこに秘密情報が残るかを確認する必要があります。次の一覧は、AI処理で条項化すべき場面です。

01

学習・前処理

学習データ投入、クレンジング、特徴量抽出では元情報の傾向が残る可能性があります。

入力管理
02

モデル・評価

ファインチューニング、RAG用インデックス、評価結果を派生物として扱うか定めます。

モデル利用
03

外部サービス

生成AI、翻訳、要約、クラウド解析サービスへの入力やログ保存を承認制にします。

承認制
Section 04

派生物は秘密保持・利用権限・権利帰属を分ける

派生物の権利帰属だけで、秘密保持義務の有無は決まりません。

派生物の争いは、秘密保持、利用権限、権利帰属が混同されることで起こります。次の一覧は3つの論点を切り分けるためのものです。作成者や権利者が誰かだけで外部開示の可否が決まらない点を読み取ってください。

秘密保持

第三者へ開示できるか

提供者の秘密情報を含むなら、受領者が作成した資料でも外部開示は制限されます。

利用権限

自社事業で使えるか

統計情報、一般的知見、既存ノウハウの利用は別に定めます。

権利帰属

知的財産権は誰にあるか

著作権、特許を受ける権利、ノウハウ、データ利用権限を個別に整理します。

派生物条項には複数の設計があります。次の比較表は、提供者保護と受領者の自由、共同成果の扱いを比べるものです。

設計場面注意点
提供者帰属型研究開発委託、データ解析委託受領者の汎用ツールや既存技術まで移転するように読めないよう限定します。
受領者帰属・提供者利用許諾型コンサル、データ分析、AI開発提供者の秘密情報が残る部分の他案件利用を制限します。
共同帰属・相互利用型共同研究、PoC第三者ライセンス、単独実施、特許出願、発表前レビューを定めます。
非識別情報のみ自由利用型統計情報、一般的知見識別・復元・推測できないことの基準を決めます。
Section 05

契約条項・社内運用・紛争対応へ落とし込む

条項、情報分類、派生物台帳、教育、初動対応を同じ対象範囲でつなぎます。

条項設計では、定義、利用制限、返還・削除、AI利用、監査を同じ対象範囲で連動させます。次の一覧は主要条項と役割を整理するものです。

01

定義条項

原情報、複製物、加工物、派生物、議事録、メモ、モデルを含めるか定めます。

対象範囲
02

複製制限

本目的に必要な範囲を超える複製を禁止し、秘密表示とアクセス制限を求めます。

保存場所
03

加工制限

分析、統計化、匿名化、特徴量化、モデル学習を禁止、承認制、別紙許可に分けます。

AI処理
04

返還・削除

複製物、加工物、派生物、バックアップ、削除証明を具体化します。

終了時

秘密情報は受領から終了後まで状態が変化します。次の時系列は、ライフサイクルごとの管理ポイントです。どの時点で記録を残し、どの時点で削除証跡を取るかを確認してください。

受領時

開示範囲と閲覧者を特定

資料名、版、媒体、開示日時、秘密表示、アクセス権を記録します。

処理時

加工環境を分離

専用環境、外部送信制限、作業ログで処理を管理します。

終了時

返還・削除

通常利用環境から削除し、例外保存は復元禁止にします。

Section 06

場面別対応・結論・FAQ

M&A、共同研究、業務委託、AI開発、退職時対応では、秘密情報の残り方が異なります。

FAQでは、一般的な考え方を確認します。個別の見通しや対応方針は、契約文言、事実関係、証拠、業界規制により変わります。

加工した資料は自由に使えますか

一般的には、加工後でも元情報の内容、構造、傾向、ノウハウを含む場合には秘密保持義務や利用制限が及ぶ可能性があります。ただし、契約文言、加工方法、復元可能性、個人情報の有無によって結論が変わります。具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

生成AIへ入力して出力だけ使えば問題ありませんか

一般的には、入力行為自体が契約上の第三者提供、目的外利用、外部サービス利用制限に関係する可能性があります。サービス設定、学習利用、ログ保存の有無によって評価は変わります。具体的には契約とサービス条件を確認する必要があります。

最後に、実務上の結論を強調します。次の要点は、契約と運用を分断しないためのまとめです。

実務上の結論

秘密情報は原本だけでなく、複製物、加工物、派生物、バックアップ、ログ、AI処理結果まで視野に入れて管理します。秘密保持、利用権限、権利帰属を分け、アクセス制御、ログ管理、削除証明、派生物台帳、生成AI利用ルール、退職時管理、教育研修と組み合わせることが重要です。

Reference

参考資料

制度と情報管理の前提として確認した公的・中立的資料です。

公的資料・中立資料

  • 経済産業省「営業秘密管理指針」
  • 経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック」
  • 経済産業省「限定提供データに関する指針」
  • 経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン データ編」
  • 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン 仮名加工情報・匿名加工情報編」
  • 独立行政法人情報処理推進機構「組織における内部不正防止ガイドライン」
  • 独立行政法人情報処理推進機構「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」