2σ Guide

2024年施行のフリーランス新法が
業務委託契約に与える影響

取引条件の明示、60日以内支払、継続委託の禁止行為、ハラスメント体制、30日前予告まで、発注者とフリーランス双方が確認すべき実務ポイントを整理します。

2024/11/1施行日
60日以内原則の支払期日
30日前長期委託の終了予告
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2024年施行のフリーランス新法が 業務委託契約に与える影響

2024年施行後、契約書だけでなく発注・支払・解除・相談体制まで管理対象になります。

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2024年施行のフリーランス新法が 業務委託契約に与える影響
2024年施行後、契約書だけでなく発注・支払・解除・相談体制まで管理対象になります。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 2024年施行のフリーランス新法が 業務委託契約に与える影響
  • 2024年施行後、契約書だけでなく発注・支払・解除・相談体制まで管理対象になります。

POINT 1

  • フリーランス新法が業務委託契約に与える影響の全体像
  • 2024年施行後、契約書だけでなく発注・支払・解除・相談体制まで管理対象になります。
  • まず、業務委託契約に与える主要な影響を一覧で確認します。

POINT 2

  • フリーランス新法の対象者と業務委託の定義
  • 1. 法律成立:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律が成立しました。
  • 2. 公布:公布により、発注者側は施行前から契約書・発注書・支払管理の見直し準備を進める必要が生じました。
  • 3. 施行:施行日後の業務委託や契約更新では、取引条件の明示、報酬支払期日、就業環境整備などが実務上の確認対象になります。
  • 4. 運用本格化
  • 5. 勧告事例の公表

POINT 3

  • フリーランス新法で業務委託契約に加わる主要義務
  • 第3条 ― 取引条件の明示義務
  • 第4条 ― 報酬支払期日の設定と期日内支払
  • 第5条・第12条・第13条・第14条・第16条の実務影響
  • 受領拒否
  • 報酬の減額
  • 返品
  • 買いたたき
  • 3条通知、60日以内支払、7つの禁止行為、募集情報、配慮、ハラスメント、解除予告をまとめます。

POINT 4

  • フリーランス新法の行政申出と施行後の執行動向
  • 申出制度、調査・勧告・罰金、公表事例から見える重点リスクを確認します。
  • フリーランス新法には行政への申出制度があります。
  • また、申出を理由とする取引数量の削減、取引停止、契約解除その他の不利益取扱いは禁止されています。
  • 施行後の運用状況は、どの義務が実務上問題になりやすいかを示します。

POINT 5

  • フリーランス新法対応で業務委託契約書を見直す条項
  • 当事者確認、業務内容、報酬、検収、修正、解除、知財、再委託、危険条項を具体化します。
  • 発注書・3条通知の最低限の確認事項
  • 危険な契約条項と修正の考え方
  • フリーランス新法対応では、契約書に一文を足すだけでは足りません。

POINT 6

  • フリーランス新法に対応する受注者・発注者の実務
  • 1. 発注条件を文面で確認:業務内容、報酬、納期、支払期日、修正範囲を記録します。
  • 2. 給付受領日・役務提供日を残す:納品日、提出先、提出方法、検収記録、請求書送付日を分けて保存します。
  • 3. 変更・追加・解除の通知を確認:発注者都合か、契約不適合か、6か月以上の継続委託かを整理します。
  • 4. 資料を時系列化:契約書、発注書、チャット、請求、支払、解除通知、相談記録をまとめます。
  • 5. テンプレート化:発注フォーム、支払期限管理、募集広告チェック、相談窓口を標準化します。

POINT 7

  • フリーランス新法で弁護士等に相談すべき場面
  • 未払報酬、解除、労働者性、行政調査、契約改訂など、専門家相談が有用な場面を整理します。
  • 関連する法律との関係
  • 実務事例で考える
  • 2週間のWebデザイン

POINT 8

  • フリーランス新法対応の企業・受注者チェックリスト
  • 発注前から事後管理まで、実務で確認すべき項目を一覧化します。
  • 最後に、発注者側とフリーランス側が実務で使える確認事項をまとめます。
  • 企業向けの一覧では、段階ごとに確認する内容をまとめています。
  • フリーランス向けの一覧では、自分を守るために文面化すべき事項を中心にしています。

まとめ

  • 2024年施行のフリーランス新法が 業務委託契約に与える影響
  • フリーランス新法が業務委託契約に与える影響の全体像:2024年施行後、契約書だけでなく発注・支払・解除・相談体制まで管理対象になります。
  • フリーランス新法の対象者と業務委託の定義:正式名称、施行日、特定受託事業者、発注者分類、労働者性との関係を整理します。
  • フリーランス新法の行政申出と施行後の執行動向:申出制度、調査・勧告・罰金、公表事例から見える重点リスクを確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

フリーランス新法が業務委託契約に与える影響の全体像

2024年施行後、契約書だけでなく発注・支払・解除・相談体制まで管理対象になります。

2024年11月1日に施行されたフリーランス新法は、業務委託契約を「曖昧な合意」から「記録され、検証できる取引」へ移す制度です。正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」で、公的資料では「フリーランス・事業者間取引適正化等法」とも表記されます。

このページでは、フリーランスとして仕事を受ける人、フリーランスに依頼する企業・個人事業主、契約書・発注書・支払・解除・ハラスメント対応を見直す担当者に向けて、制度の構造と実務上の確認点を整理します。個別案件では契約書、発注書、チャット履歴、請求書、検収記録、募集情報、実際の働き方などで結論が変わるため、具体的な対応は資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

まず、業務委託契約に与える主要な影響を一覧で確認します。この一覧は、どの社内手続や取引条件を優先して点検すべきかを把握するために重要です。左から実務領域、従来ありがちだった運用、施行後に求められる運用を読み比べると、契約書だけでなく発注・支払・募集・相談体制まで見直し対象になることが分かります。

実務領域施行前にありがちだった運用施行後に求められる運用
発注口頭、チャット、電話で曖昧に依頼する取引条件を直ちに書面または電磁的方法で明示する
報酬請求書受領後、社内締めに合わせて支払う給付受領日を起算し、原則60日以内で支払期日を設定する
検収検収完了まで支払期日が動かない扱いにする検査の有無にかかわらず、受領日を起算点とする場面に注意する
追加作業細かな修正は当然として無償対応を求める責めに帰すべき事由がない追加・やり直しは費用負担を含めて整理する
減額手数料、管理料、協賛金、相殺名目で控除する報酬減額・不当な経済上の利益提供要請として問題化し得る
募集SNSや求人媒体に曖昧な募集を掲載する虚偽・誤解表示を避け、正確かつ最新に保つ
ハラスメント社員向け窓口のみで外部人材を対象外にするフリーランス向け相談体制と方針周知を整える
育児介護等業務委託だから配慮不要と考える6か月以上の継続委託では申出に応じ必要な配慮を検討する
解除・不更新契約条項でいつでも終了できるとする6か月以上の継続委託では原則30日前予告と理由開示を管理する
証拠管理現場担当者のチャットに条件が散在する発注条件、合意、変更、検収、支払を一元管理する

主要な影響は、発注時の明示、60日以内の支払管理、1か月以上の継続委託での7つの禁止行為、6か月以上の継続委託での配慮・解除予告、そして募集情報とハラスメント体制の整備に集約されます。

Section 01

フリーランス新法の対象者と業務委託の定義

正式名称、施行日、特定受託事業者、発注者分類、労働者性との関係を整理します。

フリーランス新法は、フリーランスを従業員と同じ扱いにする法律ではありません。個人が事業者として業務を受託する場面で、発注者との交渉力・情報量の差から不利益を受けやすいことに着目し、取引の適正化と就業環境の整備を図る制度です。

施行までの時系列を押さえると、どの時点から契約更新や新規発注に注意が必要になったかを理解しやすくなります。下の時系列は、成立・公布・施行・施行後の運用公表を順番に並べたもので、日付と制度対応の開始時期を読み取るために重要です。

2023年4月28日

法律成立

特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律が成立しました。

2023年5月12日

公布

公布により、発注者側は施行前から契約書・発注書・支払管理の見直し準備を進める必要が生じました。

2024年11月1日

施行

施行日後の業務委託や契約更新では、取引条件の明示、報酬支払期日、就業環境整備などが実務上の確認対象になります。

2025年度

運用本格化

公正取引委員会への申出、違反被疑事件、指導・勧告の処理状況が公表され、明示義務と支払義務が重点領域として見えやすくなりました。

2026年6月

勧告事例の公表

文章作成、設備工事など複数業界の事例が公表され、出版・制作・建設・小売関連の発注実務にも影響が及ぶことが示されました。

法律上の対象者と業務委託

対象者の定義は、契約書の名称よりも実態に関わります。次の比較表は、受注者側と発注者側の概念、対象判断で見るべき要素、主な実務上の意味を整理したものです。自社や取引先がどの欄に当たるかを確認すると、どの義務が問題になるかを把握できます。

区分大まかな意味実務で確認する点主な意味
特定受託事業者業務委託の相手方で、従業員を使用しない個人、または一人代表者型で従業員を使用しない法人個人か法人かだけでなく、従業員使用の有無、一人法人かどうかを確認する本法の保護対象になり得る
従業員を使用概ね週20時間以上かつ31日以上継続雇用見込みの労働者を雇う状態短時間・短期間の一時雇用、同居親族のみ、派遣労働者の受入れなどを区別する対象該当性を左右する
副業会社員本業では労働者でも、副業では事業者として受託する人会社員の副業だから対象外と即断しない副業受託関係では対象になり得る
業務委託事業者特定受託事業者に業務委託をする事業者従業員を使用しない個人事業主の発注でも確認する取引条件の明示、申出を理由とする不利益取扱い禁止が問題になる
特定業務委託事業者発注者側が従業員を使用する個人、または複数役員・従業員使用の法人など企業発注では該当する可能性が高い支払期日、募集情報、ハラスメント、一定期間以上の取引に関する義務が問題になる
実態が労働者契約名は業務委託でも、指揮監督や時間場所拘束が強い状態指揮命令、代替性、報酬の性質、専属性などを総合して見るフリーランス新法ではなく労働法が適用される可能性がある

本法の業務委託には、物品の製造・加工、情報成果物の作成、役務の提供が含まれます。ソフトウェア、デザイン、記事・文章、漫画、イラスト、広告、設計図、コンサルティングレポート、研修講師、撮影、配送、編集、現場作業、保守、調査、翻訳などが典型例です。一方、単なる物品売買、賃貸借、消費者取引、会社内部の役員関係などは、直ちに本法上の業務委託とは限りません。

注意フリーランス新法対応は、偽装フリーランスを正当化するものではありません。長期常駐、勤務時間指定、細かな指揮命令、社員同様の業務組込みがある場合は、労働者性や偽装請負の問題を別途確認する必要があります。
Section 02

フリーランス新法で業務委託契約に加わる主要義務

3条通知、60日以内支払、7つの禁止行為、募集情報、配慮、ハラスメント、解除予告をまとめます。

フリーランス新法の実務対応では、期間と発注者の属性によって義務が積み上がります。次の比較表は、全件に近い範囲で問題になる明示義務から、1か月以上、6か月以上の継続委託で追加される義務までを並べたものです。どの列に該当するかを見れば、発注書・支払・解除・相談体制のどこを優先して整備すべきかが分かります。

場面主な義務・規制契約実務上の意味
業務委託をした直後取引条件を直ちに書面または電磁的方法で明示契約書だけでなく、発注書、メール、チャット、システム通知でも必要事項を記録する
特定業務委託事業者による発注給付受領日から原則60日以内のできる限り短い期間で支払期日を設定し、その期日までに支払う請求書受領日ではなく、受領日・役務提供日を起算点として経理管理する
1か月以上の継続委託受領拒否、減額、返品、買いたたき、購入・利用強制、利益提供要請、不当な給付内容の変更・やり直しの禁止後出しの条件変更、無償追加、手数料控除、発注者都合キャンセルを慎重に扱う
募集情報の提供虚偽表示や誤解表示を避け、正確かつ最新の内容に保つSNS、案件募集ページ、プラットフォーム、メール一斉送信も確認対象になり得る
6か月以上の継続委託育児・介護等への配慮、中途解除・不更新の原則30日前予告、理由開示配慮申出の受付、代替案の検討記録、契約終了通知の管理が必要になる
業務委託に関する言動ハラスメント対策に係る体制整備外部人材も利用できる相談窓口、周知、相談後の不利益取扱い防止を整える

第3条 ― 取引条件の明示義務

3条通知は、発注者にとってはコンプライアンス義務であり、受注者にとっては後日の証拠になります。次の表は、明示事項と実務上の読み方を整理したものです。列ごとに、何を記載するか、なぜ紛争予防に関わるかを確認してください。

明示事項記載の方向性実務上の注意
当事者名発注者と受注者の名称、部署、担当者、連絡先屋号やペンネームでも当事者特定できる形にする
業務委託日委託の合意日契約書作成日とずれる場合があるため、発注時点を記録する
給付・役務の内容成果物、作業範囲、仕様、除外範囲一式、関連業務などの抽象表現だけにしない
期日・場所納期、提供日、納品先、作業場所、オンライン提出方法支払起算点、ハラスメント、安全衛生とも連動する
報酬額・支払期日税込・税抜、単価、計算式、支払日60日以内の支払管理に直結する
検査完了日検査をする場合の完了予定日検収を無期限化しない
現金以外の支払方法支払手段、額、期日など受注者の利益を害しないか確認する
再委託情報再委託である旨、元委託者名、元委託支払期日例外的支払期日を使う場合に必要になる

発注時点で仕様や報酬の一部を客観的に定められない場合でも、単に未定と書けばよいわけではありません。正当な理由があり、別途協議とすることが受注者の不利益にならない場合に限り、事情がなくなった後は速やかに協議し、決定内容を直ちに明示する必要があります。

第4条 ― 報酬支払期日の設定と期日内支払

支払管理では、請求書受領日ではなく給付受領日・役務提供日を基礎にします。次の判断の流れは、発注担当者と経理担当者がどの順番で確認すべきかを示すものです。上から順に確認すると、60日以内支払、分割納品、元委託支払期日から30日以内のできる限り短い期間で支払期日を定める再委託例外の要件を見落としにくくなります。

報酬支払期日の確認順序

給付受領日または役務提供日を記録

納品、電子的受領、各回の役務提供日を案件単位で残します。

60日以内のできる限り短い支払期日を設定

請求書未提出だけを理由に支払期限を後ろ倒しにしない運用が必要です。

分割納品・複数回提供を確認

各給付・各提供日ごとに起算点が異なる場合があります。

再委託例外を使う
法定事項を明示

再委託である旨、元委託者名、元委託対価の支払期日を明示します。

通常の発注
受領日基準で管理

元請入金後払い、検収完了後の任意時期払いは慎重に見直します。

第5条・第12条・第13条・第14条・第16条の実務影響

1か月以上・6か月以上の継続委託では、禁止行為と就業環境整備が一気に増えます。次の一覧は、問題になりやすい行為と契約・運用で分けておくべき対応を対応づけたものです。行為名だけでなく、どの現場運用が近いリスクを生むかを読み取ることが重要です。

受領拒否

発注者都合の中止や納期延期で成果物を受け取らず、報酬も払わない運用は問題化し得ます。

報酬の減額

事務手数料、管理料、協賛金、振込手数料などの名目でも、実質的な控除は慎重な確認が必要です。

返品

販売不振、企画変更、社内事情を理由に受領後の物品等を戻す運用は危険です。

買いたたき

コスト上昇を十分協議せず、著しく低い報酬を一方的に定めると問題になり得ます。

購入・利用強制

業務に不要な教材、保険、システム利用料、会費、備品購入などの強制が問題になります。

利益提供要請

協賛金、販促協力、無償作業、イベント参加などを不当に求める場合に注意が必要です。

不当な給付内容の変更・やり直し

発注者都合の仕様変更や当初範囲外の追加作業を無償で求める運用は、最も頻繁に問題になり得ます。

解除・不更新

6か月以上の継続委託では、原則30日前予告と理由開示対応を管理します。

募集情報では、募集者名、住所、連絡先、業務内容、従事場所、報酬という6事項を欠く表示が問題になり得ます。SNS、メール、プラットフォーム、自社サイト、クラウドソーシング掲載なども対象になり得るため、広報・採用・制作部門を含めたチェックが必要です。

育児・介護等への配慮は、申出をすべて無条件に受け入れる義務ではなく、業務の性質、納期、代替手段、双方の事情を踏まえて必要かつ可能な調整を検討する義務と理解できます。申出を理由に契約打切りや報酬引下げを示唆すると、ハラスメントや不利益取扱いの問題と接続します。

ハラスメントは作業場所だけで起きるとは限りません。オンライン会議、チャット、メール、飲食店での打合せ、撮影現場、イベント後の懇親の場、出張移動中なども、実質的に業務遂行の延長といえる場合は確認対象になります。

Section 03

フリーランス新法の行政申出と施行後の執行動向

申出制度、調査・勧告・罰金、公表事例から見える重点リスクを確認します。

フリーランス新法には行政への申出制度があります。特定受託事業者は、発注事業者に違反と思われる行為があった場合、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省に申出でき、取引適正化関係は主に公正取引委員会・中小企業庁、就業環境整備関係は厚生労働省が担います。

行政機関は報告徴収・立入検査を行い、違反行為が認められた場合には指導・助言、勧告、命令、公表を行うことができ、命令違反等には50万円以下の罰金があると説明されています。また、申出を理由とする取引数量の削減、取引停止、契約解除その他の不利益取扱いは禁止されています。

施行後の運用状況は、どの義務が実務上問題になりやすいかを示します。次の横棒グラフは、2025年度に公正取引委員会が公表した件数を、最大値を100とした相対的な長さで比較したものです。具体的には、申出604件、新規着手1,626件、処理件数1,597件、措置件数1,552件で、右側の数値から違反被疑事件の着手、処理、措置、申出の規模感を読み取れます。

新規着手
1,626
処理件数
1,597
措置件数
1,552
申出件数
604
最大値である新規着手1,626件を100として表示しています。

勧告件数は2025年度に10件とされ、勧告対象となった違反行為類型では、取引条件の明示義務違反が10件、期日における報酬支払義務違反が9件、報酬の減額が1件、不当な経済上の利益の提供要請が1件とされています。つまり、行政上特に見られやすいのは、明示漏れ、支払遅延、不当な減額、買いたたきなどの基本的領域です。

公表事例からは、文章作成等の委託で給付内容・報酬額・支払期日等を直ちに明示しなかったこと、報酬支払期日を定めなかったこと、設備工事委託で報酬支払義務違反・報酬減額・買いたたきが問題になったことなどが確認できます。出版、広告、制作、IT、建設、運送、小売関連の設置工事など、多様な業界が対象になり得ます。

重点施行後の運用では、取引条件を記録していないこと、支払期日を受領日基準で管理していないこと、手数料控除や無償対応を当然視していることが、契約実務上の大きなリスクになります。
Section 04

フリーランス新法対応で業務委託契約書を見直す条項

当事者確認、業務内容、報酬、検収、修正、解除、知財、再委託、危険条項を具体化します。

フリーランス新法対応では、契約書に一文を足すだけでは足りません。それでも、契約書・発注書は発注時点の条件を固定する出発点です。次の比較表は、見直すべき主要条項、契約で定める方向性、運用上の注意をまとめたものです。条項名だけでなく、実際の発注・検収・支払・解除手続にどう接続するかを読み取ってください。

条項見直す方向性運用上の注意
当事者確認従業員使用の有無、一人法人か、代表者以外の役員の有無を確認する申告欄だけで免責されるとは限らず、疑わしい事情があれば確認を深める
委託業務の内容成果物、作業範囲、除外範囲、納品形式、回数、会議参加、修正範囲、検収基準を具体化するWeb制作一式、編集業務全般などの抽象表現だけにしない
報酬額と支払期日税込・税抜、単価、計算式、経費、振込手数料、支払期日、分割支払を明確にする受領日から60日以内のできる限り短い期間で管理する
検査・検収検査期間、基準、不合格時の再提出、発注者都合変更との区別を定める検収を無期限化して支払を後ろ倒しにしない
修正・追加作業契約不適合の修補、軽微修正、発注者都合変更、追加制作を区別する無制限・無償修正の一方的条項を避ける
解除・不更新通知方法、原則30日前予告、例外事由、理由開示、精算、資料返還を定める6か月以上の継続性、更新履歴、空白期間を管理する
知的財産権譲渡か利用許諾か、翻案権、二次利用、著作者人格権不行使、利用範囲を明確にする報酬がどの利用範囲の対価かを曖昧にしない
再委託・元委託再委託の支払期日例外を使うか、法定明示事項を定める元委託者都合の中止でも、受領拒否や解除予告の問題が残る
ハラスメント・相談窓口禁止行為、相談窓口、不利益取扱い禁止、調査協力、秘密保持を定める契約書だけでなく、周知と実際に使える体制が必要になる
育児・介護等への配慮申出方法、協議担当者、対応例、報酬・納期変更の協議、個人情報取扱いを定める申出、検討、代替案、合意内容を記録する

発注書・3条通知の最低限の確認事項

発注書や3条通知は、契約書とは別に日々の発注を支える実務文書です。次の一覧は、発注時に最低限そろえるべき項目を、記載の方向性と注意点に分けたものです。空欄が残る項目ほど、後日の支払・追加作業・解除の争いにつながりやすいと読んでください。

項目記載の方向性実務上の注意
発注者名法人名、部署、担当者、連絡先事業者を識別できる情報を残す
受注者名氏名・屋号・法人名・識別番号等当事者特定できるなら通称もあり得るが実名把握が望ましい
業務委託日合意日契約書作成日ではなく委託合意日が問題になる
業務内容成果物・役務の内容、仕様、範囲一式、その他関連業務は補足が必要
納期・提供期日日付、分割納品、継続役務の区切り支払起算点管理と連動させる
提供場所納品先、作業場所、オンライン等現場常駐なら安全衛生・ハラスメントにも注意する
報酬額税込・税抜、単価、計算式経費・追加費用・源泉徴収も整理する
支払期日具体的日付または明確な計算方法給付受領日から60日以内に注意する
検査完了日検査する場合の完了日検収を無期限化しない
相談窓口ハラスメント、配慮申出、契約変更契約書外の案内資料にも記載する

危険な契約条項と修正の考え方

危険条項は、文言だけで直ちに結論が決まるわけではありませんが、実際の運用と結びつくと違反や紛争に近づきます。次の一覧は、典型的な文言、リスク、修正の方向性を対応させたものです。右列の方向性を使って、自社ひな形のどこを直すかを確認できます。

危険な文言問題になり得る点修正の方向性
報酬は検収完了後、当社所定日に支払う支払期日が不明確で、受領日から60日を超える可能性がある具体的支払期日を定め、受領日基準で60日以内にする
請求書受領後60日以内に支払う請求書提出を起算点にしている給付受領日または役務提供日を基礎にする
振込手数料は受託者負担とし報酬から控除する報酬減額として問題になり得る発注者負担を基本に、報酬額決定時の適法性を検討する
発注者はいつでも無償で仕様変更できる不当な変更・やり直しと結びつく変更手続、追加費用、納期変更を定める
何度でも無償修正する修正回数・範囲が無限定契約不適合、軽微修正、追加制作を区別する
元請から入金があった場合に限り支払う再委託例外の要件を満たさない限り危険法定事項を明示しない場合は通常どおり60日以内で管理する
インボイス登録しない場合は一律10%減額する一方的な価格引下げや取引打切りが問題になり得る理由説明、協議、合意形成、転嫁の相当性を記録する
Section 05

フリーランス新法に対応する受注者・発注者の実務

受注者の証拠化、発注者の社内手続、業界別の注意点を整理します。

フリーランス新法への対応は、受注者側と発注者側で見方が異なります。受注者は条件と証拠を残すこと、発注者は社内手続として漏れなく処理できることが重要です。次の判断の流れは、双方が最初に何を確認し、どの記録を残し、どの段階で専門家相談を検討するかを順番に示しています。

受注者と発注者の初動確認

発注条件を文面で確認

業務内容、報酬、納期、支払期日、修正範囲を記録します。

給付受領日・役務提供日を残す

納品日、提出先、提出方法、検収記録、請求書送付日を分けて保存します。

変更・追加・解除の通知を確認

発注者都合か、契約不適合か、6か月以上の継続委託かを整理します。

紛争化しそう
資料を時系列化

契約書、発注書、チャット、請求、支払、解除通知、相談記録をまとめます。

社内整備段階
テンプレート化

発注フォーム、支払期限管理、募集広告チェック、相談窓口を標準化します。

受注者側が確認すべきポイント

フリーランス側は、発注前から支払後まで、条件確認と証拠化を続ける必要があります。次の一覧は、受注者が確認すべき事項を並べたものです。未確認の項目が多いほど、報酬未払、無償修正、突然の終了で不利になりやすいと読んでください。

段階確認すべきこと残す記録
発注前発注者名、担当部署、連絡先、業務内容、成果物、納期、場所メール、チャット、発注書、募集情報
報酬確認報酬額、消費税、源泉徴収、経費、支払期日、60日以内か見積書、発注書、請求書、支払予定日
変更時追加作業、納期変更、発注者都合の中止、無償修正の範囲変更依頼、追加見積り、承諾メッセージ
長期契約6か月以上続くか、解除・不更新の通知日、理由開示の有無契約期間、更新履歴、終了通知
就業環境ハラスメント、配慮申出、不利益取扱い日時、場所、発言内容、相談先、対応結果
紛争化前行政申出か、未払報酬回収か、交渉代理が必要か時系列表、証拠一覧、請求額の根拠

発注者側が整備すべき社内手続

企業側では、法務部だけが詳しくても現場で明示漏れや支払遅延が起きます。次の一覧は、発注前から研修までの手続を並べたものです。順番に整備すると、現場担当者・経理・広報・人事・法務の役割分担を明確にできます。

1

取引先判定

個人・法人の別、従業員使用の有無、一人法人か、代表者以外の役員の有無を確認し、取引先マスタや契約管理台帳に保存します。

発注前
2

発注テンプレート統一

発注書、発注フォーム、メールひな形、チャット発注用テンプレートを統一し、必須項目を空欄にできない運用にします。

明示
3

支払期限管理

請求書受領日ではなく、給付受領日または役務提供日から支払期限を管理し、納品日・検収日・支払予定日を混同しないようにします。

経理60日
4

募集広告チェック

SNS投稿、案件募集ページ、プラットフォーム掲載を含め、募集者名、住所、連絡先、業務内容、場所、報酬を確認します。

入口
5

解除・不更新確認

6か月以上の継続委託か、30日前予告が必要か、理由開示や精算条件に対応できるかを事前に確認します。

終了
6

相談窓口と研修

ハラスメント相談窓口をフリーランスにも使えるよう整備し、営業、制作、情報システム、購買、経理、人事、現場責任者へ研修します。

体制

業界別に見た影響

業界ごとに、問題になりやすい契約条件は異なります。次の比較表は、IT、出版・編集、広告・制作、建設、物流、研修・コンサルティングで特に注意すべき論点を整理したものです。自社の取引に近い行を見て、明示事項・支払起算点・追加作業・知的財産権のどれが弱点になりやすいかを確認してください。

業界問題になりやすい点見直すべき運用
IT・システム開発仕様未確定、準委任、アジャイル、保守運用、常駐、再委託納品物、検収基準、役務提供の区切り、指揮命令関係を整理する
出版・ライティング・編集文章作成、校正、編集、監修、支払期日、二次利用、修正回数依頼メール、報酬表、支払サイト、著作権、掲載媒体を明示する
広告・デザイン・映像制作短納期、仕様変更、差戻し、コンペ、追加修正、再委託クライアント承認後払い、代理店入金後払いを見直す
建設・設備工事待機、やり直し、材料費上昇、支払遅延、安全配慮、ハラスメント作業日ごとの提供日、キャンセル時報酬、工程変更費用を定める
物流・配送役務提供の区切り、報酬単価、キャンセル、アカウント停止、相殺停止や控除の根拠、報酬支払、事故時負担を確認する
研修・講師・コンサルティング役務提供と情報成果物作成の混在、録画配信、交通費、日程変更資料利用、二次利用、キャンセル料、オンライン切替を明示する
Section 06

フリーランス新法で弁護士等に相談すべき場面

未払報酬、解除、労働者性、行政調査、契約改訂など、専門家相談が有用な場面を整理します。

フリーランス新法は行政法上の取引適正化・就業環境整備を扱いますが、未払報酬、損害賠償、解除の効力、労働者性、独占禁止法、取適法、著作権などとは別に検討が必要です。相談の要否は、法違反の是正だけで足りるのか、交渉・回収・損害賠償・契約終了の有効性まで扱うのかで変わります。

次の一覧は、フリーランス側と発注者側で弁護士等の専門家相談を検討しやすい場面を整理したものです。左列で立場を確認し、中央列で典型場面、右列で持参・共有すべき資料を読み取ると、相談前の準備がしやすくなります。

立場相談を検討しやすい場面整理する資料
フリーランス側条件が明示されないまま作業開始、納品後の未払、請求書未提出や検収未了を理由とする支払先延ばし契約書、発注書、メール、チャット、納品記録、検収記録、請求書、支払履歴
フリーランス側手数料・管理料等の控除、無償修正、発注者都合の中止、突然の打切り、ハラスメント、報復的対応変更依頼、控除明細、終了通知、相談記録、時系列表
発注者側契約書・発注書の全面改訂、特定受託事業者該当性判断、複数案件の支払サイト統一ひな形、発注フォーム、取引先マスタ、経理規程、システム仕様
発注者側再委託例外、長期委託の解除・不更新、行政調査、勧告・公表リスク、労働者性、ハラスメント相談元委託契約、再委託契約、解除理由、相談対応記録、過去トラブル一覧

関連する法律との関係

本法だけを見ていると、解除、損害賠償、労働者性、競争法上の問題を見落とすことがあります。次の比較表は、フリーランス新法と周辺法令の役割を分けたものです。どの法律が何を扱うかを理解すると、行政申出と民事上の請求を混同しにくくなります。

法律・領域主に扱う問題実務上の注意
民法請負、準委任、委任、契約不適合、解除、損害賠償フリーランス新法上の予告義務違反が、解除の民事効力を当然に決めるわけではない
労働法労働者性、指揮監督、時間・場所拘束、最低賃金、安全衛生実態が労働者なら、業務委託契約名でも労働法が問題になる
独占禁止法・取適法優越的地位の濫用、買いたたき、利益提供要請、下請的取引本法と取適法の双方が適用される場合、両法の記載事項を一括明示できるが漏れは許されない
著作権法・知財成果物の権利帰属、二次利用、改変、素材ライセンス利用範囲と報酬の対応が曖昧だと追加利用や買いたたきの争いにつながる
税務・消費税消費税、インボイス、源泉徴収、経費処理インボイス未登録を理由とする一方的減額は慎重に扱う

実務事例で考える

事例ごとに適用される義務は変わります。次の一覧は、短期デザイン、長期エンジニア保守、出版社の文章依頼、建設会社の現場作業という4つの典型例を並べたものです。委託期間、成果物、役務提供、常駐性、元委託者の有無の違いに注目してください。

短期制作

2週間のWebデザイン

1か月未満なら7つの禁止行為が直ちに適用されない場合がありますが、取引条件明示、支払期日、募集情報、ハラスメント体制は問題になり得ます。デザイン案数、修正回数、納品ファイル、著作権、支払期日を明確にします。

長期IT

1年契約の保守運用

6か月以上の継続委託となり得るため、7つの禁止行為、配慮、ハラスメント、30日前予告、理由開示が問題になります。常駐・時間指定・強い業務指示があれば労働者性も確認します。

出版

出版社の文章依頼

情報成果物の作成委託として、テーマ、文字数、納期、報酬、支払期日、修正範囲、著作権、二次利用、署名有無、掲載媒体を明示します。掲載後払い、無限定修正、追加報酬なしの二次利用は慎重に確認します。

現場作業

一人親方への現場委託

天候、元請都合、工程変更、待機、材料費、交通費、安全衛生、ハラスメントが論点になります。作業日ごとの役務提供日、支払期日、キャンセル時報酬、工程変更時の費用負担を定めます。

法律情報を公開する際の表現

法律情報を公開する場合、弁護士が直接助言・監修しているように見える表示や、結果を保証する表示は避ける必要があります。公開されている公的資料をもとに実務上の論点を整理した一般情報であり、個別案件は弁護士等の専門家に相談する必要がある、という位置づけを明確にすることが重要です。

表現「弁護士が完全解説します」「当社が法的に保証します」「この方法なら必ず違反になりません」といった断定は避け、個別事情で結論が変わることを明示する必要があります。
Section 07

フリーランス新法対応の企業・受注者チェックリスト

発注前から事後管理まで、実務で確認すべき項目を一覧化します。

最後に、発注者側とフリーランス側が実務で使える確認事項をまとめます。チェックリストは、法令名を暗記するためではなく、発注前、発注時、遂行中、支払、終了、事後管理のどこで記録漏れが起きているかを見つけるために重要です。

企業向けの一覧では、段階ごとに確認する内容をまとめています。左から段階、確認事項、特に見落としやすい点を読み、社内の発注フォーム・契約管理台帳・経理システム・相談窓口に反映できているかを確認してください。

段階確認事項見落としやすい点
発注前特定受託事業者該当性、従業員使用の有無、発注者側の属性、募集情報の正確性募集者名、住所、連絡先、業務内容、場所、報酬の表示
発注時3条通知、業務内容、納期、場所、報酬、支払期日、検査完了日、再委託情報後で決める事項の追加明示
遂行中仕様変更、追加作業、追加報酬、納期変更、無償修正範囲、相談窓口周知発注者都合変更と契約不適合の混同
検収・支払給付受領日、役務提供日、60日以内支払、請求書未提出時の扱い、手数料控除請求書受領日を起算点にしない
解除・不更新6か月以上の継続性、30日前予告、例外事由、理由開示、発生済み報酬・費用精算短期契約の反復更新による実質継続性
事後管理発注条件、変更履歴、納品、検収、支払、申出・相談、不利益取扱い防止、研修指導・勧告事例を踏まえたテンプレート更新

フリーランス向けの一覧では、自分を守るために文面化すべき事項を中心にしています。左列の場面ごとに、中央列の確認事項を文面で残し、右列の資料を保存しておくと、未払報酬や突然の終了が起きたときに状況を説明しやすくなります。

場面確認すること保存するもの
作業前業務内容、報酬、納期、支払期日、後で決める事項の決定時期発注書、メール、チャット、募集情報
追加作業追加報酬、納期変更、発注者都合変更かどうか追加依頼、見積り、承諾メッセージ
納品・提供納品日、提出先、提出方法、役務提供日、検収予定送信履歴、納品画面、受領連絡
支払請求書送付日だけでなく、給付受領日からの支払期日、控除の有無請求書、支払明細、入金履歴
長期契約終了契約期間、更新履歴、通知日、理由開示、精算契約書、更新通知、終了通知
トラブルハラスメント、不利益取扱い、行政申出、専門家相談の要否日時、相手、発言内容、相談記録、時系列表
Section 08

フリーランス新法と業務委託契約のよくある質問

契約書の有無、口頭発注、請求書、検収、解除、相談先などを一般情報として整理します。

FAQは、個別の法律判断にならないよう一般情報として整理しています。各回答では、一般的な制度説明、結論が変わる可能性、具体的対応は専門家相談が必要であることを確認してください。

契約書がなくてもフリーランス新法は適用されますか。

一般的には、契約書の有無だけでなく、事業者がその事業のために特定受託事業者へ業務委託をしたかが問題になるとされています。発注メールやチャットで業務委託が成立することもあります。ただし、契約内容、当事者の属性、実際のやり取りによって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

口頭発注でも有効ですか。

一般的には、民事上は口頭でも契約が成立する場合があります。ただし、フリーランス新法上は取引条件を直ちに書面または電磁的方法で明示する義務が問題になります。発注内容、報酬、納期、支払期日などの記録状況で判断が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

フリーランス側が請求書を出さない場合、支払わなくてよいですか。

一般的には、請求書未提出だけで支払義務を先延ばしにできるわけではないと説明されています。給付受領日から60日以内に定めた支払期日までの支払が問題になります。ただし、支払方法、契約内容、受注者側の事情によって検討点が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

検収が終わらなければ60日は始まりませんか。

一般的には、常に検収完了日から起算するとは限らないとされています。物品の受領、情報成果物の電子的受領、役務提供日などが起算点になる場面があります。ただし、契約類型、検査の内容、受領状況によって判断が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

フリーランスが法人化していれば対象外ですか。

一般的には、法人化していても対象外とは限りません。一人法人で、代表者以外に役員がなく、従業員を使用していない場合には、特定受託事業者に該当し得るとされています。ただし、役員構成や従業員使用の実態で結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

発注者が個人事業主なら義務はありませんか。

一般的には、発注者が個人事業主であっても義務が問題になる場合があります。従業員を使用していない個人事業主でも、特定受託事業者に業務委託する業務委託事業者であれば、取引条件の明示義務が問題になり得ます。ただし、発注者側の属性や委託内容で検討点が変わります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

業務委託期間が1週間なら禁止行為は適用されませんか。

一般的には、第5条の7つの禁止行為は1か月以上の期間行う業務委託で問題になるとされています。ただし、短期取引でも民法、独占禁止法、信義則、契約解釈など別の法令・ルールが問題になる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

6か月以上の判断は、契約書の期間だけで決まりますか。

一般的には、契約書上の期間だけでなく、契約更新や実質的な継続性も確認されるとされています。短期契約を反復更新している場合には、前後契約の当事者、業務内容の同一性、空白期間などが検討対象になります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

解除予告をしなかったら解除は無効ですか。

一般的には、フリーランス新法上の予告義務違反が、解除の民事上の効力を当然に無効にするわけではないと説明されています。ただし、解除の有効性、損害賠償、精算義務は別途民事上の問題として判断される可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

フリーランス新法に違反したらすぐ罰金ですか。

一般的には、直ちに罰金となるわけではなく、行政による指導・助言、勧告、命令、公表等の手続があると説明されています。命令違反等には50万円以下の罰金があるとされています。ただし、違反内容や行政手続の進行で対応は変わります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

行政申出をしたら発注者に報復されませんか。

一般的には、申出を理由とする不利益取扱いは禁止されています。ただし、実務上は、申出前後の通知、取引停止、減額、契約解除などの記録が重要になります。個別事情によって立証や対応方針が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

ハラスメント相談窓口は社員用で足りますか。

一般的には、社員用窓口をフリーランスにも利用できるようにし、確実に周知し、相談後の不利益取扱いを防ぐ体制が整っていれば選択肢になり得ます。ただし、外部委託先が実際に利用できる状態か、相談後の対応が機能するかで評価が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

SNSで募集するだけでも規制対象ですか。

一般的には、SNS、メール、プラットフォーム、自社サイト等で複数人に向けて募集する場合、募集情報の的確表示義務が問題になり得ます。ただし、募集の方法、表示内容、対象者、契約までの流れで判断が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

著作権譲渡を求めることは違法ですか。

一般的には、著作権譲渡自体が直ちに違法というわけではありません。ただし、譲渡範囲、二次利用、対価の相当性、追加利用の扱いが曖昧だと、紛争や買いたたきの問題につながる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

追加修正を無料で頼んではいけませんか。

一般的には、契約不適合や当初合意された軽微修正の範囲であれば、無償修正があり得ます。ただし、発注者都合の仕様変更や当初範囲外の追加作業を無償で求める場合、不当な変更・やり直しの問題になる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

フリーランス側も法律を理解する必要がありますか。

一般的には、取引条件の明示、支払期日、追加作業、解除、不利益取扱いを理解しておくことが重要とされています。少なくとも、発注条件を文面で確認し、証拠を残す習慣が紛争予防に役立ちます。ただし、個別の見通しは事情により変わるため、具体的な対応は弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

企業はどの部署が対応すべきですか。

一般的には、法務部だけでなく、購買、経理、人事、広報、制作、営業、情報システム、現場責任者が関与する必要があります。特に発注・支払・募集・解除・ハラスメント対応は複数部署横断の整備が必要です。ただし、会社規模や取引類型で体制は変わるため、具体的な整備は専門家へ相談する必要があります。

施行前の契約にも適用されますか。

一般的には、施行日後の業務委託が適用対象とされています。施行日前の契約でも、施行後に契約更新が行われた場合には新たな業務委託として明示が必要になる場合があります。ただし、自動更新、契約内容、更新時期で判断が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

行政への申出と弁護士相談はどちらがよいですか。

一般的には、行政申出は法違反の是正を求める制度であり、当事者間の和解や個別の損害賠償回収を直接代行するものではありません。未払報酬の回収、損害賠償、解除の有効性、交渉代理が必要な場合には弁護士相談が重要になります。目的によって適切な手段が変わるため、資料を整理して相談する必要があります。

まず何から対応すべきですか。

一般的には、発注者側は取引先判定、3条通知テンプレート、支払期限管理から始めると整理しやすいとされています。フリーランス側は、発注条件の文面確認、納品・役務提供日の記録、支払期日の確認から始めることが重要です。ただし、個別事情によって優先順位は変わるため、具体的な対応は専門家へ相談する必要があります。

Section 09

フリーランス新法で業務委託契約は記録中心の実務へ

契約書中心ではなく、発注から終了まで説明可能な取引プロセスへ移行することが重要です。

2024年施行のフリーランス新法が業務委託契約に与える影響は、契約書のひな形修正にとどまりません。発注時点で条件を明確にし、給付受領後の支払を遅らせず、継続取引で一方的な減額・取消し・やり直しを避け、募集段階で誤解を生じさせず、ハラスメントや育児・介護等への配慮、解除・不更新時の予告まで含めて、フリーランスとの取引を見える形にすることが求められます。

この結論は、発注者と受注者の双方に関わります。次の重要ポイントは、このページ全体の要点を一文でまとめたものです。契約書、発注書、募集情報、支払管理、相談窓口、解除手続のどれか一つだけではなく、取引プロセス全体を透明にする必要があることを読み取ってください。

曖昧な信頼関係から、記録され説明可能な取引関係へ

フリーランス新法対応の本質は、発注条件、対価、納期、変更、解除、相談体制を透明にし、フリーランスを守ると同時に、発注者自身のプロジェクト管理、品質管理、支払管理、ブランド信頼性を守ることです。

フリーランス側は、条件を文面で確認し、納品・役務提供・支払期日・変更依頼・解除通知を記録に残すことが基本になります。発注者側は、契約書、発注書、募集広告、経理処理、ハラスメント窓口、解除手続を一体的に整備することで、行政リスク、民事紛争リスク、レピュテーションリスクを下げられます。

Reference

参考資料

公的資料・法令

  • 厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」
  • 公正取引委員会「フリーランスの取引適正化に向けた公正取引委員会の取組」
  • e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」
  • e-Gov法令検索「公正取引委員会関係特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行規則」
  • e-Gov法令検索「厚生労働省関係特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行規則」
  • e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行令」
  • 公正取引委員会・厚生労働省「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方」
  • 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法に関するQ&A」
  • 政府広報オンライン「フリーランスが安心して働ける環境づくりのための法律、2024年11月からスタート!」
  • 政府広報オンライン「フリーランス・事業者間取引適正化等法 フリーランスとの業務委託取引を適正化」
  • 中小企業庁「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」

運用状況・勧告事例

  • 公正取引委員会「令和7年度におけるフリーランス・事業者間取引適正化等法第2章の運用状況及びフリーランスに係る取引の適正化に向けた取組」
  • 公正取引委員会「株式会社KADOKAWAに対する勧告について」
  • 公正取引委員会「株式会社ベイシア電器に対する勧告について」