2σ Guide

少年院送致とは
生活と教育内容を知る

少年院送致の意味、家庭裁判所の判断、少年院での日課、矯正教育、出院後の保護観察、保護者が確認したい点を一般情報として整理します。

20歳未満少年法上の少年
5種類少年院の法的区分
99.9%令和6年の仮退院割合
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少年院送致とは 生活と教育内容を知る

少年院送致の意味、家庭裁判所の判断、少年院での日課、矯正教育、出院後の保護観察、保護者が確認したい点を一般情報として整理します。

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少年院送致とは 生活と教育内容を知る
少年院送致の意味、家庭裁判所の判断、少年院での日課、矯正教育、出院後の保護観察、保護者が確認したい点を一般情報として整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 少年院送致とは 生活と教育内容を知る
  • 少年院送致の意味、家庭裁判所の判断、少年院での日課、矯正教育、出院後の保護観察、保護者が確認したい点を一般情報として整理します。

POINT 1

  • 少年院送致の全体像を先に押さえる
  • 刑罰との違い、少年鑑別所との違い、出院後まで続く支援のつながりを整理します。
  • 少年院送致は保護処分であり、教育と再非行防止を目的とします
  • 判断前の調査
  • 施設内の教育

POINT 2

  • 少年院送致を理解するための少年事件の基本
  • 少年、保護処分、少年鑑別所との違いを制度の出発点として確認します。
  • 少年法上の少年と特定少年
  • 保護観察
  • 少年院送致

POINT 3

  • 少年院送致に至るまでの流れと審判で見られる事情
  • 1. 非行事実と争点を整理:本人が何を認め、何を争っているかを確認します。
  • 2. 被害者対応と環境調整を検討:謝罪、弁償、示談の可能性、学校・就労・住居の見通しを整理します。
  • 3. 社会内での更生計画を資料で示せるか:保護者の監督計画、医療・福祉支援、交友関係の遮断などを具体化します。
  • 4. 施設内教育が検討されやすい:少年院送致の必要性が問題になりやすくなります。
  • 5. 社会内処遇の可能性を説明:具体的資料を基に、保護観察などの可能性を検討します。

POINT 4

  • 少年院送致で指定される少年院の種類
  • 年齢、心身の状況、非行傾向による分類と実務上の見方を確認します。
  • 家庭裁判所が少年院送致決定をする際に指定する少年院の種類は、第1種から第3種までに限られます。

POINT 5

  • 少年院での生活は少年院送致後にどう進むのか
  • 1. 起床・朝食・自主学習:朝の生活リズムを整え、清掃や準備を通じて身の回りを整える習慣を確認します。
  • 2. 朝礼・運動・特別活動・教科指導:集団で時間を守り、教育活動を通じて学習面と生活面の課題に取り組みます。
  • 3. 生活指導・職業指導・体育指導:対人関係、職業準備、身体活動を組み合わせ、社会生活で必要な態度を身に付けます。
  • 4. 夕食・日記・面接・教養講座・余暇:振り返りや個別面接を通じて、自分の問題と改善点を言語化します。
  • 5. 就寝:夜型生活や生活リズムの乱れを改め、翌日の活動につなげます。

POINT 6

  • 少年院送致後に行われる矯正教育の全体像
  • 1. 初期段階:自分の問題を見つめ、改善意欲を高めることが重視されます。
  • 2. 中間段階:具体的な問題改善のための指導に取り組み、生活態度や対人関係を見直します。
  • 3. 出院準備段階:社会生活へ円滑に移行するため、進路、家族関係、保護観察、再非行防止計画を整えます。

POINT 7

  • 少年院の矯正教育を支える五つの柱
  • 生活指導で扱われる具体的な問題
  • 被害者の視点を取り入れた教育
  • 令和6年度の少年院における受講修了人員は63人
  • 金銭管理
  • 交友関係
  • 生活指導、職業指導、教科指導、体育指導、特別活動指導を実務的に見ます。

POINT 8

  • 少年院送致の期間と仮退院・保護観察の考え方
  • 非行仲間との再接触
  • 地域やSNSを通じて以前の関係に戻ると、教育効果が維持されにくくなります。
  • 家庭内の問題
  • 暴力、虐待、放任、監督不全が続くと、帰住先そのものが不安定になります。

まとめ

  • 少年院送致とは 生活と教育内容を知る
  • 少年院送致の全体像を先に押さえる:刑罰との違い、少年鑑別所との違い、出院後まで続く支援のつながりを整理します。
  • 少年院送致を理解するための少年事件の基本:少年、保護処分、少年鑑別所との違いを制度の出発点として確認します。
  • 少年院送致に至るまでの流れと審判で見られる事情:事件発覚、家庭裁判所送致、観護措置、審判、特定少年の注意点を追います。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

少年院送致の全体像を先に押さえる

刑罰との違い、少年鑑別所との違い、出院後まで続く支援のつながりを整理します。

少年事件で少年院送致という言葉を聞くと、「刑務所に入るのか」「学校に戻れるのか」「家族は会えるのか」「どのくらいの期間になるのか」という不安が生じやすいです。家庭裁判所、少年鑑別所、少年院、保護観察所など複数の機関が関わるため、制度の位置づけを切り分けて理解することが大切です。

このページは、2026年5月1日時点で確認できる公的資料を基に、少年法・少年院法の基本構造、家庭裁判所の処分、少年院での日課、矯正教育、出院後の支援、保護者が確認したい事項、弁護士・付添人への相談が必要になりやすい場面を一般情報としてまとめています。個別事件の見通しは、年齢、非行歴、家庭環境、被害結果、被害弁償、反省状況、調査官調査の内容などで変わります。

次の重要ポイントは、少年院送致を「施設に入るかどうか」だけで見ないための整理です。読者にとって重要なのは、処分決定前の調査、施設内の教育、出院後の生活環境が一連のものとして評価される点を読み取ることです。

少年院送致は保護処分であり、教育と再非行防止を目的とします

成人の刑事事件における懲役・拘禁刑とは制度目的が異なります。ただし、閉鎖的な環境で規則に従って生活し、教育・指導・面接を受ける重い処分であることに変わりはありません。

次の一覧は、少年院送致を考えるときに最初に分けておきたい3つの視点を示しています。どの視点が問題になっているかを確認すると、家庭裁判所で何が見られ、家族が何を準備すべきかを読み取りやすくなります。

POINT 01

判断前の調査

少年鑑別所や家庭裁判所調査官の調査は、少年院送致が決まったことを意味しません。非行事実と処遇の必要性を判断する資料が集められます。

POINT 02

施設内の教育

少年院では、生活指導、職業指導、教科指導、体育指導、特別活動指導を組み合わせ、個人別の課題に沿って改善を図ります。

POINT 03

出院後の環境

仮退院後の保護観察、帰住先、学校・就労、交友関係、医療・福祉支援が再非行防止の核心になります。

Section 01

少年院送致を理解するための少年事件の基本

少年、保護処分、少年鑑別所との違いを制度の出発点として確認します。

少年法上の少年と特定少年

少年法における少年とは、20歳未満の者をいいます。日常語の印象とは異なり、少年事件でいう少年には女子も含まれます。18歳・19歳は民法上の成年年齢引下げ後も少年法の対象であり、少年法上は特定少年として扱われますが、17歳以下とは異なる特例があります。

次の表は、家庭裁判所が少年事件として扱う主な区分を比較したものです。年齢や行為の性質によって手続の出発点が変わるため、どの区分に当たるかを読むことで、刑事裁判、保護処分、児童福祉機関との連携の可能性を整理できます。

区分意味典型例
犯罪少年罪を犯した14歳以上20歳未満の少年です。窃盗、傷害、詐欺、薬物事件、交通事件などです。
触法少年刑罰法令に触れる行為をしたものの、行為時14歳未満であったため法律上は罪を犯したとはされない少年です。13歳以下による刑罰法令該当行為です。
ぐ犯少年18歳未満で、性格や環境に照らして将来罪を犯すおそれがある少年です。保護者の正当な監督に従わない、正当な理由なく家庭に寄りつかないなどです。

少年院送致は保護処分の一つ

家庭裁判所に送致された少年に対し、更生のために行われる少年法上の処分を保護処分といいます。裁判所の説明では、保護処分には保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致の3種類があります。

次の一覧は、保護処分を社会内での指導と施設内での教育に分けて見るためのものです。少年院送致がどの位置にあるかを読むことで、「刑罰ではないから軽い」「刑務所と同じ」といった単純化を避けられます。

社会内

保護観察

社会生活を送りながら、保護観察官や保護司の指導・監督を受ける処分です。家庭、学校、就労先の環境調整が重要になります。

施設内

少年院送致

社会内での更生が難しく、一定期間、施設内で集中的な矯正教育を受ける必要があると判断された場合に選択されます。

福祉的支援

児童自立支援施設等送致

児童福祉領域の施設で生活指導や自立支援を受ける処分です。年齢や課題に応じた支援が検討されます。

少年院と少年鑑別所の違い

少年鑑別所は、主として家庭裁判所が処分を決める前に、少年の資質、性格、家庭環境、問題性、再非行リスクなどを専門的に把握するための施設です。これに対し、少年院は、家庭裁判所が少年院送致決定をした後に、矯正教育を実施する施設です。

注意少年鑑別所に収容された時点で少年院送致が決まったわけではありません。調査・鑑別の結果として、保護観察、不処分、審判不開始、児童自立支援施設等送致、少年院送致、検察官送致など複数の結論があり得ます。
Section 02

少年院送致に至るまでの流れと審判で見られる事情

事件発覚、家庭裁判所送致、観護措置、審判、特定少年の注意点を追います。

少年事件は、警察・検察での捜査を経て、原則として家庭裁判所に送致されます。家庭裁判所は、事件の有無だけでなく、更生可能性、家庭環境、学校・職場との関係、交友関係、被害者対応、保護者の監督力などを総合的に調査します。

次の時系列は、事件発覚から少年院送致が検討されるまでの大きな順番を示しています。どの段階で何が調べられるかを知ることは、保護者が資料や環境調整を準備する時期を読み取るうえで重要です。

捜査段階

警察・検察で事件が扱われる

非行事実、被害結果、本人の説明、保護者の状況などが確認されます。原則として家庭裁判所に送致されます。

家庭裁判所

調査官調査が行われる

少年本人、保護者、学校、勤務先、関係機関から事情を聴き、非行の背景と今後の処遇方針が検討されます。

必要な場合

観護措置で少年鑑別所に収容される

面接、心理検査、行動観察、生活状況の確認などが行われ、審判のための資料が作成されます。

審判

非行事実と処遇の必要性が審理される

社会内処遇だけでは更生が難しいと判断される場合、少年院送致が選択されることがあります。

次の項目は、家庭裁判所の審判で一般に問題になりやすい事情を整理したものです。項目が多いほど重いという読み方ではなく、どの事情に弱点があり、どの資料で補えるかを考えるための確認材料として見ることが重要です。

非行内容と被害結果

非行の重大性、被害の程度、被害者対応、謝罪・弁償の状況が確認されます。

本人の特性

年齢、発達段階、理解力、反省の深さ、非行歴、補導歴、過去の保護処分歴が問題になります。

家庭・学校・就労

家庭環境、保護者の監督力、虐待やネグレクトの有無、学校・職場への適応状況が見られます。

交友・医療・福祉

不良集団、薬物、暴力団との関係、発達障害、知的障害、精神疾患、依存症などの支援課題が検討されます。

次の判断の流れは、審判前に「少年院送致を避けたい」と考える場合に確認されやすい準備の順番を示しています。分岐は結果を保証するものではなく、社会内で再出発する環境を具体的に示せるかを読み取るための整理です。

審判前に確認したい準備の順番

非行事実と争点を整理

本人が何を認め、何を争っているかを確認します。

被害者対応と環境調整を検討

謝罪、弁償、示談の可能性、学校・就労・住居の見通しを整理します。

社会内での更生計画を資料で示せるか

保護者の監督計画、医療・福祉支援、交友関係の遮断などを具体化します。

難しい
施設内教育が検討されやすい

少年院送致の必要性が問題になりやすくなります。

整えられる
社会内処遇の可能性を説明

具体的資料を基に、保護観察などの可能性を検討します。

特定少年に関する注意点

18歳・19歳の特定少年も少年法の対象ですが、17歳以下とは異なる特例があります。重大事件では検察官送致、つまり成人と同様の刑事裁判に移る可能性が相対的に高まります。また、特定少年に少年院送致の保護処分をする場合、家庭裁判所が犯した罪の重さを考慮して、3年以下の範囲で収容期間を定める仕組みがあります。

重要18歳・19歳の事件では、「まだ少年だから保護処分で終わる」と決めつけることはできません。非行事実、示談、環境調整、審判方針を早期に整理する必要があります。
Section 03

少年院送致で指定される少年院の種類

年齢、心身の状況、非行傾向による分類と実務上の見方を確認します。

裁判所の説明によると、少年院は、少年の年齢、心身の状況、非行傾向などを基準として、現在5種類に分けられています。家庭裁判所が少年院送致決定をする際に指定する少年院の種類は、第1種から第3種までに限られます。

次の表は、5種類の少年院を対象者と実務上の理解に分けて整理しています。保護者にとって重要なのは、希望する場所だけで決まるのではなく、鑑別結果、教育課程、本人の課題、施設の状況が組み合わされる点を読み取ることです。

種類対象者の概要実務上の理解
第1種少年院心身に著しい障害がない、おおむね12歳以上23歳未満の者です。ただし第2種対象者を除きます。多くの少年院送致で中心となる類型です。
第2種少年院心身に著しい障害がなく、犯罪的傾向が進んだ、おおむね16歳以上23歳未満の者です。非行性が進んでいると評価される場合の類型です。
第3種少年院心身に著しい障害がある、おおむね12歳以上26歳未満の者です。医療・福祉的配慮を要する場合の類型です。
第4種少年院少年院において刑の執行を受ける者です。保護処分としての典型的な少年院送致とは異なる位置づけです。
第5種少年院特定少年に対する2年の保護観察中、遵守事項違反等により収容決定を受けた者です。少年法改正後の特定少年制度に関わる類型です。
確認実際にどの少年院に入るかは、家庭裁判所の指定、少年鑑別所の鑑別結果、少年院側の教育課程、本人の課題、地域や施設の状況などを踏まえて決まります。
Section 04

少年院での生活は少年院送致後にどう進むのか

規則正しい日課、集団生活、面会・手紙、医療・福祉的支援を見ます。

生活の基本は規則正しさと観察可能性

少年院での生活は、自由時間を中心とするものではなく、定められた日課に沿って進みます。起床、清掃、食事、朝礼、教育、運動、日記、自主学習、就寝などが組み合わされます。

次の時系列は、法務省矯正局の紹介資料に示される一日の例を、朝から就寝までの順番で整理したものです。時間と活動が細かく決まる理由は管理だけではなく、生活リズム、衝動性、対人関係、家庭で崩れていた役割を日常生活の中で見直すためだと読み取れます。

6時30分頃

起床・朝食・自主学習

朝の生活リズムを整え、清掃や準備を通じて身の回りを整える習慣を確認します。

午前

朝礼・運動・特別活動・教科指導

集団で時間を守り、教育活動を通じて学習面と生活面の課題に取り組みます。

午後

生活指導・職業指導・体育指導

対人関係、職業準備、身体活動を組み合わせ、社会生活で必要な態度を身に付けます。

夕方以降

夕食・日記・面接・教養講座・余暇

振り返りや個別面接を通じて、自分の問題と改善点を言語化します。

21時頃

就寝

夜型生活や生活リズムの乱れを改め、翌日の活動につなげます。

集団生活で身に付けるもの

少年院では、職員の指導の下、他の在院者とともに生活します。時間を守る、挨拶をする、身の回りを整える、役割を果たす、相手の話を聞く、衝突を言葉で解決する、指導を受け止めるといった基本的態度が重視されます。

次の一覧は、少年院生活で見直されやすい生活上の課題をまとめたものです。単に叱責するためではなく、再非行に結び付きやすい日常の型を修正する教育的介入として読むことが重要です。

生活リズム

夜型生活、怠学、家出傾向、家庭内で役割がない状態を見直します。

感情調整

怒りや衝動を行動に出す前に言葉で整理し、相談する方法を学びます。

対人距離

相手の話を聞く、断る、謝る、衝突を言葉で解決する態度を確認します。

家庭・交友関係

不安定な家庭環境、孤立、虐待経験、発達特性、依存、交友関係の影響を整理します。

面会・手紙・家族との関わり

少年院に入ると家族と完全に断絶されるわけではありません。円滑な社会復帰には保護者等との協力関係が重要であり、職員が在院者と保護者を交えた面接を行ったり、保護者に教育行事への参加を促したりすることがあります。

次の一覧は、面会や手紙で保護者が意識したい関わり方を整理しています。本人を追い詰めるかどうかではなく、出院後の住居、進路、交友関係、家庭側の変化を具体的に話し合えるかを読み取ることが大切です。

01

感情的に追い詰めすぎない

非行事実を否認している場合でも、本人の理解や説明を確認しながら関わります。

面会
02

被害者対応の理解を確認する

謝罪や弁償について、本人が何を理解し、保護者がどう受け止めるかを話し合います。

被害者対応
03

出院後の生活を具体化する

住居、学校、仕事、交友関係、家庭で変えることを言葉にします。

社会復帰
04

職員や専門家と連携する

本人に矛盾したメッセージが届かないよう、少年院職員や弁護士・付添人と方向性を合わせます。

連携

医療・福祉的支援

少年院には、知的障害、発達障害、精神疾患、身体疾患、依存症、虐待経験、家庭内暴力、性被害経験など、医療・福祉的支援を必要とする少年もいます。必要に応じて、医療機関、福祉機関、地域生活定着支援センター等との連携が図られます。

注意非行だから厳しくすればよいという見方だけでは、背景にある発達特性、認知の偏り、トラウマ、依存、学習困難、対人不安を見落とすことがあります。医師、心理職、学校、福祉機関、弁護士・付添人との連携が必要になる場合があります。
Section 05

少年院送致後に行われる矯正教育の全体像

矯正教育課程、各施設の教育課程、個人別矯正教育計画、処遇段階を整理します。

矯正教育とは、在院者が再び非行に走らず、社会で自立して生活できるようにするための教育・指導の総称です。少年院の教育は、教科の勉強だけではなく、生活指導、職業指導、教科指導、体育指導、特別活動指導などを組み合わせて行われます。

次の表は、少年院の教育計画を三層に分けたものです。全員が同じ内容を受けるのではなく、共通課題、施設ごとの教育、本人専用の計画が重なっていることを読み取ると、個別事情がなぜ重要かが分かります。

概念意味読者向けの理解
矯正教育課程在院者の共通する特性ごとに、重点的に実施する教育内容や期間を定めた標準的なコースです。少年の課題別に用意された大枠のコースです。
少年院矯正教育課程各少年院が、指定された矯正教育課程ごとに、施設の立地や地域支援を活かして定めるカリキュラムです。各施設の具体的な教育メニューです。
個人別矯正教育計画在院者一人ひとりの特性に応じ、教育の目標、内容、期間、方法を具体的に定める計画です。本人専用の教育計画です。

次の時系列は、3級、2級、1級という処遇段階を、入院直後から出院準備までの重点の変化として整理したものです。単におとなしくしていれば早く出られるのではなく、問題理解、行動改善、社会復帰準備が段階的に見られる点を読み取ってください。

3級

初期段階

自分の問題を見つめ、改善意欲を高めることが重視されます。

2級

中間段階

具体的な問題改善のための指導に取り組み、生活態度や対人関係を見直します。

1級

出院準備段階

社会生活へ円滑に移行するため、進路、家族関係、保護観察、再非行防止計画を整えます。

要点少年院生活では、反省、問題理解、行動改善、生活態度、学習・職業準備、家族関係、被害者理解、社会復帰計画などが総合的に見られます。
Section 06

少年院の矯正教育を支える五つの柱

生活指導、職業指導、教科指導、体育指導、特別活動指導を実務的に見ます。

少年院の矯正教育は、本人が社会で自立して生活できる力を育てるため、複数の指導領域を組み合わせます。事件の反省だけでなく、生活、対人関係、職業準備、学習、身体活動、社会との関わりを総合的に扱います。

次の一覧は、矯正教育の五つの柱を目的と具体例に分けて示しています。どの指導も別々に完結するものではなく、再非行の背景を生活全体から見直すために組み合わされる点を読み取ることが重要です。

01

生活指導

個別面接、集団討議、日記指導、SST、薬物非行防止教育、被害者の視点を取り入れた教育、家族関係の見直し、金銭管理、交友関係の整理などを行います。

中心領域
02

職業指導

パソコン実習、職業生活設計指導、溶接実習、職場見学、ハローワークとの連携などを通じて、合法的に生活を成り立たせる力を育てます。

就労準備
03

教科指導

義務教育や高等学校への進学等を希望する者に対する学習指導です。高等学校卒業程度認定試験を受験する機会が設けられることもあります。

学び直し
04

体育指導

体力づくりだけでなく、ルールを守る、協力する、勝敗を受け止める、感情をコントロールする訓練にもなります。

心身
05

特別活動指導

社会貢献活動、野外活動、地域交流、文化活動、行事などを通じて、自主性、自律性、協調性を育てます。

社会参加

生活指導で扱われる具体的な問題

生活指導では、本人がなぜ事件を起こしたのかを反省文だけで終わらせず、具体的な行動パターンとして理解することが重視されます。次の一覧は、窃盗、暴力、薬物、家出などの背景を分析するときに見られやすい要素です。どの要素が本人の再非行につながりやすいかを読むことで、出院後の支援も考えやすくなります。

金銭管理

お金がなかったという説明だけでなく、収支管理、見栄、相談できない構造を確認します。

交友関係

不良集団、SNS、地域の人間関係が非行につながる経路を整理します。

衝動性と怒り

怒りを言葉にする方法、断り方、相談の仕方を練習します。

学習・就労の困難

学校での失敗感、仕事が続かない状態、将来像が描けない状態を支援につなげます。

被害者の視点を取り入れた教育

少年院の教育で重要なテーマの一つが、被害者の視点を取り入れた教育です。犯罪被害者白書では、法務省が矯正施設に収容されている加害者のうち必要な者に対し、自らの罪と向き合い、犯罪被害者等の心情を認識させ、再び罪を犯さない決意を固めさせることを目標とした教育を実施していることが紹介されています。

次の強調表示は、少年院での被害者理解に関する公表数値と、その読み方をまとめたものです。人数の多寡だけではなく、少年院教育の中で被害の意味を具体的に考える機会が置かれている点を読み取ってください。

令和6年度の少年院における受講修了人員は63人

被害者理解は、単にかわいそうだと思うことではありません。自分の行為が被害者本人、家族、学校・職場、地域、将来にどのような影響を与えたのかを具体的に理解することです。

傷害事件では、けがの痛みだけでなく、通院、仕事・学校への影響、恐怖感、家族の心配、医療費、後遺症、日常生活の変化が問題になります。窃盗事件では、物の損害だけでなく、防犯対策、店舗運営、店員の精神的負担、地域の不安も問題になります。

Section 07

少年院送致の期間と仮退院・保護観察の考え方

期間は一律ではなく、教育目標の達成と出院後の環境調整が重視されます。

期間は一律ではない

少年院にどのくらいの期間いるかは、一律に決まるわけではありません。少年の年齢、事件内容、非行歴、教育課程、問題改善の状況、社会復帰先の調整、保護者の受け入れ体制などによって異なります。

誤解事件が軽ければ必ず短い、反省文を書けば早く出られる、保護者が迎えに行けば出られる、といった単純な見方はできません。教育目標の達成状況、再非行防止計画、帰住先、学校・就労先、保護観察の準備などが重要です。

仮退院と保護観察

少年院からの出院には、仮退院という形が多く用いられます。仮退院後は社会に戻って終わりではなく、保護観察官や保護司の指導・監督を受けながら、住居、学校、仕事、交友関係、生活リズムを整えていくことになります。

次の強調表示は、令和7年版犯罪白書の公表情報に基づく令和6年の出院者数と仮退院者数を整理したものです。ほとんどの出院者が仮退院を経て社会に戻るため、出院前から保護観察と生活環境を準備する必要があることを読み取ってください。

令和6年の少年院出院者1,635人のうち仮退院者は1,630人

第5種少年院からの退院3人を除くと、仮退院割合は99.9%とされています。施設内教育と社会内での見守りは連続したものとして考える必要があります。

出院後の支援が再非行防止の核心

少年院での教育は重要ですが、出院後の環境が整っていなければ、教育効果は維持されにくくなります。次の一覧は、出院後に再非行リスクを高めやすい環境要因を整理しています。どれか一つだけではなく、家庭、学校・職場、交友、医療・福祉支援が途切れていないかを読み取ることが重要です。

非行仲間との再接触

地域やSNSを通じて以前の関係に戻ると、教育効果が維持されにくくなります。

家庭内の問題

暴力、虐待、放任、監督不全が続くと、帰住先そのものが不安定になります。

居場所の欠如

学校にも職場にも居場所がない場合、生活リズムと将来像が崩れやすくなります。

支援の中断

医療、福祉、カウンセリング、就労支援、住居支援が途切れると孤立が深まる可能性があります。

次の一覧は、出院前から具体化しておきたい項目です。何を決めるかだけでなく、誰が日常的に見守り、困ったときにどこへ相談するかまで読むことが大切です。

住まい

帰住先と見守り

どこに住むのか、誰が日常的に見守るのか、家庭内のルールをどう整えるのかを具体化します。

進路

学校・転校・進学・就労

復学、転校、進学、就労、生活費、通勤通学の方法を現実的に確認します。

関係

交友・SNS・被害者接触

以前の交友関係、スマートフォンやSNS、被害者・関係者との接触をどう避けるかを決めます。

支援

医療・福祉・相談先

医療機関、福祉サービス、相談支援、就労支援、住居支援、困ったときの相談先をつなぎます。

Section 08

保護者が少年院送致前後に確認したいこと

審判前、送致決定直後、在院中で確認事項を分けて整理します。

審判前に確認したいこと

少年院送致の可能性がある段階では、保護者は感情的な叱責や場当たり的な対応ではなく、家庭裁判所に対して社会内で更生できる具体的な環境があるかを示す必要があります。

次の表は、審判前に保護者が確認したい事項を、事件、家庭、学校・就労、医療・福祉に分けたものです。どの項目も抽象的な反省ではなく、資料や具体的な計画で説明できるかを読み取るために重要です。

項目確認内容
事件内容少年が何を認め、何を争っているのかを確認します。
被害者対応謝罪、弁償、示談の可能性、接触禁止の必要性を確認します。
家庭環境監督者、生活ルール、虐待・暴力・放任の有無を確認します。
学校・就労復学、転校、就職、アルバイトの見通しを確認します。
交友関係非行仲間との関係を断てるかを確認します。
医療・福祉発達障害、精神疾患、依存、知的課題への支援を確認します。
生活習慣夜間外出、金銭管理、SNS利用、家出傾向を確認します。
保護者の姿勢本人任せではなく、保護者が何を変えるかを確認します。

少年院送致が決まった直後に確認したいこと

少年院送致決定を受けた場合、保護者は決定内容や理由、指定された少年院の種類、本人の受け止め、移送時期、連絡方法、面会・手紙・差入れ等のルール、学校・勤務先への説明方針、被害者対応、帰住先や進路調整の時期を確認します。

次の判断の流れは、決定直後に優先して確認する順番を示しています。特に抗告は期間が短いため、理由の有無と資料の確認を先送りにしないことが重要です。

少年院送致決定後の確認順

決定内容と理由の概要を確認

どの種類の少年院が指定されたか、本人がどう受け止めているかを確認します。

抗告を検討すべき理由があるか

法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当が問題になる場合があります。

理由あり
2週間以内の期間に注意

決定告知の日から2週間以内とされるため、速やかな相談が必要です。

理由不明
面会・連絡・出院後準備を進める

移送時期、差入れ、学校・勤務先への説明、帰住先の調整を確認します。

在院中に保護者ができること

在院中の保護者の役割は、ただ待つことではありません。少年院での教育が社会復帰につながるよう、家庭側の受け入れ体制を整えることが必要です。

次の一覧は、在院中に保護者が進めたい対応を整理したものです。本人の変化を待つだけでなく、家庭内の問題、進学・就労、医療・福祉、被害者対応を並行して整える必要があることを読み取ってください。

01

本人の変化を継続確認

面会や手紙を通じて、反省、生活態度、進路への考えを確認します。

面会
02

少年院との連携

職員との面接や教育行事への参加に協力し、家庭側の準備を共有します。

連携
03

進路と支援の受け皿

復学・進学・就労の候補、医療・福祉支援、非行仲間との接触を避ける環境を整えます。

準備
04

家族全体への配慮

きょうだいや家族全体への影響、保護者自身の疲弊にも目を向けます。

支援
家族支援家族だけで抱え込むことは危険な場合があります。更生保護、児童相談所、福祉機関、学校、医療機関、弁護士など、外部資源を使うことも更生支援の一部です。
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少年院送致の可能性があるとき弁護士・付添人に相談する場面

事実関係、環境調整、被害者対応、学校・職場との連携を整理する役割を見ます。

少年事件では、成人の刑事事件における弁護人に近い役割として、弁護士が付添人として関与することがあります。付添人は、少年の権利を守るだけでなく、家庭裁判所に対して適切な処遇を求めるため、事実関係、環境調整、被害者対応、学校・職場との連携を整理します。

次の一覧は、早期に弁護士・付添人への相談が必要になりやすい場面を整理したものです。どれか一つに当てはまれば結論が決まるわけではありませんが、時間制限、証拠、被害者対応、家庭環境の調整が難しいほど専門的な整理が重要になります。

少年院送致の可能性

少年院送致の可能性があると言われた、少年鑑別所に収容された、送致決定に抗告を検討している場合です。

事件内容・被害者対応

事件内容を一部争っている、被害者がいる事件で示談・謝罪が必要、重大事件、薬物事件、性犯罪、交通死亡事故である場合です。

特定少年・不利益

18歳・19歳の特定少年である、退学、解雇、内定取消しなどの不利益が心配される場合です。

家庭・医療・福祉の課題

虐待、DV、ネグレクト、依存症、発達障害、知的障害、精神疾患が疑われ、家族だけで説明資料を作れない場合です。

次の表は、弁護士・付添人に相談するときに整理しておくとよい資料を示しています。資料をそろえる目的は、結論を急ぐことではなく、事件の見通し、環境調整、被害者対応、審判方針を具体的に検討できるようにすることです。

資料・情報確認する理由
事件の経緯本人の説明、警察・家庭裁判所から受け取った書類、争点を整理します。
学校・勤務先の情報復学、転校、就労継続、退学・解雇リスクを確認します。
本人の生活歴非行歴、補導歴、通院歴、家庭環境、交友関係を整理します。
被害者対応の状況謝罪、弁償、示談、接触禁止の必要性を確認します。
支援候補医療、福祉、カウンセリング、就労支援、帰住先の候補を確認します。
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少年院送致に関するよくある質問

前科、学校、家族との面会、出院時期、抗告、更生支援について一般情報として整理します。

Q1. 少年院に入ると前科になりますか。

一般的には、少年院送致は家庭裁判所の保護処分であり、成人の刑事裁判で有罪判決を受ける前科とは性質が異なるとされています。ただし、事件記録や前歴として扱われる場面はあり、将来の少年事件・刑事事件で考慮される可能性があります。特定少年や検察官送致の事案では刑事裁判に進むこともあるため、具体的な影響は弁護士等の専門家に確認する必要があります。

Q2. 少年院に入ると学校には戻れませんか。

一般的には、復学、転校、進学、高卒認定試験、就労など複数の進路が考えられます。ただし、学校側の受け入れ、本人の学力、事件内容、被害者・関係者との関係、地域環境によって調整が必要です。在院中から少年院、保護者、学校、保護観察所等が連携することが望まれます。

Q3. 少年院では勉強だけをするのですか。

一般的には、教科指導だけでなく、生活指導、職業指導、体育指導、特別活動指導を組み合わせて矯正教育が行われます。事件への反省、生活習慣、対人関係、職業準備、被害者理解、社会復帰支援などが総合的に扱われます。

Q4. 家族は会えますか。

一般的には、家族との面会や連絡は、教育上の必要性、施設の規律、安全確保などを踏まえて管理されます。少年院では保護者との協力関係が社会復帰に重要とされ、保護者を交えた面接や教育行事への参加が行われることもあります。具体的な面会方法、頻度、持参物は、収容先の少年院に確認する必要があります。

Q5. どれくらいで出られますか。

一般的には、一律の期間ではありません。教育課程、本人の課題、事件内容、在院中の改善状況、帰住先・進路の調整状況などによって異なります。特定少年については、家庭裁判所が3年以下の範囲で収容期間を定める仕組みがあります。

Q6. 少年院送致を争うことはできますか。

一般的には、家庭裁判所の決定に対し、法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当などを理由として抗告できる場合があります。抗告期間は決定告知の日から2週間以内とされています。期間が短いため、少年院送致決定に疑問がある場合は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ速やかに相談する必要があります。

Q7. 少年院に入れば必ず更生できますか。

一般的には、少年院での教育は再非行防止に向けた重要な制度とされています。ただし、少年院だけで全てが解決するわけではありません。出院後の家庭、学校、職場、交友関係、医療・福祉支援、保護観察が極めて重要であり、個別事情に応じた支援体制を整える必要があります。

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少年院送致を終わりではなく再出発の準備として見る

審判前、在院中、出院後をつなげて考えることが重要です。

少年院送致は、少年事件において重い意味を持つ保護処分です。しかし、その本質は、単に少年を隔離することではなく、規則正しい生活、個人別の矯正教育、生活指導、職業指導、教科指導、体育指導、特別活動指導、被害者理解、社会復帰支援を通じて、再非行を防ぎ、社会で自立できる力を育てることにあります。

次の一覧は、保護者・関係者が時期ごとに意識したい要点をまとめたものです。少年院送致を終わりと見るのではなく、審判前の準備、在院中の教育、出院後の環境づくりを連続して読むことが重要です。

審判前

社会内処遇の可能性を具体的に示す

生活設計、監督計画、被害者対応、医療・福祉支援などを資料とともに整理します。

在院中

教育と家庭側の準備をつなげる

本人の変化を確認し、帰住先、進路、交友関係、支援機関を整えます。

出院後

孤立しない環境を作る

家庭、学校、職場、福祉、医療、保護観察が連携し、困ったときの相談先を確保します。

少年事件は、事実関係、年齢、家庭環境、被害者対応、発達・医療・福祉上の課題によって、適切な対応が大きく変わります。少年院送致の可能性がある段階、少年鑑別所に収容された段階、少年院送致決定を受けた段階、抗告を検討する段階では、本人の権利保護と更生支援の両面から対応方針を組み立てることが重要です。

Reference

参考資料・公的情報

制度の一般的理解に用いた公的資料名を列挙します。

  • 裁判所「少年事件とは」
  • 裁判所「処分の種類」
  • 裁判所「裁判手続 少年事件Q&A」
  • 法務省矯正局「明日につなぐ(少年院のしおり)」
  • e-Gov法令検索「少年法」
  • e-Gov法令検索「少年院法」
  • 法務省「少年法が変わります!」
  • 法務省「再非行防止に向けた取組の充実」
  • 法務省「少年院」
  • 法務省「令和7年版 犯罪白書 第3編 第2章 第4節」
  • 警察庁「令和7年版 犯罪被害者白書」