2σ Guide

犯罪に関わる相談でも
弁護士は警察に通報しないのか

弁護士の守秘義務は、犯罪に関わる可能性のある相談でも重要な前提になります。一方で、進行中の違法行為、重大な危害、虐待通告、マネー・ローンダリング対策など、例外や限界も整理して理解する必要があります。

23条 弁護士法の守秘義務
134条 刑法の秘密漏示罪
105・149条 押収拒絶と証言拒絶
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犯罪に関わる相談でも 弁護士は警察に通報しないのか

弁護士の守秘義務は、犯罪に関わる可能性のある相談でも重要な前提になります。

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犯罪に関わる相談でも 弁護士は警察に通報しないのか
弁護士の守秘義務は、犯罪に関わる可能性のある相談でも重要な前提になります。
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  • 犯罪に関わる相談でも 弁護士は警察に通報しないのか
  • 弁護士の守秘義務は、犯罪に関わる可能性のある相談でも重要な前提になります。

POINT 1

  • 犯罪に関わる相談でも弁護士が警察に通報するのが通常ではない理由
  • まず、守秘義務を前提にした相談と、違法行為への加担が許されない場面を分けて押さえます。
  • 相談内容は原則として秘密
  • 犯罪への協力は別問題
  • 例外は限定的に検討

POINT 2

  • 犯罪相談で混同しやすい通報・告訴・告発・被害届の違い
  • 警察へ知らせる行為にも、法律上の意味や主体に違いがあります。
  • 「警察に通報する」という言葉は日常的には広く使われますが、法律上は告訴、告発、被害届などと区別して考える必要があります。
  • 弁護士の守秘義務を理解するうえでも、誰が、どの目的で、どこへ情報を伝えるのかを分けることが重要です。
  • 告発については、刑事訴訟法239条2項に公務員の告発義務も定められています。

POINT 3

  • 弁護士が犯罪相談でも秘密を守る法的根拠
  • 守秘義務はマナーではなく、弁護士制度を支える複数の法令・規程に基づくものです。
  • 弁護士の守秘義務は、単なる信頼関係や契約上の約束ではありません。
  • 相談者にとっては、弁護士が「黙っていてよい」だけでなく、秘密保持を職務上求められていることを読み取るのが重要です。
  • 刑法134条の秘密漏示罪は親告罪とされていますが、親告罪であることは、弁護士が秘密を漏らしてよいという意味ではありません。

POINT 4

  • 弁護士の守秘義務は犯罪を隠すためではなく適正手続のためにある
  • 刑事弁護は、国家権力の行使が適正に行われるよう支える制度でもあります。
  • 正確な相談は、違法状態の是正にもつながります
  • 刑事事件では、警察・検察が逮捕、勾留、取調べ、捜索差押え、公訴提起などの強い権限を行使します。
  • これに対し、被疑者・被告人には、防御権、黙秘権、弁護人の援助を受ける権利などが保障されています。

POINT 5

  • 犯罪に関わる相談で弁護士が警察に通報するかを場面別に整理
  • 過去の事実、警察対応、被害者側相談、家族相談、進行中の違法行為では、見るべき点が変わります。
  • 任意聴取への同行、黙秘権、供述調書への署名押印、証拠提出、逮捕後の接見、家族への連絡など、警察対応の方法を検討します。
  • 誰が依頼者か、誰の秘密か、相談者がどこまで情報を正当に知っているかを確認します。
  • 本人の代理人になるには本人の意思確認が必要となることがあります。

POINT 6

  • 弁護士の犯罪相談で秘密開示や通告が問題となる例外
  • 1. 相談内容を把握:過去の事実、現在進行中の行為、将来の企図、被害者側相談を分けます。
  • 2. 依頼者の同意や希望があるか:被害届、告訴、関係機関への連絡は、本人の意思に沿う場面があります。
  • 3. 法定通告制度や重大な危害があるか:児童虐待などの通告制度や、生命・身体への具体的で差し迫った危険を確認します。
  • 4. 受任拒否・辞任・適法対応:犯罪実行や証拠隠滅には関与せず、必要な範囲で法的手続に沿って対応します。
  • 5. 守秘義務を前提に助言:事実、証拠、関係者、時系列を整理し、適法な選択肢を検討します。

POINT 7

  • 犯罪相談で弁護士に話す前に確認・整理したいこと
  • 1. 守秘義務と共有範囲を確認する:無料相談、電話・オンライン相談、第三者同席、事務職員への共有、家族相談の扱いを冒頭で確認します。
  • 2. 時系列・関係者・証拠を分ける:いつ、どこで、誰が、何をしたのか、自分が直接したこと、他人から聞いたこと、推測を区別します。
  • 3. 警察・会社・学校・被害者への説明を伝える:すでに説明した内容、残っている証拠、消えた証拠、関係者とのやり取り、現在も続く行為や危険を正確に伝えます。
  • 4. 適法な対応方針を検討する:出頭、示談、被害弁償、会社対応、再発防止、行政対応などを、個別事情に応じて専門家と整理します。

POINT 8

  • 犯罪相談と弁護士の守秘義務で誤解しやすい広告表現
  • 断定的な言い切りは、例外や限界を隠してしまうことがあります。
  • 情報を読むときは、原則と例外が併記されているかを確認することが重要です。
  • 読者にとっては、安心できる言葉だけを探すのではなく、どの条件で例外が問題になるのかを読み取ることが大切です。
  • 実際に弁護士が執筆・監修していない説明では、その表示の有無も確認が必要です。

まとめ

  • 犯罪に関わる相談でも 弁護士は警察に通報しないのか
  • 犯罪に関わる相談でも弁護士が警察に通報するのが通常ではない理由:まず、守秘義務を前提にした相談と、違法行為への加担が許されない場面を分けて押さえます。
  • 犯罪相談で混同しやすい通報・告訴・告発・被害届の違い:警察へ知らせる行為にも、法律上の意味や主体に違いがあります。
  • 弁護士が犯罪相談でも秘密を守る法的根拠:守秘義務はマナーではなく、弁護士制度を支える複数の法令・規程に基づくものです。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

犯罪に関わる相談でも弁護士が警察に通報するのが通常ではない理由

まず、守秘義務を前提にした相談と、違法行為への加担が許されない場面を分けて押さえます。

犯罪に関わる可能性がある相談でも、弁護士が相談内容を当然に警察へ知らせるという理解は正確ではありません。弁護士には、職務上知り得た秘密を保持する権利と義務があり、弁護士であった者にも同様の義務が及びます。

この原則は、過去の横領、詐欺、薬物、暴行、盗撮、会社不祥事、相続財産の隠匿、ネット上の名誉毀損など、民事・刑事・行政上の問題が重なる相談でも重要です。相談者が事実を隠してしまうと、適法な対応、被害回復、示談、自首・出頭の検討、再発防止策の整理が難しくなります。

結論一般的には、相談内容が犯罪に関わるだけで弁護士が警察へ通報するのが通常ではありません。ただし、弁護士は犯罪の継続、証拠隠滅、虚偽説明、違法な資金移動、第三者への重大な危害に関与することはできません。

次の一覧は、このページ全体で繰り返し出てくる3つの視点を整理したものです。相談前の不安を分けて考えるために重要で、どこまでが守秘義務の問題で、どこからが例外や違法目的の問題になるのかを読み取れます。

POINT 01

相談内容は原則として秘密

弁護士法、職務基本規程、刑法などにより、職務上知った秘密を正当な理由なく漏らすことは許されません。

POINT 02

犯罪への協力は別問題

守秘義務は、犯罪実行、証拠隠滅、虚偽説明、犯罪収益の移転を助けるための制度ではありません。

POINT 03

例外は限定的に検討

本人の同意、法定通告制度、重大で差し迫った危害、令状に基づく手続などは、個別に慎重な判断が必要です。

Section 01

犯罪相談で混同しやすい通報・告訴・告発・被害届の違い

警察へ知らせる行為にも、法律上の意味や主体に違いがあります。

「警察に通報する」という言葉は日常的には広く使われますが、法律上は告訴、告発、被害届などと区別して考える必要があります。弁護士の守秘義務を理解するうえでも、誰が、どの目的で、どこへ情報を伝えるのかを分けることが重要です。

次の比較表は、犯罪に関わる相談で混同されやすい4つの言葉を整理したものです。相談者にとっては、弁護士が勝手に警察へ知らせる場面と、依頼者の意思に沿って被害申告を支援する場面を見分ける手がかりになります。

用語主な意味弁護士相談との関係
通報警察、消防、児童相談所、自治体、会社窓口などへ事実や危険を知らせる一般的な表現です。このページでは、弁護士が相談内容を捜査機関へ自発的に知らせる場面、または警察からの問い合わせに答える場面を中心に扱います。
告訴被害者など告訴権者が犯罪事実を申告し、処罰を求める意思表示です。相談者が被害者で、希望に基づき告訴状作成や提出を支援する場合は、勝手な通報とは構造が異なります。
告発告訴権者以外の第三者が、犯罪があると思料するときに捜査機関へ申告し、処罰を求めることです。刑事訴訟法239条1項の「何人でも告発できる」という一般論と、弁護士が依頼者の秘密を明かしてよいかは別問題です。
被害届被害者が警察へ犯罪被害の事実を申告する書面または申告です。被害者側の相談では、証拠整理や被害届提出の支援が問題になります。依頼者の意思確認が前提になります。

告発については、刑事訴訟法239条2項に公務員の告発義務も定められています。しかし、一般の弁護士が法律相談を受ける場面で、通常この「官吏又は公吏」として行動しているわけではありません。弁護士は警察や検察の一部ではなく、独立した専門職として依頼者の権利を守る立場にあります。

Section 03

弁護士の守秘義務は犯罪を隠すためではなく適正手続のためにある

刑事弁護は、国家権力の行使が適正に行われるよう支える制度でもあります。

刑事事件では、警察・検察が逮捕、勾留、取調べ、捜索差押え、公訴提起などの強い権限を行使します。これに対し、被疑者・被告人には、防御権、黙秘権、弁護人の援助を受ける権利などが保障されています。

次の重要ポイントは、守秘義務の目的を「犯罪を隠す制度」と誤解しないための整理です。相談者にとっては、不利な事情を含めて話すことが、違法な取調べへの対応、誤解を招く供述の回避、被害者対応、再発防止策の検討につながる点を読み取ることが大切です。

正確な相談は、違法状態の是正にもつながります

相談者が「自分は犯罪をしたのか分からない」「会社の指示に従っただけだが違法なのか」「家族の行為に巻き込まれた」と感じる場面で、すぐに密告される制度になれば、法的相談は機能しにくくなります。

弁護士が秘密を守るのは、依頼者を不当にかばうためではありません。事実を正確に把握し、自首、出頭、示談、被害弁償、社内調査、懲戒対応、行政対応、再発防止などを、適法な手続の中で検討できるようにするためです。

日弁連も、依頼者が安心して本当のことを打ち明けられるからこそ、弁護士が十分な弁護活動を行い、法律を守るよう助言できると説明しています。守秘義務は、社会全体の法令遵守や被害回復にも関わる制度です。

Section 04

犯罪に関わる相談で弁護士が警察に通報するかを場面別に整理

過去の事実、警察対応、被害者側相談、家族相談、進行中の違法行為では、見るべき点が変わります。

同じ「犯罪に関わる相談」でも、相談者が過去の事実を話すのか、警察から呼び出されているのか、被害者として届け出たいのか、現在進行中の違法行為があるのかで、弁護士の対応は変わります。

次の一覧は、典型的な相談場面ごとに、守秘義務を前提に何が検討されるかを整理したものです。読者にとっては、自分の不安がどの場面に近いか、また「通報」だけでなく受任可否、警察対応、示談、違法行為の中止などが検討対象になることを読み取るのが重要です。

1

すでに終わった犯罪の可能性

過去の横領、窃盗、詐欺、暴行、薬物使用、盗撮、違法アップロードなどでは、犯罪成立、証拠関係、被害回復、自首・出頭、任意同行、逮捕・勾留のリスク、再発防止策を整理します。

過去事実
2

警察から呼び出しを受けている場合

任意聴取への同行、黙秘権、供述調書への署名押印、証拠提出、逮捕後の接見、家族への連絡など、警察対応の方法を検討します。

警察対応
3

被害者として相談する場合

被害届、告訴、告発、証拠整理、加害者との示談交渉、損害賠償請求、接近禁止や学校・会社対応などを、依頼者の意思に基づいて検討します。

権利行使
4

家族や第三者が相談する場合

誰が依頼者か、誰の秘密か、相談者がどこまで情報を正当に知っているかを確認します。本人の代理人になるには本人の意思確認が必要となることがあります。

依頼者確認
5

これから犯罪をしようとしている場合

犯罪実行、証拠隠滅、虚偽説明、違法な資金移動への関与はできません。受任拒否、辞任、違法行為をやめる方向での助言が中心になります。

違法目的
6

生命・身体への重大な危険がある場合

第三者への具体的で差し迫った危害があるときは、秘密開示の正当な理由が例外的に問題となり得ます。ただし、安易に広く認められるものではありません。

慎重判断
限界「秘密を守る」という原則は、弁護士が犯罪を手助けするという意味ではありません。証拠を消す、口裏合わせをする、架空契約書を作る、弁護士名義を取引の信用づけに使う、犯罪収益の移転に関わるといった依頼は、受けられない方向で検討されます。
Section 05

弁護士の犯罪相談で秘密開示や通告が問題となる例外

例外は、同意、法令上の制度、重大な危害防止、法的手続などを分けて考えます。

弁護士職務基本規程は「正当な理由なく」秘密を漏らすことを禁じています。裏返すと、正当な理由があるかどうかが問題になる場面がありますが、例外は広く安易に認められるものではありません。

次の判断の流れは、犯罪に関わる相談で例外が問題になりやすい順番を整理したものです。読者にとっては、単純に「通報される・されない」で見るのではなく、本人の同意、法定通告、危害の切迫性、違法目的、警察からの手続を分けて読むことが重要です。

秘密開示や通告が問題になる主な順番

相談内容を把握

過去の事実、現在進行中の行為、将来の企図、被害者側相談を分けます。

依頼者の同意や希望があるか

被害届、告訴、関係機関への連絡は、本人の意思に沿う場面があります。

法定通告制度や重大な危害があるか

児童虐待などの通告制度や、生命・身体への具体的で差し迫った危険を確認します。

問題あり
受任拒否・辞任・適法対応

犯罪実行や証拠隠滅には関与せず、必要な範囲で法的手続に沿って対応します。

通常相談
守秘義務を前提に助言

事実、証拠、関係者、時系列を整理し、適法な選択肢を検討します。

次の比較表は、特に混同されやすい児童虐待の通告制度、マネー・ローンダリング対策、警察からの問い合わせを分けたものです。それぞれ根拠や対応の方向が異なるため、どの制度の話なのかを読み分けることが重要です。

場面考え方注意点
児童虐待などの通告制度児童虐待防止法6条は、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者に通告義務を定め、守秘義務規定が通告義務の遵守を妨げるものではないとしています。通告先は通常、児童相談所、市町村、福祉事務所等であり、単純な警察への連絡と同じではありません。
マネー・ローンダリング対策弁護士には本人確認、依頼目的の確認、記録保存、受任拒否、違法行為への関与回避などが求められます。疑わしい取引の届出義務を弁護士に課す制度とは区別されます。犯罪収益の移転目的の依頼は受けられない方向で検討されます。
警察からの問い合わせ相談の有無や内容を教えてほしい、資料を出してほしいと求められても、弁護士には守秘義務があります。本人の同意、令状に基づく手続、法令上の例外、権利濫用と評価される場合など、個別の法的判断が必要になります。
Section 06

犯罪相談で弁護士に話す前に確認・整理したいこと

事実を隠すより、守秘義務の範囲を確認したうえで正確に整理することが大切です。

犯罪に関わる可能性がある相談では、冒頭で守秘義務の対象、無料相談・電話相談・オンライン相談での取扱い、事務所内での共有範囲、家族相談の扱い、生命・身体の危険や虐待がある場合の対応を確認すると、不安を整理しやすくなります。

次の時系列は、相談前から相談後までに整理したい行動の順番を示しています。読者にとっては、証拠隠滅や口裏合わせに走るのではなく、事実・証拠・推測を分けて伝える準備を進めることを読み取るのが重要です。

相談前

守秘義務と共有範囲を確認する

無料相談、電話・オンライン相談、第三者同席、事務職員への共有、家族相談の扱いを冒頭で確認します。

事実整理

時系列・関係者・証拠を分ける

いつ、どこで、誰が、何をしたのか、自分が直接したこと、他人から聞いたこと、推測を区別します。

相談時

警察・会社・学校・被害者への説明を伝える

すでに説明した内容、残っている証拠、消えた証拠、関係者とのやり取り、現在も続く行為や危険を正確に伝えます。

相談後

適法な対応方針を検討する

出頭、示談、被害弁償、会社対応、再発防止、行政対応などを、個別事情に応じて専門家と整理します。

禁止される方向証拠を消す、相手に虚偽説明をさせる、口裏合わせをする、関係者に圧力をかける、アカウントやデータを破壊する行為は、重大な不利益につながる可能性があります。弁護士は証拠隠滅や虚偽供述を助けることはできません。

違法行為が現在も続いている場合は、「どうすれば見つからないか」ではなく、被害拡大を止め、法的リスクを適正に処理する方向で相談する必要があります。弁護士側でも、利益相反、依頼目的の適法性、犯罪・証拠隠滅・マネー・ローンダリングへの関与リスク、受任後に違法目的が判明した場合の辞任などを検討します。

Section 07

犯罪相談と弁護士の守秘義務で誤解しやすい広告表現

断定的な言い切りは、例外や限界を隠してしまうことがあります。

「絶対に通報しない」「警察に知られず解決できる」といった表現は、不安を和らげるように見えても、守秘義務の例外や弁護士が違法行為へ関与できない限界を見落とさせるおそれがあります。情報を読むときは、原則と例外が併記されているかを確認することが重要です。

次の比較表は、誤解を招きやすい表現と、より正確な理解を並べたものです。読者にとっては、安心できる言葉だけを探すのではなく、どの条件で例外が問題になるのかを読み取ることが大切です。

誤解を招きやすい表現より正確な理解
弁護士は絶対に通報しません原則として、守秘義務があり相談内容を警察へ通報するのが通常ではありません。ただし、同意、法令上の制度、重大な危害防止などの例外が問題となり得ます。
どんな犯罪でも秘密にできます過去の事実に関する防御相談と、将来・現在進行中の犯罪実行の相談は区別されます。弁護士は違法行為に関与できません。
警察に知られずに解決できます警察・検察が独自に証拠を把握することがあります。出頭、示談、被害弁償、会社対応などは個別事情で検討されます。
匿名なら問題ありません匿名相談は初期整理に役立つことがありますが、正確な助言には事実関係、証拠、身元、関係者、管轄、時期の確認が必要になることがあります。

実際に弁護士が執筆・監修していない説明では、その表示の有無も確認が必要です。公開法令や公的資料に基づく一般解説と、個別事件の見通しや対応方針は別のものとして読む必要があります。

Section 08

犯罪相談と弁護士の通報に関するFAQ

よくある疑問を、一般的な制度説明として整理します。

無料相談や初回相談でも、弁護士は秘密を守るのですか。

一般的には、弁護士が職務として法律相談を受ける場合、正式受任前の相談であっても職務上知り得た秘密として守秘義務の対象になり得るとされています。ただし、相談窓口の運営形態、担当者、記録方法、第三者同席の有無などで取扱いが変わる可能性があります。具体的な扱いは、相談冒頭で弁護士等の専門家へ確認する必要があります。

「犯罪をしたかもしれない」と話しただけで逮捕につながりますか。

一般的には、弁護士に相談しただけで、その相談内容が当然に警察へ伝わる仕組みではないとされています。ただし、逮捕の有無は、警察・検察が独自に把握した証拠、逃亡や証拠隠滅のおそれ、事件の性質などで判断が変わる可能性があります。個別の見通しは、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

弁護士は、警察から聞かれたら相談内容を話しますか。

一般的には、依頼者の同意がない限り、相談内容を安易に話すことは通常許されないとされています。弁護士には守秘義務があり、刑事訴訟法上も一定の証言拒絶権・押収拒絶権があります。ただし、令状に基づく手続、法律上の例外、権利濫用と評価される場合などで結論が変わる可能性があります。具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

これから犯罪をしようとしていることを相談した場合も秘密になりますか。

一般的には、過去の事実に関する防御相談と、将来の犯罪実行や現在進行中の違法行為の相談は区別されます。弁護士は、犯罪の実行、証拠隠滅、虚偽説明、違法な資金移動を助けることはできません。第三者の生命・身体に対する重大で差し迫った危険がある場合などには、例外的に秘密開示の正当な理由が問題となる可能性があります。

児童虐待を相談した場合も、警察への通報と同じ扱いですか。

一般的には、児童虐待は通常の刑事相談とは別に、児童虐待防止法などの通告制度が問題になるとされています。同法6条は、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者の通告義務を定め、守秘義務規定は通告義務の遵守を妨げるものと解釈してはならないとしています。ただし、通告先や保護手続は個別事情で変わる可能性があるため、具体的には専門家へ確認する必要があります。

匿名で相談すれば安全ですか。

一般的には、匿名相談は初期的な不安整理に役立つことがあります。ただし、刑事事件では、事実関係、証拠、身元、関係者、管轄、時期が重要であり、匿名のままでは正確な助言に限界があります。受任時には利益相反確認や本人確認が必要になることもあるため、具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

弁護士に不利な事実を言わない方がよいですか。

一般的には、不利な事実ほど正確に伝えることが重要とされています。弁護士が把握していない事実が後から出ると、取調べ、示談、裁判、会社対応で不利益が生じる可能性があります。ただし、伝え方や資料の整理方法は事案により異なるため、守秘義務の範囲を確認したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

弁護士に相談すると、弁護士も共犯になりますか。

一般的には、弁護士が適法な法律相談や弁護活動を行うこと自体は、犯罪への関与とは別に考えられます。ただし、弁護士が犯罪実行、証拠隠滅、虚偽文書作成、違法な資金移動などに関与すれば、弁護士自身の法的責任が問題となる可能性があります。個別事情によって判断が変わるため、具体的には専門家へ相談する必要があります。

Section 09

犯罪に関わる相談で弁護士へ伝えるべきことのまとめ

恐怖から事実を隠すのではなく、守秘義務と例外を確認して適法な対応を検討します。

犯罪に関わる相談でも、弁護士には守秘義務があり、相談内容を警察へ通報するのが通常ではないと整理できます。その根拠は、弁護士法23条、弁護士職務基本規程23条、刑法134条、刑事訴訟法105条・149条などにあります。

一方で、弁護士は犯罪の実行、証拠隠滅、虚偽説明、マネー・ローンダリング、第三者への重大な危害に関与することはできません。児童虐待などの法定通告制度、依頼者の同意、法律に別段の定めがある場合、重大な危害防止のための正当な理由がある場合など、例外的に秘密開示や通告が問題となる場面もあります。

相談者にとって重要なのは、「話したらすぐに警察へ知られるかもしれない」と恐れて事実を隠すことではありません。時系列、証拠、関係者、現在進行中の危険、すでに説明した内容を整理し、守秘義務の範囲と例外を確認したうえで、適法な対応を早期に検討することです。

Reference

参考資料

法令、公的機関資料、弁護士会資料を中心に整理しています。

法令・公的資料

  • 日本法令外国語訳データベース「弁護士法」第23条
  • 日本法令外国語訳データベース「刑事訴訟法」第105条・第149条・第239条
  • e-Gov法令検索「刑法」第134条・第135条
  • 厚生労働省「児童虐待の防止等に関する法律」第6条

弁護士会・制度資料

  • 日本弁護士連合会「Basic Rules on the Duties of Practicing Attorneys」第23条
  • 日本弁護士連合会「弁護士と依頼者の通信秘密保護制度に関する最終報告」
  • 日本弁護士連合会「弁護士から警察への依頼者密告制度に関する意見・解説」
  • 日本弁護士連合会「弁護士業務におけるマネー・ローンダリング対策」
  • 東京弁護士会 LIBRA「弁護士倫理・ここが問題」守秘義務が解除される正当な理由に関する解説