2σ Guide

主治医が後遺障害診断書を
書きたがらない場合の対処法

医師に結論を迫るのではなく、症状固定、医学的所見、診療経過、専門外事項を整理し、事実を後遺障害診断書に記載してもらうための進め方を解説します。

7段階 依頼前後の実務手順
8類型 症状別の依頼先
3場面 依頼前・拒否時・受領後
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主治医が後遺障害診断書を 書きたがらない場合の対処法

後遺障害を認めるよう求めるのではなく、医学的に確認できる事実を記載してもらう環境づくりが出発点です

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主治医が後遺障害診断書を 書きたがらない場合の対処法
後遺障害を認めるよう求めるのではなく、医学的に確認できる事実を記載してもらう環境づくりが出発点です
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  • 主治医が後遺障害診断書を 書きたがらない場合の対処法
  • 後遺障害を認めるよう求めるのではなく、医学的に確認できる事実を記載してもらう環境づくりが出発点です

POINT 1

  • 主治医が後遺障害診断書を書きたがらない場合の結論
  • 1. 理由を確認する:症状固定前、専門外、資料不足、所見不足、書式への不慣れ、事務負担などを分けて考えます。
  • 2. 依頼の言い方を直す:等級ではなく、症状固定時点の医学的事実を記載してほしいと伝えます。
  • 3. 資料を整える:診療経過、画像、検査結果、症状メモ、仕事や日常生活への影響を短く整理します。
  • 4. 相談窓口・弁護士へ:医療機関の相談窓口、医療安全支援センター、弁護士相談を検討します。
  • 5. 内容確認へ進む:日付、症状、画像所見、検査値、他科症状、記載漏れを確認します。

POINT 2

  • 後遺障害診断書とは何かを先に整理する
  • 通常の診断書とは役割が異なり、症状固定時点の医学的資料として扱われます
  • 後遺障害は「まだ痛い」だけでは足りない
  • 後遺障害診断書の役割

POINT 3

  • 主治医が後遺障害診断書を書きたがらない主な理由
  • 患者側には非協力的に見えても、医療安全、専門性、法的責任、事務負担など複数の事情があります
  • まだ症状固定ではない
  • 事故との因果関係に疑問がある
  • 書式に不慣れである

POINT 4

  • 後遺障害診断書と医師法19条2項・20条の基本
  • 診断書の交付請求を拒めない原則と、診察していない内容を書けない制約を分けて理解します
  • 正当な事由が認められやすい例
  • 正当な事由がない可能性がある例
  • 一般的には、医師法19条2項は診断書等の交付請求について、正当な事由がなければ拒めない旨を定めていると説明されます。

POINT 5

  • 主治医に後遺障害診断書を書いてもらう7段階
  • 1. 症状固定の見通しを確認する:現在の医学的評価でどの程度の改善見込みがあるか、症状固定の目安、追加検査やリハビリの必要性を確認します。
  • 2. 拒否理由を具体的に聞く
  • 3. 後遺障害診断書の目的を説明する:先生に等級を決めてもらうものではなく、症状固定時点の残存症状や検査所見を医学的に記載してもらう書類だと伝えます。
  • 4. 医師が書きやすい資料を準備する:事故日、初診日、通院日、残存症状、画像、検査結果、他院資料、生活支障を簡潔に整理します。
  • 5. 依頼文を作って渡す
  • 6. 専門外の部分は専門医へつなぐ:整形外科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科・口腔外科、形成外科、精神科など、症状に応じた評価を受けます。
  • 7. それでも難しい場合は相談窓口と弁護士を使う:医療機関の相談窓口、医事課、診療記録開示、医療安全支援センター、弁護士相談を順番に検討します。

POINT 6

  • 後遺障害診断書を書いてもらえない場合に確保する証拠
  • 診断書がすぐ取得できなくても、症状の連続性と医学的根拠を失わないことが大切です
  • 時系列表の作り方
  • 交通事故後の症状は、時間が経つほど因果関係や連続性を説明しにくくなります。
  • 診断書作成が難航している間も、診療録、画像、検査結果、生活支障の記録を確保しておきます。

POINT 7

  • 症状別に見る後遺障害診断書を依頼するときの注意点
  • むち打ち・頚椎捻挫・腰椎捻挫
  • 痛み、しびれ、可動域制限、筋力低下、反射異常、知覚異常が問題になります。
  • 骨折・脱臼・関節損傷
  • 骨癒合、変形、短縮、関節可動域、筋力、疼痛、荷重制限、手術歴、固定期間が問題になります。

POINT 8

  • 後遺障害診断書を書いてくれないときに避けるべき行動
  • 医師を威圧する
  • 最初から法的責任や訴訟を強く持ち出すと、信頼関係が悪化し、医療情報の整理が難しくなることがあります。
  • 虚偽または誇張した記載を求める
  • 「もっと強く書いてください」「事故前から痛かったことは書かないでください」などの依頼は避けます。

まとめ

  • 主治医が後遺障害診断書を 書きたがらない場合の対処法
  • 主治医が後遺障害診断書を書きたがらない場合の結論:後遺障害を認めるよう求めるのではなく、医学的に確認できる事実を記載してもらう環境づくりが出発点です
  • 後遺障害診断書とは何かを先に整理する:通常の診断書とは役割が異なり、症状固定時点の医学的資料として扱われます
  • 主治医が後遺障害診断書を書きたがらない主な理由:患者側には非協力的に見えても、医療安全、専門性、法的責任、事務負担など複数の事情があります
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

主治医が後遺障害診断書を書きたがらない場合の結論

後遺障害を認めるよう求めるのではなく、医学的に確認できる事実を記載してもらう環境づくりが出発点です

交通事故後に症状が残っているのに、主治医が後遺障害診断書を書きたがらないことがあります。この場面で最も重要なのは、医師に「後遺障害を認めてほしい」と迫ることではありません。必要なのは、医学的に確認できる事実を、適切な時期・適切な資料・適切な表現で記載してもらうための準備です。

後遺障害診断書は、自賠責保険や損害賠償の場面で残存症状を評価する重要資料です。ただし、被害者の希望や等級予想を書く書類ではなく、医師が診察、検査、治療経過に基づいて医学的所見を記載する文書です。

結論主治医が書きたがらないときは、拒否理由を確認し、等級判断ではなく残存症状・検査所見・可動域・神経学的所見・画像所見の記載を依頼し、診療経過と生活支障を整理します。

最初に整理する判断の流れ

理由を確認する

症状固定前、専門外、資料不足、所見不足、書式への不慣れ、事務負担などを分けて考えます。

依頼の言い方を直す

等級ではなく、症状固定時点の医学的事実を記載してほしいと伝えます。

資料を整える

診療経過、画像、検査結果、症状メモ、仕事や日常生活への影響を短く整理します。

まだ難しい
相談窓口・弁護士へ

医療機関の相談窓口、医療安全支援センター、弁護士相談を検討します。

作成可能
内容確認へ進む

日付、症状、画像所見、検査値、他科症状、記載漏れを確認します。

実務で最初に行う5つの対応

  1. なぜ書きたがらないのかを、症状固定前・専門外・所見不足・資料不足・事務負担などに分けて確認します。
  2. 「後遺障害等級を書いてください」ではなく、「残存症状と医学的所見を記載してください」と依頼します。
  3. 診療経過、画像、検査結果、症状の推移、仕事や日常生活への影響を整理します。
  4. 必要に応じて診療記録の開示、紹介状、専門医受診を活用します。
  5. 不当な拒否が疑われる場合は、医療機関の相談窓口、医療安全支援センター、弁護士に相談します。
Section 01

後遺障害診断書とは何かを先に整理する

通常の診断書とは役割が異なり、症状固定時点の医学的資料として扱われます

後遺障害は「まだ痛い」だけでは足りない

交通事故実務でいう後遺障害は、治療を続けても医学的に大きな改善が見込めない段階、つまり症状固定に至った後に、身体または精神の機能障害が残り、事故との相当な因果関係や障害の程度が評価対象となる状態を指します。

単に症状が残っているかだけでなく、事故との因果関係、症状の一貫性、医学的所見、将来の改善見込み、労働能力への影響などが総合的に見られます。

後遺障害診断書の役割

後遺障害診断書には、症状固定時点の残存症状、検査所見、画像所見、可動域制限、神経学的異常、精神・認知機能、日常生活への影響などが記載されます。自賠責保険の後遺障害認定では、提出書類に基づく調査が行われ、必要に応じて医療機関への照会や治療状況の確認が行われることがあります。

項目通常の診断書後遺障害診断書
主な目的病名、治療期間、就労可否などを簡潔に示す症状固定時点の障害を等級評価の資料として示す
記載内容病名、治療見込み、休業の必要性など事故日、初診日、症状固定日、傷病名、自覚症状、他覚所見、画像所見、神経学的所見、関節可動域など
重視される点現在の診断と治療の必要性残存症状を裏付ける医学的根拠と事故からの一貫性
注意点比較的短い記載で足りることが多い記載漏れがあると、症状が残っていても調査側が評価しにくくなる
注意「他覚所見」は患者本人の訴えだけでなく、医師の診察、画像検査、神経学的検査、可動域測定などで確認される所見を指します。痛みの強さだけでなく、医学的根拠がどの程度示されているかが問題になります。
Section 02

主治医が後遺障害診断書を書きたがらない主な理由

患者側には非協力的に見えても、医療安全、専門性、法的責任、事務負担など複数の事情があります

理由を見誤ると、感情的な対立が生じ、かえって診断書作成が難しくなります。まずは「どの理由で難しいのか」を切り分けます。

Reason 01

まだ症状固定ではない

主治医が治療継続、リハビリ、追加検査、手術検討などの余地があると考えている場合です。改善見込み、症状固定の目安、必要な検査やリハビリ、治療費対応との違いを確認します。

Reason 02

事故との因果関係に疑問がある

初診まで時間が空いた、受診間隔が長い、既往症や加齢性変化が強い、事故態様が軽微に見える、他院の経過が不明などの事情があると慎重になります。

Reason 03

書式に不慣れである

後遺障害診断書を日常的に作成しない医師もいます。書式、必要欄、検査結果、時系列メモを整理して渡すと、記載しやすくなることがあります。

Reason 04

事務負担が大きい

過去の診療録、画像、検査結果、リハビリ記録の確認が必要です。突然の即日依頼や無理な期限は避け、作成料や提出方法を医療事務に確認します。

Reason 05

等級判断を求められていると受け止めている

医師の役割は医学的事実の記載であり、後遺障害等級の最終判断をすることではありません。依頼文の表現を変えるだけで抵抗が下がることがあります。

Reason 06

診察していない内容や専門外事項がある

医師は自ら診察していない症状や専門外の障害を断定的に書きにくい立場です。高次脳機能障害、眼、耳、歯、精神症状などは専門科での評価が必要になることがあります。

Reason 07

紛争化を警戒している

患者、保険会社、弁護士、裁判所から問い合わせを受ける可能性があるため、賠償問題に巻き込まれる書類と感じる医師もいます。医学的事実の記載だけをお願いする姿勢が大切です。

拒否理由ごとの確認事項

言われた内容確認すること次の対応
まだ早い改善見込み、症状固定の目安、追加検査の必要性治療継続と症状固定時期を整理する
事故との関係が分からない初診日、通院間隔、既往症、他院資料、事故態様時系列表と資料をそろえる
専門外であるどの症状が当科で判断困難か紹介状や専門医受診を検討する
書式が分からない後遺障害診断書の書式、記載欄、必要資料書式と簡潔な依頼文を渡す
等級は書けない等級判断ではなく医学的所見の記載なら可能か依頼の言い方を修正する
Section 04

主治医に後遺障害診断書を書いてもらう7段階

依頼の言葉、準備資料、専門医受診、相談窓口までを順番に進めます

第1段階

症状固定の見通しを確認する

現在の医学的評価でどの程度の改善見込みがあるか、症状固定の目安、追加検査やリハビリの必要性を確認します。保険会社の治療費打切りと医学的症状固定は分けて考えます。

第2段階

拒否理由を具体的に聞く

症状固定前、専門外、因果関係への疑問、客観的所見の乏しさ、書式への不慣れ、他院資料の不足、医療機関の方針などを確認します。

第3段階

後遺障害診断書の目的を説明する

先生に等級を決めてもらうものではなく、症状固定時点の残存症状や検査所見を医学的に記載してもらう書類だと伝えます。

第4段階

医師が書きやすい資料を準備する

事故日、初診日、通院日、残存症状、画像、検査結果、他院資料、生活支障を簡潔に整理します。

第5段階

依頼文を作って渡す

口頭だけでなく、等級判断を求めないこと、不足資料は準備すること、追加検査や他科受診が必要なら指示を受けたいことを文書で伝えます。

第6段階

専門外の部分は専門医へつなぐ

整形外科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科・口腔外科、形成外科、精神科など、症状に応じた評価を受けます。

第7段階

それでも難しい場合は相談窓口と弁護士を使う

医療機関の相談窓口、医事課、診療記録開示、医療安全支援センター、弁護士相談を順番に検討します。

依頼時に準備する資料

資料目的
交通事故証明書事故日、当事者、事故発生の事実を確認する
診療経過の時系列表初診日、通院日、症状の推移を確認する
自覚症状メモどの部位にどのような症状が残っているかを整理する
画像データ・画像所見骨折、椎間板、脳損傷などの確認に使う
検査結果神経学的検査、認知機能検査、聴力検査、視野検査などを確認する
リハビリ記録可動域、筋力、ADL、改善経過を確認する
他院の診療情報提供書転院や複数科受診の経過をつなぐ
仕事・生活への影響メモ就労制限、家事制限、介助の必要性を確認する
後遺障害診断書の書式医師が記載すべき欄を確認する
依頼文「先生に後遺障害等級の判断をお願いするものではありません。これまでの診療経過、検査所見、画像所見、神経学的所見、可動域測定、残存症状について、先生の医学的判断に基づいて記載いただきたいです。不足資料があれば準備します。他科受診や追加検査が必要であればご指示ください。」

専門外の症状を分担する目安

残存症状・障害相談先の例
むち打ち、頚部痛、腰痛、関節痛整形外科、脊椎専門医、リハビリテーション科
頭部外傷、高次脳機能障害脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科、精神科、臨床心理士
めまい、耳鳴り、難聴耳鼻咽喉科
視力低下、視野障害、複視眼科
歯の破折、顎関節、咬合障害歯科、口腔外科
顔面瘢痕、醜状障害形成外科、皮膚科
PTSD、不安、抑うつ、不眠精神科、心療内科、心理職
歩行障害、ADL低下リハビリテーション科、理学療法士、作業療法士
Section 05

後遺障害診断書を書いてもらえない場合に確保する証拠

診断書がすぐ取得できなくても、症状の連続性と医学的根拠を失わないことが大切です

交通事故後の症状は、時間が経つほど因果関係や連続性を説明しにくくなります。診断書作成が難航している間も、診療録、画像、検査結果、生活支障の記録を確保しておきます。

記録

診療録・画像・検査結果

診療録、看護記録、リハビリ記録、画像データ、読影レポート、血液検査、神経学的検査、認知機能検査、紹介状、処方内容、通院日一覧を整理します。

医学資料
経過

症状の時系列表

事故当日から症状固定日まで、受診、検査、リハビリ、改善した点、残った点を日付順にまとめます。感情的表現より、確認できる事実を重視します。

一貫性
生活

日常生活・仕事への影響

長時間座れない、首を回しにくい、階段昇降が難しい、重い物を持てない、予定管理が難しい、睡眠障害があるなど、支障の動作・頻度・程度を具体化します。

生活支障
周辺

家族・職場・学校の記録

生活状況メモ、勤務配慮記録、休職・復職書類、産業医面談、欠席・遅刻記録、介護サービス記録などが補助資料になることがあります。

補助資料

時系列表の作り方

日付事項症状・検査・治療
事故当日事故発生、救急搬送または初診頚部痛、頭痛、しびれなど
事故翌日以降通院開始痛みの部位、可動域、薬
1か月後画像検査MRI、CT、X線など
3か月後リハビリ継続改善した点、残った点
6か月後症状固定検討残存症状、医師の説明
症状固定日後遺障害診断書依頼残存症状、検査値
具体化「つらい」「しんどい」だけでは第三者が評価しにくいため、どの動作が、どの程度、どの頻度で、どのくらい支障を生じているかを整理します。
Section 06

症状別に見る後遺障害診断書を依頼するときの注意点

主治医一人に全てを書いてもらうのではなく、症状に合う専門科で評価を受ける視点が必要です

むち打ち・頚椎捻挫・腰椎捻挫

痛み、しびれ、可動域制限、筋力低下、反射異常、知覚異常が問題になります。症状部位、しびれの範囲、神経学的検査、MRI、通院継続、事故前症状を整理します。

骨折・脱臼・関節損傷

骨癒合、変形、短縮、関節可動域、筋力、疼痛、荷重制限、手術歴、固定期間が問題になります。画像資料と測定値が特に重要です。

高次脳機能障害・頭部外傷

画像、意識障害、認知機能検査、日常生活の変化、職場や学校での支障、家族から見た変化を整理します。本人が自覚しにくい場合もあります。

耳鳴り・難聴・めまい

耳鼻咽喉科で、純音聴力検査、語音聴力検査、平衡機能検査、発症時期、継続性、頭部外傷との関係を確認します。

眼の障害

視力低下、視野障害、複視、眼球運動障害は眼科評価が不可欠です。矯正視力、視野検査、眼底所見、外傷性変化、事故前の眼疾患を確認します。

歯牙障害・顎関節・咬合障害

歯科・口腔外科で、事故前の歯の状態、事故直後の損傷、治療内容、補綴の必要性、咬合異常、レントゲンや口腔内写真を確認します。

醜状障害・瘢痕

形成外科や皮膚科で、部位、大きさ、形状、色調、盛り上がり、拘縮、機能障害の有無を記録します。症状固定時の写真も重要です。

PTSD・不安・抑うつ・不眠

精神科や心療内科で、事故との関係、発症時期、治療経過、薬物療法、心理療法、就労や日常生活への影響を評価します。

症状ごとの主な確認資料

症状領域確認したい資料・検査
首・腰の神経症状症状範囲の図示、神経学的検査、MRI、可動域測定、通院経過
関節・骨折画像、健側比較、手術内容、インプラント、リハビリ経過、装具の必要性
頭部外傷救急搬送記録、意識障害、CT・MRI、神経心理学的検査、家族メモ
耳・眼・歯各専門科の検査結果、事故前状態、治療経過、写真や画像
精神症状専門科診断、治療経過、服薬、心理療法、勤務や生活への影響
Section 07

後遺障害診断書を書いてくれないときに避けるべき行動

医師との信頼関係、症状の連続性、資料の信用性を損なわないための注意点です

医師を威圧する

最初から法的責任や訴訟を強く持ち出すと、信頼関係が悪化し、医療情報の整理が難しくなることがあります。まずは理由確認と資料整備を優先します。

虚偽または誇張した記載を求める

「もっと強く書いてください」「事故前から痛かったことは書かないでください」などの依頼は避けます。求めるべきなのは正確な医学的記載です。

受診を中断する

腹を立てて通院をやめると、症状の連続性が失われることがあります。転院する場合も紹介状や診療情報提供書で経過をつなぎます。

短期間で医療機関を転々とする

必要な専門医受診は有益ですが、目的なく転々とすると、どの医師も症状固定時の全体像を把握しにくくなります。

保険会社の説明だけで決める

保険会社の説明と医学的判断、法的評価は同じではありません。疑問があれば主治医、弁護士、専門相談窓口に確認します。

危険後遺障害診断書は、医師の責任を伴う医学文書です。有利な表現を求めるのではなく、診療記録や検査結果に基づく正確な記載を確認する姿勢が重要です。
Section 08

後遺障害診断書で弁護士に相談すべきタイミング

症状固定前後は、検査、資料、被害者請求、異議申立ての方針に影響します

相談を検討したい典型例

  • 主治医が理由を説明せず後遺障害診断書を拒否している
  • 保険会社から治療費打切りを示唆された
  • 症状固定時期について医師と保険会社の説明が違う
  • 画像や検査が足りているか分からない
  • 高次脳機能障害、脊髄損傷、重度骨折など複雑な障害がある
  • 複数の診療科にまたがる症状がある
  • 後遺障害診断書の内容が不十分に見える
  • 既に非該当または低い等級の認定を受けた
  • 示談案が提示されたが妥当性が分からない

相談時に持参する資料

Medical

医療資料

診断書、後遺障害診断書案または完成版、画像データ、読影レポート、検査結果、通院日一覧、症状メモ、生活支障メモを準備します。

Insurance

保険・事故資料

交通事故証明書、保険会社との書面やメール、事故状況図、ドライブレコーダー、写真、診療報酬明細書を整理します。

Income

収入・生活資料

休業損害証明書、源泉徴収票、確定申告書、家族・職場の記録など、仕事や生活への影響を示す資料をそろえます。

弁護士が医療機関へ依頼する場合の整理

弁護士が関与すると、後遺障害診断書の趣旨、等級判断ではなく医学的事実の記載を依頼すること、必要な検査項目、専門外事項の切り分け、診療記録・画像の開示、記載漏れや事実誤記の確認、治療費打切りと医学的症状固定の違いを整理しやすくなります。

限界弁護士が医師に医学的判断を強制することはできません。弁護士の役割は、医学的判断を尊重しつつ、法的手続に必要な資料を整えることです。
Section 09

後遺障害申請のルートと不十分な診断書への対応

事前認定と被害者請求、記載漏れの確認、異議申立てまでをつなげて考えます

事前認定と被害者請求の比較

方法特徴注意点
事前認定加害者側任意保険会社を通じて後遺障害の認定手続を進める方法です。被害者側の事務負担は比較的少なくなります。提出資料の選択や補足説明を保険会社に任せる形になりやすい点に注意が必要です。
被害者請求被害者が加害者側自賠責保険会社へ直接請求する方法です。画像、診療記録、検査結果、意見書、陳述書などを添付しやすい利点があります。書類準備の負担が大きく、資料の取捨選択も事案により変わります。弁護士の関与が有益になることがあります。

診断書の内容が不十分なとき

主治医が後遺障害診断書を書いてくれても、自覚症状欄が「痛みあり」だけ、画像所見欄が空欄、神経学的所見や可動域測定がない、症状固定日が不明、事故との関係の説明がない、他科症状が漏れている、検査結果と記載が矛盾しているといった問題が残ることがあります。

確認文「MRI検査結果について画像所見欄に記載がないように見受けられます。リハビリ記録では可動域の数値がありますが、欄が空欄でした。医学的に記載不要というご判断であれば理由を理解したいです。記載漏れであれば、追記または訂正をご検討いただけますでしょうか。」

このように、事実誤認や記載漏れの確認として相談します。医師の医学的判断そのものを患者の希望で変えさせることはできません。必要であれば、別の専門医意見、診療記録、画像、検査結果、弁護士意見などで補うことになります。

非該当や低い等級だった場合

後遺障害認定の結果が非該当または想定より低い等級だった場合、異議申立て、自賠責保険・共済紛争処理機構への調停、訴訟などを検討することがあります。重要なのは、単に納得できないと言うことではなく、前回認定で評価されなかった理由を分析し、新たな医学的資料や法的主張を追加することです。

  • 追加の専門医意見書
  • 追加検査結果
  • 画像再読影
  • 神経心理学的検査
  • リハビリ記録
  • 事故態様資料
  • 受診経過の補足説明
  • 医師への照会回答
  • 弁護士作成の意見書
再構成非該当理由が「他覚所見に乏しい」「事故との因果関係が認め難い」「症状の一貫性が不十分」という場合は、医療資料と法的主張の両方を整理し直す必要があります。
Section 10

多職種の視点で見る後遺障害診断書の対処法

医療、法律、保険、リハビリ、事故資料、生活再建の視点をつなげると対応が整理しやすくなります

医師

医学的に正確で責任を持てる記載を重視

医学的判断を尊重し、事実資料を整理し、専門外事項を無理に求めないことが重要です。

弁護士

証拠のつながりを重視

診断書、診療録、画像、検査、事故態様、症状経過が矛盾なくつながっているかを確認します。

保険

提出書類に基づく調査を重視

事故との因果関係、障害の程度、治療経過、既往症、医学的所見が調査されます。最初から資料を整理することが重要です。

リハビリ

継続観察の記録を重視

可動域、筋力、歩行、ADL、認知機能、復職課題などのリハビリ記録は、診断書を補う重要資料になることがあります。

事故資料

事故態様との整合性を重視

交通事故証明書、実況見分調書、現場写真、ドラレコ、車両損傷写真は、負傷内容と事故態様の関係を説明する資料になります。

生活

生活再建の制度も視野に入れる

休業損害、労災、傷病手当金、障害年金、介護保険、障害福祉、復職支援なども検討対象になります。

FAQ

後遺障害診断書を書きたがらない主治医に関するよくある質問

回答は一般的な制度説明です。個別事情により結論が変わるため、具体的対応は専門家へ確認してください

Q1. 主治医が「後遺障害診断書は書かない方針」と言っています。どう考えればよいですか。

一般的には、医療機関の方針なのか、主治医の医学的判断なのかを確認する必要があります。症状固定前、専門外、診察していない事項、資料不足などの理由があれば、その理由に応じた資料整備や専門医受診が問題になります。理由なく一切拒否されているように見える場合でも、具体的な対応は資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 「後遺障害にはならないから書いても意味がない」と言われました。

一般的には、医師が医学的見通しとして認定可能性に疑問を述べている場合があります。ただし、医師が等級認定を最終判断するわけではありません。依頼は「後遺障害になると書いてほしい」ではなく、「症状固定時点で残っている症状と所見を記載してほしい」と整理する方法が考えられます。具体的には事故態様、症状、検査資料によって判断が変わります。

Q3. 保険会社から主治医に書いてもらうよう言われましたが、主治医は嫌がっています。

一般的には、保険会社の説明だけで進めず、主治医に症状固定の医学的判断、必要検査、書けない理由を確認することが大切です。書式、資料、依頼文を整えても難しい場合は、被害者請求や追加資料の方針について弁護士等へ相談する必要があります。

Q4. 転院すれば新しい医師に後遺障害診断書を書いてもらえますか。

一般的には、可能性はありますが、新しい医師が十分な診療経過を把握していない場合、症状固定時の診断書作成に慎重になることがあります。転院する場合は、紹介状、診療情報提供書、画像、検査結果、リハビリ記録を持参し、治療経過をつなぐ必要があります。

Q5. 診断書の内容が不利です。書き直してもらえますか。

一般的には、事実誤認や記載漏れがある場合は、資料を示して確認できることがあります。ただし、医師の医学的判断そのものを患者の希望で変えさせることはできません。必要に応じて、別の専門医意見や弁護士意見で補うことを検討する必要があります。

Q6. 弁護士に相談すると医師との関係が悪くなりませんか。

一般的には、弁護士の関与の仕方によります。威圧的な要求ではなく、書類の趣旨説明、必要資料の整理、専門外事項の切り分け、診療記録開示の依頼であれば、医師の負担を軽減する場合があります。ただし、医療機関との関係や事案の状況によって進め方は変わります。

Q7. 医療安全支援センターに相談すれば、医師に書かせてもらえますか。

一般的には、医療安全支援センターは医療に関する相談や不安への助言・情報提供を行う機関であり、医学的診断、法的責任判断、紛争の調停を行う機関ではないとされています。医師に診断書作成を強制する機関ではないため、必要に応じて弁護士相談と併用することになります。

Q8. 後遺障害診断書がなければ後遺障害認定は絶対に無理ですか。

一般的には、後遺障害診断書は非常に重要な資料です。例外的な資料構成が検討される可能性はありますが、通常は後遺障害診断書を取得する方針で進めます。取得困難な場合は、診療録、画像、検査結果、専門医意見書、医師への照会回答などで補えるかを専門家と確認する必要があります。

Checklist

後遺障害診断書の依頼前・拒否時・受領後チェックリスト

医師を責める前に、確認すべき事実と資料を順番に点検します

Before

医師に依頼する前

  • 症状固定の時期を主治医に確認した
  • 保険会社の打切りと医学的症状固定を混同していない
  • 後遺障害診断書の書式を用意した
  • 自覚症状を部位別に整理した
  • 通院経過を時系列表にまとめた
  • 画像と検査結果を準備した
  • 他院資料を取り寄せた
  • 専門外症状について専門医受診を検討した
  • 医師に等級判断を求めない依頼文を作った
Refusal

書いてもらえない場合

  • 拒否理由を確認した
  • 症状固定前かどうかを確認した
  • 専門外かどうかを確認した
  • 資料不足かどうかを確認した
  • 通常診断書や紹介状なら作成可能か確認した
  • 診療記録・画像の開示を請求した
  • 医療機関の相談窓口に相談した
  • 医療安全支援センターに相談する必要性を検討した
  • 弁護士に資料を持参して相談した
After

診断書を受け取った後

  • 事故日、初診日、症状固定日が正しい
  • 傷病名が正しい
  • 自覚症状が具体的に書かれている
  • 画像所見が記載されている
  • 神経学的所見が記載されている
  • 可動域測定が必要な部位で記載されている
  • 他科症状が漏れていない
  • 検査結果と矛盾していない
  • 誤字、日付誤り、部位誤りがない
  • 追加資料が必要か弁護士に確認した

まとめ

主治医が後遺障害診断書を書きたがらない問題は、医療、保険、法律、証拠、生活再建が交差する問題です。拒否理由を医学的・実務的に分解し、診療経過、画像、検査、症状メモ、専門医評価を整えることで、単なる対立ではなく必要な医学資料を整える課題として解決できる可能性が高まります。

Reference

参考資料・出典

公的機関や中立的な実務資料を中心に確認しています

自賠責保険と後遺障害認定

  • 国土交通省「自賠責保険・共済 よくあるご質問」
  • 損害保険料率算出機構「当機構で行う損害調査」
  • 損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率」

医療情報と診断書

  • 厚生労働省法令掲載資料「医師法」
  • 厚生労働省「診療情報の提供等に関する指針の策定について」
  • 医療安全支援センター総合支援事業「医療安全支援センターを知っていますか?」
  • 医療安全支援センター総合支援事業「よくある相談とその回答」

事故資料と相談機関

  • 自動車安全運転センター「交通事故証明書」
  • 公益財団法人日弁連交通事故相談センター「ご相談の流れ」