2σ Guide

立体商標・音商標・
動き商標の出願を実務で設計する

形状、音、動きという非伝統的なブランド要素を、識別力・証拠・契約・海外展開まで含めて守るための企業法務・知財実務ガイドです。

2015年 新しいタイプ受付開始
5MB 音声物件の上限
8,600円 区分ごとの出願加算
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立体商標・音商標・ 動き商標の出願を実務で設計する

形状、音、動きという非伝統的なブランド要素を、識別力・証拠・契約・海外展開まで含めて守るための 企業法務 ・知財実務ガイドです。

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立体商標・音商標・ 動き商標の出願を実務で設計する
形状、音、動きという非伝統的なブランド要素を、識別力・証拠・契約・海外展開まで含めて守るための 企業法務 ・知財実務ガイドです。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 立体商標・音商標・ 動き商標の出願を実務で設計する
  • 形状、音、動きという非伝統的なブランド要素を、識別力・証拠・契約・海外展開まで含めて守るための 企業法務 ・知財実務ガイドです。

POINT 1

  • 立体商標・音商標・動き商標の出願の全体像
  • 非伝統的なブランド要素を、商標としてどう切り出すかを整理します。
  • 出願成功の中心は、ブランド機能の立証です
  • 立体商標・音商標・動き商標の出願は、特殊な商標を願書へ記載するだけの手続ではありません。
  • この重要ポイントは、立体商標・音商標・動き商標の出願で最初に押さえる結論を示しています。

POINT 2

  • 立体商標・音商標・動き商標の制度的位置づけ
  • 1. 立体商標は保護対象です:商品・包装・店舗等の立体的形状は、出所識別標識として機能する場合に商標として検討できます。
  • 2. 新しいタイプの商標の受付が始まりました:動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標、位置商標について出願受付が開始されました。
  • 3. 店舗等の外観・内装の特定が整理されました:立体商標では、実線・破線等の描き分けと詳細な説明により、保護対象とそれ以外を示す実務が重要になっています。

POINT 3

  • 立体商標・音商標・動き商標の出願前に決める5つの方針
  • 保護対象を切り出す
  • 指定商品・役務を設計する
  • 1件か複数件かを判断する
  • 先行商標・先行権利を調査する
  • 証拠保全を始める
  • 保護対象、指定商品・役務、出願分割、調査、証拠収集を先に設計します。

POINT 4

  • 立体商標の出願実務と識別力
  • 形状が機能そのものです
  • 持ちやすさ、収納性、製造コストなど、商品機能に不可欠な形状は登録が制限される可能性があります。
  • 写真が一方向だけです
  • 複雑な容器や店舗内装では、形状の構成を第三者が理解できないと特定性が問題になります。

POINT 5

  • 音商標の出願実務とMP3物件提出
  • 五線譜・文字記載、物件提出、著作権処理、音の同一性を確認します。
  • 音商標では、五線譜または文字を用いて音を特定し、商標法第5条第4項の物件としてMP3形式の音声を提出します。
  • オンライン出願でも物件はオンライン提出できないため、出願日から3日以内に手続補足書で紙提出する点が実務上の落とし穴です。
  • 音を特定する資料と、実際に使われている音の資料を分けて読むことで、出願音と使用音のずれを早期に発見できます。

POINT 6

  • 動き商標の出願実務と特定方法
  • 1. 構成要素を示します:図形、文字、キャラクター、色彩、配置など、動き商標を構成する標章を特定します。
  • 2. 変化の順番を示します:移動、回転、拡大、縮小、変形、出現、消失の順序を図または写真で表します。
  • 3. 所要時間を示します:全体の所要時間、各場面の表示時間、反復の有無を説明します。
  • 4. 補助表示の意味を示します:矢印、番号、破線、指示線が商標の構成要素か、説明用の補助かを明確にします。

POINT 7

  • 立体商標・音商標・動き商標の審査論点と費用
  • 識別力、不登録事由、特定性、印紙代、追加コストを整理します。
  • 次の費用一覧は、特許庁へ納付する代表的な料金と、企業側で別に見込むべきコストを分けて示しています。
  • 印紙代だけを見ると通常商標と同じでも、証拠収集や図面・音源・説明文の作成工数が増える点を読み取ることが重要です。

POINT 8

  • 立体商標・音商標・動き商標の社内運用手順
  • 1. ブランド資産を棚卸しします:形状、容器、店舗、音、動き、アプリ画面、広告演出を一覧化します。
  • 2. 優先順位を付けます:保護価値、模倣リスク、識別力、証拠の強さ、海外展開、費用対効果を評価します。
  • 3. 部門と専門家の役割を分けます:法務、知財、マーケティング、外部弁理士、外部弁護士の担当範囲を決めます。
  • 4. 証拠保存と更新管理を続けます:使用態様の一貫性と、登録後のライセンス・更新・権利行使を管理します。

まとめ

  • 立体商標・音商標・ 動き商標の出願を実務で設計する
  • 立体商標・音商標・動き商標の出願の全体像:非伝統的なブランド要素を、商標としてどう切り出すかを整理します。
  • 立体商標・音商標・動き商標の制度的位置づけ:各タイプの保護対象と、2015年改正後の位置づけを確認します。
  • 立体商標の出願実務と識別力:図・写真、実線・破線、機能性、使用による識別力を整理します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

立体商標・音商標・動き商標の出願の全体像

非伝統的なブランド要素を、商標としてどう切り出すかを整理します。

立体商標・音商標・動き商標の出願は、特殊な商標を願書へ記載するだけの手続ではありません。商品の形状、包装、店舗外観、サウンドロゴ、アプリ起動音、ロゴアニメーションなどを、需要者が出所を認識するブランドの目印として説明し、証拠で支える実務です。

この重要ポイントは、立体商標・音商標・動き商標の出願で最初に押さえる結論を示しています。単なるデザインや演出ではなく、どの要素が誰の商品・役務を示すのかを明確にすることが重要で、読者は「対象の特定」「指定商品・役務」「識別力」「契約・証拠」の4点を一体で読む必要があります。

出願成功の中心は、ブランド機能の立証です

形状、音、動きが印象的であるだけでは足りません。長期使用、広告宣伝、販売実績、需要者調査、制作契約、使用態様の一貫性をそろえ、その要素だけで出所を認識できることを説明します。

次の比較表は、立体商標・音商標・動き商標の出願で確認すべき主要論点を、制度面と企業実務面に分けて整理したものです。列ごとに、商標の特定方法と証拠準備の対応関係を読み取ると、どこで部門連携が必要になるかが分かります。

確認項目制度上の意味企業実務での読み取り方
商標の特定形状、音、動きの内容を願書上で明確に示します。図面、写真、五線譜、文字説明、物件の準備範囲を決めます。
指定商品・役務権利範囲は商標と商品・役務の組合せで決まります。現在の事業だけでなく、3年から5年程度の展開も踏まえます。
識別力需要者が出所を認識できるかが中心です。広告、販売、調査、第三者記事を早期に集めます。
他権利との整合著作権、意匠権、不正競争防止法との関係を確認します。制作委託契約やライセンス契約に、商標出願・更新・権利行使の権限を入れます。
Section 01

立体商標・音商標・動き商標の制度的位置づけ

各タイプの保護対象と、2015年改正後の位置づけを確認します。

商標法が保護するのは、デザインの美しさや音の印象そのものではなく、商品・役務の出所を示す識別標識としての機能です。立体商標、音商標、動き商標は、機能、装飾、広告演出、UI表現と重なりやすいため、通常の文字商標以上に丁寧な説明が求められます。

次の3つの項目は、各商標タイプが何を対象にし、実務上どこで問題になりやすいかを示しています。並列に読むことで、同じブランド表現でも、形状、音、動きのどの部分を別々に権利化する必要があるかを判断できます。

立体商標

三次元的形状を対象にします

商品形状、包装容器、店舗外観・内装、什器、店頭人形などが問題になります。意匠と異なり、長期的な信用や出所識別機能が中心です。

音商標

聴覚で認識される標章を対象にします

サウンドロゴ、企業名を読み上げる音声、アプリ起動音、決済完了音、広告末尾のジングルなどが典型です。

動き商標

時間の経過に伴う変化を対象にします

ロゴの回転、キャラクターの一定動作、図形の移動、アプリ起動時の段階表示など、順番と所要時間の特定が重要です。

次の時系列は、制度上の沿革と実務上の見直しを並べたものです。時系列の順番を見ると、立体商標は以前から保護対象であり、音商標・動き商標などは2015年から新しいタイプとして受付が始まった点を読み取れます。

従前から

立体商標は保護対象です

商品・包装・店舗等の立体的形状は、出所識別標識として機能する場合に商標として検討できます。

2015年4月1日

新しいタイプの商標の受付が始まりました

動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標、位置商標について出願受付が開始されました。

2020年以降

店舗等の外観・内装の特定が整理されました

立体商標では、実線・破線等の描き分けと詳細な説明により、保護対象とそれ以外を示す実務が重要になっています。

Section 02

立体商標・音商標・動き商標の出願前に決める5つの方針

保護対象、指定商品・役務、出願分割、調査、証拠収集を先に設計します。

出願前には、保護したいブランド要素をどこまで切り出すかを決めます。立体商標では形状全体か一部か、音商標ではメロディか音声か効果音か、動き商標では静止ロゴか動き方か変化の順番かを明確にします。

次の判断の流れは、出願対象を決めてから証拠収集へ進む順番を表しています。上から下へ進むほど、権利範囲と証拠の対応関係が具体化するため、早い段階で事業計画、将来利用、制作契約を確認する点が重要です。

出願前の基本判断

保護対象を切り出す

形状、音、動きのどの要素を独占したいのかを言語化します。

指定商品・役務を設計する

現在の使用実態と3年から5年程度の事業計画を照合します。

1件か複数件かを判断する

音と動きの組合せや、立体形状が変化する場合の出願タイプを確認します。

先行商標・先行権利を調査する

同じタイプだけでなく、文字商標、図形商標、意匠、不正競争防止法上の表示も確認します。

証拠保全を始める

広告、販売、認識度調査、メディア掲載、使用動画・音声を出願前から保存します。

次の比較表は、出願前の5つの方針を実務資料に落とし込むための一覧です。各行の「決めること」と「資料」を対応させて読むことで、知財部門だけでなく、マーケティング、IT、店舗開発、契約担当がどこで関与するかが分かります。

方針決めること準備する資料
保護対象全体形状、一部形状、メロディ、声、軌跡、順番を分けます。写真、図面、音源、動画、ブランドガイドラインです。
商品・役務事業実態と将来計画に合わせます。販売計画、店舗展開計画、サービス仕様、類似群コードです。
出願単位音と動きは別出願にするかを検討します。広告動画、アプリ画面、サウンドロゴの構成資料です。
先行調査同タイプだけでなく、文字・図形・意匠・周知表示も確認します。J-PlatPat検索結果、競合資料、市場調査です。
証拠収集拒絶理由通知前から使用実績を蓄積します。広告出稿、売上、第三者記事、需要者調査、契約書です。
Section 03

立体商標の出願実務と識別力

図・写真、実線・破線、機能性、使用による識別力を整理します。

立体商標では、願書に商標登録を受けようとする商標のイメージデータを記載し、その次に「立体商標」の欄を設けます。必要に応じて「商標の詳細な説明」を記載し、複数方向の図・写真で形状を具体的に特定します。

次の比較表は、立体商標で願書に表す情報と、審査で問題になりやすい観点を対応させたものです。列の左から右へ読むことで、図面の作り方がそのまま識別力や機能性の説明につながることが分かります。

論点実務対応注意点
図・写真正面、背面、側面、斜視図、写真を組み合わせます。一方向だけでは背面や側面が不明確になりやすいです。
実線・破線保護対象を実線、それ以外を破線で示す方法を検討します。描き分ける場合は、詳細な説明で意味を明示します。
識別力形状が特定企業の商品・役務を示すことを説明します。商品名やロゴの有名さと、形状自体の識別力は別に考えます。
機能性機能確保に不可欠な形状だけではないかを確認します。代替形状の有無や生産費用も考慮されます。
裁判例の示唆長期使用、販売数量、広告宣伝、需要者認識を重視します。形状だけで出所が分かることを資料で示します。

次のリスク要素の一覧は、立体商標で拒絶理由や紛争につながりやすい要素をまとめたものです。各項目は、登録可能性だけでなく、登録後に競業者へどこまで主張できるかにも関わるため、出願前に弱点を読み取ることが重要です。

形状が機能そのものです

持ちやすさ、収納性、製造コストなど、商品機能に不可欠な形状は登録が制限される可能性があります。

写真が一方向だけです

複雑な容器や店舗内装では、形状の構成を第三者が理解できないと特定性が問題になります。

文字商標の認知に依存しています

形状自体が独立して出所識別標識として認識されることを、広告や調査で示す必要があります。

Section 04

音商標の出願実務とMP3物件提出

五線譜・文字記載、物件提出、著作権処理、音の同一性を確認します。

音商標では、五線譜または文字を用いて音を特定し、商標法第5条第4項の物件としてMP3形式の音声を提出します。オンライン出願でも物件はオンライン提出できないため、出願日から3日以内に手続補足書で紙提出する点が実務上の落とし穴です。

次の一覧は、音商標の願書・物件・証拠で確認する項目をまとめたものです。音を特定する資料と、実際に使われている音の資料を分けて読むことで、出願音と使用音のずれを早期に発見できます。

五線譜または文字で特定します

音符、音部記号、テンポ、拍子、歌詞、楽器、声域、擬音語、回数、順番、強弱をできる限り明確にします。

願書
MP3

5MB以下の音声物件を提出します

CD-RまたはDVD-Rで提出し、オンライン出願の場合も補足書の紙提出期限を管理します。

期限管理

制作権利を先に確認します

作曲者、編曲者、演奏者、ナレーター、音源制作会社、広告代理店との権利処理を確認します。

契約

使用音の一貫性を保存します

CM、Web広告、SNS動画、店内放送、アプリ画面など、実際の使用例を音声または動画で保存します。

証拠

次の横棒グラフは、音商標で証拠価値が高くなりやすい資料を相対的に示したものです。棒の長さが長いほど、使用による識別力を説明するうえで重要度が高く、広告接触と需要者認識を結びつけて読む必要があります。

使用期間
92%
広告到達
88%
認識度調査
84%
音源同一性
68%
第三者記事
56%
数値は証拠設計上の相対的な重みを示す目安です。
Section 05

動き商標の出願実務と特定方法

図・写真、順番、所要時間、動画証拠の使い分けを整理します。

動き商標は、文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標です。出願書類では、動画ファイルを商標特定の物件として提出できないため、図または写真と詳細な説明により、何が、どの順番で、どの時間で、どのように変化するかを示します。

次の時系列は、動き商標の説明で書くべき変化の順番を表しています。左から下へ進む順番が商標の時間軸を意味し、各場面の表示時間や移動方向を明確にするほど、登録を受けようとする商標の範囲が読み取りやすくなります。

場面1

構成要素を示します

図形、文字、キャラクター、色彩、配置など、動き商標を構成する標章を特定します。

場面2

変化の順番を示します

移動、回転、拡大、縮小、変形、出現、消失の順序を図または写真で表します。

場面3

所要時間を示します

全体の所要時間、各場面の表示時間、反復の有無を説明します。

場面4

補助表示の意味を示します

矢印、番号、破線、指示線が商標の構成要素か、説明用の補助かを明確にします。

次の比較表は、動き商標の出願書類と証拠資料を分けて整理したものです。動画は商標特定の物件には使えませんが、実際の使用例としては重要になるため、どの資料がどの目的で使われるかを読み取ってください。

資料出願での役割注意点
図・写真登録を受けようとする動きの状態を特定します。複数場面を使い、時間の経過が分かるようにします。
詳細な説明順番、所要時間、方向、反復、補助表示の意味を説明します。曖昧な説明は特定性の問題につながります。
動画ファイル使用による識別力の証拠として使えます。商標特定の物件としては提出できません。
ブランドガイドライン使用態様の一貫性を示します。リニューアルで出願商標と実使用がずれないように管理します。
Section 06

立体商標・音商標・動き商標の審査論点と費用

識別力、不登録事由、特定性、印紙代、追加コストを整理します。

審査では、商標法3条の識別力、3条2項の使用による識別力、4条の不登録事由、4条1項18号の商品等が当然に備える特徴、5条の商標の特定性が問題になります。タイプをまたいだ類否も重要で、音商標が既存文字商標を読み上げたもの、動き商標が既存図形を単に動かしたものは、類似と判断される可能性があります。

次の比較表は、審査論点を商標タイプごとに整理したものです。列ごとの違いを見ることで、同じ識別力の問題でも、立体では機能性、音では通常発生音、動きでは単純な移動が特に問題になりやすいことが分かります。

審査論点立体商標音商標動き商標
識別力商品・包装の形状と見られやすいです。BGM、単音、自然音、機能音と見られやすいです。一般的なUI演出や単純な動きと見られやすいです。
使用による識別力長期使用、販売数量、形状を強調した広告が重要です。広告接触、再生回数、音を聞いた需要者の認識が重要です。使用動画、表示順序、ブランドガイドラインが重要です。
機能性不可欠な形状の独占が問題になります。商品等から自然に生じる音が問題になります。機能に由来する画面遷移は慎重に確認します。
類否平面図形、意匠、商品形態も確認します。読み上げられる文字商標や楽曲も確認します。静止ロゴやキャラクター商標も確認します。

次の費用一覧は、特許庁へ納付する代表的な料金と、企業側で別に見込むべきコストを分けて示しています。印紙代だけを見ると通常商標と同じでも、証拠収集や図面・音源・説明文の作成工数が増える点を読み取ることが重要です。

費目金額・内容実務上の注意点
出願料3,400円+区分数×8,600円です。新しいタイプの商標でも従来の商標と同じ料金です。
登録料区分数×32,900円です。分納も可能ですが、更新計画と合わせて管理します。
更新登録申請区分数×43,600円です。ブランド継続使用の有無を更新前に確認します。
書面手続の電子化手数料2,400円+書面1枚×800円です。音商標の物件提出など、紙手続が絡む場面を確認します。
追加コスト図面、写真、音源、証拠、調査、拒絶理由対応です。社内工数と専門家費用を印紙代とは別に予算化します。
Section 07

立体商標・音商標・動き商標の社内運用手順

ブランド棚卸し、優先順位、役割分担、証拠保存を運用に落とし込みます。

立体商標・音商標・動き商標の出願は、知財部門だけでは完結しません。商品開発、デザイン、マーケティング、店舗開発、IT、広報、契約担当、経営層が持つ情報を集め、ブランド資産としてどの要素を守るかを決めます。

次の一覧は、社内で保存すべき証拠を部門別に整理したものです。どの部門が何を持っているかを読み取ることで、拒絶理由対応や紛争時に証拠を探し回るリスクを減らせます。

商品・店舗・アプリの使用資料

写真、動画、画面遷移、使用開始日、改訂履歴、ブランドガイドラインを保存します。

使用態様

販売・広告の実績資料

販売数量、売上高、市場シェア、広告素材、広告出稿、媒体費、配信実績を保存します。

認知

需要者認識を示す資料

消費者調査、アンケート、第三者記事、レビュー、受賞歴を整理します。

識別力

権利処理を示す契約資料

制作委託契約、権利譲渡・許諾契約、著作者人格権不行使、海外利用許諾を確認します。

契約

次の判断の流れは、社内棚卸しから出願後管理までの運用順序を表します。順番に沿って読むことで、出願の前後で誰が何を決め、どの資料を残すかが分かります。

社内運用の順番

ブランド資産を棚卸しします

形状、容器、店舗、音、動き、アプリ画面、広告演出を一覧化します。

優先順位を付けます

保護価値、模倣リスク、識別力、証拠の強さ、海外展開、費用対効果を評価します。

部門と専門家の役割を分けます

法務、知財、マーケティング、外部弁理士、外部弁護士の担当範囲を決めます。

証拠保存と更新管理を続けます

使用態様の一貫性と、登録後のライセンス・更新・権利行使を管理します。

Section 08

制作契約・著作権・意匠・不正競争防止法との関係

商標出願だけでなく、周辺権利と契約処理をそろえます。

サウンドロゴ、アニメーション、店舗デザイン、容器形状は、外部デザイナー、作曲家、広告代理店、制作会社、建築事務所、アプリ開発会社が関与することが多い領域です。商標登録ができても、著作権や著作隣接権との抵触がある場合、使用できない部分が生じる可能性があります。

次の比較表は、立体商標・音商標・動き商標の出願前に契約で確認すべき事項を整理したものです。列を横に読むと、商標出願権限だけでなく、改変利用、海外利用、紛争協力まで一体で処理する必要があることが分かります。

確認対象契約で確認すること未確認時のリスク
制作委託著作権、著作隣接権、意匠権、商標出願権限の帰属を確認します。商標登録後でも音源や動画を自由に使えない可能性があります。
協力義務商標出願、登録、更新、権利行使への協力義務を定めます。拒絶理由対応や紛争時に制作者の協力を得にくくなります。
利用範囲改変、二次利用、海外利用、媒体横断利用を確認します。広告・アプリ・店舗で使い回す際に権利処理が不足します。
表明保証第三者権利侵害がないこと、申立て時の補償・協力を定めます。他人の楽曲、映像、キャラクター、店舗デザインとの衝突が問題になります。

次の3つの項目は、商標以外の制度と組み合わせる視点を示しています。それぞれ保護する利益と期間、立証方法が異なるため、どの制度で何を支えるかを読み取ることが重要です。

意匠権

新しい形状や画面デザインを先に守ります

創作されたデザインを一定期間保護し、長期使用でブランド識別力が蓄積した段階で立体商標を検討する流れが有効な場合があります。

不正競争防止法

商品形態模倣や周知表示の混同を見ます

商標登録がない場合でも保護余地はありますが、周知性や混同などの立証は簡単ではありません。

広告規制

使用場面の表示規制も確認します

医薬品、金融、食品、業法広告などでは、商標権の取得と広告規制対応を別々に検討します。

Section 09

立体商標・音商標・動き商標の海外展開とチェックリスト

マドリッド協定議定書、国別要件、実務確認項目を整理します。

日本で立体商標・音商標・動き商標を出願する企業は、海外展開も同時に検討します。日本国特許庁に係属する出願または登録がある場合、新しいタイプの商標についてもマドリッド協定議定書による国際登録出願を検討できます。

次の比較表は、海外展開時に国や地域で差が出やすい項目を整理したものです。各列を確認すると、日本で登録できることと海外で登録できることは別問題であり、音声ファイルや動画ファイルの扱いも国別に確認する必要があると分かります。

確認項目日本での視点海外での確認
保護タイプ立体、音、動きはそれぞれ出願タイプを確認します。国ごとに保護対象や願書要件が異なります。
提出形式音はMP3物件、動きは図・写真と説明で特定します。音声・動画・図面形式、容量、媒体、翻訳を確認します。
識別力日本での使用証拠を整理します。現地での使用実績や需要者認識が別途必要になる場合があります。
費用と期限基礎出願・基礎登録、優先権、更新を管理します。現地代理人費用、指定国費用、拒絶対応費用を見込みます。

次の一覧は、出願前レビューで最低限確認する項目です。3つの商標タイプを別々に見ながら、特定性、識別力、権利処理、使用証拠の欠けを読み取るために使います。

立体商標の確認

複数方向の図・写真、実線・破線、機能性、形状だけの識別力、意匠・不正競争防止法との整合を確認します。

音商標の確認

五線譜または文字、MP3形式、3日以内の補足書、著作権・著作隣接権、使用音との同一性を確認します。

動き商標の確認

図・写真、変化の順番、所要時間、動画を特定物件にできない点、実使用動画とのずれを確認します。

Section 10

立体商標・音商標・動き商標のFAQ

登録可能性、動画提出、音と動きの組合せ、費用の考え方を一般情報として整理します。

Q1. 立体商標・音商標・動き商標は、普通の商標より登録しにくいですか。

一般的には、形状、音、動きは商品機能、装飾、広告演出、UI表現と重なりやすいため、識別力や商標の特定性がより厳しく問題になる傾向があります。ただし、使用期間、広告実績、需要者認識、商標の表示方法によって結論は変わります。具体的な登録可能性は、資料を整理したうえで弁理士や弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 商品名やロゴが有名なら、商品の形状も立体商標として登録できますか。

一般的には、商品名やロゴの知名度と、形状そのものの識別力は別に考えられます。形状部分が独立して需要者に強い印象を与え、出所識別標識として認識されているかが問題になります。具体的には、広告、販売実績、需要者調査などの資料を踏まえて専門家へ相談する必要があります。

Q3. CMで有名な曲を音商標にできますか。

一般的には、通常の楽曲やBGMとして認識される音は、商標としての識別力が問題になりやすいとされています。短いサウンドロゴとして長期間一貫して使われ、需要者が企業や商品を認識する場合には検討余地があります。著作権や著作隣接権の処理も必要になるため、具体的には専門家へ相談する必要があります。

Q4. 動画ファイルをそのまま動き商標として提出できますか。

一般的には、動き商標を特定するための物件として動画ファイルを提出することはできないとされています。出願書類では、図または写真と詳細な説明で動きの内容を特定します。ただし、使用による識別力を示す証拠として動画ファイルを提出できる場合があります。

Q5. 音と動きが一体となったブランド動画を1つの商標として出願できますか。

一般的には、日本の現行制度では、音と文字・図形等の動きの組合せは保護対象とされていません。視覚的な動きは動き商標、聴覚的な音は音商標として別々に出願する検討が必要です。権利行使や契約上の扱いは事案により変わるため、専門家へ相談する必要があります。

Q6. 出願費用は通常の商標より高いですか。

一般的には、特許庁へ納付する出願手数料や登録料は従来の商標と同じとされています。ただし、図面・写真・音源・説明文の作成、証拠収集、アンケート調査、拒絶理由対応、契約確認などの追加コストが発生しやすいため、総額は事案によって変わります。

Reference

立体商標・音商標・動き商標の参考資料

公的資料・制度資料

  • 特許庁「商標制度の概要」
  • e-Gov法令検索「商標法」
  • 特許庁「新しいタイプの商標の保護制度」
  • 特許庁「新しいタイプの商標の保護制度に関するQ&A」
  • 特許庁「立体商標の見直し(店舗等の外観・内装の保護を含む)に関するQ&A」
  • 特許庁「商標審査基準 第3条第1項」
  • 特許庁「商標審査基準 第3条第2項」
  • 特許庁「商標審査基準 第4条第1項第18号」
  • 特許庁「商標審査基準 第5条」
  • 特許庁「産業財産権関係料金一覧」
  • 裁判所「知的財産高等裁判所 平成20年5月29日 平成19年(行ケ)第10215号 判決要旨」