米国商標の登録維持・不使用・TMA対応
Section 8、Section 9、Section 71、監査、不使用取消を一体で管理します。
米国商標登録はゴールではありません。USPTOは、登録後も商標を商取引で使用し、維持書類を提出する必要があると説明しています。米国販売の停止、商品ライン終了、代理店契約終了、SaaSの米国提供停止、ECページ閉鎖などは、登録維持に影響します。
登録維持の主要手続を時期ごとに整理すると、どのタイミングで使用証拠を棚卸しすべきかが分かります。この時系列は、更新直前に慌てて資料を探す状態を避けるために重要です。
Section 8の使用宣誓を確認します
指定商品・役務ごとの現在使用、Specimen、未使用範囲の削除、特別事情による不使用を確認します。
Section 9更新と使用宣誓を連動させます
更新は単なる手数料納付ではなく、使用中の商品・役務とSpecimenの確認を伴います。
Section 71を管理します
登録前にSpecimenが不要でも、登録後の維持段階では米国使用証拠が必要になります。
追加証拠に備えます
Post Registration AuditやTMA手続に備え、商品・役務単位の証拠を日常的に保存します。
Post Registration Audit Programでは、一定の登録について追加の商品・役務に関する使用証拠を求められることがあります。USPTOは、監査対象登録の50%超で商品・役務の取消・削除等があったと説明しています。この数字は、登録後の棚卸し不足が実務上頻繁に問題化していることを示します。
不使用がある場合、Lanham Act §1127上、商標の使用が中止され、使用再開の意思がないとabandonmentが問題になります。3年間継続して不使用である場合には、abandonmentの一応の証拠になります。ただし、個別事情により、使用再開意思や特別事情が問題になることがあります。
TMAに基づく取消制度は、広く登録して未使用部分を放置するリスクを高めています。USPTOは、TMAに基づく規則が2021年12月18日に施行され、未使用商標を登録簿から除去する仕組みが導入されたと説明しています。次の比較表は、expungementとreexaminationの違いを整理し、どの使用証拠を備えるべきかを読み取るためのものです。
| 手続 | 対象 | 主な趣旨 | 時期の目安 |
|---|---|---|---|
| Expungement | 一度も使用されていない商品・役務です。 | 登録中の商品・役務について、商標が一度も使用されていない場合に削除を求めます。 | USPTO説明では通常3年から10年の範囲が示されます。 |
| Reexamination | 使用ベースの登録等です。 | 関連する基準日までに使用されていなかった商品・役務を問題にします。 | USPTO説明では通常5年以内が示されます。 |
TMA対応では、年1回以上のポートフォリオ棚卸し、未使用商品・役務の削除、使用予定がない区分の更新見送り、商品・役務単位の証拠保存、第三者請求を受けた場合の社内連絡ルート、販売代理店・米国子会社から証拠を迅速に取得できる契約条項が重要です。