2σ Guide

米国商標の使用主義と
実務対応

米国商標は、出願書類だけでなく、市場での真正な使用と証拠管理によって支えられます。出願根拠、Specimen、登録維持、TMA、契約、M&A、内部統制まで、企業法務・知財法務が押さえるべき論点を整理します。

5類型 主な出願根拠
3年 不使用が放棄の一応の証拠となる期間
50%超 USPTO監査で取消・削除等があった登録の割合
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米国商標の使用主義と 実務対応

米国商標は、出願書類だけでなく、市場での真正な使用と証拠管理によって支えられます。

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米国商標の使用主義と 実務対応
米国商標は、出願書類だけでなく、市場での真正な使用と証拠管理によって支えられます。
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  • 米国商標の使用主義と 実務対応
  • 米国商標は、出願書類だけでなく、市場での真正な使用と証拠管理によって支えられます。

POINT 1

  • 米国商標の使用主義と実務対応の全体像
  • 出願前、登録前、登録後まで一続きの管理対象として見ます。
  • 使用の質と証拠を重視します
  • 出願根拠を慎重に選びます
  • Specimenを中核証拠として扱います

POINT 2

  • 米国商標の使用主義を理解する基礎
  • 日本の先願主義的な発想との違いと、連邦登録の意味を整理します。
  • 商標は、商品またはサービスの出所を識別する標識です。
  • ブランド名、ロゴ、スローガン、商品名、サービス名などが典型です。
  • ただし、米国では、ある言葉や図形を考えただけで強い商標保護が当然に発生するわけではありません。

POINT 3

  • 米国商標の出願根拠と実務対応
  • 1. 米国で現実使用がありますか:米国顧客への販売、出荷、請求、サービス提供、購入可能な商品ページなどを確認します。
  • 2. Section 1(a)を検討します:使用中の商品・役務だけを指定し、出願日現在のSpecimenと使用日を確認します。
  • 3. 使用意思または外国基礎を確認します:Section 1(b)、44(d)、44(e)、66(a)を比較し、登録までの証拠準備を設計します。
  • 4. 最終的に使用証拠を準備します:Section 1(b)ではAAUまたはSOU、44(e)や66(a)では登録維持時のSpecimenを意識します。

POINT 4

  • 米国商標の使用証拠とSpecimen対応
  • 商品表示
  • 商品写真、包装、ラベル、タグ、説明書を保存し、出願商標と表示態様が一致しているかを確認します。
  • 販売ページ
  • ECページ、価格、購入ボタン、注文方法、URL、アクセス日を保存し、販売時表示として説明できるかを確認します。

POINT 5

  • 米国商標の使用日・所有者・関連会社使用
  • 1. 使用意思資料を保存します:事業計画、予算承認、商品開発資料、米国市場調査、代理店交渉記録を残します。
  • 2. 表示態様と商品・役務を整えます:商標表示、商品・役務表示、パッケージ、広告、ECページ、サービス申込導線を出願内容と照合します。
  • 3. 商取引上の使用を証拠化します:米国顧客への注文、請求、決済、配送、サービス提供、利用ログを保存します。
  • 4. 商品・役務ごとに資料を更新します:四半期ごとや更新期限前に、現行ページ、販売実績、代理店資料、品質管理記録を確認します。

POINT 6

  • 米国商標の登録までの期限管理
  • 1. bona fide intentを確認します:米国で商取引上使用する真正な意思を、事業計画、開発資料、契約交渉記録などで支えます。
  • 2. Office Actionに対応します:応答期限は通常3か月で、一定の場合には有料で3か月延長できます。
  • 3. 異議申立期間を管理します:公告後は第三者からの異議申立が問題になるため、競合状況とブランド使用計画を確認します。
  • 4. SOUまたは延長申請を行います:原則として6か月以内にStatement of Useを提出するか、適切な延長申請を検討します。

POINT 7

  • 米国商標の商品・役務表示とクリアランス
  • 広ければよいという発想を避け、使用実態と調査範囲を一致させます。
  • オンライン提供を明確にします
  • ダウンロード型と提供サービスを分けます
  • 機能と用途を具体化します

POINT 8

  • 米国商標の登録維持・不使用・TMA対応
  • 1. Section 8の使用宣誓を確認します:指定商品・役務ごとの現在使用、Specimen、未使用範囲の削除、特別事情による不使用を確認します。
  • 2. Section 9更新と使用宣誓を連動させます:更新は単なる手数料納付ではなく、使用中の商品・役務とSpecimenの確認を伴います。
  • 3. Section 71を管理します:登録前にSpecimenが不要でも、登録後の維持段階では米国使用証拠が必要になります。
  • 4. 追加証拠に備えます:Post Registration AuditやTMA手続に備え、商品・役務単位の証拠を日常的に保存します。

まとめ

  • 米国商標の使用主義と 実務対応
  • 米国商標の使用主義と実務対応の全体像:出願前、登録前、登録後まで一続きの管理対象として見ます。
  • 米国商標の使用主義を理解する基礎:日本の先願主義的な発想との違いと、連邦登録の意味を整理します。
  • 米国商標の出願根拠と実務対応:Section 1(a)、1(b)、44(d)、44(e)、66(a)を、使用証拠と期限管理から比較します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

米国商標の使用主義と実務対応の全体像

出願前、登録前、登録後まで一続きの管理対象として見ます。

米国商標制度の中心には、商取引における実際の使用があります。Lanham Act上のuse in commerceは、単なる権利確保目的の名目的な使用ではなく、通常の取引過程における真正な使用を意味します。商品では商標が商品、容器、包装、タグ、ラベル、販売時表示などに付され、その商品が商取引で販売または輸送されることが問題になります。サービスでは、商標が販売、広告、提供の場面で表示され、サービスが商取引で提供されることが問題になります。

このページは一般的な法務・知財実務の解説です。米国商標の出願、拒絶対応、異議申立、取消、ライセンス、M&A、紛争対応では、事実関係、商品・役務、使用状況、取引経路、契約関係によって結論が変わります。具体的な対応は、米国商標実務に精通した専門家や米国資格弁護士と連携して検討する必要があります。

最初に、米国商標の使用主義と実務対応で全体を貫く5つの視点を確認します。この一覧は、読者が出願、証拠、登録維持、契約、社内統制のどこに注意を向けるべきかを把握するために重要です。

01

使用の質と証拠を重視します

通常の取引過程における真正な使用が問われます。形式的な一回限りの取引、画像加工された販売ページ、販売実態のない資料は重大なリスクになります。

02

出願根拠を慎重に選びます

Section 1(a)、1(b)、44(d)、44(e)、66(a)の選択は、証拠準備、登録までの時間、補正可能性、虚偽宣誓リスクに直結します。

03

Specimenを中核証拠として扱います

Specimenは実際の市場で消費者や顧客が目にする使用例です。ウェブページではURLとアクセス日または印刷日の管理が重要になります。

04

登録維持を本番と見ます

Section 8、Section 9、Section 71、監査、TMA手続では、登録後も商品・役務ごとの使用継続が問われます。

05

部門横断で運用します

法務、知財、営業、マーケティング、EC、物流、経理、内部監査、M&A担当、代理人が使用実態と証拠を共有する体制が必要です。

米国商標の実務を一言で整理すると、登録取得だけでは足りず、市場使用を法的に説明できる形で継続管理することが中心になります。次の強調点は、このページ全体の判断軸として読み取ると有用です。

米国商標の本質は、登録と使用証拠をつなげる運用です

出願前のブランド調査、出願根拠、商品・役務表示、Specimen、使用日、所有者、関連会社使用、登録維持、監査、TMA、M&A、ライセンス、証拠保全は、一つの連続した実務として管理する必要があります。

Section 01

米国商標の使用主義を理解する基礎

日本の先願主義的な発想との違いと、連邦登録の意味を整理します。

商標は、商品またはサービスの出所を識別する標識です。ブランド名、ロゴ、スローガン、商品名、サービス名などが典型です。ただし、米国では、ある言葉や図形を考えただけで強い商標保護が当然に発生するわけではありません。商標としての保護は、原則として、その標識が市場で商品・サービスの出所を示すものとして使われることを基礎にします。

Lanham Act上のuse in commerceは、bona fide useとordinary course of tradeという2つの考え方を含みます。この比較は、形式的な名目使用ではなく、実際の取引の中でどのように使われているかを確認するために重要です。

要素実務上の読み方確認資料の例
bona fide use権利を留保するためだけの名目的使用ではなく、真正な商業使用として説明できることが必要です。販売実績、請求書、配送記録、顧客への提供記録
ordinary course of trade通常の取引過程における使用かを確認します。一回限りの形式的取引や社内準備だけでは弱くなります。継続的な販売チャネル、ECページ、広告、サービス提供ログ
商品での使用商標が商品、容器、包装、タグ、ラベル、販売時表示などに付され、商品が販売または輸送されているかを見ます。商品写真、包装、タグ、米国出荷記録
サービスでの使用商標がサービスの販売、広告、提供において表示され、サービスが商取引で提供されているかを見ます。サービスページ、申込画面、契約、利用ログ

日本では、出願時点で現実の使用証拠を提出することが通常要求されないため、将来使用する商品・役務を広めに指定する実務が見られます。一方、米国では、使用意思出願や外国登録に基づく出願もありますが、商標制度の中核に使用があります。この違いを理解すると、米国出願で商品・役務を広く取りすぎるリスクを読み取りやすくなります。

観点日本実務で生じやすい発想米国商標での注意点
出願時の使用将来使用予定の商品・役務も広く指定しやすいです。Section 1(a)では出願時点の使用が必要です。Section 1(b)でも真正な使用意思を裏付ける資料が必要になります。
登録前の証拠出願時の使用証拠を意識しないことがあります。Specimenや使用日が登録可否、拒絶対応、後日の取消リスクに関係します。
登録後の維持登録を取得すれば安心と見られやすいです。登録後もSection 8、Section 9、Section 71、監査、TMA手続で継続使用が問われます。

使用主義であっても、連邦登録が不要になるわけではありません。Principal Register上の登録には、登録商標の有効性、登録、所有、指定商品・役務に関する独占的使用権の一応の証拠となる効果や、出願日を基準に全国的な優先権を主張しやすくするconstructive use、権利主張についてのconstructive noticeなど、実務上大きな利点があります。

米国商標実務で参照する法令・規則を一覧にすると、検討すべき根拠条文の位置づけが明確になります。この表では、出願、関連会社使用、登録維持、更新、譲渡、定義をどの条文で確認するかを読み取れます。

根拠主な論点企業法務での使い方
15 U.S.C. §1051Section 1(a)、Section 1(b)、Statement of Useなど出願根拠、使用意思、登録前の使用証明を検討します。
15 U.S.C. §1055関連会社による使用グループ会社、ライセンシー、代理店使用の帰属と品質管理を確認します。
15 U.S.C. §1057登録証の証拠効、constructive use連邦登録を取得する意味と優先権の説明に使います。
15 U.S.C. §1058、§1059使用宣誓、10年更新登録維持の期限管理とSpecimen準備に使います。
15 U.S.C. §1060商標譲渡、使用意思出願の譲渡制限M&Aや事業譲渡で営業上の信用とともに譲渡されているかを確認します。
15 U.S.C. §1127use in commerce、abandonmentなどの定義真正な使用、不使用、3年間不使用のリスクを確認します。
37 C.F.R. §2.34、§2.56、§2.88、§2.89出願根拠、Specimen、Statement of Use、延長申請USPTO手続で必要な提出内容と期限を確認します。
TMEPUSPTO審査実務審査官がSpecimen、商品・役務表示、拒絶理由をどう見るかを把握します。
Section 02

米国商標の出願根拠と実務対応

Section 1(a)、1(b)、44(d)、44(e)、66(a)を、使用証拠と期限管理から比較します。

米国商標出願では、出願根拠の選択が実務対応の分岐点になります。出願根拠はフォーム上の選択肢にとどまらず、使用証拠、登録までの時間、費用、補正可能性、虚偽宣誓リスク、海外出願戦略に影響します。

次の比較表は、5つの出願根拠について、出願時の使用、登録前の使用証拠、日本企業での注意点を並べたものです。どの根拠を選ぶかで、保存すべき資料と期限管理の重点が変わる点を読み取ることが重要です。

出願根拠典型場面出願時の使用登録前の使用証拠実務上の注意
Section 1(a)米国で既に商標を使用して販売・提供しています。必要です。出願時にSpecimen等が必要です。出願日現在の使用が真実かを厳格に確認します。商品・役務の一部だけ使用している場合、広すぎる指定はリスクになります。
Section 1(b)米国進出予定、販売準備中、ローンチ前です。不要です。登録前にAAUまたはSOUが必要です。bona fide intentを裏付ける事業計画、販売準備資料、契約交渉記録などを保存します。
Section 44(d)日本などの基礎出願から6か月以内に米国出願します。不要です。原則として出願時は不要ですが、登録には別途登録根拠が必要です。優先権期限、基礎出願の商品・役務との対応、名義整合性を確認します。
Section 44(e)日本などの外国登録を基礎に米国登録を目指します。不要です。登録前のSpecimenは通常不要です。登録後の維持では米国使用証拠が必要です。商品・役務の範囲は外国登録に制約されます。
Section 66(a)Madrid Protocol経由で米国を指定します。不要です。登録前のSpecimenは通常不要です。米国独自の審査、商品・役務補正制限、登録後のSection 71対応に注意します。

出願根拠を選ぶときは、米国で既に使用しているか、日本出願・登録があるか、国際登録を使うか、登録までの時間と証拠準備をどう設計するかを順に確認します。この判断の流れは、Section 1(a)を安易に選んで虚偽宣誓リスクを生まないために重要です。

出願根拠を選ぶための判断手順

米国で現実使用がありますか

米国顧客への販売、出荷、請求、サービス提供、購入可能な商品ページなどを確認します。

はい
Section 1(a)を検討します

使用中の商品・役務だけを指定し、出願日現在のSpecimenと使用日を確認します。

いいえ
使用意思または外国基礎を確認します

Section 1(b)、44(d)、44(e)、66(a)を比較し、登録までの証拠準備を設計します。

最終的に使用証拠を準備します

Section 1(b)ではAAUまたはSOU、44(e)や66(a)では登録維持時のSpecimenを意識します。

Section 1(a)では、出願時点で商標が米国商取引上使用されていること、最初の使用日、最初の商取引上の使用日、各区分のSpecimen、使用に関する宣誓などが問題になります。米国向けECサイトの公開だけで足りるか、英語ページ、展示会、サンプル送付が使用といえるかは、商品・役務との直接的関連と実際の取引で判断します。

Section 1(b)は、米国ローンチ前にブランドを確保し、審査を先に進められる点で有用です。ただし、単なる将来構想では足りず、商品開発、米国市場調査、販売計画、代理店交渉、広告案、予算承認、社内稟議、契約案など、使用意思を裏付ける資料を残す必要があります。

44(d)は外国出願に基づく優先権、44(e)は外国登録に基づく登録、66(a)はMadrid Protocol経由の米国指定です。これらは登録前のSpecimen提出を回避できる場面がありますが、米国で使わなくてもよいという意味ではありません。登録後の維持段階では、米国での使用証拠が問題になります。

Section 03

米国商標の使用証拠とSpecimen対応

商品、サービス、ウェブページ、加工画像のリスクを実務目線で整理します。

Specimenは、商標が実際に市場でどのように使われているかを示す証拠です。単なる添付資料ではなく、登録を支える使用事実の証拠として扱われます。不適切なSpecimenは拒絶理由になるだけでなく、監査、取消、詐欺主張、社内統制上の問題にもつながります。

商品とサービスでは、使用の見方が異なります。この比較表は、どの資料が商標と商品・サービスの関係を示しやすいか、どこに注意すべきかを確認するために重要です。

区分使用として評価されやすい資料注意点
商品商品そのもの、容器、包装、タグ、ラベル、販売時表示、商品ページ、注文フォームなどです。商品との直接的関連と購入・注文に結び付く表示が必要です。パッケージ写真だけでなく、米国商取引との関係も確認します。
サービスサービス紹介ページ、申込ページ、広告、パンフレット、提供画面、ログイン後画面、請求書や契約書の一部などです。単なる会社紹介やロゴ表示では弱い場合があります。サービス内容、申込方法、実提供の記録を組み合わせます。
ウェブページURLとアクセス日または印刷日が表示されたスクリーンショットやPDFが候補になります。商品名、価格、購入ボタン、注文方法、カート機能、サービス申込導線などが分かるように保存します。

米国向けEC、サービスページ、代理店サイトでは、見た目の表示だけでなく、実際の販売・提供との結び付きが問われます。次の一覧は、現場で保存すべき証拠を資料の性質ごとに分け、どの点を読み取るべきかを示します。

商品表示

商品写真、包装、ラベル、タグ、説明書を保存し、出願商標と表示態様が一致しているかを確認します。

販売ページ

ECページ、価格、購入ボタン、注文方法、URL、アクセス日を保存し、販売時表示として説明できるかを確認します。

取引証拠

注文書、請求書、領収書、配送記録、通関記録を保存し、米国商取引上の販売・輸送を示します。

広告・販促

広告画像、ランディングページ、パンフレット、SNS広告、展示会資料を保存し、サービスや継続使用の証拠にします。

提供記録

契約、利用ログ、請求、サポート履歴、申込画面を保存し、サービスが実際に提供されたことを示します。

承認・品質管理

ブランドガイドライン、承認メール、監査記録、サンプル検査を保存し、ライセンシー使用の帰属を支えます。

不適切なSpecimenの典型例を知っておくと、営業・マーケティング・ECチームから提出された資料をそのまま代理人に渡すリスクを避けやすくなります。この一覧では、拒絶や後日の取消リスクにつながりやすい資料を読み取れます。

資料の例リスクの理由代替確認の方向
ロゴを後から合成した商品画像実際の市場使用ではないデジタル加工画像と評価される可能性があります。実物写真、パッケージ、販売ページ、取引記録を確認します。
販売実態のない架空の商品ページ通常の取引過程での使用を示しません。実際に購入・注文可能なページと販売記録を保存します。
購入機能のない広告ページ商品について販売時表示として弱い場合があります。価格、購入手段、注文方法、カート機能を確認します。
指定商品とは異なる商品写真指定商品・役務との対応が崩れます。商品・役務ごとのSpecimenを整理します。
名刺やメール署名だけの資料サービス内容や提供との直接的関連が不明な場合があります。サービスページ、申込画面、提供資料と組み合わせます。
注意点後から作成した資料で過去の使用を補えない場合があります。Section 1(a)やStatement of Useでは、問題となる時点で適切な使用が存在していたかを確認する必要があります。
Section 04

米国商標の使用日・所有者・関連会社使用

使用日、名義、ライセンシー使用を後から検証できる状態にします。

Section 1(a)出願では、最初の使用日と最初の商取引上の使用日を申告します。日本での最初の使用日、社内準備日、展示会準備日、ウェブサイト公開日を、米国商取引上の使用日と混同しないことが重要です。使用日は、紛争、監査、取消手続、M&Aデューデリジェンスで検証される可能性があります。

使用日を確認する際は、社内資料だけでなく、販売、EC、物流、経理の客観資料を時系列でそろえます。この時系列は、どの証拠がどの段階の使用を支えるかを読み取るために重要です。

企画段階

使用意思資料を保存します

事業計画、予算承認、商品開発資料、米国市場調査、代理店交渉記録を残します。

ローンチ準備

表示態様と商品・役務を整えます

商標表示、商品・役務表示、パッケージ、広告、ECページ、サービス申込導線を出願内容と照合します。

初回取引

商取引上の使用を証拠化します

米国顧客への注文、請求、決済、配送、サービス提供、利用ログを保存します。

継続使用

商品・役務ごとに資料を更新します

四半期ごとや更新期限前に、現行ページ、販売実績、代理店資料、品質管理記録を確認します。

商標出願では、所有者が誰かを正しく特定する必要があります。企業グループでは、親会社、事業子会社、米国販売子会社、ブランド管理会社、製造会社、販売代理店が関与するため、名義ミスが起きやすくなります。出願人は、単に販売している者ではなく、商標の出所表示機能と営業上の信用を支配・管理している者として整理します。

関連会社やライセンシーによる使用を権利者の使用として扱うには、品質管理と契約関係が重要です。次の比較は、使用を権利者に帰属させるために契約と運用で何を確認するかを示します。

論点確認する内容実務資料
所有者ブランドの営業上の信用を誰が管理しているかを確認します。グループ方針、商標管理規程、出願承認記録
関連会社使用権利者が商品・サービスの性質・品質を管理しているかを確認します。品質基準、監査記録、承認メール
ライセンシー使用使用許諾範囲、品質管理、証拠提出、終了後の停止を契約化します。ライセンス契約、ブランドガイドライン、サンプル提出記録
代理店使用代理店が自己名義で出願しないこと、使用証拠を提出することを定めます。販売代理店契約、ECページ承認記録、売上資料
Section 05

米国商標の登録までの期限管理

Section 1(b)の流れ、AAU、SOU、延長申請を事業計画と連動させます。

使用意思出願では、出願、USPTO審査、Office Action対応、公告、異議申立期間、Notice of Allowance、Statement of Useまたは期限延長申請、登録という流れで進みます。Notice of Allowanceは登録証ではなく、そこから使用証拠提出または延長申請の期限管理が始まります。

次の時系列は、Section 1(b)出願でどの時点に何を準備するかを示します。ローンチ遅延や販売開始時期の変更が、USPTO期限にどう影響するかを読み取るために重要です。

出願

bona fide intentを確認します

米国で商取引上使用する真正な意思を、事業計画、開発資料、契約交渉記録などで支えます。

審査

Office Actionに対応します

応答期限は通常3か月で、一定の場合には有料で3か月延長できます。

公告

異議申立期間を管理します

公告後は第三者からの異議申立が問題になるため、競合状況とブランド使用計画を確認します。

Notice of Allowance後

SOUまたは延長申請を行います

原則として6か月以内にStatement of Useを提出するか、適切な延長申請を検討します。

出願後、公告前に使用を開始した場合はAmendment to Allege Useを検討し、Notice of Allowance後に使用を示す場合はStatement of Useを検討します。Statement of Useでは、所有者による使用、最初の使用日、使用中の商品・役務、Specimen、手数料などが問題になります。

使用開始が間に合わない場合は、Statement of Use提出期限の延長申請を行えます。ただし、継続的なbona fide intentが必要です。米国ローンチ遅延、製品認証、規制対応、サプライチェーン遅延、広告審査などがある場合、法務・知財部門は事業部門のローンチ計画とUSPTO期限を同時に管理します。

Section 07

米国商標の登録維持・不使用・TMA対応

Section 8、Section 9、Section 71、監査、不使用取消を一体で管理します。

米国商標登録はゴールではありません。USPTOは、登録後も商標を商取引で使用し、維持書類を提出する必要があると説明しています。米国販売の停止、商品ライン終了、代理店契約終了、SaaSの米国提供停止、ECページ閉鎖などは、登録維持に影響します。

登録維持の主要手続を時期ごとに整理すると、どのタイミングで使用証拠を棚卸しすべきかが分かります。この時系列は、更新直前に慌てて資料を探す状態を避けるために重要です。

登録後5年目から6年目

Section 8の使用宣誓を確認します

指定商品・役務ごとの現在使用、Specimen、未使用範囲の削除、特別事情による不使用を確認します。

10年ごと

Section 9更新と使用宣誓を連動させます

更新は単なる手数料納付ではなく、使用中の商品・役務とSpecimenの確認を伴います。

Madrid登録の維持

Section 71を管理します

登録前にSpecimenが不要でも、登録後の維持段階では米国使用証拠が必要になります。

監査・第三者手続

追加証拠に備えます

Post Registration AuditやTMA手続に備え、商品・役務単位の証拠を日常的に保存します。

Post Registration Audit Programでは、一定の登録について追加の商品・役務に関する使用証拠を求められることがあります。USPTOは、監査対象登録の50%超で商品・役務の取消・削除等があったと説明しています。この数字は、登録後の棚卸し不足が実務上頻繁に問題化していることを示します。

監査対応の要点出願時や更新時だけSpecimenを作るのではなく、販売終了品、旧サービス、廃止ページ、代理店管理ページまで含め、商品・役務ごとに使用証拠を継続保存する必要があります。

不使用がある場合、Lanham Act §1127上、商標の使用が中止され、使用再開の意思がないとabandonmentが問題になります。3年間継続して不使用である場合には、abandonmentの一応の証拠になります。ただし、個別事情により、使用再開意思や特別事情が問題になることがあります。

TMAに基づく取消制度は、広く登録して未使用部分を放置するリスクを高めています。USPTOは、TMAに基づく規則が2021年12月18日に施行され、未使用商標を登録簿から除去する仕組みが導入されたと説明しています。次の比較表は、expungementとreexaminationの違いを整理し、どの使用証拠を備えるべきかを読み取るためのものです。

手続対象主な趣旨時期の目安
Expungement一度も使用されていない商品・役務です。登録中の商品・役務について、商標が一度も使用されていない場合に削除を求めます。USPTO説明では通常3年から10年の範囲が示されます。
Reexamination使用ベースの登録等です。関連する基準日までに使用されていなかった商品・役務を問題にします。USPTO説明では通常5年以内が示されます。

TMA対応では、年1回以上のポートフォリオ棚卸し、未使用商品・役務の削除、使用予定がない区分の更新見送り、商品・役務単位の証拠保存、第三者請求を受けた場合の社内連絡ルート、販売代理店・米国子会社から証拠を迅速に取得できる契約条項が重要です。

Section 08

米国商標の虚偽宣誓リスクと日本企業の典型対応

不正確な出願・維持を避け、事業シナリオごとに証拠を準備します。

USPTOの出願実務では、出願人は各種事実について偽証罰のもとで宣誓・確認を行います。虚偽の陳述は、出願や登録を危険にさらす可能性があります。法務・知財部門は、営業、マーケティング、ECチームから提出された画像や資料をそのまま代理人へ渡さず、使用日、販売実績、ページ公開日、対象商品、販売地域、取引主体を確認する必要があります。

虚偽宣誓や不正確な出願のリスクは、典型例を先に把握しておくと発見しやすくなります。この一覧では、どの資料・判断が危険信号になりやすいかを読み取れます。

未使用範囲をSection 1(a)で指定

使用していない商品・役務を出願に含めると、拒絶、削除、取消、虚偽宣誓問題につながる可能性があります。

使用日を早く記載

社内資料、展示会準備日、ウェブ公開日を商取引上の使用日と混同しないようにします。

米国使用ではない資料を提出

日本国内販売や米国商取引との関係が弱い資料を米国使用として扱わないようにします。

加工画像を提出

実際の販売写真ではない資料をSpecimenとして出すと、後日大きな問題になり得ます。

維持時に未使用範囲を残す

使用停止済みの商品・役務を使用中として宣誓しないよう、提出前に棚卸しします。

品質管理のない関連使用

代理店・ライセンシー使用を権利者使用と扱うには、契約と品質管理の実態が重要です。

日本企業の米国展開では、ローンチ前、EC販売、販売代理店、SaaS、クラウドファンディング、M&Aで論点が変わります。次の比較表は、場面ごとに出願根拠、証拠、契約、DDのどこへ注意を向けるかを確認するために有用です。

シナリオ主な対応保存・確認する資料
米国ローンチ前の新ブランドSection 1(b)、44(d)、44(e)、66(a)を比較します。クリアランス調査、使用意思資料、ローンチ予定、広告・包装案
既に米国ECで販売Section 1(a)候補ですが、指定する全商品で使用があるか確認します。URL・アクセス日付きECページ、商品写真、注文履歴、請求・配送記録
米国販売代理店経由商標所有、使用許諾、品質管理、証拠取得を契約化します。代理店契約、使用証拠提出義務、ECページ承認、売上資料
SaaS・アプリダウンロード型とオンライン提供型を区別します。アプリストア、ログイン画面、利用規約、請求記録、利用ログ
クラウドファンディング・予約販売予約段階か販売段階か、商品完成・発送の有無を確認します。プロジェクトページ、支援記録、発送記録、返金条件、開発状況
M&A・事業譲渡登録番号だけでなく、使用実態と維持可能性をDDします。指定商品・役務、維持履歴、Specimen、TMA・TTAB、譲渡履歴、ライセンス
Section 09

米国商標の契約実務と証拠管理

ライセンス、代理店、OEM、共同開発、証拠保存SOPを連動させます。

米国商標の使用主義では、ライセンシーや販売代理店の使用を権利者の使用として適切に扱うため、品質管理が重要です。契約書には、単に商標使用を許諾する条項だけでなく、使用態様、品質管理、証拠提出、登録維持への協力を組み込む必要があります。

契約類型ごとに条項を整理すると、商標使用の実態と証拠取得をどこでコントロールするかが分かります。この表では、契約で定めるべきポイントと、米国登録維持へのつながりを読み取れます。

契約類型主な条項登録維持との関係
商標ライセンス許諾商標、商品・役務、地域、チャネル、期間、ロゴガイドライン、事前承認、品質基準、サンプル提出を定めます。ライセンシー使用を権利者使用として説明するため、品質管理と証拠提出を支えます。
販売代理店代理店による自己名義出願の禁止、ECページ承認、広告文言管理、使用証拠提出、終了後の使用停止を定めます。代理店の販売ページや広告がSpecimen候補になるため、資料取得を契約化します。
OEM・製造委託誰のブランドとして市場に出るか、品質管理、表示責任、製造者と販売者の関係を整理します。出所表示としての商標使用と権利者の品質管理を説明しやすくします。
共同開発・共同ブランド商標の所有、使用、出願、費用負担、終了後の使用、共同所有の扱いを明確にします。将来の出願人適格、使用意思、関連会社使用、共同ブランドの証拠管理に影響します。

®マークは、USPTOで連邦登録された後、登録された商品・役務について使用できます。出願中や未登録の段階で®を使うのは避ける必要があります。TMやSMの運用も、ブランドガイドラインに落とし込むと現場での誤使用を減らせます。

証拠管理は知財部門だけでは完結しません。営業、マーケティング、EC、物流、カスタマーサクセス、経理、法務、海外子会社、代理店が関与します。次のSOPは、どの時点で誰が証拠を保存するかを読み取るための運用例です。

新ブランド立ち上げ時

商標使用計画を作成します

法務、知財、マーケティング、営業が使用開始予定日、販売チャネル、証拠取得担当を決めます。

米国販売開始時

初回証拠を保存します

商品ページ、パッケージ写真、初回注文、請求、配送記録を保存します。

四半期ごと

使用状況を確認します

登録商標ごとの使用中商品・役務、ECページ、広告、代理店資料を更新します。

年1回

ポートフォリオを棚卸しします

未使用商品・役務を削除候補にし、Section 8/9/71期限の1年前にはSpecimenを確認します。

証拠類型ごとに保存目的を整理すると、出願、維持、監査、TMA、TTAB、M&Aのどの場面で役立つかが分かります。この一覧では、資料の種類と実務上の意味を対応させています。

証拠類型具体例実務上の意味
商品表示商品写真、包装、ラベル、タグ、説明書商品に商標が付されていることを示します。
販売ページECページ、価格、購入ボタン、URL、アクセス日販売時表示としてのSpecimen候補になります。
取引証拠注文書、請求書、領収書、配送記録、通関記録米国商取引上の販売・輸送を示します。
サービス提供証拠契約、利用ログ、請求、サポート履歴、申込画面サービスの実提供を示します。
承認・品質管理ブランドガイドライン、承認メール、監査記録、サンプル検査ライセンシー使用の帰属と品質管理を支えます。
登録維持Section 8/9/71提出資料、過去Specimen、USPTO通信維持履歴とリスク管理に必要です。
Section 10

米国商標の内部監査・代理人要件・運用体制

米国外企業の米国代理人要件と、部門横断の年間運用モデルを整理します。

米国商標の使用主義は、知財法務だけでなく、コンプライアンス・内部監査の対象にもなります。USPTOへの宣誓は、公的機関に提出する法的文書であり、虚偽・不正確な提出は企業信用に関わります。

内部監査で見るべき項目を整理すると、出願前、登録維持、代理人連携、証拠管理のどこに統制を置くべきかが分かります。この一覧は、監査項目を社内チェックに落とし込むために重要です。

出願根拠の承認

Section 1(a)、1(b)、44(d)、44(e)、66(a)の選択プロセスに承認記録があるかを確認します。

使用証拠の保存

Section 1(a)の使用証拠、Section 1(b)の使用意思資料、Specimenの真正性を確認します。

加工画像の禁止

デジタル加工画像や不正確な使用日を提出しないルールを整備します。

登録維持の棚卸し

未使用商品・役務を削除し、Section 8/9/71前に現行使用を確認します。

品質管理記録

ライセンシー・代理店使用について契約、承認、監査記録を保存します。

代理人連携

外部代理人への指示、提出資料の確認責任者、米国資格弁護士の選任を明確にします。

USPTOは、すべての出願人・登録者にdomicile addressを求め、米国外に住所を有する出願人・登録者・TTAB当事者について、米国資格弁護士による代理を必要とすると説明しています。日本企業では、日本側の弁理士・弁護士だけで完結せず、米国資格弁護士との役割分担を設計します。

役割分担を一覧にすると、どの部門が商標使用と証拠保存の責任を持つかが明確になります。この表は、単独担当者に依存しない体制を作るために重要です。

役割主な責任
経営層米国ブランド戦略、リスク許容度、予算承認を担います。
法務担当・企業内弁護士出願方針、契約、証拠管理、代理人連携、紛争対応を担います。
知財担当・弁理士商標調査、商品・役務設計、出願・維持、ポートフォリオ管理を担います。
米国弁護士USPTO手続、拒絶対応、TTAB、TMA、訴訟、米国法助言を担います。
営業・海外事業販売開始日、販売チャネル、代理店管理、使用証拠提供を担います。
マーケティング・EC・IT広告、ウェブページ、ブランド表示、URL、アクセス日、ログ、アカウント管理を担います。
経理・物流請求書、決済、配送、通関、販売実績証拠を担います。
コンプライアンス・内部監査虚偽提出防止、証拠保存、運用監査を担います。
M&A担当商標DD、表明保証、移転、PMIを担います。

年間運用モデルを定めると、米国商標の使用証拠が更新時だけの作業にならず、日常業務に組み込まれます。この時系列は、月次、四半期、半期、年次、期限前、M&A時の確認を読み取るためのものです。

毎月

新商品・新サービスを確認します

ブランド変更、商標表示、商品・役務範囲、米国ローンチ予定を確認します。

四半期ごと

米国使用証拠を保存します

ECページ、広告、サービス画面、販売記録、URL、アクセス日を保存します。

半期ごと

代理店・ライセンシー資料を取得します

販売ページ、広告、品質管理、売上資料、使用証拠を受領します。

年1回

ポートフォリオを棚卸しします

未使用商品・役務、更新対象、削除候補、TMAリスクを確認します。

期限1年前・M&A時

維持可能性と資産価値を確認します

Section 8/9/71、商標使用実態、登録範囲、表明保証、移転手続を確認します。

専門職別の視点も重要です。弁護士・企業内弁護士は、契約、表明保証、広告規制、証拠保全、紛争、内部統制の問題として捉えます。外部弁護士・米国弁護士は、出願・拒絶対応、使用証拠の法的十分性、TTAB・TMA・連邦訴訟、商標ライセンス、M&A DDを支援します。弁理士・知財法務担当は、商標調査、出願根拠、商品・役務表示、Specimen、維持を主導します。コンプライアンス・内部監査は、不正確な提出や代理店資料の検証を確認します。M&A、会計、税務の担当者は、登録範囲と使用範囲の一致、登録維持可能性、係争・取消リスクを確認します。

Section 11

米国商標の実務チェックリスト

出願前、ローンチ時、登録維持、紛争・取消対応で確認します。

米国商標の使用主義は、判断時点ごとに確認すべき資料が変わります。次のチェックリストは、実務の抜け漏れを防ぎ、社内担当者と外部代理人が同じ前提で資料を確認するために使えます。

出願前チェック

  • 米国で既に使用しているか、使用予定かを確認します。
  • Section 1(a)、1(b)、44(d)、44(e)、66(a)の候補を比較します。
  • 先行商標調査を行います。
  • 商品・役務表示を米国実務に合わせて整理します。
  • 出願人名義と商標所有者を確認します。
  • 関連会社・代理店使用の帰属を確認します。
  • Section 1(a)の場合、出願時点のSpecimenを確認します。
  • Section 1(b)の場合、bona fide intentを裏付ける資料を保存します。
  • 日本出願・登録を使う場合、範囲と期限を確認します。
  • 米国資格弁護士の代理が必要か確認します。

ローンチ時チェック

  • 商品、パッケージ、タグ、ラベルに出願商標と一致する表示があるか確認します。
  • ECページに価格、購入ボタン、注文方法があるか確認します。
  • サービスページにサービス内容、申込方法、商標表示があるか確認します。
  • ウェブページのURL・アクセス日付きスクリーンショットを保存します。
  • 初回米国販売の請求書・配送記録を保存します。
  • 販売代理店・ライセンシーから証拠を取得します。
  • TM、SM、®表示のルールを確認します。

登録維持チェック

  • 登録ごとに指定商品・役務の使用状況を棚卸しします。
  • 使用していない商品・役務を削除候補にします。
  • 各区分のSpecimenを保存します。
  • Section 8、Section 9、Section 71の期限を管理します。
  • Post Registration Auditに備えて追加証拠を準備できる状態にします。
  • 販売終了商品・終了サービスの扱いを決めます。
  • M&A、事業譲渡、ブランド変更の影響を確認します。

紛争・取消対応チェック

  • 先使用日・使用継続を示す証拠を収集します。
  • 指定商品・役務ごとの使用証拠を整理します。
  • ライセンシー使用の品質管理証拠を確認します。
  • 不使用期間がある場合、理由と再開意思を示す資料を整理します。
  • TMA、TTAB、連邦訴訟のどの手続か確認します。
  • 米国弁護士と証拠提出方針を協議します。
Section 12

米国商標の使用主義に関するFAQ

よくある誤解を、一般的な制度説明として整理します。

Q1. 米国では、商標を使っていないと出願できないのですか。

一般的には、使用していなくてもSection 1(b)の使用意思出願、Section 44(d)、Section 44(e)、Section 66(a)などのルートがあります。ただし、米国商標制度の根本には使用主義があり、最終的な登録または登録維持の場面で使用が問題になります。具体的な出願方針は、商品・役務や使用予定時期により専門家へ相談する必要があります。

Q2. 日本で商標登録していれば、米国で使っていなくても米国登録できますか。

一般的には、Section 44(e)により外国登録を基礎として米国登録を取得できる場合があります。ただし、登録後の維持段階では米国での使用証拠が必要になります。商品・役務の範囲や維持可能性は個別事情で変わります。

Q3. 米国で販売予定があるだけなら、どの出願根拠を検討しますか。

一般的には、Section 1(b)や、基礎となる日本出願・登録がある場合の44(d)、44(e)、Madrid経由の66(a)を検討します。ただし、使用開始予定時期、日本出願・登録の有無、商品・役務範囲、費用、補正柔軟性で判断が変わります。

Q4. 米国向けウェブサイトを公開していれば、使用になりますか。

一般的には、ウェブサイト公開だけでは足りない場合があります。商品については購入・注文可能な販売時表示、サービスについてはサービスとの直接的関連と実提供が重要です。URLとアクセス日付きのスクリーンショット、取引記録、提供記録を保存します。

Q5. AmazonやECモールの商品ページはSpecimenになりますか。

一般的には、Specimenになり得ます。ただし、商品との直接的関連、商標表示、購入可能性、販売者・正規性、URL・アクセス日などが重要です。画像加工や販売実態のないページはリスクがあります。

Q6. 展示会で商標を表示しただけで使用になりますか。

一般的には、展示会での表示だけで通常の取引過程における使用といえるとは限りません。注文受付、販売、サービス提供、米国商取引との関係によって判断が変わります。具体的には、関連資料を整理して専門家へ相談する必要があります。

Q7. サンプルを米国に送れば使用になりますか。

一般的には、単なるサンプル送付だけでは不十分な場合があります。通常の取引過程における販売・輸送か、試供・準備行為かによって評価が変わります。

Q8. 一回だけ米国の知人に販売すれば使用になりますか。

一般的には、権利確保目的の名目的・形式的な取引はリスクがあります。Lanham Actでは通常の取引過程における真正な使用が問題になります。販売チャネル、顧客、反復性、商業的実態を確認します。

Q9. Section 1(a)で出願した後、使用していなかった商品があるとどうなりますか。

一般的には、拒絶、補正、登録範囲削除、登録後取消、虚偽宣誓問題などにつながる可能性があります。使用していない商品・役務は、出願前または手続中に整理する必要があります。

Q10. Specimenはどの時点のものが必要ですか。

一般的には、Section 1(a)では出願時点での使用、Statement of Useでは提出期限内の使用が問題になります。後から作成した資料で過去の使用を補えない場合があります。

Q11. ウェブページのスクリーンショットには何が必要ですか。

一般的には、URLとアクセス日または印刷日が必要です。商品ページでは、商標、商品、価格、購入・注文手段が分かることが重要です。

Q12. 登録後、使わなくなった商品を登録に残してよいですか。

一般的には、登録維持時や監査、TMA手続で問題になる可能性があります。使用していない商品・役務は削除を検討する必要があります。

Q13. 3年間使っていないと必ず商標権は消えますか。

一般的には、Lanham Act上、3年間の不使用はabandonmentの一応の証拠になります。ただし、使用再開意思や特別事情などにより評価が変わる可能性があります。個別の見通しは専門家へ相談する必要があります。

Q14. ライセンシーや販売代理店の使用は、自社の使用になりますか。

一般的には、適切な品質管理と契約関係があれば、関連会社・ライセンシー等の使用が権利者に帰属し得ます。ただし、品質管理のない使用はリスクがあります。

Q15. 米国出願は日本の弁理士だけでできますか。

一般的には、日本企業など米国外に住所を有する出願人・登録者は、USPTO実務上、米国資格弁護士による代理が必要です。日本側専門家と米国代理人が連携する体制を検討します。

Q16. ®マークはいつ使えますか。

一般的には、USPTOで連邦登録された後、登録された商品・役務について使用できます。出願中や未登録の段階で®を使うのはリスクがあります。

Q17. Madrid経由で米国登録した場合、Specimenは不要ですか。

一般的には、登録前には通常不要です。ただし、登録後の維持段階では米国での使用証拠が必要になります。Section 71対応を期限管理に入れる必要があります。

Q18. 米国商標の費用はどのように見積もりますか。

一般的には、区分数、出願根拠、自由記載の有無、Office Action、Statement of Use、延長申請、登録維持、米国代理人費用により変動します。USPTO公式手数料表は変更されるため、出願時点で最新情報を確認します。

Q19. M&Aで米国商標登録があると言われたら、何を確認しますか。

一般的には、登録番号だけでなく、指定商品・役務ごとの使用実態、Specimen、維持手続、監査、TMA・TTAB手続、譲渡履歴、ライセンス、品質管理、使用停止商品を確認します。

Q20. 米国商標の使用主義と実務対応で、最も重要な社内ルールは何ですか。

一般的には、出願前に使用実態と使用予定を確認し、登録後も商品・役務ごとの使用証拠を継続保存するルールが重要です。法務・知財・営業・マーケティング・EC・物流・代理店管理の共通業務に落とし込む必要があります。

Section 13

米国商標の使用主義と実務対応のまとめ

登録を取る作業から、使用を継続管理する運用へ切り替えます。

米国商標の使用主義と実務対応の本質は、登録を取ることだけではなく、市場での真正な使用を法的に説明できる形で継続管理することです。出願前のブランド調査、出願根拠の選択、商品・役務表示、Specimen、使用日、所有者、関連会社使用、登録維持、監査、TMA、M&A、ライセンス、証拠保全は、一つの実務としてつながっています。

最後に、米国市場でブランドを守るための3つの姿勢を整理します。この一覧は、出願担当者だけでなく、事業部門、管理部門、経営層が共通して持つべき運用方針を読み取るために重要です。

01

使用を中心に設計します

将来構想だけで広く出願せず、実際に使う商品・役務、使用予定、証拠取得可能性を前提に出願します。

02

使用証拠を日常業務として保存します

Specimenは出願や更新の直前に作るものではありません。商品ページ、販売記録、パッケージ、広告、提供資料を継続保存します。

03

法務・知財・事業部門・米国代理人が一体で動きます

米国商標の使用主義は、契約、内部統制、M&A、コンプライアンスまで含む企業法務の総合課題として運用します。

Reference

参考資料

法令、規則、USPTO公式資料を中心に確認しています。

米国法令・規則

  • 15 U.S.C. §1127 Definitions、use in commerce、abandonment
  • 15 U.S.C. §1051 Application for registration、verification、statement of use
  • 15 U.S.C. §1055 Use by related companies affecting validity and registration
  • 15 U.S.C. §1057 Certificates of registration、prima facie evidence、constructive use
  • 15 U.S.C. §1058 Declarations of continued use or excusable nonuse
  • 15 U.S.C. §1059 Renewal of registration
  • 15 U.S.C. §1060 Assignment
  • 15 U.S.C. §1072 Registration as constructive notice of claim of ownership
  • 37 C.F.R. §2.34 Bases for filing a trademark or service mark application
  • 37 C.F.R. §2.56 Specimens
  • 37 C.F.R. §2.88 Statement of use after notice of allowance
  • 37 C.F.R. §2.89 Extensions of time for filing a statement of use

USPTO公式資料

  • Trademark Manual of Examining Procedure
  • Application filing basis
  • Specimen refusal and how to overcome refusal
  • Intent-to-use applications
  • Section 1(b) timeline、Application based on intent to use
  • Goods and services
  • Federal trademark searching
  • Likelihood of confusion
  • Keeping your registration alive
  • Post registration audit program
  • Requesting an expungement or reexamination proceeding
  • Trademark Modernization Act materials
  • USPTO fee schedule
  • Summary of 2025 trademark fee changes
  • Trademark rule requires foreign applicants and registrants to have a U.S.-licensed attorney
  • What is a trademark? Trademark symbols