2σ Guide

主婦の休業損害は
1日いくらで計算するか

自賠責基準の6,100円と、賃金センサスを使う裁判基準型の日額約11,975円を比較し、休業日数・休業割合・証拠化まで一つずつ整理します。

6,100円自賠責基準の原則日額
約11,975円令和7年賃金センサス型の目安
4,370,700円女性労働者平均の年収額
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主婦の休業損害は 1日いくらで計算するか

自賠責基準の6,100円と、賃金センサスを使う裁判基準型の日額約11,975円を比較し、休業日数・休業割合・証拠化まで一つずつ整理します。

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主婦の休業損害は 1日いくらで計算するか
自賠責基準の6,100円と、賃金センサスを使う裁判基準型の日額約11,975円を比較し、休業日数・休業割合・証拠化まで一つずつ整理します。
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  • 主婦の休業損害は 1日いくらで計算するか
  • 自賠責基準の6,100円と、賃金センサスを使う裁判基準型の日額約11,975円を比較し、休業日数・休業割合・証拠化まで一つずつ整理します。

POINT 1

  • 主婦の休業損害は1日いくらか ― まず全体像をつかむ
  • 自賠責基準と賃金センサス日額の差、そして日数・割合の重要性を先に確認します。
  • 家事従事者も対象になり得る
  • 計算は三要素で見る
  • 証拠が金額を左右する

POINT 2

  • 主婦の休業損害で対象になる家事従事者の範囲
  • 専業主婦だけでなく、兼業、主夫、高齢者、育児・介護を担う人も個別事情で検討されます。
  • 実務上の中心は、家族のために日常的・継続的に家事を担っていた家事従事者かどうかです。

POINT 3

  • 賃金センサスで主婦の休業損害日額を計算する方法
  • 令和7年公表値を使った日額約11,975円の内訳を、式と表で確認します。
  • 賃金センサスは、厚生労働省の賃金構造基本統計調査の通称です。
  • 示談交渉や計算書では円未満を四捨五入して表示することがありますが、どの年度のどの統計表を使ったかを明示することが重要です。
  • 賃金センサスは毎年変動します。

POINT 4

  • 主婦の休業損害は自賠責基準と裁判基準型でどれだけ違うか
  • 6,100円と約11,975円の差は、休業期間が長いほど大きくなります。
  • 自賠責基準と裁判基準型では、同じ休業日数でも金額が大きく変わります。
  • たとえば60日、休業割合100パーセントで単純計算すると、次のような差になります。
  • ただし、自賠責には傷害部分の支払限度額があり、治療費、慰謝料、通院交通費、文書料なども同じ枠内で問題になります。

POINT 5

  • 主婦の休業損害額は日額・日数・割合で決まる
  • 1. 通院実日数を確認:診察、リハビリ、移動、待ち時間により家事へ支障が出た日を確認します。
  • 2. 治療期間中の支障を確認:通院していない日にも、痛み、固定、可動域制限、めまい、しびれなどで家事が制限されたかを見ます。
  • 3. 段階的な割合で整理:事故直後は高く、回復に応じて下げるなど、生活実態に近い形で計算することがあります。

POINT 6

  • 主婦の休業損害で休業日数と休業割合をどう見るか
  • 1. 家事不能に近い時期:安静、強い痛み、固定、移動困難などがある場合、100パーセントに近い評価が問題になります。
  • 2. 制限つきで家事を再開する時期:簡単な料理や洗濯はできても、重い買い物、掃除機、風呂掃除、育児・介護動作が難しい場合があります。
  • 3. 残る支障を限定して見る時期:症状が軽くなっても、長時間作業や重い物の運搬など一部の家事に支障が残ることがあります。

POINT 7

  • 主婦の休業損害は休業割合の立証が重要
  • 医療記録、生活メモ、家族の代替記録、領収書を早めに残します。
  • 休業割合は、事故前の家事を100としたとき、事故後にどの程度できなくなったかを表すものです。
  • 抽象的な説明より、いつ、どの家事が、なぜ、どの程度できなかったかが重視されます。
  • 「痛い」だけでなく、鍋を持てない、掃除機で痛みが増す、洗濯物を干せないなど、症状と家事動作の関係を伝えます。

POINT 8

  • 主婦の休業損害では家事内容を動作別に説明する
  • 「家事ができない」ではなく、炊事・洗濯・掃除・育児・介護ごとに支障を整理します。
  • けがの部位と家事動作の関係を説明できなければ、休業割合は低く評価されやすくなります。
  • 首、腰、肩、手首、膝、頭部症状、めまい、不安症状などは、それぞれ家事の違う場面に影響します。
  • 乳幼児、要介護者、障害のある家族、高齢の配偶者がいる場合は、通常の家事より負担が重くなります。

まとめ

  • 主婦の休業損害は 1日いくらで計算するか
  • 主婦の休業損害は1日いくらか ― まず全体像をつかむ:自賠責基準と賃金センサス日額の差、そして日数・割合の重要性を先に確認します。
  • 主婦の休業損害で対象になる家事従事者の範囲:専業主婦だけでなく、兼業、主夫、高齢者、育児・介護を担う人も個別事情で検討されます。
  • 賃金センサスで主婦の休業損害日額を計算する方法:令和7年公表値を使った日額約11,975円の内訳を、式と表で確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

主婦の休業損害は1日いくらか ― まず全体像をつかむ

自賠責基準と賃金センサス日額の差、そして日数・割合の重要性を先に確認します。

交通事故で料理、洗濯、掃除、育児、介護、買い物などの家事ができなくなった場合、給与収入がない専業主婦・専業主夫でも休業損害が問題になります。家事労働には、外部サービスへ置き換えれば費用が発生する経済的価値があるためです。

結論自賠責基準では原則1日6,100円、裁判基準型では賃金センサスを使った目安として1日約11,975円が問題になります。ただし最終額は、日額だけでなく休業日数と休業割合で大きく変わります。
POINT 01

家事従事者も対象になり得る

自賠責支払基準でも、家事従事者は休業による収入減少があったものとみなす考え方が示されています。

POINT 02

計算は三要素で見る

基礎日額 × 休業日数 × 休業割合で整理します。単価だけを見ても、妥当な金額は判断できません。

POINT 03

証拠が金額を左右する

通院日だけでなく、治療期間中にどの家事がどの程度できなかったかを、医療記録や生活メモで説明することが重要です。

基準1日あたりの目安実務上の位置づけ
自賠責基準6,100円最低限度の支払基準として扱われることが多く、家事従事者も対象に含まれます
裁判基準型約11,975円令和7年賃金構造基本統計調査の女性労働者平均賃金を365日で割る計算が典型です
Section 01

主婦の休業損害で対象になる家事従事者の範囲

専業主婦だけでなく、兼業、主夫、高齢者、育児・介護を担う人も個別事情で検討されます。

このページでいう「主婦」は、性別に固定された概念ではありません。実務上の中心は、家族のために日常的・継続的に家事を担っていた家事従事者かどうかです。

類型休業損害の考え方
専業主婦・専業主夫賃金センサス女性労働者平均賃金を基礎にすることが多いです
兼業主婦・兼業主夫実収入と家事労働評価の関係を整理し、二重計上にならないよう検討します
高齢の家事従事者家族のための家事実態があれば問題になりますが、年齢別平均賃金や割合調整が争点になりやすいです
育児・介護を担う人負担が重く、休業割合や休業期間の立証が特に重要になります
一人暮らしの人自分自身の生活維持行為だけの場合、家事従事者の休業損害とは別の費目で検討されやすいです

単に「家事ができなかった」と述べるだけでは弱く、誰のために、どの家事を、事故前にどの程度担っていたかを具体化する必要があります。

Section 02

賃金センサスで主婦の休業損害日額を計算する方法

令和7年公表値を使った日額約11,975円の内訳を、式と表で確認します。

賃金センサスは、厚生労働省の賃金構造基本統計調査の通称です。主婦の休業損害では、女性労働者、学歴計、全年齢、産業計、企業規模計の平均賃金を使い、年収額から基礎日額を求める考え方がよく用いられます。

計算式年収額 = きまって支給する現金給与額 × 12か月 + 年間賞与その他特別給与額
基礎日額 = 年収額 ÷ 365日
項目令和7年の数値
きまって支給する現金給与額304,700円
年間賞与その他特別給与額714,300円
年収額4,370,700円
日額約11,975円

計算式は、304,700円×12か月+714,300円=4,370,700円、4,370,700円÷365日=11,974.52円です。示談交渉や計算書では円未満を四捨五入して表示することがありますが、どの年度のどの統計表を使ったかを明示することが重要です。

調査年きまって支給する現金給与額年間賞与その他特別給与額年収額日額目安
令和5年、2023年280,700円628,100円3,996,500円約10,949円
令和6年、2024年293,900円667,600円4,194,400円約11,492円
令和7年、2025年304,700円714,300円4,370,700円約11,975円

賃金センサスは毎年変動します。令和6年の日額約11,492円と令和7年の日額約11,975円では、1日あたり約483円の差があります。休業日数が100日であれば、単純計算で約48,300円の差になります。

年度選択事故日、休業期間、症状固定日、損害額算定時、請求時に利用できる資料のどれを重視するかが問題になることがあります。相談段階では、最新の目安と事故当時に近い年度の両方を確認しておくと整理しやすくなります。
Section 03

主婦の休業損害は自賠責基準と裁判基準型でどれだけ違うか

6,100円と約11,975円の差は、休業期間が長いほど大きくなります。

自賠責基準と裁判基準型では、同じ休業日数でも金額が大きく変わります。たとえば60日、休業割合100パーセントで単純計算すると、次のような差になります。

基準計算例金額
自賠責基準6,100円×60日366,000円
裁判基準型の目安11,975円×60日718,500円

ただし、自賠責には傷害部分の支払限度額があり、治療費、慰謝料、通院交通費、文書料なども同じ枠内で問題になります。自賠責基準では、立証資料等により1日6,100円を超えることが明らかな場合、法令上の上限額である1日19,000円まで実額を認める枠組みもあります。任意保険会社の初回提示が自賠責基準や通院実日数だけを前提にしている場合でも、それが最終的に妥当な金額とは限りません。

自賠責基準
51%
裁判基準型
100%
60日で比較した場合の単純な金額差を割合で表しています。
Section 04

主婦の休業損害額は日額・日数・割合で決まる

通院実日数方式、治療期間方式、段階的割合方式を使い分けて検討します。

主婦の休業損害は、日額が分かれば終わりではありません。実際には、家事ができなかった日数と、家事制限の程度を合わせて考えます。

基本式主婦の休業損害 = 基礎日額 × 休業日数 × 休業割合
要素内容争点になりやすい点
基礎日額1日あたりの家事労働価値自賠責6,100円か、賃金センサス日額か
休業日数家事ができなかった日数通院実日数だけか、治療期間全体か、段階的に見るか
休業割合家事不能・家事制限の程度100パーセント、50パーセント、10パーセントなどの根拠

休業日数を考える順番

通院実日数を確認

診察、リハビリ、移動、待ち時間により家事へ支障が出た日を確認します。

治療期間中の支障を確認

通院していない日にも、痛み、固定、可動域制限、めまい、しびれなどで家事が制限されたかを見ます。

段階的な割合で整理

事故直後は高く、回復に応じて下げるなど、生活実態に近い形で計算することがあります。

Section 05

主婦の休業損害で休業日数と休業割合をどう見るか

通院日だけではなく、治療期間中の生活支障を段階的に整理します。

段階的割合方式は、事故直後から治療終了まで同じ割合で見るのではなく、回復の過程を反映しやすい方法です。むち打ち、腰椎捻挫、打撲、関節痛、骨折後の回復過程などで問題になりやすい考え方です。

期間日数休業割合計算金額
事故後30日30日100パーセント11,975円×30×1.0359,250円
次の60日60日50パーセント11,975円×60×0.5359,250円
次の90日90日20パーセント11,975円×90×0.2215,550円
合計180日934,050円
初期

家事不能に近い時期

安静、強い痛み、固定、移動困難などがある場合、100パーセントに近い評価が問題になります。

回復期

制限つきで家事を再開する時期

簡単な料理や洗濯はできても、重い買い物、掃除機、風呂掃除、育児・介護動作が難しい場合があります。

終盤

残る支障を限定して見る時期

症状が軽くなっても、長時間作業や重い物の運搬など一部の家事に支障が残ることがあります。

Section 06

主婦の休業損害は休業割合の立証が重要

医療記録、生活メモ、家族の代替記録、領収書を早めに残します。

休業割合は、事故前の家事を100としたとき、事故後にどの程度できなくなったかを表すものです。抽象的な説明より、いつ、どの家事が、なぜ、どの程度できなかったかが重視されます。

資料何を示すか
診断書、診療録、画像所見けがの内容、治療経過、医学的制限
通院履歴、リハビリ記録症状の継続性、回復過程
医師の安静指示、装具装着の記録家事不能または制限の医学的根拠
住民票、母子手帳、介護資料家族構成と家事負担の重さ
家事分担表、生活メモ事故前後の変化
家事代行、宅配、惣菜購入、タクシーの領収書代替費用や外部化された家事
家族の陳述書誰がどの家事を代替したか
写真、動画、日記可動域制限、装具、生活支障の具体性
1

医師へ家事動作を具体的に伝える

「痛い」だけでなく、鍋を持てない、掃除機で痛みが増す、洗濯物を干せないなど、症状と家事動作の関係を伝えます。

医療記録生活支障
2

家族の代替を記録する

家族が無償で代替した場合でも、誰が何を代わったかは家事支障の資料になります。

代替家事陳述
3

増えた支出を保存する

宅配、家事代行、タクシー、コインランドリーなどは、家事支障を裏付ける資料になります。

領収書補助資料
Section 07

主婦の休業損害では家事内容を動作別に説明する

「家事ができない」ではなく、炊事・洗濯・掃除・育児・介護ごとに支障を整理します。

けがの部位と家事動作の関係を説明できなければ、休業割合は低く評価されやすくなります。首、腰、肩、手首、膝、頭部症状、めまい、不安症状などは、それぞれ家事の違う場面に影響します。

家事内容事故後に問題になりやすい動作
炊事包丁を握る、鍋を持つ、前かがみ、長時間立つ
洗濯洗濯かごを持つ、干す、取り込む、畳む
掃除掃除機、雑巾がけ、風呂掃除、トイレ掃除
買い物歩行、運転、荷物の持ち運び
育児抱っこ、授乳姿勢、入浴介助、送迎
介護移乗介助、見守り、通院付き添い、食事介助
家計管理買い出し計画、支払い、手続、電話対応

乳幼児、要介護者、障害のある家族、高齢の配偶者がいる場合は、通常の家事より負担が重くなります。家族構成と家事負担の関係も、休業割合の評価に影響します。

Section 08

兼業主婦・高齢主婦・主夫の休業損害で変わる点

性別や収入の有無だけでなく、実際の家事負担と重複調整を確認します。

兼業主婦やパート主婦では、給与収入の減少と家事労働の支障が重なります。この場合、実収入の損害と家事労働評価を単純に二重加算するのではなく、生活実態に即して基礎収入を検討します。

事故前の状態基礎収入の検討
週3日パート、家事の大半を担当女性平均賃金を基礎にする主張が考えられることがあります
フルタイム勤務で家事も相当程度担当実収入が高ければ実収入を基礎にし、家事部分との重複を整理します
自営業をしながら家事を担当事業所得の減少、家事労働、代替労働費を分けて検討します
パート収入の減少が小さいが家事支障が大きい家事従事者としての損害を主張する余地があります

高齢の家事従事者でも、配偶者の食事、掃除、洗濯、通院付き添いなどを日常的に担っていた場合、家事労働の価値は問題になります。ただし、全年齢平均賃金をそのまま使うか、年齢別平均賃金や割合調整を行うかは争点になりやすいです。

Section 09

一人暮らしの場合の主婦休損は別整理が必要

自分の生活維持行為と、家族のために提供する家事労働は区別されます。

一人暮らしの人が事故で食事、掃除、洗濯をできなくなった場合、生活上の支障があることは明らかです。ただし、家族のための家事労働とは異なり、主婦休損として扱うか、家事代行費などの実費として扱うか、慰謝料の事情として見るかを慎重に整理します。

整理 01

家事代行費などの実費

実際に家事代行、配食、介護サービスなどを利用した場合、必要性と相当性を前提に積極損害として検討されます。

整理 02

生活上の不便

日常生活の不便や苦痛は、慰謝料の評価事情として問題になることがあります。

整理 03

家族のための家事と区別

自分自身の生活維持行為だけの場合、家族へ提供する家事労働とは評価が分かれやすいです。

Section 10

主婦の休業損害を保険会社が低く見るときの反論整理

よくある反論を、基準・生活実態・医療記録に分けて検討します。

主婦の休業損害では、保険会社から典型的な反論を受けることがあります。反論を受けたときは、感情的に争うより、基準、事実、資料に分けて整理することが重要です。

保険会社の反論検討ポイント
収入がないので休業損害はない自賠責支払基準でも家事従事者は収入減少があったものとみなされます
通院日だけしか認めない家事支障は通院日以外にも発生します。治療期間と症状を具体化します
むち打ちだから家事不能はない頚部痛、頭痛、可動域制限、しびれが家事動作へどう影響したかを示します
家族が代わりにやっただけで費用は出ていない家族の無償代替は損害不存在を意味しません。代替の事実を記録します
パート収入の減少がない家事従事者としての支障は別途評価され得ます
高齢だから低く見るべき年齢は考慮要素ですが、家事実態があれば損害は問題になります
事故前から症状があった既往症、加齢変性、事故後悪化の因果関係を医療記録で整理します
Section 11

主婦の休業損害の計算例で金額差を確認する

頚椎捻挫、手首骨折、兼業主婦の例で、日額・期間・割合の効き方を見ます。

実際の計算では、日額、期間、割合を具体的に置いて比較します。以下は理解のための単純化した例です。実際の事案では、けがの内容、治療経過、医師の指示、過失割合、既払金などで結果が変わります。

事案計算金額
専業主婦、頚椎捻挫、通院3か月11,975円×30日×0.5+11,975円×60日×0.2323,325円
手首骨折、ギプス固定45日、リハビリ75日11,975円×45日×0.8+11,975円×75日×0.4790,350円
兼業主婦、パート収入減80,000円、家事支障60日30パーセント家事部分は11,975円×60日×0.3=215,550円。勤務時間との重複を整理します事案ごとに調整

頚椎捻挫の例で自賠責基準の通院実日数25日だけを見ると、6,100円×25日=152,500円です。通院日以外の家事支障をどこまで示せるかで、請求額には大きな差が出ます。

Section 12

主婦の休業損害を示談前に確認するチェックリスト

治療中の損害、症状固定後の損害、慰謝料、過失割合を混同しないことが大切です。

示談前には、休業損害だけでなく、後遺障害逸失利益、慰謝料、過失割合、税務上の一般的注意も合わせて確認します。休業損害は治療中の損害であり、症状固定後に残る支障とは区別されます。

項目対象期間内容
休業損害事故後から治療終了・症状固定まで治療中に家事労働が制限された損害
後遺障害逸失利益症状固定後の将来後遺障害により将来の家事労働能力が低下する損害
慰謝料事故後の精神的苦痛家事ができずつらかった事情は慰謝料にも関係しますが、休業損害とは性質が異なります
過失相殺損害全体被害者側にも過失がある場合、最終的な回収見込みが変わります
確認項目見るべきこと
家事従事者としての実態家族構成、事故前の分担、育児・介護の有無
事故後の支障できなくなった家事、通院日以外の支障、家族の代替
医療記録症状、装具、可動域制限、医師への説明
計算根拠賃金センサス日額、休業日数、休業割合
提示額の根拠自賠責基準だけになっていないか、弁護士費用特約の有無
FAQ

主婦の休業損害でよくある質問

FAQは一般的な制度説明です。個別の見通しは事故態様や証拠関係により変わります。

専業主婦で収入がありません。それでも請求の対象になりますか。

一般的には、家事従事者として家族のために家事を担っていた場合、休業損害の対象になり得るとされています。ただし、家事従事の実態、けがによる支障、休業日数、休業割合によって結論は変わります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

1日6,100円と11,975円のどちらが正しいのですか。

一般的には、6,100円は自賠責基準、約11,975円は最新公表の賃金センサスを使った裁判基準型の目安として説明されます。どちらを前提に主張するかは、交渉段階、証拠、相手方の提示内容で変わる可能性があります。

通院した日だけしか認められませんか。

一般的には、通院日だけに限られない可能性があります。通院していない日にも、痛み、固定、可動域制限、めまい、しびれなどで家事が制限されることがあるためです。ただし、治療経過や生活支障の資料によって判断が変わります。

パートをしていると主婦休損は問題になりませんか。

一般的には、パート勤務があっても家事従事者としての実態があれば、家事労働の支障が検討されることがあります。ただし、パート収入の減少と家事労働評価を二重に計上しない整理が必要です。

家族が家事を代わった場合、損害はゼロになりますか。

一般的には、家族が無償で代替したことだけで直ちに損害がないとは評価されにくいとされています。もっとも、誰がどの家事をどの程度代替したか、被害者本人の支障がどの程度だったかで判断は変わります。

むち打ちでも主婦の休業損害は問題になりますか。

一般的には、頚部痛、頭痛、可動域制限、しびれなどが家事動作に影響した場合、休業損害が問題になる可能性があります。ただし、骨折や入院に比べると支障の程度を争われやすいため、生活支障の具体化が重要です。

事故から時間が経ってからでも主張できますか。

一般的には、示談成立前であれば主張を検討できる可能性があります。ただし、時間が経つほど証拠化が難しくなります。診療記録、通院履歴、家族の記憶、領収書、生活メモを早めに整理する必要があります。

Conclusion

主婦の休業損害は賃金センサス日額だけでなく証拠で決まる

6,100円か約11,975円かに加え、休業日数・休業割合・資料化が金額を左右します。

主婦の休業損害は、交通事故損害賠償の中でも見落とされやすく、金額差が大きくなりやすい項目です。示談書に署名する前に、日額、日数、割合、証拠の四点を確認することが重要です。

重要保険会社の提示額が自賠責基準に近い場合、賃金センサスを使う裁判基準型の計算と大きく差が出ることがあります。個別の対応方針は、資料を整理して弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
  • 自賠責基準では、休業損害は原則1日6,100円です。
  • 裁判基準型では、賃金センサスの女性労働者平均賃金を365日で割った金額が問題になり、最新公表値による目安は1日約11,975円です。
  • 実際の賠償額は、基礎日額、休業日数、休業割合で決まります。
  • 通院日だけでなく、治療期間中の家事支障を具体的に示せるかが重要です。
  • 家事従事者としての実態、医学的支障、家族の代替、生活記録を資料化することが、適正な評価につながります。
Reference

参考資料

公的資料・中立的資料

  • 国土交通省・金融庁「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」
  • e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法施行令」
  • 国土交通省「自賠責保険・共済の限度額と補償内容」
  • e-Stat「賃金構造基本統計調査」
  • 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の公表資料
  • e-Stat「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 表番号1」
  • 厚生労働省「賃金構造基本統計調査で使用されている主な用語の説明」
  • 日弁連交通事故相談センター「交通事故損害額算定基準に関する刊行物」