2σ Guide

自賠責保険の仮渡金は
いくらもらえるのか

死亡290万円、傷害40万円・20万円・5万円という定額区分を中心に、請求書類、手続、返還リスク、ひき逃げ・無保険車での注意点まで整理します。

290万円 死亡事故
40万円 傷害最大
5万円 11日以上治療
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自賠責保険の仮渡金は いくらもらえるのか

死亡290万円、傷害40万円・20万円・5万円という定額区分と、請求前に見るべき資料を整理します。

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自賠責保険の仮渡金は いくらもらえるのか
死亡290万円、傷害40万円・20万円・5万円という定額区分と、請求前に見るべき資料を整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 自賠責保険の仮渡金は いくらもらえるのか
  • 死亡290万円、傷害40万円・20万円・5万円という定額区分と、請求前に見るべき資料を整理します。

POINT 1

  • 自賠責保険の仮渡金はいくらかを先に確認する
  • 死亡290万円、傷害40万円・20万円・5万円という定額区分と、請求前に見るべき資料を整理します。
  • 死亡290万円、傷害は40万円・20万円・5万円
  • 当座資金の確保
  • 法令上の定額

POINT 2

  • 自賠責保険の仮渡金の金額一覧と区分
  • 1. 死亡事故か:死亡診断書や死体検案書を確認します。
  • 2. 重い傷害に該当するか:脚の主要骨の骨折、脊髄損傷症状、腹膜炎を伴う内臓破裂、14日以上入院と治療30日以上などを確認します。
  • 3. 20万円区分に該当するか:脊柱、上腕、前腕、内臓破裂、入院と治療期間の要件を見ます。
  • 4. 20万円または5万円:医学資料に沿って下位区分を確認します。
  • 5. 対象外の可能性:11日以上医師の治療を要するかが最後の確認点です。

POINT 3

  • 自賠責保険の仮渡金とは何か ― 請求できる人と請求先
  • 制度の目的、請求主体、請求先、物損が対象外となる理由を整理します。
  • 請求できる人
  • 物損は対象外
  • 仮渡金は、自賠責保険金または自賠責共済金の最終支払額が確定する前に、被害者側が当座の費用を確保するための定額の前払い金です。

POINT 4

  • 自賠責保険の仮渡金の法的根拠と通常請求との違い
  • 自賠法17条と施行令5条を踏まえ、定額の前払い金である点を確認します。
  • 仮渡金の根拠は、自動車損害賠償保障法17条と自動車損害賠償保障法施行令5条です。
  • 早期資金か、実損害の補填かという目的の違いが、請求時期、回数、精算、返還リスクの違いにつながります。
  • 特に、仮渡金は1事故につき1回限りと扱われる点を読み取ってください。

POINT 5

  • 自賠責保険の仮渡金請求に必要な書類と手続
  • 1. 自賠責保険会社を確認:加害車両の自賠責保険会社または共済組合を、交通事故証明書、加害者、任意保険会社などから確認します。
  • 2. 請求意思を伝えて書式を取り寄せる:仮渡金を請求したい旨を伝え、支払請求書などの書式を入手します。
  • 3. 事故資料と医療資料を準備:交通事故証明書、事故発生状況報告書、診断書、死亡診断書などをそろえます。
  • 4. 提出と損害調査:書類確認、必要に応じた照会を経て、支払可否と支払区分が判断されます。
  • 5. 支払と後日の精算:口座に支払われた後、通常の自賠責請求または任意保険示談で既払い金として整理されます。

POINT 6

  • 40万円・20万円・5万円を医学資料から読む
  • 骨折部位、合併 症、入院必要性、治療必要期間、初診日、画像検査の意味を確認します。
  • 各行では、どの資料を整えるべきかを読み取ってください。
  • 次の注意点一覧は、仮渡金の区分判断で資料不足になりやすい場面をまとめています。
  • 早期受診、診断書の記載、画像検査、専門科受診の順に確認すると、事故と傷害の関係を説明しやすくなります。

POINT 7

  • 自賠責保険の仮渡金の返還リスクと特殊事故
  • 治療期間が短い
  • 最終損害額が仮渡金を下回ると、超過額の返還が問題になる可能性があります。
  • 因果関係が争われる
  • 事故と症状の関係が一部否定されると、支払額が小さくなることがあります。

POINT 8

  • 自賠責保険の仮渡金の具体例とよくある誤解
  • むち打ち、骨折、入院、死亡事故の例と、慰謝料との混同を整理します。
  • 慰謝料とは別にもらえる
  • 弁護士が入れば増える
  • 通院11回で必ず5万円

まとめ

  • 自賠責保険の仮渡金は いくらもらえるのか
  • 自賠責保険の仮渡金はいくらかを先に確認する:死亡290万円、傷害40万円・20万円・5万円という定額区分と、請求前に見るべき資料を整理します。
  • 自賠責保険の仮渡金の金額一覧と区分:死亡、重い傷害、中程度の傷害、11日以上治療を要する傷害の違いを表と判断の流れで確認します。
  • 自賠責保険の仮渡金とは何か ― 請求できる人と請求先:制度の目的、請求主体、請求先、物損が対象外となる理由を整理します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

自賠責保険の仮渡金はいくらかを先に確認する

死亡290万円、傷害40万円・20万円・5万円という定額区分と、請求前に見るべき資料を整理します。

自賠責保険の仮渡金は、交通事故で死亡または負傷した被害者側が、損害額の確定前に当座の治療費、生活費、葬儀関係費などへ充てるため、加害車両の自賠責保険会社または共済組合へ請求する前払い的な制度です。金額は交渉で自由に決まるものではなく、法令上の区分により定額化されています。

次の強調表示は、このページ全体で最初に押さえる結論を示しています。金額だけでなく、後で最終支払額と精算される点まで読むことが重要です。死亡と傷害では金額体系が異なり、傷害では入院、骨折、内臓損傷、医師の治療必要期間から区分を読み取ります。

死亡290万円、傷害は40万円・20万円・5万円

仮渡金は追加の慰謝料ではなく、後日の自賠責支払額や任意保険示談で既払い金として扱われます。最終額が仮渡金を下回る場合や責任が否定される場合には、返還が問題になる可能性があります。

次の3つの要点は、請求を急ぐ前に確認する視点をまとめたものです。制度の目的、金額の決まり方、精算の性質を分けて読むと、早期資金確保と返還リスクを同時に把握できます。

目的

当座資金の確保

治療費、生活費、葬儀関係費など、損害額が確定する前に必要になる資金を早めに受け取る制度です。

金額

法令上の定額

死亡は290万円、傷害は40万円、20万円、5万円です。収入や交渉力で自由に増減する制度ではありません。

精算

後で差し引かれる

仮渡金は前払い的な金銭であり、最終的な損害賠償額や自賠責支払額から既払い金として整理されます。

Section 01

自賠責保険の仮渡金の金額一覧と区分

死亡、重い傷害、中程度の傷害、11日以上治療を要する傷害の違いを表と判断の流れで確認します。

次の比較表は、仮渡金の金額、法令上の主な要件、実務で確認されやすい資料を横並びで示しています。読者にとって重要なのは、金額欄だけでなく、どの医学資料が区分判断に関わるかを同時に見ることです。区分が下がると受け取れる額が大きく変わるため、診断書、画像所見、入院証明、治療見込みの記載を確認してください。

区分仮渡金主な要件確認資料
死亡290万円被害者が死亡した場合死亡診断書、死体検案書、交通事故証明書、戸籍関係資料
重い傷害40万円大腿または下腿の骨折、脊髄損傷症状を伴う脊柱骨折、内臓破裂で腹膜炎併発、14日以上入院を要し治療30日以上を要する傷害など診断書、画像所見、入院証明、診療録、診療報酬明細書
中程度の傷害20万円40万円区分に至らない脊柱骨折、上腕または前腕骨折、内臓破裂、入院を要し治療30日以上を要する傷害、14日以上入院を要する傷害など診断書、画像所見、入院証明、診療報酬明細書
11日以上の治療を要する傷害5万円40万円区分、20万円区分に該当しないが、11日以上医師の治療を要する傷害診断書、通院実績、治療見込み、交通事故証明書
該当しない軽微な傷害0円10日以下の治療見込みなど、傷害区分に該当しない場合診断書、治療経過

次の判断の流れは、死亡、重い傷害、中程度の傷害、11日以上治療を要する傷害の順で確認するためのものです。上から順番に分岐を読むことで、どの資料が金額区分を左右するかが分かります。ただし、最終的な扱いは法令、診断書、損害調査に基づきます。

金額区分を読む順番

死亡事故か

死亡診断書や死体検案書を確認します。

重い傷害に該当するか

脚の主要骨の骨折、脊髄損傷症状、腹膜炎を伴う内臓破裂、14日以上入院と治療30日以上などを確認します。

20万円区分に該当するか

脊柱、上腕、前腕、内臓破裂、入院と治療期間の要件を見ます。

該当
20万円または5万円

医学資料に沿って下位区分を確認します。

非該当
対象外の可能性

11日以上医師の治療を要するかが最後の確認点です。

Section 02

自賠責保険の仮渡金とは何か ― 請求できる人と請求先

制度の目的、請求主体、請求先、物損が対象外となる理由を整理します。

仮渡金は、自賠責保険金または自賠責共済金の最終支払額が確定する前に、被害者側が当座の費用を確保するための定額の前払い金です。国土交通省も、被害者がすぐに治療費等を必要とするため、早く受け取れるようにする制度として説明しています。

基本仮渡金は示談金の増額策ではなく、自賠責の枠内で損害額確定前に一定額を先に受け取る制度です。

次の比較表は、仮渡金、加害者請求、通常の被害者請求の違いを整理しています。制度名が似ていても、誰が請求するか、何を目的にするかが異なります。請求方法を選ぶときは、請求主体、時期、精算の有無を読み取ってください。

制度請求主体目的実務上の注意
仮渡金被害者側損害額確定前の早期資金確保後で最終支払額から差し引かれます。
加害者請求加害者側先に支払った賠償金を自賠責へ請求加害者が被害者へ支払った資料が必要です。
被害者請求被害者側発生済み損害や確定損害を直接請求治療費等を支払った都度、限度額内で請求できる場合があります。

請求できる人

傷害事故では被害者本人が請求するのが原則です。未成年者や判断能力に問題がある場合には、親権者、法定代理人、委任を受けた者などの関与が必要になることがあります。死亡事故では、実務上は遺族が請求主体になります。

請求先

請求先は、原則として加害車両が加入している自賠責保険会社または自賠責共済組合です。交通事故証明書、事故発生状況報告書、診断書、死亡診断書などをそろえて請求します。

物損は対象外

自賠責保険は、人身損害の基本的な対人賠償を確保する制度です。自動車の修理費、積荷、衣服、スマートフォン、バイク、ヘルメットなどの物的損害は、仮渡金の対象ではありません。

Section 03

自賠責保険の仮渡金の法的根拠と通常請求との違い

自賠法17条と施行令5条を踏まえ、定額の前払い金である点を確認します。

仮渡金の根拠は、自動車損害賠償保障法17条と自動車損害賠償保障法施行令5条です。前者は被害者が保険会社に仮渡金を請求できる仕組みと超過額返還を定め、後者は死亡290万円、傷害40万円、20万円、5万円という金額区分を定めています。

注意弁護士の有無、被害者の収入、実際の治療費総額だけで仮渡金が50万円や100万円に増える制度ではありません。区分該当性の資料を整えることが中心です。

次の比較表は、仮渡金と通常の自賠責請求を並べたものです。早期資金か、実損害の補填かという目的の違いが、請求時期、回数、精算、返還リスクの違いにつながります。特に、仮渡金は1事故につき1回限りと扱われる点を読み取ってください。

比較項目仮渡金通常の自賠責請求
目的当座資金の早期確保実際に発生した損害の補填
金額死亡290万円、傷害40万円、20万円、5万円の定額治療費、休業損害、慰謝料等を支払基準により積算
請求時期損害額確定前でも可能発生済み損害や確定損害について請求
回数実務上、1事故につき1回限りと扱われます総損害額確定前でも、治療費等を支払った都度、限度額内で請求できる場合があります
精算後日支払額から差し引かれます損害調査後の支払額として扱われます
返還リスクあります通常は過払いがないよう調査後に支払われます
Section 04

自賠責保険の仮渡金請求に必要な書類と手続

請求書、交通事故証明書、事故発生状況報告書、診断書などの役割を整理します。

次の一覧は、仮渡金請求で中心になる書類と、その実務上の意味を示しています。書類は単なる添付資料ではなく、事故、請求者、傷害区分、死亡事実、治療必要期間を確認する根拠になります。入手先と役割を同時に読むことで、請求前に不足しやすい資料を把握できます。

書類入手先または作成者実務上の意味
仮渡金支払請求書損害保険会社または共済組合請求の入口となる書類です。
交通事故証明書自動車安全運転センター事故発生、当事者、事故類型を公的に示します。
事故発生状況報告書事故当事者等過失、接触状況、道路状況を説明します。
医師の診断書、死亡診断書、死体検案書医療機関、医師傷害区分、死亡事実、治療必要期間の根拠になります。
印鑑証明書、戸籍関係資料市区町村等本人確認や死亡事故の遺族関係確認に使われます。
委任状委任者弁護士、家族、代理人が請求する場合に必要となることがあります。

次の時系列は、保険会社の確認から後日の精算までの順番を表しています。先に自賠責保険会社を特定し、書式を取り寄せ、事故資料と医療資料をそろえる流れを読むと、どこで手続が止まりやすいかが分かります。提出後も照会が入ることがあるため、控えと郵送記録を残すことが重要です。

Step 1

自賠責保険会社を確認

加害車両の自賠責保険会社または共済組合を、交通事故証明書、加害者、任意保険会社などから確認します。

Step 2

請求意思を伝えて書式を取り寄せる

仮渡金を請求したい旨を伝え、支払請求書などの書式を入手します。

Step 3

事故資料と医療資料を準備

交通事故証明書、事故発生状況報告書、診断書、死亡診断書などをそろえます。

Step 4

提出と損害調査

書類確認、必要に応じた照会を経て、支払可否と支払区分が判断されます。

Step 5

支払と後日の精算

口座に支払われた後、通常の自賠責請求または任意保険示談で既払い金として整理されます。

物件事故のままになっている場合

仮渡金は人身損害の制度です。警察への届出が物件事故のままになっている場合は、早期に医療機関を受診し、人身事故としての取扱いについて警察へ相談する必要があります。物件事故のままでも自賠責請求が一切不可能になるとは限りませんが、事故と傷害の因果関係を説明する負担は重くなります。

Section 05

40万円・20万円・5万円を医学資料から読む

骨折部位、合併症、入院必要性、治療必要期間、初診日、画像検査の意味を確認します。

次の比較表は、40万円、20万円、5万円の傷害区分を医学資料の観点から読み替えたものです。読者にとって重要なのは、痛みの強さだけでは区分が上がらず、骨折部位、合併症、入院必要性、治療必要期間など客観資料が重視される点です。各行では、どの資料を整えるべきかを読み取ってください。

区分読み方注意点
40万円死亡を除くと最も高い傷害区分です。大腿骨、脛骨、腓骨などの骨折、脊髄損傷症状を伴う脊柱骨折、内臓破裂と腹膜炎、14日以上入院と治療30日以上などが問題になります。手術、長期入院、画像所見、救急記録、神経学的所見が重要です。
20万円40万円区分には至らないものの、脊柱、上腕、前腕、内臓破裂、入院と治療期間の要件を満たす傷害が中心です。上腕または前腕骨折は、合併症の有無で40万円との分岐が生じます。
5万円40万円または20万円に該当しないが、11日以上医師の治療を要する傷害です。通院回数だけではなく、診断書上の治療見込み、実治療日数、症状経過、医師の判断が重要です。

次の注意点一覧は、仮渡金の区分判断で資料不足になりやすい場面をまとめています。早期受診、診断書の記載、画像検査、専門科受診の順に確認すると、事故と傷害の関係を説明しやすくなります。各項目は、後の後遺障害申請や示談交渉にも影響します。

1

初診日

事故当日または翌日の受診は、事故と症状の関連を説明しやすくします。数日から数週間後の初診では、因果関係の説明が重くなります。

医療記録
2

診断書

傷病名、治療を要する期間、入院必要性、骨折や内臓損傷の有無が区分判断の中心です。症状が続く場合は再診と経過説明が重要です。

不正確な記載依頼は不可
3

画像検査

X線、CT、MRIは、骨折、脊髄損傷、頭部外傷、内臓損傷が疑われる場合に重要です。

客観資料
4

専門科受診

しびれ、脱力、歩行障害、排尿障害、意識障害、嘔吐、激しい頭痛、腹痛などがある場合は、整形外科、脳神経外科、救急科などの評価が必要です。

重症見落とし防止
Section 06

自賠責保険の仮渡金の返還リスクと特殊事故

最終支払額との精算、重過失、責任の有無、ひき逃げ・無保険車の扱いを確認します。

次のリスク一覧は、仮渡金を受け取った後に返還や精算が問題になりやすい場面をまとめています。請求できる可能性だけでなく、後で返還を求められる可能性を読むことが重要です。事故態様、治療期間、因果関係、他制度との調整を一緒に確認してください。

治療期間が短い

最終損害額が仮渡金を下回ると、超過額の返還が問題になる可能性があります。

因果関係が争われる

事故と症状の関係が一部否定されると、支払額が小さくなることがあります。

責任の有無が不明

加害車両側に自賠法上の責任がないと判断されると、返還リスクが高まります。

重過失が問題

被害者側の重大な過失や事故態様により、最終支払額が減額されることがあります。

他制度との精算

健康保険、労災、人身傷害保険などとの調整で、自賠責の支払余地が小さくなる場合があります。

資料不足

診断書、事故資料、通院記録の不足は、傷害区分や因果関係の説明を難しくします。

重過失と責任の有無

仮渡金を検討する段階では、過失割合の細かい数字だけでなく、そもそも加害車両側に自賠法上の損害賠償責任があるかを確認します。単独事故、接触の有無に争いがある事故、事故直後の受診がない事故では、返還リスクや支払可否に注意が必要です。

次の比較表は、ひき逃げ、無保険車、盗難車などで検討対象が変わる理由を示しています。自賠責保険会社を特定できない場合、通常の仮渡金請求と同じ発想では進めにくいため、政府保障事業や社会保険を並行して読むことが重要です。

事故類型主な検討先注意点
ひき逃げ政府保障事業、健康保険、労災、人身傷害保険加害車両特定のため、警察届出、目撃者、防犯カメラ、ドライブレコーダーの保全が重要です。
無保険車政府保障事業、自身の保険、加害者本人への請求自賠責のような仮渡金制度が当然に使えるとは限りません。
盗難車政府保障事業、事故態様調査、社会保険運行供用者責任や加害者特定が争点になり得ます。
Section 07

自賠責保険の仮渡金の具体例とよくある誤解

むち打ち、骨折、入院、死亡事故の例と、慰謝料との混同を整理します。

次の具体例は、傷病名だけで金額が決まるわけではないことを示しています。金額欄では候補となる区分を確認し、注意点欄では診断書、合併症、入院必要性、治療必要期間など、どこを読み取るべきかを確認してください。

検討される区分注意点
むち打ちで治療見込み14日5万円40万円または20万円区分には通常該当しにくい一方、11日以上医師の治療を要する傷害かを確認します。
前腕骨折で合併症なし20万円神経損傷、血管損傷、開放骨折、感染、強い拘縮などがあれば40万円区分も問題になります。
大腿骨骨折で手術・入院40万円生活費や治療費が40万円で足りるとは限らず、労災、人身傷害、任意保険、休業損害なども検討します。
入院10日、治療見込み45日20万円の可能性実際の入院日数だけでなく、入院を要する傷害か、治療必要期間30日以上かを確認します。
死亡事故290万円葬儀費、逸失利益、慰謝料、相続、刑事手続、労災などが多層化します。

次の誤解一覧は、仮渡金で相談が多いポイントをまとめています。各項目では、制度の名前から受ける印象と実際の扱いの違いを読み取ってください。特に、慰謝料への上乗せではないこと、弁護士の関与で定額自体が自由に増える制度ではないことが重要です。

誤解1

慰謝料とは別にもらえる

仮渡金は最終的な自賠責支払額から差し引かれる前払い的な金銭です。慰謝料への上乗せではありません。

誤解2

弁護士が入れば増える

金額は法令上の定額です。ただし、傷害区分を正しく主張し、必要資料を整える意味で専門家の関与が有効な場合があります。

誤解3

通院11回で必ず5万円

法令上は11日以上医師の治療を要する傷害です。通院回数だけでなく診断書、治療見込み、医学的必要性が重要です。

誤解4

骨折なら必ず40万円

骨折部位や合併症の有無で20万円と40万円の分岐が生じます。手指、足趾、肋骨などは直ちに該当するとは限りません。

誤解5

ひき逃げなら同じ制度を使える

加害者不明で自賠責保険会社を特定できない場合、通常の仮渡金請求とは異なり、政府保障事業などを検討します。

誤解6

受け取ると示談成立

仮渡金の受領だけで通常は示談成立にはなりません。ただし、念書や示談書の清算文言には注意が必要です。

Section 08

自賠責保険の仮渡金請求前後のチェックリスト

事故直後、医療資料、請求前、受領後に分けて確認します。

次の確認一覧は、事故直後から仮渡金受領後までの行動を時期別に整理しています。順番に読むことで、事故資料、医療資料、保険資料、返還リスク管理のどれが不足しているかを把握できます。各時期の記録は、後日の自賠責請求、任意保険示談、後遺障害申請でも重要です。

1

事故直後

警察通報、人身事故届、早期受診、加害者情報、自賠責保険、任意保険、現場写真、ドライブレコーダー、目撃者を確認します。

初動
2

医療資料

診断書の傷病名、治療必要期間、入院の必要性、骨折や内臓損傷の裏付け、神経症状、医師の診察継続を確認します。

診断書
3

請求前

40万円、20万円、5万円の区分、返還リスク、一括対応、人身傷害、労災、健康保険、弁護士費用特約、書類控えを整理します。

精算確認
4

受領後

受領金額、受領日、振込口座、使途を記録し、返還リスクに備えて一部資金を残すことも検討します。

記録

相談を検討しやすい場面

事故態様や過失に争いがある、重傷または死亡事故である、後遺障害が見込まれる、任意保険会社の対応が止まった、自営業者・会社役員・家事従事者など損害立証が複雑である場合は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家に相談する必要性が高くなります。

Section 09

自賠責保険の仮渡金のFAQ

金額、むち打ち、過失、物損、ひき逃げなどのよくある疑問を一般情報として整理します。

Q1. 自賠責保険の仮渡金で一番多くもらえる金額はいくらですか。

一般的には、死亡事故では290万円、傷害事故では40万円が最大とされています。ただし、傷害40万円区分に該当するかは、骨折部位、脊髄損傷症状、内臓破裂、入院必要性、治療必要期間などで変わる可能性があります。具体的な見通しは資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. むち打ちではいくらもらえますか。

一般的には、むち打ち、頚椎捻挫、腰椎捻挫などで40万円または20万円区分に該当しない場合でも、11日以上医師の治療を要する傷害と評価されれば5万円区分が問題になります。ただし、診断書、初診日、治療経過、画像所見、神経症状によって判断が変わります。

Q3. 仮渡金は何回も請求できますか。

一般的には、仮渡金請求は1事故につき1回限りと扱われることが多いとされています。ただし、通常の自賠責請求は発生済み損害について限度額内で複数回請求できる場合があります。制度の使い分けは、支払済み損害、治療経過、保険会社の対応で変わります。

Q4. 仮渡金を受け取ると示談金が減りますか。

一般的には、最終的な損害賠償額から既払い金として差し引かれます。仮渡金を受け取ることで総額が当然に増えるわけではありません。ただし、早期に生活費や治療費を確保できる点には意味があり、具体的な精算関係は示談内容や既払額で変わります。

Q5. 自分にも過失がある場合でも請求できますか。

一般的には、請求できる可能性はあります。ただし、加害車両側の自賠法上の責任、被害者側の重大な過失、事故と傷害の因果関係により、最終支払額や返還リスクが変わる可能性があります。過失が大きい事故では、資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

Q6. 物損事故でも仮渡金は使えますか。

一般的には、仮渡金は生命または身体の損害に関する制度とされています。車の修理費や持ち物の破損は対象外です。ただし、負傷があるのに物件事故扱いのままになっている場合は、医療機関の受診と警察への相談が重要になります。

Q7. 加害者が自賠責保険に入っていない場合はどうすればよいですか。

一般的には、無保険車やひき逃げでは政府保障事業、健康保険、労災、人身傷害保険などを検討します。自賠責保険の仮渡金制度がそのまま利用できるとは限らないため、警察、保険会社、弁護士等の専門家に早期相談する必要があります。

Reference

自賠責保険の仮渡金の参考資料

公的資料・制度資料

  • e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法」
  • e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法施行令」
  • 国土交通省「支払までの流れと請求方法」
  • 国土交通省「自賠責保険・共済の限度額と補償内容」
  • 国土交通省「損害賠償を受けるときは?」
  • 国土交通省「政府保障事業」
  • 損害保険料率算出機構「当機構で行う損害調査」
  • 日本損害保険協会「自賠責保険」
  • 損害保険会社実務資料(政府保障事業の制度説明)