2σ Guide

ロゴと文字商標は
どちらを先に出願すべきか

文字商標を先に出す原則、ロゴ商標を先に出す例外、両方を整備すべき重要ブランドの考え方を、企業法務・知財実務の視点で整理します。

原則文字商標先行
6か月海外優先権
44,900円1区分公式費用例
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ロゴと文字商標は どちらを先に出願すべきか

文字商標を先に出す原則、ロゴ商標を先に出す例外、両方を整備すべき重要ブランドの考え方を、企業法務 ・知財実務の視点で整理します。

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ロゴと文字商標は どちらを先に出願すべきか
文字商標を先に出す原則、ロゴ商標を先に出す例外、両方を整備すべき重要ブランドの考え方を、企業法務 ・知財実務の視点で整理します。
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  • ロゴと文字商標は どちらを先に出願すべきか
  • 文字商標を先に出す原則、ロゴ商標を先に出す例外、両方を整備すべき重要ブランドの考え方を、企業法務 ・知財実務の視点で整理します。

POINT 1

  • ロゴと文字商標の出願順序は文字商標を基本に考える
  • まず、原則・例外・両方出願の3層で、ブランド保護の全体像を整理します。
  • 原則は文字商標を先に出願
  • ロゴ先行が合理的な場面
  • 重要ブランドは両方を短期で整備

POINT 2

  • ロゴと文字商標の基礎 ― 商標はマークと商品・役務の組合せで決まる
  • 文字商標、標準文字商標、ロゴ商標を混同せず、どの表示を守るのかを分解します。
  • 商標は、事業者の商品・サービスを他人のものと区別するための標識です。
  • 企業実務では、ブランド名、ロゴ、アプリ名、店舗名、シリーズ名、キャンペーン名が信用を蓄積する器になります。
  • なぜ重要かというと、同じ「商標出願」でも、守れる対象と弱点が異なるためです。

POINT 3

  • 文字商標を先に出願すべき理由 ― 名称は長く広く流通する
  • ブランド名が事業・契約・海外展開の軸になる場面では、文字商標先行の合理性が高まります。
  • なぜ重要かというと、ブランド名が流通する場所を見落とすと、ロゴだけ登録して名称模倣に弱い状態が残るからです。
  • 読者は、各列の状況が自社にどれだけ当てはまるかを読み取ってください。
  • 文字商標を確保しておくと、第三者が別のロゴを使っていても、称呼や観念の近い類似名称への対応を検討しやすくなります。

POINT 4

  • ロゴ商標を先に出願すべき理由 ― 視覚的な識別力が中心のブランドを守る
  • 文字部分が説明的
  • 図形やキャラクターが中心

POINT 5

  • ロゴと文字商標の判断マトリクスと実務判断の流れ
  • 1. 顧客は主に名称で認識するか:検索、口コミ、契約、SNSで名称が中心なら文字商標を最優先候補にします。
  • 2. ロゴ・図形・キャラクターが認知の中心か:視覚的表示が強い場合はロゴ商標を最優先候補にします。
  • 3. 文字部分に識別力と調査上の余裕があるか:弱い表示や先行商標リスクがある場合は、名称再検討、ロゴ、結合商標を比較します。
  • 4. 両方を短期で出願:広告投資、海外、DD、ライセンスに備えます。
  • 5. 予算に応じて優先出願:最も変わりにくく、公開で先取りされやすい表示から押さえます。

POINT 6

  • 商標出願前にブランド要素を分解する
  • 出願対象はロゴか文字かだけではなく、英字、カタカナ、略称、タグラインまで整理します。
  • ロゴと文字商標の順序を考える前に、ブランドを構成する要素を分解します。
  • なぜ重要かというと、会社名だけ登録して主力サービス名を未出願にするなど、実務で起きやすい取りこぼしを避けるためです。
  • 読者は、どの要素が顧客に認識され、どの要素が将来も使われるかを読み取ってください。

POINT 7

  • ロゴと文字商標は指定商品・指定役務と先行調査で実効性が決まる
  • 出願順序が正しくても、指定範囲や調査を誤ると保護の実効性が落ちます。
  • 商標権は、マークだけを抽象的に独占する権利ではなく、マークと指定商品・指定役務の組合せで成立します。
  • 文字商標を先に出願しても、指定範囲が実際の事業とずれていれば、事業を十分に守れません。
  • 次の重要ポイントは、指定商品・指定役務と先行調査で見落としやすい論点をまとめたものです。

POINT 8

  • ロゴと文字商標の典型ケース別の出願順序
  • 業種ごとに、名称が中心か、視覚的表示が中心か、周辺規制があるかを見ます。
  • 出願順序は業種ごとに変わります。
  • なぜ重要かというと、顧客の認識方法と模倣されやすい対象が業種で違うためです。
  • 読者は、自社のブランドがどの事例に近いかを読み取ってください。

まとめ

  • ロゴと文字商標は どちらを先に出願すべきか
  • ロゴと文字商標の出願順序は文字商標を基本に考える:まず、原則・例外・両方出願の3層で、ブランド保護の全体像を整理します。
  • ロゴと文字商標の基礎 ― 商標はマークと商品・役務の組合せで決まる:文字商標、標準文字商標、ロゴ商標を混同せず、どの表示を守るのかを分解します。
  • 文字商標を先に出願すべき理由 ― 名称は長く広く流通する:ブランド名が事業・契約・海外展開の軸になる場面では、文字商標先行の合理性が高まります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

ロゴと文字商標の出願順序は文字商標を基本に考える

まず、原則・例外・両方出願の3層で、ブランド保護の全体像を整理します。

ロゴと文字商標のどちらを先に出願すべきかを判断するときは、権利範囲の広さだけではなく、ブランド名がどこで使われ、ロゴがどれだけ固定され、公開や資金調達までにどのリスクを先に封じる必要があるかを見ます。

次の重要ポイントは、出願順序の基本結論と例外を並べたものです。なぜ重要かというと、予算が1件分しかない場面と、投資額が大きい重要ブランドの場面では、取るべき安全策が変わるからです。読者は、まず自社が「文字先行」「ロゴ先行」「両方」のどこに近いかを読み取ってください。

Principle

原則は文字商標を先に出願

ブランド名、商品名、サービス名は、検索、契約、SNS、請求書、資料、口コミで長く使われます。予算上どちらか一方なら、通常は文字商標を先に検討します。

Exception

ロゴ先行が合理的な場面

文字が説明的で弱い、先行商標リスクが高い、キャラクターやアイコンが認知の中心である場合は、ロゴ商標や結合商標を先に置く判断があります。

Best

重要ブランドは両方を短期で整備

文字商標は名称模倣、ロゴ商標は視覚的混同に備えるものです。広告投資、M&A、海外展開、ライセンスの対象になるブランドでは両方の出願が堅実です。

注意標準文字商標だから通常の商標登録より当然に広い、という理解は適切ではありません。実務上の価値は、特定のロゴデザインに縛られず、ブランド名を安定して管理しやすい点にあります。
Section 01

ロゴと文字商標の基礎 ― 商標はマークと商品・役務の組合せで決まる

文字商標、標準文字商標、ロゴ商標を混同せず、どの表示を守るのかを分解します。

商標は、事業者の商品・サービスを他人のものと区別するための標識です。企業実務では、ブランド名、ロゴ、アプリ名、店舗名、シリーズ名、キャンペーン名が信用を蓄積する器になります。

次の比較表は、文字商標、標準文字商標、ロゴ商標の違いを整理しています。なぜ重要かというと、同じ「商標出願」でも、守れる対象と弱点が異なるためです。読者は、自社のブランド要素が文字、図形、結合表示のどれに当たるかを読み取ってください。

類型主な対象実務上の注意
文字商標ブランド名、商品名、サービス名、英字、カタカナ、漢字、数字など特定のロゴに縛られず名称を管理しやすい一方、識別力や先行商標の調査が重要です。
標準文字商標特許庁長官が定めた文字書体による文字のみの出願方式通常の商標登録より当然に広いわけではありません。文字名称をデザインから切り離して出願する方式です。
ロゴ商標図形、シンボル、デザイン化された文字、文字と図形の結合、色付き表示などどの見本を出すか、色を付けるか、図形部分を単独にするか、実際の使用態様と合うかを確認します。

ロゴ商標を出願する場合は、会社ロゴを画像として出せば足りるとは限りません。文字と図形を一体で出すのか、図形部分だけを出すのか、色付きか白黒か、縮小表示でも識別できるかを検討します。

日本では、同一または類似の商標について、原則として先に出願した者が登録を受ける先願主義が採用されています。発表前、販売前、展示会前、クラウドファンディング前、資金調達資料配布前に出願日を確保することが、ブランド投資の前提になります。

Section 02

文字商標を先に出願すべき理由 ― 名称は長く広く流通する

ブランド名が事業・契約・海外展開の軸になる場面では、文字商標先行の合理性が高まります。

企業が新しいブランドを立ち上げる場合、顧客や取引先はロゴ画像よりも名称で認識し、検索し、会話し、契約書や請求書に記載することが多くあります。そのため、最初に1件だけ出願するなら、変わりやすいロゴより、変わりにくい文字名称を先に確保するのが基本です。

次の比較表は、文字商標を先に出すべき典型場面を示しています。なぜ重要かというと、ブランド名が流通する場所を見落とすと、ロゴだけ登録して名称模倣に弱い状態が残るからです。読者は、各列の状況が自社にどれだけ当てはまるかを読み取ってください。

判断項目文字商標を優先しやすい場面
ブランドの中心顧客がロゴではなく名称で認識、検索、発話する。
ロゴ変更可能性成長段階、UI刷新、広告戦略、CI変更でロゴが変わり得る。
契約・ライセンス販売代理店契約、フランチャイズ契約、商標使用許諾契約で名称を特定する。
EC・SNS・アプリテキスト検索、アカウント名、アプリ名、広告文で名称が流通する。
海外展開同じブランド名を海外でも使う予定があり、国内基礎出願や優先権管理が重要になる。
先願リスク第三者が同一または類似名称を先に出願するリスクがある。

文字商標を確保しておくと、第三者が別のロゴを使っていても、称呼や観念の近い類似名称への対応を検討しやすくなります。最終判断は個別事情によりますが、名称の権利化がない場合より、交渉、警告、異議申立て、無効審判、侵害対応の選択肢は広がります。

海外展開では、商標の優先期間が最初の出願日から6か月である点も重要です。国内で文字商標を先に出願し、その出願日を起点に主要国への出願期限を管理する設計が実務上有効です。

Section 03

ロゴ商標を先に出願すべき理由 ― 視覚的な識別力が中心のブランドを守る

文字が弱い場合や図形・キャラクターが認知の中心になる場合は、ロゴ商標の優先度が上がります。

文字商標が便利でも、すべての文字が登録されるわけではありません。商品の品質、用途、内容、産地、サービス内容を説明するだけの表示や、業界でありふれた表示は、識別力が弱いと評価される可能性があります。

次の重要ポイントは、ロゴ商標を先に検討しやすい状況を並べたものです。なぜ重要かというと、文字商標だけでは視覚的な模倣やパッケージの混同に対応しづらい場合があるからです。読者は、名称の強さとロゴの固定度を分けて読み取ってください。

文字部分が説明的

FAST、NATURAL、AI、CARE、SHOP、DXなど、指定商品・役務との関係で一般的または説明的に見える場合は、文字単独の登録可能性を慎重に確認します。

図形やキャラクターが中心

アプリのアイコン、店舗看板、包装、タグ、制服、キャラクターなどが顧客の記憶に残る場合、視覚的表示そのものを守る必要があります。

名称が未確定

ローンチ直前までサービス名が変わり得る一方、シンボルやキャラクターが先に固まっている場合は、ロゴ・図形の先行出願が合理的なことがあります。

アパレル、飲食、ゲーム、キャラクタービジネス、化粧品、食品、EC、アプリ、SNS、プラットフォーム事業では、顧客が文字名称よりもロゴ、アイコン、キャラクター、ラベルでブランドを認識することがあります。

ただし、公開時に文字名称も使うなら、文字名称の先願リスクは残ります。名称確定のスケジュールを法務、知財、マーケティング、事業部が共同で管理することが必要です。

Section 04

ロゴと文字商標の判断マトリクスと実務判断の流れ

出願順序は、認知の中心、識別力、公開時期、重要度を順番に確認して決めます。

出願順序は、好みではなく事業状況ごとに決める必要があります。次の比較表は、典型的な事業状況と推奨される先行出願を整理したものです。なぜ重要かというと、同じ商標でも、公開予定、ロゴ確定度、海外展開、広告投資の有無で優先順位が変わるからです。読者は、自社の状況がどの行に近いかを読み取ってください。

事業状況推奨される先行出願理由
新しい商品名・サービス名を公開予定文字商標先願主義の下で名称を先に確保する必要があります。
ロゴは仮デザイン文字商標ロゴ変更時に旧ロゴ登録の価値が下がりやすいためです。
文字が説明的・一般的ロゴ商標または名称再検討文字単独の登録可能性が低い可能性があります。
キャラクター・図形が中心ロゴ商標視覚的な識別力の保護が重要です。
海外展開予定文字商標を早期、必要に応じロゴもマドリッド制度や6か月の優先権期間を意識します。
高額広告投資、M&A、資金調達予定両方同時または短期連続投資前に主要ブランド要素を保護します。

次の判断の流れは、出願前の社内確認順序を示しています。なぜ重要かというと、認知の中心と公開期限を先に押さえることで、調査や稟議の優先順位を決めやすくなるからです。上から順番に確認し、分岐ごとに文字商標、ロゴ商標、名称再検討、同時出願のどれに進むかを読み取ってください。

出願順序を決める判断の流れ

顧客は主に名称で認識するか

検索、口コミ、契約、SNSで名称が中心なら文字商標を最優先候補にします。

ロゴ・図形・キャラクターが認知の中心か

視覚的表示が強い場合はロゴ商標を最優先候補にします。

文字部分に識別力と調査上の余裕があるか

弱い表示や先行商標リスクがある場合は、名称再検討、ロゴ、結合商標を比較します。

高重要
両方を短期で出願

広告投資、海外、DD、ライセンスに備えます。

段階対応
予算に応じて優先出願

最も変わりにくく、公開で先取りされやすい表示から押さえます。

Section 05

商標出願前にブランド要素を分解する

出願対象はロゴか文字かだけではなく、英字、カタカナ、略称、タグラインまで整理します。

ロゴと文字商標の順序を考える前に、ブランドを構成する要素を分解します。会社名、ハウスマーク、商品名、サービス名、シリーズ名、ロゴ、アイコン、キャラクター、タグライン、略称、カタカナ表記は、別々の商標として検討する必要があります。

次の比較表は、出願対象として切り出すべきブランド要素を整理したものです。なぜ重要かというと、会社名だけ登録して主力サービス名を未出願にするなど、実務で起きやすい取りこぼしを避けるためです。読者は、どの要素が顧客に認識され、どの要素が将来も使われるかを読み取ってください。

要素出願検討の視点
会社名・屋号株式会社名、事務所名、店舗名会社名としてだけでなく、商品・役務表示として使うか確認します。
商品名・サービス名SaaS名、アプリ名、店舗名、製品名販売前、発表前に文字商標を検討します。
ロゴ・アイコン文字と図形の結合、図形単独、アプリアイコン実使用態様、色、縮小表示、変更可能性を確認します。
キャラクターマスコット、アバター商標、著作権、意匠、契約の関係を合わせて検討します。
英字・カタカナ・略称LUMINAとルミナ、3文字略称日本市場では読み方や略称の先取りリスクを管理します。
タグラインキャッチコピー、診断名、メソッド名識別力が弱い場合が多く、独自性と使用態様を慎重に見ます。

英字ブランドを日本で展開する場合、英字表記だけでなくカタカナ表記も重要です。需要者がカタカナで読むなら、第三者がカタカナ商標を先に出願するリスクが残ります。

Section 07

ロゴと文字商標の典型ケース別の出願順序

業種ごとに、名称が中心か、視覚的表示が中心か、周辺規制があるかを見ます。

出願順序は業種ごとに変わります。次の比較表は、スタートアップ、店舗、消費財、BtoB、キャラクター、専門サービスの典型的な判断を整理しています。なぜ重要かというと、顧客の認識方法と模倣されやすい対象が業種で違うためです。読者は、自社のブランドがどの事例に近いかを読み取ってください。

ケース推奨される順序確認ポイント
スタートアップの新サービス名文字商標を先行。重要サービスならロゴも同時。LP、β版、ウェイトリスト、投資家向け資料、プレスリリース前に出願日を確保します。
飲食店・小売店・店舗ブランド店舗名の文字商標を先行。看板ロゴが固定なら同時。予約サイト、口コミ、SNS、包装、制服、多店舗展開、フランチャイズを確認します。
アパレル・コスメ・食品文字商標とロゴ商標を併行。ラベル、パッケージ、タグ、容器、ECモール、薬機法や表示規制も確認します。
BtoB製造業・部品メーカー製品名・シリーズ名の文字商標を先行。仕様書、保証書、展示会資料、代理店カタログ、品質保証マークを確認します。
キャラクター・ゲーム・エンタメ名称と図形を同時に検討。商標、著作権、二次創作、配信、グッズ区分、海外展開を一体で設計します。
士業・専門サービス・コンサルティングサービス名やメソッド名の文字商標を先行。説明的名称になりやすいため、独自性と識別力を慎重に確認します。

ロゴと文字商標の両方を出す場合でも、指定商品・指定役務を完全に同じにするとは限りません。現在の使用範囲、近い将来の展開、防衛上の必要性、費用対効果を分けて設計します。

Section 08

商標出願の費用、早期審査、海外期限を管理する

費用は区分数で変わり、登録までの時間と6か月の優先権期限も管理対象です。

出願順序の議論は、予算が限られる場面で現実化します。次の比較表は、1区分で1商標を出願し、10年分の登録料を納付する場合の公式費用例を示しています。なぜ重要かというと、文字商標とロゴ商標を別々に出願すれば原則として2件分の費用が発生するためです。読者は、代理人費用等を除いた最低限の公式費用感を読み取ってください。

項目計算金額
出願手数料3,400円+8,600円×1区分12,000円
登録料32,900円×1区分32,900円
合計代理人費用等を除く公式費用例44,900円
5年分の分割納付17,200円×区分数区分数で変動

次の時系列は、公開、早期審査、海外展開の期限管理を示しています。なぜ重要かというと、出願した瞬間に登録されるわけではなく、公開日や海外出願期限に合わせて準備を逆算する必要があるからです。読者は、上から順番に、いつ何を記録し、どの期限をカレンダーに入れるかを読み取ってください。

発表前

主要な文字商標を先に出願

プレスリリース、展示会、LP、資金調達資料、クラウドファンディング前に出願日を確保します。

急ぎの案件

早期審査の可否を確認

使用または使用準備の証拠がある場合、早期審査の申出を検討します。最初の審査結果通知まで平均2か月程度とされます。

出願後6か月

海外出願の優先権期限を管理

海外展開予定がある場合、日本の出願日を起点に主要国・地域への出願方針を決めます。

Section 09

ロゴと文字商標を社内で決める実務体制と失敗防止

法務だけでなく、事業、マーケティング、デザイン、経営、海外、財務が同じ判断材料を見る必要があります。

商標出願の順序は、法務部だけで決める問題ではありません。ブランドの重要度、投資額、海外展開、ロゴ確定度、名称変更可能性、予算、公開日、M&AやIPOへの影響を、関係者が同じ資料で確認する必要があります。

次の比較表は、社内外の関係者ごとの役割を整理したものです。なぜ重要かというと、商標は契約、デザイン、広告、財務、海外、内部統制にまたがるため、単独部門の判断では情報が不足しやすいからです。読者は、出願稟議で誰から何を集めるべきかを読み取ってください。

関係者主な役割
経営者・事業責任者ブランド重要度、投資額、海外展開、撤退可能性を判断します。
法務・知財担当出願戦略、契約、紛争、リスク許容度、商標ポートフォリオを整理します。
弁理士・外部専門家先行調査、指定商品・指定役務、出願書類、拒絶対応、侵害リスクを確認します。
マーケティング・デザイナーブランド認知、ロゴ確定度、使用バリエーション、広告計画を共有します。
経理・財務・内部監査出願・更新・海外費用、証跡、承認手順、使用証拠管理を確認します。
海外法務・事業部国別出願、マドリッド制度、現地代理人、公開スケジュールを調整します。

次の一覧は、商標管理でよく起きる失敗を示しています。なぜ重要かというと、ロゴだけ登録、旧ロゴだけ登録、会社名だけ登録、区分違い、カタカナ放置、名義違いは、後から修正しにくいリスクになるからです。読者は、自社のポートフォリオに同じ弱点がないかを読み取ってください。

ロゴだけで名称が未出願

同じような名称を別ロゴで使われた場合、対応が難しくなることがあります。

旧ロゴだけが登録済み

現行ロゴとの差異が大きいと、ロゴ商標の実効性が低下します。

主力サービス名が未出願

会社名だけでは、顧客が認識する商品・サービス名を十分に守れません。

カタカナ表記の放置

英字ブランドを出願しても、日本市場で使われる読みを第三者に先取りされるリスクが残ります。

出願名義の誤り

創業者個人、制作会社、代理店名義のままでは、会社の資産として管理できません。

指定範囲の不一致

SaaS、教育、小売等役務など、実際の事業に合う区分を取りこぼすと実効性が下がります。

Section 10

ロゴと文字商標の出願前チェックリスト

文字先行、ロゴ先行、同時出願のそれぞれで、確認すべき項目を分けます。

最後に、出願前に確認すべき項目を、文字商標、ロゴ商標、同時出願に分けて整理します。なぜ重要かというと、同じ「出願する」という判断でも、名称確定度、ロゴ確定度、指定範囲、費用、海外、拒絶時対応の確認項目が異なるからです。読者は、該当する列を順に確認し、未確認項目を稟議や専門家確認に戻してください。

出願方針確認すべき項目
文字商標を先に出す場合ブランド名の確定、英字・カタカナ・略称、指定商品・役務、先行調査、識別力、発表前出願、出願名義、海外6か月期限を確認します。
ロゴ商標を先に出す場合ロゴ最終版、色付きか白黒か、結合商標か図形単独か、文字の読みやすさ、図形調査、デザイナー契約、使用態様、変更予定を確認します。
同時出願する場合文字商標とロゴ商標の役割分担、指定商品・役務を同じにするか、費用対効果、拒絶理由が出た場合の対応、海外出願の基礎商標を確認します。
ポートフォリオ全体最小構成では主力ブランド名、主要指定範囲、表記、調査記録、発表前出願を整えます。標準構成ではロゴ、図形単独、海外、更新、使用証拠、ライセンス管理も加えます。
結論ロゴと文字商標のどちらを先に出願すべきかは、何を顧客がブランドとして認識するか、何を競合が模倣しそうか、何が変わりにくいか、何を契約・海外・M&Aで資産として扱うかで判断します。
Section 11

ロゴと文字商標のよくある質問

一般的な制度説明として、実務で迷いやすい点を整理します。

ロゴに文字が入っていれば、文字商標は不要ですか。

一般的には、ロゴ商標に文字が含まれていても、文字商標と同じ効果が常に得られるわけではないとされています。ただし、文字部分の識別力、ロゴ全体での認識、指定商品・役務、先行商標の状況によって結論が変わる可能性があります。具体的な出願方針は、資料を整理したうえで弁理士・弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

標準文字商標なら、どんなフォントにも広く効きますか。

一般的には、標準文字による出願は文字名称を特定のロゴデザインに縛られずに扱える方式とされています。ただし、通常の商標登録より当然に権利範囲が広いわけではなく、商標の類否や指定商品・役務で判断が変わる可能性があります。具体的な保護範囲は、専門家に確認する必要があります。

予算が少ない場合はどう考えればよいですか。

一般的には、最も長く使い、公開後に先取りされやすく、事業価値に直結する表示から優先するとされています。ただし、ロゴがブランド認知の中心である場合や、文字部分の識別力が弱い場合には判断が変わる可能性があります。具体的な優先順位は、事業計画、予算、公開時期、調査結果を整理して専門家へ相談する必要があります。

海外展開を予定している場合、国内出願後に何を管理すべきですか。

一般的には、国内出願日を起点として、商標の優先期間である6か月を管理することが重要とされています。ただし、国ごとの制度、使用証明、代理人要件、指定商品・役務の記載方法によって対応は変わります。具体的な海外出願方針は、対象国と事業計画を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

Reference

ロゴと文字商標の参考情報源

制度・費用・優先権・出願実務を確認するための公的資料を整理します。

公的機関・制度資料

  • 特許庁「商標制度の概要」
  • 特許庁「出願しても登録にならない商標」
  • 特許庁「商標法第5条第3項に規定する標準文字について」
  • 独立行政法人工業所有権情報・研修館「標準文字商標に関するFAQ」
  • 特許庁「商標を検索してみましょう」
  • 特許庁「初めてだったらここを読む 商標出願のいろは」
  • 特許庁「産業財産権関係料金一覧」
  • 特許庁「商標早期審査・早期審理の概要」
  • WIPO「Madrid System Filing International Trademark Applications」
  • 特許庁「パリ条約」
  • e-Gov法令検索「商標法」