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自賠責基準と弁護士基準の
金額差はどれくらい?

交通事故の示談案で見落としやすい金額差を、入通院慰謝料、後遺障害、死亡事故、休業損害・逸失利益、過失割合まで分解して確認します。

78万円14級慰謝料差
1,450万円死亡慰謝料差の例
4,300円自賠責の傷害慰謝料日額
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自賠責基準と弁護士基準の 金額差はどれくらい?

交通事故の示談案で見落としやすい金額差を、入通院慰謝料、後遺障害、死亡事故、休業損害・逸失利益、過失割合まで分解して確認します。

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自賠責基準と弁護士基準の 金額差はどれくらい?
交通事故の示談案で見落としやすい金額差を、入通院慰謝料、後遺障害、死亡事故、休業損害・逸失利益、過失割合まで分解して確認します。
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  • 自賠責基準と弁護士基準の 金額差はどれくらい?
  • 交通事故の示談案で見落としやすい金額差を、入通院慰謝料、後遺障害、死亡事故、休業損害・逸失利益、過失割合まで分解して確認します。

POINT 1

  • 自賠責基準と弁護士基準の金額差は数十万円から1,000万円超まで広がる
  • まず、どの損害項目で差が出るのかを全体像として整理します。
  • 典型例では数万円ではなく、数十万円から1,000万円超まで広がることがあります。
  • 自賠責基準は、交通事故被害者に対する基礎的・迅速・公平な補償を確保する制度です。
  • 一方、弁護士 基準は、裁判実務上の損害賠償額の考え方に近い基準です。

POINT 2

  • 自賠責基準と弁護士基準の定義を押さえる
  • 自賠責基準とは
  • 弁護士基準とは
  • 自賠責基準
  • 3つの基準の違いを理解すると、示談案の読み方が変わります。

POINT 3

  • 自賠責基準の金額構造 ― 120万円・後遺障害・死亡事故の限度額
  • 自賠責は限度額と定額性があるため、弁護士基準との差が生まれます。
  • 入通院慰謝料の日数計算
  • 死亡慰謝料の幅
  • 自賠責基準の特徴は、傷害、後遺障害、死亡ごとに支払限度額があることです。

POINT 4

  • 弁護士基準の金額構造 ― 慰謝料だけでなく損害全体を評価する
  • 治療と症状
  • 傷害の重さ、治療内容、入院の有無、通院頻度、症状固定 時期が評価に影響します。
  • 後遺障害
  • 後遺障害等級、労働能力喪失率、喪失期間、事故との因果関係が大きな争点になります。

POINT 5

  • 入通院慰謝料の自賠責基準と弁護士基準の金額差
  • 2か月、3か月、6か月の計算例で差額を確認します。
  • 入通院慰謝料とは、事故によるけがで入院・通院を余儀なくされた精神的・肉体的苦痛に対する賠償です。
  • 治療期間が同じでも、軽傷として評価されるか通常傷害として評価されるかで、読み取るべき差額が変わります。
  • 次の比較グラフは、入通院慰謝料の差額を大きい順に視覚化したものです。

POINT 6

  • 後遺障害慰謝料の自賠責基準と弁護士基準の金額差
  • 14級・12級だけでなく、全等級の差額を一覧で確認します。
  • 14級でも総額差は100万円以上になることがあります
  • 単に痛みが残ったという日常語の意味だけではなく、症状固定後に残った障害が所定の等級に該当するかが審査されます。
  • 等級が低いほど倍率が大きく見えやすく、等級が高いほど差額そのものが非常に大きくなる点を読み取れます。

POINT 7

  • 死亡事故の自賠責基準と弁護士基準の金額差
  • 死亡慰謝料
  • 自賠責基準に近い金額にとどまっていないかを確認します。
  • 死亡逸失利益
  • 基礎収入、生活費控除率、就労可能年数、年金収入や家事労働の評価を確認します。

POINT 8

  • 休業損害・逸失利益でも自賠責基準と弁護士基準の差が出る
  • 慰謝料以外の項目を見落とすと、総額差を正しく把握できません。
  • 休業損害とは、事故によるけがのために仕事や家事ができず、収入減少や労働価値の喪失が生じたことに対する賠償です。
  • 自賠責基準では原則1日6,100円とされ、これを超える収入減が立証できる場合には一定の上限内で実額が認められる扱いです。
  • 次の選択肢一覧は、休業損害で確認すべき資料と評価の違いをまとめたものです。

まとめ

  • 自賠責基準と弁護士基準の 金額差はどれくらい?
  • 自賠責基準と弁護士基準の金額差は数十万円から1,000万円超まで広がる:まず、どの損害項目で差が出るのかを全体像として整理します。
  • 自賠責基準の金額構造 ― 120万円・後遺障害・死亡事故の限度額:自賠責は限度額と定額性があるため、弁護士基準との差が生まれます。
  • 弁護士基準の金額構造 ― 慰謝料だけでなく損害全体を評価する:後遺障害や死亡事故では、逸失利益や将来介護費まで含めた差が問題になります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

自賠責基準と弁護士基準の金額差は数十万円から1,000万円超まで広がる

まず、どの損害項目で差が出るのかを全体像として整理します。

交通事故の損害賠償でいう自賠責基準と弁護士基準の金額差は、事故の種類、治療期間、通院日数、後遺障害等級死亡事故かどうかによって大きく変わります。典型例では数万円ではなく、数十万円から1,000万円超まで広がることがあります。

次の比較表は、事故類型ごとにどの程度の金額差が生じやすいかをまとめたものです。損害項目によって差の出方が違うため、示談案を見るときは総額だけでなく、どの項目が低く評価されているのかを読み取ることが重要です。

事故・損害の類型差の目安典型的な見方
むちうち・打撲などで後遺障害なし数万円〜40万円前後通院期間が長く、実通院日数が一定程度あるほど差が出やすいです。
骨折など比較的重い傷害で後遺障害なし20万円〜80万円超通常傷害として評価されると、入通院慰謝料の差が大きくなります。
後遺障害14級慰謝料だけで78万円程度自賠責32万円、弁護士基準110万円が目安です。
後遺障害12級慰謝料だけで196万円程度自賠責94万円、弁護士基準290万円が目安です。
重い後遺障害数百万円〜1,000万円超慰謝料に加え、逸失利益や将来介護費で差が拡大しやすいです。
死亡事故慰謝料だけで1,000万円前後〜1,500万円前後自賠責の死亡慰謝料と弁護士基準の死亡慰謝料には大きな差があります。

自賠責基準は、交通事故被害者に対する基礎的・迅速・公平な補償を確保する制度です。一方、弁護士基準は、裁判実務上の損害賠償額の考え方に近い基準です。保険会社の提示が自賠責基準またはそれに近い内容であれば、弁護士基準との差が相当大きくなることがあります。

POINT金額差は入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料、休業損害・逸失利益、過失割合の順に分解して確認すると把握しやすくなります。
Section 01

自賠責基準と弁護士基準の定義を押さえる

3つの基準の違いを理解すると、示談案の読み方が変わります。

自賠責基準とは

自賠責基準とは、自動車損害賠償責任保険、いわゆる自賠責保険・自賠責共済が保険金・共済金を支払う際に用いる基準です。交通事故による人身損害について、政令で定められた限度額の範囲内で基本補償を行う制度です。

  • 対象は原則として人身損害であり、車両損害などの物損は対象外です。
  • 傷害・後遺障害・死亡ごとに支払限度額があります。
  • 被害者救済のための基礎的補償であり、裁判で認められ得る損害賠償額の全額を常にカバーする制度ではありません。

弁護士基準とは

弁護士基準とは、交通事故の損害賠償について、弁護士が示談交渉や訴訟で主張する際に参照する、裁判実務に近い算定基準です。裁判基準と呼ばれることもあります。

弁護士基準は、法律に条文として固定された金額表ではありません。裁判例・裁判実務の蓄積をもとに、損害項目ごとの相場を整理した実務上の基準です。個別事情により金額は変わります。

次の比較一覧は、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の主な使用場面と水準を整理したものです。保険会社から示談案を受け取ったときは、どの基準に近い提示なのかを読み分けることが第一歩になります。

自賠責

自賠責基準

自賠責保険・共済の支払いで使われる基礎補償の基準です。3基準の中では低額になりやすいです。

任意保険

任意保険基準

任意保険会社の示談提示で使われる内部基準です。自賠責基準より高いこともありますが、弁護士基準より低いことが多いです。

裁判実務

弁護士基準

弁護士交渉・訴訟・裁判実務で参照される基準です。3基準の中では高額になりやすいです。

Section 02

自賠責基準の金額構造 ― 120万円・後遺障害・死亡事故の限度額

自賠責は限度額と定額性があるため、弁護士基準との差が生まれます。

自賠責基準の特徴は、傷害、後遺障害、死亡ごとに支払限度額があることです。傷害による損害は120万円、死亡による損害は3,000万円、後遺障害は等級により75万円から4,000万円までの限度額があります。

次の一覧は、自賠責基準の主要な限度額と日額をまとめたものです。示談案の数字がこの一覧に近い場合、自賠責基準またはそれに近い計算になっている可能性を読み取れます。

項目自賠責基準の主な金額確認ポイント
傷害による損害被害者1人につき120万円治療費、文書料、休業損害、慰謝料などを合算した枠です。
傷害慰謝料1日4,300円対象日数は治療期間または実治療日数などを踏まえて決まります。
休業損害原則1日6,100円立証により一定の上限内で実額が認められる扱いです。
後遺障害第14級75万円〜第1級4,000万円等級や介護の要否によって限度額が変わります。
死亡による損害被害者1人につき3,000万円葬儀費、逸失利益、本人・遺族の慰謝料が対象です。

入通院慰謝料の日数計算

自賠責基準の入通院慰謝料は、令和2年4月1日以降の事故では1日4,300円が基本です。実務上は、治療期間と実治療日数の両方を見て対象日数を考えることが多く、典型的には次の式で整理できます。

計算式自賠責基準の入通院慰謝料 = 4,300円 × 慰謝料対象日数。慰謝料対象日数は、治療期間または実治療日数 × 2の少ないほうを目安にすることがあります。

死亡慰謝料の幅

次の比較表は、自賠責基準の死亡慰謝料を請求権者の人数などで整理したものです。死亡事故では、慰謝料部分だけでも弁護士基準との差が大きくなりやすいため、人数や扶養関係を分けて確認することが重要です。

遺族慰謝料請求権者の人数等自賠責基準の死亡慰謝料の例
請求権者1人、被扶養者なし本人400万円+遺族550万円 = 950万円
請求権者2人、被扶養者なし本人400万円+遺族650万円 = 1,050万円
請求権者3人以上、被扶養者なし本人400万円+遺族750万円 = 1,150万円
請求権者3人以上、被扶養者あり本人400万円+遺族750万円+200万円 = 1,350万円
Section 03

弁護士基準の金額構造 ― 慰謝料だけでなく損害全体を評価する

後遺障害や死亡事故では、逸失利益や将来介護費まで含めた差が問題になります。

弁護士基準というと慰謝料表だけが注目されがちですが、実際には損害項目全体の評価が問題になります。特に後遺障害や死亡事故では、逸失利益や将来介護費まで含めると、差額は慰謝料差よりはるかに大きくなり得ます。

次の比較表は、交通事故の人身損害で検討される主な項目と、金額差が出やすいポイントを整理したものです。どの項目が争点になりやすいかを把握すると、保険会社提示額のどこを見るべきかが明確になります。

損害項目内容金額差が出やすいポイント
治療費診察、投薬、手術、リハビリ等治療の必要性・相当性、症状固定時期
通院交通費通院のための交通費公共交通機関、タクシー利用の必要性など
休業損害事故で働けなかったことによる収入減自営業者、会社役員、主婦・家事従事者で争いやすい
入通院慰謝料治療中の精神的・肉体的苦痛自賠責基準と弁護士基準で差が出やすい
後遺障害慰謝料後遺障害が残った苦痛等級により差が大きい
後遺障害逸失利益後遺障害による将来収入減労働能力喪失率、喪失期間、基礎収入で差が大きい
死亡慰謝料死亡による本人・遺族の精神的苦痛1,000万円超の差が出ることがあります
死亡逸失利益死亡により将来得られなかった収入基礎収入、生活費控除率、就労可能年数
将来介護費重度後遺障害の介護費用近親者介護・職業介護、平均余命、住宅改造等

次のポイント一覧は、弁護士基準で金額が増減し得る代表的な事情です。弁護士基準は機械的な定額表ではないため、金額だけでなく、証拠や治療経過、事故態様をあわせて読む必要があります。

治療と症状

傷害の重さ、治療内容、入院の有無、通院頻度、症状固定時期が評価に影響します。

後遺障害

後遺障害等級、労働能力喪失率、喪失期間、事故との因果関係が大きな争点になります。

収入と生活実態

職業、年収、家事従事の実態、既往症、損益相殺などで最終的な評価が変わります。

Section 04

入通院慰謝料の自賠責基準と弁護士基準の金額差

2か月、3か月、6か月の計算例で差額を確認します。

入通院慰謝料とは、事故によるけがで入院・通院を余儀なくされた精神的・肉体的苦痛に対する賠償です。自賠責基準では原則として1日4,300円に対象日数をかけて算定し、弁護士基準では治療期間、入院期間、通院期間、けがの内容に応じて慰謝料表を参照します。

次の比較表は、むちうちや通常傷害の典型的な入通院慰謝料について、自賠責基準と弁護士基準の目安を並べたものです。治療期間が同じでも、軽傷として評価されるか通常傷害として評価されるかで、読み取るべき差額が変わります。

計算例自賠責基準弁護士基準の目安差額倍率
むちうち2か月・実通院10日86,000円約360,000円約274,000円約4.2倍
むちうち3か月・実通院30日約258,000円約530,000円約272,000円約2.1倍
通常傷害3か月・実通院30日約258,000円約730,000円約472,000円約2.8倍
むちうち6か月・実通院60日約516,000円約890,000円約374,000円約1.7倍

次の比較グラフは、入通院慰謝料の差額を大きい順に視覚化したものです。割合の長さは最大差額を100%とした相対的な大きさを示しており、通常傷害3か月の差が特に大きく、むちうちでも数十万円規模の差が出ることを読み取れます。

通常傷害3か月
47.2万
むちうち6か月
37.4万
むちうち2か月
27.4万
むちうち3か月
27.2万
金額は概算です。個別事情により評価は変わります。

入通院慰謝料で差が大きくなりやすいのは、治療期間が3か月以上ある、実通院日数が少なすぎない、骨折・脱臼・手術・入院など通常傷害用の評価が問題になる、保険会社提示額が1日4,300円×実通院日数×2に近い、といった場面です。

一方、治療期間が非常に短い場合、実通院が数回のみの場合、症状と治療の因果関係に争いがある場合は、差額が小さくなったり、弁護士基準どおりの主張が通りにくくなったりします。

Section 05

後遺障害慰謝料の自賠責基準と弁護士基準の金額差

14級・12級だけでなく、全等級の差額を一覧で確認します。

後遺障害慰謝料とは、治療を続けても症状が残り、後遺障害等級が認定された場合に、その後遺障害による精神的苦痛を賠償するものです。単に痛みが残ったという日常語の意味だけではなく、症状固定後に残った障害が所定の等級に該当するかが審査されます。

次の比較表は、介護を要しない後遺障害を前提に、自賠責基準の慰謝料等と弁護士基準の後遺障害慰謝料を等級別に並べたものです。等級が低いほど倍率が大きく見えやすく、等級が高いほど差額そのものが非常に大きくなる点を読み取れます。

後遺障害等級自賠責基準弁護士基準差額倍率
1級1,150万円2,800万円1,650万円約2.4倍
2級998万円2,370万円1,372万円約2.4倍
3級861万円1,990万円1,129万円約2.3倍
4級737万円1,670万円933万円約2.3倍
5級618万円1,400万円782万円約2.3倍
6級512万円1,180万円668万円約2.3倍
7級419万円1,000万円581万円約2.4倍
8級331万円830万円499万円約2.5倍
9級249万円690万円441万円約2.8倍
10級190万円550万円360万円約2.9倍
11級136万円420万円284万円約3.1倍
12級94万円290万円196万円約3.1倍
13級57万円180万円123万円約3.2倍
14級32万円110万円78万円約3.4倍

次の重要ポイントは、14級と12級で特に誤解されやすい点をまとめたものです。慰謝料差だけを見て終わらせず、逸失利益まで含めて総額を比較する必要があります。

14級でも総額差は100万円以上になることがあります

後遺障害14級では、自賠責基準の慰謝料等32万円と弁護士基準110万円の差は78万円です。ただし、後遺障害逸失利益が加わると、総額差はさらに大きくなることがあります。

後遺障害事案では、慰謝料表だけを見ても全体像はつかめません。次の比較一覧は、金額に大きく影響する争点を整理したものです。等級、症状固定時期、労働能力、基礎収入を分けて確認することが、損害額の見通しを読むために重要です。

争点なぜ重要か
後遺障害等級14級か12級かだけでも慰謝料差は180万円で、逸失利益にも影響します。
症状固定時期入通院慰謝料の期間、後遺障害申請時期、治療費負担に影響します。
労働能力喪失率後遺障害逸失利益の中核要素です。
労働能力喪失期間むちうち等では期間が争われやすいです。
基礎収入会社員、自営業者、主婦、学生、高齢者で評価が異なります。
事故との因果関係既往症や経年変化がある場合に争点化しやすいです。
Section 06

死亡事故の自賠責基準と弁護士基準の金額差

慰謝料だけでも1,000万円を超える差が出ることがあります。

死亡事故では、自賠責基準の死亡本人慰謝料は400万円です。遺族慰謝料は、父母、配偶者、子など請求権者の人数により550万円、650万円、750万円とされ、被害者に被扶養者がいる場合は200万円が加算されます。

次の比較表は、死亡慰謝料について自賠責基準と弁護士基準の目安を並べたものです。死亡事故では、請求権者の人数や被害者の立場によって差額が1,000万円を超えることを読み取れます。

ケース自賠責基準の死亡慰謝料弁護士基準の目安差額
請求権者1人、被扶養者なし、その他属性950万円2,000万〜2,500万円1,050万〜1,550万円
請求権者2人、被扶養者なし、母親・配偶者1,050万円2,500万円1,450万円
請求権者3人以上、被扶養者あり、一家の支柱1,350万円2,800万円1,450万円

次の比較一覧は、死亡事故で示談前に確認すべき主な項目です。慰謝料だけでなく、死亡逸失利益、葬儀費、死亡までの傷害慰謝料、相続人間の確認まで含めて読む必要があります。

死亡慰謝料

自賠責基準に近い金額にとどまっていないかを確認します。

死亡逸失利益

基礎収入、生活費控除率、就労可能年数、年金収入や家事労働の評価を確認します。

手続きと分配

葬儀費、付添費、死亡までの傷害慰謝料、相続人間の受領・分配確認も重要です。

死亡事故は、精神的負担が大きいだけでなく、相続、損害賠償、刑事事件対応、保険請求が重なります。早期に示談すると、後から不足に気づいてもやり直しが難しい場合があります。

Section 07

休業損害・逸失利益でも自賠責基準と弁護士基準の差が出る

慰謝料以外の項目を見落とすと、総額差を正しく把握できません。

休業損害とは、事故によるけがのために仕事や家事ができず、収入減少や労働価値の喪失が生じたことに対する賠償です。自賠責基準では原則1日6,100円とされ、これを超える収入減が立証できる場合には一定の上限内で実額が認められる扱いです。

次の選択肢一覧は、休業損害で確認すべき資料と評価の違いをまとめたものです。会社員、自営業者、家事従事者では必要な資料が異なるため、どの立場に当てはまるかを読み取ることが重要です。

1

会社員

事故前収入、給与明細、休業損害証明書などが重要です。

収入資料
2

自営業者

確定申告書、帳簿、売上減少と事故との関係が問題になりやすいです。

立証
3

家事従事者

給与収入がなくても、家事労働には経済的価値があるため、家事への具体的支障を整理します。

生活実態

逸失利益とは、事故がなければ将来得られたはずの収入が失われたことによる損害です。後遺障害逸失利益と死亡逸失利益があります。基礎収入、労働能力喪失率、喪失期間、生活費控除率などによって、弁護士基準で主張する額との差が出ることがあります。

後遺障害後遺障害逸失利益 = 基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
死亡事故死亡逸失利益 = 基礎収入 × (1 − 生活費控除率) × 就労可能年数に対応するライプニッツ係数
Section 08

過失割合によって弁護士基準のほうが常に得とは限らない

最終受取額は、過失相殺と自賠責の重過失減額を踏まえて比較します。

通常の損害賠償では、被害者にも過失がある場合、その割合に応じて賠償額が減額されます。これを過失相殺といいます。一方、自賠責保険は被害者保護の制度であるため、被害者に重大な過失がある場合に限り、一定の減額が行われます。

次の比較表は、自賠責の重過失減額の考え方を簡略に整理したものです。弁護士基準の損害額が高くても、過失割合が大きいと最終受取額が大きく減るため、自賠責からの回収可能額も合わせて読む必要があります。

被害者側の過失割合自賠責の扱いの目安確認ポイント
7割未満原則として減額なし自賠責部分の回収を先に確認する価値があります。
7割以上8割未満2割減額弁護士基準の総損害額だけでなく、減額後の額で比較します。
8割以上9割未満後遺障害・死亡で3割減額重い損害ほど差額と減額の両方が大きくなります。
9割以上10割未満後遺障害・死亡で5割減額最終受取額の見通しを慎重に確認する必要があります。

次の判断の流れは、過失が問題になる事案で最終受取額を比較する順番を示しています。上から順に確認することで、損害総額、過失割合、既払金、自賠責回収額、任意保険会社への上乗せ請求を分けて考えられます。

最終受取額を比較する順番

損害総額を算定

弁護士基準を目安に、慰謝料・休業損害・逸失利益を分けます。

過失割合を反映

被害者側の過失がある場合は、過失相殺後の額を見ます。

既払金と給付を調整

治療費、休業損害、自賠責保険金、労災給付などを確認します。

上乗せ請求を検討

自賠責から回収できる金額と、任意保険会社に請求すべき額を分けます。

Section 09

保険会社の提示額で自賠責基準と弁護士基準の差を読むチェックポイント

示談案の項目名だけでなく、計算根拠を確認します。

示談案には、治療費、通院交通費、休業損害、傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益などが並びます。重要なのは、各項目がどの基準で算定されているかです。

次のポイント一覧は、保険会社の提示額を読むときに確認したい代表的な数字と項目です。自賠責基準に近い数字が入っている場合、弁護士基準との差がどこにあるかを読み取る手がかりになります。

傷害慰謝料

4,300円×日数に近い計算になっていないかを確認します。

120万円枠

傷害事故では、治療費、休業損害、慰謝料などが自賠責の120万円枠に含まれます。

後遺障害等級

症状が残るのに後遺障害申請をしていない場合、慰謝料や逸失利益が漏れる可能性があります。

休業損害

会社員、自営業者、家事従事者で、必要な資料と評価方法が異なります。

逸失利益

労働能力喪失期間、基礎収入、労働能力喪失率が低く見積もられていないかを確認します。

特にむちうちで、事故後6か月程度治療を継続しても痛みやしびれが残る場合、後遺障害14級9号の可能性が問題になることがあります。ただし、認定には医学的資料、症状の一貫性・連続性、事故態様などが関係します。

Section 10

自賠責基準と弁護士基準の差で弁護士相談の意味が大きいケース

金額だけでなく、争点の複雑さも相談の必要性を左右します。

弁護士に相談する価値が高いのは、単に金額を増やしたい場合だけではありません。法的・医学的・保険実務上の争点が絡みやすい場合は、専門的検討の必要性が高くなります。

次の比較表は、弁護士相談の必要性が高いケースと、その理由を整理したものです。自分の事故がどの行に近いかを見ることで、単なる慰謝料差だけでなく、等級、過失、休業損害、費用特約まで含めて検討できます。

ケース相談の必要性が高い理由
治療期間が3か月以上入通院慰謝料の差が出やすいです。
保険会社から治療費打切りを言われた症状固定時期、治療継続の必要性が争点になります。
後遺症が残っている後遺障害申請、異議申立て、逸失利益が問題になります。
後遺障害等級が14級・12級などで認定された慰謝料と逸失利益の差が大きいです。
非該当になったが症状が残る医証の不足、申請方法、異議申立ての検討が必要です。
死亡事故慰謝料、逸失利益、相続、刑事事件対応が重なります。
過失割合に納得できない事故態様、実況見分調書、過失相殺基準の検討が必要です。
主婦・自営業・会社役員休業損害・逸失利益の算定が争われやすいです。
弁護士費用特約がある費用負担を抑えて相談・依頼できる可能性があります。

弁護士費用特約がある場合、相談料・弁護士費用が保険でカバーされることがあります。自分や同居家族、別居の未婚の子、加入している自動車保険・火災保険・傷害保険などに特約がないか確認する価値があります。

Section 11

自賠責基準と弁護士基準の金額差を正しく把握する計算手順

示談案は損害項目を分け、最終受取額まで確認します。

交通事故の示談案を受け取ったら、総額だけを見るのではなく、損害項目を分けて確認します。治療費、通院交通費、文書料、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益、死亡慰謝料、死亡逸失利益、葬儀費、既払金、過失相殺を分けると、どこが低いのかが見えやすくなります。

次の時系列は、金額差を確認する順番を示しています。上から順に進めると、自賠責基準に近い数字、弁護士基準の目安、過失割合、既払金、最終受取額を漏れなく確認できます。

手順1

損害項目を分ける

総額ではなく、慰謝料、休業損害、逸失利益、既払金、過失相殺を分解します。

手順2

自賠責基準に近い数字を見つける

4,300円、6,100円、32万円、94万円、120万円、3,000万円などを確認します。

手順3

弁護士基準の目安と比較する

通院3か月、後遺障害14級、12級、死亡事故などの目安と比べます。

手順4

過失割合と既払金を反映する

被害者側の過失や、すでに支払われた治療費・休業損害などを調整します。

手順5

最終受取額で比較する

慰謝料単体ではなく、控除後に実際に受け取る見込み額で判断します。

次の比較表は、自賠責基準に近い可能性を示す代表的な数字です。示談案に同じ数字や近い数字がある場合、該当項目の根拠を確認する必要があります。

数字意味
4,300円傷害慰謝料の日額
6,100円休業損害の原則日額
32万円後遺障害14級の慰謝料等
94万円後遺障害12級の慰謝料等
400万円死亡本人の慰謝料
550万・650万・750万円遺族慰謝料の人数別金額
120万円傷害部分の自賠責限度額
75万円後遺障害14級の自賠責限度額
3,000万円死亡事故の自賠責限度額
最終式最終受取額 = 損害総額 − 過失相殺 − 既払金 − 控除・調整される給付
Section 12

自賠責基準と弁護士基準の金額差でよくある誤解

基準の違いを、違法性や満額保証と混同しないことが大切です。

自賠責基準と弁護士基準の金額差は大きいことがありますが、自賠責基準そのものが違法な低額提示という意味ではありません。また、弁護士基準なら必ず満額になるという意味でもありません。

次の一覧は、示談前に起こりやすい誤解をまとめたものです。各項目を読むと、制度の違いと個別事情による増減を分けて理解できます。

誤解1

自賠責基準は違法な低額提示である

自賠責基準は法律・支払基準に基づく公的な基礎補償の基準です。問題は、裁判実務上認められ得る損害より低い金額のまま合意してしまうことです。

誤解2

弁護士基準なら必ず満額取れる

弁護士基準は有力な交渉・訴訟上の基準ですが、過失割合、既往症、治療の必要性、通院頻度、証拠の有無で変わります。

誤解3

後遺障害14級なら差額は78万円だけである

78万円は後遺障害慰謝料だけの差です。後遺障害逸失利益も問題になるため、総額差はさらに大きくなることがあります。

誤解4

治療費が払われていれば慰謝料も十分である

治療費の支払いと慰謝料の妥当性は別問題です。慰謝料が自賠責基準に近い低額で提示されていることがあります。

誤解5

示談後でも簡単に増額できる

示談は、原則として紛争を最終的に解決する合意です。特殊な事情がない限り、示談後の増額交渉は難しくなります。

制度目的にも違いがあります。自賠責基準は基礎補償を迅速・公平に行うため、定額性、限度額、画一性が重視されます。弁護士基準は、民事上の損害賠償責任を前提に、被害者が受けた損害を裁判実務に沿って評価する考え方です。

確認すべき問いは、自賠責基準が間違っているかではありません。保険会社の提示額が、裁判実務上認められ得る損害額と比較して、どの項目でどれだけ低いのかという点です。

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自賠責基準と弁護士基準の金額差のまとめ

最終受取額まで分解して、示談前に確認します。

自賠責基準と弁護士基準の金額差は、軽い傷害でも数十万円、後遺障害では数十万円から1,000万円超、死亡事故では慰謝料だけで1,000万円以上になることがあります。

次の比較表は、このページで扱った重要な目安をまとめたものです。示談案を受け取ったときは、この表の金額と照らし合わせながら、慰謝料だけでなく逸失利益や過失割合まで確認してください。

類型自賠責基準弁護士基準差額
むちうち2か月・実通院10日の相談例86,000円約360,000円約274,000円
むちうち3か月・実通院30日約258,000円約530,000円約272,000円
通常傷害3か月・実通院30日約258,000円約730,000円約472,000円
後遺障害14級32万円110万円78万円
後遺障害12級94万円290万円196万円
死亡事故・一家の支柱最大例1,350万円程度2,800万円約1,450万円

最後に、示談案を受け取ったときの確認事項を一覧にします。この5点を確認すると、どの項目で自賠責基準と弁護士基準の差が出ているかを見落としにくくなります。

入通院慰謝料

4,300円×日数で計算されていないかを確認します。

後遺障害慰謝料

32万円、94万円など自賠責基準にとどまっていないかを確認します。

逸失利益

漏れや低い見積もりがないかを確認します。

休業損害

家事従事者・自営業者の損害が適切に評価されているかを確認します。

最終受取額

過失割合と既払金を反映した額で比較します。

自賠責基準と弁護士基準の金額差は、交通事故被害者にとって、治療後の生活再建に直結する問題です。示談書に署名する前に、各損害項目の根拠を分解し、裁判実務上の目安と比較することが重要です。

Reference

この記事の参考情報源

公的資料と交通事故損害賠償実務の資料をもとに整理しています。

公的資料

  • 国土交通省「自賠責保険・共済の限度額と補償内容」
  • 国土交通省「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」
  • 金融庁・国土交通省「自動車損害賠償責任保険の支払基準改正に関する公表資料」
  • e-Gov法令検索「民法」

交通事故損害賠償実務資料

  • 日弁連交通事故相談センター「交通事故損害額算定基準」
  • 日弁連交通事故相談センター「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」
  • 日弁連交通事故相談センター「任意保険会社から提示を受けた慰謝料額についての相談」
  • 交通事故損害賠償実務資料(入通院慰謝料表の説明)
  • 法律実務解説(通院3か月の慰謝料相場に関する解説)
  • 法律実務解説(後遺障害慰謝料の等級別相場に関する解説)
  • 法律実務解説(死亡慰謝料の相場に関する解説)