2σ Guide

強制執行にかかる費用は
対象財産で大きく変わります

預金・給与の差押えから不動産競売、明渡し執行まで、裁判所実費、予納金、登録免許税、専門家費用を分けて整理します。

4,000円 典型的な申立手数料
60万円+ 不動産競売予納金例
65,000円 明渡し予納金標準例
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

強制執行にかかる費用は 対象財産で大きく変わります

預金・給与の差押えから不動産競売、明渡し執行まで、裁判所実費、予納金、登録免許税、専門家費用を分けて整理します。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
強制執行にかかる費用は 対象財産で大きく変わります
預金・給与の差押えから不動産競売、明渡し執行まで、裁判所実費、予納金、登録免許税、専門家費用を分けて整理します。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 強制執行にかかる費用は 対象財産で大きく変わります
  • 預金・給与の差押えから不動産競売、明渡し執行まで、裁判所実費、予納金、登録免許税、専門家費用を分けて整理します。

POINT 1

  • 強制執行にかかる費用の全体像
  • まず対象財産ごとの費用差と、先払いになる実務上の注意点を整理します。
  • 費用は「何を対象にするか」で決まります
  • 強制執行は権利を現実化する制度ですが、申立時には債権者側が先に支出する費用が多いため、回収可能性と一緒に見ることが重要です。
  • 次の重要ポイントは、費用を見積もる前に押さえるべき考え方をまとめたものです。

POINT 2

  • 強制執行費用を理解する基本用語
  • 債務名義、執行文、第三債務者、予納金の意味を先に押さえます。
  • 強制執行
  • 債務名義
  • 第三債務者

POINT 3

  • 債権差押えにかかる強制執行費用
  • 1. 手元資料を確認:振込履歴、請求書、契約書、給与情報、取引先情報を整理します。
  • 2. 差押先が具体的に分かるか:銀行、勤務先、取引先を正確に特定できるかを見ます。
  • 3. 債権差押えを検討:申立手数料、郵便切手、証明書費用を見積もります。
  • 4. 財産調査を検討:情報取得手続などの追加費用を見込みます。

POINT 4

  • 財産が分からない場合の強制執行費用
  • 1. 手元資料で差押先を探す:過去の振込口座、勤務先、取引先、契約書、請求書、登記情報を確認します。
  • 2. 財産開示・情報取得を検討:費用は比較的低額でも、回収につながるとは限らないため、対象を絞ります。
  • 3. 判明財産へ差押え:情報取得後に、債権差押えなどの本体費用が別途発生します。

POINT 5

  • 動産執行・不動産競売で強制執行費用が高くなる理由
  • 先順位抵当権
  • 先に配当を受ける債権者がいると、自分の回収分が残らないことがあります。
  • 税金・管理費
  • 固定資産税、管理費、滞納処分などの優先関係を確認します。

POINT 6

  • 不動産明渡し執行にかかる費用
  • 家財・残置物が多い
  • 搬出、運搬、倉庫保管、廃棄の費用が大きくなります。
  • 鍵や立入りの問題
  • 鍵開け、鍵交換、立会い調整が必要になることがあります。

POINT 7

  • 専門家に依頼する場合の強制執行費用
  • 弁護士・司法書士等の費用は、裁判所実費と分けて確認します。
  • これは一般相場ではなく公的な立替制度の基準なので、通常の相談では事務所ごとの報酬体系と別に考える必要があります。
  • 手続ごとの列を見比べ、立替基準上の違いを読み取ってください。

POINT 8

  • 強制執行費用で費用倒れを防ぐチェックリスト
  • 1. 申立人が実費を先に支払う:印紙、郵券、証明書、予納金、現場費用を準備します。
  • 2. 差押先から回収できるか:残高、給与、売掛金、不動産価値、動産価値を見ます。
  • 3. 手続を具体化:裁判所と専門家へ具体的な費用確認をします。
  • 4. 別手段も検討:任意交渉、分割弁済、財産調査、別手続を比較します。

まとめ

  • 強制執行にかかる費用は 対象財産で大きく変わります
  • 強制執行にかかる費用の全体像:まず対象財産ごとの費用差と、先払いになる実務上の注意点を整理します。
  • 強制執行費用を理解する基本用語:債務名義、執行文、第三債務者、予納金の意味を先に押さえます。
  • 債権差押えにかかる強制執行費用:預金、給与、売掛金の差押えは低コストで始めやすい一方、差押先の特定が重要です。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

強制執行にかかる費用の全体像

まず対象財産ごとの費用差と、先払いになる実務上の注意点を整理します。

強制執行にかかる費用は、預貯金・給与・売掛金を差し押さえるのか、不動産を競売にかけるのか、建物の明渡しまで進めるのかによって大きく変わります。強制執行は権利を現実化する制度ですが、申立時には債権者側が先に支出する費用が多いため、回収可能性と一緒に見ることが重要です。

次の重要ポイントは、費用を見積もる前に押さえるべき考え方をまとめたものです。対象財産ごとの差がなぜ重要かを示し、低額で始めやすい手続と高額な準備が必要になりやすい手続を読み分ける手がかりになります。

費用は「何を対象にするか」で決まります

債権差押えは1万円前後から検討できることがありますが、不動産競売や明渡し執行では予納金、登録免許税、現場費用により数十万円以上の準備が必要になることがあります。

次の比較表は、主な強制執行手続ごとの対象、裁判所・執行官関係の実費、高額化しやすい要因を並べたものです。列を左から順に見ると、手続の種類、初期費用の規模、追加費用が膨らむ条件を一度に確認できます。

手続の種類主な対象実費の目安高額化しやすい要因
債権差押え預金、給与、売掛金、報酬債権収入印紙4,000円、郵便切手数千円、証明書取得費。単純事案では1万円前後から検討可能第三債務者が多い、法人登記証明書が多数必要、差押先が不明
財産開示手続債務者本人の財産情報収入印紙2,000円、予納金数千円、郵便切手債務者が出頭しない、追加調査が必要
第三者からの情報取得手続不動産、給与、預貯金、上場株式などの情報収入印紙1,000円、情報の種類・第三者数に応じた予納金金融機関等を多数指定する、調査範囲を広げる
動産執行現金、貴金属、動産、車両東京地裁の標準表では差押事件35,000円、動産競売事件30,000円が一例開錠、搬出、保管、売却、執行場所の増加
不動産強制競売土地・建物申立手数料4,000円、登録免許税、民事執行予納金。裁判所例では予納金60万円以上となることがある物件数、所在地、共有、現況調査、評価、売却不成立
不動産明渡し執行賃貸物件、占有中の建物・部屋東京地裁の標準表では不動産明渡等事件65,000円が一例。ただし現場費用は別家財量、搬出作業、鍵開け、倉庫保管、断行の有無
専門家費用申立書作成、代理、調査、交渉事務所ごとに異なる。弁護士会の旧報酬基準は廃止済み回収額、難易度、緊急性、出廷・現地対応
注意費用の最終負担者は原則として債務者ですが、申立時には債権者が先に支払います。財産が見つからない場合や差押先に残高がない場合は、支出分を回収できない可能性があります。
Section 01

強制執行費用を理解する基本用語

債務名義、執行文、第三債務者、予納金の意味を先に押さえます。

次の用語一覧は、強制執行の費用見積りで頻繁に出てくる概念を整理したものです。書類の要否や送達先の数が費用に直結するため、どの用語がどの費目に影響するかを読み取ってください。

制度

強制執行

判決や公正証書などで認められた権利を、相手が任意に履行しない場合に裁判所や執行官の手続で実現する制度です。

根拠

債務名義

確定判決、和解調書、調停調書、仮執行宣言付支払督促、執行認諾文言付き公正証書など、強制執行の根拠になる文書です。

付記

執行文

その債務名義で強制執行できることを示す付記です。裁判所資料では、付与申立ての手数料は1通300円と案内されています。

送達先

第三債務者

預金差押えの銀行、給与差押えの勤務先、売掛金差押えの取引先など、債務者に支払義務を負う第三者です。

先払い

予納金

裁判所や執行官が手続を進めるために、申立人があらかじめ納める概算費用です。余れば返還され、不足すれば追加納付を求められることがあります。

負担

執行費用

民事執行法上、必要な強制執行費用は原則として債務者負担です。ただし、弁護士費用のすべてが当然に回収できるわけではありません。

次の表は、書類や証明書の取得で特に費用に影響しやすい点を整理したものです。必要書類の列を確認すると、申立前にどの窓口で何をそろえるべきかが分かります。

確認項目費用に影響する理由主な確認先
執行文の要否必要な場合は1通300円程度の手数料が加わります。判決を出した裁判所、公証役場など
送達証明書送達が証明できないと強制執行に進めないことがあります。裁判所、公証役場など
法人の証明書第三債務者や債務者が法人の場合、登記事項証明書が増えることがあります。法務局
第三債務者の数郵便切手や証明書取得費が増えます。銀行、勤務先、取引先情報
Section 02

強制執行費用を構成する6つの費目

申立手数料、郵便切手、証明書、登録免許税、現場費用、専門家費用に分けて見ます。

次の費目一覧は、強制執行費用を6つに分解したものです。どの費目が固定的にかかり、どの費目が対象財産や現場状況で増えるのかを読み取ると、見積りの抜けを減らせます。

1

申立手数料

債権差押命令や不動産強制競売などは4,000円、財産開示手続は2,000円とされる例があります。

収入印紙
2

予納郵便切手

裁判所から債務者、第三債務者、申立人へ書類を送るための費用です。東京地裁例では基本4,000円に人数分を加算する構造があります。

人数で増減
3

証明書取得費

送達証明書、確定証明書、執行文、法人や不動産の登記事項証明書などが必要になることがあります。

書類確認
4

登録免許税

不動産競売では差押登記のため、確定請求債権額に0.4%を乗じる計算が目安になります。

不動産
5

執行官費用・現場費用

動産執行や明渡し執行では、執行官手数料のほか、開錠、搬出、保管、作業員費用が問題になります。

追加予納
6

専門家費用

弁護士・司法書士等へ依頼する場合、相談料、着手金、報酬金、日当、実費の範囲を分けて確認します。

契約範囲

次の比較表は、証明書や登記関係の費用例をまとめたものです。書面請求、オンライン請求、窓口交付の違いで金額が変わるため、必要通数を掛け合わせて見積もる必要があります。

費目金額例注意点
執行文付与1通300円程度すべての債務名義で必要とは限りません。
送達証明書150円程度必要になることがあります。
登記事項証明書の書面請求600円法人や不動産が関係する場合に増えます。
オンライン請求・送付520円令和7年4月1日以降の法務省手数料例です。
オンライン請求・窓口交付490円複数法人や複数物件では通数に注意します。
Section 03

債権差押えにかかる強制執行費用

預金、給与、売掛金の差押えは低コストで始めやすい一方、差押先の特定が重要です。

債権差押えは、物を運び出したり不動産を売却したりしないため、強制執行の中では初期費用を抑えやすい手続です。次の表では、単純な預金差押えを想定した概算を示し、どの費目が基本部分で、どの費目が事案により増えるかを読み取れるようにしています。

費目概算補足
申立手数料4,000円債権者1名、債務者1名、債務名義1通の例です。
予納郵便切手約4,000円東京地裁例では第三債務者等の追加で加算されます。
送達証明書150円程度必要になることがあります。
執行文付与300円程度必要な債務名義の場合のみです。
資格証明書・登記事項証明書1通あたり数百円銀行、法人、取引先が関係する場合に増えます。
合計の目安おおむね1万円前後から差押先や必要書類により増減します。

次の判断の流れは、預金・給与・売掛金のどれを対象にするかを考える順番を表します。上から下へ進むほど、差押先の特定と回収可能性を確認でき、空振りを避けるために何を見るべきかが分かります。

債権差押えの対象を選ぶ順番

手元資料を確認

振込履歴、請求書、契約書、給与情報、取引先情報を整理します。

差押先が具体的に分かるか

銀行、勤務先、取引先を正確に特定できるかを見ます。

分かる
債権差押えを検討

申立手数料、郵便切手、証明書費用を見積もります。

分からない
財産調査を検討

情報取得手続などの追加費用を見込みます。

給与差押えでは勤務先が第三債務者となり、給与の差押禁止範囲にも注意が必要です。売掛金・報酬債権の差押えでは、取引先がすでに支払い済みである、相殺を主張する、債権が存在しないと回答する可能性もあります。

Section 04

財産が分からない場合の強制執行費用

財産開示手続と第三者からの情報取得手続は、回収前の調査費用として見ます。

次の表は、財産が分からないときに使われる手続の費用例を並べたものです。これらは回収そのものではなく、差押えの前段階で情報を得る手続なので、表の金額に加えて後日の差押費用が必要になる点を読み取ってください。

手続費用例手続の役割
財産開示手続申立手数料2,000円、郵便切手110円分、予納金7,000円の案内例債務者本人に財産情報を開示させます。
第三者からの情報取得手続申立手数料1,000円。預貯金・上場株式・国債等は1件5,000円、不動産・給与情報は1件6,000円の予納金例金融機関、登記所、市町村、日本年金機構等から情報提供を受けます。
判明後の強制執行債権差押え、不動産競売などの費用が別途必要調査で分かった財産に対して改めて申立てます。

次の時系列は、財産が不明な場合に費用が重なっていく順番を表しています。上から下へ、手元資料で特定できるか、調査手続を使うか、判明財産に執行するかを確認してください。

最初

手元資料で差押先を探す

過去の振込口座、勤務先、取引先、契約書、請求書、登記情報を確認します。

調査

財産開示・情報取得を検討

費用は比較的低額でも、回収につながるとは限らないため、対象を絞ります。

実行

判明財産へ差押え

情報取得後に、債権差押えなどの本体費用が別途発生します。

採算少額債権では、調査費用と本体執行費用が二重にかかる点が重要です。勤務先や取引先が分かる場合は、先に手元資料で差押先を絞ることが費用対効果に直結します。
Section 05

動産執行・不動産競売で強制執行費用が高くなる理由

現場対応と不動産手続では、予納金や登録免許税が大きな負担になります。

次の比較グラフは、代表的な手続の初期負担の大きさを概念的に比べたものです。棒の高さは厳密な相場ではなく、費用規模の違いを読むための目安で、債権差押えから不動産競売へ進むほど初期準備額が大きくなる点を確認してください。

1万
債権差押え
3.5万
動産差押え
60万+
不動産競売

次の表は、不動産競売で特に大きくなる登録免許税の計算例です。税額の増え方は予納金とは別に重要な負担になるため、確定請求債権額の列が増えるほど、0.4%の計算により登録免許税も増えることを読み取ってください。

確定請求債権額登録免許税の概算計算の考え方
300万円12,000円300万円×0.4%
500万円20,000円500万円×0.4%
1,000万円40,000円1,000万円×0.4%
3,000万円120,000円3,000万円×0.4%
5,000万円200,000円5,000万円×0.4%

次の注意要素の一覧は、不動産競売を選ぶ前に確認すべき採算リスクをまとめたものです。各項目は売却代金から回収できる金額を減らす可能性があり、競売をしても債権者に配当が残らない場合を見落とさないために重要です。

先順位抵当権

先に配当を受ける債権者がいると、自分の回収分が残らないことがあります。

税金・管理費

固定資産税、管理費、滞納処分などの優先関係を確認します。

共有・占有

共有持分だけの競売や占有者の存在は、売却価格や明渡し費用に影響します。

売却不成立

評価や現況によっては、競売が長期化したり取り消されたりする可能性があります。

動産執行でも、現場に価値ある物がなければ空振りになります。生活用品や古い家電は換価価値が乏しいことが多く、現金商売、商品在庫、機械設備、車両などが存在する蓋然性を見て費用対効果を判断します。

Section 06

不動産明渡し執行にかかる費用

執行官関係の予納金だけでなく、搬出・保管・鍵開けなどの現場費用を見込みます。

次の表は、不動産明渡し執行で申立時に見落としやすい費用構造を整理したものです。予納金標準表の金額だけでなく、作業員や保管などの現場費用が別に発生し得る点を読み取ってください。

費目金額・内容の例注意点
執行官関係の予納金東京地裁標準表では不動産明渡等事件65,000円債務者1名または物件1個が増すごとに40,000円加算の例があります。
郵送時の切手郵送申立てでは予納通知等の送付用切手が必要になることがあります。申立先の執行官室に確認します。
現場作業費鍵開け、鍵交換、作業員、搬出、運搬、倉庫保管、廃棄標準表の予納金に含まれないことがあります。
追加予納金家財が多い、店舗・倉庫、複数部屋などで発生しやすい断行前に見積りを確認します。

次の注意要素の一覧は、明渡し執行で総額が膨らむ典型場面をまとめたものです。各項目があるほど現場対応が重くなり、予納金とは別の支出が増える可能性があると読み取ってください。

家財・残置物が多い

搬出、運搬、倉庫保管、廃棄の費用が大きくなります。

鍵や立入りの問題

鍵開け、鍵交換、立会い調整が必要になることがあります。

店舗・倉庫・一戸建て

面積や物品量が増えやすく、作業員や車両の費用が増えます。

任意退去の可能性

催告後に退去が実現すれば、断行費用を抑えられることがあります。

明渡しでは、占有者の人数、家族構成、営業実態、ペットや危険物、車両の有無、搬出・保管業者の見積りを事前に整理することが重要です。賃料滞納額が小さい場合、明渡し費用のほうが大きくなる可能性があります。

Section 07

専門家に依頼する場合の強制執行費用

弁護士・司法書士等の費用は、裁判所実費と分けて確認します。

次の表は、専門家へ依頼するときに確認すべき費用項目を整理したものです。裁判所に納める実費と、専門家との委任契約で発生する費用は別なので、列ごとに誰がいつ負担するかを読み取ってください。

確認項目確認すべき内容
相談料初回無料か、有料か。時間単価はいくらか。
着手金申立てだけか、財産調査も含むか。
報酬金回収額の何%か。回収不能時に発生するか。
実費収入印紙、郵券、登記証明、予納金、交通費を誰がいつ負担するか。
日当裁判所出頭、執行現場立会い、遠方対応で発生するか。
追加費用財産開示、情報取得、再申立て、取下げ、不服申立ての費用。
契約範囲差押えのみか、回収後の取立て・配当・交渉まで含むか。

次の比較表は、法テラスの代理援助立替基準に示される強制執行関係の参考値を整理したものです。これは一般相場ではなく公的な立替制度の基準なので、通常の相談では事務所ごとの報酬体系と別に考える必要があります。手続ごとの列を見比べ、立替基準上の違いを読み取ってください。

制度・場面実費等着手金の基準例
強制執行事件20,000円強制執行単独援助では55,000円〜77,000円
関連事件があり執行対象が不動産制度基準による55,000円〜77,000円
関連事件があり執行対象が債権・動産制度基準による44,000円〜66,000円
財産開示手続15,000円33,000円〜44,000円
確認弁護士費用は2004年4月1日から弁護士会の報酬基準が廃止され、各弁護士が報酬を定める制度になっています。相談時には、実費、着手金、成功報酬、追加手続費用を分けて確認します。
Section 08

強制執行費用で費用倒れを防ぐチェックリスト

債務者負担と債権者の先払いを分け、回収可能性を事前に確認します。

次のチェック一覧は、強制執行を申し立てる前に採算を確認するためのものです。左列の確認項目ごとに、手続に進める前提、差押対象、回収見込み、相手方の反応を読み取り、費用倒れの可能性を絞り込みます。

確認領域主な確認事項
債務名義判決確定、仮執行宣言、公正証書の強制執行認諾文言、執行文、送達証明書、債務者情報の一致。
差押対象銀行名・支店名、勤務先、売掛先、不動産登記、車両・動産の所在、財産開示・情報取得の要否。
回収見込額債権額、遅延損害金、計上できる執行費用、専門家費用、先順位債権、残高や支払債務の可能性。
相手方の反応任意弁済、分割払い、破産申立て、給与差押え後の退職、取引先差押えによる関係悪化、残置物トラブル。

次の判断の流れは、「法律上は債務者負担」と「実際には債権者が先に払う」という二層構造を整理したものです。上から順に、支出、回収、持ち出しリスクを確認してください。

先払いと回収可能性の確認順序

申立人が実費を先に支払う

印紙、郵券、証明書、予納金、現場費用を準備します。

差押先から回収できるか

残高、給与、売掛金、不動産価値、動産価値を見ます。

見込みあり
手続を具体化

裁判所と専門家へ具体的な費用確認をします。

不透明
別手段も検討

任意交渉、分割弁済、財産調査、別手続を比較します。

Section 09

強制執行費用のよくある質問

費用負担、弁護士費用、安い手続、財産調査の誤解を一般情報として整理します。

Q1. 強制執行にかかる費用は最終的に相手へ求められる扱いですか。

一般的には、必要な執行費用は債務者負担とされています。ただし、最初に支払うのは通常、申立人である債権者です。相手に財産がなければ実際に回収できない可能性があり、具体的な費用計上は裁判所や弁護士等の専門家に確認する必要があります。

Q2. 弁護士費用も相手から回収できますか。

一般的には、強制執行に関する弁護士費用の全額が当然に執行費用として回収できるわけではありません。委任契約に基づき依頼者が負担するのが基本で、事案によって扱いが変わる可能性があります。

Q3. もっとも安い強制執行はどれですか。

一般的には、単純な預金差押えや給与差押えは、裁判所費用だけなら比較的低額で始めやすい手続とされています。ただし、差押先が分からない場合は財産調査費用が追加されます。

Q4. 不動産競売はなぜ高いのですか。

一般的には、現況調査、評価、公告、売却、配当、差押登記など多くの手続が必要になるためです。申立手数料だけでなく、登録免許税と民事執行予納金が大きくなりやすい点に注意が必要です。

Q5. 明渡し執行は何が高くなりますか。

一般的には、執行官関係の予納金に加え、作業員、鍵開け、家財搬出、運搬、倉庫保管、廃棄などの現場費用が大きくなりやすいとされています。物件の状況によって総額は変わります。

Q6. 財産開示手続は回収に直結する制度ですか。

一般的には、財産開示手続は財産情報を開示させる手続であり、それ自体が回収手続ではありません。開示された財産に対して、別途、債権差押えや不動産競売などを申し立てる必要があります。

Q7. 口座の銀行名が分からない場合はどう考えますか。

一般的には、過去の取引履歴、振込先、請求書、契約書、メール、名刺、給与情報、不動産登記などを確認します。それでも不明な場合、要件を満たせば第三者からの情報取得手続を検討することがあります。

Q8. 少額債権でも強制執行を検討できますか。

一般的には、債権額、差押先の確度、相手の資力、専門家費用を総合的に検討します。勤務先や預金口座が明確な場合は検討余地がありますが、不動産競売や明渡し執行では費用倒れの可能性があります。

Section 10

強制執行にかかる費用は回収可能性とセットで判断する

最後に、申立前にたどるべき確認順序をまとめます。

強制執行にかかる費用を正確に把握するには、まず執行対象を区別します。預金・給与・売掛金の差押えであれば裁判所費用は比較的低額ですが、不動産競売では予納金と登録免許税が大きく、明渡し執行では現場作業費が大きくなります。

次の行動順序は、費用確認から採算判断までをまとめたものです。番号順に確認すると、債務名義、対象財産、実費、回収可能性、専門家費用、代替手段を漏れなく見やすくなります。

1

債務名義・執行文・送達証明書を確認

強制執行に進める根拠書類がそろっているかを見ます。

2

対象財産を決める

預金、給与、売掛金、不動産、動産、明渡しのどれを対象にするか整理します。

3

実費を見積もる

申立手数料、郵便切手、証明書、予納金、登録免許税、現場費用を分けます。

4

回収可能性を評価

財産状況、先順位債権、残高、支払債務の存在可能性を確認します。

5

専門家費用を分けて確認

裁判所実費と弁護士・司法書士等の報酬を混同しないようにします。

6

費用倒れなら別手段を比較

任意交渉、分割弁済、財産調査、別手続を検討します。

結論強制執行は強力な制度ですが、費用と回収可能性を見誤ると、判決後にさらに損失が広がることがあります。特に不動産競売、明渡し執行、多数の第三債務者を対象とする差押えでは、申立前に具体的な費用確認が不可欠です。
Reference

この記事の参考情報源

公的資料・制度資料

  • 裁判所「債権執行(債務名義に基づく差押え)」
  • 裁判所「強制競売」
  • 裁判所「不動産引渡(明渡)執行」
  • e-Gov法令検索「民事執行法」
  • 裁判所「民事訴訟費用等に関する法律別表第1」
  • 法務省「登記手数料について」
  • 裁判所「執行官の手数料及び費用に関する規則」

裁判所の運用資料

  • 東京地方裁判所民事第21部債権執行係「予納郵便切手一覧表(債権執行)」
  • 東京地方裁判所「債務名義に基づく差押え」
  • 東京地方裁判所「予納金額標準表」
  • 仙台地方裁判所「財産開示手続申立てに必要な書類等」
  • 東京地方裁判所「第三者からの情報取得手続」
  • 前橋地方裁判所「第三者からの情報取得手続を利用する方へ」
  • 福岡地方裁判所「不動産競売申立をされる方へ」

専門家費用に関する資料

  • 日本弁護士連合会「市民のための弁護士報酬ガイド」
  • 法テラス「代理援助立替基準」