2σ Guide

不動産を差し押さえて
競売にかける手続きの流れ

差押えは直ちに家を失うという意味ではなく、裁判所の競売手続へ進めるための処分制限です。強制競売と担保不動産競売の違い、申立てから配当までの順番、止める・避ける方法の限界を整理します。

10段階 結論で押さえる基本順序
13段階 申立てから配当までの実務時系列
数か月〜1年以上 事件により変わる手続期間の目安
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不動産を差し押さえて 競売にかける手続きの流れ

差押えは直ちに家を失うという意味ではなく、裁判所の競売手続へ進めるための処分制限です。

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不動産を差し押さえて 競売にかける手続きの流れ
差押えは直ちに家を失うという意味ではなく、裁判所の競売手続へ進めるための処分制限です。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 不動産を差し押さえて 競売にかける手続きの流れ
  • 差押えは直ちに家を失うという意味ではなく、裁判所の競売手続へ進めるための処分制限です。

POINT 1

  • 不動産競売の流れを最初に押さえる
  • 1. 法的根拠の確認:強制競売なら債務名義、担保不動産競売なら抵当権等の担保権を確認します。
  • 2. 地方裁判所へ申立て:目的不動産の所在地を管轄する地方裁判所に申立書と資料を提出します。
  • 3. 開始決定と差押登記:裁判所が開始決定を出し、法務局で差押えの登記がされます。
  • 4. 調査・評価・公告:執行官と評価人が調査し、三点セットや売却基準価額が整えられます。
  • 5. 入札から配当へ:買受人の代金納付後に登記が嘱託され、売却代金から配当が行われます。

POINT 2

  • 不動産競売の手続を13段階で追う
  • 1. 事前準備、申立て、開始決定:債務名義・担保権・登記・評価を確認し、地方裁判所へ申立てます。
  • 2. 差押登記、配当要求、売却準備:法務局で差押登記がされ、他の債権者の配当要求が整理されます。
  • 3. 公告、入札、売却許可:三点セットや物件情報が公開され、入札・開札を経て最高価買受申出人が決まります。
  • 4. 代金納付、登記、引渡し、配当:買受人が代金を納付すると所有権を取得し、登記が嘱託されます。

POINT 3

  • 不動産競売の申立て前に準備する資料と費用
  • 債務名義・担保権・登記・回収見込み・予納金を確認し、費用倒れを防ぎます。
  • 申立て前後では、資料の不足と経済合理性の見落としが大きな問題になります。
  • 強制競売では債務名義、執行文、送達証明書が重要です。
  • 担保不動産競売では、担保権の登記、被担保債権、期限の利益喪失などが中心になります。

POINT 4

  • 開始決定・差押登記・三点セットを理解する
  • 現況調査報告書
  • 執行官が不動産の形状、占有関係、賃貸借、使用状況などを調査します。
  • 評価書
  • 評価人が不動産の価値を評価し、売却基準価額の基礎となる情報を整理します。

POINT 5

  • 入札・売却許可・代金納付から配当まで
  • 1. 売却基準価額と買受可能価額:売却基準価額は評価に基づき定められます。
  • 2. 公告と閲覧:物件明細書、現況調査報告書、評価書などが公開され、BIT等で物件情報を確認できることがあります。
  • 3. 入札保証金と開札:買受希望者は保証を提供して入札します。
  • 4. 売却許可と代金納付:裁判所が売却許可の可否を判断し、買受人が期限までに代金を納付すると所有権を取得します。

POINT 6

  • 不動産競売を止める・避ける方法と限界
  • 差押え直後の退去
  • 差押えの時点で直ちに退去義務が現実化するわけではありません。
  • 競売後の借金
  • 売却代金が債務全額に足りなければ残債が残る可能性があります。

POINT 7

  • 立場別チェックリストと競売・公売の違い
  • 債権者、債務者・所有者、買受希望者、企業法務で確認すべき事項を分けて整理します。
  • 競売では、債権者、債務者・所有者、買受希望者、企業法務 担当者で確認すべきポイントが違います。
  • 競売と公売はどちらも強制的な売却に見えますが、主体と根拠法が違います。
  • この比較が重要なのは、通知書に書かれた制度名によって、相談先、救済方法、配当・充当の考え方が異なるためです。

POINT 8

  • 不動産競売のFAQ
  • 差押え、任意売却、退去、残債、本人申立てなどの誤解を一般情報として整理します。
  • Q1. 不動産を差し押さえて競売にかけるには、まず何が必要ですか。
  • Q2. 差押えの登記が入ると、家を売れなくなりますか。
  • Q3. 競売開始決定が届いた後でも任意売却はできますか。

まとめ

  • 不動産を差し押さえて 競売にかける手続きの流れ
  • 不動産競売の流れを最初に押さえる:差押えから配当までの全体像を、債権者・債務者・買受希望者の視点で整理します。
  • 不動産競売の手続を13段階で追う:事前準備から配当まで、債権者・債務者・所有者への影響を時系列で把握します。
  • 不動産競売の申立て前に準備する資料と費用:債務名義・担保権・登記・回収見込み・予納金を確認し、費用倒れを防ぎます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

不動産競売の流れを最初に押さえる

差押えから配当までの全体像を、債権者・債務者・買受希望者の視点で整理します。

不動産競売は、差押え、売却準備、入札、所有権移転、明渡し、配当まで続く多段階の手続です。最初に全体の順番を押さえることが重要なのは、債権者側では回収可能性と費用を見積もり、債務者・所有者側では通知後に残された選択肢を判断しやすくなるためです。次の判断の流れでは、左上から下へ進む順番で、競売がどのように動き、どこで対応余地が変わるかを読み取ります。

不動産競売の基本順序

法的根拠の確認

強制競売なら債務名義、担保不動産競売なら抵当権等の担保権を確認します。

地方裁判所へ申立て

目的不動産の所在地を管轄する地方裁判所に申立書と資料を提出します。

開始決定と差押登記

裁判所が開始決定を出し、法務局で差押えの登記がされます。

調査・評価・公告

執行官と評価人が調査し、三点セットや売却基準価額が整えられます。

入札から配当へ

買受人の代金納付後に登記が嘱託され、売却代金から配当が行われます。

大きな流れは10項目で整理できます。裁判所の案内でも、申立て、開始決定・差押え、売却準備、売却実施、所有権移転、引渡し、配当という流れで説明されています。実務では、強制競売なのか担保不動産競売なのかによって、準備資料や争点が変わります。

最初の分岐判決・和解調書・公正証書などに基づく強制競売か、抵当権・根抵当権などの担保権に基づく担保不動産競売かを確認します。

競売は、債権者にとっては強力な回収手段ですが、費用と時間がかかり、配当が見込めない場合もあります。債務者・所有者にとっては重大な局面ですが、段階によっては任意売却、弁済交渉、個人再生、破産、執行停止などを検討する余地があります。

Section 01

不動産競売で使う用語と2つの類型

差押え・競売・不動産執行の違いと、強制競売・担保不動産競売の分岐を整理します。

差押え、競売、不動産執行は似た文脈で使われますが、意味が異なります。この違いを押さえることが重要なのは、通知を受けた時点で所有権が移るわけではないこと、売却手続のどの段階にいるかを誤解しないことにつながるためです。次の比較表では、用語ごとに何を制限し、何を実現する制度なのかを読み取ります。

用語意味実務上の読み方
差押え債務者の不動産について処分を制限し、換価手続に乗せる法的措置です。直ちに退去や所有権移転を意味するものではなく、競売に向けた拘束です。
競売裁判所の関与のもとで不動産を売却し、売却代金を債権の弁済に充てる手続です。法律実務では「きょうばい」と読むのが一般的です。
不動産執行不動産を対象にした民事執行手続の総称です。強制競売、担保不動産競売、強制管理などを含む広い概念です。

不動産競売には、強制競売と担保不動産競売という2つの代表的な類型があります。この違いが重要なのは、申立ての根拠、必要資料、債務者側が争うポイントが変わるためです。次の比較表では、根拠欄と特徴欄を中心に見て、どちらの手続に近いかを判断します。

類型典型例申立ての根拠特徴
強制競売貸金、売掛金、損害賠償金、判決で認められた請求など債務名義判決、和解調書、仮執行宣言付支払督促、強制執行認諾文言付公正証書などが中心です。
担保不動産競売住宅ローン、事業用融資、根抵当権付き融資など抵当権・根抵当権等の担保権判決がなくても、担保権の存在と被担保債権に基づき申し立てられることがあります。

どちらの手続でも、開始決定、差押え、現況調査、評価、三点セット、入札、売却許可、代金納付、登記、配当という大きな構造は共通します。違いは、入口で必要となる根拠と、争点の置き場にあります。

Section 02

不動産競売の手続を13段階で追う

事前準備から配当まで、債権者・債務者・所有者への影響を時系列で把握します。

競売に入る前の確認事項は、債権者側と債務者・所有者側で見るポイントが異なります。この整理が重要なのは、債権者側では費用倒れを避け、通知を受けた側では期限と対応可能性を見誤らないためです。次の比較表では、左右の立場ごとに、最初に確認すべき情報の違いを読み取ります。

立場確認事項見るべき理由
債権者債務名義または担保権、不動産所有者、先順位担保権、固定資産税・管理費、占有者、不動産価値、回収見込み、申立費用、他の回収方法売却代金から先順位債権や手続費用を控除しても回収できるかを判断します。
債務者・所有者裁判所名、事件番号、手続類型、請求債権額、対象不動産、債権の争い、競売を止める可能性、家族・入居者への影響、税務・残債通知の種類と期限を把握し、任意売却や債務整理などの選択肢を早めに検討します。

競売の実務は、13段階で見ると抜け漏れを防ぎやすくなります。時系列で確認することが重要なのは、どの段階で通知が届くか、どの段階で調査や入札が進むか、どの段階で退去や配当が現実化するかが変わるためです。次の時系列では、上から下へ進むほど手続が進行し、後半ほど所有権移転や明渡しに近づくことを読み取ります。

1〜3

事前準備、申立て、開始決定

債務名義・担保権・登記・評価を確認し、地方裁判所へ申立てます。裁判所が開始決定を出すと差押えが宣言されます。

4〜6

差押登記、配当要求、売却準備

法務局で差押登記がされ、他の債権者の配当要求が整理されます。執行官と評価人による調査が始まります。

7〜9

公告、入札、売却許可

三点セットや物件情報が公開され、入札・開札を経て最高価買受申出人が決まります。裁判所が売却許可の可否を判断します。

10〜13

代金納付、登記、引渡し、配当

買受人が代金を納付すると所有権を取得し、登記が嘱託されます。その後、必要に応じて引渡命令や明渡しが問題となり、売却代金から配当が行われます。

手続期間は事件ごとに差がありますが、申立準備に数週間から数か月、現況調査・評価・三点セット作成に数か月程度を要することがあり、申立てから売却・配当まで数か月から1年以上かかる場合があります。入札不成立、不服申立て、占有関係の複雑さによって長期化することもあります。

Section 03

不動産競売の申立て前に準備する資料と費用

債務名義・担保権・登記・回収見込み・予納金を確認し、費用倒れを防ぎます。

申立て前後では、資料の不足と経済合理性の見落としが大きな問題になります。この一覧が重要なのは、申立てが形式的に可能でも、回収見込みがない、先順位債権で配当が残らない、占有関係が複雑といった事情で実益が変わるためです。次の項目では、上から順に根拠、登記、価値、費用を確認します。

債務名義または担保権

強制競売では債務名義、執行文、送達証明書が重要です。担保不動産競売では、担保権の登記、被担保債権、期限の利益喪失などが中心になります。

入口の資料

不動産登記

所有者、共有持分、抵当権・根抵当権、差押え、仮差押え、賃借権、地上権などを確認します。配当順位と売却可能性に関わります。

権利関係

不動産価値と回収可能性

先順位抵当権、税金滞納、マンション管理費、占有者、建物状態、共有持分の売却価値などを見ます。後順位債権者に配当が回らないこともあります。

費用倒れ注意

申立てに必要な費用

申立手数料、予納金、郵便費用、登録免許税、書類取得費、専門家費用が問題になります。予納金は事件内容や裁判所の取扱いで変わります。

最新案内確認

申立書には、当事者、対象不動産、請求債権、担保権、債務名義、送達先、添付書類などを整理して記載します。担保不動産競売では、債務者と所有者が異なる物上保証の事案もあり、債務者と所有者の双方への通知・送達が重要になります。

申立て前の注意「お金を貸した」「請求書がある」というだけで強制競売を申し立てられるとは限りません。原則として、強制執行を可能にする公的な文書が必要です。
Section 04

開始決定・差押登記・三点セットを理解する

差押えの効力、配当要求、現況調査・評価・物件明細書の意味を整理します。

開始決定後は、差押えの効力、配当要求、調査・評価、三点セットの作成へ進みます。この段階を分けて見ることが重要なのは、差押えで直ちに使用できなくなるわけではない一方、処分制限や第三者への公示が現実化するためです。次の比較一覧では、各段階で何が起こり、債務者・所有者にどのような影響があるかを読み取ります。

開始決定

裁判所が不動産執行を開始

申立てが適法と判断されると、裁判所は手続開始を決定し、強制競売では不動産を差し押さえる旨を宣言します。

差押登記

登記簿に差押えが記録

裁判所書記官の嘱託により法務局で差押登記がされ、第三者にも競売手続中であることが分かります。

効力

送達または登記の早い時点

差押えの効力は、開始決定が債務者に送達された時または差押登記がされた時のいずれか早い時に生じるとされています。

配当要求は、売却代金を受け取る可能性のある他の債権者が手続に参加するための仕組みです。この整理が重要なのは、競売を申し立てた債権者だけが売却代金を受け取るとは限らず、順位によって配当の有無が変わるためです。次の重要ポイントでは、配当順位が残債や回収額に与える影響を読み取ります。

配当順位が回収額と残債を左右します

抵当権の登記順位、租税債権、手続費用、差押え・仮差押えの関係などにより、後順位債権者や一般債権者に配当がない場合があります。売却後も債務が全額消えない可能性があります。

売却準備では、現況調査報告書、評価書、物件明細書の三点セットが中心資料になります。この3つが重要なのは、買受希望者にとって権利関係、占有状況、評価を判断する材料であり、債務者・占有者にとっても生活状況が競売資料として整理されるためです。次の一覧では、3資料の役割の違いを読み取ります。

現況調査報告書

執行官が不動産の形状、占有関係、賃貸借、使用状況などを調査します。明渡しリスクや賃貸借関係の把握に関わります。

評価書

評価人が不動産の価値を評価し、売却基準価額の基礎となる情報を整理します。地域相場、建物状態、法令制限などが影響します。

物件明細書

買受人に引き受けられる権利、引き受けられない権利、占有関係などを裁判所が整理します。買受判断の中心資料です。

Section 05

入札・売却許可・代金納付から配当まで

売却基準価額、買受可能価額、所有権移転、明渡し、残債の関係を確認します。

売却実施の段階では、売却基準価額、買受可能価額、公告、入札保証金、開札、売却許可、代金納付が順に問題になります。この流れが重要なのは、買受希望者の入札条件だけでなく、債務者・所有者の退去時期や残債にもつながるためです。次の一覧では、金額と手続の関係を上から順に読み取ります。

価額決定

売却基準価額と買受可能価額

売却基準価額は評価に基づき定められます。民事執行法60条3項では、買受けの申出額は売却基準価額から10分の2に相当する額を控除した価額以上とされ、買受可能価額は原則として80%です。売却基準価額1,000万円なら、買受可能価額は800万円です。

情報公開

公告と閲覧

物件明細書、現況調査報告書、評価書などが公開され、BIT等で物件情報を確認できることがあります。自宅や事業用物件の情報が公開される点に注意が必要です。

入札

入札保証金と開札

買受希望者は保証を提供して入札します。東京地方裁判所の案内では、保証額は通常、売却基準価額の20%とされていますが、公告書の確認が必要です。開札で最高価買受申出人が決まり、債務者は自ら買受けを申し出ることが制限されています。

確定

売却許可と代金納付

裁判所が売却許可の可否を判断し、買受人が期限までに代金を納付すると所有権を取得します。代金不納付の場合は保証金の扱いなどが問題になります。

売却後の登記と明渡しは、所有権の移転と実際の占有解消を分けて見る必要があります。この区別が重要なのは、買受人が代金を納付して所有権を取得しても、居住者や占有者がいる場合には引渡命令や明渡しの執行が別途問題になるためです。次の比較表では、登記、権利消滅、引渡し、配当の関係を読み取ります。

段階中心内容注意点
登記嘱託所有権移転登記、差押登記・担保権等の抹消登記が裁判所書記官により嘱託されます。売却により消滅する権利と残る権利は物件明細書の確認が重要です。
引渡命令買受人が占有者に不動産の引渡しを求める手続です。所有権移転と退去は同じではなく、占有者の属性や時期で判断が変わります。
配当売却代金から手続費用や債権者への配当が行われます。不足すれば残債が残り、余剰があれば所有者に返還されることがあります。
残債の例住宅ローン残高が3,000万円、競売代金が2,000万円、手続費用等を差し引いた後の配当が1,900万円であれば、残り1,100万円について債務が残る可能性があります。
Section 06

不動産競売を止める・避ける方法と限界

一括弁済、分割交渉、任意売却、個人再生、破産、執行停止を一般情報として整理します。

競売を止める・避ける方法は、手続の段階、債権者の意向、債務額、不動産価値、買主候補、資金調達可能性、法的争点によって変わります。この比較が重要なのは、「必ず止まる」「もう絶対に無理」といった思い込みを避け、現実的な選択肢を早い段階で整理するためです。次の比較一覧では、各方法の狙いと限界を読み取ります。

方法狙い主な限界
一括弁済・滞納解消債務を弁済し、債権者に取下げを求めます。遅延損害金、費用、期限、担保権者の意向が問題になります。
分割弁済交渉債権者の同意により取下げ・延期を検討します。競売段階では不確実な返済計画だけでは難しいことが多いです。
任意売却競売以外の売買で高値売却や退去調整を目指します。担保権者の同意、買主確保、配分、残債処理、期限管理が必要です。
個人再生住宅資金特別条項などにより生活再建を検討します。要件、時期、抵当権、税金滞納、収入見込みで利用可否が変わります。
破産支払不能時の債務整理として残債や他の債務を整理します。自宅維持の制度ではなく、担保権者や破産管財人との関係が問題になります。
執行停止・不服申立て法的争点に基づき手続の停止や取消しを検討します。根拠、時期、担保提供、証拠関係により専門的判断が必要です。

誤解されやすい論点を早めに整理することも重要です。ここでの確認が重要なのは、差押え通知や競売情報に触れると、退去、残債、任意売却、専門家相談の効果について過度な期待や不安が生じやすいためです。次の重要ポイントでは、断定ではなく事案による違いを読み取ります。

差押え直後の退去

差押えの時点で直ちに退去義務が現実化するわけではありません。ただし、売却が進み買受人が所有権を取得すると明渡しが問題になります。

競売後の借金

売却代金が債務全額に足りなければ残債が残る可能性があります。住宅ローンや事業融資では競売後の請求が続くことがあります。

任意売却の有利性

高値売却や退去調整が期待できる場合がありますが、債権者同意、買主、期限、残債処理が必要で、必ず有利とは限りません。

専門家相談の効果

相談により選択肢を整理できますが、競売が必ず止まるわけではありません。段階が進む前に資料を整理することが重要です。

Section 07

立場別チェックリストと競売・公売の違い

債権者、債務者・所有者、買受希望者、企業法務で確認すべき事項を分けて整理します。

競売では、債権者、債務者・所有者、買受希望者、企業法務担当者で確認すべきポイントが違います。この整理が重要なのは、同じ手続でも、回収、生活再建、購入判断、債権管理のどれを目的にするかで必要資料とリスクが変わるためです。次の一覧では、自分の立場に近い列を中心に読み取ります。

立場主な確認事項特に難しい論点
債権者債務名義・担保権、所有者、先順位担保、税金・管理費、占有者、評価、配当見込み、他の回収方法費用倒れ、配当ゼロ、担保権・債権額の争い、申立て後の弁済提案
債務者・所有者開始決定正本、競売申立書、請求債権額、対象不動産、債権の争い、任意売却、債務整理、家族・入居者への影響住宅ローン、保証会社、残債、税務、退去時期、共有・相続不動産
買受希望者三点セット、現地状況、登記、都市計画、管理費、占有者、明渡し費用、修繕費通常売買と異なり、内覧や契約不適合責任の前提が違うこと
企業法務与信管理、滞納発生時の証拠保全、担保取得、反社チェック、広報リスク、社内決裁相手方が個人・高齢者・被災者などの場合の配慮とコンプライアンス

競売と公売はどちらも強制的な売却に見えますが、主体と根拠法が違います。この比較が重要なのは、通知書に書かれた制度名によって、相談先、救済方法、配当・充当の考え方が異なるためです。次の表では、実施主体と根拠を中心に違いを確認します。

項目競売公売
実施主体裁判所税務署、自治体等
主な根拠民事執行法国税徴収法等
典型例抵当権実行、判決に基づく強制執行税金滞納による差押財産の売却
情報公開裁判所、BIT等公売情報サイト、官公庁・自治体サイト等
性質民事上の債権回収租税徴収

共有持分、相続不動産、賃貸借と占有者、マンション管理費、法定地上権、反社会的勢力排除と買受資格は、実務上とくに慎重な検討を要します。価格だけで判断すると、明渡し費用、修繕費、法令制限、再建築不可、共有持分トラブルなどで損失が生じる可能性があります。

Section 08

不動産競売のFAQ

差押え、任意売却、退去、残債、本人申立てなどの誤解を一般情報として整理します。

Q1. 不動産を差し押さえて競売にかけるには、まず何が必要ですか。

一般的には、強制競売では判決、和解調書、公正証書などの債務名義が、担保不動産競売では抵当権・根抵当権などの担保権と被担保債権の存在が重要とされています。ただし、資料の有無、送達、執行文、登記、債権額などで結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 差押えの登記が入ると、家を売れなくなりますか。

一般的には、差押え後の売買契約が物理的に不可能になるわけではありません。ただし、差押えは処分を制限する効力を持ち、競売手続との関係で買主が所有権を対抗できないなど重大なリスクがあります。具体的には、債権者との調整や差押えの取下げの可否を専門家に確認する必要があります。

Q3. 競売開始決定が届いた後でも任意売却はできますか。

一般的には、任意売却を検討できる場合があります。ただし、担保権者・差押債権者の同意、買主の確保、売買代金の配分、競売スケジュールとの関係で結論が変わります。入札が近づくほど調整が難しくなるため、具体的には早めに資料を整理して相談する必要があります。

Q4. 競売後も住み続けることはできますか。

一般的には、差押えの時点で直ちに退去義務が現実化するわけではありません。ただし、売却が進んで買受人が代金を納付し、所有権を取得した後は、引渡命令や明渡しの執行が問題となる可能性があります。占有関係や家族構成、交渉状況により判断が変わります。

Q5. 競売で落札されなかったらどうなりますか。

一般的には、入札者がいない場合、特別売却、売却基準価額の変更、再度の売却手続などが検討されることがあります。ただし、事件の内容や裁判所の運用、債権者の方針によって長期化する可能性があります。

Q6. 自分で競売申立てはできますか。

制度上、本人申立てが常に否定されるわけではありません。ただし、不動産競売は債務名義、執行文、登記、配当順位、費用、送達、占有関係などの専門知識を要します。誤りがあると補正や却下、費用倒れにつながる可能性があるため、具体的には専門家へ相談する必要があります。

Q7. 競売と差押えは同じですか。

一般的には、同じものではありません。差押えは不動産を競売手続に乗せるための処分制限の法的措置であり、競売は差し押さえた不動産を売却して代金を配当する換価手続です。どの段階にあるかで対応が変わります。

Q8. 家族名義の不動産も差し押さえられますか。

一般的には、債務者本人の不動産や担保提供された不動産が中心になります。ただし、物上保証、共有持分、相続、名義と実態の関係などで問題が複雑になる可能性があります。具体的には登記と債権関係を確認して専門家へ相談する必要があります。

Reference

不動産競売の参考資料

  • 裁判所「強制競売」
  • 裁判所「担保不動産競売」
  • 東京地方裁判所「不動産競売事件の申立てについて」
  • 東京地方裁判所「競売不動産の買受手続」
  • 裁判所 BIT「不動産競売物件情報サイト」
  • 民事執行法45条、46条、49条、51条、57条、58条、59条、60条、62条、64条、66条、68条、69条、71条、78条、79条、80条、82条、83条、84条
  • 国税庁「公売に関する案内」