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業務委託契約で成果物の著作権を
自社に帰属させる条項の書き方

第27条・第28条、著作者人格権不行使、既存著作物、第三者素材、OSS、AI生成物まで、発注者側の条項設計を実務的に整理します。

21〜28条支分権の範囲
27・28条明記が重要
10項目事前検討
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業務委託契約で成果物の著作権を 自社に帰属させる条項の書き方

第27条・第28条、著作者人格権不行使、既存著作物、第三者素材、OSS、AI生成物まで、発注者側の条項設計を実務的に整理します。

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業務委託契約で成果物の著作権を 自社に帰属させる条項の書き方
第27条・第28条、著作者人格権不行使、既存著作物、第三者素材、OSS、AI生成物まで、発注者側の条項設計を実務的に整理します。
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  • 業務委託契約で成果物の著作権を 自社に帰属させる条項の書き方
  • 第27条・第28条、著作者人格権不行使、既存著作物、第三者素材、OSS、AI生成物まで、発注者側の条項設計を実務的に整理します。

POINT 1

  • 業務委託契約で成果物の著作権を自社に帰属させる条項の要点
  • 「成果物は甲に帰属する」だけでは足りない理由と、条項設計の全体像です。
  • 対象成果物を具体化
  • 第21条から第28条までを明記
  • 著作者人格権は不行使で処理

POINT 2

  • 業務委託契約の著作権条項を書く前に押さえる法律用語
  • 業務委託、成果物、著作物、著作者、著作者人格権を分けて理解します。
  • 成果物の範囲
  • 除外すべきもの
  • 業務委託契約という名称は、民法上そのまま定義された一枚岩の契約類型ではありません。

POINT 3

  • 業務委託契約で「成果物は甲に帰属する」だけでは足りない理由
  • 成果物は甲に帰属する
  • 「権利」が所有権なのか、著作権なのか、利用権なのか不明確です。
  • 知的財産権はすべて甲に帰属する
  • 著作権、特許権、意匠権、商標 権、営業秘密、ノウハウでは発生要件や手続が異なります。

POINT 4

  • 業務委託契約で使う著作権譲渡条項・人格権不行使条項の書き方
  • 基本形と詳細条項を、実務で調整しやすい形に分けます。
  • 最小限の条項例
  • 詳細条項で補う内容
  • 条項本文を長くするだけではなく、どの項目がどのリスクを処理しているかを読み取ることで、案件に応じた調整がしやすくなります。

POINT 5

  • 業務委託契約の既存著作物・第三者素材・OSS・AI利用の条項
  • 自社帰属にできる部分と、利用許諾で処理する部分を分けます。
  • 第三者素材等の利用条項
  • 第三者権利侵害への対応
  • 第三者素材、OSS、フォント、AI生成物は、そもそも受託者が譲渡できない権利を含むことがあります。

POINT 6

  • 業務委託契約の著作権移転時期と利用許諾の使い分け
  • 1. 中核資産として長期利用する:自社サービス、商品、ロゴ、教材、基幹システムなどに組み込むかを確認します。
  • 2. 第三者への再許諾・販売が必要:M&A、販売、代理店展開、顧客提供、保守ベンダー利用の必要性を見ます。
  • 3. 著作権譲渡を中心に設計:第27条・第28条、人格権不行使、再委託先処理まで定めます。
  • 4. 広範な利用許諾も検討:期間、地域、媒体、改変、再許諾、独占性、解除後利用を明確にします。

POINT 7

  • 業務委託契約の成果物別に変わる著作権条項の注意点
  • Web、ソフトウェア、広告、動画、文章、調査、生成AIで確認事項が変わります。
  • 調査レポート・コンサルティング成果物
  • 同じ自社帰属条項でも、成果物の種類によって注意点は変わります。
  • 自社が発注する成果物に近い行を確認し、著作権譲渡だけでは不足する周辺条項を読み取ってください。

POINT 8

  • 業務委託契約の知財条項と取引適正化・フリーランス法
  • 直接関係のない知財を含めない
  • 委託業務と関係のないノウハウ、テンプレート、汎用部品まで譲渡対象にしないようにします。
  • 対価を説明できるようにする
  • 著作権譲渡の範囲が広い場合、委託料に含まれるのか、別建てかを明確にします。

まとめ

  • 業務委託契約で成果物の著作権を 自社に帰属させる条項の書き方
  • 業務委託契約で成果物の著作権を自社に帰属させる条項の要点:「成果物は甲に帰属する」だけでは足りない理由と、条項設計の全体像です。
  • 業務委託契約の著作権条項を書く前に押さえる法律用語:業務委託、成果物、著作物、著作者、著作者人格権を分けて理解します。
  • 業務委託契約で「成果物は甲に帰属する」だけでは足りない理由:所有権と著作権、支分権、第27条・第28条の留保推定を分けて考えます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

業務委託契約で成果物の著作権を自社に帰属させる条項の要点

「成果物は甲に帰属する」だけでは足りない理由と、条項設計の全体像です。

業務委託契約で成果物の著作権を自社に帰属させたい場合、抽象的に「成果物は甲に帰属する」「納品物の所有権は甲に移転する」「委託料を支払う」と書くだけでは不十分です。著作権は所有権とは別の権利であり、複製権、公衆送信権、翻案権、二次的著作物の利用に関する権利など、利用行為ごとの権利から構成されます。

次の一覧は、自社帰属条項で最低限決めるべき中核論点を示しています。各項目が欠けると、ウェブ掲載、広告利用、改変、翻訳、二次利用、第三者提供、販売、再許諾のどこで支障が出るかを読み取ってください。

SCOPE

対象成果物を具体化

完成品だけでなく、中間成果物、編集データ、ソースコード、仕様書、素材を含めるかを定義します。

RIGHTS

第21条から第28条までを明記

特に著作権法第27条・第28条の権利を含むと書き、改変・翻案・二次利用の余地を確保します。

MORAL

著作者人格権は不行使で処理

譲渡ではなく、甲および甲が指定する第三者に対して行使しない旨を定めます。

MATERIALS

既存素材・第三者素材を分ける

受託者のテンプレート、OSS、フォント、写真、音源、AI生成物、再委託先の権利処理を別枠で管理します。

条項の核基本形は「本成果物に係る一切の著作権(著作権法第21条から第28条までに定める権利をいい、同法第27条及び第28条の権利を含む。)は、乙から甲へ譲渡され、甲に帰属する」という設計です。
Section 01

業務委託契約の著作権条項を書く前に押さえる法律用語

業務委託、成果物、著作物、著作者、著作者人格権を分けて理解します。

業務委託契約という名称は、民法上そのまま定義された一枚岩の契約類型ではありません。請負は仕事の完成を目的とし、準委任は業務遂行それ自体を目的とする契約です。ただし、著作権の帰属は契約タイトルだけで決まらず、著作権譲渡条項、利用許諾条項、著作者人格権不行使条項、既存著作物の取扱いを契約本文で明確に定める必要があります。

次の比較表は、条項作成で混同しやすい用語を整理したものです。左列の用語と右列の契約上の処理を対応させることで、どの権利が移り、どの権利が残り、どこに別条項が必要かを読み取れます。

用語意味契約上の処理
成果物委託業務の結果として作成・納入・提供されるもの完成品、中間成果物、編集データ、ソースコード、仕様書、素材を含めるか定義する
著作物思想又は感情を創作的に表現したもの単なる事実・アイデア・方法・数値データそのものとは区別する
著作者著作物を創作した者発注者が企画していても、具体的表現を作った者が原則として著作者になる
著作権者著作権を有する者財産権である著作権は契約で譲渡でき、著作者と分かれることがある
著作者人格権公表権、氏名表示権、同一性保持権など譲渡できないため、不行使条項で処理する

成果物の範囲

文章、記事、コピー、報告書、企画書、ロゴ、イラスト、写真、動画、音声、BGM、Webサイト、LP、UI、HTML、CSS、JavaScript、ソースコード、仕様書、設計書、マニュアル、業務資料などは成果物に含まれ得ます。完成品だけでなく、中間成果物、ラフ、下書き、素材、編集データ、ソースファイルを含めるかも決めます。

除外すべきもの

すべてを無制限に成果物として自社帰属にすると、受託者が従前から保有していたテンプレート、汎用ライブラリ、ノウハウ、制作手法、フォント、OSS、第三者素材まで巻き込むおそれがあります。自社に帰属させたい対象と、受託者または第三者に残す対象を切り分けることが重要です。

Section 02

業務委託契約で「成果物は甲に帰属する」だけでは足りない理由

所有権と著作権、支分権、第27条・第28条の留保推定を分けて考えます。

紙の文章、USBメモリ、印刷物、写真データを格納したストレージ、納品ファイルなどを受け取っても、当然に著作権まで移転するわけではありません。所有権と著作権は別の権利であり、納品ファイルを持っているかどうかではなく、契約でどの権利を取得したかが問題になります。

次の比較一覧は、不十分な表現と不足する論点を対応させたものです。どの文言が、所有権・著作権・人格権・第三者素材のどこを処理できていないかを読み取ってください。

成果物は甲に帰属する

「権利」が所有権なのか、著作権なのか、利用権なのか不明確です。第27条・第28条、人格権、既存著作物も処理されません。

知的財産権はすべて甲に帰属する

著作権、特許権、意匠権、商標権、営業秘密、ノウハウでは発生要件や手続が異なります。著作権は個別に定めます。

著作者人格権も甲に譲渡する

著作者人格権は一身専属で譲渡できません。不行使条項として組み直す必要があります。

第三者権利を完全保証する

発注者の指定素材や仕様に起因するリスクまで受託者へ一方的に負わせると、不合理な責任分担になり得ます。

著作権は権利の束です

著作権は単一の権利ではなく、複製権、公衆送信権、翻案権、譲渡権、貸与権、二次的著作物の利用に関する権利など、利用形態ごとの支分権から構成されます。自社が成果物を修正、翻訳、リメイク、別媒体展開、二次利用する予定があるなら、条項中に著作権法第27条および第28条の権利を含むと明記する必要があります。

次の強調表示は、条項作成で最も見落とされやすい第27条・第28条の扱いを示しています。この2つを明記するかどうかで、改変や二次利用の可否に大きく影響する点を読み取ってください。

第27条・第28条は特に明記する

単に「著作権を譲渡する」とだけ書くと、翻訳・翻案や二次的著作物の利用に関する権利が譲渡人に留保されたものと推定される可能性があります。

Section 03

業務委託契約の自社帰属条項を書く前に決める10項目

対象・権利範囲・移転時期・対価・素材管理を先に決めると、条項がぶれにくくなります。

自社帰属条項を作る前に、対象成果物、権利移転の範囲、第27条・第28条、移転時期、対価、著作者人格権、既存著作物、第三者素材、再委託・共同制作、侵害時対応を決めておく必要があります。ここを曖昧にしたまま「すべて甲に帰属」と書くと、後日の改修、M&A、資金調達、広告配信、権利侵害警告で問題が噴出します。

次の表は、自社帰属条項に落とし込む10項目を整理したものです。左から順に、何を決めるか、何を検討するか、どの文言に反映するかを確認すると、条項の抜け漏れを読み取れます。

項目検討すべき内容条項に落とすポイント
対象成果物完成品、中間成果物、編集データ、ソースコード、仕様書、素材含める対象と除外対象を定義する
権利移転の対象著作権法第21条から第28条までの全支分権か一部か権利範囲を明記する
第27条・第28条翻案・二次利用を予定するか必ず条項内で特掲する
移転時期作成時、納品時、検収完了時、報酬支払完了時権利移転のタイミングを明確にする
対価委託料に含めるか別建てか譲渡対価を明記する
著作者人格権不行使の対象者、範囲、第三者利用譲渡ではなく不行使にする
既存著作物テンプレート、ライブラリ、ノウハウ譲渡対象から除外し、必要な利用権を確保する
第三者素材写真、フォント、音源、OSS、AIツール名称、権利者、利用条件、費用負担を管理する
再委託・共同制作外部クリエイターや再委託先の関与必要な権利取得を受託者の義務にする
侵害時対応警告・請求・訴訟・代替物提供責任分担と対応方法を定める
Section 04

業務委託契約で使う著作権譲渡条項・人格権不行使条項の書き方

基本形と詳細条項を、実務で調整しやすい形に分けます。

発注者である自社を甲、受託者を乙とする場合、基本形では、成果物の定義、著作権法第21条から第28条までの権利、第27条・第28条の明記、移転時期、譲渡対価、著作者人格権不行使、再委託先からの権利取得を押さえます。

次の一覧は、基本条項を機能ごとに分解したものです。条項本文を長くするだけではなく、どの項目がどのリスクを処理しているかを読み取ることで、案件に応じた調整がしやすくなります。

成果物の定義

文章、画像、動画、音声、デザイン、プログラム、ソースコード、仕様書、設計書、マニュアル、報告書などを必要に応じて含めます。

対象

著作権譲渡

一切の著作権を、著作権法第21条から第28条まで、第27条及び第28条を含めて譲渡すると定めます。

中核

移転時期と対価

検収完了時や支払完了時などを選び、譲渡対価が委託料に含まれるかを明記します。

条件

著作者人格権不行使

甲および甲が指定する第三者に対し、著作者人格権を行使しないと定めます。

不行使

再委託先からの権利取得

従業員、再委託先、外部クリエイターから必要な譲渡・許諾・不行使同意を取得させます。

体制

最小限の条項例

次の重要ポイントは、発注者が自社帰属を狙う場合の基本形を、条項の骨子としてまとめたものです。実際には、業務内容、成果物、対価、当事者の力関係に応じて調整する必要がある点を読み取ってください。

乙が本業務に関連して作成し、甲に納入し、又は甲のために提供する一切の本成果物に係る著作権(著作権法第21条から第28条までに定める権利をいい、同法第27条及び第28条の権利を含む。)は、甲による本成果物の検収完了時に、乙から甲へ譲渡され、甲に単独で帰属する。著作権譲渡の対価は委託料に含まれるものとし、乙は甲及び甲が指定する第三者に対して著作者人格権を行使しない。

詳細条項で補う内容

詳細版では、成果物の定義、複製・翻訳・翻案・編集・改変・媒体変換・広告媒体・社内資料・営業資料・展示会資料での利用、第三者への利用許諾・再許諾・譲渡・販売・配信・公開、国内外・期間・地域・媒体・回数・目的の制限の有無を定めます。著作者人格権不行使条項では、公表、氏名表示の省略や変更、内容・題号の変更、修正、改変、翻訳、翻案、編集、切除、結合、媒体変換、二次利用に異議を述べないことも整理します。

Section 05

業務委託契約の既存著作物・第三者素材・OSS・AI利用の条項

自社帰属にできる部分と、利用許諾で処理する部分を分けます。

受託者の既存テンプレートや汎用ライブラリまで完全に譲渡させる必要がない場合、権利は受託者に残しつつ、自社が成果物を使うために必要な利用権を得る設計が現実的です。第三者素材、OSS、フォント、AI生成物は、そもそも受託者が譲渡できない権利を含むことがあります。

次の表は、素材の種類ごとに、帰属・許諾・確認事項を整理したものです。自社に移すべきもの、受託者に残すもの、第三者ライセンスに従うものを区別して読み取ってください。

素材・権利基本的な扱い確認すべき点
受託者の既存著作物権利は受託者に留保し、自社利用に必要な許諾を受ける期間、地域、媒体、改変、再許諾、取消不能性
写真・フォント・音源第三者ライセンスに従う商用利用、広告利用、改変、再配布、海外利用
OSS・プラグインライセンス条件に従う表示義務、ソースコード開示義務、同一ライセンス配布義務
AI生成物利用規約と創作的寄与を確認する入力情報、秘密情報、類似性、商用利用、再配布条件
再委託先制作物受託者に必要な権利取得を義務付ける譲渡、利用許諾、著作者人格権不行使、秘密保持

第三者素材等の利用条項

第三者が権利を有する著作物、写真、イラスト、動画、音源、フォント、プログラム、OSS、データ、AI生成物、外部サービスの出力を含める場合、名称、権利者、ライセンス条件、利用範囲、制限事項、費用負担を事前に通知し、承諾を得る条項を置きます。甲の事前承諾なく、ソースコード開示義務、著作権表示義務、同一ライセンス配布義務、商用利用制限、改変制限、再配布制限など、重大な制約を生じさせる素材を組み込ませないことも重要です。

第三者権利侵害への対応

本成果物に関して第三者から警告、請求、訴訟などが生じた場合、速やかに通知し、協力して対応する条項を置きます。侵害が受託者の責めに帰すべき事由により生じた場合は、侵害状態の解消、代替成果物の提供、利用許諾の取得、修補、通常かつ直接の損害賠償などを定めます。一方で、甲の提供素材、仕様、指示、指定ツール、目的外利用に起因する場合は、責任分担を切り分けます。

Section 06

業務委託契約の著作権移転時期と利用許諾の使い分け

作成時・納品時・検収完了時・支払完了時の違いを、リスクと実務で比較します。

発注者側にとっては作成時または納品時に権利が移る条項が有利ですが、受託者にとっては報酬未払いのまま権利を失うリスクがあります。受託者が個人フリーランスや中小企業である場合、検収完了時または支払完了時のほうが交渉上受け入れられやすいことがあります。

次の比較表は、移転時期ごとのメリット・懸念・使いどころを整理しています。自社の利用開始時期と受託者の未払いリスクのどちらを重く見るかを読み取ってください。

移転時期発注者側のメリット受託者側の懸念使いどころ
作成時早期に権利を取得できる未払いでも権利を失う発注者の支配が強い大型開発、職務著作に近い体制
納品時引渡しと権利移転が連動する検収不合格でも移る可能性比較的単純な成果物
検収完了時品質確認後に移転する検収遅延時の不安一般的な制作・開発委託で使いやすい
報酬支払完了時未払いリスクを抑えられる支払前の利用が制限される受託者保護を重視する案件

次の判断の流れは、著作権譲渡と利用許諾のどちらが向くかを整理するものです。上から順に、自社事業の中核資産か、第三者への再許諾や販売が必要か、受託者の汎用部品を使うかを確認すると、どちらの設計が合理的かを読み取れます。

譲渡か利用許諾かの判断

中核資産として長期利用する

自社サービス、商品、ロゴ、教材、基幹システムなどに組み込むかを確認します。

第三者への再許諾・販売が必要

M&A、販売、代理店展開、顧客提供、保守ベンダー利用の必要性を見ます。

必要
著作権譲渡を中心に設計

第27条・第28条、人格権不行使、再委託先処理まで定めます。

限定利用
広範な利用許諾も検討

期間、地域、媒体、改変、再許諾、独占性、解除後利用を明確にします。

支払完了時移転を採用する場合、支払前に発注者が成果物を確認、試験、社内利用、公開準備する必要があります。この場合は、著作権が移転するまでの間も、検収・確認・試験・社内利用・公開準備に必要な範囲で無償利用を許諾する条項を置くと実務が安定します。

Section 07

業務委託契約の成果物別に変わる著作権条項の注意点

Web、ソフトウェア、広告、動画、文章、調査、生成AIで確認事項が変わります。

同じ自社帰属条項でも、成果物の種類によって注意点は変わります。Webサイト、ソフトウェア、広告、動画、文章、調査レポート、生成AIでは、納品物、編集データ、第三者素材、商標、秘密情報、利用目的のどこを重視するかが異なります。

次の一覧は、成果物別の確認事項を整理したものです。自社が発注する成果物に近い行を確認し、著作権譲渡だけでは不足する周辺条項を読み取ってください。

Web

Webサイト・LP制作

デザイン、HTML、CSS、JavaScript、CMS、プラグイン、フォント、ストックフォト、FigmaやAdobe系編集データ、改修移行の可否を確認します。

制作
Soft

ソフトウェア・アプリ開発

ソースコード、オブジェクトコード、仕様書、設計書、テストコード、OSS、API、SDK、既存モジュールの扱いを明確にします。

開発
Ad

広告・デザイン・ロゴ

改変、媒体展開、二次利用、海外利用、商標登録、商品化、ポートフォリオ掲載制限を確認します。

ブランド
Mov

動画・写真・音楽

出演者の肖像権、ナレーター・演奏者、BGM、効果音、ロケ地許可、SNS広告・テレビCM・海外配信を確認します。

素材
Doc

文章・記事・研修資料

引用、図表、統計データ、写真、監修者表示、転載、電子書籍化、翻訳、営業資料への流用を確認します。

資料
AI

生成AIを利用した成果物

人間の創作的寄与、既存著作物との類似性、入力情報、AIサービスの利用規約、商用利用条件を確認します。

AI

調査レポート・コンサルティング成果物

調査レポートやコンサルティング成果物では、文章や図表は著作物になり得ますが、事実、数値、アイデア、分析手法そのものは著作権で保護されない場合があります。守りたいものが調査結果、顧客データ、戦略アイデア、ノウハウである場合は、秘密保持、目的外利用禁止、競合先への流用禁止、資料返還、データ削除、成果公表禁止、統計利用の可否も定めます。

Section 08

業務委託契約の知財条項と取引適正化・フリーランス法

強い発注者側ほど、無償譲渡や一方的な責任転嫁に注意が必要です。

発注者側が強い立場にある場合、受託者の既存知財、ノウハウ、取引と直接関係のない成果まで無償で自社に帰属させる条項は、取引適正化の観点から問題視される可能性があります。発注者側としても、委託業務の目的と直接関係する成果物に限定し、受託者の既存知財・汎用ノウハウは除外し、範囲に見合った対価と責任分担を設計することが重要です。

次の一覧は、発注者側が取引適正化の観点から確認するポイントを示しています。自社の権利を守ることと、受託者に不合理な負担を課さないことを両立させるために、どの点を読み取るべきか整理しています。

直接関係のない知財を含めない

委託業務と関係のないノウハウ、テンプレート、汎用部品まで譲渡対象にしないようにします。

対価を説明できるようにする

著作権譲渡の範囲が広い場合、委託料に含まれるのか、別建てかを明確にします。

責任を役割に応じて分担する

発注者提供素材、仕様、指示に起因する第三者権利侵害リスクは、受託者へ一方的に転嫁しない設計にします。

フリーランス取引条件を明示する

給付内容、報酬額、支払期日、委託日、受領期日・場所、検査完了期日などを明確にします。

契約書全体で一緒に整備する条項

著作権条項だけでなく、仕様書・発注書、検収条項、報酬・費用負担条項、秘密保持条項、再委託条項、ポートフォリオ・実績掲載条項、契約終了後の存続条項を一緒に整備します。特に、著作権移転時期を検収完了時にする場合は、検収期間、修正回数、検収不合格時の対応、みなし検収、軽微な不備の扱いが重要です。

次の重要ポイントは、契約終了後も残すべき条項を示しています。契約が終わっても、著作権譲渡、人格権不行使、秘密保持、第三者権利侵害対応、損害賠償、登録協力が効力を持ち続ける必要がある点を読み取ってください。

存続条項契約終了後も、著作権の譲渡、著作者人格権の不行使、秘密保持、第三者権利侵害への対応、登録協力、損害賠償に関する条項が有効に存続するよう定めます。
Section 09

業務委託契約の著作権条項チェックリストとFAQ

成果物・譲渡・人格権・素材・取引適正化の5領域で確認し、よくある疑問を整理します。

条項の最終確認では、成果物の特定、著作権譲渡、著作者人格権、既存著作物・第三者素材、取引適正化を分けて見ると抜け漏れを減らせます。チェック項目を満たしていない部分は、条項本文、別紙仕様書、発注書、素材一覧、ライセンス証憑で補います。

次の一覧は、実務チェック項目を5つの領域にまとめたものです。各領域の中で未確認の点がある場合、後日の利用・改修・紛争対応で支障が出る可能性があると読み取ってください。

成果物

特定できているか

名称、内容、形式、数量、納期、編集データ、ソースコード、素材データ、仕様書、マニュアルの納品有無を決めます。

譲渡

第27条・第28条まで含むか

著作権法第21条から第28条までの権利を含むこと、移転時期、対価、関連会社や保守ベンダーの利用を確認します。

人格権

不行使になっているか

譲渡と書いていないか、甲および甲が指定する第三者への不行使、氏名表示、省略、改変、翻案を想定します。

素材

第三者素材を管理しているか

写真、フォント、音源、OSS、AIツールの利用条件、ライセンス証憑、商用利用、改変、再配布を確認します。

適正化

一方的な条項になっていないか

取引と直接関係のない知財まで譲渡対象にしていないか、対価や責任分担を説明できるかを確認します。

Q1. 委託料を支払えば著作権は自動的に移りますか。

一般的には、委託料の支払いだけで著作権が自動的に移るわけではありません。委託料は業務遂行または成果物納品の対価であり、著作権を移すには譲渡条項を明確に置く必要があります。

Q2. 著作者人格権を譲渡してもらえますか。

一般的には、著作者人格権は著作者に一身専属し、譲渡できません。実務上は、著作者人格権を行使しない旨の不行使条項を置きます。

Q3. 受託者の既存テンプレートもすべて譲渡してもらうべきですか。

一般的には、必ずしもすべて譲渡させる必要はありません。発注者の利用に必要な範囲で、取消不能・再許諾可能な利用権を確保する設計が考えられます。

Q4. OSSやAI生成物はどう扱いますか。

一般的には、自社に帰属させられるのは受託者が権利を有し譲渡できる部分です。OSSはライセンス条件に従い、AI生成物は利用規約、創作的寄与、既存著作物との類似性、秘密情報の取扱いを確認する必要があります。

Reference

参考資料・一次情報

法令・公的機関

  • e-Gov法令検索「著作権法」
  • 文化庁「文化芸術活動に関する法的問題についてよくあるご質問」
  • 文化庁「著作権法概論」
  • 文化庁「誰でもできる 著作権契約マニュアル」
  • 文化庁「著作権に関する登録制度についてよくある質問」
  • 文化庁「AIと著作権について」
  • 中小企業庁「知的財産取引に関するガイドライン・契約書のひな形について」
  • 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法」特設ページ