2σ Guide

弁護士会は何をしている組織なのか
登録・監督・相談窓口まで整理

弁護士会は、弁護士を支えるだけの団体ではなく、弁護士制度への信頼と市民の司法アクセスを支える法定の自治組織です。日弁連、法テラス、裁判所との違いも含めて、利用者目線で整理します。

52会 全国の弁護士会
46,939人 日弁連会員の弁護士数
約300か所 法律相談の実施拠点
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弁護士会は何をしている組織なのか 登録・監督・相談窓口まで整理

弁護士会は、弁護士を支えるだけの団体ではなく、弁護士制度への信頼と市民の司法アクセスを支える法定の自治組織です。

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弁護士会は何をしている組織なのか 登録・監督・相談窓口まで整理
弁護士会は、弁護士を支えるだけの団体ではなく、弁護士制度への信頼と市民の司法アクセスを支える法定の自治組織です。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 弁護士会は何をしている組織なのか 登録・監督・相談窓口まで整理
  • 弁護士会は、弁護士を支えるだけの団体ではなく、弁護士制度への信頼と市民の司法アクセスを支える法定の自治組織です。

POINT 1

  • 弁護士会は何をしている組織なのかを最初に押さえる
  • 弁護士会は、登録、監督、相談窓口、懲戒、人権擁護などを通じて、弁護士制度を社会の中で機能させる組織です。
  • 弁護士会とは、弁護士制度への社会的信頼と市民の法的アクセスを支える法定の自治組織です
  • 弁護士登録の制度的入口
  • 指導・連絡・監督

POINT 2

  • 弁護士会と日弁連・法テラスの地域法律事務所の違い
  • 似て見える組織でも、役割、権限、問い合わせ場面は大きく異なります。
  • 弁護士会を理解するうえで、多くの混乱は用語の違いから生じます。
  • 弁護士会、日弁連、法テラス、裁判所、弁護士事務所は、法律に関わるという点では近く見えますが、制度上の位置づけは別です。
  • どこが判断機関で、どこが相談窓口で、どこが費用支援に関わるのかを読み取ることが、適切な問い合わせ先を選ぶうえで重要です。

POINT 3

  • 弁護士会の法的根拠と全国52会の組織構造
  • 1. 弁護士の使命:基本的人権の擁護と社会正義の実現が、弁護士制度の出発点とされています。
  • 2. 弁護士会の目的:品位保持、事務の改善進歩、指導・連絡・監督に関する事務が中核機能です。
  • 3. 日弁連の設立:日弁連は弁護士法に基づいて設立された全国組織で、日本全国の弁護士が登録します。
  • 4. 弁護士職務基本規程:2004年に採択され、2005年に施行されました。

POINT 4

  • 弁護士会の登録・監督・懲戒・研修は何をしているのか
  • 1. 不満やトラブルの内容を整理:連絡不足、説明不足、報酬、重大な非行など、問題の中心を分けます。
  • 2. 報酬や委任契約をめぐる争いか:費用、辞任、解任、委任契約の争いは紛議調停が関係することがあります。
  • 3. 紛議調停:返金や損害賠償が当然に実現する制度ではない点に注意します。
  • 4. 市民窓口・懲戒請求:対応への不満は市民窓口、重大な非行は懲戒請求が関係する可能性があります。

POINT 5

  • 弁護士会が担う法律相談・当番弁護士・ADR・人権擁護
  • 市民が法律専門家につながる入口と、裁判以外の制度的支援を整理します。
  • 弁護士会は、一般の人が弁護士に相談するための窓口を提供しています。
  • 相談、刑事手続、話合い型解決、人権救済、非弁対策は目的が異なるため、困りごとに合う入口を読み取ることが重要です。
  • 知り合いに弁護士がいない人や、どの分野に相談すべきか分からない人の入口になります。

POINT 6

  • 弁護士会を利用する手順とできないこと
  • 1. 目的を整理する:相談、登録確認、苦情、報酬トラブル、刑事事件、ADRのどれに近いかを分けます。
  • 2. 地域または所属会を確認する:相談は地元の弁護士会、苦情や懲戒は相手弁護士の所属会が関係しやすくなります。
  • 3. 制度の限界を確認する:返金、損害賠償、判決変更など、弁護士会だけでは実現できない事項があります。
  • 4. 資料を整理して問い合わせる:時系列、契約書、証拠、希望する解決、予算や期限を整理しておくと相談が進みやすくなります。

POINT 7

  • 弁護士会は弁護士に甘いのかという疑問と公共性
  • 綱紀委員会・懲戒委員会
  • 懲戒手続は、弁護士会長の単独判断ではなく、調査と審査の手続を経て進みます。
  • 外部的視点を含む構成
  • 弁護士会・日弁連の綱紀委員会および懲戒委員会は、弁護士、裁判官、検察官、学識経験者で構成されるとされています。

POINT 8

  • 弁護士会に関するよくある質問
  • 制度の一般的な説明として整理します。具体的な対応方針は、資料を確認したうえで専門家へ相談する必要があります。
  • Q1. 弁護士会は弁護士を紹介してくれる組織ですか。
  • Q2. 弁護士会に相談すれば無料ですか。
  • Q3. 弁護士会は裁判所と同じですか。

まとめ

  • 弁護士会は何をしている組織なのか 登録・監督・相談窓口まで整理
  • 弁護士会は何をしている組織なのかを最初に押さえる:弁護士会は、登録、監督、相談窓口、懲戒、人権擁護などを通じて、弁護士制度を社会の中で機能させる組織です。
  • 弁護士会と日弁連・法テラスの地域法律事務所の違い:似て見える組織でも、役割、権限、問い合わせ場面は大きく異なります。
  • 弁護士会の法的根拠と全国52会の組織構造:弁護士法、日弁連、単位会、ブロック弁護士会連合会の関係を整理します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

弁護士会は何をしている組織なのかを最初に押さえる

弁護士会は、登録、監督、相談窓口、懲戒、人権擁護などを通じて、弁護士制度を社会の中で機能させる組織です。

「弁護士会」と聞くと、弁護士が集まる業界団体や親睦団体のように見えるかもしれません。しかし、制度上の意味はそれより広く、弁護士法に基づいて設けられた法人として、弁護士および弁護士法人を会員とする法定の自治組織です。

弁護士が日本で弁護士業務を行うには、原則として、いずれかの弁護士会に所属し、日本弁護士連合会に登録する必要があります。つまり弁護士会は、弁護士制度の入口であり、弁護士の職業倫理と市民の法的アクセスを支える土台でもあります。

次の強調欄は、弁護士会を一文で理解するための定義を示しています。相談先を探す人にも、弁護士への苦情や懲戒を考える人にも、この定義を軸にすると各制度の位置づけを読み取りやすくなります。

弁護士会とは、弁護士制度への社会的信頼と市民の法的アクセスを支える法定の自治組織です

登録、研修、倫理、監督、懲戒、相談窓口、紛争解決、人権擁護などを通じて、弁護士という専門職が社会の中で適切に機能するための制度的な土台を担います。

次の一覧は、弁護士会の役割を一般の人の利用場面に引き寄せて整理したものです。どの機能が登録確認、相談、苦情、刑事弁護、社会制度の改善に関わるのかを読み取ると、問い合わせ先を間違えにくくなります。

登録

弁護士登録の制度的入口

弁護士として活動する人が、所属弁護士会を通じて日弁連に登録される仕組みを支えます。

監督

指導・連絡・監督

弁護士が職業倫理と実務水準を保てるよう、会則、研修、監督の仕組みを運用します。

懲戒

綱紀・懲戒手続

弁護士に問題があるとされる場合に、調査、審査、処分の制度を通じて信頼性を確保します。

相談

法律相談センター

弁護士に相談したい人が、地域の弁護士へアクセスするための入口を提供します。

刑事

当番弁護士制度

身体拘束された人が早期に弁護士へ接続できる制度を、各地の弁護士会が支えます。

社会

人権擁護・制度改善

個別相談を超えて、人権救済、司法制度改善、非弁行為への対処などにも関わります。

Section 01

弁護士会と日弁連・法テラスの地域法律事務所の違い

似て見える組織でも、役割、権限、問い合わせ場面は大きく異なります。

弁護士会を理解するうえで、多くの混乱は用語の違いから生じます。弁護士会、日弁連、法テラス、裁判所、弁護士事務所は、法律に関わるという点では近く見えますが、制度上の位置づけは別です。

次の比較表は、主要な関係機関の性質と利用場面を整理しています。どこが判断機関で、どこが相談窓口で、どこが費用支援に関わるのかを読み取ることが、適切な問い合わせ先を選ぶうえで重要です。

組織制度上の位置づけ主な役割問い合わせ場面
弁護士会弁護士法上の法人・自治組織登録実務、監督、研修、懲戒、法律相談、ADR、当番弁護士など弁護士相談、所属確認、苦情、紛議調停、懲戒請求、地域の当番弁護士
日弁連全国52会と弁護士等を会員とする全国組織全国統一的な登録、会則、制度調整、政策、人権救済、懲戒不服手続など全国情報、弁護士検索、日弁連の制度確認、人権救済制度
法テラス日本司法支援センター情報提供、無料法律相談、民事法律扶助、弁護士等費用の立替経済的に困っている場合の相談や費用立替の確認
裁判所司法機関訴訟、調停、審判、保全、執行などで法的判断を行う裁判手続、調停手続、法的判断や強制執行が必要な場合
弁護士事務所弁護士個人または弁護士法人の業務拠点個別事件の相談、代理、交渉、訴訟、契約書作成、顧問業務実際に事件処理や交渉代理を依頼したい場合

「単位会」とは、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会、大阪弁護士会、愛知県弁護士会、福岡県弁護士会など、全国52の各弁護士会を指す実務上の呼び方です。一般の人が実際に問い合わせる先は、日弁連本部ではなく、地域の単位会や相手弁護士の所属会になることが多いです。

次の比較表は、弁護士会と隣接法律専門職の団体との違いを整理しています。どの専門職がどの分野に強みを持つのかを知ることは、法律事務全般を扱う弁護士と、登記、許認可、税務、労務などの専門職を使い分けるために重要です。

専門職・団体強みのある領域弁護士会との違い
司法書士会登記、供託、簡易裁判所での一定範囲の代理など弁護士のように法律事務全般を扱う資格ではありません。
行政書士会許認可申請、官公署提出書類など交渉代理や訴訟代理を広く扱う制度ではありません。
弁理士会特許、商標などの知的財産分野知財に強い専門職ですが、一般的な民事・刑事・家事事件の代理とは役割が異なります。
税理士会税務申告、税務相談、税務代理税務が中心であり、紛争代理や刑事弁護などとは分野が異なります。
社会保険労務士会労務、社会保険、年金、労働関係書類労務分野で重要な役割を持ちますが、弁護士の業務範囲とは同じではありません。
注意弁護士会は裁判所ではないため、判決を変更したり、相手方に支払いを命じたりすることはできません。また、弁護士会自体が日常的に相談者の代理人として交渉するわけではなく、個別事件の代理は受任した弁護士が行います。
Section 02

弁護士会の法的根拠と全国52会の組織構造

弁護士法、日弁連、単位会、ブロック弁護士会連合会の関係を整理します。

弁護士会の根拠は弁護士法にあります。弁護士法は、弁護士の使命、登録、業務、弁護士会、日弁連、懲戒、非弁行為の禁止などを定める基本法です。弁護士会の目的は、弁護士および弁護士法人の品位保持、事務の改善進歩、指導・連絡・監督に関する事務を行うことにあります。

弁護士法1条は、弁護士の使命を基本的人権の擁護と社会正義の実現に置いています。弁護士会は、弁護士の営業活動を単に便利にする組織ではなく、この使命を制度として持続可能にするための組織です。

次の時系列は、弁護士会制度を理解するうえで重要な根拠と制度の節目を並べています。年代と制度のつながりを読むことで、弁護士会が単なる任意団体ではなく、法律上の自治制度として設計されていることが分かります。

弁護士法1条

弁護士の使命

基本的人権の擁護と社会正義の実現が、弁護士制度の出発点とされています。

弁護士法31条

弁護士会の目的

品位保持、事務の改善進歩、指導・連絡・監督に関する事務が中核機能です。

1949年

日弁連の設立

日弁連は弁護士法に基づいて設立された全国組織で、日本全国の弁護士が登録します。

2004年・2005年

弁護士職務基本規程

2004年に採択され、2005年に施行されました。弁護士の倫理的基盤と行為規範を整備するものです。

次の比較グラフは、原情報にある制度規模を、全国の弁護士会、法律相談の実施拠点、弁護士会ADRのセンター数で比べたものです。縦方向の長さが大きいほど数が多く、弁護士会が地域の相談窓口と紛争解決の基盤を広く持っていることを読み取れます。

52
弁護士会
約300
相談拠点
39
ADRセンター

次の比較表は、弁護士会制度の二層構造を整理しています。全国統一の制度と地域の実務がどのように分担されるかを読むことで、日弁連と各弁護士会の問い合わせ場面を分けやすくなります。

組織役割のイメージ
全国レベル日弁連全国統一的な登録、制度、会則、政策、調整、懲戒不服手続などを担います。
地域レベル各弁護士会地域の登録実務、相談窓口、研修、懲戒手続、紛議調停、当番弁護士などに関わります。
地域ブロック弁護士会連合会北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州などで、地域をまたぐ課題の共有や研修に関わります。

2025年12月1日現在の公式情報では、日弁連の会員数として弁護士46,939人、弁護士法人1,838法人等が示されています。全国52会のうち、東京には東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会の3会があり、北海道には札幌、函館、旭川、釧路の4会があります。

要点弁護士自治は、弁護士を国家機関から独立させるための制度です。ただし、無制限の自由ではなく、綱紀、懲戒、研修、倫理規律を実効的に行う責任と一体で理解する必要があります。
Section 03

弁護士会の登録・監督・懲戒・研修は何をしているのか

弁護士を社会が信頼するための、見えにくい制度的な管理機能を整理します。

弁護士会の基本機能の一つは、弁護士登録と所属管理です。弁護士となる資格を有する人は、入会しようとする弁護士会を通じて日弁連に弁護士登録を請求し、日弁連の弁護士名簿に登録されることによって弁護士となります。

次の比較表は、相談や依頼の前に確認すると有用な登録情報を整理しています。氏名だけで判断せず、登録番号や所属弁護士会まで見ることで、同姓同名や不審な広告への確認精度が上がります。

確認項目なぜ重要か
氏名同姓同名の確認が必要な場合があります。
登録番号弁護士を特定しやすくなります。
所属弁護士会苦情、紛議調停、懲戒請求の窓口確認に必要です。
事務所名・所在地実在性と連絡先確認に役立ちます。
取扱分野相談内容との適合性を判断する材料になります。ただし、すべての弁護士が任意検索サービスに掲載されているわけではありません。

懲戒制度は、弁護士会が信頼性を保つための重要な仕組み

弁護士または弁護士法人は、弁護士法や所属弁護士会・日弁連の会則に違反した場合、所属弁護士会の秩序・信用を害した場合、その他職務の内外を問わず品位を失うべき非行があった場合に懲戒を受けます。懲戒は、基本的にその弁護士等の所属弁護士会が、懲戒委員会の議決に基づいて行います。

次の比較表は、主な懲戒処分の種類を整理したものです。処分ごとに弁護士業務への影響が異なるため、苦情や懲戒請求を検討する際は、懲戒が返金や損害賠償とは別制度であることも合わせて読む必要があります。

処分内容の概要
戒告弁護士に反省を求め、戒める処分です。
業務停止一定期間、弁護士業務を行うことを禁止する処分です。
退会命令弁護士として活動できなくなりますが、弁護士資格そのものは失わない処分です。
除名弁護士として活動できなくなり、一定期間は弁護士となる資格も失う処分です。

次の判断の流れは、弁護士への不満がある場合に、市民窓口、紛議調停、懲戒請求のどれが関係しやすいかを整理しています。目的ごとに制度が違うため、苦情受付、報酬トラブルの調整、職業上の処分を分けて読み取ることが重要です。

弁護士への不満がある場合の制度選択

不満やトラブルの内容を整理

連絡不足、説明不足、報酬、重大な非行など、問題の中心を分けます。

報酬や委任契約をめぐる争いか

費用、辞任、解任、委任契約の争いは紛議調停が関係することがあります。

該当しやすい
紛議調停

返金や損害賠償が当然に実現する制度ではない点に注意します。

別の問題
市民窓口・懲戒請求

対応への不満は市民窓口、重大な非行は懲戒請求が関係する可能性があります。

次の比較表は、市民窓口、紛議調停、懲戒請求の目的を分けています。手続を選ぶ際は、何を求める制度なのか、どの弁護士会が窓口になるのかを読み取ることが大切です。

制度主な目的典型例
市民窓口弁護士の活動に関する不満・苦情の受付連絡が取れない、説明が不十分、態度が悪い
紛議調停弁護士とのトラブル解決報酬、辞任・解任、委任契約をめぐる争い
懲戒請求弁護士の非行について処分を求める品位を失う非行、会則違反、重大な職務上の問題

研修と倫理教育は弁護士サービスの質を支える

弁護士は、登録後も法律改正、判例、社会問題、企業法務、個人情報、労働、相続、倒産、刑事弁護、国際取引、IT、AIなどの変化に対応する必要があります。日弁連は、新規登録弁護士研修、倫理研修、夏期研修、ライブ実務研修、eラーニング研修などを挙げています。

次の時系列は、倫理研修が登録後どの時期に求められるかを整理しています。弁護士会の監督は懲戒だけでなく、継続的な研修を通じて信頼性を維持する点を読み取れます。

登録初年度

新規登録弁護士研修・倫理研修

責任ある法曹実務家として最低限習得すべき事項と倫理を学びます。

満3年・満5年

節目ごとの倫理研修

不祥事防止、市民の信頼維持、綱紀確立、倫理保持を目的に継続します。

その後5年ごと

継続的な倫理研修

登録後も職務規範と実務能力を更新する仕組みが設けられています。

Section 04

弁護士会が担う法律相談・当番弁護士・ADR・人権擁護

市民が法律専門家につながる入口と、裁判以外の制度的支援を整理します。

弁護士会は、一般の人が弁護士に相談するための窓口を提供しています。日弁連の法律相談ページでは、全国の弁護士が会員となる弁護士会が法律相談センターを運営していること、各地の弁護士会館をはじめ全国約300か所で法律相談を実施していること、相談時間はおおむね30分であることなどが説明されています。

次の一覧は、弁護士会が市民の法的アクセスに関わる主な制度を整理しています。相談、刑事手続、話合い型解決、人権救済、非弁対策は目的が異なるため、困りごとに合う入口を読み取ることが重要です。

法律相談センター

知り合いに弁護士がいない人や、どの分野に相談すべきか分からない人の入口になります。

相談

弁護士検索

現在登録されている弁護士の基本情報を確認し、所属弁護士会や事務所を把握できます。

登録確認

当番弁護士制度

逮捕・勾留された人のもとへ弁護士が出向き、初回無料で面会・相談する制度です。

刑事早期対応

ADR・紛争解決センター

裁判外の話合いによる柔軟な解決を目指す制度です。2024年10月現在、全国で39センター、36弁護士会に設置されています。

ADR

人権擁護活動

人権救済申立てを受けた事件の調査・検討、措置、意見表明などを行う制度があります。

人権

非弁行為への対策

無資格者による法律事務や、弁護士と非弁業者の不適切な提携への注意喚起・対処に関わります。

非弁対策

次の比較表は、法律相談の前に準備するとよい資料を整理したものです。相談時間は限られるため、事実、証拠、希望する解決、予算や期限を分けて持参すると、選択肢、費用、リスク、時間の見通しを確認しやすくなります。

準備するもの具体例
時系列メモいつ、誰が、何をしたかを日付順に整理します。
関係者一覧自分、相手方、会社、親族、保証人などを整理します。
契約書・通知書賃貸借契約書、雇用契約書、請求書、内容証明などです。
証拠メール、LINE、写真、録音、領収書、診断書などです。
希望する解決謝罪、支払い、契約解除、離婚、交渉、訴訟回避などです。
予算・期限いつまでに何をしたいか、費用の上限感を整理します。

次の比較表は、刑事事件で関係しやすい弁護人制度を整理しています。誰が制度を動かすのか、費用負担がどこにあるのかを読むことで、当番弁護士、私選弁護人、国選弁護人の違いを理解しやすくなります。

制度誰が関係するか概要
当番弁護士弁護士会逮捕・勾留された人に弁護士が出向き、初回無料で相談する制度です。
私選弁護人本人と弁護士本人や家族が費用を負担して依頼する弁護人です。
国選弁護人裁判所・国・弁護士資力等の要件を満たす場合に国費で選任される弁護人です。
注意人権救済申立ては法律相談や裁判代理とは異なります。損害賠償請求、裁判、相手方との交渉などを行いたい場合は、法律相談センターや個別の弁護士への相談が必要になる可能性があります。
非弁対策「弁護士監修」と表示された広告でも、実際に誰が相談対応や交渉をしているか確認することが重要です。不審な場合は弁護士検索で登録を確認し、必要に応じて事業者所在地の弁護士会へ相談することが考えられます。
Section 05

弁護士会を利用する手順とできないこと

相談、登録確認、苦情、当番弁護士、ADRの実務的な使い分けを整理します。

弁護士会は抽象的に理解するより、困りごと別に見ると分かりやすくなります。弁護士に相談したいのか、登録確認をしたいのか、弁護士への不満があるのか、家族が逮捕されたのかによって、入口は変わります。

次の比較表は、悩みごとと弁護士会が関係する場面を対応させたものです。自分の目的に近い行を探すことで、地元の弁護士会、所属弁護士会、日弁連検索、法テラスなどのどれを確認すべきか読み取りやすくなります。

悩み・心配弁護士会との関係まず検討する窓口
弁護士に相談したいが、誰に相談すべきかわからない法律相談センター、弁護士検索、ひまわりサーチ地元の弁護士会、日弁連検索
相手方から弁護士名で連絡が来た。本物か確認したい登録弁護士か確認できます日弁連弁護士検索
弁護士費用が払えない法テラスの民事法律扶助が関係する場合があります法テラス、法律相談センター
弁護士の対応に不満がある市民窓口、紛議調停、懲戒請求所属弁護士会
弁護士報酬をめぐってもめている紛議調停の対象になり得ます所属弁護士会
家族が逮捕された当番弁護士制度が関係します逮捕地の弁護士会
裁判ではなく話合いで解決したい弁護士会ADRが選択肢になります紛争解決センター
無資格者に法律相談や交渉を依頼して不安非弁行為・非弁提携の問題があり得ます事業者所在地の弁護士会

次の判断の流れは、弁護士会を使うときの基本的な順番を示しています。最初に目的を分け、次に地域や所属会を確認し、最後に相談・苦情・ADR・当番弁護士のどれに進むかを読むと、制度を選びやすくなります。

弁護士会を利用する基本手順

目的を整理する

相談、登録確認、苦情、報酬トラブル、刑事事件、ADRのどれに近いかを分けます。

地域または所属会を確認する

相談は地元の弁護士会、苦情や懲戒は相手弁護士の所属会が関係しやすくなります。

制度の限界を確認する

返金、損害賠償、判決変更など、弁護士会だけでは実現できない事項があります。

資料を整理して問い合わせる

時系列、契約書、証拠、希望する解決、予算や期限を整理しておくと相談が進みやすくなります。

次の比較表は、弁護士会にできないことをまとめています。期待と制度のズレを小さくするため、弁護士会の権限と個々の弁護士・裁判所・法テラスの役割を分けて読むことが重要です。

弁護士会にできないこと理由
裁判の判決を変更する裁判所の権限であるためです。
相談者の代理人として相手方と交渉する代理業務は個々の弁護士が受任して行うためです。
すべての相談を無料で受ける相談制度ごとに費用が異なるためです。
希望する弁護士を必ず紹介する弁護士の専門性、地域、受任可否によるためです。
懲戒請求で損害賠償を命じる懲戒は職業上の処分であり、損害賠償とは別の制度であるためです。
法テラスの審査を省略する法テラスは別組織であり、収入・資産要件等があるためです。
すべての非弁行為を即時に判断・処罰する最終的には裁判所が証拠に基づき判断する問題を含むためです。

具体例で見る弁護士会の入口

次の一覧は、よくある問題別に弁護士会の関わり方を整理しています。分野ごとの入口を読むことで、弁護士会が相談窓口を提供する場面と、個々の弁護士へ依頼する場面を分けやすくなります。

離婚問題

離婚、親権、養育費、財産分与、面会交流などでは、法律相談センターが入口になります。交渉自体は個々の弁護士への依頼が必要です。

相続トラブル

遺産分割、遺留分、遺言、成年後見などでは、相談センターや弁護士検索が入口になります。

交通事故

損害賠償、過失割合、後遺障害、保険会社対応などでは、弁護士会、日弁連交通事故相談センター、法テラスなどが入口になる場合があります。

労働問題

解雇、残業代、ハラスメント、労災、退職などでは、労働法に詳しい弁護士への相談が必要になることがあります。

会社・個人事業者

契約書、債権回収、取引先トラブル、労務、知財、事業承継などでは、企業法務に対応できる弁護士が関係します。

弁護士費用

相談料、着手金、報酬金、実費、日当、法テラス利用可否を相談前に確認することが重要です。

Section 06

弁護士会は弁護士に甘いのかという疑問と公共性

弁護士自治の独立性と、社会から信頼されるための外部的視点をあわせて見ます。

弁護士会が弁護士によって構成される以上、「弁護士同士でかばい合うのではないか」という疑問が生じることがあります。この疑問は軽視できません。専門職の自治制度は、外部からの信頼を得られなければ正当性を失うからです。

次の整理は、弁護士自治に対する制度上の信頼確保策をまとめています。弁護士会が閉じた組織として判断するだけではなく、委員会構成、綱紀審査、公告などの仕組みがあることを読み取ることが重要です。

綱紀委員会・懲戒委員会

懲戒手続は、弁護士会長の単独判断ではなく、調査と審査の手続を経て進みます。

外部的視点を含む構成

弁護士会・日弁連の綱紀委員会および懲戒委員会は、弁護士、裁判官、検察官、学識経験者で構成されるとされています。

綱紀審査会

日弁連の綱紀審査会は、弁護士、裁判官、検察官およびそれらの経験者を除く学識経験者のみで構成されます。

処分の公告

懲戒処分が行われた場合、官報および機関誌で公告し、懲戒理由の要旨も掲載すると説明されています。

制度があることと、個々の運用に対してすべての人が納得することは別です。それでも、弁護士自治は外部性を完全に排除した閉鎖的制度ではなく、市民的視点や公開性を組み込んだ制度として設計されています。

次の強調欄は、弁護士会の公共性をまとめたものです。専門職団体として会員の独立性を守ることと、市民の権利救済に資する制度を維持することが、緊張関係の中で両立している点を読み取れます。

弁護士会は専門職団体であると同時に、市民のための法的インフラです

法律相談センター、当番弁護士制度、苦情受付、紛議調停、懲戒制度、ADR、人権擁護、非弁行為への対処を通じて、弁護士の独立性と社会的信頼を両立させる役割を担います。

弁護士会の制度的意義は、会員の利益だけを考える組織ではなく、弁護士の自由・独立・専門性・倫理を維持し、市民の権利救済につなげる点にあります。

Section 07

弁護士会に関するよくある質問

制度の一般的な説明として整理します。具体的な対応方針は、資料を確認したうえで専門家へ相談する必要があります。

Q1. 弁護士会は弁護士を紹介してくれる組織ですか。

一般的には、弁護士会は法律相談センターや相談予約の仕組みを運営しており、相談の入口になることがあります。ただし、それだけではなく、登録、監督、懲戒、研修、ADR、人権擁護なども担います。具体的な相談先は地域や相談内容によって変わる可能性があります。

Q2. 弁護士会に相談すれば無料ですか。

一般的には、相談が無料とは限りません。相談時間はおおむね30分、相談料は地域や相談内容により異なり、5,500円前後と案内されることがあります。ただし、相談内容、地域、制度、法テラスの利用条件によって無料相談が用意される場合もあります。

Q3. 弁護士会は裁判所と同じですか。

一般的には、裁判所は判決や決定を出す司法機関であり、弁護士会は弁護士の登録、監督、相談窓口、ADR、懲戒等を担う組織です。弁護士会が判決を変更する制度ではありません。具体的な手続選択は、事件の内容により弁護士等へ相談する必要があります。

Q4. 弁護士会に苦情を言えば、弁護士費用は返ってきますか。

一般的には、苦情を申し出ても自動的に返金されるわけではありません。報酬トラブルについては紛議調停が利用できる場合がありますが、返金や損害賠償を強制的に実現するには、別途の法的手続が必要になる可能性があります。

Q5. 懲戒請求は誰でもできますか。

一般的には、弁護士に対する懲戒請求は、依頼者や相手方などの関係者に限らず誰でもでき、その弁護士の所属弁護士会に請求するとされています。ただし、懲戒が認められるかどうかは事実関係、証拠、会則違反や非行の評価によって変わります。

Q6. 懲戒請求には期限がありますか。

一般的には、懲戒の事由があったときから3年を経過したときは懲戒手続を開始できないと説明されています。ただし、具体的な起算点や事案の評価は個別事情で変わる可能性があります。資料を整理して弁護士会等へ確認する必要があります。

Q7. 弁護士会は弁護士を監督するなら、なぜ国が監督しないのですか。

一般的には、弁護士は国家権力と対立する事件で市民や被疑者・被告人を守る役割を担うため、独立性を確保する観点から弁護士自治が認められていると説明されます。ただし、自治は無制限ではなく、懲戒制度、研修、綱紀、外部的視点を含む委員会制度によって信頼性を保つ必要があります。

Q8. 弁護士会は人権問題にも関わるのですか。

一般的には、日弁連や弁護士会は人権擁護活動に関わります。人権救済申立てを受けた事件について調査・検討し、救済のための措置や意見書作成などを行う制度があります。ただし、損害賠償請求や裁判代理とは制度の目的が異なります。

Q9. 弁護士会のADRは裁判と何が違いますか。

一般的には、ADRは裁判外紛争解決手続であり、柔軟な話合いによる解決を目指します。ただし、相手方が参加しない場合や、強制的判断が必要な場合には限界があります。具体的な解決手段は、紛争の性質や証拠関係によって判断が変わります。

Q10. 弁護士会と日弁連のどちらに問い合わせるべきですか。

一般的には、個別の弁護士に関する相談、苦情、紛議調停、懲戒請求、法律相談、当番弁護士などは、その弁護士の所属弁護士会または地域の弁護士会が窓口になります。制度全体、全国情報、弁護士検索、日弁連の人権救済制度などは日弁連の情報を確認することが考えられます。

Section 08

弁護士会は弁護士制度を社会で機能させる中核インフラ

相談先を探す人、弁護士の対応に不安がある人、制度を理解したい人にとって、弁護士会の理解は重要な第一歩です。

弁護士会は、弁護士の登録、指導、監督、懲戒、研修、倫理、法律相談、当番弁護士、ADR、人権擁護、非弁対策などを通じて、弁護士制度を社会の中で機能させるための中核インフラです。

一般の人にとって、弁護士会を理解する実益は大きく3つあります。第一に、弁護士に相談したいときの入口を知ることができます。法律相談センター、弁護士検索、ひまわりサーチ、法テラスなどを使い分けることで、適切な相談先に近づけます。

第二に、弁護士とのトラブルが起きたときの制度を知ることができます。市民窓口、紛議調停、懲戒請求は、それぞれ目的が異なります。不満がどの制度に合うのかを理解することで、現実的な対応を検討しやすくなります。

第三に、弁護士制度そのものの意味を理解できます。弁護士会は、弁護士の独立性を守る一方で、弁護士を監督し、倫理を維持し、市民の権利救済につなげる役割を担います。

まとめ弁護士会とは、弁護士を登録・監督するだけでなく、市民が安心して法律専門家にアクセスできる社会を支えるための、法定の専門職自治組織です。
Reference

参考資料・公式情報

制度の根拠や公式情報を確認するために参照した資料名です。

法令・公的制度

  • e-Gov法令検索「弁護士法」
  • 法テラス「無料法律相談・弁護士等費用の立替」

日本弁護士連合会の公式情報

  • 日本弁護士連合会「日弁連(日本弁護士連合会)とは」
  • 日本弁護士連合会「日弁連の会員」
  • 日本弁護士連合会「全国の弁護士会・弁護士会連合会」
  • 日本弁護士連合会「弁護士自治」
  • 日本弁護士連合会「弁護士の使命と役割」
  • 日本弁護士連合会「懲戒制度」
  • 日本弁護士連合会「綱紀審査申出の方法について」
  • 日本弁護士連合会「弁護士とトラブルになったら」
  • 日本弁護士連合会「弁護士の研修」
  • 日本弁護士連合会「弁護士倫理」
  • 日本弁護士連合会「法律相談」
  • 日本弁護士連合会「全国の弁護士会の法律相談センター」
  • 日本弁護士連合会「弁護士検索」
  • 日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」
  • 日本弁護士連合会「刑事弁護に関する制度のご紹介」
  • 日本弁護士連合会「紛争解決センター(ADR)」
  • 日本弁護士連合会「人権救済活動」
  • 日本弁護士連合会「隣接士業・非弁活動・非弁提携対策」

各弁護士会の公式情報

  • 東京弁護士会「東京弁護士会とは」
  • 第二東京弁護士会「弁護士会について」