2σ Guide

成年後見人の選任を
家庭裁判所に申し立てる手順

後見開始申立てを中心に、制度の類型、必要書類、候補者、費用、家庭裁判所の審理、選任後の職務までを本人の利益から整理します。

3類型 後見・保佐・補助
800円 申立手数料の基本
2,600円 後見登記手数料
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

成年後見人の選任を 家庭裁判所に申し立てる手順

後見開始申立てを中心に、制度の類型、必要書類、候補者、費用、家庭裁判所の審理、選任後の職務までを本人の利益から整理します。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
成年後見人の選任を 家庭裁判所に申し立てる手順
後見開始申立てを中心に、制度の類型、必要書類、候補者、費用、家庭裁判所の審理、選任後の職務までを本人の利益から整理します。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 成年後見人の選任を 家庭裁判所に申し立てる手順
  • 後見開始申立てを中心に、制度の類型、必要書類、候補者、費用、家庭裁判所の審理、選任後の職務までを本人の利益から整理します。

POINT 1

  • 成年後見人選任の全体像をつかむ
  • 初めて制度を使う場合と、既存の後見事件で後見人を選び直す場合を分けて整理します。
  • 後見開始申立て
  • 成年後見人等選任申立て
  • 本人について法定後見を始める手続です。

POINT 2

  • 成年後見人選任で押さえる制度の基本
  • 後見・保佐・補助、本人、申立人、候補者など、手続の前提になる言葉を確認します。
  • 財産管理
  • 身上保護
  • 成年後見制度は、判断能力の状態に応じて「後見」「保佐」「補助」に分かれます。

POINT 3

  • 成年後見人選任を家庭裁判所に申し立てる流れ
  • 1. 1. 本人に制度が必要かを検討:預金管理、施設契約、不動産処分、相続手続など、本人の生活維持に必要な法律行為を整理します。
  • 2. 2. 後見・保佐・補助を検討:診断名だけでなく、契約や財産管理をどこまで理解できるかを具体例で確認します。
  • 3. 3. 申立人と管轄を確認:申立人になれる立場か、本人の住所地を管轄する家庭裁判所かを確認します。
  • 4. 4. 候補者を検討:親族候補者の適格性、専門職選任の可能性、利益相反や親族対立を整理します。
  • 5. 5. 書類と費用を準備:診断書、本人情報シート、財産資料、収支資料、手数料、郵便料などをそろえます。
  • 6. 6. 審理・審判・登記へ進む:家庭裁判所の照会、面接、必要に応じた鑑定を経て、後見開始と成年後見人の選任が判断されます。

POINT 4

  • 成年後見人選任の申立前に検討すること
  • 親族対立
  • 相続、介護方針、使途不明金をめぐる対立が深い場合、親族候補者ではなく専門職が選ばれやすくなります。
  • 専門的課題
  • 不動産売却、遺産分割、訴訟、債務整理、事業承継などがある場合、専門職の関与が検討されます。

POINT 5

  • 成年後見人選任申立ての必要書類
  • 家庭裁判所が本人の状態と財産を確認できるよう、書類の目的ごとに準備します。
  • 必要書類は、本人の判断能力、身分関係、住所、財産、収支、親族関係を家庭裁判所が確認するためのものです。

POINT 6

  • 成年後見人選任申立書の作成と費用確認
  • 本人の利益を中心に申立理由を書き、費用は固定費と変動費に分けて確認します。
  • 申立書では抽象的な評価よりも、本人が現実にどの場面で困っているかを示す事実が重要です。
  • 費用は、収入印紙、登記手数料、郵便料、鑑定費用、書類取得費、専門家費用に分けて見る必要があります。

POINT 7

  • 成年後見人選任の審理・審判・登記
  • 家庭裁判所の調査、照会、面接、鑑定、審判確定後の後見登記を確認します。
  • 審判確定は終点ではなく、後見事務の開始です
  • 申立て後は、家庭裁判所が書類を確認し、必要に応じて申立人、本人、候補者、親族に照会や面接を行います。
  • 本人が申立てや候補者をどの程度理解しているか、どこで暮らしたいか、誰に支援してほしいかが確認されます。

POINT 8

  • 選任後の成年後見人の職務と限界
  • 後見人が欠けた
  • 成年後見人が死亡、辞任、解任された場合には、本人保護のため後任選任が問題になります。
  • 職務継続が困難
  • 病気、高齢、遠方転居などにより既存の後見人が職務を続けにくい場合があります。

まとめ

  • 成年後見人の選任を 家庭裁判所に申し立てる手順
  • 成年後見人選任の全体像をつかむ:初めて制度を使う場合と、既存の後見事件で後見人を選び直す場合を分けて整理します。
  • 成年後見人選任で押さえる制度の基本:後見・保佐・補助、本人、申立人、候補者など、手続の前提になる言葉を確認します。
  • 成年後見人選任を家庭裁判所に申し立てる流れ:申立前の検討から審判確定後の職務開始まで、手続を順番に確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

成年後見人選任の全体像をつかむ

初めて制度を使う場合と、既存の後見事件で後見人を選び直す場合を分けて整理します。

成年後見人の選任を家庭裁判所に申し立てる手順では、最初に「まだ制度が始まっていない本人について後見開始を求める場面」と、「すでに後見等が始まった後に後見人等を追加・再選任する場面」を分けて考える必要があります。多くの家庭で出発点になるのは、本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ後見開始の審判を申し立て、その審理の中で成年後見人を選んでもらう手続です。

次の一覧は、似て見える二つの申立てを比べたものです。どちらの手続を使うかで、申立先、必要書類、家庭裁判所への説明内容が変わるため、まず自分の状況がどちらに当たるかを読み取ることが重要です。

初回利用

後見開始申立て

本人について法定後見を始める手続です。家庭裁判所が本人の判断能力、生活状況、財産状況、支援の必要性を審理し、開始を認める場合に成年後見人を選任します。

既存事件

成年後見人等選任申立て

すでに後見等が始まっている事件で、後見人が欠けた場合や、追加の後見人が必要な場合に使います。既存事件の家庭裁判所や事件番号の確認が重要です。

重要預金解約や施設契約など一つの課題が終わっても、後見開始後は原則として本人の判断能力が回復するか本人が亡くなるまで制度が続きます。申立前に継続性を理解しておく必要があります。
Section 01

成年後見人選任で押さえる制度の基本

後見・保佐・補助、本人、申立人、候補者など、手続の前提になる言葉を確認します。

成年後見制度は、判断能力の状態に応じて「後見」「保佐」「補助」に分かれます。類型によって本人の法律行為への制限や支援者の権限が異なるため、表では本人の状態、選任される人、権限の違いを横に比べて読めるようにしています。

類型本人の状態の目安選任される支援者権限の概要
後見判断能力を欠くのが通常の状態成年後見人原則として広い代理権を持ち、本人がした法律行為を取り消せる場合があります。日用品の購入など日常生活に関する行為は対象外です。
保佐判断能力が著しく不十分保佐人民法上の重要な行為について同意権・取消権を持ちます。必要に応じ、特定の行為について代理権を付与できます。
補助判断能力が不十分補助人本人の状態に応じ、家庭裁判所が定めた特定の行為について同意権・取消権又は代理権を付与します。本人の同意が重視されます。

次の用語一覧は、申立書や家庭裁判所からの案内で頻出する言葉をまとめたものです。誰の利益を中心に考えるのか、誰が手続を進めるのか、どの資料で権限を示すのかを読み取ると、手続全体の見通しを立てやすくなります。

中心人物

本人

成年後見制度で保護・支援される対象者です。親族の便宜ではなく、本人の利益、意思、生活状況が判断の中心になります。

手続開始

申立人

家庭裁判所に後見開始等を求める人です。本人、配偶者、四親等内の親族などが典型で、事情により市区町村長申立てが検討される場合もあります。

選任希望

候補者

申立書に記載する「この人に後見人になってほしい」という人です。ただし最終的な選任は家庭裁判所が判断します。

裁判所判断

審判

家庭裁判所が家事事件について行う判断です。後見開始の可否や成年後見人の選任は審判で決まります。

財産対応

財産管理

預貯金、不動産、年金、保険、債務、税金、施設費、介護費などを把握し、本人のために管理する職務です。

生活対応

身上保護

介護サービス契約、施設入所契約、医療・福祉関係の支払いなど、本人の生活に関する法律行為を支援します。直接の身体介護とは異なります。

Section 02

成年後見人選任を家庭裁判所に申し立てる流れ

申立前の検討から審判確定後の職務開始まで、手続を順番に確認します。

後見開始申立ては、本人の必要性を整理し、類型・申立人・管轄・候補者・書類・費用を確認してから家庭裁判所の調査へ進みます。次の判断の流れは、上から順に準備が進むように並べており、どの段階で本人の利益を説明する必要があるかを読み取るためのものです。

成年後見人選任までの判断の流れ

1. 本人に制度が必要かを検討

預金管理、施設契約、不動産処分、相続手続など、本人の生活維持に必要な法律行為を整理します。

2. 後見・保佐・補助を検討

診断名だけでなく、契約や財産管理をどこまで理解できるかを具体例で確認します。

3. 申立人と管轄を確認

申立人になれる立場か、本人の住所地を管轄する家庭裁判所かを確認します。

4. 候補者を検討

親族候補者の適格性、専門職選任の可能性、利益相反や親族対立を整理します。

5. 書類と費用を準備

診断書、本人情報シート、財産資料、収支資料、手数料、郵便料などをそろえます。

6. 審理・審判・登記へ進む

家庭裁判所の照会、面接、必要に応じた鑑定を経て、後見開始と成年後見人の選任が判断されます。

次の時系列は、申立後に起こる出来事を手続の順番で整理したものです。家庭裁判所からの照会や鑑定で期間が変わるため、どこで時間がかかり得るかを読み取ってください。

準備期

必要性・類型・資料を整理

本人の判断能力、生活状況、財産状況、支援の必要性を具体的な資料で整えます。

申立時

本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ提出

窓口持参又は郵送で提出します。裁判所によっては事前予約や面接日程の調整が必要です。

審理中

調査・照会・面接・鑑定への対応

申立人、本人、候補者、親族への確認や、必要に応じた医師鑑定が行われます。

選任後

審判確定、後見登記、職務開始

成年後見人は登記事項証明書などで権限を示し、財産目録や収支予定表の作成を始めます。

Section 03

成年後見人選任の申立前に検討すること

制度の必要性、類型、申立人、管轄、候補者の適格性を本人の利益から確認します。

制度が本当に必要かを検討する

申立てのきっかけは、預貯金の管理・解約、施設入所契約、介護保険サービス契約、不動産処分、相続手続、保険金請求、年金・税金対応、悪質商法への対応などです。ただし成年後見制度は単発の代行制度ではありません。本人の判断能力が回復するか本人が亡くなるまで原則として続くため、本人の契約理解、緊急に必要な法律行為、家族支援の限界、任意後見・委任契約・福祉サービスなどの代替手段を確認します。

候補者を検討する

候補者の適格性では、本人の生活を理解しているか、親族間に大きな対立がないか、財産が比較的単純か、記録保存や家庭裁判所への報告を続けられるか、本人財産と候補者自身の財産を分けられるかが重要です。次の一覧は、親族候補者が選ばれやすい事情と専門職が選任されやすい事情を並べたもので、候補者欄に何を書くかを考える前にリスクを読み取るためのものです。

親族対立

相続、介護方針、使途不明金をめぐる対立が深い場合、親族候補者ではなく専門職が選ばれやすくなります。

専門的課題

不動産売却、遺産分割、訴訟、債務整理、事業承継などがある場合、専門職の関与が検討されます。

財産流用の疑い

候補者や親族による預金流用、虐待、本人財産の不透明な利用が疑われる場合、候補者の適格性が問題になります。

継続性の不安

候補者が高齢、遠方、病気で、財産管理や定期報告を継続できるか不安がある場合も慎重に見られます。

申立人と管轄を確認する

後見開始を申し立てることができる人は、本人、配偶者、四親等内の親族などです。親族がいない、親族が協力しない、虐待や財産侵害が疑われる場合には、市区町村の高齢者福祉、障害福祉、地域包括支援センター等への相談が重要です。申立先は申立人の住所地ではなく、本人の住所地を管轄する家庭裁判所です。

Section 04

成年後見人選任申立ての必要書類

家庭裁判所が本人の状態と財産を確認できるよう、書類の目的ごとに準備します。

必要書類は、本人の判断能力、身分関係、住所、財産、収支、親族関係を家庭裁判所が確認するためのものです。次の表では、各書類が何を示す資料なのか、提出前にどこを確認すべきかを列ごとに読めるようにしています。

書類主な目的実務上の注意点
申立書後見開始を求める正式な書面申立ての理由、本人の状況、候補者等を家庭裁判所所定の書式で記載します。
本人の戸籍謄本本人の身分関係の確認発行後一定期間内のものが求められることが多いです。
本人の住民票又は戸籍附票本人の住所地・管轄確認マイナンバーの記載がないものを取得します。
候補者の住民票又は戸籍附票候補者の住所・同一性確認候補者が法人の場合は商業登記事項証明書等が必要になることがあります。
診断書判断能力の医学的資料家庭裁判所所定様式を使い、発行後3か月以内など期限に注意します。
本人情報シート写し福祉・生活状況の把握ケアマネジャー、相談支援専門員、医療ソーシャルワーカー等が関与することがあります。
健康状態に関する資料病状・介護状況の確認介護保険認定資料、障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳等が該当し得ます。
登記されていないことの証明書既に後見等の登記がないことの確認本人について成年被後見人等として登記されていないことを法務局で取得します。
財産資料本人財産の把握預貯金通帳、不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書、保険証券、有価証券資料などを整理します。
収支資料生活費・収入支出の把握年金通知、施設費、医療費、介護費、家賃、公共料金、税金等の資料が重要です。
親族関係図・意向確認資料親族関係と対立の有無の確認親族照会が行われる場合があり、賛否や対立の有無を整理しておきます。
資料整理本人財産は、管理しやすい預金口座だけでなく、債務、保険、未収金、不動産、株式、投資信託、貸金庫など把握できる限り整理します。資料を隠す対応は候補者の適格性にも影響し得ます。
Section 05

成年後見人選任申立書の作成と費用確認

本人の利益を中心に申立理由を書き、費用は固定費と変動費に分けて確認します。

申立書では抽象的な評価よりも、本人が現実にどの場面で困っているかを示す事実が重要です。次の比較一覧は、裁判所に伝わりにくい書き方と、本人の利益を中心にした書き方を比べるもので、申立理由を具体化する読み方を示しています。

避けたい書き方伝わりやすい書き方読み取るポイント
家族が預金を引き出せず困っている本人の施設費、医療費、介護費を本人名義の預金から支払う必要があるが、本人が手続の意味を理解し実行することが難しい家族の都合ではなく、本人の生活維持に支障が出ていることを示します。
母は認知症なので後見人が必要短期記憶の低下により、同じ請求書を複数回支払おうとする、施設契約の説明を数分後に忘れるなどの状況が続いている診断名だけでなく、法律行為や財産管理への影響を具体化します。
親族の意見がまとまらない介護方針、財産管理、候補者の適格性について親族間で意見が分かれており、本人財産の中立的管理が必要である対立の存在と本人への影響を分けて整理します。

費用は、収入印紙、登記手数料、郵便料、鑑定費用、書類取得費、専門家費用に分けて見る必要があります。次の表は、申立時にまず確認すべき基本費用をまとめたもので、金額が固定されるものと家庭裁判所・事案で変わるものを読み分けてください。

費目目安注意点
申立手数料収入印紙800円後見開始申立ての基本手数料です。
登記手数料収入印紙2,600円後見登記のための費用です。
郵便料家庭裁判所により異なる郵便切手、保管金、電子納付など運用が分かれる場合があります。
鑑定費用事案により異なる診断書や本人の状況だけでは判断が難しい場合に発生することがあります。
書類取得・専門家費用依頼内容により異なる戸籍、住民票、診断書、固定資産評価証明書、弁護士等への依頼費用などを別に見込みます。
Section 06

成年後見人選任の審理・審判・登記

家庭裁判所の調査、照会、面接、鑑定、審判確定後の後見登記を確認します。

申立て後は、家庭裁判所が書類を確認し、必要に応じて申立人、本人、候補者、親族に照会や面接を行います。次の一覧は、審理で確認されやすい事項を整理したもので、何を質問され得るか、どの資料で裏付けるかを読み取るためのものです。

1

本人の理解と希望

本人が申立てや候補者をどの程度理解しているか、どこで暮らしたいか、誰に支援してほしいかが確認されます。

本人中心
2

財産の所在と規模

預貯金、不動産、保険、債務、収支など、本人財産の全体像を確認します。

財産管理
3

親族の賛否と候補者の適格性

親族対立、利益相反、候補者の財産管理能力、専門職後見人や監督人の必要性が確認されます。

注意
4

鑑定の要否

診断書や生活情報だけでは判断能力の程度を判断しにくい場合、医師鑑定が行われることがあります。

医学資料

審判が確定すると後見登記が行われ、成年後見人は登記事項証明書で権限を示して職務を始めます。次の重要ポイントは、選任直後の実務で特に誤解が生じやすい事項をまとめたもので、申立てが終わった後にも家庭裁判所への報告義務が続くことを読み取ってください。

審判確定は終点ではなく、後見事務の開始です

成年後見人は、金融機関への届出、本人財産の確認、財産目録・収支予定表の作成、生活費や医療費・介護費の支払い方法の整備、記録と領収書の保存を進めます。

Section 07

選任後の成年後見人の職務と限界

財産管理、身上保護、居住用不動産、医療同意の限界、既存事件での追加選任を整理します。

成年後見人の職務は、本人の利益のために財産管理と身上保護に関する法律行為を行うことです。次の一覧は、できることと限界を並べて示すもので、後見人が直接の介護者や医療同意の包括的な決定者ではない点を読み取るために重要です。

財産管理

預貯金、年金、保険金、給付金、医療費、介護費、税金、不動産管理などを本人のために整理し支払います。

主要職務

身上保護

介護サービス契約、施設入所契約、住環境に関する法的手続などを本人の利益に沿って進めます。

生活支援

居住用不動産

本人の住まいを売却、賃貸、担保設定、賃貸借解除する場合は、家庭裁判所の許可が必要です。

許可確認

医療同意の限界

成年後見人に医療行為への包括的な同意権が当然に認められるわけではありません。本人意思、家族、医療・福祉関係者との整理が必要です。

慎重対応

すでに後見が始まっている事件では、初回の後見開始申立てではなく、成年後見人等選任申立てを使う場面があります。次の一覧は、追加・再選任が必要になりやすい事情を整理したもので、既存事件の家庭裁判所や事件番号を確認する必要性を読み取ってください。

後見人が欠けた

成年後見人が死亡、辞任、解任された場合には、本人保護のため後任選任が問題になります。

職務継続が困難

病気、高齢、遠方転居などにより既存の後見人が職務を続けにくい場合があります。

複数後見人が必要

財産管理と身上保護を分担する必要がある場合や、専門分野の異なる人を追加する場合があります。

専門的課題が発生

訴訟、不動産処分、相続、事業整理などの課題が生じた場合、専門職の追加が検討されます。

Section 08

成年後見人選任申立てのFAQ

候補者、制度終了、取下げ、財産利用、医療同意など、誤解されやすい点を一般情報として整理します。

Q1. 家族が候補者になれば必ず選任されますか。

一般的には、候補者を記載しても最終的に誰を成年後見人にするかは家庭裁判所が本人の利益を踏まえて判断するとされています。親族間の対立、財産の複雑性、候補者の適格性などで結論は変わる可能性があります。具体的な見通しは資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 預金解約が終わったら成年後見をやめられますか。

一般的には、単に目的の手続が終わったという理由だけでは終了しないとされています。本人の判断能力の状態や制度類型によって結論が変わる可能性があります。申立前に制度の継続性を確認し、具体的には弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q3. 申立て後に取り下げられますか。

一般的には、後見開始等の申立ては家庭裁判所の許可がなければ取り下げられないとされています。候補者が選ばれそうにないなど申立人側の事情だけでは許可されない可能性があります。個別の段階や事情は家庭裁判所又は弁護士等へ確認する必要があります。

Q4. 成年後見人になれば本人財産を家族のために使えますか。

一般的には、成年後見人は本人のために本人財産を管理する立場とされています。家族の生活費、贈与、相続対策、借入返済などに本人財産を流用することは問題となる可能性があります。支出の可否は本人の利益や資料で変わるため、具体的には専門家へ相談する必要があります。

Q5. 成年後見人は医療行為に同意できますか。

一般的には、成年後見人に医療行為についての包括的な同意権が当然に認められるわけではないとされています。医療内容、緊急性、本人意思、家族関係、医療機関の運用で対応は変わります。具体的な場面では医療機関や弁護士等の専門家へ確認する必要があります。

Q6. 手続にはどのくらいの期間がかかりますか。

一般的には、申立てから審判まで1〜2か月程度が目安とされることがあります。ただし、書類不備、親族間対立、本人調査、鑑定の実施などによって長くなる可能性があります。管轄家庭裁判所の運用を確認する必要があります。

Q7. 反対する親族がいる場合はどう整理しますか。

一般的には、反対理由を確認し、感情的対立と本人の利益に関わる実務上の問題を分けて整理する必要があります。財産管理への不信、候補者への反対、住まいをめぐる意見対立などで対応は変わります。具体的には弁護士等へ相談する必要があります。

Q8. 本人に親族がいない場合はどうすればよいですか。

一般的には、市区町村の高齢者福祉、障害福祉、地域包括支援センター、社会福祉協議会、法テラス等に相談することが考えられます。一定の場合には市区町村長申立てが検討される可能性があります。具体的な窓口は本人の住所地の自治体等で確認する必要があります。

Q9. 成年後見人は相続対策をしてくれますか。

一般的には、成年後見人の職務は本人の利益を守ることであり、推定相続人の節税や相続対策を目的として本人財産を動かす立場ではないとされています。本人に合理的必要性があるかで判断が変わるため、具体的には専門家へ相談する必要があります。

Q10. 弁護士に相談する場合は何を準備しますか。

一般的には、診断書、介護認定資料、通帳、不動産資料、保険資料、年金資料、施設・医療費の資料、親族関係図、戸籍、過去の財産管理状況、困っている事項を準備すると相談が進みやすいとされています。親族間対立がある場合は時系列表も整理する必要があります。

Section 09

成年後見人選任申立て前のチェックリスト

必要性、書類、候補者、費用を準備段階から確認します。

申立前の確認項目は、必要性・類型、申立人・書類、候補者・費用に分けると漏れを減らせます。次の一覧は、提出直前に見るためのものではなく、準備の早い段階で不足資料や説明不足を読み取るためのものです。

必要性・類型

本人のために必要か

  • 困っている法律行為や財産管理上の問題を具体化した
  • 家族の都合ではなく本人の利益を中心に説明できる
  • 制度が原則として継続することを理解した
  • 任意後見、委任契約、福祉サービス等も検討した
  • 後見、保佐、補助の違いを確認した
申立人・書類

提出前に整えるもの

  • 申立人になれる立場か確認した
  • 本人の住所地を管轄する家庭裁判所を確認した
  • 最新書式、戸籍、住民票、診断書、本人情報シートを準備した
  • 財産資料と収支資料を整理した
  • マイナンバー記載資料を提出しないよう確認した
候補者・費用

選任後まで見込む

  • 候補者が本人財産を適切に管理できるか確認した
  • 親族間の賛否や対立を整理した
  • 利益相反の可能性を確認した
  • 専門職後見人や監督人の選任可能性を理解した
  • 申立手数料、登記手数料、郵便料、鑑定費用を確認した
まとめ成年後見人の選任を家庭裁判所に申し立てる手順は、本人の判断能力、生活状況、財産内容、親族関係、必要な支援の範囲を整理し、本人のために法定後見が必要であることを説明する手続です。
Reference

この記事の参考情報源

公的機関・法令

  • 裁判所「後見開始」
  • 裁判所「保佐開始」
  • 裁判所「補助開始」
  • 裁判所「成年後見人、保佐人、補助人、未成年後見人の選任」
  • 裁判所「成年後見制度について」
  • 厚生労働省「法定後見制度とは」
  • 厚生労働省「法定後見制度における成年後見人等選任方法」
  • 法務省「成年後見登記制度」
  • e-Gov法令検索「民法」
  • e-Gov法令検索「家事事件手続法」
  • 最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況」
  • 法テラス「民事法律扶助業務」