2σ Guide

答弁書を提出する期限と
書き方の基本ルール

訴状が届いた被告が最初に確認すべき期限、認否、抗弁、証拠、出頭可否を、民事訴訟の一般的な流れに沿って整理します。

提出期限書類で確認
3種類認める・否認・知らない
60万円以下少額訴訟の対象
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答弁書を提出する期限と 書き方の基本ルール

訴状が届いた被告が最初に確認すべき期限、認否、抗弁、証拠、出頭可否を、民事訴訟の一般的な流れに沿って整理します。

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答弁書を提出する期限と 書き方の基本ルール
訴状が届いた被告が最初に確認すべき期限、認否、抗弁、証拠、出頭可否を、民事訴訟の一般的な流れに沿って整理します。
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  • 答弁書を提出する期限と 書き方の基本ルール
  • 訴状が届いた被告が最初に確認すべき期限、認否、抗弁、証拠、出頭可否を、民事訴訟の一般的な流れに沿って整理します。

POINT 1

  • 答弁書を提出する期限と書き方の基本ルールの全体像
  • 裁判所から届いた書類を起点に、期限、認否、証拠、出頭可否を同時に整理します。
  • 指定された提出期限を最優先する
  • 認否と抗弁を分けて書く
  • 間に合わない場合も連絡と提出を検討する

POINT 2

  • 答弁書とは何か ― 準備書面や証拠との違い
  • 最初の応答書面としての位置づけを理解すると、書くべき内容と添付すべき資料を分けやすくなります。
  • 民事訴訟は、原告が訴状を裁判所に提出して始まり、訴状には当事者、請求の趣旨、請求の原因が記載されます。
  • 訴状が被告に送達されると、裁判長が口頭弁論期日を指定し、被告は訴状に対する応答を準備します。
  • 表では、左から書面名、主な役割、答弁書作成時に読み取るべき注意点を確認します。

POINT 3

  • 答弁書の提出期限は呼出状・催告状で確認する
  • 1. 訴状と呼出状を確認:裁判所名、事件番号、第1回期日、答弁書提出期限、同封書式、証拠書類を確認します。
  • 2. 請求と事実を分解:請求の趣旨、請求原因、証拠、出頭可否を整理し、認める事実、否認する事実、知らない事実を分けます。
  • 3. 到着日を意識して提出:郵送なら配達日数を見込み、期限が迫る場合は持参、速達、レターパック、裁判所への事前連絡を検討します。
  • 4. 放置せず連絡と最小限の提出を検討:担当書記官へ連絡し、現時点で書ける範囲の答弁書を出し、詳細は追って準備書面で補う方法を確認します。

POINT 4

  • 答弁書を提出しない場合と欠席する場合のリスク
  • 1. 訴状と呼出状が届く:提出期限、期日、裁判所、請求内容を確認します。
  • 2. 期限までに答弁書を出せるか:出せない場合も、担当書記官へ連絡し、出せる範囲を確認します。
  • 3. 不利益が大きい:期日にも出ないと、相手方主張を争わない扱いになり得ます。
  • 4. 争点を伝えられる:第1回期日に欠席しても、一定の場合に書面内容を陳述したものと扱われます。

POINT 5

  • 答弁書の書き方 ― 認否・抗弁・証拠を分ける
  • 基本項目と認否の種類を押さえ、否認には理由を添えます。
  • 左から項目、内容、読み取るべき注意点を確認してください。
  • この区別が重要なのは、争う意思を明らかにしないと、その事実を認めたものとして扱われる可能性があるためです。
  • 否認には理由を書きます。

POINT 6

  • 答弁書で抗弁を書くときは事実と証拠を結びつける
  • 支払済み、時効、相殺、解除などは法的ラベルだけでなく具体的事実が必要です。
  • 抗弁とは、原告の請求原因事実を前提としても、別の事実によって請求が認められない、または制限されると主張することです。
  • たとえば、借りたこと自体は認めるが、その後に全額返済したと主張する場合は、弁済の抗弁になります。
  • なぜ重要かというと、時効、相殺、解除などは要件や意思表示の時期を誤ると、主張の効果が変わる可能性があるためです。

POINT 7

  • 答弁書に添付する証拠と送達場所の基本
  • 重要な書証の写し、証拠番号、証拠説明書、送達場所を整理します。
  • 民事訴訟規則は、答弁書に立証を要する事由について重要な書証の写しを添付することを求めています。
  • やむを得ず添付できない場合は、提出後速やかに提出する必要があります。
  • 重要なのは、証拠の量ではなく、主張を支える資料がどれかを選び、裁判所が意味を理解できる形で提出することです。

POINT 8

  • 提出部数・提出方法と2026年5月21日以降のデジタル化
  • 紙提出、相手方送付、オンライン提出の確認事項を分けます。
  • 紙で提出する場合、答弁書は裁判所用と相手方用の部数が必要になることがあります。
  • ただし、部数や直送方法は裁判所、事件類型、代理人の有無、電子提出の利用状況で変わります。
  • デジタル化の前後で実務が変わる可能性があるため、いつ事件が係属しているか、本人訴訟か代理人事件かを区別することが重要です。

まとめ

  • 答弁書を提出する期限と 書き方の基本ルール
  • 答弁書を提出する期限と書き方の基本ルールの全体像:裁判所から届いた書類を起点に、期限、認否、証拠、出頭可否を同時に整理します。
  • 答弁書とは何か ― 準備書面や証拠との違い:最初の応答書面としての位置づけを理解すると、書くべき内容と添付すべき資料を分けやすくなります。
  • 答弁書の提出期限は呼出状・催告状で確認する:「何日以内」と決めつけず、裁判所が指定した期限と提出方法を確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

答弁書を提出する期限と書き方の基本ルールの全体像

裁判所から届いた書類を起点に、期限、認否、証拠、出頭可否を同時に整理します。

民事訴訟で被告になった場合、最初に読むべきものは訴状、口頭弁論期日呼出状、答弁書催告状、答弁書用紙、証拠書類です。答弁書は、原告の請求を争うのか、どの事実を認め、どの事実を否認し、どの事実を知らないと述べるのかを、裁判所と相手方へ伝える最初の応答書面です。

答弁書対応では、期限確認、請求の趣旨への答弁、請求原因への認否、抗弁、証拠、出頭可否を一体で見ます。どれか一つだけを見ても判断を誤ることがあるため、以下の重要ポイントでは、最初に押さえる三つの軸と、それぞれから読み取るべき実務上の意味を整理しています。

期限

指定された提出期限を最優先する

全国一律の日数ではなく、裁判所から届いた呼出状・催告状に書かれた日付を基準にします。郵送では投函日ではなく到着日を意識します。

書き方

認否と抗弁を分けて書く

請求の趣旨への答弁、請求原因への認否、支払済み・時効・相殺・解除などの抗弁、証拠を分けると争点が伝わります。

放置回避

間に合わない場合も連絡と提出を検討する

答弁書を出さず第1回期日にも出ないと、原告の言い分どおりの判決につながることがあります。担当書記官や専門家への相談を早めます。

重要答弁書は「反論を書く紙」だけではなく、その後の争点整理、証拠提出、和解協議の出発点になります。個別の見通しや方針は、事件内容と証拠関係によって変わるため、必要に応じて弁護士等へ相談する必要があります。
Section 01

答弁書とは何か ― 準備書面や証拠との違い

最初の応答書面としての位置づけを理解すると、書くべき内容と添付すべき資料を分けやすくなります。

民事訴訟は、原告が訴状を裁判所に提出して始まり、訴状には当事者、請求の趣旨、請求の原因が記載されます。訴状が被告に送達されると、裁判長が口頭弁論期日を指定し、被告は訴状に対する応答を準備します。

答弁書は、被告が請求を争う意思を示し、どの事実が争点になるかを伝え、第1回口頭弁論期日に欠席する場合でも書面内容を陳述したものと扱ってもらう基礎となり、その後の争点整理や和解協議の入口になります。

次の比較表は、答弁書と似た名前の書面の役割を整理したものです。役割を分けて理解することが重要なのは、主張を書く場所、体験した事実を書く場所、証拠の意味を説明する場所を混同すると、裁判所に争点が伝わりにくくなるためです。表では、左から書面名、主な役割、答弁書作成時に読み取るべき注意点を確認します。

書面主な役割答弁書との関係
答弁書訴状に対する被告の最初の応答請求の趣旨への答弁、請求原因への認否、被告の主張、添付書類を記載します。
準備書面口頭弁論で述べる主張を事前に整理する書面答弁書も最初の準備書面として機能し、その後の反論は準備書面として提出されます。
陳述書本人や関係者が体験した事実を文章化した証拠資料主張そのものではなく、証拠の一種として扱われることが多い書面です。
証拠説明書証拠が何で何を証明するかを整理する書面「乙1の振込明細で弁済を示す」など、証拠の意味を一覧化します。

たとえば「支払った」という主張は答弁書に書きます。その支払いを示す領収書、振込明細、通帳写しは証拠として提出し、証拠が多い場合は証拠説明書で整理します。

Section 02

答弁書の提出期限は呼出状・催告状で確認する

「何日以内」と決めつけず、裁判所が指定した期限と提出方法を確認します。

答弁書の提出期限は、訴状と一緒に届く「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」などに記載されているのが通常です。民事訴訟法は、裁判長が答弁書や特定事項に関する準備書面の提出期間を定めることができるとしています。

次の時系列は、書類を受け取ってから期限までに確認する順番を示しています。順番が重要なのは、提出期限、期日、裁判所、提出方法を先に確定しないと、認否や証拠整理に使える時間を誤って見積もるためです。上から下へ、まず日付と提出先を固め、次に内容を整理する流れとして読み取ってください。

到着日

訴状と呼出状を確認

裁判所名、事件番号、第1回期日、答弁書提出期限、同封書式、証拠書類を確認します。

数日以内

請求と事実を分解

請求の趣旨、請求原因、証拠、出頭可否を整理し、認める事実、否認する事実、知らない事実を分けます。

期限前

到着日を意識して提出

郵送なら配達日数を見込み、期限が迫る場合は持参、速達、レターパック、裁判所への事前連絡を検討します。

間に合わない場合

放置せず連絡と最小限の提出を検討

担当書記官へ連絡し、現時点で書ける範囲の答弁書を出し、詳細は追って準備書面で補う方法を確認します。

期限までに完璧な答弁書を作れない場合でも、事件番号、裁判所名、当事者名、請求を争うかどうか、現時点での認否、詳細な主張と証拠を追って提出する旨、第1回期日に出頭できるかを記載した最小限の答弁書を検討します。民事訴訟規則も、やむを得ない事由により必要事項を記載できない場合には、提出後速やかに補充する準備書面を出すことを予定しています。

Section 03

答弁書を提出しない場合と欠席する場合のリスク

不提出・不出頭、擬制陳述、時機に後れた主張の扱いを分けて理解します。

最も危険なのは、訴状を受け取ったのに、答弁書を提出せず、第1回口頭弁論期日にも出頭しないことです。裁判所の案内では、この場合に原告の言い分どおりの判決が出ることがあると説明されています。

次の判断の流れは、第1回期日までの対応がどのようなリスクにつながるかを整理しています。なぜ重要かというと、答弁書の有無と出頭の有無で、裁判所に伝わる情報量が大きく変わるためです。上から順番に、提出と出頭の組み合わせごとに、何を避けるべきかを読み取ってください。

第1回期日前後の対応判断

訴状と呼出状が届く

提出期限、期日、裁判所、請求内容を確認します。

期限までに答弁書を出せるか

出せない場合も、担当書記官へ連絡し、出せる範囲を確認します。

出さない
不利益が大きい

期日にも出ないと、相手方主張を争わない扱いになり得ます。

出す
争点を伝えられる

第1回期日に欠席しても、一定の場合に書面内容を陳述したものと扱われます。

民事訴訟法には、最初にすべき口頭弁論期日に出頭しない場合でも、提出した答弁書等に記載した事項を陳述したものとみなす制度があります。ただし、これは「答弁書を出せば以後も裁判所に行かなくてよい」という意味ではありません。出頭できない場合は担当書記官に早めに連絡し、次回期日や和解協議の予定を確認します。

また、主張や証拠は訴訟の進行に応じて適切な時期に提出する必要があります。故意または重大な過失で時機に後れて提出し、それにより訴訟の完結を遅らせる場合、裁判所が却下できる制度があります。支払済み、契約解除、相殺、時効に関する事情など、最初から分かっている重要事項は早期に整理します。

Section 04

答弁書の書き方 ― 認否・抗弁・証拠を分ける

基本項目と認否の種類を押さえ、否認には理由を添えます。

答弁書は、裁判所の書式を使う場合も自分で作成する場合も、表題、宛先、事件番号、当事者表示、被告の住所・連絡先、送達場所、請求の趣旨への答弁、請求原因への認否、被告の主張・抗弁、証拠・添付書類という構造で整理します。

次の一覧は、答弁書に入れる基本項目と確認の意味を整理したものです。重要なのは、単に空欄を埋めることではなく、裁判所と相手方が事件を特定し、被告の立場と証拠の位置づけを理解できるようにすることです。左から項目、内容、読み取るべき注意点を確認してください。

項目内容注意点
表題・宛先答弁書、裁判所名、部・係呼出状に記載された裁判所を正確に転記します。
事件番号・事件名令和○年(ワ)第○号など書類管理の要です。記載ミスを避けます。
当事者表示原告、被告の氏名・名称法人では商号、代表者名、肩書に注意します。
被告の表示住所、氏名、電話、FAX等裁判所から連絡を受ける情報を正確に書きます。
送達場所裁判所書類を受け取る場所安全かつ確実に受け取れる場所を指定します。
請求の趣旨への答弁請求を争うか、一部認めるか和解希望と請求への答弁は区別します。
請求原因への認否認める、否認する、知らない訴状の項目番号ごとに整理します。
被告の主張・抗弁支払済み、時効、相殺、解除など法的評価が難しい部分は専門家相談が重要です。
証拠・添付書類契約書、領収書、振込明細など通常は写しを提出し、原本は保管します。

請求原因への認否は、認める、否認する、知らないの三種類を基本にします。この区別が重要なのは、争う意思を明らかにしないと、その事実を認めたものとして扱われる可能性があるためです。次の一覧では、それぞれの意味と書き方の例を確認します。

認否意味書き方の例
認めるその事実はそのとおりである「第1項は認める。」
否認するその事実は違う「第2項は否認する。被告は原告から100万円を借りていない。」
知らない自分では真偽を知らない「第3項は知らない。」

否認には理由を書きます。単に「否認する」とだけ書くより、「被告は同日に金銭を受領しておらず、預金口座の入金記録にも原告からの入金がない」など、なぜ違うのかを具体化すると、裁判所が争点を把握しやすくなります。

Section 05

答弁書で抗弁を書くときは事実と証拠を結びつける

支払済み、時効、相殺、解除などは法的ラベルだけでなく具体的事実が必要です。

抗弁とは、原告の請求原因事実を前提としても、別の事実によって請求が認められない、または制限されると主張することです。たとえば、借りたこと自体は認めるが、その後に全額返済したと主張する場合は、弁済の抗弁になります。

次の比較表は、代表的な抗弁と注意点を整理したものです。なぜ重要かというと、時効、相殺、解除などは要件や意思表示の時期を誤ると、主張の効果が変わる可能性があるためです。表では、抗弁の名前だけでなく、どの証拠や事実を確認すべきかを読み取ってください。

抗弁内容注意点
弁済すでに支払った領収書、振込明細、通帳写しが重要です。
相殺こちらも相手に債権を持ち対当額で消す相殺の意思表示、債権の内容、期限などを検討します。
消滅時効一定期間の経過により請求できない時効は援用が必要となるため、書き方に注意します。
解除契約を解除した解除原因、解除通知、通知到達の証拠が重要です。
無効・取消し契約の効力がない、または取り消した錯誤、詐欺、強迫、未成年など事案ごとの検討が必要です。
同時履行相手方が履行するまで自分も履行しない売買、請負、賃貸借などで問題になります。

抗弁は「時効です」「相殺します」「契約は無効です」という法的ラベルだけでは足りません。いつ、誰が、何をし、その結果どの法律効果が生じるのかを、証拠と対応させて書きます。たとえば弁済なら、支払日、支払額、支払方法、振込明細の証拠番号を結びつけます。

注意時効、相殺、解除、保証、賃貸借解除、労働関係、会社間契約などは法的評価が難しい領域です。個別の対応方針は、訴状、契約書、通知、支払記録などを整理したうえで弁護士等へ相談する必要があります。
Section 06

答弁書に添付する証拠と送達場所の基本

重要な書証の写し、証拠番号、証拠説明書、送達場所を整理します。

民事訴訟規則は、答弁書に立証を要する事由について重要な書証の写しを添付することを求めています。やむを得ず添付できない場合は、提出後速やかに提出する必要があります。

次の一覧は、事件類型ごとに典型的な証拠を整理したものです。重要なのは、証拠の量ではなく、主張を支える資料がどれかを選び、裁判所が意味を理解できる形で提出することです。左の事件類型と右の資料例を対応させ、手元にあるものと足りないものを読み取ってください。

事件類型証拠の例
貸金・売買代金契約書、借用書、請求書、領収書、振込明細、通帳写し、LINE・メールのやり取り
建物明渡・賃料賃貸借契約書、更新契約書、賃料支払記録、解除通知、配達記録、修繕写真
交通事故事故証明、診断書、修理見積書、写真、保険会社とのやり取り
請負・業務委託契約書、仕様書、納品書、検収記録、作業報告書、メール、成果物
労働関係雇用契約書、就業規則、給与明細、勤怠記録、退職通知、ハラスメント記録
相続・親族間紛争戸籍、遺言書、遺産目録、預金履歴、協議書、贈与関係資料

証拠は、一般的には原本ではなく写しを提出します。原本は紛失リスクがあり、後日の証拠調べで必要になることがあるためです。被告側の証拠には「乙1」「乙2」のように番号を付け、証拠説明書で作成日、作成者、立証趣旨を整理すると分かりやすくなります。

送達場所も軽視できません。裁判所からの書類を確実に受け取れる場所を指定しないと、現実に受け取れなくても受領したものとして扱われる可能性があります。住所変更、長期出張、入院、家族間紛争、法人の本店と実営業所の違いがある場合は特に注意します。

Section 07

提出部数・提出方法と2026年5月21日以降のデジタル化

紙提出、相手方送付、オンライン提出の確認事項を分けます。

紙で提出する場合、答弁書は裁判所用と相手方用の部数が必要になることがあります。裁判所の作成要領では、同じものを2通作成し、1通を正本として裁判所へ、もう1通を副本として相手方代理人へ直接送付する方法や、2通とも裁判所へ提出する方法が案内されています。ただし、部数や直送方法は裁判所、事件類型、代理人の有無、電子提出の利用状況で変わります。

次の比較表は、時期と利用者ごとの提出方法の確認事項を整理しています。デジタル化の前後で実務が変わる可能性があるため、いつ事件が係属しているか、本人訴訟か代理人事件かを区別することが重要です。表では、左の時期・利用者に応じて、右の確認事項を優先して読み取ってください。

時期・利用者確認事項
2026年5月20日以前紙提出、郵送、持参、既存mints利用の可否など、裁判所の案内を確認します。
2026年5月21日以降の本人訴訟オンライン提出が可能になる一方、アカウント登録や操作方法を確認します。
2026年5月21日以降の弁護士等代理人オンライン手続の義務化に対応し、mints利用を前提に提出方法を確認します。

提出方法が変わっても、答弁書に書くべき内容は変わりません。請求の趣旨への答弁、事実認否、抗弁、証拠整理という基本構造を保ったまま、裁判所が指定する提出方法に合わせます。

Section 08

少額訴訟・専門家相談・提出後の流れ

60万円以下の少額訴訟や、早めに相談すべき事件類型を確認します。

少額訴訟は、簡易裁判所において60万円以下の金銭支払請求を対象に、原則として1回の審理で紛争解決を図る手続です。第1回期日で終わる可能性があるため、答弁書と証拠を早い段階で出し切る意識が必要です。

次の重要ポイントは、相談を急ぐべき典型場面を整理したものです。なぜ重要かというと、請求額や事件類型によって、答弁書の一文がその後の訴訟戦略や強制執行リスクに影響するためです。各項目から、自分だけで判断せず資料を整理して相談すべき場面を読み取ってください。

請求額が大きい

敗訴時の影響が大きく、仮執行や強制執行のリスクもあります。

不動産明渡し

生活や事業拠点を失う可能性があり、期日対応と証拠整理が重要です。

保証人として訴えられた

主債務、保証契約、時効、保証意思確認などの論点があります。

時効・相殺・解除を主張したい

要件や意思表示を誤ると不利益になる可能性があります。

相手方に代理人がいる

法的主張と証拠整理の水準をそろえる必要があります。

少額訴訟で当日終結があり得る

短時間で主張と証拠を出し切る準備が必要です。

費用面が心配な場合は、法テラスの民事法律扶助制度を確認します。無料法律相談や、必要に応じた弁護士・司法書士費用等の立替えの対象となる場合があります。

答弁書を提出すると、一般的には第1回口頭弁論期日で訴状と答弁書が陳述され、裁判所が争点を確認し、原告が反論準備書面を提出し、被告が再反論を行い、必要に応じて証拠提出、証人尋問、本人尋問、和解協議を経て、和解成立または判決で終了します。答弁書は出して終わりではなく、訴訟の入口です。

Section 09

答弁書作成前のチェックリストとよくある誤解

提出前に期限、認否、証拠、送達場所、相談要否を確認します。

答弁書を作成する前には、日付、書類、事実、証拠、提出方法を一つずつ確認します。次の一覧は提出前に確認すべき項目です。重要なのは、形式面と内容面を同時に確認し、期限直前に証拠や送達場所で迷わないようにすることです。左の項目ごとに、右の確認内容を読み取ってください。

チェック項目確認内容
提出期限呼出状・催告状に記載された答弁書提出期限を確認したか。
第1回期日日時、場所、法廷、出頭可否を確認したか。
裁判所・事件番号地方裁判所か簡易裁判所か、部・係、事件番号を正確に転記したか。
請求額・請求の趣旨元本、利息、遅延損害金、訴訟費用と、原告が求める判決内容を確認したか。
請求原因事実ごとに認める、否認する、知らないを分けたか。
否認理由・抗弁否認理由、支払済み、時効、相殺、解除などを検討したか。
証拠・添付書類契約書、領収書、振込明細、メール等を集め、写しの部数や証拠番号を確認したか。
送達場所・提出方法確実に受け取れる場所、持参・郵送・電子提出・相手方送付を確認したか。
専門家相談相談が必要な論点や期限の切迫性を確認したか。

よくある誤解

  • 答弁書は感情的な不満を書く書面ではなく、法律上意味のある事実と証拠を整理する書面です。
  • 認めると不利になると考えて全部否認すると、信用性に影響する可能性があります。認めるべき事実と争うべき事実を分けます。
  • 民事訴訟では、原則として当事者が自分の主張を支える証拠を提出します。
  • 第1回期日の擬制陳述があるからといって、以後の出頭や対応を省略できるわけではありません。
  • 分割払いを希望する場合も、請求を争うのか、支払意思を示すのかを慎重に分けて書きます。

FAQ

答弁書の提出期限を過ぎたら必ず負けますか。

一般的には、提出期限を過ぎると裁判所や相手方の準備に影響し、不利益につながる可能性があります。ただし、事件の進行状況、遅れた理由、提出内容、期日との関係によって扱いは変わります。具体的な対応は、裁判所の担当書記官に連絡し、必要に応じて弁護士等へ相談する必要があります。

答弁書を出せば第1回期日に行かなくてもよいですか。

一般的には、第1回期日について擬制陳述の制度がありますが、出頭しなくてよいと決めつけるのは危険です。事件内容、裁判所の指示、和解協議の予定、本人確認の必要性によって対応は変わります。出頭できない場合は、担当書記官へ早めに相談する必要があります。

時効や相殺は答弁書に一言書けば足りますか。

一般的には、時効や相殺は法的効果を発生させる具体的な事実や意思表示の整理が必要とされています。ただし、契約内容、支払履歴、通知、権利行使の時期によって結論が変わる可能性があります。具体的には、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Reference

この記事の参考情報源

裁判所・公的機関の資料

  • 裁判所「簡易裁判所の民事事件Q&A」
  • 裁判所「民事訴訟で使う書式」
  • 広島地方裁判所「答弁書の作成要領等・送達場所等の届出について」
  • 裁判所「民事裁判手続のデジタル化の概要」
  • 裁判所「mintsの概要等」
  • 法テラス「民事法律扶助業務」

法令

  • 民事訴訟法
  • 民事訴訟規則