2σ Guide

故人が保有していた
不動産を調べる方法

相続で土地、建物、共有持分、私道、農地、山林、未登記建物を漏れなく把握するために、生活資料、名寄帳、所有不動産記録証明制度、登記、遺言、税務資料を順番に確認します。

3年相続登記の申請義務
10か月相続税申告の目安
2026.2.2所有不動産記録証明制度
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故人が保有していた 不動産を調べる方法

単独の資料ではなく、生活資料・自治体資料・登記・遺言・税務資料を組み合わせて確認します。

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故人が保有していた 不動産を調べる方法
単独の資料ではなく、生活資料・自治体資料・登記・遺言・税務資料を組み合わせて確認します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 故人が保有していた 不動産を調べる方法
  • 単独の資料ではなく、生活資料・自治体資料・登記・遺言・税務資料を組み合わせて確認します。

POINT 1

  • 故人が保有していた不動産を調べる方法の全体像
  • 1. 生活資料を保全:固定資産税通知書、権利証、登記識別情報、契約書、保険、郵便物、メール、通帳を探します。
  • 2. 相続関係資料を整える:戸籍、除籍、住民票除票、戸籍の附票、法定相続情報一覧図などを準備します。
  • 3. 自治体資料を確認:心当たりのある市区町村ごとに、名寄帳、固定資産課税台帳、評価証明書、課税明細を確認します。
  • 4. 全国的な手がかりを確認:所有不動産記録証明制度で、登記上の名義人情報から不動産の一覧把握を試みます。
  • 5. 登記を物件ごとに読む:地番、家屋番号、不動産番号から登記事項証明書や登記情報を取得します。
  • 6. 遺言・税務・特殊資産で補完:遺言、公正証書遺言 検索、農地台帳、森林届出、マンション資料などを確認します。
  • 7. 遺産目録へ整理:見つかった不動産を、分割、登記、税務、管理、売却、境界、賃貸、担保の観点で整理します。

POINT 2

  • 故人が保有していた不動産を調べる方法で最初に確認する用語と書類
  • 所有・登記名義・納税義務者・地番の違いを押さえると、資料の取り違えを防ぎやすくなります。
  • 不動産調査では、日常語の「持っていた」と、登記・税務・利用関係で使う言葉がずれることがあります。
  • 住所だけで登記情報を特定しようとすると、別の土地や建物を取り違えるおそれがあります。
  • 名寄帳、固定資産課税台帳、固定資産評価証明書は似ていますが、目的が違います。

POINT 3

  • 故人が保有していた不動産を調べる方法の第1段階 ―生活資料から痕跡を探す
  • 郵便物、契約書、通帳、メールから自治体名・地番・家屋番号・賃貸状況の手がかりを拾います。
  • 公的機関に行く前に、故人の生活圏に残る資料を探すと、その後の自治体調査や法務局調査が早くなります。
  • 近年は紙資料だけでなく、メール、スマートフォン、クラウド、金融アプリにも不動産の痕跡が残ります。

POINT 4

  • 故人が保有していた不動産を調べる方法の第2段階 ―名寄帳と固定資産課税台帳
  • 心当たりのある自治体ごとに一覧を取り、固定資産税通知書に出ない不動産を補います。
  • 名寄帳は、市区町村内で固定資産税の納税義務者として把握されている土地や家屋を横断的に確認する資料です。
  • 相続人が名寄帳を取るには、死亡事実と相続人資格を示す資料が求められます。
  • 名寄帳を取得した後は、一覧を眺めるだけでなく、登記や現地確認へつなぐ項目を抜き出します。

POINT 5

  • 所有不動産記録証明制度を使った故人が保有していた不動産の全国的な調べ方
  • 1. 一覧を表に転記:不動産番号、所在、地番、家屋番号を整理します。
  • 2. 登記を取得:各不動産の登記事項証明書を取得し、所有者、持分、担保、差押えを確認します。
  • 3. 自治体資料と突合:同じ自治体の名寄帳や固定資産評価証明書と照らし合わせます。
  • 4. 現地・図面を確認:公図、地積測量図、建物図面、現地写真、管理資料と照合します。
  • 5. 遺産目録へ反映:売却済み、境界未確定、建物滅失、担保付き、共有者多数などの事情も記録します。

POINT 6

  • 登記事項証明書で故人が保有していた不動産を物件ごとに確認する方法
  • 1. 課税明細を確認:固定資産税課税明細書、名寄帳、評価証明書を確認します。
  • 2. 権利資料を確認:登記済証、登記識別情報通知、売買契約書、重要事項説明書を見ます。
  • 3. 地番検索を利用:登記情報提供サービスの地番検索サービスや法務局の公図を使います。
  • 4. マンション資料を確認:管理組合資料、売買契約書、固定資産税資料から家屋番号を確認します。
  • 5. 不動産番号で請求:不動産番号が分かる場合は、不動産番号で登記情報を特定します。

POINT 7

  • 遺言と税務資料で故人が保有していた不動産を補完する方法
  • 遺言の有無、相続税評価、固定資産評価証明書、価格概念を分けて確認します。
  • 遺言の確認
  • 相続税申告と評価資料
  • 遺言には、不動産の一覧、取得者、遺言執行者、換価売却の方針、借地権や賃貸物件の扱いが書かれていることがあります。

POINT 8

  • 農地・山林・私道・未登記建物など故人が保有していた不動産の見落とし対策
  • 1. 売買資料を確認:売買契約書と重要事項説明書で私道負担や通路持分を探します。
  • 2. 課税明細を確認:小さな土地や地目が公衆用道路になっている土地を見ます。
  • 3. 共同担保目録を確認:住宅ローンの担保に入っている別筆の私道を探します。
  • 4. 公図で道路を確認:自宅敷地の前面道路や位置指定道路、共有道路を確認します。
  • 5. 名寄帳と制度で補完:名寄帳と所有不動産記録証明制度で共有持分を確認します。

まとめ

  • 故人が保有していた 不動産を調べる方法
  • 故人が保有していた不動産を調べる方法の全体像:単独の資料ではなく、生活資料・自治体資料・登記・遺言・税務資料を組み合わせて確認します。
  • 故人が保有していた不動産を調べる方法で最初に確認する用語と書類:所有・登記名義・納税義務者・地番の違いを押さえると、資料の取り違えを防ぎやすくなります。
  • 故人が保有していた不動産を調べる方法の第1段階 ― 生活資料から痕跡を探す:郵便物、契約書、通帳、メールから自治体名・地番・家屋番号・賃貸状況の手がかりを拾います。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

故人が保有していた不動産を調べる方法の全体像

単独の資料ではなく、生活資料・自治体資料・登記・遺言・税務資料を組み合わせて確認します。

故人が保有していた不動産を調べる方法は、登記簿を1通取得して終わる作業ではありません。所有権、共有持分、敷地権、農地、山林、私道持分、未登記家屋などを、相続登記、遺産分割、相続税申告、管理、売却、国庫帰属、紛争予防に使える資料として確認する作業です。

次の強調表示は、不動産調査で最初に意識する期限と制度を表します。期限に遅れると登記、税務、遺産分割の選択肢が狭まりやすいため、どの時点までに何を把握する必要があるかを読み取ることが重要です。

3年・10か月・2026年2月2日を軸に進める

相続登記の申請義務は3年、相続税申告は原則10か月が目安です。さらに2026年2月2日開始の所有不動産記録証明制度により、登記名義ベースの全国的な把握がしやすくなります。

次の順番は、生活資料から公的資料、登記、補完調査へ広げる全体の進め方を表します。1つの制度だけに頼ると共有持分や未登記建物を見落とすことがあるため、段階ごとに資料を突き合わせる点を読み取ってください。

不動産調査の基本順序

生活資料を保全

固定資産税通知書、権利証、登記識別情報、契約書、保険、郵便物、メール、通帳を探します。

相続関係資料を整える

戸籍、除籍、住民票除票、戸籍の附票、法定相続情報一覧図などを準備します。

自治体資料を確認

心当たりのある市区町村ごとに、名寄帳、固定資産課税台帳、評価証明書、課税明細を確認します。

全国的な手がかりを確認

所有不動産記録証明制度で、登記上の名義人情報から不動産の一覧把握を試みます。

登記を物件ごとに読む

地番、家屋番号、不動産番号から登記事項証明書や登記情報を取得します。

遺言・税務・特殊資産で補完

遺言、公正証書遺言検索、農地台帳、森林届出、マンション資料などを確認します。

遺産目録へ整理

見つかった不動産を、分割、登記、税務、管理、売却、境界、賃貸、担保の観点で整理します。

調査を急ぐ理由は、期限、協議、管理責任が同時に動くためです。下の一覧は主なリスクを並べたもので、どの問題が自分の相続で先に表面化しそうかを読み取ると、優先順位を付けやすくなります。

期限

相続登記の3年

相続または遺言で不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請義務があります。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になり得ます。

税務

相続税申告の10か月

相続税が発生する可能性がある場合、不動産の所在、評価額、貸付状況、小規模宅地等の特例を期限内に判断する必要があります。

協議

遺産分割のやり直し

漏れた土地、共有持分、私道、未登記家屋が後から見つかると、追加協議や税務修正、相続人間の不信につながることがあります。

管理

空き家・山林・農地

所有関係を把握しないまま放置すると、固定資産税、近隣対応、草木、倒壊、境界、賃料収受漏れの問題が残ります。

Section 01

故人が保有していた不動産を調べる方法で最初に確認する用語と書類

所有・登記名義・納税義務者・地番の違いを押さえると、資料の取り違えを防ぎやすくなります。

不動産調査では、日常語の「持っていた」と、登記・税務・利用関係で使う言葉がずれることがあります。次の比較表は権利関係と課税関係の違いを表し、誰の名義でどの資料に出るのかを読み取るために重要です。

用語実務上の意味注意点
所有所有権を有していること相続財産に入る中心概念
共有持分1つの不動産を複数人で所有している割合的権利固定資産税通知書に出にくいことがあります
登記名義人登記記録上、所有者として記録されている人実体の所有者とずれていることがあります
納税義務者固定資産税の課税上、納税通知を受ける人共有代表者だけに通知されることがあります
占有・使用実際に使っている状態所有とは限りません
借地権・賃借権他人の土地や建物を借りる権利所有不動産調査とは別に財産価値が問題になることがあります

住所だけで登記情報を特定しようとすると、別の土地や建物を取り違えるおそれがあります。次の表は住所、地番、家屋番号、不動産番号の役割を表し、どの番号をどの場面で使うかを読み取るためのものです。

用語説明使う場面
住所・住居表示郵便、住民票、生活上の所在地表示自宅を探す入口
地番登記上、土地を特定する番号土地の登記情報取得
家屋番号登記上、建物を特定する番号建物や区分建物の登記情報取得
不動産番号不動産を識別するための番号登記情報請求時の特定に有用

登記記録は、土地1筆または建物1個ごとに作られ、表題部、権利部甲区、権利部乙区に分かれます。表題部では所在や地目、甲区では所有権、乙区では抵当権などを確認し、登記情報提供サービスで見た情報と提出用の登記事項証明書を使い分けます。

名寄帳、固定資産課税台帳、固定資産評価証明書は似ていますが、目的が違います。次の比較表は発見に強い資料と評価額の証明に強い資料を分けて示し、調査段階でどの資料を請求すべきかを読み取るために重要です。

資料主な役割注意点
名寄帳納税義務者ごとに土地や家屋を一覧化する資料自治体により名称、形式、閲覧方法が異なります
固定資産課税台帳固定資産の状況や価格を登録した台帳相続人が閲覧できる範囲は自治体の運用を確認します
固定資産評価証明書固定資産税評価額を証明する書類相続登記、遺産分割、相続税評価、登録免許税計算で使います

窓口で相続人資格を示せないと、名寄帳や証明書の取得が止まりやすくなります。次の一覧は最低限そろえる書類と目的を表し、どの手続にも共通する基礎資料を読み取るためのものです。

書類目的主な取得先
被相続人の死亡記載のある戸籍または除籍死亡事実の証明市区町村
被相続人の出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍相続人の範囲確認市区町村
相続人の現在戸籍申請者が相続人であることの証明市区町村
住民票除票または戸籍の附票登記上の住所との同一性確認市区町村・本籍地自治体
本人確認書類窓口本人確認申請者本人
委任状専門家や親族が代理する場合相続人が作成
法定相続情報一覧図の写し戸籍束の代替資料として使える場面があります法務局
書類準備2024年3月1日から戸籍証明書等の広域交付が始まり、本籍地以外の窓口で取得できる場面があります。ただし対象外の戸籍や請求方法の制限があるため、古い戸籍が多い相続では早めに着手します。
法定相続情報法定相続情報証明制度を使うと、戸籍一式を何度も提出する負担を減らせることがあります。ただし、住民票除票、戸籍の附票、遺産分割協議書、印鑑証明書、委任状が別途必要になる場合があります。
Section 02

故人が保有していた不動産を調べる方法の第1段階 ― 生活資料から痕跡を探す

郵便物、契約書、通帳、メールから自治体名・地番・家屋番号・賃貸状況の手がかりを拾います。

公的機関に行く前に、故人の生活圏に残る資料を探すと、その後の自治体調査や法務局調査が早くなります。次の表は紙資料から分かる可能性がある情報を表し、所在地、地番、家屋番号、評価額、共有持分、ローン、賃貸状況の手がかりを読み取るために重要です。

資料分かる可能性がある情報
固定資産税・都市計画税の納税通知書市区町村、所在地、地番、家屋番号、評価額、課税標準額
課税明細書土地、家屋の明細、持分、非住宅用地、住宅用地区分
名寄帳の写し同一市区町村内の所有不動産一覧
登記識別情報通知不動産番号、登記名義人、受付番号
登記済証・権利証所在、地番、家屋番号、取得原因
登記事項証明書所有者、共有持分、抵当権、地目、地積
売買契約書・重要事項説明書物件所在地、地番、私道負担、敷地権、境界、権利関係
建築確認済証・検査済証建物所在地、建築主、構造、面積
住宅ローン契約書担保物件、抵当権設定、不動産の範囲
火災保険・地震保険証券建物所在地、契約者、被保険者、対象建物
賃貸借契約書貸している土地や建物、賃借人、賃料
管理組合資料マンションの専有部分、敷地権、管理費、修繕積立金
農協・森林組合・土地改良区の書類農地、山林、水利、賦課金
墓地・境内地・納骨堂関連書類所有権ではなく使用権の場合が多い
通知書の限界固定資産税通知書は入口として有効ですが、共有持分、免税点未満、非課税、課税保留、別住所送付、共有代表者宛て、自治体外の不動産は漏れることがあります。

近年は紙資料だけでなく、メール、スマートフォン、クラウド、金融アプリにも不動産の痕跡が残ります。次の一覧はデジタル情報の確認対象を表し、税金の引落し、賃料、管理費、ローン返済などから物件の存在を読み取るために重要です。

対象確認する内容
メール不動産会社、管理会社、司法書士、税理士、金融機関、保険会社とのやり取り
スマートフォンの写真登記識別情報、契約書、現地写真、境界標、固定資産税通知書の写真
クラウドストレージPDF契約書、確定申告資料、収支内訳書
金融アプリ・通帳固定資産税、管理費、修繕積立金、賃料、地代、ローン返済
家計簿アプリ固定資産税、火災保険料、管理会社名
確定申告データ不動産所得、減価償却、固定資産税、借入金利子
デジタル情報故人の端末やクラウドの確認には、プライバシー、利用規約、相続人間の合意、業務用データ、第三者情報の問題があります。争いがある場合は、操作前に弁護士等へ相談する必要があります。
Section 03

故人が保有していた不動産を調べる方法の第2段階 ― 名寄帳と固定資産課税台帳

心当たりのある自治体ごとに一覧を取り、固定資産税通知書に出ない不動産を補います。

名寄帳は、市区町村内で固定資産税の納税義務者として把握されている土地や家屋を横断的に確認する資料です。次の一覧は自治体ごとの呼び名の違いを表し、窓口で評価証明書だけに誘導されず、一覧確認に必要な資料を読み取るために重要です。

表記例実質的な意味
名寄帳所有者ごとの固定資産一覧
土地家屋名寄帳土地と家屋を納税義務者ごとに整理したもの
固定資産課税台帳の閲覧固定資産課税台帳の該当部分の閲覧
課税台帳記載事項証明台帳記載事項の証明
固定資産評価証明書評価額の証明
公課証明書税額などの証明

相続人が名寄帳を取るには、死亡事実と相続人資格を示す資料が求められます。次の表は一般的な必要書類と目的を表し、自治体へ問い合わせる前に何をそろえるべきかを読み取るためのものです。

必要書類目的
申請書自治体所定様式
申請者の本人確認書類なりすまし防止
被相続人の死亡が分かる戸籍、除籍、住民票除票死亡事実の確認
申請者が相続人であることが分かる戸籍相続人資格の確認
法定相続情報一覧図戸籍の代替資料として使える場合があります
委任状代理人が申請する場合
代理人の本人確認書類代理申請の確認

名寄帳を取得した後は、一覧を眺めるだけでなく、登記や現地確認へつなぐ項目を抜き出します。次の表は確認すべき項目を表し、地番、家屋番号、持分、非課税、共有代表者など、見落としやすい情報を読み取るために重要です。

項目確認の意味
所在市区町村、町名、大字、小字
地番登記情報取得に必要
家屋番号建物登記情報取得に必要
地目宅地、田、畑、山林、雑種地など
地積・床面積評価、現地確認、登記との照合
評価額相続登記の登録免許税、相続税評価の入口
課税標準額税額計算上の基礎
持分共有持分の確認
非課税・免税点通知書漏れの原因になる
共有者・共有代表者通知先と所有者のずれを確認
家屋の建築年・構造未登記、老朽化、評価の確認

名寄帳は強力ですが、自治体単位かつ課税情報に依存する資料です。次の表は名寄帳の限界と補完方法を表し、どの情報を登記、現地、契約書、所有不動産記録証明制度で裏取りすべきかを読み取るために重要です。

限界具体例補完方法
市区町村単位別の自治体の不動産は出ません住所歴、本籍地、所有不動産記録証明制度で補完
課税情報に依存非課税、免税点未満、課税漏れがあり得ます登記、現地、契約書で補完
共有分が見落とされることがある共有代表者に通知が行く場合があります共有関係を登記で確認
登記名義と課税名義がずれる未登記家屋、相続未登記、住所変更未登記登記事項証明書と照合
取得できる人が限られる相続人確認が必要戸籍、法定相続情報一覧図を整備
自治体により運用が違う郵送可否、手数料、様式事前に窓口へ確認
窓口での伝え方被相続人名義の固定資産について、名寄帳または固定資産課税台帳の閲覧、可能なら非課税分や共有分も含めて確認したい、と具体的に伝えると目的が伝わりやすくなります。
Section 04

所有不動産記録証明制度を使った故人が保有していた不動産の全国的な調べ方

2026年2月2日開始の制度を、名寄帳や登記の補完として使います。

所有不動産記録証明制度は、特定の人や法人が所有する不動産について、登記情報をシステムで検索し、一覧化した証明書として交付する制度です。2026年2月2日開始の制度で、故人がどこに不動産を持っていたか分からない相続では重要な入口になります。

次の表は、この証明書から把握できる主な情報と使い道を表します。証明書だけで結論を出すのではなく、地番、家屋番号、不動産番号を使って登記事項証明書や自治体資料へ進むことを読み取るために重要です。

情報使い道
不動産の所在自治体、法務局、現地確認の特定
地番・家屋番号登記事項証明書の取得
地目・種類土地や建物の性質の確認
地積・床面積評価、測量、現況確認
不動産番号登記情報の特定
所有者情報に基づく検索結果相続財産の棚卸し

制度が特に役立つ場面は、固定資産税通知書や親族の記憶だけでは範囲を絞れない相続です。次の表は有効な場面を表し、どの事情があれば全国的な登記名義ベースの調査を検討すべきかを読み取るためのものです。

状況有効な理由
故人が転居を繰り返していた過去住所地に不動産が残っている可能性があります
親族の出身地が複数ある先祖代々の土地、山林、農地がある可能性があります
固定資産税通知書が見つからない登記名義から探せる可能性があります
相続人どうしで情報格差がある客観資料として使いやすい
相続登記漏れを避けたい3年以内の登記義務対応に役立ちます
遠方不動産や私道持分が心配全国的な棚卸しの入口になります

制度の検索結果は登記情報を基礎にするため、未登記建物や名義のずれには限界があります。次の表は注意点を表し、どの不動産が別ルートでの確認を要するかを読み取るために重要です。

注意点説明
登記されていない建物未登記家屋は登記情報から拾えない可能性があります
名義が古いまま先代名義、旧住所、旧姓、表記揺れがあると検索条件に注意が必要です
法人名義・不動産管理会社名義故人個人名では出ない場合があります
信託・不動産小口化商品所有形態により通常の所有不動産とは調査方法が異なります
借地権・賃借権所有権ではなく利用権である場合、別途契約調査が必要です
墓地使用権所有権ではなく使用権のことが多い
共有持分出る可能性はありますが、持分内容は登記事項証明書で確認します

証明書を取得した後の処理は、一覧を実務資料へ変える作業です。次の順番は照合の進め方を表し、一覧から遺産目録へ落とし込むまでに何を確認するかを読み取るために重要です。

所有不動産記録証明書の取得後に行う照合

一覧を表に転記

不動産番号、所在、地番、家屋番号を整理します。

登記を取得

各不動産の登記事項証明書を取得し、所有者、持分、担保、差押えを確認します。

自治体資料と突合

同じ自治体の名寄帳や固定資産評価証明書と照らし合わせます。

現地・図面を確認

公図、地積測量図、建物図面、現地写真、管理資料と照合します。

遺産目録へ反映

売却済み、境界未確定、建物滅失、担保付き、共有者多数などの事情も記録します。

Section 05

登記事項証明書で故人が保有していた不動産を物件ごとに確認する方法

地番・家屋番号を特定し、表題部、甲区、乙区、共同担保目録まで読みます。

登記事項証明書は、見つかった不動産について権利関係を物件ごとに確認する資料です。次の表は確認項目と実務上の意味を表し、所有者、持分、担保、差押え、共同担保目録から何を読み取るべきかを整理するために重要です。

確認項目実務上の意味
所在・地番・家屋番号不動産の特定
地目・地積・種類・構造・床面積評価、現況確認、利用状況の把握
所有者・共有者・持分相続財産の範囲確認
取得原因売買、相続、贈与、財産分与など
受付年月日権利変動の時期確認
抵当権・根抵当権債務、担保、金融機関確認
差押え・仮差押え・仮処分紛争、滞納、処分制限の確認
地上権・地役権・賃借権利用制限、収益性、売却可能性の確認
共同担保目録他の担保物件の発見

住所しか分からない場合は、登記上の地番や家屋番号へ変換する必要があります。次の順番は地番・家屋番号を特定する方法を表し、どの資料から着手すればよいかを読み取るためのものです。

住所から地番・家屋番号を特定する順番

課税明細を確認

固定資産税課税明細書、名寄帳、評価証明書を確認します。

権利資料を確認

登記済証、登記識別情報通知、売買契約書、重要事項説明書を見ます。

地番検索を利用

登記情報提供サービスの地番検索サービスや法務局の公図を使います。

マンション資料を確認

管理組合資料、売買契約書、固定資産税資料から家屋番号を確認します。

不動産番号で請求

不動産番号が分かる場合は、不動産番号で登記情報を特定します。

登記情報提供サービスと登記事項証明書は使い道が違います。次の比較表は速報的な調査と提出資料の違いを表し、どの場面で証明文付きの書類が必要かを読み取るために重要です。

区分登記情報提供サービス登記事項証明書
取得方法インターネット閲覧法務局窓口、郵送、オンライン請求
証明文なし登記官の証明文あり
使い道調査、確認、初期把握登記申請、裁判、金融機関、提出資料
速報性高い交付手続が必要
費用情報種別により異なります法務局の手数料

登記簿は、表題部、権利部甲区、権利部乙区、共同担保目録を順番に読むと見落としを減らせます。次の一覧は各部分の確認内容を表し、故人名義がない場合や担保が残っている場合の検討点を読み取るために重要です。

部分確認する内容
表題部土地の所在、地番、地目、地積、建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積、区分建物の敷地権
権利部甲区所有権、故人の氏名・住所・持分・取得原因・受付日、売却済みや相続未了の可能性
権利部乙区抵当権、根抵当権、地上権、地役権、賃借権、抹消未了の担保
共同担保目録同じ担保に入っている私道持分、別宅地、遠方の不動産

古い不動産、分筆、合筆、地番変更、区画整理、建物滅失、相続未登記が絡む場合、現在事項だけでは不足します。次の表は補助資料と使う場面を表し、過去の権利変動や境界、図面をどこまで確認するかを読み取るために重要です。

資料使う場面
履歴事項証明書過去の権利変動を確認する
閉鎖事項証明書閉鎖された登記記録を確認する
公図・地図土地の位置関係を確認する
地積測量図分筆、地積、境界点を確認する
建物図面・各階平面図建物の位置、形状を確認する
旧土地台帳古い所有関係や地租改正以来の履歴を調べる補助資料
専門家の関与境界や面積が争点になる場合は土地家屋調査士、不動産価格が争点になる場合は不動産鑑定士の関与を検討します。
Section 06

遺言と税務資料で故人が保有していた不動産を補完する方法

遺言の有無、相続税評価、固定資産評価証明書、価格概念を分けて確認します。

遺言の確認

遺言には、不動産の一覧、取得者、遺言執行者、換価売却の方針、借地権や賃貸物件の扱いが書かれていることがあります。公正証書遺言は平成元年以降の検索制度を使える場合があり、法務局保管の自筆証書遺言は相続開始後に証明書請求や閲覧手続を確認します。

自宅で遺言が見つかった場合自宅、金庫、貸金庫などで自筆証書遺言が見つかった場合、家庭裁判所の検認が必要になることがあります。法務局保管制度の遺言書情報証明書は検認不要とされていますが、遺言の有効無効を判断する手続とは別に整理します。

相続税申告と評価資料

相続税が発生する可能性がある場合、不動産調査は10か月の申告期限に直結します。次の表は税務上の確認項目を表し、評価単位、貸付状況、小規模宅地等の特例、債務控除に関わる情報を読み取るために重要です。

項目税務上の意味
土地の所在・地目・地積評価単位、路線価、倍率、地目判定
建物の固定資産税評価額家屋評価の基礎
貸付状況貸家建付地、貸家、借地権割合
居住状況小規模宅地等の特例の検討
事業利用特定事業用宅地等の検討
共有持分申告対象持分の確認
私道評価減、非課税、公共性の検討
農地・山林評価方式、納税猶予、届出の検討
借入金・抵当権債務控除、金融機関照会

固定資産評価証明書は、評価額を証明する資料として相続登記、遺産分割、相続税申告で使います。次の表は取得時の注意点を表し、年度、土地と家屋、共有持分、非課税、東京23区などの管轄差を読み取るために重要です。

注意点理由
年度を確認する登記、税務、遺産分割で必要年度が異なることがあります
土地と家屋を分けて確認する建物が未登記でも課税されていることがあります
共有持分を確認する持分に応じて相続財産額が変わります
非課税・免税点を確認する通知書や評価証明の出方に差があります
東京23区など例外的な管轄を確認する市区町村ではなく都税事務所が窓口になることがあります

不動産の価格は目的によって使う金額が異なります。次の比較表は評価額と時価の違いを表し、税務、遺産分割、売却、紛争のどの場面でどの価格を見るべきかを読み取るために重要です。

価格概念主な用途
固定資産税評価額固定資産税、登録免許税の基礎
相続税評価額相続税申告
実勢価格市場で売れる価格の目安
鑑定評価額紛争、裁判、遺産分割、適正価格の専門評価
仲介査定額売却活動の参考
価格が争点になる場合相続人間で価格の見方が争点になる場合、税理士の相続税評価だけでは解決しないことがあります。不動産鑑定士の鑑定評価や複数社査定が必要になる場合があります。
Section 07

農地・山林・私道・未登記建物など故人が保有していた不動産の見落とし対策

課税資料、登記、届出、現地、契約書を組み合わせて特殊な不動産を確認します。

特殊な不動産は、固定資産税通知書や登記簿だけでは実態が分かりにくいことがあります。次の一覧は農地、山林、私道、未登記建物、マンション、借地・賃貸の確認先を表し、どの窓口や資料で補うかを読み取るために重要です。

対象確認する資料・窓口注意点
農地登記事項証明書、固定資産税資料、農地台帳、農業委員会相続届出、転用制限、耕作者、賃貸借を確認します
山林登記簿、市町村の森林担当部署、森林簿、森林計画図、林地台帳、森林組合所有者となった日から90日以内の届出が必要になることがあります
私道持分売買契約書、重要事項説明書、課税明細、共同担保目録、公図、名寄帳接道、売却、建替え、融資で問題になりやすい部分です
未登記建物名寄帳、固定資産課税台帳、家屋評価証明、現地、火災保険、建築資料登記簿に出ず、表題登記、保存登記、滅失登記が必要になることがあります
マンションの敷地権区分建物登記、固定資産税通知書、管理組合資料、駐車場資料専有部分だけでなく敷地権割合、管理費、駐車場の権利を確認します
借地権・底地・賃貸物件賃貸借契約、地代、管理会社資料、建物登記、賃料資料所有権と利用権、収益、承諾、評価を分けて確認します

農地は、登記地目だけでなく現況地目や農業委員会の情報が重要です。次の表は農地調査の確認項目と確認先を表し、登記、固定資産税、届出、現地管理を分けて読み取るためのものです。

項目確認先
登記地目登記事項証明書
現況地目現地、固定資産税資料、農業委員会
農地台帳農業委員会
賃貸借・使用貸借契約書、農業委員会、相手方
耕作者現地、農業委員会、近隣
相続届出農業委員会
転用制限農業委員会、都道府県

私道持分は小さな土地として埋もれやすく、売却や建替えの段階で初めて問題になることがあります。次の順番は私道持分の調べ方を表し、課税明細、共同担保目録、公図、名寄帳をどのように突き合わせるかを読み取るために重要です。

私道持分を見落とさない確認順序

売買資料を確認

売買契約書と重要事項説明書で私道負担や通路持分を探します。

課税明細を確認

小さな土地や地目が公衆用道路になっている土地を見ます。

共同担保目録を確認

住宅ローンの担保に入っている別筆の私道を探します。

公図で道路を確認

自宅敷地の前面道路や位置指定道路、共有道路を確認します。

名寄帳と制度で補完

名寄帳と所有不動産記録証明制度で共有持分を確認します。

貸している、借りている、賃貸している不動産は、登記だけでは契約関係が分かりません。次の表は立場ごとの必要確認を表し、地代、賃料、更新、管理費、譲渡承諾などを読み取るために重要です。

状況必要な確認
故人が地主賃貸借契約、地代、借地人、更新、底地評価
故人が借地人借地契約、建物登記、地主、地代、譲渡承諾
故人が貸家所有者賃貸借契約、賃料、敷金、管理会社、修繕
故人が区分マンション賃貸人管理費、修繕積立金、賃貸管理契約
Section 08

故人が保有していた不動産を遺産目録に整理し、情報開示トラブルに備える方法

見つけた不動産を、協議・登記・税務・調停で使える資料へ整えます。

見つかった不動産は、相続人間協議、相続登記、相続税申告、売却、調停で使える遺産目録に整理します。次の表は基本項目を表し、登記情報、評価額、利用状況、担保、必要対応を1つの資料にまとめるために重要です。

項目記載例
種別土地、建物、区分建物、共有持分、借地権
所在東京都〇〇区〇〇一丁目
地番・家屋番号12番3、12番3の2
地目・種類宅地、居宅、山林、畑
地積・床面積120.00平方メートル
持分2分の1、100分の3
登記名義人被相続人、先代名義、共有者
固定資産税評価額令和〇年度評価額
相続税評価額路線価方式、倍率方式、税理士算定
利用状況自宅、空き家、賃貸、農地、山林
担保抵当権あり、なし
管理者相続人A、管理会社、賃借人
必要対応相続登記、売却、測量、評価、調停

物件ごとの証拠ファイルを作ると、協議や調停の効率が大きく改善します。次の一覧は1物件ごとにまとめる資料を表し、どの証拠を物件別にそろえるべきかを読み取るために重要です。

登記

登記事項証明書・公図・図面

登記事項証明書、公図、地積測量図、建物図面を物件ごとに保存します。

税務

評価証明・課税資料

固定資産評価証明書、名寄帳の該当ページ、課税明細書、評価計算メモをまとめます。

現況

現地写真・管理資料

現地写真、賃貸借契約書、管理契約書、管理会社資料を整理します。

債務

ローン・抵当権資料

ローン、抵当権、金融機関資料、借入金に関する資料を確認します。

情報を出してもらえない場合

他の相続人が固定資産税通知書や権利証を開示しない場合でも、公的資料で取得できる範囲があります。名寄帳、固定資産課税台帳、評価証明書、登記事項証明書、所有不動産記録証明書、法定相続情報一覧図などを確認します。

次の表は、弁護士等への相談が必要になりやすい事情を表します。任意の情報収集で足りる場面と、証拠化、調停、仮処分など法的手続への接続が必要な場面を読み取るために重要です。

事情理由
相続人の一部が資料を隠している疑い任意開示交渉、証拠保全、調停対応が必要になることがあります
不動産の賃料を一人が受け取っている不当利得、使途不明金、管理費清算が問題になることがあります
遺言の有効性に疑いがある遺言無効、遺留分、遺言執行が問題になることがあります
不動産を無断売却・無断処分した疑い仮処分、損害賠償、登記抹消が問題になることがあります
共有者が多数で協議不能遺産分割調停、共有物分割、所在不明者対応が必要になることがあります
相続人に未成年者や後見利用者がいる特別代理人、利益相反、家庭裁判所手続が必要になることがあります
調停への備え遺産分割調停では、不動産の有無、評価額、取得者、代償金、換価売却、共有回避、使用利益、管理費負担が争点になります。不動産の所在や評価が不明なままだと、追加資料提出で時間がかかります。
Section 09

故人が保有していた不動産を調べる方法で専門職に相談する目安

不動産調査は、紛争・登記・税務・境界・価格・売却で相談先が変わります。

不動産調査は、争い、登記、税務、境界、価格、売却、遺言のどこが問題かによって相談先が変わります。次の一覧は専門職ごとの役割を表し、どの課題を誰に相談するかを読み取るために重要です。

弁護士

相続人間の争い、遺留分、使い込み、不動産の隠匿、交渉、調停、審判、訴訟、仮処分、遺言無効、共有物分割を扱います。

紛争 調停

司法書士

相続登記、名義変更、戸籍収集、法定相続情報一覧図、登記用書類、相続人申告登記で中心的役割を担います。

登記 名義変更

税理士

相続税申告、相続税評価、路線価、倍率方式、小規模宅地等の特例、農地、山林、債務控除を扱います。

税務 10か月

行政書士

紛争、税務、登記申請を除く範囲で、遺産分割協議書、相続関係説明図、届出支援に関わります。

書類

公証人・遺言執行者

公正証書遺言の検索、謄本取得、遺言内容の確認、遺言内容の実現に関わります。

遺言

不動産鑑定士

収益物件、借地権、底地、山林、共有持分、再建築不可、賃貸中物件などの適正価格を評価します。

価格
調

土地家屋調査士

境界確認、分筆、合筆、地積更正、建物表題登記、滅失登記を扱います。

境界 表題登記

宅地建物取引士・不動産会社

査定、媒介契約、重要事項説明、売買契約、引渡し、残置物、空き家特例などに関わります。

売却

家庭裁判所関係者

調停や審判で、裁判官、家事調停官、調停委員、書記官、調査官、鑑定人、専門委員が関与することがあります。

調停

その他の専門職

公認会計士、中小企業診断士、銀行、保険会社などが、会社所有不動産、事業承継、保険、年金と絡む場面で関わります。

連携

相談時に資料が整理されていると、初回相談で判断できる範囲が広がります。次の表は専門職ごとの持参資料を表し、相談前に何をそろえるとよいかを読み取るために重要です。

専門職持参するとよい資料
弁護士相続関係図、遺産目録、争点メモ、通帳、賃料資料、相手方との連絡記録
司法書士戸籍、法定相続情報一覧図、登記事項証明書、名寄帳、評価証明書、遺産分割協議書案
税理士固定資産評価証明書、路線価資料、賃貸契約、確定申告書、預金残高、債務資料
不動産鑑定士登記、公図、測量図、賃貸資料、現地写真、収支資料
土地家屋調査士公図、地積測量図、境界資料、現地写真、隣地情報
不動産会社登記、評価証明書、建物資料、管理資料、境界資料、残置物状況
Section 10

故人が保有していた不動産を調べる方法の見落とし・期限・国庫帰属

共有持分、先代名義、未登記建物、相続登記義務化、国庫帰属制度まで確認します。

実務で多い見落としは、どれも「通知書にない」「登記名義が違う」「権利の形が所有権ではない」という形で現れます。次の一覧は典型的な見落としを表し、どの資料で補完すべきかを読み取るために重要です。

共有持分だけ持っていた

数十分の1、数百分の1の共有持分が、私道、山林、農地、親族共有地に残ることがあります。登記、名寄帳、共同担保目録で確認します。

先代名義のままだった

祖父や曾祖父名義の土地は、数次相続による共有状態の可能性があります。相続関係図、相続分、相続人の所在を整理します。

未登記建物があった

古い納屋、離れ、倉庫、増築部分、農業用建物は、固定資産税では課税されていても登記簿に出ないことがあります。

通知書が1つの住所にしか来ない

複数自治体の不動産、共有代表者宛て、旧住所送付、管理会社宛て、電子化で手元に残らないことがあります。

住居表示だけで調査した

住所で検索しても登記情報は特定できないことがあります。地番、家屋番号、不動産番号を整理します。

土地だけ調べて建物を漏らした

土地と建物は別の不動産です。土地だけ故人名義、建物だけ配偶者名義、またはその逆もあります。

マンションの敷地権と駐車場を漏らした

専有部分だけでなく敷地権割合、駐車場の専用使用権、別区画所有権、共有持分、賃借権を確認します。

法人名義を個人財産と誤解した

会社名義の不動産は原則として会社の財産です。故人の株式、役員貸付金、会社への債権債務を別に確認します。

信託や不動産小口化商品を混同した

信託受益権、投資口、匿名組合出資、共有持分商品は、土地そのものの所有権と調査方法が異なります。

相続登記義務化との関係

相続登記の義務は、相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から進行します。全財産調査が完璧に終わるまで何もしなくてよいわけではなく、遺産分割がまとまらない場合でも相続人申告登記などの制度を検討する必要があります。

施行日前の相続2024年4月1日前に発生した相続でも、相続登記未了の不動産は義務化の対象です。原則として2027年3月31日までに相続登記をする必要があると案内されています。

相続土地国庫帰属制度との関係

相続で取得した不要な土地は、一定の要件を満たす場合に相続土地国庫帰属制度を検討することがあります。ただし、建物、担保、通路、崖、管理困難性、土壌汚染、権利関係、境界などにより却下や不承認となる要件があります。まず土地を発見し、登記、現地、境界、利用状況を確認したうえで、売却、寄附、隣地売却、管理委託、国庫帰属の可否を比較します。

調査は死亡直後から10か月まで段階的に進みます。次の時系列は時期ごとの主な作業を表し、登記、税務、遺言、評価、境界の準備をいつ始めるかを読み取るために重要です。

1週間から2週間

資料保全と戸籍着手

自宅資料、郵便物、戸籍収集、遺言の有無、通帳や金融アプリを確認します。

1か月以内

名寄帳と登記の入口

法定相続情報一覧図、名寄帳、固定資産評価証明書、登記事項証明書、遺言検索を進めます。

2か月から3か月

全国的な棚卸しと専門相談

所有不動産記録証明制度、遺産目録、税理士、司法書士、不動産会社、土地家屋調査士への相談を進めます。

6か月から10か月

申告と分割の判断

相続税申告が必要な場合は10か月の期限を意識し、未分割申告、更正、特例適用、調停を検討します。

Section 11

問い合わせ文例とチェックリストで故人が保有していた不動産を調べる方法を実行する

窓口への聞き方と、発見・登記・税務・紛争予防の確認事項を整理します。

問い合わせ文例

窓口へ問い合わせるときは、何を漏れなく確認したいのかを具体的に伝える必要があります。次の文例は問い合わせ先ごとの要点を表し、必要書類や確認範囲を聞き漏らさないために重要です。

問い合わせ先伝える内容の例
市区町村被相続人が市区町村内に所有または課税されていた土地、家屋を漏れなく確認したいので、名寄帳または固定資産課税台帳の閲覧、固定資産評価証明書の取得方法、共有持分、非課税、免税点未満、未登記家屋の確認方法、必要書類を教えてほしいと伝えます。
法務局被相続人名義の不動産調査をしており、住所は分かるが地番または家屋番号が不明なため、地番検索、公図、登記事項証明書、所有不動産記録証明書のどの手続を使うべきか、相続人として請求する必要書類と手数料を確認します。
公証役場亡くなった人について公正証書遺言が作成されているか確認したいこと、相続人として遺言検索に必要な戸籍、死亡確認資料、本人確認書類、費用、予約の要否を確認します。

発見チェック

発見段階では、生活資料、自治体資料、登記資料、遺言資料を横断して確認します。次の一覧は不動産の有無を把握するための確認事項を表し、入口となる資料を漏らしていないかを読み取るために重要です。

確認事項見る資料・手続
固定資産税通知書・課税明細書自治体、郵便物、保管資料
名寄帳・固定資産評価証明書心当たり自治体、都税事務所
所有不動産記録証明書・登記事項証明書法務局、登記情報
共同担保目録・公図・地積測量図・建物図面担保物件、位置関係、境界、建物の確認
公正証書遺言検索・自筆証書遺言書保管制度遺言の有無と不動産指定の確認
通帳、賃料、管理費、修繕積立金税金引落し、賃貸物件、マンション資料
農地、山林、私道、未登記建物農業委員会、森林関係資料、現地、名寄帳
過去住所地、本籍地、親族出身地遠方不動産の手がかり

登記・税務・紛争予防チェック

不動産が見つかった後は、登記、税務、紛争予防の観点で資料を整えます。次の一覧は後続手続で必要になる確認事項を表し、どの論点を専門職へつなぐべきかを読み取るために重要です。

分野確認事項
登記土地と建物、共有持分、表題部、権利部甲区、権利部乙区、抵当権、根抵当権、差押え、仮登記、仮処分、住所変更未登記、先代名義、閉鎖登記簿
税務相続税申告の要否、10か月の申告期限、固定資産税評価額、路線価地域か倍率地域か、貸付状況、小規模宅地等の特例、不動産所得の確定申告資料、借入金、未払固定資産税
紛争予防相続人全員への遺産目録共有、資料の取得日と出典、評価額の種類、現地写真、不動産の使用者、賃料や管理費の入出金、遺言の有無、争いがある場合の専門家相談
Section 12

故人が保有していた不動産を調べる方法のよくある質問

一般的な制度説明として整理し、個別事情で結論が変わる点を明示します。

Q1. 故人の名前だけで全国の不動産を調べられますか

一般的には、2026年2月2日開始の所有不動産記録証明制度により、登記情報を基礎に特定の人や法人が所有する不動産を一覧的に把握できる場合があります。ただし、登記名義、住所、旧姓、未登記建物、法人名義、信託、借地権などによって結果は変わる可能性があります。名寄帳、固定資産税資料、登記事項証明書、生活資料と併用する必要があります。

Q2. 固定資産税通知書が見つかれば、それで全部ですか

一般的には、固定資産税通知書は重要な入口とされています。ただし、共有持分、免税点未満、非課税、別自治体、別送付先、未登記建物、先代名義などが漏れる可能性があります。具体的な調査範囲は、名寄帳、所有不動産記録証明制度、登記資料で補完する必要があります。

Q3. 名寄帳を取れば全国の不動産が分かりますか

一般的には、名寄帳は市区町村単位の資料とされています。複数自治体に不動産がある場合、それぞれの自治体で確認する必要があります。全国的な把握は、所有不動産記録証明制度、過去住所地、本籍地、親族出身地の調査と組み合わせる必要があります。

Q4. 住所は分かりますが、地番が分かりません

一般的には、固定資産税課税明細書、名寄帳、権利証、登記識別情報通知、売買契約書などから地番や家屋番号を確認します。登記情報提供サービスの地番検索サービスや法務局の公図も利用されます。ただし、物件の種類や資料の有無で方法は変わるため、具体的には法務局や司法書士等へ確認する必要があります。

Q5. 他の相続人が権利証を見せてくれない場合はどうなりますか

一般的には、権利証がなくても、相続人として必要書類を整えれば、登記事項証明書、名寄帳、固定資産評価証明書、所有不動産記録証明書などを取得できる場合があります。ただし、隠匿、賃料の取り込み、使い込み疑いなどがある場合は、証拠関係や手続選択で結論が変わる可能性があり、弁護士等へ相談する必要があります。

Q6. 登記簿に故人の名前がないと相続財産ではないのですか

一般的には、登記簿に故人名義がないだけで直ちに相続財産ではないとは判断できません。売却済みの可能性のほか、先代名義、法人名義、信託、借地上建物、未登記建物、共有者名義、配偶者名義、名義借りの主張などがあり得ます。実体関係の判断は、資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

Q7. 未登記建物は相続財産になりますか

一般的には、故人が所有していた未登記建物は相続財産になり得るとされています。ただし、登記簿に出ないため、名寄帳、固定資産課税台帳、現地、火災保険、建築資料から確認する必要があります。売却や登記整備には土地家屋調査士、司法書士等の関与が必要になることがあります。

Q8. 農地や山林も相続登記が必要ですか

一般的には、相続により所有権を取得した不動産であれば、農地や山林も相続登記義務の対象になるとされています。ただし、農地は農業委員会への届出、森林は市町村長への届出が必要になることがあり、登記、固定資産税、届出、現地管理を分けて確認する必要があります。

Q9. 相続税がかからないなら不動産調査は不要ですか

一般的には、相続税がかからない場合でも、不動産調査が不要になるとは限りません。相続登記、固定資産税、管理、売却、空き家、境界、共有、将来の二次相続に影響する可能性があります。具体的な必要範囲は、不動産の有無や利用状況に応じて判断する必要があります。

Q10. 調査だけ専門家に頼めますか

一般的には、調査や関連手続の一部を専門職へ依頼できる場合があります。司法書士は登記と相続関係調査、税理士は相続税評価、弁護士は紛争対応、不動産鑑定士は価格評価、土地家屋調査士は境界や表題登記を担当します。ただし、争いの有無、税務申告の要否、不動産の数や種類によって適した相談先は変わります。

Section 13

故人が保有していた不動産を調べる方法のまとめ

不動産を見つけ、評価し、登記・税務・分割・管理に使える形へ整理します。

故人が保有していた不動産を調べる方法は、単一の窓口で完結するものではありません。生活資料、名寄帳、所有不動産記録証明制度、登記事項証明書、遺言、税務、特殊不動産、紛争予防を組み合わせる必要があります。

次の強調表示は、このページ全体の結論を表します。発見しただけで終わらせず、相続手続で使える資料に整えることが最も重要である点を読み取ってください。

見つけることより、使える資料へ整えること

生活資料から痕跡を集め、名寄帳で自治体単位の一覧を取り、所有不動産記録証明制度で登記名義ベースの全国的な把握を行い、登記事項証明書で権利関係を確認し、遺言・税務・農地・山林・未登記建物・境界・賃貸・紛争の観点から補完します。

相続登記は2024年4月1日から義務化され、相続税申告には原則10か月の期限があります。調査が遅れるほど、登記、税務、遺産分割、売却、管理の選択肢が狭まります。相続人だけで抱え込まず、問題の種類に応じて弁護士、司法書士、税理士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅地建物取引士などを組み合わせることが重要です。

Reference

この記事の参考資料

公的機関・制度資料

  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • 法務省「所有不動産記録証明制度について」
  • 法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」
  • 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について」
  • 法務省「不動産登記のABC」
  • 法務省「登記情報提供サービスにおける地番検索サービスについて」
  • 登記情報提供サービス「不動産請求をする場合、地番や家屋番号が分からないときは、どのようにするとよいですか。」
  • 法務局「登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です」
  • 水戸市「固定資産課税台帳の閲覧について」
  • 東京都主税局「土地・家屋 相続人・受遺者」

税務・農地・裁判手続資料

  • 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
  • 国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」
  • 国税庁「No.4606 倍率方式による土地の評価」
  • 日本公証人連合会「亡くなった方について、公正証書遺言が作成されているかどうかを調べることができますか」
  • 法務省「自筆証書遺言書保管制度について」
  • 裁判所「遺言書の検認」
  • 裁判所「遺産分割調停」
  • 裁判所「遺産分割調停の申立書」
  • 農林水産省「農地相続ポータル」
  • 林野庁「森林の土地の所有者届出制度」
  • 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」
  • 法務省「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A」