2σ Guide

遺産5000万円を
配偶者と子供2人で分ける計算例

配偶者2500万円、子供各1250万円という民法上の基本形から、基礎控除4800万円、相続税の総額20万円、配偶者軽減後の納付額10万円までを順に整理します。

4800万円基礎控除
20万円相続税の総額
10万円軽減後の合計
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遺産5000万円を 配偶者と子供2人で分ける計算例

法定相続分、基礎控除、相続税の総額、配偶者軽減後の納付額を一枚で整理します。

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遺産5000万円を 配偶者と子供2人で分ける計算例
法定相続分、基礎控除、相続税の総額、配偶者軽減後の納付額を一枚で整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 遺産5000万円を 配偶者と子供2人で分ける計算例
  • 法定相続分、基礎控除、相続税の総額、配偶者軽減後の納付額を一枚で整理します。

POINT 1

  • 遺産5000万円を配偶者と子供2人で分ける全体像
  • 法定相続分、基礎控除、相続税の総額、配偶者軽減後の納付額を一枚で整理します。
  • 標準設例の答え
  • 遺産5000万円を配偶者と子供2人で分ける場合は、民法上の取得額と相続税上の納付額を分けて見ることが大切です。
  • 配偶者と子供2人なら法定相続人は3人で、基礎控除は4800万円です。

POINT 2

  • 遺産5000万円計算で使う用語と専門職の役割
  • 被相続人、相続人、法定相続分、正味の遺産額、配偶者軽減を整理します。
  • 被相続人
  • 法定相続分
  • 用語を先にそろえると、誰が相続人か、何を分けるのか、税務上どの金額から基礎控除を引くのかを読み違えにくくなります。

POINT 3

  • 遺産5000万円の法定相続分は配偶者2500万円、子供各1250万円
  • 1. 相続人を確定する:配偶者と子供2人であることを戸籍などで確認します。
  • 2. 遺言の有無を確認する:遺言があれば内容が優先されることがあります。
  • 3. 全員合意の可能性を見る:法定相続分と異なる分け方でも全員が合意すれば成立し得ます。
  • 4. 協議書に反映:取得財産、代償金、期限、支払方法を明記します。
  • 5. 調停などを検討:資料を整理し、家庭裁判所手続を見据えます。

POINT 4

  • 遺産5000万円の相続税は基礎控除4800万円から順に計算する
  • 1. 各人の課税価格を合計する:財産、みなし財産、債務、葬式費用、生前贈与などを反映して正味の遺産額を把握します。
  • 2. 基礎控除を差し引く:配偶者と子供2人なら3000万円+600万円×3人=4800万円です。
  • 3. 課税遺産総額を仮分割する:5000万円-4800万円=200万円を、配偶者100万円、子供各50万円として仮に分けます。
  • 4. 速算表で総額を出す:いずれも1000万円以下なので10%を掛け、相続税の総額は20万円です。
  • 5. 取得割合と税額控除を反映する:法定相続分どおりなら配偶者10万円、子供各5万円に配分し、配偶者分は軽減で0円になります。

POINT 5

  • 遺産5000万円の取得割合と財産内訳で税額・調整金は変わる
  • 配偶者が多く取る場合、不動産がある場合、生命保険や債務がある場合を比較します。
  • 取得割合を変えると、同じ正味の遺産額5000万円でも最終納付税額は変わります。
  • ただし、税額だけで分け方を決めると、配偶者の生活、子供間の公平、二次相続、住居の維持を見落とすおそれがあります。
  • 配偶者が多く取得するほど配偶者軽減の効果で当面の税額は下がりますが、二次相続や遺留分への配慮も必要です。

POINT 6

  • 遺産5000万円でも3か月・4か月・10か月・3年の期限管理が必要
  • 1. 相続放棄、限定承認の検討:自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内が原則です。
  • 2. 準確定申告の検討:被相続人が確定申告をすべき人であった場合、相続開始を知った日の翌日から4か月以内に検討します。
  • 3. 相続税申告と納税:被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内が原則です。
  • 4. 相続登記:相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の登記申請が原則です。

POINT 7

  • 遺産5000万円に不動産があると評価・代償金・共有リスクが加わる
  • 評価額のずれ
  • 相続税評価額3000万円の土地建物でも、実際の売却価格が4000万円になることも、その逆もあります。
  • 小規模宅地等の特例
  • 自宅土地が大きい場合、一定要件を満たすと相続税評価額を大きく下げられることがあります。

POINT 8

  • 遺産5000万円の相談先とよくある誤解
  • 5000万円なら相続税ゼロとは限らない
  • 配偶者と子供2人なら基礎控除は4800万円です。
  • 配偶者が全部取れば常に得とは限らない
  • 一次相続の税額は抑えられても、二次相続では配偶者軽減が使えず、基礎控除も小さくなることがあります。

まとめ

  • 遺産5000万円を 配偶者と子供2人で分ける計算例
  • 遺産5000万円を配偶者と子供2人で分ける全体像:法定相続分、基礎控除、相続税の総額、配偶者軽減後の納付額を一枚で整理します。
  • 遺産5000万円計算で使う用語と専門職の役割:被相続人、相続人、法定相続分、正味の遺産額、配偶者軽減を整理します。
  • 遺産5000万円の法定相続分は配偶者2500万円、子供各1250万円:民法上の基準額と、全員合意で変更できる範囲を分けて確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

遺産5000万円を配偶者と子供2人で分ける全体像

法定相続分、基礎控除、相続税の総額、配偶者軽減後の納付額を一枚で整理します。

遺産5000万円を配偶者と子供2人で分ける場合は、民法上の取得額と相続税上の納付額を分けて見ることが大切です。配偶者と子供2人なら法定相続人は3人で、基礎控除は4800万円です。正味の遺産額が5000万円なら、課税遺産総額は200万円となります。

次の強調表示は、このページ全体の結論を金額順に整理したものです。最初に全体像をつかむことで、民法上の分け方、税額の仮計算、配偶者の税額軽減後の実納付額を混同せずに読み進められます。

標準設例の答え

法定相続分どおりなら配偶者2500万円、子供は各1250万円です。相続税の総額は20万円ですが、配偶者の税額軽減後は配偶者0円、子供各5万円、合計10万円が標準設例の納付額です。

次の比較表は、5000万円を分ける計算で最初に確認すべき数字を並べたものです。左列は論点、中央列は計算式や割合、右列は実務上の読み取り方です。どの数字が民法上の配分で、どの数字が税務上の計算かを区別してください。

論点計算または金額読み取り方
法定相続分配偶者2分の1、子供全体2分の1子供2人なら各4分の1です
民法上の取得額配偶者2500万円、子供各1250万円遺言がなく法定相続分どおりに分ける基本形です
基礎控除3000万円+600万円×3人=4800万円正味の遺産額5000万円から差し引きます
課税遺産総額5000万円-4800万円=200万円5000万円全部に税率を掛けるわけではありません
相続税の総額20万円仮計算で出る税額総額です
実際の納付税額配偶者0円、子供各5万円配偶者の税額軽減後の標準例です
注意ここでいう5000万円は、相続税上の正味の遺産額も5000万円であると仮定した数字です。債務、葬式費用、生命保険金、生前贈与、不動産評価、小規模宅地等の特例があると、入口の金額から変わります。
Section 01

遺産5000万円計算で使う用語と専門職の役割

被相続人、相続人、法定相続分、正味の遺産額、配偶者軽減を整理します。

このページで使う用語は、分け方の話と税金の話をつなぐ土台です。用語を先にそろえると、誰が相続人か、何を分けるのか、税務上どの金額から基礎控除を引くのかを読み違えにくくなります。

用語1

被相続人

亡くなって財産を遺した人です。相続は被相続人の死亡によって開始します。

用語2

相続人

財産や債務を承継する法律上の地位にある人です。配偶者は常に相続人となり、子供がいる場合は父母や兄弟姉妹は原則として相続人になりません。

用語3

法定相続分

民法が定める相続分の目安です。配偶者と子供が相続人の場合、配偶者2分の1、子供全体2分の1となります。

次の一覧は、計算に関わる制度用語を役割別に並べたものです。列は、用語、意味、5000万円の設例で特に確認する点を示します。用語の位置づけを押さえることで、遺産分割協議と相続税申告の工程を分けて考えられます。

用語意味5000万円設例での確認点
遺産分割協議相続人全員で遺産の分け方を決める話合い全員の合意が必要で、1人でも反対すれば成立しません
正味の遺産額課税価格の合計額から債務や葬式費用などを反映した相続税上の入口標準設例では5000万円と仮定します
基礎控除3000万円+600万円×法定相続人の数配偶者と子供2人なら4800万円です
配偶者の税額軽減一定額まで配偶者に相続税がかからない制度使うには原則として相続税申告が必要です
未分割申告期限までに遺産分割が終わっていない状態当初申告で配偶者軽減や小規模宅地等の特例が使えないことがあります

専門職ごとの役割も、誰に何を相談するかを見誤らないために重要です。次の表は、典型的な担当領域を相続人側の課題に結びつけて整理しています。

専門職主な検討領域相談が必要になりやすい場面
弁護士遺産分割の対立、遺留分、使い込み疑い、調停、審判相続人間で争いがある場合
司法書士相続登記、不動産名義変更、戸籍収集、登記書類不動産の名義変更が必要な場合
税理士相続税申告、財産評価、特例適用、税務調査対応正味の遺産額が基礎控除を超えそうな場合
行政書士紛争、税務、登記申請を除く書類作成争いがない書類整理を進めたい場合
不動産鑑定士、宅地建物取引士不動産時価、査定、売却、換価分割自宅や土地の評価で合意しにくい場合
Section 02

遺産5000万円の法定相続分は配偶者2500万円、子供各1250万円

民法上の基準額と、全員合意で変更できる範囲を分けて確認します。

民法上の計算では、まず誰が何割を取得するかを確認します。これは相続税額を出すための計算とは別であり、遺産分割協議で相続人全員が合意すれば異なる割合で分けることもできます。

次の表は、配偶者と子供2人が相続人で、遺言がなく、法定相続分どおりに分ける場合の金額を示します。列は相続人、割合、5000万円に対する取得額です。配偶者が半分、子供2人が残り半分を均等に分ける点を読み取ります。

相続人法定相続分5000万円に対する金額
配偶者2分の12500万円
子供14分の11250万円
子供24分の11250万円
合計15000万円
計算式配偶者は5000万円×1/2=2500万円、子供1は5000万円×1/4=1250万円、子供2も5000万円×1/4=1250万円です。

次の判断の流れは、法定相続分をそのまま使うか、相続人全員の合意で別の分け方にするかを整理するものです。上から順番に確認し、遺言や合意、未成年者や判断能力の問題がある場合に追加手続が必要になる点を読み取ります。

分け方を決める確認順序

相続人を確定する

配偶者と子供2人であることを戸籍などで確認します。

遺言の有無を確認する

遺言があれば内容が優先されることがあります。

全員合意の可能性を見る

法定相続分と異なる分け方でも全員が合意すれば成立し得ます。

合意あり
協議書に反映

取得財産、代償金、期限、支払方法を明記します。

合意なし
調停などを検討

資料を整理し、家庭裁判所手続を見据えます。

法定相続分は基準であって、強制的な配分ではありません。配偶者の生活費や住居、子供の事情、二次相続、納税資金を踏まえ、配偶者3000万円、子供各1000万円などの分け方も合意により可能です。

Section 03

遺産5000万円の相続税は基礎控除4800万円から順に計算する

相続税の総額20万円と、配偶者軽減後の納付額10万円を区別します。

相続税は5000万円に直接税率を掛けるのではありません。基礎控除を差し引き、課税遺産総額を法定相続分で仮に分け、速算表を当てはめて相続税の総額を出してから、実際の取得割合に応じて各人へ配分します。

次の時系列は、相続税計算の順番を示します。上から下へ進むほど、入口の課税価格から最終納付額に近づきます。順番を守ることで、取得額そのものに税率を掛ける誤解を避けられます。

手順1

各人の課税価格を合計する

財産、みなし財産、債務、葬式費用、生前贈与などを反映して正味の遺産額を把握します。

手順2

基礎控除を差し引く

配偶者と子供2人なら3000万円+600万円×3人=4800万円です。

手順3

課税遺産総額を仮分割する

5000万円-4800万円=200万円を、配偶者100万円、子供各50万円として仮に分けます。

手順4

速算表で総額を出す

いずれも1000万円以下なので10%を掛け、相続税の総額は20万円です。

手順5

取得割合と税額控除を反映する

法定相続分どおりなら配偶者10万円、子供各5万円に配分し、配偶者分は軽減で0円になります。

次の表は、基礎控除から課税遺産総額までの入口計算です。左列の項目を順に足し引きし、5000万円のうち課税対象として残るのが200万円だけである点を読み取ります。

項目計算金額
正味の遺産額標準設例5000万円
基礎控除3000万円+600万円×3人4800万円
課税遺産総額5000万円-4800万円200万円

次の表は、200万円を法定相続分で仮に分け、速算表を適用した結果です。各人の仮取得額が1000万円以下なので税率は10%、控除額は0円となり、合計20万円が相続税の総額です。

相続人仮取得額税率控除額算出税額
配偶者100万円10%0円10万円
子供150万円10%0円5万円
子供250万円10%0円5万円
合計200万円20万円

次の表は、法定相続分どおりに実際取得した場合の税額配分と、配偶者の税額軽減後の納付額です。配偶者の取得額2500万円は軽減枠内に収まるため、配偶者分10万円が0円になり、子供2人で合計10万円を納付する形になります。

相続人実際の取得額税額控除前配偶者軽減納付税額
配偶者2500万円10万円10万円0円
子供11250万円5万円0円5万円
子供21250万円5万円0円5万円
合計5000万円20万円10万円10万円
申告の注意配偶者の税額軽減を使うには、原則として相続税申告が必要です。未分割のまま申告期限を迎えると、当初申告で軽減を使えないことがあります。
Section 04

遺産5000万円の取得割合と財産内訳で税額・調整金は変わる

配偶者が多く取る場合、不動産がある場合、生命保険や債務がある場合を比較します。

取得割合を変えると、同じ正味の遺産額5000万円でも最終納付税額は変わります。ただし、税額だけで分け方を決めると、配偶者の生活、子供間の公平、二次相続、住居の維持を見落とすおそれがあります。

次の比較表は、相続税の総額20万円という前提で、実際の取得割合を変えた場合の納付税額合計を並べたものです。配偶者が多く取得するほど配偶者軽減の効果で当面の税額は下がりますが、二次相続や遺留分への配慮も必要です。

分割パターン配偶者取得額子供1取得額子供2取得額軽減後の納付税額合計読み取り方
法定相続分どおり2500万円1250万円1250万円10万円標準設例で、子供各5万円です
配偶者が3000万円3000万円1000万円1000万円8万円配偶者分12万円が軽減されます
配偶者が2000万円2000万円1500万円1500万円12万円配偶者分8万円だけが軽減されます
配偶者が全額取得5000万円0円0円0円子供の合意や遺留分、二次相続を確認します
子供が全額取得0円2500万円2500万円20万円配偶者軽減が使えません

次の比較一覧は、財産構成が変わると分割方法も変わることを示します。左から財産構成、問題になりやすい点、考えられる調整方法を並べています。現金だけなら単純でも、不動産比率が高くなるほど代償金や売却の検討が重くなります。

財産構成主な問題調整方法
現金預貯金5000万円金額で分けやすい配偶者2500万円、子供各1250万円に近づけやすいです
自宅3000万円、預金2000万円配偶者が自宅を取ると500万円多くなる子供へ各250万円、合計500万円の代償金を検討します
自宅4000万円、預金1000万円配偶者が1500万円多く取得する形になりやすい各子供へ750万円の代償金、換価分割、共有、配偶者居住権を検討します
生命保険金1500万円が別にある民法上の遺産と相続税上のみなし財産が分かれます500万円×3人=1500万円の非課税枠を確認します
債務300万円、葬式費用200万円がある正味の遺産額が4500万円まで下がります基礎控除4800万円以下となり、税額が出ない可能性があります
加算対象贈与300万円がある課税価格が5300万円になり得ます基礎控除との差額500万円を入口に再計算します

次の選択肢一覧は、不動産比率が高いときの代表的な分け方を整理したものです。方法ごとに長所と注意点が異なるため、住み続ける必要性、支払原資、売却可能性、将来の管理を読み比べます。

代償分割

自宅などを取得する人が、他の相続人に金銭を支払う方法です。住居を残しやすい一方、支払原資が必要です。

住居維持資金注意

換価分割

不動産を売却して現金で分ける方法です。公平な金額配分に近づきやすい一方、売却時期や譲渡税に注意します。

現金化売却計画

共有分割

不動産を共有名義にする方法です。当面の代償金は不要でも、将来の売却、管理、二次相続で関係者が増えやすくなります。

短期対応将来紛争

配偶者居住権

配偶者の居住を確保しつつ所有権と利用権を分ける方法です。評価と登記が複雑なため専門的確認が必要です。

居住確保評価確認
Section 05

遺産5000万円でも3か月・4か月・10か月・3年の期限管理が必要

相続放棄、準確定申告、相続税申告、相続登記を別々に管理します。

相続手続では、期限を過ぎると選択肢が狭くなるものがあります。特に相続放棄、準確定申告、相続税申告、相続登記は、目的も提出先も異なるため別々に管理します。

次の時系列は、相続開始後に意識すべき主要期限を並べたものです。順番は早いものから遅いものへ進み、各期限の目的と注意点を読み取れるようにしています。

3か月以内

相続放棄、限定承認の検討

自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内が原則です。借金、保証債務、未払税金、事業債務を調べます。

4か月以内

準確定申告の検討

被相続人が確定申告をすべき人であった場合、相続開始を知った日の翌日から4か月以内に検討します。

10か月以内

相続税申告と納税

被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内が原則です。未分割でも期限は延びません。

3年以内

相続登記

相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の登記申請が原則です。令和6年4月1日より前の相続も対象になります。

次の表は、期限ごとに何を確認するかを実務作業へ落としたものです。左列の期限ごとに、中央列の確認事項を進め、右列の理由を見て優先順位を決めます。

時期確認事項理由
最初の2週間死亡届、遺言書、通帳、証券、保険証券、不動産資料、借入金、戸籍関係財産目録と相続人確定の出発点になります
3か月以内借金、保証債務、財産がプラスかマイナスか、相続放棄や限定承認の要否単純承認リスクを判断します
10か月以内基礎控除超過の有無、不動産評価、小規模宅地等の特例、配偶者軽減、遺産分割協議書、納税資金申告と納税、金融機関、登記で必要になります
不動産がある場合登記事項証明書、固定資産評価証明書、名寄帳、境界、賃貸借契約、登記期限名義、評価、登録免許税、売却可能性を確認します
Section 06

遺産5000万円に不動産があると評価・代償金・共有リスクが加わる

相続税評価額、遺産分割上の時価、小規模宅地等の特例、紛争資料を整理します。

不動産がある場合は、相続税評価額と遺産分割上の時価が一致しないことがあります。税務では路線価方式や倍率方式を使い、相続人間の公平では実勢価格や鑑定評価が問題になるため、同じ土地建物でも場面によって数字が変わります。

次の注意点一覧は、5000万円規模でも紛争化しやすい不動産関連の論点を整理したものです。各項目の本文から、税額計算だけではなく評価、利用、将来管理を同時に検討する必要があることを読み取ります。

評価額のずれ

相続税評価額3000万円の土地建物でも、実際の売却価格が4000万円になることも、その逆もあります。どの評価額を何の目的に使うのかを明確にします。

小規模宅地等の特例

自宅土地が大きい場合、一定要件を満たすと相続税評価額を大きく下げられることがあります。ただし、取得者、居住継続、添付書類、未分割時の扱いを確認します。

共有の長期リスク

法定相続分どおりの共有登記は公平に見えても、売却、管理費、利用、賃料、二次相続で対立が増えやすくなります。

代償金の現実性

自宅4000万円、預金1000万円のような構成では、法定相続分へ合わせる代償金が高額になり、支払原資が問題になります。

紛争化しやすい論点は、感情の問題だけでなく資料不足からも生じます。次の表は、典型論点ごとに何が争点になり、どの資料を整理するかを並べています。証拠や資料があるほど、調停や協議で論点を切り分けやすくなります。

論点問題になりやすい内容整理する資料
使い込み疑い死亡前後の大口出金、介護者による引出し、死亡後の出金通帳、取引履歴、領収書、介護記録、医療費資料
特別受益住宅取得資金、結婚資金、事業資金、学費などの援助贈与契約書、通帳履歴、当時の趣旨が分かる資料
寄与分通常の扶養を超える財産維持や増加への貢献介護日誌、要介護認定、施設費、仕事を辞めた資料
遺留分全財産を配偶者や長男に相続させる遺言がある場合の最低限の取り分遺言、財産評価、債務、生前贈与の資料
調停、審判相続人間で話合いがまとまらない場合財産目録、不動産評価、預金履歴、主張の根拠資料

配偶者と子供2人の場合、単純化した遺留分相当額は配偶者1250万円、子供各625万円が目安になります。実際には遺留分算定の基礎財産、生前贈与、債務、評価時点などで変わるため、一般情報として把握し、個別の請求額は専門家へ確認する必要があります。

Section 07

遺産5000万円の相談先とよくある誤解

専門職の役割、申告要否、二次相続、不動産評価の誤解を一般情報として整理します。

相談先は、相続人間の対立、相続税申告、不動産名義変更、書類作成のどこが中心問題かで変わります。最初に相談先を間違えると、必要な代理権や申告実務につながらないことがあります。

次の表は、税理士、弁護士、司法書士、行政書士へ相談すべき場面を分けたものです。左列の状況に近いものを探し、右列の理由から中心になる専門職を読み取ります。

相談先相談優先度が高い場面理由
税理士正味の遺産額が4800万円を超えそう、不動産や生前贈与、死亡保険金がある、未分割で期限が近い相続税申告、財産評価、特例適用、税務署対応に直結します
弁護士相続人間で争いがある、使い込み疑い、遺留分、遺言の有効性、特別受益、寄与分で対立交渉、調停、審判、訴訟の代理が必要になり得ます
司法書士不動産名義変更、戸籍収集、法定相続情報一覧図、古い相続登記、登記義務化への対応相続登記と登記用書類の専門領域です
行政書士争いがなく、税務や登記申請そのものではない書類整理をしたい遺産分割協議書や相続関係説明図の作成支援が考えられます

よくある誤解は、金額そのものよりも制度の入口を間違えることで起こります。次の一覧は、5000万円相続で特に多い誤解と確認すべき視点を並べたものです。各項目の結論は一般的な制度説明であり、個別事情によって変わります。

5000万円なら相続税ゼロとは限らない

配偶者と子供2人なら基礎控除は4800万円です。正味の遺産額が5000万円なら基礎控除を200万円超えるため、申告が必要になる可能性があります。

配偶者が全部取れば常に得とは限らない

一次相続の税額は抑えられても、二次相続では配偶者軽減が使えず、基礎控除も小さくなることがあります。

法定相続分なら揉めないとは限らない

現金だけなら分けやすい一方、不動産、非上場株式、農地、共有持分があると金額調整が難しくなります。

分割終了まで申告を待てるとは限らない

未分割でも相続税申告期限は原則として延びません。仮計算で申告し、後日手続をする場合があります。

固定資産税評価額だけで足りるとは限らない

土地の相続税評価は路線価方式や倍率方式が基本で、遺産分割では時価や鑑定評価が問題になることもあります。

FAQとして確認する場合も、結論は資料や相続人構成で変わる前提で読む必要があります。次の質問と回答は一般的な制度説明であり、個別の見通しや対応方針は資料を整理したうえで専門家に相談する必要があります。

質問一般的な考え方
5000万円を必ず法定相続分で分けますか一般的には、法定相続分は基準であり、相続人全員が合意すれば異なる分け方も可能とされています。ただし、遺言、遺留分、税務、未成年者や判断能力の問題で結論は変わります。
配偶者が全額取得すれば税金はかかりませんか一般的には、配偶者軽減により納付税額が0円になる可能性があります。ただし、申告要否、未分割、二次相続、子供の遺留分などで判断が変わります。
相続税の総額20万円と納付税額10万円はどちらが正しいですか一般的には、20万円は相続税の総額、10万円は配偶者軽減後の標準設例の納付額です。取得割合や控除の適用で最終額は変わります。
不動産がある場合も同じ計算ですか一般的には、税額計算の流れは同じですが、評価額、代償金、売却、共有、登記などの検討が加わります。具体的には資料を整理して専門家へ相談する必要があります。
Reference

参考資料

  • 国税庁「No.4132 相続人の範囲と法定相続分」
  • 国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」
  • 国税庁「No.4152 相続税の計算」
  • 国税庁「No.4155 相続税の税率」
  • 国税庁「No.4158 配偶者の税額の軽減」
  • 国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
  • 国税庁「No.4124 小規模宅地等の特例」
  • 国税庁「No.4208 相続財産が分割されていないときの申告」
  • 国税庁「No.4126 相続財産から控除できる債務」
  • 国税庁「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」
  • 国税庁「No.4161 贈与財産の加算と税額控除」
  • 国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告」
  • 国税庁「No.4604 路線価方式による宅地の評価」
  • 国税庁「No.4606 倍率方式による土地の評価」
  • 国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • 法務局「法定相続情報証明制度について」
  • 裁判所「遺産分割調停」
  • 裁判所「相続の放棄の申述」