2σ Guide

配偶者居住権とは
自宅に住み続けるための相続制度

所有権と居住利益を分けることで、残された配偶者の住まいと生活資金、子などへの財産承継を両立しやすくする制度を整理します。

2020年4月1日 制度利用の開始時期
1,000分の2 設定登記の登録免許税
330㎡・80% 特定居住用宅地等の目安
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配偶者居住権とは 自宅に住み続けるための相続制度

所有権と居住利益を分けることで、残された配偶者の住まいと生活資金、子などへの財産承継を両立しやすくする制度を整理します。

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配偶者居住権とは 自宅に住み続けるための相続制度
所有権と居住利益を分けることで、残された配偶者の住まいと生活資金、子などへの財産承継を両立しやすくする制度を整理します。
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  • 配偶者居住権とは 自宅に住み続けるための相続制度
  • 所有権と居住利益を分けることで、残された配偶者の住まいと生活資金、子などへの財産承継を両立しやすくする制度を整理します。

POINT 1

  • 配偶者居住権とは何かを最初に整理
  • 住まいの保護と財産承継を分けて考える制度です。
  • 所有権と居住利益を分ける制度
  • 次の重要ポイントは、この制度で必ず押さえるべき結論をまとめたものです。
  • 配偶者は住み続ける利益を取得し、所有者は 配偶者居住権という負担の付いた所有権を取得します。

POINT 2

  • 配偶者居住権が必要になった背景
  • 自宅だけで相続分を使い切る問題を、権利分割で緩和します。
  • 配偶者居住権が生まれた背景は、自宅と生活資金のどちらを残すかという二者択一を避ける点にあります。
  • この制度は、建物所有権を「住む利益」と「将来完全に使える所有権」に分ける発想です。

POINT 3

  • 配偶者居住権の法的性質と短期居住権との違い
  • 長期の権利か、相続直後の暫定保護かで使い方が変わります。
  • 配偶者居住権は所有権そのものではなく、所有者に対して建物を使用・収益させるよう求める法定の権利です。
  • 配偶者が建物の一部だけを生活空間として使っていた場合でも、配偶者居住権は建物全部に及ぶと整理されます。
  • 一方で、第三者に使わせたり賃貸したりするには、原則として所有者の承諾が重要です。

POINT 4

  • 配偶者居住権の成立要件と取得方法
  • 1. 法律上の配偶者か:内縁や事実婚では当然には取得できません。
  • 2. 相続開始時に居住していたか:住民票だけでなく生活実態を見ます。
  • 3. 被相続人所有の建物か:賃貸住宅、子名義、会社所有、配偶者以外との共有では慎重な検討が必要です。
  • 4. 遺産分割・遺贈・死因贈与・審判へ:権利内容と登記を具体化します。
  • 5. 長期保障は未確定:短期居住権や別制度を含めて検討します。

POINT 5

  • 配偶者居住権の登記と相続登記義務化
  • 1. 対象建物と居住実態を確認:配偶者が相続開始時に居住していた建物か、共有関係や登記名義を確認します。
  • 2. 権利内容を確定:存続期間、第三者利用、費用負担、施設入所時の扱いを協議書や遺言で明確にします。
  • 3. 設定登記と所有権移転を整合:配偶者居住権の登記は成立要件ではありませんが、第三者対抗のため重要です。
  • 4. 相続登記義務化も確認:令和6年4月1日から、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の相続登記申請が必要です。

POINT 6

  • 配偶者居住権の相続税評価と小規模宅地等の特例
  • 建物と敷地の価値を分け、申告・特例・二次相続を一体で見ます。
  • 配偶者居住権
  • 負担付き所有権
  • 敷地利用権

POINT 7

  • 配偶者居住権を遺産分割・遺言で使う方法
  • 協議書と遺言の文言が、登記・税務・将来紛争を左右します。
  • 遺産分割や遺言で配偶者居住権を使うときは、誰が所有権を持ち、誰が居住利益を持つかを文書に落とし込みます。
  • 遺言で設定する場合、「妻に自宅を相続させる」という文言では所有権取得を意味し、配偶者居住権とは異なる効果になり得ます。
  • 特定財産承継遺言ではなく、配偶者居住権を遺贈する趣旨を明確にし、遺留分、相続税、登記の観点も確認します。

POINT 8

  • 配偶者居住権の費用負担・譲渡不可・施設入所時の注意
  • 設定後の管理こそ、長期の安心を左右します。
  • 配偶者居住権を設定した後は、日常管理と将来変化への対応が重要になります。
  • 固定資産税や通常修繕費は、配偶者居住権者が負担すると整理されます。
  • 大規模修繕は事前の取り決めが重要です。

まとめ

  • 配偶者居住権とは 自宅に住み続けるための相続制度
  • 配偶者居住権とは何かを最初に整理:住まいの保護と財産承継を分けて考える制度です。
  • 配偶者居住権が必要になった背景:自宅だけで相続分を使い切る問題を、権利分割で緩和します。
  • 配偶者居住権の法的性質と短期居住権との違い:長期の権利か、相続直後の暫定保護かで使い方が変わります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

配偶者居住権とは何かを最初に整理

住まいの保護と財産承継を分けて考える制度です。

配偶者居住権とは、被相続人の配偶者が、相続開始時に住んでいた被相続人所有の建物について、原則として終身または定められた期間、無償で使用・収益できる法定の権利です。令和2年4月1日以後に開始した相続で利用でき、長年住んできた自宅での生活と、預貯金などの生活資金の確保を両立しやすくするために作られました。

相続財産の中心が自宅である家庭では、配偶者が自宅所有権を取得すると、法定相続分の多くを不動産で使い切り、現金が残りにくいことがあります。配偶者居住権を使うと、建物を使い続ける利益と所有権を分け、配偶者は住み続け、子などが負担付き所有権を取得する設計が可能になります。

次の重要ポイントは、この制度で必ず押さえるべき結論をまとめたものです。自宅に住めるかだけでなく、登記、税務、修繕、将来売却まで検討する必要があるため、各項目がどのリスクを示すかを読み取ることが大切です。

所有権と居住利益を分ける制度

配偶者は住み続ける利益を取得し、所有者は配偶者居住権という負担の付いた所有権を取得します。譲渡できず、配偶者の死亡で消滅する性質があるため、入口だけでなく出口も設計します。

注意この制度は一般的な相続対策の選択肢ですが、個別の法律判断、税額計算、登記判断は家族構成、財産評価、遺言、共有関係、居住実態で変わります。具体的な方針は資料を整理して専門家に確認する必要があります。
Section 01

配偶者居住権が必要になった背景

自宅だけで相続分を使い切る問題を、権利分割で緩和します。

配偶者居住権が生まれた背景は、自宅と生活資金のどちらを残すかという二者択一を避ける点にあります。次の比較表は、自宅3,000万円、預貯金3,000万円、妻と子1人という例で何が問題になるかを示すためのもので、列ごとの違いから配偶者が取得できる生活資金の見え方を読み取ります。

分け方配偶者の取得内容起こりやすい課題
自宅所有権を取得自宅3,000万円を取得法定相続分相当額に達し、預貯金を取得しにくい場合があります。
配偶者居住権を取得住む権利と預貯金の一部を取得しやすい所有者、費用負担、登記、将来売却を協議書や遺言で設計する必要があります。
子が負担付き所有権を取得配偶者の居住を妨げない所有権配偶者の死亡または期間満了まで自由利用に制限が残ります。

この制度は、建物所有権を「住む利益」と「将来完全に使える所有権」に分ける発想です。配偶者居住権の評価額は建物所有権そのものより低くなることが通常で、配偶者の生活資金を残しながら、子などへの将来承継を組み立てやすくします。

Section 02

配偶者居住権の法的性質と短期居住権との違い

長期の権利か、相続直後の暫定保護かで使い方が変わります。

配偶者居住権は所有権そのものではなく、所有者に対して建物を使用・収益させるよう求める法定の権利です。次の比較表は、所有権、配偶者居住権、配偶者短期居住権の違いを整理するためのもので、取得原因、期間、登記、譲渡可否の差から、どの制度が長期居住の保護に向くかを読み取ります。

項目所有権配偶者居住権配偶者短期居住権
目的全面的な支配長期・終身の居住保障相続開始直後の暫定保護
取得原因相続、売買、贈与など遺産分割、遺贈、死因贈与、審判など法定要件を満たすと発生
登記所有権移転登記設定登記で第三者対抗を確保登記制度なし
譲渡原則可能譲渡不可譲渡不可
相続性相続財産になる配偶者の死亡で消滅短期保護にとどまる

配偶者が建物の一部だけを生活空間として使っていた場合でも、配偶者居住権は建物全部に及ぶと整理されます。一方で、第三者に使わせたり賃貸したりするには、原則として所有者の承諾が重要です。譲渡できないこと、相続されないこと、所有者との関係が続くことを前提に利用を検討します。

Section 03

配偶者居住権の成立要件と取得方法

法律上の配偶者、居住実態、建物所有、取得原因を順に確認します。

成立要件は、法律上の配偶者か、相続開始時に住んでいたか、建物が被相続人所有か、どの取得原因で権利を得るかという順番で確認します。次の判断の流れは、要件の抜けを防ぐためのもので、上から順に確認し、どこで専門的な検討が必要になるかを読み取ります。

成立要件の確認順序

法律上の配偶者か

内縁や事実婚では当然には取得できません。

▼
相続開始時に居住していたか

住民票だけでなく生活実態を見ます。

▼
被相続人所有の建物か

賃貸住宅、子名義、会社所有、配偶者以外との共有では慎重な検討が必要です。

▼
取得原因あり
遺産分割・遺贈・死因贈与・審判へ

権利内容と登記を具体化します。

取得原因なし
長期保障は未確定

短期居住権や別制度を含めて検討します。

法律婚でない場合は、遺言、死因贈与、生前贈与、賃貸借、使用貸借、信託、生命保険など別の手段で居住を守る設計が必要になることがあります。入院、施設入所、長期別居、DV避難、夫婦関係の悪化があると、相続開始時の居住性の判断は特に慎重になります。

Section 04

配偶者居住権の登記と相続登記義務化

第三者に対抗するため、設定登記と所有権登記を分けて考えます。

配偶者居住権は、成立しただけでは第三者に対する安定性が十分とはいえません。次の時系列は、権利取得から登記、相続登記義務化への対応までの実務の順番を示しており、どの時点で司法書士や税理士の確認が必要になるかを読み取ります。

相続開始

対象建物と居住実態を確認

配偶者が相続開始時に居住していた建物か、共有関係や登記名義を確認します。

分割・遺言

権利内容を確定

存続期間、第三者利用、費用負担、施設入所時の扱いを協議書や遺言で明確にします。

登記

設定登記と所有権移転を整合

配偶者居住権の登記は成立要件ではありませんが、第三者対抗のため重要です。登録免許税は原則として不動産価額の1,000分の2です。

3年以内

相続登記義務化も確認

令和6年4月1日から、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の相続登記申請が必要です。

登記をしないまま所有者が第三者に売却したり、債権者による差押えや競売が起きたりすると、配偶者の居住が不安定になるおそれがあります。家族間の約束だけで済ませず、所有権移転登記と配偶者居住権設定登記を整合的に進めることが重要です。

Section 05

配偶者居住権の相続税評価と小規模宅地等の特例

建物と敷地の価値を分け、申告・特例・二次相続を一体で見ます。

税務では、配偶者居住権を建物の価値、敷地利用の価値、所有権部分に分けて評価します。次の比較一覧は、相続税評価で分解される4つの価値を示すもので、誰がどの財産価値を取得するかを読み取ることが大切です。

建物利用

配偶者居住権

配偶者が無償で建物を使用・収益できる利益です。存続期間が長いほど評価額が大きくなりやすい構造です。

建物所有

負担付き所有権

所有者は、配偶者居住権が消滅した後に自由利用できる価値を持ちます。

土地利用

敷地利用権

配偶者が建物を使うために敷地を利用する利益です。小規模宅地等の特例との関係も問題になります。

土地所有

敷地所有権部分

敷地利用権の負担が付いた所有権です。二次相続や将来売却まで見て検討します。

評価では、建物の時価から、配偶者居住権が消滅した後に所有者が利用できる価値の現在価値を控除する考え方が使われます。敷地も同様に、配偶者居住権に基づく敷地利用権と敷地所有権部分を分けます。相続税申告が必要な場合は、耐用年数、築年数、存続年数、複利現価率、土地評価、小規模宅地等の特例、配偶者の税額軽減を一体で確認します。

数字特定居住用宅地等の小規模宅地等の特例では、一定要件のもと限度面積330平方メートル、減額割合80%が問題になります。配偶者居住権目的建物の敷地では価額割合に応じた面積計算が必要になることがあります。
Section 06

配偶者居住権を遺産分割・遺言で使う方法

協議書と遺言の文言が、登記・税務・将来紛争を左右します。

遺産分割や遺言で配偶者居住権を使うときは、誰が所有権を持ち、誰が居住利益を持つかを文書に落とし込みます。次の比較表は、協議書や遺言に入れるべき事項を整理するためのもので、左列のテーマごとに将来の紛争を避けるための記載内容を読み取ります。

テーマ決めておく内容曖昧にした場合のリスク
対象不動産建物表示、土地表示、所有者、配偶者居住権者登記や評価で対象が不明確になります。
期間と終了終身、10年間、施設入所時などの定め「元気なうち」など曖昧な文言は争いになりやすいです。
使用・賃貸第三者使用や賃貸の承諾条件施設入所後に賃貸収入を生活費に使えないことがあります。
費用負担固定資産税、通常修繕、大規模修繕、保険料年金生活の配偶者と所有者の負担感が衝突しやすくなります。
登記協力設定登記、抹消登記、必要書類、費用負担第三者対抗や将来売却に支障が出ます。

遺言で設定する場合、「妻に自宅を相続させる」という文言では所有権取得を意味し、配偶者居住権とは異なる効果になり得ます。特定財産承継遺言ではなく、配偶者居住権を遺贈する趣旨を明確にし、遺留分、相続税、登記の観点も確認します。

Section 07

配偶者居住権の費用負担・譲渡不可・施設入所時の注意

設定後の管理こそ、長期の安心を左右します。

配偶者居住権を設定した後は、日常管理と将来変化への対応が重要になります。次の重要ポイントは、費用負担、譲渡不可、相続されない性質、施設入所後の処理を並べたもので、どの場面で所有者との協議や税務確認が必要になるかを読み取ります。

費

通常の必要費

固定資産税や通常修繕費は、配偶者居住権者が負担すると整理されます。大規模修繕は事前の取り決めが重要です。

費用負担
保

火災保険・地震保険

所有者は建物価値、配偶者は居住利益を守る必要があります。契約者、被保険者、保険金受取人を確認します。

管理
譲

譲渡不可・相続不可

配偶者居住権は第三者に売れず、配偶者の死亡により消滅します。放棄や合意解除では税務確認が必要です。

税務注意
施

施設入所後の対応

空き家、賃貸、売却、合意解除、後見などを検討します。配偶者の判断能力が低下している場合は特に慎重です。

将来設計

建物全部の滅失により配偶者居住権が消滅する場合もあります。火災、建替え、収用、補償金が絡む場面では、民法上の消滅だけでなく所得税、譲渡所得、保険金課税、登記整理も確認します。

Section 08

配偶者居住権を使うべきケースと慎重にすべきケース

住まいを守る効果と、売却・管理・税務の制約を比較します。

配偶者居住権は便利ですが、常に最適とは限りません。次の比較一覧は、使うべき可能性が高い場面と慎重にすべき場面を対比するもので、家族関係、建物状態、売却可能性、税務申告の有無から利用判断の方向性を読み取ります。

使うべき可能性が高い場面

配偶者が高齢で自宅居住の必要性が高く、自宅評価額が大きく、子に最終的な所有権を承継させたい場合です。再婚家庭で居住保護と前婚の子への承継を両立したい場合も検討価値があります。

慎重にすべき場面

近い将来自宅売却が見込まれる、配偶者がすでに施設入所している、所有者となる子との関係が悪い、建物が老朽化している、共有や抵当権が複雑な場合です。

単純な節税策として使わない

相続税評価だけで選ぶと、売却制限、修繕負担、施設入所、合意解除時の課税、遺留分紛争で不都合が出ることがあります。

代替案として、配偶者が所有権を取得する方法、子が所有して使用貸借で住む方法、賃貸借契約、家族信託・民事信託、生命保険との組合せがあります。それぞれ、処分自由度、賃料・所得税、登記、信託契約、相続税、遺留分への影響が異なります。

Section 09

配偶者居住権で相談すべき専門職

法律・登記・税務・不動産評価を分けて確認します。

実務では、複数の専門職が異なる視点から同じ不動産を見ます。次の比較表は、どの相談を誰に持ち込むかを整理するためのもので、争い、登記、税務、評価、境界、売却の欄から最初に連携すべき専門職を読み取ります。

専門職主な役割相談が必要になりやすい場面
弁護士遺産分割、遺留分、調停・審判、紛争対応前婚の子、使い込み疑い、寄与分、特別受益で対立がある場合
司法書士相続登記、配偶者居住権設定登記、戸籍収集不動産名義変更や設定登記を進める場合
税理士相続税申告、評価、小規模宅地等、二次相続対策相続税申告が必要または必要性が不明な場合
行政書士争いのない書類整理、協議書作成支援紛争・税務・登記申請を除く範囲で整理する場合
不動産関連職鑑定、境界、分筆、売却実務評価争い、表示登記、相続不動産売却がある場合

家庭裁判所の遺産分割調停・審判では、配偶者の年齢、健康状態、生活資金、他の住居の有無、自宅の価額、預貯金、被相続人の意思、介護負担、遺留分などが複合的に考慮されます。争いがある場合は、早い段階で法律面と税務面を分けて整理します。

Section 10

配偶者居住権の実務チェックリストとよくある誤解

制度名だけで判断せず、成立・登記・税務・将来対応を確認します。

最後に、典型例、誤解、確認事項を一つの流れで点検します。次の判断の流れは、利用前に確認すべき観点を順番に並べたもので、上から順に確認することで、成立要件だけでなく税務・登記・将来対応の抜けを読み取れます。

利用前の最終確認

居住を守る必要が高いか

高齢配偶者、再婚家庭、前婚の子がいる家庭では重要度が高くなります。

▼
所有権取得より生活資金を残せるか

自宅評価額と預貯金のバランスを確認します。

▼
売却・建替え・施設入所の予定はあるか

近い将来の売却可能性が高い場合は慎重に検討します。

▼
協議書・遺言・登記・税務評価を整える

費用負担、第三者使用、終了時の扱いまで明文化します。

よくある誤解として、配偶者なら自動的に終身住める、登記なしでも家族間の合意があれば安心、節税になるから必ず使うべき、自宅を自由に貸せる、というものがあります。いずれも一般化はできず、制度の要件、登記、所有者の承諾、税務評価、将来の消滅方法を合わせて確認する必要があります。

Section 11

配偶者居住権とは住まいの保護と財産承継を両立する制度

生活・登記・税務の三つを同時に見て判断します。

配偶者居住権とは、残された配偶者が相続開始時に住んでいた被相続人所有の建物について、原則として終身または一定期間、無償で使用・収益できる権利です。制度の核心は、建物所有権と居住利益を分け、配偶者の暮らしと子などへの承継を両立しやすくすることにあります。

一方で、成立要件、遺産分割、遺言文言、登記、登録免許税、相続税評価、小規模宅地等の特例、固定資産税、修繕、第三者賃貸、施設入所、売却、遺留分、二次相続まで関係します。住まいを守る制度として使うほど、後日の消滅や管理まで見通した設計が重要です。

Reference

参考資料・根拠法令

公的資料・法令

  • 国税庁「配偶者居住権の概要」
  • 法務省「残された配偶者の居住権を保護するための方策が新設されます」
  • 法務省「相続に関するルールが大きく変わります」
  • e-Gov法令検索「民法」
  • e-Gov法令検索「不動産登記法」
  • 国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」
  • 法務局「配偶者居住権設定登記申請書記載例」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • 国税庁「No.4666 配偶者居住権等の評価」
  • 国税庁「相続税法における配偶者居住権等の評価の考え方」
  • 国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例」
  • 裁判所「遺産分割調停」