2σ Guide

相続税の税務調査は
自宅で行われるのか
当日の流れ

自宅調査になる理由、別の場所を相談できる場面、事前通知で確認すること、当日の時間帯別の動き、調査後の修正申告や更正への対応を、一般情報として整理します。

9,512件 令和6事務年度の実地調査
82.3% 実地調査の非違割合
21,969件 簡易な接触件数
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相続税の税務調査は 自宅で行われるのか 当日の流れ

自宅に来るかどうかだけでなく、制度、実務、対応の三層に分けて考えます。

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相続税の税務調査は 自宅で行われるのか 当日の流れ
自宅に来るかどうかだけでなく、制度、実務、対応の三層に分けて考えます。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 相続税の税務調査は 自宅で行われるのか 当日の流れ
  • 自宅に来るかどうかだけでなく、制度、実務、対応の三層に分けて考えます。

POINT 1

  • 相続税の税務調査は自宅で行われるのか全体像をつかむ
  • 自宅に来るかどうかだけでなく、制度、実務、対応の三層に分けて考えます。
  • 質問検査等を伴う調査
  • 資料が生活の場に残りやすい
  • 当日は順序立てて進む

POINT 2

  • 相続税の税務調査が自宅で行われる理由と別の場所を相談できる場合
  • 1. 事前通知の内容を記録:開始日時、場所、対象税目、対象期間、担当者名を確認します。
  • 2. 自宅対応が難しい合理的理由を整理:健康状態、遠方居住、売却済み、資料の所在、相続人間の対立などを具体化します。
  • 3. 代替場所と代替日を提示:税理士事務所、税務署、資料保管場所など、調査の目的を妨げない案を出します。
  • 4. 必要な範囲で自宅確認も調整:金庫や通帳保管場所の確認が必要な場合は、対象場所と時間を限定して対応を協議します。

POINT 3

  • 相続税の税務調査は実地調査と簡易な接触に分かれる
  • 自宅に来る実地調査だけでなく、文書、電話、来署依頼による接触もあります。
  • 相続税の税務調査というと、調査官が自宅に来る場面を想像しがちです。
  • しかし、国税庁の統計では、実地調査だけでなく「簡易な接触」も公表されています。
  • 次の割合の比較は、相続税の課税対象になる人の広がりと、実地調査に選ばれた場合の非違割合を並べて示しています。

POINT 4

  • 相続税の税務調査の事前通知で確認すべきこと
  • 1. 担当者と通知事項を記録:氏名、所属、税目、期間、予定場所、準備資料を控えます。
  • 2. 税理士へ共有:代理人がいる場合は連絡内容を共有し、税務署との窓口を整理します。
  • 3. 合理的理由があれば協議:入院、通院、介護、仕事上の重要予定、税理士の立会い不可、遠方居住などがある場合は代替日を複数示します。
  • 4. 資料準備に移る:申告書、取引明細、保険、不動産、贈与、債務、葬儀費用などを論点別に整理します。

POINT 5

  • 相続税の税務調査前に準備すべき資料
  • 申告書添付資料だけでなく、財産漏れや実質帰属を説明する資料を整理します。
  • 相続税調査で準備する資料は、申告書に添付した資料だけでは足りません。
  • 左の分類で資料を集め、右の論点を見ながら説明できる状態にしておくことが重要です。
  • 相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。

POINT 6

  • 相続税の税務調査当日の流れを時間帯別に確認する
  • 1. 確認したい対象を聞く:通帳、金庫、印鑑、郵便物など、何を確認したいのかを明確にします。
  • 2. 相続税との関連性を確認:相続財産、評価、名義預金、贈与、多額出金との関係を整理します。
  • 3. 税理士立会いのもとで提示:対象資料だけを取り出し、第三者情報や私物と混在しないようにします。
  • 4. コピーや預かりの範囲を記録:預けた原本がある場合は預り証を確認し、次回連絡予定もメモします。

POINT 7

  • 相続税の税務調査で問題になりやすい論点
  • 1. 出金日と金額を並べる:通帳や取引明細をもとに、日付順で一覧化します。
  • 2. 実際の支出として説明:医療費、介護費、生活費、施設費、葬儀準備費などを領収書で対応させます。
  • 3. 預り金や使途不明金を検討:現金として残っていた可能性や相続人取得、贈与の可能性を税理士と整理します。
  • 4. 生活水準との整合性を確認:全部生活費という説明が金額や生活実態に合うかを見直します。

POINT 8

  • 相続税の税務調査での受け答えと自宅で確認される範囲
  • 事実、記憶、推測、不明を分け、調査目的と関連する範囲で資料を提示します。
  • 事実、記憶、推測、不明を分ける
  • 資料や現物で確認できること
  • 時期や詳細に確認余地があること

まとめ

  • 相続税の税務調査は 自宅で行われるのか 当日の流れ
  • 相続税の税務調査は自宅で行われるのか全体像をつかむ:自宅に来るかどうかだけでなく、制度、実務、対応の三層に分けて考えます。
  • 相続税の税務調査が自宅で行われる理由と別の場所を相談できる場合:自宅、税理士事務所、税務署など、候補になる場所と判断材料を整理します。
  • 相続税の税務調査は実地調査と簡易な接触に分かれる:自宅に来る実地調査だけでなく、文書、電話、来署依頼による接触もあります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

相続税の税務調査は自宅で行われるのか全体像をつかむ

自宅に来るかどうかだけでなく、制度、実務、対応の三層に分けて考えます。

相続税の税務調査は、自宅で行われることがあります。特に、被相続人が最後に生活していた自宅、相続財産に関する資料が保管されている自宅、相続人が財産管理をしている自宅は、実地調査の場所として選ばれやすい場所です。ただし、法律上、相続税の税務調査が必ず自宅で行われると決まっているわけではありません。

税務調査では、原則として開始日時、開始場所、対象税目、対象期間などが事前に通知されます。合理的な理由がある場合には、調査日時の変更協議を求めることができ、場所についても調査の必要性、資料の所在、相続人の健康状態、税理士の立会い、相続人間の対立状況などを踏まえて調整されることがあります。

次の比較一覧は、相続税の税務調査を理解するための三つの見方を整理したものです。自宅に来るかどうかを単独で見るより、制度上の前提、相続税特有の実務、当日の対応を分けて読むことが重要です。

制度

質問検査等を伴う調査

相続税申告書の内容、無申告の有無、財産評価、名義預金、生前贈与、財産漏れなどを確認するため、国税局または税務署の担当職員が行う調査です。

実務

資料が生活の場に残りやすい

預貯金、現金、通帳、印鑑、金庫、相続関係資料、生活実態に関する情報が自宅に残ることが多く、自宅調査が合理的と判断される場合があります。

対応

当日は順序立てて進む

身分確認、相続人への質問、資料確認、金庫や通帳の所在確認、調査結果に向けた論点整理という順で進みやすいです。

次の重要ポイントは、この記事全体で押さえる結論を短くまとめたものです。自宅調査への不安がある場合も、調査の範囲と必要性を確認し、資料に基づいて回答する姿勢を読み取ってください。

自宅調査は固定ルールではなく、資料の所在と調査の必要性で決まります

対応の基本は、拒絶ではなく、調査対象と必要性を確認し、税理士の立会いのもとで正確に提示することです。分からないことは資料確認後に回答する形で整理します。

Section 01

相続税の税務調査が自宅で行われる理由と別の場所を相談できる場合

自宅、税理士事務所、税務署など、候補になる場所と判断材料を整理します。

通常の相続税調査と強制調査は性質が異なる

通常の相続税調査は、国税通則法に基づく質問検査等を伴う任意調査の枠組みで行われます。任意調査といっても単なる雑談ではなく、調査官には質問、検査、帳簿書類等の提示または提出を求める権限があります。正当な理由なく拒否したり、虚偽の回答をしたり、偽りの書類を提示したりした場合には、法令上の不利益が問題となる可能性があります。

一方で、通常の相続税調査では、調査官が無制限に家の中を捜索できるわけではありません。調査対象となる財産や書類について必要性がある場合、通帳、印鑑、金庫、貸金庫関係書類、証券会社資料、不動産関係資料などの提示を求められることがあります。

次の比較表は、相続税の税務調査で候補になりやすい場所と、その場所が選ばれる実務上の意味を整理しています。場所ごとの特徴を読むことで、自宅対応が必要な場合と、別の場所を相談しやすい場合の違いが分かります。

候補地選ばれやすい理由確認されやすい内容
被相続人が最後に住んでいた自宅財産の痕跡と生活実態を確認しやすい通帳、印鑑、金庫、郵便物、家計簿、資産メモ、現金や貴金属
相続人代表者の自宅財産管理者が資料を保管していることがある預貯金管理、家族名義口座、多額出金の使途、申告資料
税理士事務所資料が集約され、代理人の立会いがしやすい申告書、評価資料、取引明細、贈与資料、質問への整理回答
税務署または国税局来署依頼や簡易な接触で済む場合がある計算誤り、資料不足、限定的な確認事項
会社、事務所、倉庫事業承継案件などで帳簿や財産が置かれている事業用資産、非上場株式、貸付金、在庫、帳簿

自宅で行われやすい理由

相続税では、財産の痕跡が生活の場に残りやすい点が特徴です。法人税や所得税では帳簿や請求書が事務所に集まりやすいのに対し、相続税では通帳、印鑑、保険証券、証券会社の報告書、不動産の権利証、固定資産税課税明細書、金庫の鍵、現金、貴金属、過去の確定申告書、家計簿、贈与契約書、メモ類などが自宅に残っていることがあります。

次の注意要素の一覧は、自宅での確認が重要になりやすい論点をまとめたものです。どの要素も申告書の数字だけでは分かりにくいため、調査官が生活実態や資料の保管状況を確認する理由として読み取れます。

名義預金

誰が通帳や印鑑を管理していたか、入出金の原資は誰か、名義人本人が自由に使えたかが問題になります。

現金と貴金属

申告書にない現金、金地金、貴金属、商品券などが自宅に残っていないか確認されることがあります。

生活状況

生活費、介護費、医療費、入院費、葬儀費用、同居家族への資金移動が預金減少理由の説明材料になります。

資料の所在

古い通帳、取引報告書、保険会社の通知、固定資産税資料、貸金庫の利用資料が財産漏れの端緒になることがあります。

自宅以外での実施を相談しやすい場面

自宅以外での実施を求めたい場合は、単に自宅に来られるのが嫌だという理由ではなく、合理的な理由を明確にすることが重要です。被相続人の自宅を売却、解体、賃貸している場合、資料が税理士事務所に集約されている場合、高齢、病気、障害、介護などにより自宅対応が困難な場合、相続人間の対立で自宅に集まると紛争が拡大するおそれがある場合は、場所の協議をしやすい事情になります。

次の判断の流れは、別の場所を相談する前に確認したい順番を示しています。左から右へ進むのではなく、上から順番に理由と代替案を整理することで、感情的な拒否ではなく調査の円滑性を踏まえた相談にしやすくなります。

調査場所を相談するときの考え方

事前通知の内容を記録

開始日時、場所、対象税目、対象期間、担当者名を確認します。

自宅対応が難しい合理的理由を整理

健康状態、遠方居住、売却済み、資料の所在、相続人間の対立などを具体化します。

代替場所と代替日を提示

税理士事務所、税務署、資料保管場所など、調査の目的を妨げない案を出します。

必要な範囲で自宅確認も調整

金庫や通帳保管場所の確認が必要な場合は、対象場所と時間を限定して対応を協議します。

Section 02

相続税の税務調査は実地調査と簡易な接触に分かれる

自宅に来る実地調査だけでなく、文書、電話、来署依頼による接触もあります。

相続税の税務調査というと、調査官が自宅に来る場面を想像しがちです。しかし、国税庁の統計では、実地調査だけでなく「簡易な接触」も公表されています。簡易な接触とは、文書、電話による連絡、来署依頼による面接などにより、申告漏れや計算誤り等がある申告を是正するなどの接触をいいます。

次の表は、令和6事務年度の相続税調査に関する主な数字を整理したものです。件数と割合を分けて読むことで、実地調査の対象に選ばれた時点で確認事項があること、全件が自宅で調査されるわけではないことが分かります。

項目令和6事務年度の数字読み取り方
相続税の実地調査件数9,512件調査官が資料や実態を直接確認する調査です。
実地調査の非違件数7,826件実地調査対象の中で申告漏れ等が把握された件数です。
実地調査の非違割合82.3%申告者全体の誤り率ではなく、選定された調査対象における割合です。
実地調査の追徴税額合計824億円本税と加算税などを含む追徴税額の規模を示します。
簡易な接触件数21,969件文書、電話、来署依頼などによる確認も多く行われています。
簡易な接触の非違件数5,796件実地調査以外でも計算誤りや申告漏れが是正されることがあります。
簡易な接触の追徴税額合計138億円自宅調査でなくても税額修正につながる場合があります。

次の割合の比較は、相続税の課税対象になる人の広がりと、実地調査に選ばれた場合の非違割合を並べて示しています。数値の大きさだけで不安を膨らませるのではなく、母集団の違いを読み取ることが重要です。

実地調査の非違割合
82.3%
相続税の課税割合
10.4%
非違割合は実地調査対象の中の割合であり、相続税申告者全体または相続全体の割合ではありません。

令和6年分の相続税申告事績では、被相続人数は1,605,378人、相続税の申告書の提出に係る被相続人数は166,730人、課税割合は10.4%とされています。相続税は一部の資産家だけの税金ではなくなりつつありますが、それでも全件が自宅で実地調査されるわけではありません。

Section 03

相続税の税務調査の事前通知で確認すべきこと

初回連絡では実質的な説明を急がず、手続情報を正確に記録します。

誰に連絡が来るのか

相続税申告を税理士に依頼し、税務代理権限証書が提出されている場合、通常は税理士にも調査の連絡が入ります。税理士法上の書面添付制度を利用している場合には、実地調査の事前通知の前に、税務代理権限証書を提出している税理士に対して、添付書面の記載事項に関する意見陳述の機会が与えられることがあります。ただし、書面添付があるからといって必ず調査が省略されるわけではありません。

次の確認表は、税務署から連絡を受けたときに記録すべき事項をまとめたものです。どの項目も、後日の資料準備、場所変更の相談、税理士との連携に直結するため、聞き漏れを防ぐ目的で読み取ってください。

確認事項実務上の意味
担当職員の氏名、所属、連絡先なりすまし防止と連絡経路の確定につながります。
調査の対象税目通常は相続税ですが、贈与税や所得税に波及することもあります。
調査対象期間相続開始前後の預金移動や贈与の範囲を整理します。
調査開始日時相続人、税理士、必要資料の都合を合わせます。
調査場所自宅、税理士事務所、税務署などの候補を確認します。
準備資料通帳、証券、保険、不動産、贈与、債務、葬儀費用などを把握します。
調査目的や主な確認事項可能な範囲で論点を把握します。
税理士への通知状況代理人がいる場合の連携を確認します。

初回電話で避けたいこと

税務署から調査の連絡を受けたら、慌てて実質的な説明を始めるのではなく、まず手続情報を正確に記録します。資料を見ずに「たぶん贈与です」「現金は全部使いました」などと断定すると、後日資料と整合しない場合に説明の信用性を下げます。初回連絡では、税理士に確認して折り返す、資料を確認したうえで回答する、と整理することが望ましいです。

次の時系列は、連絡を受けてから調査日を固めるまでの実務的な順番を示しています。各段階で何を先に行うかを読み取ることで、場当たり的な説明を避けやすくなります。

初回連絡

担当者と通知事項を記録

氏名、所属、税目、期間、予定場所、準備資料を控えます。

同日中

税理士へ共有

代理人がいる場合は連絡内容を共有し、税務署との窓口を整理します。

日程調整

合理的理由があれば協議

入院、通院、介護、仕事上の重要予定、税理士の立会い不可、遠方居住などがある場合は代替日を複数示します。

確定後

資料準備に移る

申告書、取引明細、保険、不動産、贈与、債務、葬儀費用などを論点別に整理します。

単なる先延ばしや資料整理のための過度な延期は、調査官に不信感を与える場合があります。変更を求める場合は、代替日を複数提示し、必要資料の準備状況を説明することが重要です。

Section 04

相続税の税務調査前に準備すべき資料

申告書添付資料だけでなく、財産漏れや実質帰属を説明する資料を整理します。

相続税調査で準備する資料は、申告書に添付した資料だけでは足りません。調査官は、申告書に記載された財産が正しいかだけでなく、申告書に記載されていない財産がないか、評価方法が適切か、家族名義の財産の実質帰属がどうかを確認します。

次の表は、相続税の税務調査前にそろえる基本資料と、それぞれがどの論点に関係するかを整理しています。左の分類で資料を集め、右の論点を見ながら説明できる状態にしておくことが重要です。

分類具体例確認される主な論点
申告関係相続税申告書控え、添付資料、財産評価明細申告内容の出発点
相続関係戸籍、法定相続情報一覧図、遺言書、遺産分割協議書相続人、取得割合、遺産分割の整合性
預貯金被相続人と相続人の通帳、残高証明、取引明細名義預金、生前引出し、現金化
有価証券証券会社残高証明、取引報告書、配当通知上場株式、投信、非上場株式、評価漏れ
保険保険証券、支払通知、契約者変更資料死亡保険金、契約者と保険料負担者
不動産固定資産税課税明細、登記事項証明書、測量図、賃貸借契約評価、貸付状況、小規模宅地等の特例
債務借入金残高、未払医療費、未払税金債務控除の適否
葬儀費用請求書、領収書、香典帳控除できる葬式費用の範囲
贈与贈与契約書、贈与税申告書、振込記録生前贈与、暦年贈与、相続時精算課税
生活関係家計簿、介護費記録、医療費領収書預金減少理由、生活費支出の妥当性

相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。申告書の提出先は、原則として被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署であり、相続人の住所地の税務署ではありません。申告期限までに申告しなかった場合や、実際に取得した財産の額より少ない額で申告した場合には、加算税や延滞税がかかる場合があります。

次の一覧は、自宅調査で特に整理しておくと説明がしやすい資料と保管状況をまとめています。調査対象資料と私物を分けることで、調査が長引くことや説明が曖昧になることを避けやすくなります。

1

通帳と取引明細

原本とコピーを分け、被相続人、配偶者、子、孫など名義ごとに時系列で整理します。

預貯金
2

印鑑と保管場所

銀行届出印、実印、認印の所在と、誰が管理していたかを説明できるようにします。

管理状況
3

金庫と保管箱

金庫、貸金庫、保管箱の鍵、利用記録、保管資料を整理し、対象外の私物と分けます。

自宅確認
4

金融機関などからの郵便物

生命保険会社、証券会社、不動産会社、金融機関からの通知を集め、申告財産との対応を確認します。

財産漏れ
5

贈与と借入れの資料

贈与契約書、借用書、返済記録、振込記録をそろえ、原資と管理支配を説明できるようにします。

贈与
6

医療、介護、葬儀費用

病院、介護施設、葬儀社の請求書や領収書を、多額出金の使途説明と結び付けて整理します。

支出説明
注意調査前に資料を捨てたり、通帳やメモを隠したりしないことが重要です。申告漏れの可能性がある資料を見つけた場合は、税理士に連絡し、修正申告の要否、説明方針、証拠の整理を検討します。
Section 05

相続税の税務調査当日の流れを時間帯別に確認する

午前は聴き取り、午後は資料確認、夕方は追加資料と今後の予定確認に進みやすいです。

相続税調査の当日の流れは、事案の規模、相続人の人数、資料量、調査官の人数によって異なります。ただし、典型的には午前に聴き取り、午後に資料確認や現物確認を行い、夕方に今後の手続を確認する構成になりやすいです。

次の時系列は、自宅または指定場所で行われる相続税調査の典型的な一日の進み方を示しています。時間帯ごとに調査官が何を確認し、相続人側が何を記録すべきかを読み取ることが重要です。

9時30分から10時

到着、身分確認、調査開始

身分証明書と質問検査章を確認し、対象税目、対象期間、予定時間、出席者、録音やメモの扱いを確認します。

10時から12時

家族関係、財産形成、管理状況の聴き取り

同居状況、職業、収入、預金管理、生前贈与、現金、医療介護費、不動産、海外資産などを質問されやすい時間帯です。

12時から13時

昼休憩

午前中に出た質問、未回答事項、午後に確認されそうな資料を税理士と整理します。記憶が曖昧なことを雑談で断定しないよう注意します。

13時から15時

資料確認、通帳、金庫、印鑑、現物の確認

通帳原本、取引明細、銀行印、金庫、貸金庫関係資料、証券会社資料、保険証券、不動産資料などを確認します。

15時から16時30分

疑問点の確認、追加資料依頼

多額出金、家族名義口座、葬儀費用の支払者、収入と預金増減、不動産賃料、非上場株式などの追加確認が行われます。

16時30分から17時

当日の終了確認

主な論点、未回答事項、追加提出資料、コピーされた資料、預けた原本、預り証、次回連絡予定を記録します。

午前中の聴き取りでは、家族名義の財産と預金引出しが特に重要です。相続開始前に多額の現金が引き出されている場合、医療費、介護費、生活費、葬儀準備費、リフォーム費など合理的な支出があれば、領収書やメモで説明します。

次の表は、当日質問されやすい分野と、調査官が確認している実務上の視点をまとめたものです。質問文だけを見るのではなく、右列の論点と結び付けて準備することが重要です。

質問分野典型的な質問調査官が見ている点
家族関係被相続人と同居していた人は誰か財産管理者、生活費負担者
職業、収入被相続人の勤務先、役員歴、不動産所得はあるか資産形成能力
預金管理通帳、印鑑、払戻し手段を誰が保管していたか名義預金、代理出金
生前贈与子や孫への贈与はあったか贈与税申告、生前贈与加算
現金死亡時に自宅現金はいくらあったかタンス預金、引出金の使途
医療、介護入院費や介護費は誰が払ったか預金減少理由、相続人立替金
保険保険料は誰が払っていたかみなし相続財産、契約者名義
不動産賃貸、空き家、利用状況はどうか評価、特例、収益帰属
海外資産海外口座、外国証券、国外居住歴はあるか国外財産、情報交換制度
家族名義財産配偶者や子名義の預金の原資は何か実質所有者

午後の資料確認では、何を確認したいのか、相続税調査との関連性はどこにあるかを確認したうえで、税理士の立会いのもとで提示します。私物や第三者情報が混在する場合は、対象資料を切り分けて提示し、コピーや預かりが必要な場合は対象、範囲、預り証を確認します。

次の判断の流れは、資料や保管場所の確認を求められた場面での対応順序を示しています。無限定に開示するか拒否するかの二択ではなく、必要性と範囲を確かめながら提示する流れを読み取ってください。

資料確認を求められたときの対応順序

確認したい対象を聞く

通帳、金庫、印鑑、郵便物など、何を確認したいのかを明確にします。

相続税との関連性を確認

相続財産、評価、名義預金、贈与、多額出金との関係を整理します。

税理士立会いのもとで提示

対象資料だけを取り出し、第三者情報や私物と混在しないようにします。

コピーや預かりの範囲を記録

預けた原本がある場合は預り証を確認し、次回連絡予定もメモします。

Section 06

相続税の税務調査で問題になりやすい論点

名義預金、生前贈与、多額出金、不動産評価、海外資産は資料と実態の両方で説明します。

相続税調査では、申告書に記載された金額だけでなく、財産の実質的な帰属、贈与の成立、出金の使途、評価方法の適否が確認されます。口座名義や契約書の有無だけで結論が決まるとは限らず、管理状況、原資、利用実態を含めて整理する必要があります。

次の注意要素の一覧は、相続税の税務調査で特に問題になりやすい論点を並べたものです。各項目で何が疑問視されやすいかを確認し、資料で説明できる点と後日確認が必要な点を分けて読むことが重要です。

名義預金

口座名義ではなく実質所有者が問題になります。原資、管理者、受贈者の認識、自由に使える状態だったかを資料で説明します。

生前贈与

贈与契約書、贈与税申告、振込記録、受贈者の認識、贈与後の管理支配が確認されます。

死亡前の多額出金

医療費、介護費、生活費、葬儀準備費など実際に支出したもの、預り金、使途不明金に分けて説明します。

不動産評価

土地評価、家屋評価、貸付状況、利用区分、小規模宅地等の特例、相続税評価と時価の違いが確認されます。

海外資産

海外口座、外国証券、海外保険、国外不動産、送金履歴、為替換算、所有者や受益者を整理します。

名義預金

名義預金の本質は、口座名義ではなく実質所有者です。口座名義人が通帳や印鑑を管理していなかった、入金原資が被相続人の収入や預金から出ている、名義人が自由に出金や利用をしていなかった、贈与契約書や贈与税申告書がない、受贈者の認識がない、といった事情があると、被相続人の財産と判断されるリスクが高まります。

生前贈与と相続時精算課税

生前贈与は、相続税調査で必ず確認されるテーマです。相続税申告では、相続や遺贈で取得した財産に加え、一定の生前贈与財産や相続時精算課税適用財産が課税関係に影響します。単に毎年110万円以下を移していたというだけでは安全とはいえず、贈与者と受贈者の合意、財産移転、受贈者の管理支配が重要です。

死亡前の多額出金と現金

死亡前に大きな預金引出しがあると、調査官は使途を確認します。入院前、介護施設入所前、認知症進行後、死亡直前の引出しは特に注目されます。医療費、介護費、生活費、葬儀準備費などを領収書で説明できるもの、相続人が預かっていたもの、使途不明のものに分類し、時系列で整理します。

次の判断の流れは、多額出金を説明するときの分類順序を示しています。支出、預り、使途不明を混ぜずに整理することで、現金残高、贈与、相続人取得の可能性を検討しやすくなります。

多額出金の使途整理

出金日と金額を並べる

通帳や取引明細をもとに、日付順で一覧化します。

支出資料あり
実際の支出として説明

医療費、介護費、生活費、施設費、葬儀準備費などを領収書で対応させます。

支出資料なし
預り金や使途不明金を検討

現金として残っていた可能性や相続人取得、贈与の可能性を税理士と整理します。

生活水準との整合性を確認

全部生活費という説明が金額や生活実態に合うかを見直します。

不動産評価と海外資産

相続財産に不動産がある場合、被相続人が実際にその不動産に居住していたか、同居親族がいたか、事業や貸付に使われていたかなどが確認されることがあります。土地の形状、道路付け、利用状況、賃貸借の有無、私道、セットバック、境界不明、無道路地、不整形地などの評価論点がある場合は、不動産鑑定士、土地家屋調査士、司法書士、不動産会社の資料も重要です。

海外資産については、共通報告基準に基づく非居住者金融口座情報などの情報交換制度が活用されることがあります。海外口座、外国証券、海外保険、国外不動産、外国法人持分、国外居住の相続人がいる場合には、国内資料だけでなく海外金融機関の明細、為替換算、所有者、受益者、送金履歴を整理します。

Section 07

相続税の税務調査での受け答えと自宅で確認される範囲

事実、記憶、推測、不明を分け、調査目的と関連する範囲で資料を提示します。

事実、記憶、推測、不明を分ける

税務調査では正確な回答が求められますが、相続人が被相続人のすべての財産管理を知っているとは限りません。通帳が金庫に保管されていたことは事実、母が管理していたという説明は記憶、父が生活費に使ったという説明は推測、把握していないことは不明として、回答の種類を分けることが重要です。

次の比較一覧は、回答を四つに分ける考え方をまとめています。後で資料と照合したときに矛盾を生まないため、どの言い方が資料で裏付けられるかを読み取ってください。

事実

資料や現物で確認できること

「通帳はこの金庫に保管されていました」のように、確認可能な事実として答えます。

記憶

時期や詳細に確認余地があること

「母が管理していたと記憶していますが、時期は資料で確認します」のように限定します。

推測

資料で裏付ける前の見込み

「生活費に使ったと思いますが、領収書を確認します」のように推測だと明示します。

不明

把握していないこと

「私は把握していません。関係者に確認します」とし、知っているように答えないことが大切です。

説明をそろえるのではなく、事実をそろえる

相続人間で「こう答えよう」と口裏合わせをすることは避けるべきです。必要なのは、客観資料に基づく事実整理です。相続人間で争いがある場合も、税務調査の場で遺産分割紛争、使い込み疑い、寄与分、特別受益、遺留分を一気に解決しようとしないことが重要です。税務調査は税額を確認する手続であり、相続人間の民事紛争を裁く場ではありません。

自宅で見られやすいもの

相続税調査で見られやすいものは、相続財産またはその端緒となるものです。被相続人の通帳、古い通帳、解約済み口座の資料、銀行印、実印、印鑑ケース、金庫、鍵付き引出し、貸金庫の利用資料、金融機関の通知、証券会社や保険会社からの郵便物、不動産の権利証、登記識別情報、固定資産税資料、現金、商品券、金地金、貴金属、贈与契約書、借用書、返済予定表、手帳、家計簿、資産メモなどです。

次の比較表は、自宅で確認されやすいものと、無制限に見られるわけではないものを分けています。調査目的との関連性を確認し、対象資料を切り分けて提示する考え方を読み取ってください。

区分対応の考え方
相続財産に関連する資料通帳、取引明細、保険証券、不動産資料、金庫内の書類必要性と範囲を確認し、税理士立会いのもとで提示します。
財産漏れの端緒になる資料古い通帳、金融機関の通知、資産メモ、貸金庫の利用資料申告財産との対応を確認し、説明できる状態にします。
第三者情報や私物調査対象外の家族資料、業務上の秘密情報、私生活情報相続税調査との関連を確認し、対象資料だけを取り出して提示します。
後日確認が必要な事項記憶が曖昧な贈与、現金の使途、相続人間で認識が違う管理状況その場で断定せず、資料確認後に回答します。

調査官の質問は、遠回りに見えても意味があります。「几帳面でしたか」「通帳はどこに置いていましたか」「配偶者は銀行に一人で行けましたか」「孫は贈与を知っていましたか」といった質問は、名義預金、贈与の有効性、財産管理者、意思能力、多額出金の使途に関係します。税理士の立会いがあると、質問がどの論点に向かっているかを把握し、資料に基づく説明へ整理しやすくなります。

Section 08

相続税の税務調査終了後の流れと修正申告への対応

問題なし、修正申告の勧奨、更正または決定、不服申立ての選択肢を確認します。

税務調査の結果、申告内容に誤りが認められない場合や申告義務がないと認められる場合には、その旨が書面により通知されます。ただし、後日、新たに得られた情報に照らし非違があると認められる場合には、改めて税務調査が行われることがあります。調査が終わった後も、関連資料は保存しておくことが重要です。

次の判断の流れは、調査終了後に想定される手続を示しています。修正申告を急ぐ前に、指摘内容、法的根拠、金額、証拠関係、重加算税の可能性、不服申立ての余地を確認することが読み取りの中心です。

調査結果後の手続

調査結果の説明

誤りの有無、指摘内容、金額、理由、追加資料の必要性を確認します。

誤りなし
書面通知

更正または決定をすべきと認められない場合は、その旨が通知されます。

誤りあり
修正申告等の勧奨

納得できるか、証拠と計算を税理士と検討します。

納得できない場合の検討

更正または決定を受けたうえで、再調査の請求や審査請求を検討する選択肢があります。

修正申告は、納税者が自ら申告内容を修正する手続です。いったん修正申告をすると、その修正申告そのものについて不服申立てをすることはできませんが、更正の請求はできると説明されます。指摘内容に納得できない場合には、修正申告を急がず、更正または決定を受けたうえで不服申立てを検討する選択肢があります。

税務署長が更正または決定の処分を行うことができる期間は、原則として法定申告期限から5年間です。偽りや不正の行為により税額を免れた場合などには7年間とされます。処分に不服があるときは、処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内に、税務署長等に対する再調査の請求、または国税不服審判所長に対する審査請求を選択できます。さらに一定の場合には訴訟に進むこともあります。

確認当日に修正申告を示唆されても、すぐに署名、押印、提出をする必要があるとは限りません。指摘内容と根拠資料を確認し、税理士や必要に応じて弁護士等の専門家と検討することが大切です。
Section 09

相続税の税務調査に対応する専門職の役割

中心は税理士ですが、相続案件では登記、紛争、不動産評価、会社評価も絡みます。

相続税調査は税務の問題であるため、中心となる専門職は税理士です。ただし、相続案件では、税務、登記、民事紛争、不動産評価、会社評価が絡むため、複数の専門職の役割を理解する必要があります。

次の表は、相続税の税務調査と周辺手続で関わる専門職の役割を整理したものです。税務調査そのものの窓口と、相続人間の紛争、登記、評価、会社財務などの相談先を分けて読むことが重要です。

専門職税務調査との関係典型的な役割
税理士中核相続税申告、税務代理、調査立会い、修正申告対応
弁護士紛争、権利救済遺産分割、遺留分、使い込み疑い、不服申立て、訴訟対応
司法書士登記、戸籍、裁判所書類相続登記、戸籍収集、登記関係資料の整理
不動産鑑定士評価不動産時価、遺産分割評価、特殊不動産の評価意見
土地家屋調査士境界、表示登記分筆、境界確認、地積更正、建物表題関係
公認会計士会社、株式非上場株式、会社財務、事業承継
行政書士書類作成紛争、税務、登記申請を除く相続関係書類の整理
FP全体設計資金繰り、保険、納税資金、専門家への橋渡し

不動産がある相続では、税務調査とは別に相続登記の手続も重要です。相続人は不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが法律上の義務になり、正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。相続登記の義務化は令和6年4月1日から始まっています。

相続税申告と相続登記は別の制度です。相続税の申告期限は原則10か月、相続登記は不動産取得を知った日から3年以内です。税務調査への対応で登記が遅れている場合は、司法書士と連携して登記期限も管理する必要があります。

Section 10

相続税の税務調査を自宅で受ける場合の実務チェックリスト

連絡を受けた日から調査後まで、段階ごとに確認します。

自宅調査は、準備不足で臨むと不安が大きくなります。資料整理、専門家の立会い、正確な回答方針があれば、制度に沿って冷静に対応しやすくなります。

次の時系列は、調査連絡を受けた日から調査後までの実務チェックを段階ごとにまとめています。順番に確認することで、当日だけでなく前日準備や調査後の回答期限まで管理しやすくなります。

調査連絡を受けた日

通知事項を記録し、税理士へ連絡

担当職員の氏名、所属、電話番号、税目、対象期間、開始日時、場所を記録し、その場で実質的な説明をしすぎないようにします。

調査1週間前まで

申告書と資料を時系列で整理

通帳、残高証明、取引明細、家族名義口座、多額出金、贈与、保険、不動産、証券、債務、葬儀費用を確認します。

調査前日

調査用の部屋と資料を整える

対象資料を一か所にまとめ、私物や第三者情報と分け、税理士と回答方針や不明点の扱いを確認します。

調査当日

身分確認、回答メモ、資料範囲を記録

身分証明書と質問検査章を確認し、推測を断定せず、追加資料依頼、コピーや預かり資料、預り証、今後の予定を記録します。

調査後

未回答事項と指摘内容を整理

回答期限、追加資料、法的根拠、計算、修正申告か更正か、重加算税の主張、相続人間紛争への対応を確認します。

最後に重要なのは、初回連絡で慌てて説明しないこと、税理士に早期相談して資料を時系列で整理すること、自宅調査では対象資料と私物を分けること、事実、記憶、推測、不明を分けて回答すること、修正申告を急がず指摘内容の根拠と金額を確認することです。

Section 11

相続税の税務調査と自宅調査のよくある質問

一般的な制度説明として整理します。個別の見通しは資料や事情によって変わります。

Q1. 相続税の税務調査は必ず自宅に来ますか。

一般的には、必ず自宅に来る制度ではないとされています。文書、電話、来署依頼による簡易な接触で終わる場合もあり、実地調査でも税理士事務所や税務署で行われることがあります。ただし、相続財産や資料が自宅にある場合、被相続人の最後の自宅や相続人代表者の自宅が調査場所になる可能性があります。具体的な場所の見通しは、資料の所在や調査目的を踏まえて税理士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 自宅に来られたくない場合は断れますか。

一般的には、単に嫌だという理由で一方的に断る対応は適切ではないとされています。ただし、資料を税理士事務所に集約している、高齢や病気で対応が困難、自宅が売却済み、相続人間の対立が深刻といった事情がある場合は、調査場所や日時について協議を求める余地があります。具体的な伝え方や代替案は、資料を整理したうえで税理士等の専門家へ相談する必要があります。

Q3. 調査官はタンスや引き出しを勝手に開けますか。

一般的には、通常の税務調査は無制限の捜索ではないとされています。調査官が相続税に関連する資料や現金の確認を求める場合には、相続人側が対象を確認し、必要な範囲で提示する対応になります。ただし、金庫、通帳保管場所、被相続人の書類棚など、相続財産に関連する場所は確認を求められる可能性があります。個別の範囲判断は、調査目的や資料の内容によって変わるため、税理士等へ相談する必要があります。

Q4. 相続人全員が立ち会う必要がありますか。

一般的には、相続人全員の立会いが必須とは限らないとされています。財産管理をしていた相続人、同居していた相続人、申告内容を説明できる相続人、税理士の出席が重要になります。ただし、相続人ごとに取得財産や認識が異なる場合、後日個別に質問される可能性があります。誰が出席するかは、財産管理の実態や相続人間の状況を踏まえて専門家に確認する必要があります。

Q5. 税理士を途中から依頼できますか。

一般的には、相続税申告後に税務調査の連絡を受け、調査対応から税理士に依頼することもあります。ただし、調査日が迫っている場合は資料把握に時間がかかるため、早めに相談する必要があります。依頼できるか、どの範囲を任せるか、既存資料をどう整理するかは、事案の規模や調査予定日によって変わります。

Q6. 調査当日に修正申告を求められたらどう考えればよいですか。

一般的には、その場で直ちに提出しなければならないとは限らないとされています。指摘内容、金額、理由、証拠、加算税の扱いを確認し、税理士と検討する必要があります。修正申告をすると、その修正申告について不服申立てはできませんが、更正の請求はできると説明されます。納得できない場合の選択肢は、事実関係や証拠によって変わるため、専門家に相談する必要があります。

Q7. 相続税調査で弁護士は必要ですか。

一般的には、税務申告や税務代理の中心は税理士とされています。ただし、相続人間の争い、使い込み疑い、遺留分侵害額請求、遺産分割調停、不服申立て、税務訴訟が関係する場合は、弁護士の関与が重要になる可能性があります。どの専門職へ相談するかは、税務上の説明と民事上の主張が矛盾しないよう、資料と争点を整理したうえで判断する必要があります。

Reference

この記事の参考資料

公的機関の資料名を中心に整理しています。

国税庁資料

  • 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
  • 国税庁「税務手続について 近年の国税通則法等の改正も踏まえて」
  • 国税庁「税務調査手続に関するFAQ 一般納税者向け」
  • 国税庁「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」
  • 国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」
  • 国税庁「税理士制度のQ&A」

登記関連資料

  • 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」