2σ Guide

最も認定されやすい
後遺障害等級はどれか

公的統計上は14級が最多です。ただし、実務上中心になりやすい14級9号は、自動的に認められる等級ではありません。12級との境界と資料の一貫性を整理します。

56.03%2023年度の14級構成比
20,205件2023年度の14級認定件数
224万円12級の自賠責限度額
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最も認定されやすい 後遺障害等級はどれか

公的統計上は14級が最多です。

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最も認定されやすい 後遺障害等級はどれか
公的統計上は14級が最多です。
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  • 最も認定されやすい 後遺障害等級はどれか
  • 公的統計上は14級が最多です。

POINT 1

  • 後遺障害等級で最も認定件数が多いのは14級
  • 件数最多という統計上の答えと、実務で問題になりやすい14級9号を分けて整理します。
  • 交通事故の 後遺障害等級について「最も認定されやすい等級」を考えるときは、まず言葉の意味を分ける必要があります。
  • 公的統計で明確にいえるのは、等級別の認定件数として最も多いのは14級だという点です。
  • 2023年度統計では、後遺障害認定36,062件のうち14級が20,205件で、56.03%を占めています。

POINT 2

  • 後遺障害等級の統計では14級が3年連続で過半数
  • 2021年度から2023年度の14級構成比を並べると、14級が最多という結論は安定しています。
  • 公的統計で答えるなら、14級が最多という結論は明白です。
  • 直近3年度では、後遺障害認定総数が減少していても、14級の構成比は56%前後で推移しています。
  • 構成比が3年続けて過半数で安定している点を読み取ることが重要です。

POINT 3

  • 14級9号が後遺障害等級の中心類型になりやすい理由
  • 14級9号は、残存痛、しびれ、感覚異常、頭痛、めまいなどを扱う広い神経症状類型です。
  • 14級9号は「局部に神経症状を残すもの」です。
  • 症状名そのものよりも、事故後から症状固定まで一貫して説明できるかを確認するために重要です。
  • 頚椎捻挫、腰椎捻挫、打撲などの後に残る痛みが典型的な争点になります。

POINT 4

  • 後遺障害等級14級9号と12級の境界
  • 12級か14級かで、自賠責の限度額や慰謝料等、立証の重さが大きく変わります。
  • 14級は頻出だからこそ、安易に決めつけない
  • 14級9号が認定されるかだけでなく、14級にとどまるのか、12級相当まで評価されるのかも重要です。
  • 12級と14級は、神経症状の医学的な証明の強さや補償額に違いがあります。

POINT 5

  • 後遺障害等級14級9号は件数最多でも立証が楽とはいえない
  • 1. 初診記録と画像検査:救急受診記録、初診時カルテ、診断書、画像検査は、症状が後から出たように見えないための基礎資料になります。
  • 2. 症状固定までの継続記録:痛みやしびれ、検査、治療の一貫性が見られます。
  • 3. 後遺障害診断書の精度:痛みの部位、頻度、しびれ範囲、可動域、神経学的所見、生活や就労への影響が重要です。
  • 4. 事故資料と因果関係資料:交通事故証明書、人身事故扱いの記録、事故発生状況報告書などで、どの事故でどのように受傷したかを結びます。

POINT 6

  • 後遺障害等級認定の手続は事前認定、被害者請求、異議申立で分かれる
  • 1. 症状固定を医師が判断:後遺障害診断書の作成が検討されます。
  • 2. 請求方法を検討:事前認定か被害者請求かで資料準備の主導権が変わります。
  • 3. 被害者請求:診断書、画像、事故資料を整理して直接請求します。
  • 4. 事前認定:任意保険会社が資料を取りまとめる形で進むことがあります。
  • 5. 不服がある場合:異議申立では、主張を裏付ける新たな資料の有無が重要です。

POINT 7

  • 後遺障害等級14級9号でよくある誤解
  • 14級9号をめぐる典型的な誤解を、一般的な制度説明として整理します。
  • むち打ちなら自動的に14級9号になりますか
  • MRIが正常なら後遺障害は認められませんか
  • 症状固定後も治療費は当然に出ますか

まとめ

  • 最も認定されやすい 後遺障害等級はどれか
  • 後遺障害等級で最も認定件数が多いのは14級:件数最多という統計上の答えと、実務で問題になりやすい14級9号を分けて整理します。
  • 後遺障害等級の統計では14級が3年連続で過半数:2021年度から2023年度の14級構成比を並べると、14級が最多という結論は安定しています。
  • 14級9号が後遺障害等級の中心類型になりやすい理由:14級9号は、残存痛、しびれ、感覚異常、頭痛、めまいなどを扱う広い神経症状類型です。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

後遺障害等級で最も認定件数が多いのは14級

件数最多という統計上の答えと、実務で問題になりやすい14級9号を分けて整理します。

交通事故の後遺障害等級について「最も認定されやすい等級」を考えるときは、まず言葉の意味を分ける必要があります。公的統計で明確にいえるのは、等級別の認定件数として最も多いのは14級だという点です。

2023年度統計では、後遺障害認定36,062件のうち14級が20,205件で、56.03%を占めています。2021年度56.81%、2022年度56.48%、2023年度56.03%と、3年続けて過半数で推移しています。

結論公的統計上は14級が最多です。実務上は、14級の中でも14級9号「局部に神経症状を残すもの」が中心類型として問題になりやすいと整理できます。

次の比較表は、検索でよく混同される3つの問いを分けたものです。何を知りたいのかを分けることが重要で、表では左列の問いに対して、右列で統計上または実務上の答えを確認できます。

問いの意味正確な答え
公的統計で最も認定件数が多い後遺障害等級14級
実務上、最も頻出しやすい具体的類型14級9号(局部に神経症状を残すもの)
14級9号は最も簡単に認定されるか件数最多と立証容易性は別問題
Section 01

後遺障害等級の統計では14級が3年連続で過半数

2021年度から2023年度の14級構成比を並べると、14級が最多という結論は安定しています。

公的統計で答えるなら、14級が最多という結論は明白です。直近3年度では、後遺障害認定総数が減少していても、14級の構成比は56%前後で推移しています。

次の表は、後遺障害認定総数、14級認定件数、14級構成比を年度ごとに並べたものです。構成比が3年続けて過半数で安定している点を読み取ることが重要です。

年度後遺障害認定総数14級認定件数14級構成比
2021年度42,980件24,417件56.81%
2022年度37,728件21,310件56.48%
2023年度36,062件20,205件56.03%

次の縦の比較グラフは、3年度の14級構成比を高さで示しています。高さがほぼ同じであることから、14級が一時的に多いのではなく、後遺障害認定の中で安定して多数を占めていることを確認できます。

56.81%
2021年度
56.48%
2022年度
56.03%
2023年度

2023年度の系列別構成比では「精神・神経症状」が40.6%、「併合・相当」が40.7%です。精神・神経症状系列は高水準で推移しており、14級9号を理解するうえでも重要です。

Section 02

14級9号が後遺障害等級の中心類型になりやすい理由

14級9号は、残存痛、しびれ、感覚異常、頭痛、めまいなどを扱う広い神経症状類型です。

14級9号は「局部に神経症状を残すもの」です。14級の他の号が部位損傷や外貌、歯牙、指趾など比較的限定された障害を扱うのに対し、9号は交通事故後に残る痛みやしびれを受け止める広い類型です。

次の一覧は、14級9号で問題になりやすい症状や資料上の見方を整理したものです。症状名そのものよりも、事故後から症状固定まで一貫して説明できるかを確認するために重要です。

頚部痛、背部痛、腰痛

頚椎捻挫、腰椎捻挫、打撲などの後に残る痛みが典型的な争点になります。

神経症状

上肢や下肢のしびれ

画像上の明確な器質的損傷が乏しくても、診察所見や経過の整合性が問題になります。

一貫性

頭痛、めまい、感覚異常

首や頭部の外傷後に残る症状として、診療経過や他科所見との関係が見られます。

精査

14級9号は「痛いと言えば通る等級」ではありません。軽度の後遺神経症状を、労働能力への影響と医学的整合性の観点から整理した類型です。

Section 03

後遺障害等級14級9号と12級の境界

12級か14級かで、自賠責の限度額や慰謝料等、立証の重さが大きく変わります。

14級9号が認定されるかだけでなく、14級にとどまるのか、12級相当まで評価されるのかも重要です。12級と14級は、神経症状の医学的な証明の強さや補償額に違いがあります。

次の比較表は、自賠責の限度額、自賠責の慰謝料等、基準上の位置づけを並べたものです。12級は他覚的証明を伴うより重い神経症状、14級はそれより軽い神経症状として整理されることが分かります。

比較項目12級14級
自賠責の限度額224万円75万円
自賠責の慰謝料等94万円32万円
基準上の位置づけ他覚的証明を伴うより重い神経症状12級より軽い神経症状

次の重要ポイントは、14級9号を目標値のように固定しないためのものです。症状が14級にとどまるか、12級以上の評価に耐えるかは、医学資料に即して見極める必要があります。

14級は頻出だからこそ、安易に決めつけない

症状の重さ、画像・検査所見、診療経過、就労や日常生活への影響によって、評価の方向は変わります。

Section 04

後遺障害等級14級9号は件数最多でも立証が楽とはいえない

認定件数の多さは申請母数に対する認定率を意味せず、資料の質が結果を左右します。

14級が多いという統計だけを見ると、14級9号は簡単に認められるように見えます。しかし、公表統計は「認定されたものの内訳」を示すもので、傷病ごとの申請数と非該当数を示すものではありません。

次の時系列は、神経症状型の事案で認定判断に影響しやすい資料の層をまとめたものです。上から順に、事故直後、治療中、症状固定時、請求時のつながりを見ると、どこで説明が途切れると不利になりやすいかが分かります。

事故直後

初診記録と画像検査

救急受診記録、初診時カルテ、診断書、画像検査は、症状が後から出たように見えないための基礎資料になります。

治療中

症状固定までの継続記録

痛みやしびれ、検査、治療の一貫性が見られます。

症状固定時

後遺障害診断書の精度

痛みの部位、頻度、しびれ範囲、可動域、神経学的所見、生活や就労への影響が重要です。

請求時

事故資料と因果関係資料

交通事故証明書、人身事故扱いの記録、事故発生状況報告書などで、どの事故でどのように受傷したかを結びます。

次の注意点は、非該当になりやすい典型的な弱点を整理したものです。複数重なると症状と事故との連続性を説明しにくくなります。

初診時の記載が薄い

痛み、しびれ、頭痛、めまいなどが初期から記載されていないと、後から症状が拡大したように見えやすくなります。

通院が不連続

長い中断や受診先の頻繁な変更があると、症状固定までの流れを説明する負担が大きくなります。

神経学的記載が乏しい

画像が明確でない事案ほど、診察所見や症状経過の整合性が重要になります。

事故態様とのつながりが弱い

どの事故で、どのような外力が加わり、その後どう症状が続いたかの説明が必要です。

Section 05

後遺障害等級認定の手続は事前認定、被害者請求、異議申立で分かれる

医学資料だけでなく、どの手続でどの資料を出すかも結果に影響し得ます。

請求方法には、任意保険会社側で進む事前認定と、被害者が自賠責へ直接請求する被害者請求があります。不服がある場合は、異議申立や紛争処理の手続も検討対象になります。

次の判断の流れは、手続面でどの場面にいるかを整理するものです。上から順に、症状固定、請求、結果後の対応を確認し、分岐では資料の主導権や追加資料の有無を読み取ってください。

後遺障害認定までの手続の見方

症状固定を医師が判断

後遺障害診断書の作成が検討されます。

請求方法を検討

事前認定か被害者請求かで資料準備の主導権が変わります。

資料を自分で整える
被害者請求

診断書、画像、事故資料を整理して直接請求します。

保険会社経由
事前認定

任意保険会社が資料を取りまとめる形で進むことがあります。

不服がある場合

異議申立では、主張を裏付ける新たな資料の有無が重要です。

異議申立は単なる不満表明ではなく、追加立証の手続です。医師の意見、画像、診療経過、事故資料を改めて整理する必要があります。

Section 06

後遺障害等級14級9号でよくある誤解

14級9号をめぐる典型的な誤解を、一般的な制度説明として整理します。

むち打ちなら自動的に14級9号になりますか

一般的には、頚椎捻挫やいわゆるむち打ちが14級9号で問題になることは多いとされています。ただし、症状の一貫性、診療経過、医学的説明可能性、事故態様によって結論が変わる可能性があります。具体的な見通しは、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

MRIが正常なら後遺障害は認められませんか

一般的には、画像上の器質的損傷が明確でなくても、症状の継続や医師所見、関係資料によって14級9号が検討されることがあります。ただし、画像が正常であれば直ちに認められるという意味ではありません。事故態様、症状経過、診察所見、資料の整合性によって結論は変わります。

症状固定後も治療費は当然に出ますか

一般的には、国土交通省のFAQでは後遺障害症状固定後の治療費は認定されないと説明されています。ただし、個別の費用関係や保険契約、治療内容によって検討事項は変わる可能性があります。具体的な扱いは、関係資料を確認して専門家へ相談する必要があります。

非該当ならそこで終わりですか

一般的には、保険会社等の決定に不服がある場合には異議申立や紛争処理の手続が検討対象になります。ただし、異議申立は単なる不満表明ではなく、主張を裏付ける新たな資料が重要です。

最終確認14級9号を「取りに行く」と決めつけるより、事故後の症状、診療経過、画像・検査、後遺障害診断書、事故資料を整合させることが出発点になります。
Reference

参考資料

統計と支払基準

  • 損害保険料率算出機構『2024年度 自動車保険の概況(2023年度統計)』
  • 損害保険料率算出機構『2023年度 自動車保険の概況(2022年度統計)』
  • 損害保険料率算出機構『2022年度 自動車保険の概況(2021年度統計)』
  • 損害保険料率算出機構「支払基準」

制度と手続

  • 国土交通省「限度額と補償内容」
  • 国土交通省「よくあるご質問」
  • 国土交通省「損害賠償を受けるときは」
  • 国土交通省「支払までの流れと請求方法」
  • 国土交通省「支払に疑問、不服がある場合には」

認定基準と再審査例

  • 厚生労働省「障害等級認定基準の一部改正について〔労働基準法〕」
  • 厚生労働省 労働保険審査会裁決例「平成28年労第91号」
  • 厚生労働省 労働保険審査会裁決例「平成28年労第159号」
  • 損害保険料率算出機構「当機構で行う損害調査」
  • 損害保険料率算出機構「自賠責の損害調査に関するよくあるご質問」
  • 損害保険料率算出機構「自賠責保険(共済)損害調査のしくみ」