2σ Guide

追突事故の慰謝料計算に使う
自賠責基準と裁判基準の早見表

1日4,300円の自賠責基準、裁判基準の別表Ⅰ・別表Ⅱ、後遺障害・死亡慰謝料、示談前チェックを一般情報として整理します。

4,300円 自賠責の日額
120万円 傷害部分の限度額
12か月 通院早見表の範囲
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追突事故の慰謝料計算に使う 自賠責基準と裁判基準の早見表

1日4,300円の自賠責基準、裁判基準の別表Ⅰ・別表Ⅱ、後遺障害・死亡慰謝料、示談前チェックを一般情報として整理します。

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追突事故の慰謝料計算に使う 自賠責基準と裁判基準の早見表
1日4,300円の自賠責基準、裁判基準の別表Ⅰ・別表Ⅱ、後遺障害・死亡慰謝料、示談前チェックを一般情報として整理します。
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  • 追突事故の慰謝料計算に使う 自賠責基準と裁判基準の早見表
  • 1日4,300円の自賠責基準、裁判基準の別表Ⅰ・別表Ⅱ、後遺障害・死亡慰謝料、示談前チェックを一般情報として整理します。

POINT 1

  • 追突事故の慰謝料計算 ― 要旨
  • 基準を分ける
  • 証拠と時期を見る
  • 追突事故で「慰謝料はいくらになるのか」を考えるとき、最初に確認すべきなのは、どの基準で計算しているかです。
  • 次の比較一覧は、判断の入口となる要素を並べたものです。

POINT 2

  • 追突事故の慰謝料計算 ― 前提となる法制度 ― 自賠責と民事損害賠償
  • 自動車事故の人身損害では、自動車損害賠償保障法、民法上の不法行為責任、任意保険契約、労災保険や健康保険などが重なり合う。
  • 自動車損害賠償保障法3条は、自動車を自己のために運行の用に供する者が、…
  • 自賠責保険・共済は、被害者の人身損害について基本補償を確保する制度です。

POINT 3

  • 追突事故の慰謝料計算 ― 自賠責基準・任意保険基準・裁判基準の違い
  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 裁判基準
  • 自賠責基準は「最低限に近い基本補償」であって、必ずしも民事上の最終的…

POINT 4

  • 追突事故の慰謝料計算 ― 自賠責基準の入通院慰謝料― 計算式と早見表
  • 自賠責の120万円は慰謝料だけの枠ではありません
  • 4.1 基本式
  • 4.2 自賠責基準 ― 通院のみの場合の早見表
  • 4.3 自賠責の120万円限度に注意する

POINT 5

  • 追突事故の慰謝料計算 ― 裁判基準の入通院慰謝料 ―別表Ⅰと別表Ⅱ
  • 5.1 裁判基準は「期間」を中心に見る
  • 5.2 裁判基準 ― 通院のみの早見表
  • 5.3 裁判基準 ― 入院ありの場合の早見表、別表Ⅰ
  • 5.4 裁判基準 ― 入院ありの場合の早見表、別表Ⅱ

POINT 6

  • 追突事故の慰謝料計算 ― 自賠責基準と裁判基準の比較例
  • 6.1 むち打ち、通院3か月、実通院24日の場合
  • 6.2 むち打ち、通院6か月、実通院48日の場合
  • 6.3 骨折、通院3か月、入院なし、実通院24日の場合
  • 6.4 入院10日、通院6か月、実通院90日の場合

POINT 7

  • 追突事故の慰謝料計算 ― 後遺障害慰謝料の早見表
  • 14級9号
  • 症状の一貫性、治療経過、医学的説明可能性が重要になります。
  • 12級13号
  • 画像所見や神経学的所見と症状部位の整合性がより強く求められます。

POINT 8

  • 追突事故の慰謝料計算 ― 死亡慰謝料の早見表
  • 8.1 自賠責基準
  • 8.2 裁判基準
  • 自賠責の死亡による損害の限度額は、被害者1人につき3,000万円です。
  • 死亡慰謝料は、被害者本人分400万円、遺族慰謝料は請求権者1人で550万円、2人で650万円、3人以上で750万円、被害…

まとめ

  • 追突事故の慰謝料計算に使う 自賠責基準と裁判基準の早見表
  • 追突事故の慰謝料計算 ― 要旨:基準を分ける
  • 追突事故の慰謝料計算 ― 前提となる法制度 ― 自賠責と民事損害賠償:自動車事故の人身損害では、自動車損害賠償保障法、民法上の不法行為責任、任意保険契約、労災保険や健康保険などが重なり合う。
  • 追突事故の慰謝料計算 ― 自賠責基準・任意保険基準・裁判基準の違い:自賠責基準
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

追突事故の慰謝料計算 ― 要旨

追突事故で「慰謝料はいくらになるのか」を考えるとき、最初に確認すべきなのは、どの基準で計算しているかです。交通事故の慰謝料には、実務上おおむね 自賠責基準、任意保険基準、裁判基準、別名「弁護…

次の比較一覧は、判断の入口となる要素を並べたものです。読者にとって重要なのは、金額だけでなく、どの基準・資料・時期が結論に影響するかを先に見分けることです。各項目の違いを読み取り、後続の早見表や手続きの確認につなげてください。

POINT 1

慰謝料を3種類に分ける

入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料を分けると、どの表や基準を見るべきかが明確になります。

POINT 2

基準を分ける

自賠責基準、任意保険基準、裁判基準は目的も金額水準も異なるため、提示額がどれに近いかを確認します。

POINT 3

証拠と時期を見る

通院期間、実通院日数、症状固定、後遺障害申請、過失割合を資料で確認します。

追突事故で「慰謝料はいくらになるのか」を考えるとき、最初に確認すべきなのは、どの基準で計算しているかです。交通事故の慰謝料には、実務上おおむね 自賠責基準任意保険基準裁判基準、別名「弁護士基準」の三層があります。自賠責基準は強制保険による基本補償を迅速・公平に行うための支払基準であり、傷害慰謝料は原則として 1日4,300円、傷害による損害全体の限度額は被害者1人につき 120万円です。裁判基準は、実際の裁判実務・裁判例を踏まえた損害賠償額の目安であり、特に日弁連交通事故相談センター東京支部の『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』、いわゆる「赤い本」が参照されることが多いです。

この記事は、交通事故に関連した問題に悩む一般読者に向けて、追突事故の慰謝料計算に使う自賠責基準と裁判基準の早見表を中心に、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料、治療期間・実通院日数の数え方、むち打ちの扱い、後遺障害等級、証拠資料、示談前チェックポイントまでを体系的に解説します。法律実務、医療、損害調査、事故解析、車両修理、労務・福祉支援の観点を統合しているが、個別案件の結論は事故態様、受傷内容、治療経過、過失割合、証拠、既往症、後遺障害認定、地域の裁判実務などにより変わります。この記事は一般情報であり、個別の法的助言ではありません。

Section 01

追突事故の慰謝料計算 ― この記事で扱う範囲

この記事でいう「追突事故」とは、典型的には、後続車が前方車両の後部に衝突する事故をいいます。ただし、実際の交通事故では、玉突き事故、急ブレーキ、進路変更直後の衝突、駐停車車両への衝突、交差点内で…

次の比較一覧は、判断の入口となる要素を並べたものです。読者にとって重要なのは、金額だけでなく、どの基準・資料・時期が結論に影響するかを先に見分けることです。各項目の違いを読み取り、後続の早見表や手続きの確認につなげてください。

POINT 1

慰謝料を3種類に分ける

入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料を分けると、どの表や基準を見るべきかが明確になります。

POINT 2

基準を分ける

自賠責基準、任意保険基準、裁判基準は目的も金額水準も異なるため、提示額がどれに近いかを確認します。

POINT 3

証拠と時期を見る

通院期間、実通院日数、症状固定、後遺障害申請、過失割合を資料で確認します。

この記事でいう「追突事故」とは、典型的には、後続車が前方車両の後部に衝突する事故をいいます。ただし、実際の交通事故では、玉突き事故、急ブレーキ、進路変更直後の衝突、駐停車車両への衝突、交差点内での連続衝突、ドラレコ映像の有無などにより、事故類型と過失割合の評価が複雑化します。

この記事でいう「慰謝料」とは、交通事故により被害者が受けた精神的・肉体的苦痛に対する損害賠償項目をいいます。治療費、通院交通費、休業損害、逸失利益、介護費、車両修理費などとは別の損害項目です。ただし、自賠責保険の傷害部分では、治療費、文書料、休業損害、慰謝料などが同じ 120万円の傷害限度額の中で処理されるため、慰謝料だけを単独で見ても最終受取額は判断できません。

この記事で中心的に扱う慰謝料は次の三つです。

次の表は、1. この記事で扱う範囲に関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

種類何に対する慰謝料か追突事故での典型例
入通院慰謝料、傷害慰謝料けがをして治療・通院・入院した苦痛むち打ち、頚椎捻挫、腰椎捻挫、打撲、骨折
後遺障害慰謝料症状固定後に後遺障害等級が認定された場合の苦痛14級9号の神経症状、12級13号の神経症状、可動域制限など
死亡慰謝料被害者が死亡した場合の本人・遺族の精神的苦痛高速道路・渋滞末尾への追突、歩行者・自転車への追突など
Section 02

追突事故の慰謝料計算 ― 前提となる法制度 ― 自賠責と民事損害賠償

自動車事故の人身損害では、自動車損害賠償保障法、民法上の不法行為責任、任意保険契約、労災保険や健康保険などが重なり合う。自動車損害賠償保障法3条は、自動車を自己のために運行の用に供する者が、…

自動車事故の人身損害では、自動車損害賠償保障法、民法上の不法行為責任、任意保険契約、労災保険や健康保険などが重なり合う。自動車損害賠償保障法3条は、自動車を自己のために運行の用に供する者が、その運行によって他人の生命または身体を害したときは、一定の免責要件を証明しない限り損害賠償責任を負うという構造を採る。

自賠責保険・共済は、被害者の人身損害について基本補償を確保する制度です。国土交通省は、自賠責保険・共済の支払について、損害保険会社・共済組合が、傷害、後遺障害、死亡の損害額算出基準である支払基準に従って支払わなければならないと説明しています。

一方、裁判基準は、自賠責の支払限度や支払基準そのものではなく、民事損害賠償として、裁判所で認められやすい損害額を見積もる実務上の基準です。日弁連交通事故相談センターは、青本・赤い本について、編集者が裁判例の傾向等を斟酌し、損害額算定基準として公表していると説明しています。ただし、同センター自身も、これらは損害額算定の一つの目安であり、事件ごとの事情で損害額は変わると明記している。

Section 03

追突事故の慰謝料計算 ― 自賠責基準・任意保険基準・裁判基準の違い

追突事故の示談案で、入通院慰謝料が「4,300円 × 対象日数」で計算されている場合、それは自賠責基準である可能性が高いです。自賠責基準は「最低限に近い基本補償」であって、必ずしも民事上の最終的…

次の比較一覧は、判断の入口となる要素を並べたものです。読者にとって重要なのは、金額だけでなく、どの基準・資料・時期が結論に影響するかを先に見分けることです。各項目の違いを読み取り、後続の早見表や手続きの確認につなげてください。

BASE

自賠責基準

強制保険による基本補償で、傷害慰謝料は原則1日4,300円、傷害部分は120万円限度が問題になります。

INSURANCE

任意保険基準

各保険会社の内部基準で、裁判基準より低い提示になることがあります。

COURT

裁判基準

裁判例・裁判実務を踏まえた目安で、交渉や訴訟で参照されやすい基準です。

次の表は、3. 自賠責基準・任意保険基準・裁判基準の違いに関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

基準性質金額水準の傾向被害者が注意すべき点
自賠責基準強制保険による基本補償の支払基準通常もっとも低い傷害部分は治療費・休業損害・慰謝料等を合わせて120万円限度。慰謝料日額は4,300円。
任意保険基準各保険会社の内部基準自賠責基準より高い場合もあるが、裁判基準より低いことが多い基準は一般に非公開。提示額が自賠責水準に近いこともある。
裁判基準、弁護士基準裁判例・裁判実務を踏まえた目安通常もっとも高い赤い本・青本等が参照されます。目安であり、通院頻度、傷病、証拠、過失等で変動する。

追突事故の示談案で、入通院慰謝料が「4,300円 × 対象日数」で計算されている場合、それは自賠責基準である可能性が高いです。自賠責基準は「最低限に近い基本補償」であって、必ずしも民事上の最終的に相当な慰謝料額を意味しません。特に、後続車に追突され、被害者の過失が小さい事案、治療経過が整っている事案、後遺障害等級が認定される事案では、裁判基準との差が大きくなりやすい。

Section 04

追突事故の慰謝料計算 ― 自賠責基準の入通院慰謝料 ― 計算式と早見表

令和2年4月1日以降の事故について、現行の自賠責支払基準では、傷害慰謝料は 1日につき4,300円です。公式の支払基準は「慰謝料の対象となる日数は、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案…

次の強調欄は、この章で特に見落としやすい結論を示しています。読者にとって重要なのは、単独の金額ではなく、限度額や別項目との関係を読み取ることです。本文の表と合わせて確認してください。

自賠責の120万円は慰謝料だけの枠ではありません

治療費、文書料、休業損害、慰謝料などを合わせた限度額として扱われるため、示談案では既払額と各損害項目を分けて確認します。

4.1 基本式

令和2年4月1日以降の事故について、現行の自賠責支払基準では、傷害慰謝料は 1日につき4,300円です。公式の支払基準は「慰謝料の対象となる日数は、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内」と定めている。

実務上の簡便式は次のとおりです。

計算式自賠責基準の入通院慰謝料 = 4,300円 × 対象日数 / 対象日数 = 「治療期間」または「実入通院日数 × 2」の少ない方

ここでいう「実入通院日数」は、入院日数と実際に通院した日数を合わせたものと考えます。たとえば、入院10日、退院後の通院実日数90日なら、実入通院日数は100日であり、その2倍は200日です。

ただし、公式基準の文言は単純な機械式だけでなく、傷害の態様、実治療日数その他を勘案する構造です。そのため、長期中断、極端に少ない通院、不相当な治療、柔道整復・整骨院のみの通院、医師の指示がない施術、症状固定後の通院などがある場合は、単純計算どおりにならないことがあります。

4.2 自賠責基準 ― 通院のみの場合の早見表

下表は、入院なし、令和2年4月1日以降の事故、日額4,300円で計算した概算です。1か月は30日としている。通院期間が長くても、実通院日数が少ない場合は「実通院日数 × 2」が対象日数になるため、自賠責慰謝料は低くなります。

次の表は、4. 自賠責基準の入通院慰謝料 ― 計算式と早見表に関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

通院期間実通院日数の例対象日数自賠責基準の入通院慰謝料
1か月4日8日34,400円
1か月8日16日68,800円
1か月10日20日86,000円
1か月15日以上30日129,000円
2か月8日16日68,800円
2か月16日32日137,600円
2か月20日40日172,000円
2か月30日以上60日258,000円
3か月12日24日103,200円
3か月24日48日206,400円
3か月30日60日258,000円
3か月45日以上90日387,000円
4か月16日32日137,600円
4か月32日64日275,200円
4か月40日80日344,000円
4か月60日以上120日516,000円
5か月20日40日172,000円
5か月40日80日344,000円
5か月50日100日430,000円
5か月75日以上150日645,000円
6か月24日48日206,400円
6か月48日96日412,800円
6か月60日120日516,000円
6か月90日以上180日774,000円

4.3 自賠責の120万円限度に注意する

自賠責の傷害部分の限度額は、被害者1人につき120万円です。これは慰謝料だけの上限ではなく、治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料などを合わせた限度額です。したがって、治療費が高額になり、休業損害も発生している場合、自賠責枠120万円の中では慰謝料の支払余地が圧縮されることがあります。国土交通省は、傷害による損害について、治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料が支払われると説明しています。

実務上は、任意保険会社が一括対応をしている場合、保険会社が医療機関へ治療費を直接支払っていることが多いです。この場合でも、最終的な損害額計算では、治療費も損害額に含まれる。示談案の「既払額」「治療費」「休業損害」「慰謝料」「自賠責充当額」などを分解して読む必要があります。

Section 05

追突事故の慰謝料計算 ― 裁判基準の入通院慰謝料 ― 別表Ⅰと別表Ⅱ

裁判基準の入通院慰謝料は、原則として入院期間・通院期間を基礎として算定します。自賠責基準のように、単純に「実通院日数 × 2」と「治療期間」を比べるという発想ではありません。ただし、通院が長期…

5.1 裁判基準は「期間」を中心に見る

裁判基準の入通院慰謝料は、原則として入院期間・通院期間を基礎として算定します。自賠責基準のように、単純に「実通院日数 × 2」と「治療期間」を比べるという発想ではありません。ただし、通院が長期にわたるが実通院日数が著しく少ない場合、治療内容が薄い場合、治療中断がある場合には、実通院日数を基礎に通院期間を修正することがあります。

赤い本の入通院慰謝料表は、一般に次の二つに分けて理解される。

次の表は、5. 裁判基準の入通院慰謝料 ― 別表Ⅰと別表Ⅱに関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

主な対象追突事故での典型例
別表Ⅰ通常の傷害、比較的重い傷害骨折、脱臼、画像所見のある外傷、手術、明確な器質的損傷など
別表Ⅱむち打ち症で他覚所見がない場合、軽い打撲・挫創など頚椎捻挫、腰椎捻挫、外傷性頚部症候群で画像上明確な異常がない場合など

追突事故では、頚椎捻挫、腰椎捻挫、いわゆる「むち打ち」が多いため、裁判基準では別表Ⅱが問題になることが多いです。一方、追突の衝撃が大きく、骨折、椎体損傷、靱帯損傷、神経根圧迫所見、脳外傷、胸腹部損傷などが認められる場合は、別表Ⅰまたは個別増額が検討されます。

5.2 裁判基準 ― 通院のみの早見表

下表は、入院なし、通院のみの場合の代表的な早見表です。単位は万円。実務上の標準的な目安であり、個別事情により増減される。

次の表は、5. 裁判基準の入通院慰謝料 ― 別表Ⅰと別表Ⅱに関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

通院期間別表Ⅱ ― むち打ち等・他覚所見なし別表Ⅰ ― 通常傷害・骨折等自賠責基準との差を読むポイント
1か月19万円28万円自賠責では実通院8日なら6.88万円、15日以上なら12.9万円。
2か月36万円52万円通院頻度が少ないと自賠責との差が大きくなります。
3か月53万円73万円追突むち打ちで典型的に争われる期間。
4か月67万円90万円治療継続の医学的必要性が重要。
5か月79万円105万円症状経過、リハビリ内容、通院頻度を確認。
6か月89万円116万円むち打ちで後遺障害申請を検討する境目になりやすい。
7か月97万円124万円長期化理由の説明が必要。
8か月103万円132万円実通院日数が少ないと修正され得る。
9か月109万円139万円後遺障害の有無と症状固定時期が焦点。
10か月113万円145万円漫然治療と評価されない資料が必要。
11か月117万円150万円医師記録、画像、検査、リハビリ記録が重要。
12か月119万円154万円長期治療事案では個別判断が強まる。

5.3 裁判基準 ― 入院ありの場合の早見表、別表Ⅰ

単位は万円。縦軸が通院期間、横軸が入院期間です。たとえば、入院1か月・通院3か月なら115万円です。

次の表は、5. 裁判基準の入通院慰謝料 ― 別表Ⅰと別表Ⅱに関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

通院\入院0か月1か月2か月3か月4か月5か月6か月
0か月-53101145184217244
1か月2877122162199228252
2か月5298139177210236260
3か月73115154188218244267
4か月90130165196226251273
5か月105141173204233257278
6か月116149181211239262282

5.4 裁判基準 ― 入院ありの場合の早見表、別表Ⅱ

単位は万円。むち打ち等で他覚所見がない場合、軽傷類型で用いられることが多いです。

次の表は、5. 裁判基準の入通院慰謝料 ― 別表Ⅰと別表Ⅱに関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

通院\入院0か月1か月2か月3か月4か月5か月6か月
0か月-356692116135152
1か月195283106128145160
2か月366997118138153166
3か月5383109128146159172
4か月6795119136152165176
5か月79105127142158169180
6か月89113133148162173182

5.5 端数期間の扱い

通院期間が3か月10日、入院期間が10日など、1か月単位に満たない端数がある場合、実務では1か月を30日として、前後の月の差額を日割りする方法が用いられることがあります。たとえば別表Ⅱで通院3か月10日の場合、3か月は53万円、4か月は67万円であるから、差額14万円のうち10日分、すなわち約4万6,667円を3か月額に加えるという計算方法です。

ただし、日割りは絶対的なルールではありません。裁判基準の表は機械的計算表ではなく、あくまで損害評価の基準表です。治療内容、症状、通院頻度、事故態様、被害者の生活制限、医師の所見、後遺障害の有無などを併せて判断します。

Section 06

追突事故の慰謝料計算 ― 自賠責基準と裁判基準の比較例

この例では、同じ「3か月通院」でも、自賠責基準は実通院日数の影響を強く受ける。裁判基準は通院期間を中心に見るため、差が大きくなります。追突事故のむち打ちで6か月前後通院し、症状固定後も痛みやしび…

6.1 むち打ち、通院3か月、実通院24日の場合

次の表は、6. 自賠責基準と裁判基準の比較例に関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

項目計算金額
自賠責基準4,300円 × min(90日, 24日×2)206,400円
裁判基準、別表Ⅱ通院3か月530,000円
差額の目安530,000円 − 206,400円323,600円

この例では、同じ「3か月通院」でも、自賠責基準は実通院日数の影響を強く受ける。裁判基準は通院期間を中心に見るため、差が大きくなります。

6.2 むち打ち、通院6か月、実通院48日の場合

次の表は、6. 自賠責基準と裁判基準の比較例に関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

項目計算金額
自賠責基準4,300円 × min(180日, 48日×2)412,800円
裁判基準、別表Ⅱ通院6か月890,000円
差額の目安890,000円 − 412,800円477,200円

追突事故のむち打ちで6か月前後通院し、症状固定後も痛みやしびれが残る場合、入通院慰謝料だけでなく、後遺障害14級9号または12級13号の可能性も検討されます。ただし、後遺障害認定には、症状の一貫性、医学的説明可能性、治療経過、画像・神経学的検査、後遺障害診断書などが重要です。

6.3 骨折、通院3か月、入院なし、実通院24日の場合

次の表は、6. 自賠責基準と裁判基準の比較例に関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

項目計算金額
自賠責基準4,300円 × min(90日, 24日×2)206,400円
裁判基準、別表Ⅰ通院3か月730,000円
差額の目安730,000円 − 206,400円523,600円

骨折など客観的な外傷がある場合、むち打ちの別表Ⅱではなく別表Ⅰが検討されます。手術、固定、可動域制限、日常生活制限が大きい場合には、表の範囲内での評価だけでなく個別増額も問題になり得る。

6.4 入院10日、通院6か月、実通院90日の場合

自賠責基準では、治療期間を190日、実入通院日数を100日とすると、対象日数は min(190日, 100日×2) で190日となる。したがって、4,300円 × 190日 = 817,000円です。

裁判基準では、入院10日をおおむね1/3か月として扱い、通院6か月の基準額に、入院1か月の場合との差額の3分の1程度を加える考え方がある。

次の表は、6. 自賠責基準と裁判基準の比較例に関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

基準概算
自賠責基準817,000円
裁判基準、別表Ⅰ約1,270,000円
裁判基準、別表Ⅱ約970,000円

このような事案では、治療費や休業損害も大きくなり、自賠責120万円限度を超える可能性が高いです。任意保険または加害者本人への請求、過失相殺、既払金、労災・健康保険・人身傷害保険との調整が重要になります。

Section 07

追突事故の慰謝料計算 ― 後遺障害慰謝料の早見表

国土交通省は、後遺障害を、自動車事故で受傷した傷害が治ったときに身体に残された精神的または肉体的な毀損状態で、傷害と後遺障害との間に相当因果関係が認められ、かつ、その存在が医学的に認められる…

次の一覧は、金額や認定に影響しやすい注意点を整理したものです。読者にとって重要なのは、どの事情が争点になり、どの資料で補うべきかを早めに把握することです。各項目から、自分の事故で確認すべきリスクを読み取ってください。

14級9号

症状の一貫性、治療経過、医学的説明可能性が重要になります。

12級13号

画像所見や神経学的所見と症状部位の整合性がより強く求められます。

示談前確認

症状が残る場合は、示談前に後遺障害申請の要否を確認します。

7.1 後遺障害とは何か

国土交通省は、後遺障害を、自動車事故で受傷した傷害が治ったときに身体に残された精神的または肉体的な毀損状態で、傷害と後遺障害との間に相当因果関係が認められ、かつ、その存在が医学的に認められる症状であり、具体的には自動車損害賠償保障法施行令別表第一または第二に該当するものと説明しています。

追突事故では、後遺障害14級9号「局部に神経症状を残すもの」や、12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」が問題になりやすい。一般に、12級13号は画像所見や神経学的所見などにより神経症状が医学的に証明される場合、14級9号は医学的に説明可能で、症状の一貫性・継続性が認められる場合に検討されます。

7.2 介護を要しない後遺障害の慰謝料早見表

令和2年4月1日以降の事故を前提とする。自賠責基準の金額は慰謝料部分であり、後遺障害による損害全体では逸失利益も問題になります。裁判基準も後遺障害慰謝料のみであり、後遺障害逸失利益とは別です。

次の表は、7. 後遺障害慰謝料の早見表に関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

後遺障害等級自賠責基準裁判基準追突事故での実務上の注目点
1級1,150万円2,800万円重度障害。追突事故でも高エネルギー衝突ではあり得る。
2級998万円2,370万円重度障害。逸失利益・介護費も重大争点。
3級861万円1,990万円高次脳機能障害、臓器障害等で争点化。
4級737万円1,670万円重篤な機能障害。
5級618万円1,400万円神経・運動機能障害など。
6級512万円1,180万円脊柱・上肢下肢障害等。
7級419万円1,000万円可動域制限、神経障害等。
8級331万円830万円脊柱運動障害等。
9級249万円690万円労務制限が大きい神経症状等。
10級190万円550万円上肢・下肢機能障害等。
11級136万円420万円脊柱変形、聴力等。
12級94万円290万円12級13号の神経症状が追突むち打ちで争われる。
13級57万円180万円比較的軽度の後遺障害。
14級32万円110万円14級9号が追突事故で最も典型的。

7.3 介護を要する後遺障害

自賠責では、神経系統・精神または胸腹部臓器に著しい障害が残り、介護を要する後遺障害について、常時介護を要する1級は保険金限度額4,000万円、随時介護を要する2級は3,000万円とされています。慰謝料等については、1級1,650万円、2級1,203万円が支払われ、さらに初期費用が加算されると国土交通省は説明している。

次の表は、7. 後遺障害慰謝料の早見表に関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

介護を要する後遺障害自賠責の慰謝料等の基準自賠責限度額裁判基準の後遺障害慰謝料の目安
別表第一1級1,650万円、初期費用500万円加算4,000万円2,800万円
別表第一2級1,203万円、初期費用205万円加算3,000万円2,370万円

重度後遺障害では、慰謝料だけでなく、将来介護費、住宅改造費、装具費、逸失利益、成年後見、障害福祉、介護保険、労災、障害年金、家族の生活再建が一体の問題となります。弁護士、医師、リハビリ職、医療ソーシャルワーカー、社会保険労務士、福祉職、ケアマネジャー等の連携が不可欠です。

Section 08

追突事故の慰謝料計算 ― 死亡慰謝料の早見表

自賠責の死亡による損害の限度額は、被害者1人につき3,000万円です。死亡慰謝料は、被害者本人分400万円、遺族慰謝料は請求権者1人で550万円、2人で650万円、3人以上で750万円、被害…

8.1 自賠責基準

自賠責の死亡による損害の限度額は、被害者1人につき3,000万円です。死亡慰謝料は、被害者本人分400万円、遺族慰謝料は請求権者1人で550万円、2人で650万円、3人以上で750万円、被害者に被扶養者がいる場合はさらに200万円加算される。

次の表は、8. 死亡慰謝料の早見表に関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

遺族慰謝料請求権者本人分遺族分被扶養者加算なし被扶養者あり
1人400万円550万円950万円1,150万円
2人400万円650万円1,050万円1,250万円
3人以上400万円750万円1,150万円1,350万円

8.2 裁判基準

裁判基準の死亡慰謝料は、本人分と近親者分を含む総額の目安として、次のように整理されることが多いです。

次の表は、8. 死亡慰謝料の早見表に関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

被害者の家庭内・社会的立場裁判基準の死亡慰謝料の目安
一家の支柱2,800万円
母親・配偶者2,500万円
その他、独身者、子ども、高齢者等2,000万〜2,500万円

死亡事故では、葬儀費、死亡逸失利益、近親者固有慰謝料、相続、過失相殺、刑事事件の記録、被害者参加、生命保険・労災・人身傷害保険との調整などが問題になります。慰謝料の表だけで全体額を判断することはできません。

Section 09

追突事故の慰謝料計算 ― 追突事故で慰謝料額を左右する実務上の争点

一般的な停止中追突では、追突された側の過失が小さいかゼロと評価されることが多いです。しかし、急ブレーキ、危険な進路変更、割込み、無灯火、駐停車違反、路上停止の状況、玉突き事故の順序、後続車の車間…

次の一覧は、金額や認定に影響しやすい注意点を整理したものです。読者にとって重要なのは、どの事情が争点になり、どの資料で補うべきかを早めに把握することです。各項目から、自分の事故で確認すべきリスクを読み取ってください。

症状や因果関係

外傷が見えにくい場合は、早期受診、症状の一貫性、診療録、画像検査が重要になります。

治療終了時期

保険会社の一括対応終了と医学的な治療終了は同じではありませんため、医師の判断を確認します。

過失や事故態様

急ブレーキ、進路変更、玉突き事故などでは、ドライブレコーダーや実況見分が重要になります。

9.1 「追突された側なら必ず過失ゼロ」とは限らない

一般的な停止中追突では、追突された側の過失が小さいかゼロと評価されることが多いです。しかし、急ブレーキ、危険な進路変更、割込み、無灯火、駐停車違反、路上停止の状況、玉突き事故の順序、後続車の車間距離、路面状況、視認可能性、ドライブレコーダー映像の有無によっては、過失割合が争点となります。

過失相殺があると、慰謝料を含む損害賠償額全体が減額されます。自賠責では被害者の重大な過失や因果関係判断が困難な場合に減額が行われることがあると国土交通省は説明している。

9.2 低速追突・軽微損傷でも症状が否定されるとは限らない

車両修理費が小さい場合、保険会社から「軽微な事故だから治療は不要」「症状は事故と無関係」と主張されることがあります。しかし、損傷の軽重は重要な資料の一つにすぎません。医学的には、着座姿勢、ヘッドレスト位置、衝突方向、予期の有無、既往症、年齢、体格、筋緊張、事故直後の症状出現、症状の一貫性なども評価対象となります。

他方、事故との因果関係を立証するには、早期受診、継続的な医師診察、症状の一貫した訴え、必要な画像検査、神経学的検査、リハビリ記録、投薬内容、日常生活・就労への支障の記録が重要です。整骨院・接骨院への施術だけでなく、医師による診断と経過観察が中核資料になります。

9.3 治療打ち切りと症状固定

任意保険会社から治療費の一括対応終了を打診されても、それは医学的な治療終了を意味しません。医学的な治療継続の必要性や症状固定時期は、原則として医師の判断が中心となる。症状固定とは、治療を続けても症状の大幅な改善が見込めなくなった状態をいいます。症状固定後は、入通院慰謝料ではなく、後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益の問題に移ります。

保険会社が治療費を打ち切った後も、医師が治療を必要と判断する場合、健康保険を利用して通院を続け、後日その必要性・相当性を主張することがあります。ただし、治療の必要性、頻度、内容、症状との関連性を資料化しておく必要があります。

9.4 整骨院・接骨院・鍼灸の扱い

むち打ちでは整骨院・接骨院に通う人も多い。症状緩和に役立つ場合はあるが、損害賠償実務では、診断書、後遺障害診断書、画像所見、神経学的検査、症状固定判断などの中核資料は通常、医師が作成します。整骨院だけに通い、医師の診察が途切れると、治療必要性や後遺障害認定で不利になることがあります。

整骨院等に通う場合は、主治医に施術の必要性を相談し、医師の診察を定期的に受け、施術内容・部位・頻度・症状変化を記録しておくことが望ましい。

Section 10

追突事故の慰謝料計算 ― 証拠資料チェックリスト

追突事故の慰謝料計算では、金額表そのものよりも、表を適用する前提事実を証明できるかが重要です。次の資料を早期に整理します。交通事故証明書は、自動車安全運転センターが発行する交通事故に関する証明…

次の資料一覧は、慰謝料の早見表を当てはめる前提を整理するためのものです。読者にとって重要なのは、金額の根拠になる事故・医療・生活の資料を分けてそろえることです。各項目から、不足している資料を読み取ってください。

1

警察・事故資料

事故日時、場所、当事者、衝突態様、過失割合の前提を確認します。

事故証明
2

医療資料

初診日、症状の一貫性、治療内容、症状固定日、後遺障害診断書を確認します。

医療診療録
3

車両・生活資料

修理見積書、損傷写真、休業損害証明書、家事支障メモなどを整理します。

生活損害

追突事故の慰謝料計算では、金額表そのものよりも、表を適用する前提事実を証明できるかが重要です。次の資料を早期に整理します。

次の表は、10. 証拠資料チェックリストに関する項目を列ごとに整理したものです。金額、期間、条件の違いが判断に影響するため、左から条件と基準の関係を確認し、どの行が自分の状況に近いかを読み取ってください。

分野重要資料見るべきポイント
警察・事故資料交通事故証明書、実況見分調書、物件事故報告書、刑事記録人身事故扱いか、事故日時・場所・当事者、衝突態様
映像・現場ドライブレコーダー、防犯カメラ、現場写真、信号周期追突順序、停止状況、急制動、車間距離、過失割合
車両修理見積書、損傷写真、レッカー記録、車体計測、EDR衝撃の程度、損傷部位、事故との整合性
医療診断書、診療録、診療報酬明細書、画像、検査記録初診日、症状の一貫性、治療内容、症状固定日
リハビリリハビリ記録、通院日一覧、施術記録通院頻度、治療の必要性、改善・残存症状
休業休業損害証明書、給与明細、源泉徴収票、確定申告書事故による収入減、有給使用、家事従事者の支障
後遺障害後遺障害診断書、画像所見、神経学的検査12級・14級の該当性、症状固定後の残存症状
生活支障日記、家族メモ、就労制限、通勤困難、家事制限慰謝料増額事情、後遺障害の実態

交通事故証明書は、自動車安全運転センターが発行する交通事故に関する証明書であり、警視庁も発行は同センターで行われると案内している。

Section 11

追突事故の慰謝料計算 ― 示談前の技術的チェックポイント

示談書に署名・押印すると、原則としてその事故について追加請求が難しくなる。次の点を確認します。「4,300円 × 日数」なら自賠責基準の可能性が高いです。裁判基準の別表Ⅰ・別表Ⅱに照らして比較する…

次の判断の流れは、示談前に確認する順番を示しています。読者にとって重要なのは、金額表を見るだけで終わらせず、症状、後遺障害、過失割合、項目漏れを順番に確認することです。分岐の先に進むほど、追加資料や専門家相談の必要性を読み取れます。

示談前に確認する順番

提示額の内訳を分ける

慰謝料、治療費、休業損害、後遺障害、既払金を分けて読みます。

治療終了か症状固定かを確認する

医師の判断、診療録、症状の残り方を確認します。

症状が残る
後遺障害申請を検討

示談前に後遺障害診断書や申請方法を確認します。

症状がない
項目漏れを確認

基準差、交通費、休業損害、清算条項を確認します。

示談書に署名・押印すると、原則としてその事故について追加請求が難しくなる。次の点を確認します。

  1. 慰謝料の基準が何か

「4,300円 × 日数」なら自賠責基準の可能性が高いです。裁判基準の別表Ⅰ・別表Ⅱに照らして比較します。

  1. 治療期間と実通院日数が正しく反映されているか

初診日、最終診療日、症状固定日、通院中断、入院日数、実通院日数を確認します。

  1. 傷害慰謝料だけでなく後遺障害が検討されているか

痛み、しびれ、可動域制限、神経症状が残る場合、後遺障害申請前に示談しない。

  1. 治療費・休業損害・交通費・文書料が漏れていないか

慰謝料だけを見て合意せず、損害項目全体を確認します。

  1. 過失割合に納得できる根拠があるか

ドラレコ、事故状況、警察記録、過失相殺基準を確認します。

  1. 弁護士費用特約の有無

自分や家族の自動車保険、火災保険、個人賠償保険等に弁護士費用特約が付帯されていることがあります。

  1. 労災・健康保険・人身傷害保険との関係

業務中・通勤中事故なら労災、加害者側対応が不十分な場合は自分の人身傷害保険なども検討します。

Section 12

追突事故の慰謝料計算に関するFAQ

4,300円は自賠責基準の傷害慰謝料日額です。自賠責基準としては制度上の根拠があるが、裁判基準の慰謝料額とは異なる。通院3か月のむち打ちなら裁判基準別表Ⅱでは53万円が一つの目安であり、実通…

Q1. 保険会社から「1日4,300円」と言われました。これは適正ですか。

4,300円は自賠責基準の傷害慰謝料日額です。自賠責基準としては制度上の根拠があるが、裁判基準の慰謝料額とは異なる。通院3か月のむち打ちなら裁判基準別表Ⅱでは53万円が一つの目安であり、実通院日数が少ない自賠責計算より高くなることが多いです。

Q2. 追突事故のむち打ちは、裁判基準では必ず別表Ⅱですか。

必ずではありません。他覚所見のない頚椎捻挫・腰椎捻挫では別表Ⅱが用いられやすいが、画像所見、神経学的所見、骨折、靱帯損傷、手術、重い生活制限がある場合は別表Ⅰまたは個別事情による増額が検討されます。

Q3. 通院日数が少ないと裁判基準でも減額されますか。

減額・修正される可能性がある。裁判基準は通院期間を中心に見るが、通院が長期にわたり実通院日数が少ない場合、実通院日数の3倍程度、または3.5倍程度を通院期間の目安とする考え方が用いられることがあります。通院できなかった合理的理由がある場合は、仕事、家庭、病院予約、医師指示、症状経過などを説明できる資料が重要です。

Q4. 後遺障害14級が認定されると、慰謝料はどう変わりますか。

後遺障害14級の慰謝料は、自賠責基準で32万円、裁判基準で110万円が目安です。これに加え、後遺障害逸失利益が問題になります。入通院慰謝料とは別に請求されるため、症状固定後に痛みやしびれが残る場合は、後遺障害申請を検討してから示談します。

Q5. 整骨院に通った日数は慰謝料計算に入りますか。

事案による。医師の診断、施術の必要性・相当性、施術内容、通院頻度、症状との関連性が確認できれば評価される余地がある。しかし、後遺障害診断書や画像所見などの中核資料は医師が作成するため、整骨院だけに通い、医師の診察が途切れるのは避けるべきです。

Q6. 示談後に痛みが残ったら追加請求できますか。

原則として難しい。示談書に清算条項が入ると、その事故に関する追加請求が制限されます。症状が残っている、後遺障害申請をしていない、症状固定かどうか不明、将来の治療が必要という場合は、示談前に慎重に確認します。

Section 13

追突事故の慰謝料計算 ― まとめ ― 早見表は入口、最終額は証拠と交渉で決まる

追突事故の慰謝料計算では、最初に自賠責基準と裁判基準を分けて考える必要があります。自賠責基準は、傷害慰謝料が1日4,300円で、対象日数は治療期間と実入通院日数の2倍の少ない方を基本にする。…

次の資料一覧は、慰謝料の早見表を当てはめる前提を整理するためのものです。読者にとって重要なのは、金額の根拠になる事故・医療・生活の資料を分けてそろえることです。各項目から、不足している資料を読み取ってください。

1

警察・事故資料

事故日時、場所、当事者、衝突態様、過失割合の前提を確認します。

事故証明
2

医療資料

初診日、症状の一貫性、治療内容、症状固定日、後遺障害診断書を確認します。

医療診療録
3

車両・生活資料

修理見積書、損傷写真、休業損害証明書、家事支障メモなどを整理します。

生活損害

追突事故の慰謝料計算では、最初に自賠責基準と裁判基準を分けて考える必要があります。自賠責基準は、傷害慰謝料が1日4,300円で、対象日数は治療期間と実入通院日数の2倍の少ない方を基本にする。裁判基準は、入院期間・通院期間を中心に、別表Ⅰまたは別表Ⅱを用いて算定します。典型的なむち打ちでは別表Ⅱ、骨折等では別表Ⅰが検討されます。

もっとも、慰謝料の早見表は結論そのものではありません。追突事故では、事故態様、過失割合、治療の必要性、通院頻度、医学的所見、後遺障害等級、車両損傷、休業、生活支障、保険の種類、既払金、労災・健康保険との調整が全体額を左右する。保険会社の示談案を受け取ったら、まず「どの基準か」「何日分か」「どの損害項目が含まれているか」「後遺障害は検討済みか」を確認することが重要です。

Reference

この記事の参考情報源

公的資料・制度資料

  • 国土交通省「自賠責保険・共済の限度額と補償内容」
  • 国土交通省「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」
  • e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法」
  • 自動車安全運転センター「交通事故に関する証明書」
  • 警視庁「交通事故証明書及び運転経歴に係る証明書の申請手続について」

算定基準・補足資料

  • 公益財団法人日弁連交通事故相談センター「当センターの刊行物について」
  • 公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部編『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』
  • 公益財団法人日弁連交通事故相談センター本部編『交通事故損害額算定基準』
  • 国土交通省「自賠責保険・共済ポータルサイト」