交通事故の初回相談に向けて、事故概要、時系列、証拠、医療情報、損害、保険、質問リストを一つの流れで整理する方法を解説します。
交通事故の初回相談に向けて、事故概要、時系列、証拠、医療情報、損害、保険、質問リストを一つの流れで整理する方法を解説します。
短い相談時間で争点を伝えるため、事故、医療、保険、証拠、生活への影響を一つの流れで整理します。
交通事故後の初回相談では、何を伝えるかだけでなく、どの順番で、どの資料に基づいて伝えるかが相談の質を左右します。事故状況、過失割合、けが、治療経過、後遺障害、休業損害、物損、保険契約、警察届出、証拠保存、時効や請求期限は互いに関係します。
最初に準備する内容は、次の五つです。この一覧は、相談前に優先してそろえる情報を表し、弁護士が短時間で全体像と争点を読み取るために重要です。左から順に、全体像、経過、裏付け、争点、質問へ進む構成として確認してください。
事故日時、場所、当事者、車両、けが、警察届出、保険会社、現在困っていることを一枚にまとめます。
事故発生、救急搬送、初診、検査、通院、休業、保険会社連絡、修理見積り、示談提示を日付順に並べます。
弁護士に判断してほしいことを、優先順位順に三つから十個程度へ絞ります。
事件の骨格を先に共有すると、過失割合、損害、証拠、手続の検討へ進みやすくなります。
初回相談で弁護士が最初に確認したいのは細部のすべてではなく、事件全体の骨格です。次の比較表は、六つの基本情報と、それぞれがなぜ相談で重要になるのかを示しています。列は、伝える項目、弁護士が確認する理由、具体例の順に読むと、事故概要メモへ落とし込みやすくなります。
| 要素 | 確認する理由 | 具体例 |
|---|---|---|
| いつ | 時効、通院間隔、証拠保存期限、記憶の鮮度に関係します。 | 2026年4月1日午後6時20分頃 |
| どこで | 道路形状、信号、横断歩道、優先関係、管轄警察に関係します。 | 信号機付き交差点、駐車場、高速道路など |
| 誰が | 当事者、所有者、使用者、保険契約者、勤務先責任に関係します。 | 自分、相手運転者、同乗者、会社車両 |
| 何をしていたか | 過失割合と注意義務違反の出発点になります。 | 直進、右折、左折、横断、停車中、駐車場内 |
| 何が損害か | 請求項目と立証資料を整理する基礎になります。 | けが、休業、車両損傷、後遺症、介護、通院交通費 |
| 何に困っているか | 限られた相談時間の優先順位を決めます。 | 治療費終了、過失割合、示談金、後遺障害、相手が無保険 |
事故概要メモには、事故日時、事故場所、当事者、事故態様、警察届出、けがと治療、仕事への影響、車両損害、現在の問題、聞きたいことを順番に書きます。「自分は青信号で直進したと記憶している」「相手は黄色だったと主張している」「自車前方の映像はあるが信号色は映っていない」のように、認識と資料の状況を分けて書くと有用です。
記憶、資料、発言者を分けると、交渉や立証に使える情報へ変わります。
相談前の情報整理では、自分の認識を否定する必要はありません。ただし、示談交渉や裁判では、相手方、保険会社、裁判所、損害調査機関が確認できる資料が重視されます。次の比較表は、あいまいな伝え方を、検討しやすい伝え方へ変える例を示しています。左右の違いから、記憶と資料を分ける意味を読み取ってください。
| 避けたい整理 | 相談で伝えやすい整理 |
|---|---|
| 相手が一方的に悪いです。 | 私は青信号で直進したと記憶しています。相手は黄色だったと主張しています。映像は自車前方のみで、信号色は映っていません。 |
| 首がずっと痛いです。 | 事故翌日に整形外科を受診し、首痛と腰痛を訴えました。診断書には頚椎捻挫と腰椎捻挫と記載されています。 |
| 仕事に行けません。 | 事故後3日欠勤し、その後5回早退しました。会社の勤怠記録と給与明細があります。 |
| 修理代が高いです。 | 修理工場の見積書では、部品代、工賃、塗装費を含めて45万円です。損傷写真も保存しています。 |
保険会社、警察、医師、修理工場、勤務先、相手方からの発言は混ざりやすい部分です。連絡記録では、誰が、いつ、何を、どの方法で言ったのかを残します。日時、相手会社名、担当者名、連絡方法、内容、こちらの返答、次に必要な対応、関連資料を並べると、後から確認しやすくなります。
情報整理の順番は、事故の骨格、資料で確認できる事実、相手方との食い違い、不利に見える事情、弁護士への質問の順に進めると整います。この判断の流れは、何を優先して相談するかを決めるために重要です。上から下へ進む順番が、当日の説明順になります。
日時、場所、当事者、事故態様、損害、困りごとを整理します。
証明書、診断書、写真、映像、見積書、連絡記録を確認します。
相手方の主張、自分の認識と違う点、説明が必要な事情を隠さず整理します。
過失、治療、後遺障害、休業損害、示談案、費用の優先順位を決めます。
警察届出、交通事故証明書、人身事故への切替、実況見分は、保険と民事交渉の基礎になります。
警察関係の情報は、事故が公的に記録されているか、物件事故か人身事故か、相手方の違反が話題になっているかを確認するために重要です。次の表は、相談前に確認する項目と、弁護士がそこから読み取るポイントを示しています。項目ごとに、取得済み、申請中、未確認を分けておくと不足資料が見えます。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 警察届出 | 事故直後に110番したか、後日届け出たかを確認します。 |
| 管轄警察署 | どの警察署、交番、交通課が対応したかを記録します。 |
| 事故扱い | 物件事故か人身事故か、人身事故への切替手続の有無を確認します。 |
| 交通事故証明書 | 取得済み、申請中、未取得のどれかを整理します。 |
| 実況見分 | 実施済みか、立会いの有無、説明した内容を確認します。 |
| 供述調書 | 作成されたか、署名押印したかを記録します。 |
| 相手方の違反 | 信号無視、一時不停止、酒気帯び、速度超過などの話があるかを確認します。 |
| 刑事手続 | 検察庁からの連絡、意見聴取の希望などを整理します。 |
物件事故扱いのままでも、損害賠償請求が当然にできないという単純な話ではありません。ただし、人身事故として届けていない点を指摘されることがあるため、医師の診断書、受診時期、症状の一貫性、事故態様との整合性を整理しておく必要があります。
実況見分や現場説明では、事故時の位置、進行方向、信号、速度感、ブレーキ、相手を発見した地点、危険を感じた地点、衝突地点を説明します。次の一覧は、事故状況図に入れる情報をまとめたものです。道路の形、位置関係、時系列が読み取れるようにすることが重要です。
道路の形状、車線数、信号機、一時停止標識、横断歩道、停止線、見通しを妨げる建物や駐車車両を記録します。
現場自車と相手車の進行方向、初めて相手を見た地点、ブレーキをかけた地点、衝突地点、停止位置を整理します。
位置関係天候、路面、時間帯、夜間照明、植栽、見通しなど、事故の認識や回避に関わる条件を残します。
注意事故類型、接触部位、映像資料を分けると、過失割合の検討がしやすくなります。
過失割合は、事故類型ごとの基本的な考え方から検討されます。次の表は、代表的な事故類型と相談前に整理すべき核心情報を示しています。左の類型を自分の事故に近いものへ当てはめ、右の情報が資料で確認できるかを見てください。
| 事故類型 | 整理すべき核心情報 |
|---|---|
| 追突事故 | 停車中か、減速中か、急ブレーキの理由、車間距離、後続車の速度 |
| 右直事故 | 信号色、右折開始時点、直進車速度、対向車の見通し、矢印信号 |
| 左折巻き込み | 左折合図、車両左側の確認、自転車や歩行者の位置、横断歩道の有無 |
| 出会い頭 | 一時停止標識、優先道路、見通し、停止線、左右確認、速度 |
| 進路変更 | ウインカー、車線変更開始地点、後続車との距離、死角、接触部位 |
| 駐車場事故 | 通路か駐車区画か、前進か後退か、停止中か移動中か、場内ルール |
| 歩行者、自転車、バイク事故 | 信号、横断歩道、走行位置、ライト、すり抜け、転倒地点、路面状況 |
| 非接触事故 | 相手車両の動き、回避行動、転倒原因、目撃者、映像の有無 |
車両の損傷部位は、衝突の力の方向や位置関係を推定する資料になります。自車と相手車の損傷部位、へこみの方向、バンパー、フェンダー、ドア、ボンネット、ヘッドライト、ホイール、エアバッグ作動、自走可能性、修理見積書、全損扱いか修理扱いかを整理します。
デジタル証拠は、上書きや機器交換で失われることがあります。次の表は、事故態様を裏付けるデジタル資料と、相談前に確認する読み取りポイントを示しています。映像、位置、時刻、操作記録を分けて見ると、どの証拠を先に保全すべきかが分かります。
| 証拠 | 相談前の確認 |
|---|---|
| ドライブレコーダー | 映像の有無、前方か前後か、音声の有無、保存済みか、上書きリスク |
| 防犯カメラ | 近隣店舗、駐車場、バス、タクシー、マンション、信号機周辺の有無 |
| スマートフォン | 事故直後の写真、位置情報、通話履歴、メッセージ、警察や救急への発信履歴 |
| EDR | 車種、搭載可能性、事故の重大性、解析の必要性 |
| カーナビやアプリ | 走行経路、時刻、GPS、配車アプリ、業務車両の運行記録 |
けがの有無だけでなく、事故との因果関係、治療経過、生活への影響を資料と一緒に伝えます。
医療情報は、事故でけがをしたことだけでなく、そのけがが事故によって生じた、または悪化したことを説明するために重要です。次の一覧は、症状ごとに整理する情報をまとめています。項目の違いから、診療科、検査、生活記録のどれが不足しているかを読み取ってください。
首、腰、肩、腕、手、脚の痛みやしびれ、発症時期、改善や悪化、レントゲン、MRI、CT、投薬、リハビリ、整骨院利用の状況を整理します。
画像所見、手術の有無、固定期間、リハビリ経過、関節可動域、変形、疼痛、復職時期、装具や松葉杖を整理します。
意識障害、CT、MRI、脳出血、記憶障害、注意障害、疲れやすさ、感情変化、家庭や職場での変化を記録します。
睡眠、運転への恐怖、動悸、外出困難、フラッシュバック、気分の落ち込み、受診先、服薬、カウンセリング、生活への影響を整理します。
初診が遅れた場合は、事故直後の症状、翌日以降の悪化、仕事や家庭の事情、受診日、診断名を時系列で説明します。受診が遅れたからといって直ちに請求できないと決まるものではありませんが、事故との因果関係が争点になりやすくなります。
後遺障害を見据える場合は、残っている症状、部位、検査、治療経過、生活影響、仕事影響、主治医の説明を分けて整理します。次の表は、後遺障害の相談で見られる項目を示しています。行ごとに資料の有無を確認すると、後遺障害診断書を作る前の準備不足に気づきやすくなります。
| 項目 | 具体例 |
|---|---|
| 残っている症状 | 痛み、しびれ、可動域制限、記憶障害、めまい、視力低下、聴力低下 |
| 症状の部位 | 右腕、左脚、頚部、腰部、頭部、顔面、歯、眼、耳 |
| 医学的資料 | MRI、CT、レントゲン、神経学的所見、検査結果 |
| 治療経過 | 通院期間、頻度、リハビリ、投薬、手術 |
| 生活影響 | 家事、育児、通勤、睡眠、運転、歩行、入浴、趣味 |
| 仕事影響 | 欠勤、配置転換、時短勤務、収入減、退職、復職困難 |
| 主治医の説明 | 今後残る可能性、症状固定、後遺障害診断書 |
人身損害、物的損害、収入減を分けると、示談案のどこを見るべきかが明確になります。
交通事故の損害は慰謝料だけではありません。次の表は、人身損害の項目、内容、主な資料を整理したものです。列ごとに、何を請求項目として見て、どの資料で裏付けるかを確認してください。
| 損害項目 | 内容 | 主な資料 |
|---|---|---|
| 治療費 | 病院、薬局、手術、検査、リハビリ | 診療報酬明細書、領収書、診断書 |
| 通院交通費 | 通院のための電車、バス、タクシー、自家用車 | 通院交通費明細、領収書、通院日一覧 |
| 付添費、入院雑費 | 付添いが必要な場合や入院中の日用品 | 医師の指示、付添記録、入院期間資料 |
| 休業損害 | 事故で働けず収入が減った損害 | 休業損害証明書、給与明細、源泉徴収票、確定申告書 |
| 慰謝料、逸失利益 | 入通院、後遺障害、将来収入への影響 | 通院期間、後遺障害等級、収入資料、年齢 |
| 将来介護費、家屋改造費、装具費 | 重度後遺障害で必要となる将来の支出 | 医師意見、介護記録、福祉資料、見積書 |
物的損害は、修理費だけでなく、全損時の車両時価額、評価損、代車費用、レッカー費用、積載物損害、営業車の休車損害も検討対象になります。次の表は、物損で確認する資料を示しています。修理前写真と見積書の両方を残すことが重要です。
| 損害項目 | 内容 | 主な資料 |
|---|---|---|
| 修理費 | 車両修理に必要な費用 | 修理見積書、請求書、写真 |
| 車両時価額、評価損 | 全損時の価値や修理後の価値下落 | 車検証、査定資料、中古車相場、骨格損傷資料 |
| 代車費用、レッカー費用 | 修理中や搬送時に必要な費用 | 代車契約、請求書、領収書、保険対応記録 |
| 積載物損害、休車損害 | 車内の物、営業車やタクシーなどの営業損害 | 写真、購入資料、運行記録、売上資料 |
休業損害は、給与所得者、自営業者、会社役員、家事従事者で必要資料が異なります。次の一覧は、立場ごとの確認点を示しています。自分の働き方に近い項目を選び、欠勤、早退、売上減、家事負担、復職時期の資料をそろえます。
休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細、勤怠記録、有給休暇、遅刻や早退、賞与減額を整理します。
確定申告書、決算書、売上台帳、請求書、事故前後の売上比較、代替労働者の費用を整理します。
役員報酬規程、議事録、決算書、業務内容、事故前後の勤務実態を整理します。
家事ができなくなった内容、家族構成、育児や介護、代替サービス、家族の負担増を記録します。
相手方保険だけでなく、自分や家族の保険、労災、健康保険、政府保障事業も整理します。
交通事故では、加害者側の自賠責保険や任意保険だけでなく、自分や家族の保険契約が重要になることがあります。次の表は、相談前に確認する保険と制度を整理したものです。左の種類ごとに、契約者、対象者、担当者、受付番号を確認してください。
| 保険、制度 | 確認すべきこと |
|---|---|
| 相手方自賠責保険 | 会社名、証明書番号、車両番号、保険期間 |
| 相手方任意保険 | 保険会社名、担当者名、連絡先、事故受付番号 |
| 自分の任意保険 | 人身傷害保険、搭乗者傷害、車両保険、弁護士費用特約 |
| 家族の保険 | 弁護士費用特約、個人賠償責任保険など |
| 労災保険 | 業務中、通勤中の事故か |
| 健康保険 | 第三者行為による傷病届が必要か |
| 生命保険、傷害保険 | 入院給付、通院給付、後遺障害給付の有無 |
相手が不明なひき逃げ事故、相手が自賠責保険に加入していない事故、盗難車による事故などでは、政府保障事業が検討対象になることがあります。相手方情報、警察届出、自分の人身傷害保険、目撃者、映像の有無を整理します。
健康保険を使っている場合は、第三者行為による傷病届の提出や示談前の連絡が問題になります。次の判断の流れは、保険と制度の確認順を表しています。上から順に確認すると、費用負担や請求先の見落としを減らせます。
自賠責保険、任意保険、担当者、事故受付番号を整理します。
人身傷害保険、車両保険、弁護士費用特約を確認します。
勤務先への報告、労災申請、休業との関係を整理します。
警察届出、相手方情報、自分の保険内容をまとめます。
日付と資料の分類をそろえると、事故後の経過と不足資料が一目で分かります。
時系列表は、事故日、初診日、検査日、通院日、休業日、保険会社との連絡日、症状固定日、後遺障害申請日、示談提示日、時効に関わる日付を一つにまとめるものです。次の時系列は、事故後の出来事をどう並べるかを示しています。上から下へ、警察、医療、保険、仕事、修理の動きを読み取ってください。
警察届出。救急搬送なし。首に違和感。現場写真と車両写真を保存します。
首痛、腰痛が強くなり、相手保険会社から電話連絡を受けます。
頚椎捻挫、腰椎捻挫。レントゲン撮影。診断書と領収書を保存します。
保険会社から20対80との説明。理由を書面で求め、電話メモを残します。
保険会社から治療費対応終了の連絡。主治医の説明と治療経過を整理します。
紙資料とデジタル資料は、同じ分類で管理すると探しやすくなります。次の一覧は、資料フォルダの分類を表しています。番号順に、事故の全体像、警察、現場、医療、仕事、保険、交渉、質問へ進む構造として使います。
事故概要メモ、時系列表、事故状況図を置きます。
全体像交通事故証明書、警察との連絡メモ、現場写真、車両写真、修理見積書、映像を整理します。
証拠診断書、診療報酬明細書、検査画像、症状日誌、休業損害証明書、給与明細、確定申告書をまとめます。
損害保険証券、相手保険会社の書面、電話メモ、メール、示談案、賠償額計算書、質問リストを置きます。
相談用デジタル資料のファイル名は、日付、資料の種類、内容が分かる形にします。たとえば、20260401_事故現場写真_交差点全体.jpg、20260403_診断書_整形外科.pdf、20260410_保険会社電話メモ_過失割合.txtのようにそろえます。
限られた時間では、相談目的、事故概要、争点、今後の方針、次にやることを順番に確認します。
無料相談や初回相談は30分程度に限られることがあります。次の表は、30分相談を想定した時間配分を示しています。時間の列は目安で、内容の列を上から順に進めると、相談目的と次の行動を確認しやすくなります。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 0から3分 | 今日相談したい結論を伝える。 |
| 3から8分 | 事故概要メモを説明する。 |
| 8から15分 | 過失、治療、後遺障害、示談案などの争点を説明する。 |
| 15から22分 | 弁護士からの質問に答える。 |
| 22から27分 | 今後の方針、必要資料、費用、弁護士費用特約を確認する。 |
| 27から30分 | 次に自分がやることを確認する。 |
最初に「今日は何を判断してほしいか」を伝えると、相談が散漫になりません。たとえば、過失割合20対80の妥当性、治療費終了への対応、後遺障害申請を見据えて準備すべき資料の三つを確認したい、と整理します。
質問リストは、過失、治療、後遺障害、損害賠償、費用と依頼に分けると漏れを減らせます。次の一覧は、質問の分類と代表例を示しています。自分の相談目的に近いものを選び、優先順位を付けてください。
相手保険会社の過失割合は妥当か、どの事実で変わる可能性があるか、追加で映像や防犯カメラを探すべきかを確認します。
相談前にしてはいけないことも整理しておきます。示談書への署名押印、症状の過大表現や我慢、資料の廃棄、事故後のSNS投稿、相手方との感情的な直接交渉は、後の説明や立証を難しくする可能性があります。
相談前の最終確認として、事故概要、警察、証拠、医療、損害、保険、交渉を点検します。
相談直前には、資料があるかどうかを分野ごとに確認します。次の比較表は、確認分野と具体項目をまとめたものです。左から順に見て、不足している資料や未確認事項をメモしておくと、相談中に「まだ確認できていない」と正確に伝えられます。
| 分野 | 確認する項目 |
|---|---|
| 事故概要 | 事故日時、事故場所、事故状況図、相手方情報 |
| 警察 | 届出、管轄警察署、物件事故か人身事故か、交通事故証明書、実況見分や供述のメモ |
| 証拠 | 現場写真、車両写真、ドライブレコーダー、防犯カメラや目撃者、修理見積書 |
| 医療 | 初診日、診断書、診療報酬明細書、通院日一覧、症状日誌、検査画像 |
| 損害 | 休業損害資料、給与明細、源泉徴収票、確定申告書、通院交通費、車両修理費、家事や介護への影響 |
| 保険 | 相手保険会社、自分の保険証券、弁護士費用特約、人身傷害保険、車両保険、労災や健康保険 |
| 交渉 | 保険会社との電話メモ、示談案、賠償提示書、署名押印した書類、質問リスト |
そのまま使える整理シートは、相談者情報、事故情報、当事者、事故態様、警察、証拠、医療、後遺障害、損害、保険、交渉状況、聞きたいことの十二項目で作ります。次の一覧は、記入すべき大項目を示しています。空欄があること自体も重要な情報なので、未確認のまま相談へ持参してかまいません。
相談者情報、事故日、事故時刻、事故場所、天候、路面、道路形状、信号、相手方、所有者、使用者、勤務先を整理します。
基本警察届出、管轄警察署、交通事故証明書、実況見分、現場写真、車両写真、映像、防犯カメラ、目撃者を確認します。
証拠初診日、診断名、検査、治療内容、通院頻度、症状固定、後遺障害、治療費、休業、収入減、車両修理費を整理します。
損害回答は一般的な情報です。具体的な見通しは資料を整理したうえで専門家へ確認する必要があります。
一般的には、交通事故証明書が未取得でも相談自体は可能とされています。ただし、交通事故証明書は事故発生を公的に示す重要資料です。警察への届出がない事故では発行されないため、届出状況、申請予定、管轄警察署を整理して伝える必要があります。
一般的には、示談案に納得できない点がある場合、後遺症が残る可能性がある場合、損害額が分からない場合は、署名押印の前に内容を確認することが重要とされています。返答期限や保険会社とのやり取りは事案によって異なるため、書面一式を保存し、具体的な対応は弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、自動車保険などに弁護士費用特約が付いている場合、費用負担を軽減できることがあります。ただし、利用できる人の範囲、限度額、対象事故は保険契約によって変わります。保険証券、契約者、補償範囲を確認して相談時に伝える必要があります。
一般的には、修理費、全損、評価損、代車費用、休車損害、過失割合に争いがある場合は相談の対象になることがあります。ただし、損害額、費用対効果、弁護士費用特約の有無で判断が変わるため、具体的には資料を整理して専門家へ確認する必要があります。
一般的には、医師の診断、治療方針、整骨院利用の経緯、通院頻度、施術内容、保険会社の承認状況を伝えることが重要とされています。後遺障害や保険実務では医師の診断書、診療録、画像所見が中心資料になりやすいため、医師の継続的な診察が必要かも相談する必要があります。
一般的には、初診が遅れると事故との因果関係が争点になりやすいとされています。ただし、事故直後の症状、悪化の経過、受診までの事情、診断内容によって評価は変わります。時系列を整理し、具体的な見通しは医師や弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、自賠責保険、相手本人への請求、自分の人身傷害保険、無保険車傷害保険、政府保障事業などが検討対象になることがあります。ひき逃げ、無保険車、盗難車など事情によって手続が変わるため、警察届出、相手方情報、自分の保険内容を整理する必要があります。
一般的には、労災保険の対象になる可能性があります。事故時の業務内容、通勤経路、勤務時間、会社への報告、労災申請状況、給与減額、休職、復職見込みを整理します。損害賠償と労災給付の調整が必要になることがあるため、具体的には弁護士や社会保険労務士等へ相談する必要があります。
一般的には、家族が事故前後の変化、生活動作、介護状況、医療機関、リハビリ、福祉サービス、勤務や学校への影響を記録することが有用とされています。将来介護費、住宅改修、装具、成年後見、障害年金、介護保険、障害福祉制度が関係することがあるため、資料を整理して専門家へ相談する必要があります。
用語の意味を押さえておくと、相談中の説明を理解しやすくなります。
交通事故相談では、過失割合、因果関係、自賠責保険、任意保険、弁護士費用特約、症状固定、後遺障害などの用語が続けて出てきます。次の表は、初回相談で特に使われやすい用語を整理したものです。用語と意味を対応させ、分からない言葉は質問リストへ入れてください。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 過失割合 | 事故発生について、当事者双方の不注意の程度を割合で示す考え方です。 |
| 因果関係 | 事故とけが、休業、後遺症、車両損傷との間につながりがあることです。 |
| 自賠責保険 | 人身事故の被害者救済を目的とする強制保険です。 |
| 任意保険 | 自賠責保険を超える損害や物損などを補償するために加入する保険です。 |
| 弁護士費用特約 | 交通事故などで弁護士に依頼する費用を、保険契約の範囲内で補償する特約です。 |
| 症状固定 | 治療を続けても大幅な改善が見込めない状態をいいます。 |
| 後遺障害 | 事故によるけがが治療後も残り、労働能力や日常生活に影響する状態です。 |
| 休業損害 | 事故で仕事を休んだり働ける時間や能力が低下したりして生じた収入減少です。 |
| 逸失利益 | 後遺障害や死亡により、将来得られたはずの収入を失った損害です。 |
| 被害者請求 | 被害者が加害者側の自賠責保険会社に直接、自賠責保険金を請求する手続です。 |
| 一括対応 | 任意保険会社が治療費などを医療機関に直接支払う実務上の取扱いです。 |
最後に、実践手順は七つです。事故概要メモを一枚作る、時系列表を作る、資料を分類する、争点を三つに絞る、不明点と不安を質問リストにする、弁護士費用特約を確認する、相談後にやることを記録する、という順番で進めます。