交通事故の点数は減点ではなく累積です。基礎点数、付加点数、ひき逃げ・あて逃げなどの措置義務違反、過去3年の累積点数と前歴を順番に確認します。
交通事故の点数は減点ではなく累積です。
減点ではなく、基礎点数、付加点数、事故後の措置義務違反、過去3年の累積と前歴を順番に見ます。
交通事故1件で問題となる点数は、認定された交通違反の基礎点数に、事故結果に応じた付加点数を加え、ひき逃げやあて逃げなどの措置義務違反があればその点数も重なります。そのうえで過去3年間の累積点数と前歴により、免許停止、免許取消し、欠格期間が判断されます。
免許証から点が引かれる制度ではありません。交通違反や交通事故に点数が付き、一定期間の累積で処分基準に達するかを見ます。
信号無視、安全運転義務違反、一時不停止などの基礎点数に、死亡、治療期間、後遺障害、責任程度に応じた点数が加わります。
単なる車両物損だけなら事故結果の付加点数は通常問題になりませんが、建造物損壊、あて逃げ、別の交通違反があれば点数が問題になります。
救護義務違反が問題になると、事故の点数に加えて35点という重い行政処分点数が問題になります。
| 分野 | 主な判断主体 | 目的 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 行政処分 | 都道府県公安委員会、警察 | 道路交通の危険防止、免許管理 | 免許停止、免許取消し、欠格期間、講習 |
| 刑事処分 | 警察、検察、裁判所 | 犯罪としての責任追及 | 罰金、拘禁刑、執行猶予、不起訴等 |
| 民事責任・保険 | 当事者、保険会社、裁判所 | 損害の填補 | 治療費、休業損害、慰謝料、逸失利益、修理費等 |
まず違反行為を見て、次に事故結果、措置義務違反、過去点数と前歴を確認します。
安全運転義務違反、信号無視、一時不停止、速度超過など、事故原因となる違反を見ます。
死亡、治療期間、後遺障害、責任程度に応じた人身事故・建造物損壊事故の点数を足します。
ひき逃げ、あて逃げ、報告義務違反があると、事故後対応そのものが重く評価されます。
最後の違反・事故日を基準に過去3年間を見て、前歴の回数と合わせて停止・取消し基準を判断します。
| 事故態様の例 | 認定されやすい違反 | 基礎点数の典型 |
|---|---|---|
| 追突、前方不注視、ブレーキ遅れ | 安全運転義務違反 | 2点 |
| 赤信号進入 | 信号無視 | 2点 |
| 一時停止標識の見落とし | 指定場所一時不停止等 | 2点 |
| 横断歩道上の歩行者との事故 | 横断歩行者等妨害等 | 2点 |
| 速度超過中の事故 | 速度超過 | 超過速度により1点、2点、3点、6点、12点等 |
| 酒気帯び状態の事故 | 酒気帯び運転、または酒気帯び点数の加重 | アルコール濃度・違反内容により大幅加重 |
実際の認定は、現場状況、信号サイクル、車両損傷、ブレーキ痕、ドライブレコーダー、防犯カメラ、目撃者、供述、医療記録などを総合して判断されます。
| 交通事故の種別 | 専ら違反者の不注意 | 左記以外 |
|---|---|---|
| 死亡事故 | 20点 | 13点 |
| 治療期間3月以上、または後遺障害がある傷害事故 | 13点 | 9点 |
| 治療期間30日以上3月未満の傷害事故 | 9点 | 6点 |
| 治療期間15日以上30日未満の傷害事故 | 6点 | 4点 |
| 治療期間15日未満の傷害事故、または建造物損壊事故 | 3点 | 2点 |
付加点数表の「専ら」は、事故発生について違反者側の不注意が主たる原因と評価される場合を指します。停止中の車両への追突、明白な赤信号無視、見通しのよい道路での前方不注視などが典型的に問題になりやすい領域です。
ただし、民事の過失割合が90対10だから必ず「専ら」になる、80対20だから必ず「その他」になる、という換算はできません。警察・公安委員会側の事故原因認定、証拠、供述、診断書、現場資料により判断されます。
専らの場合は3点、左記以外では2点が問題になります。建造物損壊事故もこの区分に入ります。
基礎点数2点と組み合わさると、前歴0回でも30日停止の基準に届くことがあります。
前歴0回なら60日停止に進む可能性があるため、診断書と治療経過の確認が重要です。
症状固定後に残った障害が問題になる場合、自賠責、労災、障害年金等とは制度が異なる点にも注意が必要です。
同じ基礎点数2点でも、負傷期間や事故後対応で結論が大きく変わります。
| モデル | 計算イメージ | 免許への影響の見方 |
|---|---|---|
| 追突事故で相手が2週間のけが | 安全運転義務違反2点 + 付加点数3点 = 5点 | 前歴0回で他に点数がなければ、6点の停止基準には届きません。ただし既に1点以上あれば処分対象になり得ます。 |
| 信号無視で歩行者に20日のけが | 信号無視2点 + 付加点数4点 = 6点 | 前歴0回なら30日の免許停止基準です。軽微違反で累積6点となる場合は、違反者講習の対象可能性も確認します。 |
| 一時不停止で30日以上3月未満のけが | 一時不停止2点 + 付加点数9点 = 11点 | 前歴0回で他に点数がなければ、9点から11点は60日の免許停止に該当します。 |
| 死亡事故 | 安全運転義務違反2点 + 死亡事故の付加点数20点 = 22点 | 前歴0回でも、一般違反行為の取消基準で欠格期間1年の取消し区分に入ります。 |
| 事故後に救護せず現場を離れた場合 | 安全運転義務違反2点 + 付加点数3点 + 救護義務違反35点 = 40点 | 特定違反行為では、前歴0回でも35点から取消し領域です。40点から44点は欠格期間4年の区分です。 |
| けが人のない車両物損 | 事故結果の付加点数は通常問題になりません | ただし交通違反、建造物損壊、あて逃げがあれば点数問題が生じます。 |
前歴が増えるほど低い点数でも処分対象になります。特定違反行為は前歴0回でも重い取消し領域です。
| 過去3年以内の前歴 | 30日停止 | 60日停止 | 90日停止 | 120日停止 | 150日停止 | 180日停止 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| なし | 6から8点 | 9から11点 | 12から14点 | なし | なし | なし |
| 1回 | なし | 4から5点 | 6から7点 | 8から9点 | なし | なし |
| 2回 | なし | なし | 2点 | 3点 | 4点 | なし |
| 3回 | なし | なし | なし | 2点 | 3点 | なし |
| 4回以上 | なし | なし | なし | なし | 2点 | 3点 |
前歴0回であれば5点は停止基準未満ですが、前歴2回で4点なら150日の停止です。前歴の有無は処分の重さを大きく左右します。
| 前歴 | 欠格1年 | 欠格2年 | 欠格3年 | 欠格4年 | 欠格5年 |
|---|---|---|---|---|---|
| なし | 15から24点 | 25から34点 | 35から39点 | 40から44点 | 45点以上 |
| 1回 | 10から19点 | 20から29点 | 30から34点 | 35から39点 | 40点以上 |
| 2回 | 5から14点 | 15から24点 | 25から29点 | 30から34点 | 35点以上 |
| 3回以上 | 4から9点 | 10から19点 | 20から24点 | 25から29点 | 30点以上 |
| 前歴 | 欠格3年 | 欠格4年 | 欠格5年 | 欠格6年 | 欠格7年 | 欠格8年 | 欠格9年 | 欠格10年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| なし | 35から39点 | 40から44点 | 45から49点 | 50から54点 | 55から59点 | 60から64点 | 65から69点 | 70点以上 |
| 1回 | なし | 35から39点 | 40から44点 | 45から49点 | 50から54点 | 55から59点 | 60から64点 | 65点以上 |
| 2回 | なし | なし | 35から39点 | 40から44点 | 45から49点 | 50から54点 | 55から59点 | 60点以上 |
| 3回以上 | なし | なし | なし | 35から39点 | 40から44点 | 45から49点 | 50から54点 | 55点以上 |
特定違反行為には、危険運転致死傷等、酒酔い運転、麻薬等運転、妨害運転、救護義務違反などが含まれます。事故により負傷・死亡が生じ、危険運転致死傷等が問題になる場合は、通常の基礎点数と付加点数だけで整理する発想では足りません。
1年無事故・無違反、3か月特例、違反者講習、停止処分者講習、意見の聴取を整理します。
最後の交通違反や交通事故の日を起算日として、過去3年間の累積点数を見ます。
運転可能な期間で1年以上無事故・無違反・無処分がある場合、それ以前の点数が現在の累積に加算されないことがあります。
2年以上無事故・無違反・無処分後に1点から3点の違反をし、その後3か月以上無事故・無違反で経過すると、その点数は累積されない扱いがあります。
軽微違反で累積6点となった一定の人は、受講により30日の停止処分が課されず、その6点が以後の違反に累積されず、処分前歴も付きません。
| 停止期間 | 講習による短縮の説明 | 注意点 |
|---|---|---|
| 30日停止 | 29日以下の短縮があり得ます | 考査成績や受講態度で変わり、短縮されない場合もあります。 |
| 60日から120日停止 | 停止日数の2分の1以下の短縮があり得ます | 違反者講習を受講しなかった場合など、停止処分者講習を受けられない場面があります。 |
| 150日停止 | 70日以下の短縮があり得ます | 短縮の可否・日数は個別に判断されます。 |
| 180日停止 | 80日以下の短縮があり得ます | 生活への影響だけで当然に短縮される制度ではありません。 |
免許取消し、または90日以上の免許停止に該当する場合、処分を受ける人または代理人が、処分理由について意見を述べ、有利な証拠を提出できる機会が設けられます。
ドライブレコーダー、防犯カメラ、現場写真、車両損傷写真、信号サイクル、道路図面が重要です。
診断書、画像検査、治療経過、症状固定や後遺障害に関する資料を整理します。
飛び出し、信号状況、速度、視認可能性、回避可能性などが問題になります。
職業運転者、通勤、介護、医療通院、事業継続への影響を資料化します。
安全運転講習、車両安全装備、運転業務の見直し、社内教育などを整理します。
交通事故証明書は、警察から提供された証明資料に基づき、交通事故の事実を確認したことを証明する書面です。警察に届出されていない事故については申請できません。
自分の点数を確認したい場合は、累積点数等証明書や運転記録証明書の取得を検討します。電話で点数を簡単に教えてもらえるとは限らないため、正式な証明書で確認するのが基本です。
点数以前に、停止、救護、危険防止、警察報告、医療機関受診、証拠保全を外さないことが重要です。
接触が軽く見えても、その場を離れず安全な位置に停車します。
人命・安全に関わる場面では、救護と医療機関への橋渡しが優先される対応とされています。
ハザード、三角表示板、発炎筒、安全な退避などで道路上の危険を減らします。
日時、場所、死傷者、損壊物、積載物、事故後の措置を報告します。
相手方、目撃者、車両、現場、信号、標識、道路状況を記録し、保険会社へ連絡します。
痛みや違和感があれば早期に医療機関を受診し、診断書、領収書、通院記録、休業資料を保管します。
むち打ち、頚椎捻挫、腰椎捻挫、骨折、靭帯損傷、関節内骨折、神経症状では、初期診断、画像検査、経過観察、リハビリ計画が重要です。
診断書画像| 分野 | 重要資料 | 点数・免許との関係 |
|---|---|---|
| 事故鑑定 | ドライブレコーダー、防犯カメラ、EDR、破片位置、ブレーキ痕、信号サイクル、衝突角度 | 基礎違反や「専ら」の評価に影響し得ます。 |
| 車両技術 | 車両損傷写真、修理見積書、灯火、タイヤ、ブレーキ、データ保全 | 修理・廃車前に保存しないと後から事故態様を検証しにくくなります。 |
| 保険実務 | 交通事故証明書、診断書、過失割合資料、示談案、既払金資料 | 保険会社は免許点数を決めませんが、資料面では行政・刑事・民事と交差します。 |
被害者側では、点数そのものよりも、適正な治療、休業補償、慰謝料、後遺障害、逸失利益、将来介護費、車両損害が中心問題になります。加害者側では、刑事・行政・民事を分け、保険会社任せでよい部分と専門家の検討が必要な部分を切り分ける必要があります。
誤解を残したまま示談、届出、証拠保全を進めると、行政処分以外の不利益にもつながります。
一般的には、点数制度は減点方式ではなく累積方式とされています。免許証に100点があり事故で減る制度ではありません。ただし、累積点数や前歴の扱いは個別の記録により変わるため、正式には累積点数等証明書などで確認する必要があります。
一般的には、単なる車両物損だけなら事故結果による付加点数は通常問題になりません。ただし、交通違反の基礎点数、建造物損壊、あて逃げがあれば点数が問題になる可能性があります。
一般的には、相手が大丈夫と言っただけで救護義務や報告義務が当然に終わるとは限りません。後日受診や診断書提出があると、人身事故や救護義務違反が問題になる可能性があります。
一般的には、点数制度は行政上の危険性評価であり、民事賠償の過失割合とは一致しません。事故態様、証拠、供述、診断書などにより判断が変わる可能性があります。
一般的には、示談は刑事処分や民事解決に影響し得ますが、行政点数や免許処分が当然に消えるわけではありません。公安委員会が道路交通の危険防止の観点から判断します。
一般的には、違反者講習は一定の軽微違反で30日の停止処分を受けないための制度、停止処分者講習は既に停止処分を受けた人が停止期間短縮を受けるための制度と整理されます。
一般的には、電話で回答しない運用を示している都道府県警もあります。累積点数等証明書や運転記録証明書の取得を検討する必要があります。
| 場面 | 確認すること |
|---|---|
| 事故直後 | 停止、負傷者確認、119番、110番、二次事故防止、相手方情報、現場写真、ドラレコ保存、保険会社連絡、医療機関受診 |
| 点数が気になるとき | 基礎違反、人身事故か物損事故か、診断書の治療期間、後遺障害可能性、複数負傷者、「専ら」評価、ひき逃げ・あて逃げ、過去3年の点数、前歴、講習対象、意見の聴取対象 |
| 相談前 | 交通事故証明書、診断書、診療明細、画像資料、車両写真、修理見積書、ドラレコ、警察・公安委員会通知、保険会社書面、運転記録証明書、事故時系列、仕事・通院・介護への影響 |
免許、刑事、民事、保険が重なる場合は、資料をそろえて一般情報ではなく個別資料に基づく検討が必要です。
死亡事故、重傷事故、後遺障害疑い、ひき逃げ・あて逃げ・酒気帯び・危険運転・妨害運転疑い、免許取消し、90日以上の停止、意見の聴取通知、事故態様の争い、職業運転者や業務中事故などです。
物損扱いのままだが痛みがある、加害者が現場から離れた、治療費打切り、後遺障害、休業損害、逸失利益、慰謝料、過失割合、死亡事故の遺族対応などです。
交通事故証明書、診断書、診療明細、検査画像、事故写真、修理見積書、ドラレコ、防犯カメラ情報、行政処分通知、保険会社書面、運転記録証明書、給与明細、休業資料、生活影響メモです。
| 分野 | 関わる専門職 | 点数・免許との関係 |
|---|---|---|
| 現場対応 | 警察官、救急隊員、消防、道路管理者、レッカー | 事故態様、救護、報告、危険防止、実況見分 |
| 医療 | 医師、看護師、リハビリ職、診療放射線技師、心理職 | 診断書、治療期間、後遺障害、治療経過 |
| 法律 | 弁護士、検察官、裁判官、行政書士、司法書士 | 刑事、行政処分、民事賠償、証拠整理 |
| 保険 | 保険会社担当者、損害調査員、医療調査担当 | 事故証明、損害額、治療費、過失割合 |
| 鑑定・車両技術 | 交通事故鑑定人、工学鑑定人、映像解析者、整備士 | 速度、衝突角度、回避可能性、信号認識、車両損傷 |
| 労務・生活 | 社会保険労務士、福祉職、心理職、産業医 | 休業、復職、障害年金、労災、生活再建 |
制度の一次情報と中立的な資料を中心に整理しています。