後遺障害等級に納得できないとき、何を追加すれば再評価につながり得るのかを、10の架空の想定ケースと資料チェックから整理します。
後遺障害等級に納得できないとき、何を追加すれば再評価につながり得るのかを、10の架空の想定ケースと資料チェックから整理します。
等級変更は、初回認定理由と証拠をつなぎ直せるかで検討します。
交通事故の後遺障害認定に対する異議申立てで等級が上がる場面は、感情的な不服ではなく、初回認定で不足した資料を等級表の要件に結び直せる場面です。このページでは、制度の前提、10の架空の想定ケース、弁護士が確認する資料、避けたい行動までを一体で整理します。
次の重要ポイントは、異議申立てで等級が上がる架空の想定ケースに共通する考え方を表します。読者にとって重要なのは、痛みや困りごとの大きさだけでなく、初回認定理由にどの資料で答えるかを読み取ることです。
2024年度統計では、後遺障害専門部会の審査件数10,601件のうち、等級変更ありが1,063件、等級変更なしが9,308件、再調査が175件、その他が55件とされています。単純計算では約10.0%であり、難しさと再検討余地の両方を示す数字です。
次の比較一覧は、異議申立てで重視される3つの視点を並べたものです。各項目は、なぜ等級変更に関係するのか、何を資料で読み取るべきかを示しています。
非該当や低い等級の理由を読み、画像不足、症状経過、因果関係、測定不備など、どの争点が問題だったのかを特定します。
診療録、画像、検査、事故態様、生活資料をばらばらに出すのではなく、等級表の要件との対応関係で整理します。
同じ傷病名でも事故態様、既往症、症状の一貫性で結論は変わります。一般情報として枠組みを理解し、個別判断は資料をもとに専門家へ確認します。
後遺症と後遺障害、症状固定、等級、併合、請求方法を整理します。
後遺障害、症状固定、等級、異議申立ては、それぞれ意味が異なります。次の比較表は、用語の違いと実務上の読み方を整理したものです。列ごとに、制度上の意味、異議申立てで見る資料、読み取るべき注意点を確認してください。
| 用語 | 制度上の意味 | 異議申立てで確認する資料 |
|---|---|---|
| 後遺症と後遺障害 | 後遺症は事故後に残る症状一般です。後遺障害は、事故との相当因果関係、医学的裏づけ、等級表への該当性が問題になる制度上の概念です。 | 診断書、診療録、画像、検査、症状固定時の残存症状、既往症との区別を確認します。 |
| 症状固定 | 医学上一般に認められた医療を行っても大きな改善が期待しにくくなった時点です。後遺障害請求では症状固定日の翌日から3年という期限が重要です。 | 治療経過、主治医の判断、改善可能性、症状固定日、時効更新の必要性を確認します。 |
| 等級、系列、併合、相当 | 介護を要する後遺障害は別表第一の第1級、第2級、その他は別表第二の第1級から第14級に分かれます。複数障害の併合や表に明示されない相当評価も問題になります。 | 障害部位、系列、等級表、複数障害の評価漏れ、既存障害や加重障害を確認します。 |
| 被害者請求と事前認定 | 被害者請求は被害者側が自賠責へ直接資料を出す方法、事前認定は任意保険会社が資料を取りまとめる方法です。 | 資料を主体的に補えるか、既提出資料、相手保険会社の対応、時効、依頼者負担を確認します。 |
次の判断の流れは、初回認定後にどの選択肢を検討するかを示しています。上から順に確認し、分岐では新しい資料や認定理由への反論があるかを読み取ってください。
認定票、理由書、後遺障害診断書、診療録、画像、事故資料をそろえます。
画像所見、症状経過、因果関係、測定値、専門科資料、併合評価のどれが問題かを分けます。
新資料や補足説明を等級要件につなげます。
紛争処理申請、示談、訴訟、社会保障制度を含めて考えます。
次の比較表は、自賠責保険の支払限度額と等級の位置づけを確認するためのものです。金額だけで結論は決まりませんが、等級が変わると自賠責保険金だけでなく、慰謝料や逸失利益などの交渉にも影響する点を読み取れます。
| 区分 | 等級・限度額 | 読み取り方 |
|---|---|---|
| 介護を要する後遺障害 | 第1級4,000万円、第2級3,000万円 | 重い障害では将来介護費、生活再建、福祉制度との関係も問題になります。 |
| その他の後遺障害 | 第1級3,000万円から第14級75万円 | 等級が1つ変わるだけでも、慰謝料、逸失利益、労働能力喪失率の議論が変わります。 |
| 異議申立て後の選択肢 | 再度の異議申立て、紛争処理申請、民事訴訟 | 資料の内容、時効、示談状況、立証負担を踏まえて選択します。 |
主張の強さではなく、認定要件に対する資料の関係を見ます。
異議申立てで等級が上がるかどうかは、主張の強さではなく、初回認定を動かせる資料構造の有無で見ます。次の比較一覧では、上がりやすい構造と難しくなりやすい構造を対比し、どこを読み取るべきかを示します。
| 等級変更が問題になりやすい構造 | 難しくなりやすい構造 |
|---|---|
| 初回認定時に重要な資料が出ておらず、画像、検査、診療録、専門科資料を追加できる。 | 初回認定理由に対する具体的反論がなく、同じ資料だけを出し直す。 |
| 提出済み資料の読み方に争点があり、医学的・法的に再評価の余地を説明できる。 | 新しい医学資料がなく、本人の苦痛や生活上の困難だけを強調する。 |
| 症状、画像、神経学的所見、治療経過が同じ部位や系列で整合する。 | 症状の訴えが事故直後から症状固定まで一貫せず、通院中断の説明もない。 |
| 後遺障害診断書の記載漏れ、可動域測定不備、専門科資料の不足を補正できる。 | 医師の診断と本人の主張が一致せず、等級表の要件との関係が弱い。 |
| 事故態様、車両損傷、救急記録により受傷機転を説明できる。 | 画像所見が加齢変性に近く、事故前後の変化や急性増悪を示せない。 |
次の一覧は、初回認定理由の読み方と弁護士が確認する資料を対応させたものです。左列の理由を見つけたら、右列のどの資料で補えるかを読むことが重要です。
| 認定理由の型 | 主な争点 | 弁護士が確認する方向性 |
|---|---|---|
| 画像上、外傷性所見に乏しい | 器質的損傷、加齢変性との区別 | 画像再確認、専門医意見、事故態様の整理を検討します。 |
| 症状経過に一貫性がない | 受傷直後から症状固定までの連続性 | 診療録、リハビリ記録、投薬、生活記録を時系列化します。 |
| 神経学的所見に乏しい | 反射、知覚、筋力、誘発テストの整合性 | 検査結果の推移と症状部位の対応関係を整理します。 |
| 可動域制限が基準未満 | 測定方法、健側比較、自動・他動の区別 | 再測定や測定値の正確性確認を主治医に相談します。 |
| 高次脳機能障害が認められない | 意識障害、画像、認知機能、生活支障 | 急性期記録、神経心理検査、家族報告、職場資料を集めます。 |
| 醜状が不明確 | 写真、測定、部位、人目につく程度 | 形成外科資料、鮮明な写真、測定値を整理します。 |
神経症状、可動域、高次脳機能障害、CRPS、醜状、併合評価などを比較します。
次の比較表は、10の架空の想定ケースを、初回評価、問題点、弁護士の対応、想定される変更理由に分けて整理したものです。行ごとに、どの資料不足があり、どの証拠を補うと等級表との関係が強まるのかを読み取ってください。
| 架空の想定ケース | 初回評価 | 問題点 | 弁護士の対応 | 読み取るポイント |
|---|---|---|---|---|
| 頚椎捻挫の神経症状 | 14級9号 | MRI所見と右C6領域のしびれ、腱反射低下、スパーリングテスト陽性などの対応が整理されていない。 | 診療録、画像、リハビリ記録を取り寄せ、症状部位、神経学的所見、画像所見の対応表と医師への事実確認型意見書を整える。 | 画像、症状、神経学的所見、経過が一致すれば12級13号への変更が検討されます。 |
| 腰椎捻挫後の下肢しびれ | 非該当 | 救急記録には腰痛中心で、左下肢しびれの連続性が初回資料では見えにくい。 | 救急記録、整形外科初診、リハビリ記録、投薬、職場制限、車両損傷から症状の連続性と受傷機転を時系列化する。 | 事故後から症状固定まで連続し、医学的に説明可能なら14級9号が検討されます。 |
| 肩関節可動域制限 | 非該当 | 自動値と他動値、健側比較、腱板損傷疑い、生活動作制限が整理されていない。 | 肩MRI、読影所見、可動域再測定、疼痛制限と構造的制限、リハビリ記録、洗髪や棚上げ作業への影響を整理する。 | 腱板損傷などの器質的原因と測定値が整合すれば12級6号または12級相当が問題になります。 |
| 高次脳機能障害 | 非該当または軽い評価 | 会話が可能なため、意識障害、神経心理検査、生活変化、復職後の失敗が十分に表現されていない。 | 救急搬送記録、頭部画像、意識障害の推移、神経心理検査、家族観察、職場資料、既往症との鑑別を整える。 | 生活場面と就労場面の低下が医学資料と整合すれば9級10号や7級4号などが検討されます。 |
| CRPSまたはRSD | 14級9号 | 疼痛、関節拘縮、骨萎縮、皮膚変化が散在し、慢性期所見として体系化されていない。 | 骨折部位、疼痛の性質、関節拘縮、骨萎縮画像、皮膚温や色調、発汗、浮腫、治療経過を左右差とともに整理する。 | 主要所見が健側比較で明らかなら14級から12級への変更が検討されます。 |
| 外貌醜状 | 非該当または14級 | 写真が不鮮明で、瘢痕の長さ、幅、部位、色調、隆起、陥凹が伝わらない。 | 形成外科資料、顔全体写真、近接写真、正面・側面・斜位、測定値、将来改善見込みを整理する。 | 測定可能な醜状障害として示せれば12級14号や9級16号などが問題になります。 |
| 脊柱変形 | 14級9号 | 胸腰椎圧迫骨折後の椎体高減少や後弯変形が、疼痛中心の資料に埋もれている。 | 事故直後と症状固定時のX線、CT、MRIを比較し、骨折部位、変形程度、労務や日常生活への影響を確認する。 | 疼痛だけでなく構造的変化が要件を満たせば11級などが検討されます。 |
| 歯科・顎関節・咀嚼障害 | 十分に評価されない | 整形外科資料中心で、歯牙損傷、補綴本数、顎関節、咀嚼制限が漏れている。 | 歯科、口腔外科の診断書、レントゲン、口腔内写真、補綴内容、事故前治療歴との区別を整理する。 | 口腔領域の障害を独立して示せれば等級変更や併合評価が問題になります。 |
| めまい・平衡機能障害 | 非該当または14級 | 耳鼻咽喉科の平衡機能検査がなく、めまいが主観症状として扱われている。 | 眼振検査、重心動揺検査、温度刺激検査、聴力検査、前庭機能検査、既往症との鑑別を整理する。 | 専門科検査と事故後経過が整合すれば14級、12級、さらに上位等級が検討されます。 |
| 併合評価の見落とし | 主症状だけ評価 | 鎖骨変形、顔面瘢痕、頚部神経症状など複数障害の部位・系列が分解されていない。 | 障害を部位別・系列別に分け、資料、初回評価、異議での争点を一覧化する。 | 別系列の障害が適切に評価されれば全体として上位等級になる可能性があります。 |
次の障害別一覧は、10事例のうち特に専門科資料が重要になりやすい領域をまとめたものです。読者にとって重要なのは、同じ「痛み」や「不便」でも、必要な診療科や検査が異なる点を読み取ることです。
頚椎捻挫、腰椎捻挫では、症状分布、画像、神経学的検査、治療経過を同じ神経領域でそろえます。
12級・14級一貫性肩、足首、手指などでは、自動・他動、健側比較、測定日、測定者、疼痛制限と構造的制限の区別が重要です。
測定値再確認意識障害、頭部画像、神経心理学的検査、家族観察、職場資料を事故前後の変化として整理します。
生活変化専門性関節拘縮、骨萎縮、皮膚変化という慢性期所見を健側比較で示し、疼痛だけの主張にしないことが重要です。
慢性期所見左右差写真、測定値、口腔内資料、平衡機能検査など、専門診療科の資料を漏らさないことが評価の前提になります。
専門科資料漏れ複数の障害を部位別、系列別に分け、同一系列か別系列か、相当評価や併合の見落としがないかを確認します。
系列全体評価次の比較表は、併合評価の見落としが疑われる場合に作る整理表の例です。列ごとに、障害、資料、初回評価、異議での争点を分けることで、主症状だけに審査が偏っていないかを読み取れます。
| 障害 | 資料 | 初回評価 | 異議での争点 |
|---|---|---|---|
| 頚部神経症状 | 整形外科診療録、MRI | 14級9号 | 症状の一貫性、神経学的所見 |
| 鎖骨変形 | X線、外観写真 | 未評価 | 変形の客観的残存 |
| 顔面瘢痕 | 形成外科診断書、写真 | 未評価 | 長さ、部位、人目につく程度 |
相談初期、医療記録、医師照会、事故資料、生活資料を順に整えます。
弁護士が行う対応は、資料を大量に集めることではなく、認定理由に対して必要な資料を順にそろえることです。次の時系列は、相談初期から異議申立書作成までの順番を表し、どの段階で何を読み取るかを示しています。
事故日、事故態様、初診日、症状固定日、初回認定結果、事前認定か被害者請求か、示談済みでないか、弁護士費用特約の有無、仕事や家事への影響を確認します。
認定票の文言だけでなく、画像、症状経過、神経学的所見、可動域、因果関係、高次脳機能障害、醜状など、背後の判断構造を読みます。
救急搬送記録、初診時診療録、経過診療録、画像データ、読影レポート、手術記録、リハビリ記録、投薬歴、後遺障害診断書を確認します。
等級結論を求めるのではなく、症状部位、検査結果、画像との整合性、事故前症状の有無、症状固定時の残存症状を確認します。
申立ての趣旨、初回認定結果、争点、事故態様、治療経過、医学的所見、等級該当性、追加資料、結論を整理します。
次の比較表は、医師意見書を依頼するときに確認したい事項と避けたい依頼を並べたものです。左右を比較し、医学的事実の確認と等級結論の誘導を混同しないことを読み取ってください。
| 確認したい事項 | 避けたい依頼 |
|---|---|
| 事故後から症状固定まで一貫して訴えられた症状の部位。 | 事実に反する診断書の修正依頼。 |
| 神経学的検査結果、可動域測定、画像所見との整合性。 | 診療録にない症状の後付け記載依頼。 |
| 事故前に同様の症状が確認されていたかどうか。 | 「12級と書いてください」など等級結論だけを求める依頼。 |
| 症状固定時点での残存症状と日常生活、労務、家事、学業への影響。 | 医師の専門外事項への意見要求。 |
次の一覧は、事故態様資料と生活・就労資料の役割を整理したものです。医療資料だけでは因果関係や実際の支障が伝わりにくい場合、どの資料で何を補うかを読み取ってください。
ドライブレコーダー、防犯カメラ、実況見分調書、車両写真、修理見積書、エアバッグ展開、シート変形、衝突角度などは、受傷機転を補う資料になります。
家族による日常生活状況報告書、介護記録、家事への影響、学校での支援記録は、診察室では見えにくい支障を具体化します。
配置転換、勤務時間短縮、業務ミス、休職、退職、降格、減収、源泉徴収票や確定申告書は、労働能力への影響を示す資料になります。
医療、事故調査、保険、職場、生活再建の資料を横断して確認します。
異議申立てでは、医療、法律、保険、事故調査、生活再建の視点が重なります。次の一覧は、各専門領域が何を見ているかを示し、どの資料を誰の視点で読むべきかを把握するために重要です。
実況見分、現場写真、信号状況、衝突位置、車両停止位置、速度、衝突角度を通じて受傷機転と因果関係を補います。
救急搬送記録、意識レベル、外傷部位、初期画像は事故直後の状態を示す一次資料です。
むち打ち、骨折、脱臼、腱板損傷、靱帯損傷、可動域制限、脊柱変形、神経根症状の中核資料を作ります。
頭部画像、急性期意識障害、神経心理学的検査、注意、記憶、作業耐久性、社会行動の変化を記録します。
日常生活の介助量、生活変化、家族観察、福祉サービス利用状況を継続的に示します。
資料番号、記録日、検査名、所見、症状固定時の状態など、支払基準に沿う整理を重視します。
休業損害、逸失利益、労災、傷病手当金、障害年金、復職制限に関する資料を扱います。
次の重要ポイントは、弁護士に相談する価値が高い典型サインをまとめたものです。項目の多さではなく、等級変更や損害額への影響が大きいか、資料整理が専門的かを読み取ってください。
| 相談価値が高いサイン | 確認したい理由 |
|---|---|
| 非該当だが事故後から症状が継続している。 | 症状経過、診療録、事故態様で14級の検討余地がないかを見るため。 |
| 14級認定だが画像所見や神経学的所見がある。 | 12級13号へ近づく資料構造があるかを確認するため。 |
| 高次脳機能障害、CRPS、脊柱変形、醜状障害、可動域制限が疑われる。 | 専門診療科資料や測定値の漏れが評価を左右しやすいため。 |
| 保険会社から早期示談を求められている。 | 示談後に追加請求が難しくなる可能性があるため。 |
| 症状固定日や時効が迫っている。 | 後遺障害被害者請求では症状固定日の翌日から3年の期限が重要なため。 |
| 仕事、家事、介護、学業への影響が大きい。 | 逸失利益、労働能力喪失率、生活支障資料の整理が必要になるため。 |
共通資料、障害別資料、避けたい行動、等級変更後の対応をまとめます。
次の資料チェック一覧は、共通資料と障害類型別資料をまとめたものです。読者にとって重要なのは、資料名を集めるだけでなく、どの障害のどの争点に使う資料なのかを読み取ることです。
| 区分 | 確認したい資料 |
|---|---|
| 共通資料 | 交通事故証明書、事故発生状況報告書、診断書、診療報酬明細書、後遺障害診断書、後遺障害等級認定票、初回認定理由、診療録一式、画像データ、読影レポート、リハビリ記録、投薬記録、休業損害証明書、源泉徴収票、確定申告書、生活支障メモ、家族の陳述書、勤務先資料、写真、動画。 |
| むち打ち・神経症状 | MRI、CT、X線、神経学的検査、腱反射、知覚検査、筋力検査、誘発テスト、症状分布図、症状の一貫性を示す時系列表、事故前症状の有無、治療中断理由。 |
| 関節可動域制限 | 自動可動域、他動可動域、健側比較、測定日、測定者、疼痛制限と構造的制限の区別、手術記録、リハビリ評価、ADL制限。 |
| 高次脳機能障害 | 救急搬送記録、意識障害の推移、頭部画像、神経心理学的検査、日常生活状況報告書、家族観察記録、職場・学校での変化、事故前後の比較資料、既往症との鑑別資料。 |
| 醜状障害 | 形成外科診断書、測定値、顔全体写真、近接写真、正面・側面・斜位写真、照明条件をそろえた写真、瘢痕の色調、陥凹、肥厚の説明。 |
| CRPSまたはRSD | 関節拘縮の測定値、骨萎縮の画像資料、皮膚温、皮膚色、発汗、浮腫の左右差、疼痛の性質、強度、頻度、ペインクリニック資料、リハビリ記録、使用薬剤。 |
次の比較一覧は、避けたい行動と理由を示します。左列の行動を取ると、どのように資料の信用性や手続の選択肢に影響するかを読み取ってください。
| 避けたい行動 | 理由 |
|---|---|
| 同じ資料だけで再提出する。 | 初回認定理由への具体的反論、新資料、補充説明がなければ判断が変わりにくいため。 |
| 医師に結論だけを求める。 | 医師の役割は医学的所見、症状、検査結果、治療経過を記載することであり、等級評価そのものの誘導ではないため。 |
| 症状を誇張する。 | 訴えの矛盾は信用性を損ない、痛みの変動や悪化要因を正直に記録する方が資料価値を保ちやすいため。 |
| 示談を急ぐ。 | 後遺障害等級に不服がある段階で示談すると、後から等級が変わっても追加請求が難しくなることがあるため。 |
| 時効を軽視する。 | 後遺障害の被害者請求では症状固定日の翌日から3年という期限が重要で、遅れる場合は時効更新の確認が必要になるため。 |
次の一覧は、等級が上がった後に再計算や再検討が必要になりやすい損害項目です。等級変更は自賠責の差額だけで終わらず、任意保険会社との示談交渉や訴訟判断にも広がる点を読み取ってください。
既払金がある場合は差額支払になることがあり、等級変更により自賠責限度額、後遺障害慰謝料、逸失利益が変動します。
後遺障害慰謝料、逸失利益、休業損害、傷害慰謝料、将来治療費、将来介護費、装具費、家屋改造費、近親者慰謝料などを再計算します。
等級が上がると喪失率が上がることが多い一方、年齢、職業、症状、改善可能性により喪失期間が争点になることがあります。
任意保険会社の提示が低い場合、訴訟が選択肢になります。異議申立てで整備した資料は訴訟でも重要な証拠になります。
一般情報として、資料、医師意見書、時効、裁判との違いを確認します。
次のFAQは、異議申立てで等級が上がる可能性について、一般情報として整理したものです。各回答では、制度上の考え方、判断が変わる事情、専門家へ確認すべき理由を読み取ってください。
一般的には、初回認定を覆すだけの新資料または新しい評価構造があるかによって結果が変わるとされています。ただし、資料が同じであれば同じ結論になる可能性があり、事故態様、負傷程度、証拠関係、時期によって判断は変わります。具体的な見通しは、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、再度の異議申立てが行われることはあります。ただし、同じ理由と同じ資料を繰り返しても実益は乏しいとされ、前回までに何が否定されたかを精密に分析する必要があります。具体的な手続選択は、時効や資料状況を踏まえて弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、弁護士が医師の診断を変えることはできず、変えるべきものでもありません。弁護士が行うのは、診療録や検査結果に基づく医学的事実を整理し、必要に応じて医師へ事実確認や補足説明を求めることです。具体的な対応は、医療記録を確認して専門家に相談する必要があります。
一般的には、単なる書き直しだけでは不十分とされています。誤記、測定漏れ、記載漏れの補正は重要ですが、診療録、画像、検査結果と整合していることが必要です。個別にどの補正が必要かは、資料を整理したうえで弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、14級9号のように画像上の明確な異常がなくても、事故態様、症状の一貫性、治療経過、医学的説明可能性が問題になることがあります。ただし、12級以上ではより強い他覚的所見や医学的整合性が求められる傾向があります。具体的には医療資料を確認して専門家に相談する必要があります。
一般的には、画像、意識障害、神経心理学的検査、生活状況などを総合して慎重に検討するとされています。ただし、画像所見、事故前状態、精神疾患との鑑別などで結論は変わる可能性があります。個別の評価は、専門医と弁護士等に資料を確認してもらう必要があります。
一般的には、時効、資料保存期間、症状の連続性が問題になるとされています。後遺障害の被害者請求では症状固定日の翌日から3年という期限が重要です。時間が経つほど記録入手や連続性説明が難しくなるため、具体的な対応は弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、自動車保険などに弁護士費用特約が付いている場合があります。ただし、本人、同居家族、別居の未婚の子、他の保険契約など、利用できる範囲は契約内容によって変わります。具体的には保険証券や約款を確認し、保険会社や専門家へ確認する必要があります。
一般的には、診療録、検査結果、画像、リハビリ記録だけでも整理できる場合があります。また、長文意見書ではなく短い事実確認の照会書にする方法もあります。ただし、主治医の診療経過を無視した資料作成は避け、具体的には弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、異議申立ては自賠責の枠内での再審査、裁判は損害額全体を争う手続とされています。ただし、等級変更可能性、損害額、時効、交渉状況、費用、立証負担によって適切な選択は変わります。具体的には資料を整理して弁護士等へ相談する必要があります。
同じ主張を繰り返す前に、認定理由、資料、不足点、専門家確認を進めます。
異議申立てで等級が上がる架空の想定ケースに共通するのは、初回認定で不足していた医学的、事故的、生活的資料を、等級表の要件に結び付け直すことです。弁護士の役割は、被害者の苦痛を代弁するだけでなく、認定理由を読み、医療記録を精査し、医師の専門的判断を尊重しながら、審査者が判断しやすい立証構造を作ることにあります。
次の行動一覧は、等級に納得できないときに最初に確認したい順番を表します。上から順に、同じ主張を繰り返す前に、どの資料を確認し、何が足りないかを読み取ってください。
後遺障害等級認定票、理由書、後遺障害診断書を確認します。
診療録、画像、検査結果、事故資料、生活支障資料をできるだけ早くそろえます。
画像、症状経過、可動域、専門科資料、事故態様、併合評価のどれが不足しているかを分けます。
個別の見通しや対応方針は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
制度、支払基準、審査会、医学的評価基準に関する資料名を整理します。