2σ Guide

保険会社がよく使う
示談の引き下げ
テクニック5選

交通事故の示談交渉で
低額提示につながる論点を整理し、
署名前の確認手順をまとめます。

5 領域
10 確認
3 基準
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保険会社がよく使う 示談の引き下げ テクニック5選

交通事故の示談交渉で 低額提示につながる論点を整理し、署名前の確認手順をまとめます。

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保険会社がよく使う 示談の引き下げ テクニック5選
交通事故の示談交渉で 低額提示につながる論点を整理し、署名前の確認手順をまとめます。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 保険会社がよく使う 示談の引き下げ テクニック5選
  • 交通事故の示談交渉で 低額提示につながる論点を整理し、署名前の確認手順をまとめます。

POINT 1

  • 保険会社がよく使う示談の 引き下げテクニック5選の全体像
  • 示談提示を受けたときは、総額だけでなく基準・内訳・証拠を 分けて確認することが重要です。
  • 基準を低く置く
  • 治療期間を短くする
  • 因果関係を争う

POINT 2

  • 示談金の基準で使われやすい 引き下げテクニック
  • 自賠責基準や社内基準を「相場」と受け止める前に、裁判実務上の水準との差を確認します。
  • 典型的な説明例
  • なぜ金額が下がるのか
  • 被害者側が確認したいこと

POINT 3

  • 治療費打ち切りで 示談金を下げるテクニック
  • 治療費一括対応の終了と医学的な治療終了は同じではありません。主治医の判断と症状経過を確認します。
  • 症状固定と治療費一括対応終了の違い
  • 治療期間が短くなると下がりやすい項目
  • 打ち切りを告げられたときの確認項目

POINT 4

  • 因果関係と既往症で 示談を引き下げるテクニック
  • 初診日
  • 事故から初診までの間隔は、症状と事故とのつながりを検討する重要資料になります。
  • 症状の一貫性
  • 主訴、疼痛部位、しびれの範囲、症状の推移が継続的に記録されているかを確認します。

POINT 5

  • 過失割合を被害者不利にする 示談の引き下げテクニック
  • 過失割合は示談金を直接動かすため、事故類型、修正要素、客観証拠を分けて確認します。
  • 過失割合とは何か
  • 過失割合は総額に直接影響します
  • 典型的な説明例

POINT 6

  • 休業損害・後遺障害・逸失利益を削る 示談の引き下げテクニック
  • 収入、家事労働、後遺障害、将来収入は差が出やすいため、資料と計算要素を項目別に確認します。
  • 人身損害の中で差が出やすい領域
  • 仕事を休んだ収入減少
  • 無償労働の経済的価値

POINT 7

  • 示談前に確認したい10項目と 証拠整理
  • 示談案を受け取ったら確認したい10項目
  • 事故直後から示談提示後までの行動の順番
  • 保険会社の説明を受けたときの基本姿勢
  • 保険会社からよくある言い回しとチェックポイント
  • 示談交渉で使う文書例
  • 示談額の内訳
  • 一括対応終了
  • 事故類型と修正要素
  • 申請資料の確認
  • 資料確認中の回答
  • 署名・押印前に、算定基準、治療期間、後遺障害、過失割合、清算条項を横断的に確認します。

POINT 8

  • 保険会社の説明を受けたときの 対応と相談ルート
  • 弁護士相談、無料相談、ADR、不服申立てなど、裁判以外の選択肢も含めて整理します。
  • 相談を検討したい典型場面
  • 無料相談・ADR・不服申立てのルート
  • 職種別に見る示談引き下げへの対抗視点

まとめ

  • 保険会社がよく使う 示談の引き下げ テクニック5選
  • 保険会社がよく使う示談の 引き下げテクニック5選の全体像:示談提示を受けたときは、総額だけでなく基準・内訳・証拠を 分けて確認することが重要です。
  • 示談金の基準で使われやすい 引き下げテクニック:自賠責基準や社内基準を「相場」と受け止める前に、裁判実務上の水準との差を確認します。
  • 治療費打ち切りで 示談金を下げるテクニック:治療費一括対応の終了と医学的な治療終了は同じではありません。主治医の判断と症状経過を確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

保険会社がよく使う示談の
引き下げテクニック5選の全体像

示談提示を受けたときは、
総額だけでなく基準・内訳・証拠を
分けて確認することが重要です。

重要このページは交通事故被害者が示談交渉の構造を理解するための一般的な情報です。事故態様、診療経過、後遺障害、過失割合、加入保険、職業、家族構成、収入資料などで結論は変わる可能性があります。示談書への署名・押印前、治療費打ち切りを告げられた時点、後遺障害申請を検討する時点では、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

ここで扱う「示談の引き下げテクニック」とは、保険会社側の説明が直ちに違法であるという意味ではありません。保険会社は契約、自賠責制度、損害調査、社内基準に基づいて支払可否や支払額を検討します。その結果、被害者側から見ると、示談金を低く抑える方向に働く典型的な論点化が生じることがあります。

Technique 01

基準を低く置く

自賠責基準または任意保険会社の社内基準を、当然の相場のように提示することがあります。

Technique 02

治療期間を短くする

治療費一括対応の終了や早期の症状固定を促し、入通院慰謝料や休業損害の対象期間を短く評価することがあります。

Technique 03

因果関係を争う

事故と症状、既往症、医療必要性を論点にして、治療費、慰謝料、後遺障害を削ることがあります。

Technique 04

過失割合を組み立てる

事故類型や修正要素の見方によって、被害者側の過失を大きく評価することがあります。

Technique 05

損害項目を細かく削る

休業損害、家事労働、後遺障害、逸失利益を資料不足や評価差で低く見ることがあります。

交通事故の示談は権利関係を確定させる合意です

交通事故における示談とは、加害者側と被害者側が、損害賠償の金額、支払方法、過失割合、今後の請求関係などについて合意することです。実際の交渉窓口は、加害者本人ではなく任意保険会社の担当者であることが多くあります。

示談が成立すると、示談書または免責証書に「今後、本件事故について互いに何らの請求をしない」という清算条項が入ることがあります。示談は単なる振込手続ではなく、損害賠償請求権を最終的に確定させる法律行為です。

示談金を構成する主な損害項目

分野主な損害項目典型的な証拠
治療関係治療費、薬代、入院費、通院交通費、装具費診断書、診療報酬明細書、領収書、交通費記録
休業・収入休業損害、賞与減額、事業所得減少休業損害証明書、源泉徴収票、確定申告書、賃金台帳
精神的損害入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料診療期間、通院実日数、後遺障害等級、家族関係資料
後遺障害逸失利益、将来介護費、将来治療費、装具交換費後遺障害診断書、画像、検査結果、労働能力資料
物損修理費、評価損、代車費、休車損害、レッカー費修理見積書、写真、査定資料、代車契約書
生活再建住宅改造費、介護用品、付添看護費医師意見書、介護記録、見積書、福祉制度資料

保険会社から提示される金額は、これらの項目の全部または一部を前提にしています。総額だけでは、どの項目が削られているか分かりません。損害項目ごとの内訳、計算基準、証拠、医学的根拠、過失割合の根拠を文書で確認することが出発点になります。

示談金で問題になりやすい3つの基準

基準性質実務上の特徴
自賠責基準自動車損害賠償保障法に基づく強制保険の支払基準被害者救済の最低限に近い性質を持ち、傷害、後遺障害、死亡ごとに限度額があります。
任意保険会社の社内基準各保険会社が示談提示で用いる内部的な基準自賠責基準より高い場合もありますが、裁判実務上の水準より低い提示になり得ます。
裁判実務基準裁判例の傾向を踏まえた損害算定の目安弁護士等が交渉や訴訟で参照することが多く、具体的事情で増減します。
Section 01

示談金の基準で使われやすい
引き下げテクニック

自賠責基準や社内基準を「相場」と受け止める前に、裁判実務上の水準との差を確認します。

典型的な説明例

  • この程度の事故では、この金額が一般的です。
  • 当社の基準ではこの金額になります。
  • 自賠責の基準で計算すると、この金額です。
  • 裁判をしても大きくは変わりません。
  • 早めに示談した方が、手続が楽です。

これらの説明自体が直ちに問題になるとは限りません。しかし、被害者側が基準の違いを知らないまま受け入れると、本来検討すべき損害項目や裁判実務上の水準を見落とす可能性があります。

なぜ金額が下がるのか

自賠責保険は、交通事故被害者を広く迅速に救済するための制度です。傷害、後遺障害、死亡ごとに支払対象や限度額が定められており、任意保険や裁判で問題になる損害のすべてを上限なく補償する仕組みではありません。

自賠責基準の慰謝料や休業損害は定型的に算定されるため、裁判実務上の慰謝料水準、重い後遺障害がある場合の逸失利益、将来介護費、職業上の特殊損害とは異なる結果になり得ます。

確認軸最初の示談提示は、一般に交渉の出発点として確認される資料です。最終的な妥当額かどうかは、内訳、基準、証拠、後遺障害、過失割合、既払金控除を分けて検討する必要があります。

被害者側が確認したいこと

  1. 提示額の内訳は何か。
  2. 自賠責基準、任意保険会社基準、裁判実務基準のどれを前提にしているか。
  3. 入通院慰謝料の対象期間はどこからどこまでか。
  4. 通院実日数と総治療期間をどのように評価しているか。
  5. 休業損害、家事労働、逸失利益が含まれているか。
  6. 過失相殺前の総損害額と過失相殺後の金額はいくらか。
  7. 既払金、自賠責充当額、治療費一括払額をどう控除しているか。

書面で確認する文例

文例ご提示ありがとうございます。検討のため、治療費、通院交通費、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害関係損害、過失相殺、既払金控除を項目別に分けた計算書をご送付ください。また、各項目について、自賠責基準、任意保険会社基準、裁判実務上の基準のいずれを前提にしているかも明示してください。
Section 02

治療費打ち切りで
示談金を下げるテクニック

治療費一括対応の終了と医学的な治療終了は同じではありません。主治医の判断と症状経過を確認します。

症状固定と治療費一括対応終了の違い

症状固定とは、治療を継続しても症状の大幅な改善が見込めなくなった状態をいいます。症状固定前は、治療費、通院交通費、休業損害、入通院慰謝料が問題になり、症状固定後に残った症状は後遺障害として評価されるかどうかが問題になります。

一方、任意保険会社が医療機関へ直接治療費を支払う運用は、一般に一括対応または一括払と呼ばれます。保険会社が一括対応を終了しても、医学的に治療が不要になったことと同じではありません。医師が治療継続を必要と判断する場合があります。

治療期間が短くなると下がりやすい項目

影響を受ける項目下がる理由
治療費支払対象期間が短くなります。
通院交通費通院回数が少なくなります。
入通院慰謝料対象となる治療期間や通院実日数が短くなります。
休業損害治療や症状による休業期間が短く評価されます。
後遺障害十分な治療経過、検査、症状推移の記録が残らない場合があります。

むち打ち、頚椎捻挫、腰椎捻挫、神経症状、頭部外傷後の症状、めまい、耳鳴り、しびれ、疼痛などでは、画像上明確な所見が出にくいことがあります。このような場合、診療経過、症状の一貫性、神経学的所見、通院継続性が重要になります。

打ち切りを告げられたときの確認項目

  1. 主治医は治療継続が必要と考えているか。
  2. どの症状が残っているか。
  3. 症状は事故直後から一貫しているか。
  4. 画像検査、神経学的検査、可動域検査などは実施されているか。
  5. リハビリの頻度と効果はどうか。
  6. 仕事、家事、育児、通学、移動にどのような支障があるか。
  7. 一括対応終了後も健康保険を利用して治療を継続できるか。

症状の伝え方を具体化する

1

部位と場面

どの部位が、いつ、何をすると悪化するのかを具体的に記録します。

疼痛しびれ
2

生活への支障

仕事、家事、育児、通学、移動でできなくなったことを、事故前との差として整理します。

就労家事
3

治療による変化

服薬、リハビリ、安静、装具で症状がどう変化するかを主治医へ伝えます。

診療録検査

業務災害・通勤災害ではない交通事故の傷病では、健康保険を利用できることがあります。その場合、第三者行為による傷病届の提出が必要になるのが通常です。個別の保険関係や治療方針は、保険者、医療機関、弁護士等に確認する必要があります。

書面で確認する文例

文例治療費一括対応終了のご連絡を受けましたが、主治医からはなお治療継続の必要性について説明を受けています。貴社が終了を判断した医学的根拠、確認した診療情報、症状固定と判断する理由を文書でご説明ください。主治医とも相談のうえ、今後の治療継続および後遺障害申請の要否を検討します。
Section 03

因果関係と既往症で
示談を引き下げるテクニック

事故と症状、治療、休業、後遺障害とのつながりは、医療記録と事故資料で説明できる形に整えます。

因果関係とは何か

因果関係とは、事故と損害との間に法的に評価できる原因・結果の関係があることです。交通事故では、事故があったという事実だけでなく、その事故によって症状、治療、休業、後遺障害が生じたと説明できる必要があります。

因果関係は、医学的評価と法律的評価が交差する領域です。医師が診断する医学的因果関係、保険実務での支払判断、裁判での相当因果関係の判断は、完全に同一ではありません。

典型的な減額主張

  • 車両損傷が軽微なので、その症状は事故によるものとは考えにくい。
  • 事故から初診まで時間が空いている。
  • 通院間隔が空いているので、治療の必要性が低い。
  • 画像上、異常所見がない。
  • 事故前から同じ症状があったのではないか。
  • 年齢相応の変性、既往症、持病の影響が大きい。
  • 整骨院・接骨院の施術費は全額認められない。
  • その検査や治療は事故と関係がない。

争点ごとに減額されやすい項目

争点減額されやすい項目
事故と症状の因果関係治療費、慰謝料、休業損害、後遺障害
既往症・素因損害全体の一部減額、後遺障害評価の低下
通院の相当性治療費、通院交通費、入通院慰謝料
整骨院・接骨院施術施術費、施術期間、慰謝料算定上の通院評価
画像所見の有無後遺障害等級、逸失利益、慰謝料

初診と医療記録の重要性

交通事故後は、たとえ軽いけがに見えても速やかに医師の診断を受けることが大切とされています。受診が遅れると、事故との関係が認められにくくなる場合があります。事故直後は緊張で痛みを感じにくく、数日後に頚部痛、腰痛、頭痛、しびれ、めまい、吐き気などが出ることもあります。

初診日

事故から初診までの間隔は、症状と事故とのつながりを検討する重要資料になります。

症状の一貫性

主訴、疼痛部位、しびれの範囲、症状の推移が継続的に記録されているかを確認します。

検査と所見

画像検査、神経学的所見、可動域制限、処方薬、リハビリ内容を整理します。

生活支障

就労、家事、通学、移動への支障が診療録や生活記録に反映されているかを見ます。

柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師などの施術が症状緩和に役立つ場合もあります。ただし、保険実務や後遺障害認定の中心資料は、通常、医師の診断書、画像所見、検査結果、診療録です。施術を受ける場合でも、医師の診察を継続し、医師に症状を把握してもらうことが重要です。

事故資料で症状との整合性を確認する

車の損傷が軽いからけがも軽いと単純に結論づけることはできません。衝突方向、乗車姿勢、シートベルト、ヘッドレスト位置、車両重量差、速度変化、既往症、年齢、筋緊張、衝突予期の有無などが身体への影響を左右します。

一方で、車両損傷、修理見積、ドライブレコーダー、EDR、現場写真、ブレーキ痕、破片位置などは、事故の強度や態様を推定する資料になります。物理的痕跡と医学的症状の整合性を確認することが重要です。

書面で確認する文例

文例因果関係または医療必要性について疑義があるとのことですが、どの診療期間、どの治療内容、どの症状について、どの医学的・調査上の根拠により事故との関連性を否定されているのか、具体的に文書でご説明ください。主治医の見解、診療録、画像資料、検査結果、事故状況資料を踏まえて検討します。
Section 04

過失割合を被害者不利にする
示談の引き下げテクニック

過失割合は示談金を直接動かすため、事故類型、修正要素、客観証拠を分けて確認します。

過失割合とは何か

過失割合とは、事故発生について当事者双方にどの程度の不注意があったかを割合で表すものです。被害者20%、加害者80%であれば、被害者の損害額から20%が過失相殺されます。

過失割合は総額に直接影響します

総損害額が500万円でも、被害者過失が20%と評価されると、原則として100万円が差し引かれます。慰謝料や後遺障害と同じくらい重要な争点です。

典型的な説明例

  • この事故類型では、基本過失割合は〇対〇です。
  • 双方走行中なので、100対0にはなりません。
  • あなたにも前方不注視があります。
  • 優先道路ではないので、一定の過失があります。
  • 警察もあなたに注意義務違反があると言っています。
  • ドライブレコーダーがないので、相手の説明を前提にします。

相殺後の受取額が圧縮される例

被害者の損害が300万円、加害者の損害が100万円、過失割合が被害者20%・加害者80%の場合、被害者が受け取るべき損害は300万円×80%で240万円です。さらに、相手車両の損害100万円について被害者側が20%を負担する関係になると、相殺後の受取額がさらに圧縮される可能性があります。

過失割合で重要になる資料

資料役割
交通事故証明書事故発生日時、場所、当事者などの基本情報を確認します。
実況見分調書刑事記録として事故状況を確認する資料になります。
ドライブレコーダー信号、速度、車間距離、相手の挙動を確認します。
防犯カメラ交差点、店舗、駐車場などの映像が残る場合があります。
現場写真標識、停止線、見通し、路面、車両位置を確認します。
車両損傷写真衝突部位、衝突角度、衝突強度を推定します。
修理見積書損傷部位と修理範囲を確認します。
目撃者証言当事者の説明が食い違う場合に重要です。

警察の判断と民事上の過失割合

警察は、道路交通法違反や刑事責任の観点から捜査します。一方、民事上の過失割合は、損害賠償額を決めるための判断です。警察官の説明、実況見分、刑事処分の有無は重要な資料になり得ますが、それだけで民事上の過失割合が機械的に決まるわけではありません。

確認したい6つの観点

  1. どの事故類型を前提にしているか。
  2. 基本過失割合はいくらか。
  3. 修正要素は何か。
  4. どの証拠に基づいて相手の説明を採用しているか。
  5. ドライブレコーダー、防犯カメラ、実況見分調書を確認したか。
  6. 速度超過、合図不履行、一時停止違反、信号違反、著しい過失、重過失を考慮したか。

書面で確認する文例

文例ご提示の過失割合について、前提としている事故類型、基本過失割合、修正要素、参照資料、相手方供述と客観証拠の関係を文書でご説明ください。こちらでも交通事故証明書、現場写真、車両損傷写真、ドライブレコーダー映像、必要に応じて刑事記録を確認したうえで回答します。
Section 05

休業損害・後遺障害・逸失利益を削る
示談の引き下げテクニック

収入、家事労働、後遺障害、将来収入は差が出やすいため、資料と計算要素を項目別に確認します。

人身損害の中で差が出やすい領域

示談金の中で、保険会社提示額と被害者側の主張額に差が出やすいのが、休業損害、家事労働、後遺障害、逸失利益です。病院に通った日数だけではなく、職業、収入、家族構成、生活実態、労働能力、将来の見通しを評価する必要があるためです。

休業損害

仕事を休んだ収入減少

会社員では休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細、賃金台帳などが資料になります。自営業者では確定申告書、帳簿、売上資料、経費資料、取引先資料などが重要です。

家事労働

無償労働の経済的価値

料理、洗濯、掃除、買い物、育児、介護などは経済的価値のある労働です。通院日だけで評価できるとは限らず、具体的な支障の記録が重要です。

後遺障害

症状固定後に残る障害

後遺障害が認定されると、後遺障害慰謝料と逸失利益が問題になります。認定されない場合、症状が残っていても示談金が大きく下がることがあります。

逸失利益

将来収入の減少

基礎収入、労働能力喪失率、喪失期間、中間利息控除、職業上の具体的支障、年齢、職歴、収入推移が問題になります。

保険会社側が争いやすい説明

  • 収入がないので休業損害はありません。
  • 通院日だけを対象にします。
  • 家族が代わりにできたので損害はありません。
  • 等級が認定されていないので逸失利益はありません。
  • 14級なので喪失期間は短期間です。
  • 収入減少がないので逸失利益はありません。
  • デスクワークなので労働能力への影響は限定的です。
  • 高齢なので将来収入は少ないはずです。
  • 自営業の売上減少は事故以外の原因です。

後遺障害申請の2つの方式

方式特徴確認したい点
事前認定任意保険会社を通じて後遺障害認定を受ける方式です。手続負担は軽い一方、被害者側が提出資料を主体的に管理しにくい場合があります。
被害者請求被害者側が資料をそろえて自賠責保険へ請求する方式です。手間は増えますが、後遺障害診断書、画像、検査結果、医師意見書、日常生活状況報告書などを主体的に整えられます。

後遺障害で重要な資料

資料重要性
後遺障害診断書症状固定日、残存症状、検査結果、他覚所見を示す中心資料です。
診断書・診療報酬明細書治療経過、通院頻度、傷病名を確認します。
画像資料X線、CT、MRIなど。骨折、靭帯損傷、脳損傷等で重要です。
神経学的検査しびれ、麻痺、反射、知覚障害の評価に関わります。
可動域測定関節機能障害で重要です。測定方法の正確性が問題になります。
日常生活状況報告高次脳機能障害、疼痛、家事・就労支障で重要です。
事故状況資料衝突態様と症状の整合性を説明します。

書面で確認する文例

文例休業損害、家事労働、後遺障害、逸失利益について、貴社が認定した期間、基礎収入、労働能力喪失率、喪失期間、控除額、否認部分の理由を項目別にご説明ください。後遺障害については、提出済み資料、未提出資料、認定判断に影響した医学的資料を確認したうえで検討します。
Section 06

示談前に確認したい10項目と
証拠整理

署名・押印前に、算定基準、治療期間、後遺障害、過失割合、清算条項を横断的に確認します。

示談案を受け取ったら確認したい10項目

番号確認項目確認内容
1算定基準自賠責基準、任意保険会社基準、裁判実務基準のどれか。
2治療期間開始日、終了日、症状固定日が医師判断と一致するか。
3通院実日数実際の通院回数、リハビリ回数、入院日数が反映されているか。
4休業損害会社員、自営業、家事従事者、学生、高齢者の実態が反映されているか。
5慰謝料入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料が適切に区分されているか。
6後遺障害申請の要否、等級、非該当理由、異議申立ての可能性を確認したか。
7逸失利益基礎収入、喪失率、喪失期間、中間利息控除が妥当か。
8過失割合事故類型、修正要素、証拠資料を確認したか。
9既払金控除治療費、一括払、自賠責、労災、健康保険、傷害保険との関係を確認したか。
10清算条項将来請求できない範囲を理解しているか。
注意後遺障害の可能性があるのに申請しないまま示談する、症状固定前に示談する、過失割合に争いがあるのに総額だけで妥協する、といった対応は不利益につながる可能性があります。

事故直後から示談提示後までの行動の順番

事故当日から1週間

届出・受診・証拠保存

安全確保と救護、警察への届出、相手方情報の確認、目撃者確認、現場・車両・標識・信号・停止線・破片の撮影、ドライブレコーダー映像の保存、医療機関受診、診断書取得、症状と生活支障の記録を進めます。

治療中

症状と資料を継続して残す

主治医に症状を具体的に伝え、通院頻度、休業資料、通院交通費、家事・育児・介護への支障、保険会社とのやり取りを保存します。治療費打ち切りを告げられた場合は、主治医と相談します。

症状固定前後

後遺障害の要否を検討する

症状固定時期、後遺障害診断書、画像・検査資料、申請方式、仕事や生活への支障を整理し、必要に応じて弁護士等へ相談する必要があります。

示談提示後

総額ではなく内訳を見る

算定基準、過失割合、休業損害、家事労働、逸失利益、後遺障害、清算条項を確認し、署名・押印前に妥当性を検討します。

保険会社の説明を受けたときの基本姿勢

電話だけで結論を出さないための判断の流れ

説明を受ける

電話で説明された内容をメモします。

同意と理解を分ける

説明を理解したことと、示談に同意したことは別です。

内訳と根拠を書面で求める

計算書、基準、控除額、証拠資料を確認します。

医師・資料・専門家の確認を挟む

治療継続、症状固定、後遺障害、就労制限は医学的判断と資料に基づいて検討します。

保険会社からよくある言い回しとチェックポイント

保険会社の言い回しその場で確認したいこと
この金額が相場ですどの基準の相場か。自賠責、社内基準、裁判実務基準のどれか。
治療はそろそろ終了です主治医の判断か、保険会社の判断か。症状固定なのか、一括対応終了なのか。
軽微な事故なので長期治療は認められません車両損傷、衝突態様、医学的所見、症状経過をどう評価したか。
既往症の影響です事故前の症状、事故後の悪化、医師の見解、素因減額の根拠は何か。
過失割合はこれで決まりです事故類型、基本過失、修正要素、証拠資料は何か。
休業損害は通院日だけです医師の就労制限、症状による勤務不能、家事支障を考慮したか。
後遺障害は難しいです後遺障害診断書、画像、検査、被害者請求、異議申立てを検討したか。
早く示談した方がよいです後遺障害、将来治療、未払費用、清算条項を確認したか。

示談交渉で使う文書例

内訳確認

示談額の内訳

ご提示いただいた示談案について検討するため、損害項目ごとの内訳、計算式、採用基準、既払金控除、過失相殺前後の金額を記載した書面をご送付ください。

治療費

一括対応終了

治療費一括対応を終了するとのご連絡を受けましたが、現在も症状が残存しており、主治医と治療継続の要否を相談中です。終了判断の医学的根拠、確認資料、症状固定と判断する理由を文書でご説明ください。

過失割合

事故類型と修正要素

ご提示の過失割合について、前提とした事故類型、基本過失割合、修正要素、参照した証拠資料を明示してください。

後遺障害

申請資料の確認

症状固定後も症状が残る可能性があるため、後遺障害申請を検討しています。後遺障害診断書、画像資料、診療経過、検査結果、申請方式、提出予定資料について確認したいので、現時点での見解と必要書類をご教示ください。

示談保留

資料確認中の回答

現時点では、後遺障害、過失割合、休業損害、慰謝料の妥当性について確認中であり、示談には応じられません。資料を確認し、必要に応じて専門家へ相談したうえで、改めて回答します。

Section 07

保険会社の説明を受けたときの
対応と相談ルート

弁護士相談、無料相談、ADR、不服申立てなど、裁判以外の選択肢も含めて整理します。

相談を検討したい典型場面

  • 治療費打ち切りを告げられた。
  • 症状が残っているのに示談を急がされている。
  • 後遺障害申請をすべきか分からない。
  • 後遺障害が非該当になった。
  • 過失割合に納得できない。
  • 休業損害や家事労働が低く評価されている。
  • 自営業、会社役員、専門職、歩合給など収入構造が複雑である。
  • 高次脳機能障害、脊髄損傷、骨折、関節機能障害、醜状障害、PTSDなどがある。
  • 死亡事故、重度後遺障害、将来介護が問題になる。
  • 相手方が任意保険に加入していない。
  • 自分にも過失があると言われている。
  • 保険会社とのやり取りが精神的負担になっている。
  • 弁護士費用特約がある。

被害者に過失がない場合、被害者自身の保険会社が相手方と示談交渉を行うことは通常できないと説明されています。その場合、弁護士費用特約を利用できることがあります。特約の有無、利用条件、対象範囲は契約内容で変わるため、保険証券や約款を確認する必要があります。

無料相談・ADR・不服申立てのルート

A

日弁連交通事故相談センター

交通事故に関する無料相談や示談あっせんを行っています。示談あっせんでは、弁護士が中立的な立場で話し合いを仲介します。

無料相談示談あっせん
B

交通事故紛争処理センター

自動車事故の損害賠償問題について、法律相談、和解あっ旋、審査を無料で行う機関です。

和解あっ旋審査
C

そんぽADRセンター

損害保険に関する相談、苦情、紛争解決の窓口として案内されています。自動車保険、火災保険、傷害保険などが対象になります。

苦情相談金融ADR
D

自賠責の異議申立て・紛争処理

自賠責の支払内容に疑問や不服がある場合、保険会社への説明請求、異議申立て、紛争処理制度の利用などが検討されます。

説明請求異議申立て

職種別に見る示談引き下げへの対抗視点

領域確認したい観点
警察・現場対応事故直後の位置関係、信号、停止線、破片、ブレーキ痕、路面状況、車両損傷、目撃者の有無は過失割合に影響します。
医療整形外科、脳神経外科、救急、リハビリテーション科、精神科、形成外科、眼科、耳鼻咽喉科、口腔外科など、症状に応じた診療科の評価が必要になる場合があります。
法律損害項目、過失割合、後遺障害、逸失利益、慰謝料、将来費用、時効、示談条項を総合的に確認します。
保険・損害調査資料がない損害、説明が不十分な損害、因果関係が不明確な損害は認められにくくなるため、争点ごとに根拠を示します。
事故鑑定・車両技術車両損傷写真、修理見積、EDR、ドライブレコーダー、防犯カメラ、現場測量、信号サイクル、見通しなどを確認します。
福祉・労務・生活再建休業、復職、労災、傷病手当金、障害年金、介護、福祉制度との関係を整理します。
まとめ保険会社側は、基準、治療期間、因果関係、過失割合、損害項目の5領域で、支払額を低く評価する方向の論点を提示しやすい傾向があります。相手を敵視するのではなく、内訳、医学的根拠、事故資料、収入資料、示談条項を順に確認することが重要です。
FAQ

示談の引き下げテクニックに
関するFAQ

よくある誤解を、一般的な制度説明として整理します。個別の見通しは資料により変わります。

保険会社が言う金額なら正しいと考えてよいですか

一般的には、保険会社は交通事故処理の専門的知識を持っていますが、加害者側の任意保険会社は、基本的に加害者側の賠償責任を保険契約の範囲で処理する立場とされています。被害者の代理人ではありません。ただし、提示額の妥当性は事故態様、治療経過、後遺障害、過失割合、収入資料などで変わる可能性があります。具体的には、計算書や資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

弁護士に相談すると必ず裁判になりますか

一般的には、弁護士相談は必ず裁判を意味するわけではありません。示談交渉、資料整理、後遺障害申請、異議申立て、ADR利用など、裁判前に解決する選択肢もあります。ただし、相手方の対応、争点の内容、証拠関係によって進み方は変わります。具体的な対応方針は、資料を確認したうえで弁護士等の専門家に相談する必要があります。

痛みが残っていても後遺障害は難しいのでしょうか

一般的には、痛みやしびれが残る事案でも、診療経過、症状の一貫性、神経学的所見、画像、事故態様などによって後遺障害が問題になる場合があります。一方で、症状があるだけで必ず認定されるわけではありません。事故態様、負傷程度、証拠関係、時期によって判断が変わる可能性があります。具体的には、医療資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

人身事故にせず物損事故のままでよいですか

一般的には、けががある場合には医師の診断を受け、警察への届出を適切に行うことが重要とされています。物損事故として処理されたままだと、後にけがとの関係を説明しにくくなる可能性があります。ただし、事故後の経過や届出状況で必要な対応は変わります。具体的には、診断書、交通事故証明書、保険会社とのやり取りを整理して専門家に確認する必要があります。

示談後でも後から追加請求できますか

一般的には、示談書に清算条項がある場合、後から追加請求することは困難になる可能性があります。後遺障害、将来治療費、未払治療費、休業損害、過失割合を確認しないまま示談すると、不利益が生じることがあります。ただし、示談条項の文言や締結経緯によって結論は変わります。具体的には、署名・押印前に弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Reference

この記事の参考情報源

公的機関・中立的機関の資料

  • 国土交通省「交通事故にあったらまずどうする?」
  • 国土交通省「自賠責保険・共済の限度額と補償内容」
  • 国土交通省「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」
  • 国土交通省「損害賠償を受けるときは?」
  • 国土交通省「支払に疑問、不服がある場合には」
  • 損害保険料率算出機構「当機構で行う損害調査」
  • 日弁連交通事故相談センター「当センターの刊行物について」
  • 日弁連交通事故相談センター「示談あっせん・審査」
  • 公益財団法人交通事故紛争処理センター「ご利用について」
  • 金融庁「金融サービス利用者相談室」
  • 金融庁「金融機関とのトラブルに関する相談・苦情窓口」
  • 自動車安全運転センター「交通事故に関する証明書」
  • 全国健康保険協会「第三者行為による傷病届」