2σ Guide

マルス条項で
減額・没収できる場面

役員報酬・株式報酬・不祥事対応で、未支給・未確定の報酬をどこまで調整できるのか。発動事由、算定、手続、開示を企業法務の実務目線で整理します。

5つ発動前の確認軸
13類型典型的な発動場面
8段階適法な発動手続
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マルス条項で 減額・没収できる場面

役員報酬・株式報酬・不祥事対応で、未支給・未確定の報酬をどこまで調整できるのか。

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マルス条項で 減額・没収できる場面
役員報酬・株式報酬・不祥事対応で、未支給・未確定の報酬をどこまで調整できるのか。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • マルス条項で 減額・没収できる場面
  • 役員報酬・株式報酬・不祥事対応で、未支給・未確定の報酬をどこまで調整できるのか。

POINT 1

  • マルス条項で減額・没収できる場面の全体像
  • 未支給・未確定
  • 対象が未支給、未権利確定、譲渡制限未解除など、まだ確定していない報酬かを確認します。
  • 明確な根拠
  • 条項、規程、契約、株主総会決議、取締役会決議に減額・失効・無償取得の根拠があるかを確認します。

POINT 2

  • マルス条項の定義とクローバックとの違い
  • 支給前の調整と支給後の返還を分け、没収という言葉の法的意味を具体化します。
  • マルス条項の定義
  • マルス条項とクローバック条項の比較は、発動時期と効果を取り違えないために重要です。
  • 自社制度では、どの時点の報酬をどの手段で扱うのかを読み取ってください。

POINT 3

  • マルス条項が必要になる理由と日本法上の基本構造
  • インセンティブ報酬、ガバナンス、不祥事対応と、会社法・税務・開示・労働法の重なりを確認します。
  • なぜマルス条項が必要になるのか
  • インセンティブの調整
  • 国際的なガバナンス潮流

POINT 4

  • 導入事例・報酬類型・慎重に扱うべき場面
  • 1. ENEOSホールディングスの制度導入公表
  • 2. 同社の一部返還・没収公表:元代表取締役社長による不適切行為に関し、月額報酬・賞与・株式報酬の一部返還・没収を実施する旨を公表しました。
  • 3. 三井化学の制度導入公表

POINT 5

  • マルス条項の発動手続と条項設計
  • 1. 発動事由の発見:法務、コンプライアンス、内部監査、経理、監査役、会計監査人、通報窓口、外部専門家などから端緒を把握します。
  • 2. 対象報酬の確認:未支給賞与、未確定報酬、未権利確定株式、譲渡制限未解除株式、未行使新株予約権、未確定ポイントを確認します。
  • 3. 法的根拠の確認:定款、株主総会決議、取締役会決議、報酬方針、規程、契約、割当契約、信託規程、新株予約権要項を確認します。
  • 4. 事実調査と証拠保全:メール、チャット、稟議、議事録、会計データ、監査資料、ヒアリング、フォレンジック結果、外部調査報告書を確認します。
  • 5. 利益相反を排除:対象者が取締役会メンバーであれば審議・決議から外し、報酬委員会や独立社外取締役の関与を確保します。
  • 6. 通知・弁明機会:事実関係、発動予定事由、対象報酬、減額・没収案を通知し、合理的範囲で意見提出の機会を設けます。
  • 7. 算定:再計算方式、割合方式、期間対応方式、混合方式など、条項に沿って比例的に算定します。
  • 8. 決定・処理・開示:会計、税務、源泉徴収、株式無償取得、信託処理、適時開示、有価証券報告書、事業報告等を検討します。
  • 9. 留保・追加調査:条項や証拠が不足する場合、拙速な発動を避け、支給留保規定の有無や追加調査を確認します。

POINT 6

  • 専門職別ポイントと実務チェックリスト
  • 法務、商事法務、コンプライアンス、内部監査、会計税務、社外役員の確認分担を整理します。
  • 専門職別の実務ポイント
  • 導入時と発動時のチェックリスト
  • マルス条項は法務だけで完結しません。

POINT 7

  • マルス条項で減額・没収できる場面のFAQ
  • 個別事案への断定を避け、一般的な制度理解と確認すべき論点を整理します。
  • マルス条項があれば、役員報酬を自由に没収できますか。
  • 不祥事が起きたら、社長の固定報酬を没収できますか。
  • 業績が悪いだけでマルスを発動できますか。

POINT 8

  • マルス条項を適切に使うための結論
  • 短期利益と長期価値、報酬と責任、インセンティブとリスク管理を整合させる制度として位置付けます。
  • マルス条項で減額・没収できる場面は、単に不祥事があった場面ではありません。
  • マルス条項は、役員を罰するためだけの制度ではありません。
  • 短期利益と長期価値、報酬と責任、インセンティブとリスク管理を整合させるための、企業統治上の重要な仕組みです。

まとめ

  • マルス条項で 減額・没収できる場面
  • マルス条項で減額・没収できる場面の全体像:未支給・未確定の報酬を、根拠・証拠・算定・手続に基づき調整できるかを整理します。
  • マルス条項の定義とクローバックとの違い:支給前の調整と支給後の返還を分け、没収という言葉の法的意味を具体化します。
  • マルス条項が必要になる理由と日本法上の基本構造:インセンティブ報酬、ガバナンス、不祥事対応と、会社法・税務・開示・労働法の重なりを確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

マルス条項で減額・没収できる場面の全体像

未支給・未確定の報酬を、根拠・証拠・算定・手続に基づき調整できるかを整理します。

マルス条項で減額・没収できる場面とは、まだ支給されていない、まだ権利確定していない、またはまだ譲渡制限が解除されていない役員報酬・インセンティブ報酬について、あらかじめ定めた発動事由が発生し、あらかじめ定めた手続と算定基準に従って、会社が支給額、交付株式数、権利確定数、譲渡制限解除数などを減らし、失効させ、または無償取得できる場面をいいます。

典型的には、財務諸表の訂正、会計不正、重大な法令違反、重大なコンプライアンス違反、善管注意義務・忠実義務違反、業績目標未達、在任・勤務継続条件の不充足、過度なリスクテイク、非財務KPIの未達、競業・秘密保持違反などが問題になります。

前提マルス条項は、会社が役員報酬を自由に取り上げる制度ではありません。個別会社の定款、決議、報酬規程、役員委任契約、株式報酬割当契約、税務上の届出・開示、上場規則、会計処理、労働法、海外法制、具体的事実関係によって結論は変わります。実際の導入・発動では、会社法、金融商品取引法、法人税法、労働法、会計、証券取引所規則、開示実務に精通した専門家に確認する必要があります。

次の5つの確認事項は、マルス条項で減額・没収できる場面を見極める入口を整理したものです。役員報酬は会社法、税務、開示、契約、手続が重なるため、どれか1つを欠くと紛争や説明不足につながります。左から順に、対象報酬、根拠、証拠、算定、手続を確認する流れとして読んでください。

未支給・未確定

対象が未支給、未権利確定、譲渡制限未解除など、まだ確定していない報酬かを確認します。

明確な根拠

条項、規程、契約、株主総会決議、取締役会決議に減額・失効・無償取得の根拠があるかを確認します。

客観的な発動事由

財務訂正、不正、重大違反、在任条件未達などを証拠で認定できるかを確認します。

算定可能性と比例性

減額額、失効数、無償取得範囲を再計算式や割合などで説明できるかを確認します。

公正な手続

利益相反を排除し、報酬委員会、社外取締役、取締役会、弁明機会などの手続を整えます。

Section 01

マルス条項の定義とクローバックとの違い

支給前の調整と支給後の返還を分け、没収という言葉の法的意味を具体化します。

マルス条項の定義

マルス条項とは、役員賞与、業績連動報酬、譲渡制限付株式、パフォーマンス・シェア、RSU、PSU、株式交付信託、新株予約権などについて、支給前、権利確定前、譲渡制限解除前、または条件成就前の段階で、一定の不祥事、業績未達、財務数値の訂正、法令違反、在任条件不充足等が発生した場合に、会社が報酬を減額し、没収し、失効させ、または無償取得する仕組みです。

マルス条項とクローバック条項の比較は、発動時期と効果を取り違えないために重要です。下の比較表では、支給前の調整がマルス、支給後の返還がクローバックという違いを中心に整理しています。自社制度では、どの時点の報酬をどの手段で扱うのかを読み取ってください。

項目マルス条項クローバック条項
発動時期支給前、権利確定前、譲渡制限解除前支給後、権利確定後、譲渡制限解除後
典型的効果減額、不支給、失効、無償取得、権利確定停止返還請求、金銭返還、株式価値相当額の返還
実務上の焦点支給条件、未確定権利、無償取得事由返還請求権、税務処理、時効、退任後請求
未確定賞与を支給しない、未解除株式を無償取得する支給済み賞与を返還させる、解除済み株式相当額を返還させる

役員報酬実務でいう没収は、刑事法上の没収ではなく、私法上・会社法上・契約上の効果を指すことが通常です。次の一覧は、没収という言葉に含まれ得る具体的な処理を示すものです。抽象的な文言にとどめず、どの効果をどの報酬に適用するかを確認してください。

1

未払い賞与の不支給

支給決定前または支給条件未達の賞与を支給しない処理です。

賞与
2

算定額の減額

業績連動報酬について、訂正後の数値や重大性に応じて額を下げる処理です。

業績連動
3

ポイント・ユニットの失効

未確定ポイント、未権利確定ユニット、交付予定株式を失効させる処理です。

株式報酬
4

譲渡制限解除の停止・無償取得

譲渡制限付株式を解除せず、会社が無償取得する処理です。

割当契約
5

新株予約権の消滅

未行使の新株予約権について、行使条件未充足や失効事由に基づき消滅させる処理です。

SO
設計注意「会社が必要と認めた場合に没収できる」という抽象的な文言だけでは不十分です。どの報酬を、どの時点で、どの根拠に基づき、どの範囲で、どの手続により減額・失効・無償取得するのかを明確にする必要があります。
Section 02

マルス条項が必要になる理由と日本法上の基本構造

インセンティブ報酬、ガバナンス、不祥事対応と、会社法・税務・開示・労働法の重なりを確認します。

なぜマルス条項が必要になるのか

日本の上場会社では、固定報酬だけでなく、短期業績連動賞与、中長期インセンティブ、譲渡制限付株式、パフォーマンス・シェア、ストック・オプション等を組み合わせる設計が広がっています。インセンティブ報酬は企業価値向上に資する一方で、短期利益の過度な追求、会計数値の操作、品質・安全・コンプライアンスの軽視を誘発するリスクもあります。

マルス条項を置く理由は、報酬、業績、リスク、責任を後から整合させるためです。次の3つの観点は、制度導入の必要性を説明する際に重要です。各項目が、単なる懲罰ではなく、長期的な企業価値と透明な手続に結び付くかを読み取ってください。

Incentive

インセンティブの調整

短期成果だけでなく、中長期リスクや後から判明する財務数値の誤りを報酬に反映させます。

Governance

国際的なガバナンス潮流

経営陣報酬を会社と株主の長期的利益に沿わせ、独立性のある委員会で検討する発想と親和的です。

Crisis

不祥事対応の説明力

財務訂正、不正、重大違反が判明したとき、未確定報酬を制度に基づいて調整できます。

日本法上の基本構造

マルス条項は、会社法・契約法上有効であれば足りる制度ではありません。下の比較表は、発動時に重なる主要な法務・実務領域を整理したものです。各行を横断的に確認し、報酬規程だけでなく、決議、契約、税務、開示、労働法まで整合しているかを読み取ってください。

法務・実務領域確認すべきポイント
会社法・報酬決定取締役報酬は定款または株主総会決議に基づく必要があり、額の確定していない報酬、非金銭報酬、株式・新株予約権を内容とする報酬では定めるべき事項が問題になります。
報酬請求権の発生具体的に定まった報酬請求権が発生した後に、本人の同意なく一方的に消滅させることは慎重な検討が必要です。
税務・損金算入定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与などの要件、客観的算定方法、上限、手続、開示との整合性を確認します。
開示・投資家説明有価証券報告書、事業報告、適時開示、コーポレート・ガバナンス報告書、統合報告書との整合性が必要です。
労働法との関係執行役員、従業員、管理職、従業員向け株式報酬では、賃金全額払い原則や懲戒減給制限との区別が重要です。
既発生報酬取締役報酬について具体的に定まった請求権が発生している場合、後から一方的に消滅させることは慎重に考える必要があります。マルス条項で扱いやすいのは、あらかじめ減額・没収の可能性が契約、規程、決議に組み込まれている未確定報酬です。
Section 03

マルス条項で減額・没収できる13の場面

財務訂正、会計不正、法令違反、在任条件、非財務KPIなどの発動候補を具体的に整理します。

マルス条項で減額・没収できる場面は、不祥事の有無だけでは判断できません。次の一覧は、このページで扱う13類型を、発動場面と実務上の確認点に分けたものです。横方向に、事由、対象報酬への影響、確認すべきポイントを対応させて読んでください。

類型マルス条項で減額・没収できる場面実務上のポイント
財務数値訂正売上、利益、ROE、ROIC、EPS、TSR等が誤っていた場合再計算方式が最も説明しやすい
会計不正粉飾、架空売上、費用繰延べ等で報酬指標が過大になった場合本人関与型と監督責任型を分けます
重大な法令違反贈収賄、カルテル、インサイダー、横領、背任、業法違反等重大性、関与、損害、信用毀損を確認します
重大な社内規程違反行動規範、情報管理、贈収賄防止、反社排除、ハラスメント防止等の重大違反軽微な違反まで対象にしない設計が必要です
善管注意義務・忠実義務違反利益相反、会社資産の私的流用、重要リスクの隠蔽等単なる経営判断の失敗と区別します
業績目標未達支給条件として定めた業績目標を達成しない場合後出しの懲罰的没収は避けます
在任・勤務継続条件不充足譲渡制限期間中の退任、勤務継続条件未達退任理由ごとの例外設計が重要です
過度なリスクテイク短期利益の裏側で重大損失・規制違反・品質事故等が顕在化客観的なリスク管理基準が必要です
非財務KPI未達安全、品質、環境、サイバー、個人情報、人的資本KPI等の未達指標・定量目標・評価方法を明確にします
競業・秘密保持違反営業秘密持出し、競業、顧客引抜き、退任後誓約違反範囲、期間、対象情報の合理性が重要です
利益相反・関連当事者取引無承認の自己取引、競業取引、関連当事者取引承認、開示、損害の有無を確認します
行政処分・刑事事件行政処分、課徴金、刑事判決、第三者委員会認定等確定前の留保規定が有用です
退任後発覚事由在任中の不祥事が退任後に発覚した場合未確定分はマルス、支給済み分はクローバックで整理します

財務諸表の訂正・業績指標の誤り

マルス条項が最も自然に機能するのは、業績連動報酬の基礎となった数値が誤っていた場合です。営業利益の過大計上、売上の前倒し、費用の繰延べ、減損損失の未計上、在庫評価の誤り、連結子会社の不正、ROE・ROIC・EPS・EBITDA・TSR等の計算誤りが典型です。

算定式減額・没収額 = 誤った数値に基づく報酬額 - 訂正後の数値に基づく報酬額

この方式は、会社が恣意的に制裁額を決めるのではなく、本来支給されるべきでなかった部分を減らすため、説明しやすい設計です。ただし、本人の故意・過失を要件にするか、訂正後の数値が確定するまで留保できるか、子会社不正を親会社役員にどう帰属させるか、株価変動をどう扱うか、税務上の開示と整合するかを検討する必要があります。

会計不正・粉飾決算・内部統制不備

会計不正では、不正会計により利益が過大に表示され、その利益を基礎として役員賞与や株式報酬が増えた場合、未支給・未権利確定の報酬について、不支給、減額、権利確定数の減少、譲渡制限解除停止、ポイント失効、新株予約権の行使条件未充足などを検討します。

本人が売上の架空計上を指示した、費用計上の先送りを求めた、監査人に虚偽説明をした、内部通報を握りつぶした場合は本人関与型です。本人が直接関与していないものの、管掌部門で重大な不正が起きた場合は監督責任型として、職責、情報把握可能性、内部統制構築義務、監査指摘への対応、不正の規模・期間・悪質性、報酬指標との関連性、他の役員との均衡を丁寧に確認します。

重大な法令違反・規制違反

重大な法令違反には、贈収賄、独占禁止法違反、カルテル、入札談合、金融商品取引法違反、インサイダー取引、粉飾決算、有価証券報告書虚偽記載、横領、背任、反社会的勢力との取引、輸出管理違反、個人情報保護法違反、重大な情報漏えい、労働安全衛生法違反、各種業法違反などが含まれます。ただし、すべての軽微な違反で報酬を没収できるわけではなく、刑事処分、行政処分、課徴金、業務停止命令、上場会社としての重要性、財務的損害額、顧客・従業員への影響、本人の関与・認識・監督責任、信用毀損、内部調査や第三者委員会の認定、再発防止上の必要性を総合して判断します。

善管注意義務・忠実義務違反

取締役が利益相反取引、競業取引、会社資産の私的流用、重要リスクの隠蔽、内部通報の握りつぶし、監査役等への情報提供妨害、秘密情報の漏えい、ハラスメント等により会社の信用を毀損した場合、重大な義務違反として検討対象になります。一方で、結果として事業が失敗しただけで直ちに義務違反となるわけではなく、合理的な経営判断を萎縮させない設計が重要です。

重大なコンプライアンス違反・社内規程違反

行動規範、コンプライアンス規程、贈収賄防止規程、接待・贈答規程、反社会的勢力排除規程、情報セキュリティ規程、個人情報保護規程、インサイダー取引防止規程、競業避止・秘密保持規程、ハラスメント防止規程、輸出管理規程などの重大違反も対象になり得ます。軽微な規程違反まで含めると恣意的運用のおそれがあるため、違反の性質、故意・重過失、反復継続性、隠蔽、会社財産や顧客・従業員への影響、報酬制度の目的との関係を確認します。

通報者保護マルス条項を内部通報者や調査協力者への報復に使ってはなりません。発動理由が通報行為ではなく、別個の客観的違反事実に基づくものかを確認する必要があります。

業績目標未達・在任条件不充足

売上高、営業利益、当期利益、ROE、ROIC、EPS、EBITDA、TSR、株価、キャッシュフロー、非財務KPIなどが支給条件になっている場合、目標未達による減額は、支給条件を満たさなかったことによる当然の調整として設計できます。譲渡制限付株式や株式報酬では、一定期間の在任・勤務継続を条件とし、期間満了前の退任により譲渡制限解除停止、無償取得、ポイント失効、未交付株式の不交付、未行使新株予約権の失効を定めることがあります。

退任理由ごとの扱いは、株式報酬の設計で特に重要です。次の比較表は、退任理由ごとの典型的な扱いを整理したものです。死亡・傷病や会社都合と、自己都合・重大違反による退任では扱いが異なるため、どの例外を設けるかを読み取ってください。

退任理由典型的な扱い
任期満了全部または期間按分で解除・支給
定年・会社都合全部または期間按分で解除・支給
死亡・傷病全部または期間按分で解除・支給する例が多い
自己都合退任未確定分を失効させる例が多い
解任解任理由によって異なります
懲戒相当・重大違反による退任全部失効・無償取得の対象になり得ます
競業・秘密保持違反後の退任条項があれば失効対象になり得ます

過度なリスクテイク・非財務KPI・競業秘密保持・利益相反

短期利益の裏側で、将来の損失、規制違反、品質問題、安全事故、サイバー事故が潜む場合、リスク管理規程違反、権限規程違反、取締役会承認を要する事項の無承認実施、警告無視、行政処分、一定額以上の損失、一定規模以上の顧客補償、重大事故などの客観基準を定めておくことが望ましいです。

非財務KPIでは、温室効果ガス排出量、労働災害件数、品質事故件数、顧客満足度、従業員エンゲージメント、女性管理職比率、重大コンプライアンス違反件数、サイバーセキュリティ成熟度、個人情報漏えい件数、研究開発マイルストーンなどが問題になります。抽象的な「ESGに問題があった」という理由だけではなく、指標、定量目標、評価期間、第三者評価または内部監査の方法、重大事故・行政処分・開示修正との結び付き、報酬委員会の裁量範囲を明確にします。

競業避止・秘密保持違反では、営業秘密の持出し、顧客・取引先や従業員の引抜き、知的財産の無断利用、退任後誓約書違反などが対象になり得ます。ただし、職業選択の自由や営業の自由との関係で、範囲が広すぎる競業禁止や過大な没収は慎重な設計が必要です。利益相反・関連当事者取引では、承認、開示、損害、自己利益の額、取締役会・監査役等への説明、有価証券報告書・事業報告との整合性を確認します。

行政処分・刑事事件・第三者委員会報告書

行政処分、課徴金納付命令、業務改善命令、刑事判決、第三者委員会報告書などは、発動判断における重要な客観資料になります。外部処分の確定を待つと報酬調整が遅れる一方、早期に発動すると事実認定が変わる可能性もあります。そのため、疑義発生時点で未確定報酬を暫定留保する規定、外部調査報告書等に基づく暫定判断、最終処分・判決等を踏まえた追加調整、対象者への弁明機会、後に認定が覆った場合の扱いを設計しておくことが望ましいです。

Section 04

導入事例・報酬類型・慎重に扱うべき場面

実例、報酬類型ごとの使いやすさ、発動できない場面をまとめて確認します。

日本企業における導入・発動事例

日本企業でも、マルス・クローバック条項を導入し、実際に発動を公表した事例があります。次の時系列は、制度導入、実際の返還・没収、公表された制度改定を順に整理したものです。各社で条項内容、報酬制度、事実関係、手続は異なるため、他社事例をそのまま転用するのではなく、どの機関がどの手続で判断しているかを読み取ってください。

2023年2月

ENEOSホールディングスの制度導入公表

重大なコンプライアンス違反等があった際、報酬諮問委員会の審議を経た取締役会決議により、原則最大4事業年度分の返還請求・没収を実行できる制度を導入する旨を公表しました。

2023年12月

同社の一部返還・没収公表

元代表取締役社長による不適切行為に関し、月額報酬・賞与・株式報酬の一部返還・没収を実施する旨を公表しました。

2026年3月

三井化学の制度導入公表

重大な法令違反・不正行為・重大なリスクマネジメント上の過失、財務諸表の誤り・修正等がある場合に、未支給・未解除分の没収・失効や支給済み分の返還を扱う制度を導入すると公表しました。

報酬類型別の実務整理

マルス条項の使いやすさは、報酬類型によって大きく異なります。次の比較表は、固定報酬、短期賞与、中長期報酬、株式報酬、新株予約権を、発動しやすさと実務上の焦点で整理したものです。既に発生・支給済みか、未確定分が残っているかを中心に読んでください。

報酬類型実務上の整理
固定月額報酬最も難しい類型です。既発生の報酬債権を本人の同意なく失わせることは慎重に考える必要があり、将来分の改定、本人同意、職務停止・辞任・解任との関係を分けて検討します。
短期業績連動賞与比較的相性が高い類型です。業績目標未達、財務数値訂正、会計不正、重大違反、支給決定前の退任などが発動場面になります。
中長期業績連動報酬評価期間が複数年に及ぶため、短期利益の後にリスクが顕在化した場合の未確定報酬調整に適しています。
譲渡制限付株式割当契約に、譲渡制限期間中の退任、業績未達、勤務実績不良、重大違反時の無償取得事由を明確に記載します。
パフォーマンス・シェア、RSU、PSU、株式交付信託権利確定前のポイント、ユニット、交付予定株式について、規程や信託契約、対象者通知との整合性を確認します。
ストック・オプション、新株予約権未行使であれば失効させやすい一方、行使済みで株式を取得している場合はクローバックや損害賠償の問題になります。

減額・没収できない、または慎重であるべき場面

マルス条項の発動限界を把握することは、過剰な制度運用を避けるために重要です。次の一覧は、発動が難しい場面や慎重な検討が必要な場面を整理したものです。どれも、会社が不祥事対応を急ぐ局面で見落としやすい論点として読んでください。

条項が存在しない

報酬制度上の根拠がなければ、一方的な没収は困難です。将来報酬の改定、解任、損害賠償請求、本人同意による返納などを分けて検討します。

支給済み・権利確定済み

既に支給済みの報酬返還は、マルスではなくクローバックの問題です。返還根拠、税務処理、時効、退任後請求が別途問題になります。

既発生の固定報酬

具体的に決まっている固定月額報酬を後から一方的に消滅させることは慎重に考える必要があります。

単なる業績不振

事前の業績条件に従う減額は可能でも、単なる結果責任として後出しで没収することは危険です。

曖昧な発動事由

不適切と判断した場合というだけの条項は危険です。対象、基準、手続、算定方法を明確にします。

差別的・報復的な発動

内部通報、調査協力、正当な意見表明、社外取締役としての反対意見を理由にした没収は重大な問題です。

Section 05

マルス条項の発動手続と条項設計

発見から開示までの手順、条項に入れるべき要素、サンプル条項の考え方を整理します。

適法・適切に使うためのプロセス

発動手続は、発見から開示までの順番を崩さないことが重要です。次の判断の流れは、事実確認、対象報酬、根拠、調査、利益相反、弁明機会、算定、処理・開示を8段階で整理しています。上から下へ進め、途中で根拠や証拠が不足する場合は、発動ではなく留保や追加調査を検討するものとして読んでください。

マルス条項発動の判断の流れ

発動事由の発見

法務、コンプライアンス、内部監査、経理、監査役、会計監査人、通報窓口、外部専門家などから端緒を把握します。

対象報酬の確認

未支給賞与、未確定報酬、未権利確定株式、譲渡制限未解除株式、未行使新株予約権、未確定ポイントを確認します。

法的根拠の確認

定款、株主総会決議、取締役会決議、報酬方針、規程、契約、割当契約、信託規程、新株予約権要項を確認します。

事実調査と証拠保全

メール、チャット、稟議、議事録、会計データ、監査資料、ヒアリング、フォレンジック結果、外部調査報告書を確認します。

利益相反を排除

対象者が取締役会メンバーであれば審議・決議から外し、報酬委員会や独立社外取締役の関与を確保します。

通知・弁明機会

事実関係、発動予定事由、対象報酬、減額・没収案を通知し、合理的範囲で意見提出の機会を設けます。

算定

再計算方式、割合方式、期間対応方式、混合方式など、条項に沿って比例的に算定します。

根拠あり
決定・処理・開示

会計、税務、源泉徴収、株式無償取得、信託処理、適時開示、有価証券報告書、事業報告等を検討します。

根拠不足
留保・追加調査

条項や証拠が不足する場合、拙速な発動を避け、支給留保規定の有無や追加調査を確認します。

条項設計に必要な構成要素

マルス条項は、対象者、対象報酬、発動事由、効果、算定、手続、退任後の扱い、調査中の留保をセットで設計する必要があります。次の比較表は、条項に入れるべき要素と設計上のポイントを並べたものです。抜けている行がある場合は、発動時に説明できない箇所が残る可能性があります。

要素設計上のポイント
対象者取締役、監査役、執行役、執行役員、子会社役員、海外役員等を明確にします。
対象報酬賞与、株式報酬、譲渡制限付株式、新株予約権、ポイント、退職慰労金等を特定します。
発動事由財務訂正、重大法令違反、重大規程違反、義務違反、退任、競業、反社該当等を具体化します。
効果不支給、減額、失効、権利確定停止、譲渡制限解除停止、無償取得等を定めます。
算定方法再計算式、減額割合、上限、下限、期間按分、裁量範囲を定めます。
手続調査、報酬委員会、独立社外取締役、対象者除斥、弁明機会、取締役会決議を定めます。
退任後の扱い退任後に在任中の不祥事が発覚した場合を対象にするか定めます。
調査中の留保支給、権利確定、譲渡制限解除を暫定的に留保できるか定めます。

サンプル条項案

次の条項案は、発動事由、効果、裁量範囲、留保、通知・弁明機会を1つの形で示す参考例です。実際には、会社の機関設計、報酬制度、株主総会決議、税務、上場規則、対象者属性に合わせて調整する必要があり、そのまま使用する前提ではありません。

第X条(マルス)
会社は、対象者について次の各号のいずれかに該当する事由が発生したと取締役会が認めた場合、報酬委員会の審議を経たうえで、未支給、未確定、未権利確定または譲渡制限未解除の本報酬の全部または一部について、不支給、減額、失効、権利確定の停止、譲渡制限解除の停止、または無償取得その他これに準ずる措置を行うことができる。

1. 本報酬の算定基礎となる財務諸表、業績指標、非財務指標その他の数値に重要な誤りがあることが判明した場合
2. 対象者が、会社またはその子会社の役員としての善管注意義務、忠実義務、法令、定款、社内規程または本契約上の義務に重大に違反した場合
3. 対象者が、会社またはその子会社に重大な損害または信用毀損を生じさせた場合
4. 対象者が、競業避止義務、秘密保持義務、反社会的勢力排除に関する義務その他会社が定める重要な義務に違反した場合
5. 対象者が、在任または勤務継続その他本報酬の支給条件を満たさないこととなった場合
6. その他前各号に準ずる重大な事由として取締役会が合理的に認める場合

2 前項に基づく措置の範囲は、当該事由の性質、対象者の関与の程度、対象者の職責、会社に生じた損害または信用毀損の程度、報酬算定への影響、その他一切の事情を考慮して決定する。

3 会社は、第1項各号に該当する疑いがある場合、調査が完了し取締役会が最終判断を行うまでの間、本報酬の支給、権利確定または譲渡制限解除を留保することができる。

4 会社は、第1項に基づく措置を決定するにあたり、対象者に対し、合理的な範囲で事実関係および予定される措置の概要を通知し、意見提出の機会を与えるものとする。ただし、証拠保全、調査の秘密保持、会社または第三者の利益保護のため必要がある場合は、この限りでない。
包括条項包括条項だけに依存すると恣意的運用のリスクがあります。個別の発動事由をできるだけ明確にし、包括条項は補充的に使うべきです。
Section 06

専門職別ポイントと実務チェックリスト

法務、商事法務、コンプライアンス、内部監査、会計税務、社外役員の確認分担を整理します。

専門職別の実務ポイント

マルス条項は法務だけで完結しません。次の一覧は、弁護士・企業内弁護士、商事法務、コンプライアンス、内部監査、会計税務、社外取締役・報酬委員会の役割を分けて整理したものです。どの職能がどの証拠や判断材料を担うかを読み取ってください。

弁護士・企業内弁護士

会社法、契約法、労働法、金商法、上場規則、訴訟リスクを総合的に確認します。

法的根拠

商事法務担当

株主総会議案、取締役会議案、報酬方針、事業報告、有価証券報告書、ガバナンス報告書の整合性を確認します。

開示

コンプライアンス担当

不祥事の事実認定、社内規程違反、内部通報者保護、再発防止との関係を整理します。

客観性

内部監査・内部統制担当

財務数値訂正、内部統制不備、リスク管理不備について、過去の指摘、是正状況、会議体への報告履歴を整理します。

証拠

公認会計士・税理士

業績連動給与の損金算入、源泉徴収、株式報酬の課税時期、会計処理、訂正決算との関係を確認します。

会計税務

社外取締役・報酬委員会

独立性、透明性、投資家説明の観点から、対象役員が経営トップである場合などに中心的な役割を担います。

独立性

導入時と発動時のチェックリスト

チェックリストは、導入前に制度として備える項目と、発動時に案件ごとに確認する項目を分けることが重要です。下の比較表は、設計段階と運用段階の確認事項を並べたものです。左列は制度の土台、右列は個別発動の証拠と手続として読んでください。

導入時チェック発動時チェック
対象者・対象報酬を明確にしたか発動事由が条項に該当するか
株主総会決議の範囲に含まれるか対象報酬が未支給・未確定・未権利確定・譲渡制限未解除か
取締役会決議・報酬委員会手続と整合するか既支給分についてクローバックと区別したか
役員委任契約・割当契約に組み込んだか事実認定の証拠を確保したか
発動事由を具体化したか対象者の関与・職責・因果関係を確認したか
算定方法を客観化したか利益相反者を審議・決議から除外したか
調査中の留保規定を置いたか報酬委員会・社外取締役の関与を確保したか
退任後発覚事由を定めたか対象者に弁明機会を与えたか
税務上の損金算入要件と会計処理を確認したか減額・没収額が比例的か
有価証券報告書・事業報告との整合性を確認したか税務・会計処理、開示要否、損害賠償請求や解任手続との関係を整理したか
Section 07

マルス条項で減額・没収できる場面のFAQ

個別事案への断定を避け、一般的な制度理解と確認すべき論点を整理します。

よくある質問は、個別事案への結論ではなく、制度の考え方と確認すべき論点を整理するためのものです。各回答では、一般的な考え方、結論が変わる要素、専門家確認が必要な場面を分けて読んでください。

マルス条項があれば、役員報酬を自由に没収できますか。

一般的には、マルス条項は自由な没収制度ではなく、発動事由、対象報酬、算定方法、手続、会社法上の報酬決定、税務・開示との整合性が必要とされています。ただし、条項の文言、報酬請求権の発生時期、対象者の同意、事実関係によって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、関連資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

不祥事が起きたら、社長の固定報酬を没収できますか。

一般的には、既に発生した固定報酬の没収は慎重に考える必要があるとされています。将来分の減額、本人同意による返納、解任、損害賠償請求、未確定賞与・株式報酬のマルス発動は、それぞれ法的性質が異なります。具体的には、報酬決議、契約、発生時期、本人同意、損害の有無によって判断が変わります。

業績が悪いだけでマルスを発動できますか。

一般的には、事前に業績条件や算定式が定められている場合、その条件に従って減額される可能性があります。ただし、単なる業績不振を後から懲罰的に扱うことは、経営判断の萎縮や紛争リスクにつながる可能性があります。具体的には、報酬制度の目的、業績条件の明確性、取締役会・報酬委員会の裁量範囲を確認する必要があります。

調査中に賞与支給日が来た場合、支給を止められますか。

一般的には、条項に調査中の留保規定があれば、未確定報酬の支給を留保しやすいとされています。ただし、留保規定がない場合、支給条件の未確定性、取締役会決議、本人への通知、調査の必要性によって判断が変わります。具体的な対応は、履行遅滞や不当な支給停止と評価されないよう専門家に確認する必要があります。

マルス条項の発動は開示が必要ですか。

一般的には、発動が常に開示を要するとは限りません。ただし、対象者が代表取締役等である場合、不祥事が重大である場合、報酬額が大きい場合、投資家判断に重要な影響を与える場合には、適時開示、有価証券報告書、事業報告等での説明を検討する必要があります。具体的には、上場規則、金商法開示、会社の過去開示との整合性により判断が変わります。

従業員にも同じマルス条項を入れられますか。

一般的には、従業員の場合は賃金全額払い原則、懲戒減給制限、就業規則の合理性、不利益変更法理などが問題になるため、役員向け条項をそのまま移植することは避けるべきとされています。具体的には、支給条件未達による不支給なのか、既発生賃金の懲戒的減額なのかを区別し、労働法務に詳しい専門家へ相談する必要があります。

Section 08

マルス条項を適切に使うための結論

短期利益と長期価値、報酬と責任、インセンティブとリスク管理を整合させる制度として位置付けます。

マルス条項で減額・没収できる場面は、単に不祥事があった場面ではありません。正確には、未支給・未確定・未権利確定・譲渡制限未解除の報酬について、事前に定めた条項、規程、契約、決議に基づき、客観的に認定できる発動事由が生じ、合理的な算定方法と公正な手続に従って、比例的に報酬を調整できる場面です。

財務数値訂正、会計不正、重大な法令違反、重大な社内規程違反、善管注意義務・忠実義務違反、業績目標未達、在任条件不充足、過度なリスクテイク、非財務KPI未達、競業・秘密保持違反などは、典型的な発動候補です。ただし、固定報酬の既発生分、支給済み報酬、条項のない報酬、単なる業績不振、抽象的な不適切性を理由とする没収は、慎重に扱う必要があります。

マルス条項は、役員を罰するためだけの制度ではありません。短期利益と長期価値、報酬と責任、インセンティブとリスク管理を整合させるための、企業統治上の重要な仕組みです。導入時には、会社法、税務、会計、開示、労働法、ガバナンスを横断して制度設計し、発動時には、事実認定、法的根拠、手続、公正性、投資家説明を丁寧に積み上げることが不可欠です。

Reference

この記事の参考情報源

  • 株式会社東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード」補充原則4-2①等
  • OECD, G20/OECD Principles of Corporate Governance 2023
  • Financial Reporting Council, UK Corporate Governance Code 2024
  • 会社法361条(取締役の報酬等)
  • 最高裁判所平成4年12月18日判決(取締役報酬の具体的報酬請求権に関する判例)
  • 国税庁「No.5211 役員に対する給与」
  • 経済産業省「攻めの経営を促す役員報酬 ― 企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引」
  • 金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令の改正等について」関連資料
  • 金融庁「有価証券報告書の定時株主総会前の開示に関する課題と対応策に関するQ&A」
  • 労働基準法24条、91条
  • ENEOSホールディングス株式会社「人権尊重・コンプライアンスに関する取組みの強化・再徹底について」
  • ENEOSホールディングス株式会社「社長等の処分および異動について」
  • 三井化学株式会社「役員報酬制度一部改定(マルス・クローバック条項の導入)について」