2σ Guide

J-PlatPatを使った
自社調査の進め方

企業法務・知財法務・事業部門が、特許・実用新案・意匠・商標を自社で調べる際に、調査目的、検索式、証跡、報告、専門家接続までを一体で設計するための実務ガイドです。

7類型調査目的
6役割社内分担
20-50件近接文献の目安
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J-PlatPatを使った 自社調査の進め方

まず、J-PlatPatを法的結論ではなく一次調査と論点整理の基盤として位置付けます。

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J-PlatPatを使った 自社調査の進め方
まず、J-PlatPatを法的結論ではなく一次調査と論点整理の基盤として位置付けます。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • J-PlatPatを使った 自社調査の進め方
  • まず、J-PlatPatを法的結論ではなく一次調査と論点整理の基盤として位置付けます。

POINT 1

  • J-PlatPatを使った自社調査の進め方の全体像
  • まず、J-PlatPatを法的結論ではなく一次調査と論点整理の基盤として位置付けます。
  • 目的を分類する
  • 検索軸を使い分ける
  • 証跡を残す

POINT 2

  • J-PlatPatを使った自社調査は入口であり結論ではない
  • 公的データベースの強みと、企業法務上の限界を同時に押さえます。
  • 無料で広く利用できる一方、法的結論を自動的に出すものではありません。
  • 商標では、同一商標の有無だけでなく、称呼、外観、観念、指定商品・役務、類似群コード、取引実情を見ます。
  • 意匠では、形状・模様・色彩・画像・物品等と自社デザインの共通点と差分を精査します。

POINT 3

  • J-PlatPatを使った自社調査のガバナンス設計
  • 秘密名称をそのまま使わない
  • 未公開の製品コード、顧客名、買収候補名、秘密の技術名称を検索語へ直接入れない運用にします。
  • 証跡の保管先を制限する
  • 検索ログ、PDF、公報コピー、スクリーンショットはアクセス権限付きフォルダで管理します。

POINT 4

  • J-PlatPatを使った自社調査の目的別整理
  • 目的ごとに検索対象、検索軸、評価軸、社内完結の可否を切り替えます。
  • J-PlatPatを使った自社調査は、目的によって検索方法も読み方も変わります。
  • 目的を誤ると、検索結果が多すぎる、重要文献を見落とす、法的に意味の薄い報告になるといった問題が起きます。
  • 自社の案件がどの行に近いかを最初に確認してください。

POINT 5

  • J-PlatPatを使った自社調査の共通手順
  • 1. 調査依頼書を作る:目的、対象、国、期間、重要度、成果物、期限を1枚にまとめます。
  • 2. 調査対象を分解する:技術、ブランド、デザイン、商品・役務、相手方、権利番号を検索単位へ分けます。
  • 3. 一次検索は広く行う:全文、要約、商標名、称呼、出願人などから候補を広く拾います。
  • 4. 分類・条件で絞る:FI、Fターム、IPC、区分、類似群コード、日付条件、権利者で整理します。
  • 5. 検索式と未調査範囲を記録する:調査日、検索式、ヒット件数、抽出基準、除外基準、未調査範囲を残します。
  • 6. リスク仮説として報告する:断定ではなく、確認済み事項、未確認事項、専門家確認の要否を示します。

POINT 6

  • J-PlatPatを使った特許・実用新案調査の進め方
  • 1. 発明資料を集める:発明提案書、仕様書、実験データ、図面を集め、必須構成と任意構成を分けます。
  • 2. 検索語を展開する:同義語、上位概念、下位概念、英語表現を作り、全文・要約で広く拾います。
  • 3. 分類で再検索する:近い文献のFI、Fターム、IPCを抽出し、PMGSで分類の意味と周辺分類を確認します。
  • 4. 近接文献を読む:20件から50件程度に絞り、請求項、明細書、図面を読み、自社発明との差分を表にします。
  • 5. 出願方針へつなぐ:発明の差分、候補文献、検索ログを弁理士へ渡し、請求項設計と出願要否を検討します。

POINT 7

  • J-PlatPatを使った商標・意匠調査の進め方
  • 共通点と相違点
  • 全体形状、特徴的部分、部分意匠になり得る部分、画像意匠の有無を比較します。
  • 需要者の注意部分
  • 需要者が注意を向ける部分がどこか、装飾的特徴か機能上当然の形状かを整理します。

POINT 8

  • J-PlatPatを使った自社調査報告書の作り方
  • 検索結果を報告書、リスク評価、外部専門家への引き継ぎ資料へ落とし込みます。
  • 自社調査の報告書では、検索結果そのものよりも、意思決定に必要な情報へ翻訳することが重要です。
  • 列は文献番号、権利者、状態、関連度、懸念点、対応を分けています。
  • 文献を単に並べるのではなく、自社対象との関係と次の確認事項を読み取れる形式にすることが重要です。

まとめ

  • J-PlatPatを使った 自社調査の進め方
  • J-PlatPatを使った自社調査の進め方の全体像:まず、J-PlatPatを法的結論ではなく一次調査と論点整理の基盤として位置付けます。
  • J-PlatPatを使った自社調査は入口であり結論ではない:公的データベースの強みと、企業法務上の限界を同時に押さえます。
  • J-PlatPatを使った自社調査のガバナンス設計:調査する人、評価する人、意思決定する人を分け、秘密管理と利用制限も組み込みます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

J-PlatPatを使った自社調査の進め方の全体像

まず、J-PlatPatを法的結論ではなく一次調査と論点整理の基盤として位置付けます。

J-PlatPatを使った自社調査の進め方で重要なのは、検索画面の操作だけではありません。調査目的を定義し、検索語と分類を組み合わせ、調査ログを残し、発見した文献を事業判断へ翻訳し、重大案件では弁理士・弁護士などの専門家へつなぐ設計が中心になります。

このページで扱う範囲は、特許・実用新案、意匠、商標、経過情報、競合監視、M&Aや警告対応に向けた前さばきです。自社調査は鑑定や法的判断を代替するものではなく、どこまで調べ、何が未確認で、次に誰が判断すべきかを明確にするための手順です。

基本姿勢J-PlatPatで一次的な事実確認と論点抽出を行い、重大リスク・高額案件・専門判断を要する案件は専門家へ接続します。

次の一覧は、自社調査で最初に押さえるべき到達目標をまとめたものです。目的、検索軸、ログ、外部連携の4つを分けて見ることで、検索結果を「問題なし」という短い結論に変換してしまう危険を避けられます。

GOAL 1

目的を分類する

特許性調査、侵害予防、無効資料、競合監視、商標採否、意匠クリアランス、名義・経過確認を分けます。

GOAL 2

検索軸を使い分ける

キーワード、出願人・権利者、FI、Fターム、IPC、区分、類似群コード、称呼、番号照会を組み合わせます。

GOAL 3

証跡を残す

検索式、日付、ヒット件数、抽出基準、未調査範囲を残し、後から調査範囲を説明できる状態にします。

GOAL 4

専門家接続を設計する

侵害成否、無効可能性、商標・意匠の類否、ライセンス交渉などは社内だけで結論を固定しません。

Section 01

J-PlatPatを使った自社調査は入口であり結論ではない

公的データベースの強みと、企業法務上の限界を同時に押さえます。

J-PlatPatは、特許庁・INPITが提供する産業財産権情報の検索・閲覧基盤であり、特許・実用新案、意匠、商標の公報、出願登録情報、経過情報を確認する入口です。無料で広く利用できる一方、法的結論を自動的に出すものではありません。

特許権侵害では、要約や発明の名称ではなく、権利化後の特許請求の範囲、構成要件、均等論の余地、無効理由、権利存続、自社実施品との対応を確認します。商標では、同一商標の有無だけでなく、称呼、外観、観念、指定商品・役務、類似群コード、取引実情を見ます。意匠では、形状・模様・色彩・画像・物品等と自社デザインの共通点と差分を精査します。

次の比較は、J-PlatPatで確認しやすい情報と、社内だけで結論にしにくい評価項目を分けたものです。この区別が重要なのは、検索結果の有無をそのまま発売可否や警告対応の結論へ飛ばさないためです。左側は事実確認、右側は専門評価が必要になりやすい領域として読み分けてください。

領域J-PlatPatで確認しやすい情報専門評価が必要になりやすい事項
特許・実用新案公報、請求の範囲、分類、出願人、経過情報侵害成否、均等論、無効可能性、回避設計、鑑定
商標商標、称呼、区分、類似群コード、指定商品・役務、ステータス類否判断、周知性、不登録事由、採用可否、警告対応
意匠意匠公報、物品名、図面・写真、分類、権利者、存続状況類否、部分意匠・関連意匠の評価、デザイン変更案
経過・名義出願番号、登録番号、拒絶理由、補正、審判、移転、年金情報最新性確認、原簿照会、契約・譲渡・ライセンスへの影響
限界管理新しい情報の反映には時間差があり、正確性や最新性が重要な案件では原簿、公報、専門家確認を組み合わせる必要があります。
Section 02

J-PlatPatを使った自社調査のガバナンス設計

調査する人、評価する人、意思決定する人を分け、秘密管理と利用制限も組み込みます。

企業内でJ-PlatPatを使う場合、誰が調査し、誰が技術評価を行い、誰が法的評価を担い、誰が意思決定するのかを明確にします。検索担当者の「見つからなかった」という報告を、経営が「リスクなし」と誤解することが最大の失敗です。

次の表は、自社調査の役割分担を示します。列は担当者、主な責任、結論に近づく際の注意点を表しています。読者は、自社の現在の運用で空白になっている役割がどこかを確認してください。

役割主な担当主な責任注意点
調査依頼者事業部、研究開発、マーケティング、M&A担当目的、対象製品、市場、期限、事業重要性を提示する法律用語だけでなく事業判断の言葉で依頼する
一次調査担当法務、知財法務、知財部、リーガルアシスタント検索、ログ作成、候補文献抽出、一次スクリーニングを行う調査範囲と未調査範囲を必ず残す
技術評価者研究開発、技術責任者、プロダクト責任者文献内容と自社技術・製品の対応関係を確認する法務だけで技術的近さを判断しない
法的評価者企業内弁護士、知財法務、外部弁護士、弁理士権利範囲、侵害可能性、有効性、対応方針を評価する重要案件では専門評価を前提にする
意思決定者事業責任者、経営会議、投資委員会、リスク委員会発売可否、設計変更、出願、ライセンス、交渉を決定する残存リスクと未確認事項を明示して判断する

次の重要ポイントは、検索語そのものが機密に近い情報を含み得る場面をまとめたものです。なぜ重要かというと、未発表製品、M&A候補、警告対応戦略などは、調査過程でも情報管理の対象になるからです。どの情報を直接入力しないか、どこへ保存するかを読み取ってください。

秘密名称をそのまま使わない

未公開の製品コード、顧客名、買収候補名、秘密の技術名称を検索語へ直接入れない運用にします。

証跡の保管先を制限する

検索ログ、PDF、公報コピー、スクリーンショットはアクセス権限付きフォルダで管理します。

外部共有の条件を決める

外部専門家へ共有する場合は、秘密保持、依頼範囲、共有資料の扱いを明確にします。

大量取得を避ける

クローラー、スクレイピング、RPAによる大量取得や機械的な定期アクセスは安易に行いません。

Section 03

J-PlatPatを使った自社調査の目的別整理

目的ごとに検索対象、検索軸、評価軸、社内完結の可否を切り替えます。

J-PlatPatを使った自社調査は、目的によって検索方法も読み方も変わります。目的を誤ると、検索結果が多すぎる、重要文献を見落とす、法的に意味の薄い報告になるといった問題が起きます。

次の表は、代表的な調査目的ごとに、主な対象、検索軸、評価軸、社内で完結しやすい範囲を整理したものです。列の違いが重要なのは、同じJ-PlatPat検索でも「権利化できるか」と「他者権利を侵害しないか」では読むべき情報が変わるためです。自社の案件がどの行に近いかを最初に確認してください。

調査目的主な対象重要な検索軸重要な評価軸社内完結の目安
出願前の先行技術調査特許・実用新案、非特許文献技術キーワード、FI、Fターム、IPC、出願人新規性・進歩性の阻害可能性、請求項案への影響初期調査は可。出願判断は弁理士連携推奨
侵害予防・FTO調査存続中の特許・実用新案、意匠、商標権利者、技術分類、請求の範囲、登録意匠、称呼・類似群自社実施との対応、権利存続、回避可能性高リスク案件は専門家必須
無効資料調査他者権利公知日、発行日、分類、同義語、外国文献無効理由との関係、証拠価値、時期専門家必須に近い
競合監視競合出願・権利出願人・権利者、発明者、分類、経過情報技術領域、出願傾向、権利化状況定期監視は社内可。戦略判断は専門家併用
商標採否調査商標出願・登録情報商標、称呼、区分、類似群コード、商品・役務類否、指定商品役務、周知性、使用可否最終採否は弁理士・弁護士確認推奨
意匠調査意匠公報物品名、意匠分類、出願人・権利者、画像類否、創作非容易性、物品等の関係デザイン発売前は専門家確認推奨
契約・M&A・DD権利一覧、名義、経過出願人・権利者、番号、経過情報権利範囲、存続、移転、担保、係争重要案件は専門家必須
Section 04

J-PlatPatを使った自社調査の共通手順

依頼書、対象分解、広い検索、分類活用、ログ、読み順、リスク仮説の順で進めます。

共通手順では、いきなり検索窓に語を入れるのではなく、調査依頼書から始めます。対象国、対象期間、重要度、成果物、期限まで決めておくと、検索結果を社内報告へつなげやすくなります。

次の判断の流れは、自社調査を開始してから一次報告に至る順番を表しています。順番が重要なのは、対象の分解や検索式の記録を後回しにすると、調査の再現性と説明力が落ちるためです。上から下へ、各段階で何を残すかを確認してください。

J-PlatPatを使った自社調査の共通手順

調査依頼書を作る

目的、対象、国、期間、重要度、成果物、期限を1枚にまとめます。

調査対象を分解する

技術、ブランド、デザイン、商品・役務、相手方、権利番号を検索単位へ分けます。

一次検索は広く行う

全文、要約、商標名、称呼、出願人などから候補を広く拾います。

分類・条件で絞る

FI、Fターム、IPC、区分、類似群コード、日付条件、権利者で整理します。

検索式と未調査範囲を記録する

調査日、検索式、ヒット件数、抽出基準、除外基準、未調査範囲を残します。

リスク仮説として報告する

断定ではなく、確認済み事項、未確認事項、専門家確認の要否を示します。

次の表は、調査ログに最低限残す項目を示します。列は項目と記載例に分かれており、調査範囲の説明に必要な証跡を読み取れます。後日、警告対応、M&A、監査、経営会議で同じ検索を再現するために重要です。

項目記載例
調査日・時刻2026-05-26 14:00-16:30
調査担当法務部A、知財部B、技術部C
使用DB・対象メニューJ-PlatPat、特許・実用新案検索、PMGS、商標検索等
検索式・検索語無電源,5C,発光/TX(蓄電池+バッテリー)/TX
分類・日付条件FI、Fターム、IPC、類似群コード、出願日、公開日、登録日等
ヒット件数・抽出基準148件、32件、上位50件、請求項に特定構成を含む文献等
除外基準・未調査範囲技術分野違い、期限切れ、海外DB、非特許文献、図形商標、詳細鑑定等
避ける表現一次報告では「侵害していない」「登録できる」「問題なし」「完全に安全」「類似商標は存在しない」「無効にできる」といった断定を避けます。
Section 05

J-PlatPatを使った特許・実用新案調査の進め方

出願前調査、侵害予防、無効資料、競合監視を別々の目的として扱います。

特許・実用新案では、自社発明の権利化可能性を見る調査と、他者権利に抵触しないかを見る侵害予防調査を混同しないことが重要です。出願前調査では課題、解決手段、効果、必須構成、任意構成に分けます。侵害予防では、登録特許の請求の範囲、補正後の権利範囲、権利存続、年金、名義まで確認します。

次の時系列は、出願前調査で発明提案から専門家連携まで進む順番を示しています。各段階で成果物が変わるため、どこで検索語を広げ、どこで分類を使い、どこで差分表に落とすかを読み取ってください。

STEP 1

発明資料を集める

発明提案書、仕様書、実験データ、図面を集め、必須構成と任意構成を分けます。

STEP 2

検索語を展開する

同義語、上位概念、下位概念、英語表現を作り、全文・要約で広く拾います。

STEP 3

分類で再検索する

近い文献のFI、Fターム、IPCを抽出し、PMGSで分類の意味と周辺分類を確認します。

STEP 4

近接文献を読む

20件から50件程度に絞り、請求項、明細書、図面を読み、自社発明との差分を表にします。

STEP 5

出願方針へつなぐ

発明の差分、候補文献、検索ログを弁理士へ渡し、請求項設計と出願要否を検討します。

次の表は、侵害予防調査で自社製品の構成と候補文献を対応させる見方を示します。左から自社構成、検索語、分類、抽出文献、リスクを並べることで、検索結果を製品判断へ接続できます。リスク欄は法的結論ではなく、専門家確認の優先度として読みます。

自社製品の構成関連し得る検索語関連分類抽出文献リスク
センサーで人体を検知人感、赤外線、検知、センサFI/FタームJPxxxx
スマートフォンで遠隔操作遠隔、スマートフォン、無線、通信FI/FタームJPyyyy
電池残量を通知電池、残量、通知、アラートFI/FタームJPzzzz

次の重要ポイントは、高リスク文献が見つかった場合に専門家へ渡すべき材料を整理しています。なぜ重要かというと、「似ている」「違う」という社内議論だけでは、請求項との対応や権利存続を説明できないためです。文献、構成、事業影響をセットで読む必要があります。

01

存続中の登録権利

登録済みで存続中の特許・実用新案がある場合は、請求項の構成要件ごとに自社製品との対比表を作ります。

専門家確認
02

重要な権利者

競合企業、取引先、NPE、大学、研究機関が権利者である場合は、交渉や事業関係への影響も見ます。

事業影響
03

海外・OEM・共同開発

海外展開、輸出、OEM、共同開発、M&Aが関係する場合は、国内検索だけでは足りないことがあります。

範囲拡張
Section 06

J-PlatPatを使った商標・意匠調査の進め方

商標は称呼・商品役務、意匠は物品・分類・画像を組み合わせます。

商標調査の目的は、候補名が登録できるかだけではありません。使用リスク、ブランドリスク、契約・表示リスクまで分ける必要があります。J-PlatPatで確認できるのは主に出願・登録情報、公報、称呼、商品・役務、区分、類似群コードであり、最終的な類否判断は専門家確認が推奨されます。

次の一覧は、候補名の調査で広げるべき表記・読み方の例を示します。なぜ重要かというと、完全一致だけでは、近い称呼やスペース違い、カタカナ表記を見落とす可能性があるためです。読者は、候補名を一つの文字列ではなく複数の検索入口として読む必要があります。

表記

文字列の揺れ

ALPHA ONE、ALPHAONE、Alpha One、複数形、単数形、ハイフン、スペース違いを確認します。

称呼

読み方の揺れ

アルファワン、アルファーワン、アルファ1、特殊な読み、略称、愛称を確認します。

商品役務

事業範囲の揺れ

販売物、SaaS、アプリ、保守、教育、広告、将来展開、OEM、海外販売まで洗い出します。

次の表は、商標候補のリスク区分を事業部門へ伝えるための整理です。列は状況と対応を表し、リスクが上がるほど名称変更や専門家鑑定などの対応が必要になります。区分は最終判断ではなく、次に何を確認するかを決める目安です。

リスク区分状況推奨対応
同一・近似称呼が見当たらず、予定商品・役務に近い先行商標も少ない出願前に弁理士確認。使用開始時期を管理
類似称呼または類似商品・役務の先行商標がある代替案検討、指定商品役務の調整、専門家確認
同一または極めて近い商標が、近い商品・役務で登録・出願中採用延期、名称変更、権利者調査、専門家鑑定
緊急警告、異議、取引先指摘、広告公開済み、発売直前外部弁護士・弁理士へ即時相談、社内危機対応

次の一覧は、意匠調査で法務・知財担当とデザイナーが同じ画面を見ながら確認すべき観点です。意匠は画像や図面の比較が中心になるため、物品名やキーワードだけでなく、需要者がどこを見るか、変更可能性があるかを読み取ることが重要です。

共通点と相違点

全体形状、特徴的部分、部分意匠になり得る部分、画像意匠の有無を比較します。

需要者の注意部分

需要者が注意を向ける部分がどこか、装飾的特徴か機能上当然の形状かを整理します。

既存デザインとの差分

既存製品群の中でありふれているか、自社デザインを変更できるかを検討します。

調査ログの固定

文献番号、図面番号、スクリーンショット、自社デザインのバージョンを調査日ごとに残します。

Section 07

J-PlatPatを使った自社調査報告書の作り方

検索結果を報告書、リスク評価、外部専門家への引き継ぎ資料へ落とし込みます。

自社調査の報告書では、検索結果そのものよりも、意思決定に必要な情報へ翻訳することが重要です。構成は、案件名、調査目的、調査日、調査担当、調査範囲、検索条件、ヒット件数、重要文献、権利状態、リスク評価、未調査範囲、推奨アクション、添付資料で整理します。

次の表は、重要文献一覧のテンプレートです。列は文献番号、権利者、状態、関連度、懸念点、対応を分けています。文献を単に並べるのではなく、自社対象との関係と次の確認事項を読み取れる形式にすることが重要です。

No.文献番号権利者・出願人権利種別状態関連度懸念点推奨対応
1JPxxxxA社特許登録・存続請求項1が自社構成の一部に近い請求項対比表を作成し専門家確認
2JPyyyyB社商標登録・継続候補名と称呼が近く、類似群が近い名称変更案を検討、弁理士確認
3JPzzzzC社意匠登録外観の特徴部分が近いデザイン差分表を作成

次の表は、法的リスクと事業影響を分けて総合評価する考え方です。横並びで見る理由は、法的リスクが中程度でも、発売直前や主力ブランドなら総合リスクが高くなるためです。読者は、法的な近さと事業への影響を別々に読み取ってください。

法的リスク事業影響総合評価
関連文献はあるが権利消滅、商品役務も遠い
法的には遠いが主力ブランドのため慎重判断が必要
類似可能性があり、代替設計・名称変更が可能
発売直前で先行権利に近い
登録権利に近いが小規模案件。専門家確認は必要
最重要警告・訴訟・差止・販売停止の可能性がある

次の一覧は、外部専門家へ引き継ぐべき場面を分野別に整理しています。なぜ重要かというと、社内調査の限界を早めに見極めるほど、発売延期や警告対応の手戻りを減らせるためです。どの専門家へ何を渡すかを読み取ってください。

弁理士へ依頼する場面

出願、請求項設計、特許・意匠・商標の類否、拒絶理由対応、無効審判、情報提供を検討する場面です。

権利化類否

弁護士へ依頼する場面

警告、訴訟、仮処分、税関差止、契約交渉、M&A、IPO、取締役会報告、複数法域が絡む場面です。

紛争契約
DB

外部調査会社・民間DBを併用する場面

海外展開、特許ファミリー、引用関係、大規模分析、非特許文献、標準必須特許などを扱う場面です。

網羅性
Section 08

J-PlatPatを使った自社調査の社内運用と場面別チェック

依頼入口、再調査、証跡保存、製品・ブランド・M&A・警告対応の確認事項を整えます。

社内運用では、調査依頼の入口、調査分類、報告期限、再調査、証跡保存をあらかじめ決めます。新製品、新ブランド、新デザイン、共同開発、M&A、他社からの警告、競合監視では、発売・公表・契約締結の前に法務・知財部門へ調査依頼を出す運用が有効です。

次の一覧は、社内規程や法務ポータルに入れるべき運用要素を示しています。なぜ重要かというと、知財情報は時間とともに変わり、調査結果にも有効期限があるためです。読者は、入口、分類、再調査、保存の4点が揃っているかを読み取ってください。

入口

調査依頼フォーム

発売、公表、契約締結の一定期間前までに、法務・知財部門へ依頼する入口を設けます。

分類

権利種別と目的

特許、意匠、商標、契約、M&A、警告対応、訴訟、不正競争、著作権、営業秘密に分けます。

再調査

有効期限の設定

商標候補は使用開始直前、製品発売が半年以上延期された場合は特許・意匠・商標を再検索します。

保存

証跡の固定

依頼書、検索ログ、検索結果、PDF、スクリーンショット、報告書、外部専門家回答、決裁記録を保存します。

次の比較一覧は、企業法務の場面別に確認する事項をまとめたものです。列は場面と主な確認項目に分かれており、読者は自社案件に近い行からチェックすべき優先項目を読み取れます。

場面主な確認項目
新製品発売前技術・デザイン・ブランド要素の分解、特許・実用新案のキーワード検索と分類検索、登録済み・存続中の近接文献、請求項対比、意匠・商標確認、高リスク文献の専門家確認、再検索日
新ブランド採用前表記揺れ、カタカナ称呼、英語表記、略称、スペース・ハイフン違い、称呼類似検索、区分・類似群コード、ロゴ・図形要素、出願方針
M&A・投資・業務提携対象会社名、旧社名、関連会社名、主要発明者名、権利一覧、出願中・登録済み・消滅・審判中の区別、名義、存続、担保、共有、ライセンス、DDスコープ
警告書を受け取った場合期限管理、権利番号、権利者、代理人、権利状態、請求項、経過情報、自社実施状況、先使用、無効理由、非侵害、設計変更、ライセンス交渉、外部相談
Section 09

J-PlatPatを使った自社調査で機能を使い分ける

簡易検索、特許・実用新案検索、PMGS、商標検索、商品・役務名検索、意匠検索、PDF・CSV・RSSを使い分けます。

J-PlatPatの各機能は、入口探し、技術調査、商標調査、意匠調査、証跡保存、競合監視で役割が異なります。簡易検索だけで網羅的な調査をしたと考えず、重要案件では専用メニューへ移行します。

次の一覧は、J-PlatPatの主要機能を実務用途別に整理したものです。なぜ重要かというと、機能選択を誤ると、検索語が合っていても必要な情報へ届きにくくなるためです。各項目から、どの場面でどの入口を使うかを読み取ってください。

簡易検索

文献番号、企業名、技術語、商標名から入口を探すときに使います。重要案件では専用メニューへ移ります。

入口

特許・実用新案検索

技術キーワード、分類、出願人・権利者、日付、請求の範囲、公報全文を組み合わせます。

技術

PMGS

FI、Fターム、IPCを確認し、用語揺れによる漏れを減らすために分類検索へ展開します。

分類

商標検索・商品役務検索

商標、称呼、出願人、区分、類似群コード、商品・役務名を組み合わせ、候補名の近接情報を確認します。

ブランド

意匠検索

物品名、出願人・権利者、意匠分類、画像・図面を組み合わせ、デザイナーと外観を確認します。

デザイン

PDF・CSV・RSS

PDFは重要文献保存、CSVは一覧整理、RSSは特定案件の更新確認に使います。申請や件数制限、著作権に注意します。

証跡
Section 10

J-PlatPatを使った自社調査の検索式設計

キーワードを階層化し、論理式と分類を組み合わせ、検索式レビューで漏れを減らします。

検索語は、技術名を一つ入力して終わりではありません。上位概念、中位概念、下位概念、構成語、効果語、用途語、同義語に分けると、文献ごとの表現の違いに強くなります。

次の表は、検索語の階層と目的を示します。列は階層、例、目的に分かれており、広く拾う語から具体文献を拾う語までの役割を読み取れます。検索式が狭すぎるか、広すぎるかを見直すために重要です。

階層目的
上位概念照明装置、表示装置、制御装置広く拾う
中位概念非常灯、標識灯、誘導灯技術分野を絞る
下位概念蓄光標識、LED誘導灯、無電源発光標識具体文献を拾う
構成語センサー、電池、通信、筐体、反射材請求項・構成要素を拾う
効果語省電力、視認性、耐候性、軽量化課題・効果から拾う
用途語避難、工場、倉庫、屋外、医療用途分野を拾う
同義語バッテリー、蓄電池、二次電池表記揺れを補う

次の重要ポイントは、論理式を使うときの基本的な考え方を示します。記号は機械的に使うのではなく、広げる、絞る、近い関係を拾う、除外するという目的ごとに読み分けてください。

検索式は「広げる語」と「絞る条件」を分けて設計します

同義語はORで広げ、構成要素はANDで組み合わせ、近傍検索で関係の近い語を拾い、分類と日付条件で整理します。除外語は重要文献を落とす可能性があるため慎重に使います。

次の一覧は、検索式レビューで確認する観点です。レビューが重要なのは、検索式が狭すぎると見落とし、広すぎるとノイズが増え、いずれも報告の信頼性が下がるためです。各項目を未調査範囲の明示にもつなげてください。

目的との整合

調査目的に合った検索項目、分類、日付条件、権利状態を使っているかを確認します。

語彙の広がり

同義語、旧語、業界語、英語、カタカナ、上位概念、下位概念を含めたかを確認します。

出願人名の揺れ

旧社名、関連会社名、英語表記、共同出願先、発明者名を確認します。

未調査範囲

海外DB、非特許文献、市場使用実態、図形商標、詳細鑑定など、残した範囲を明示します。

Section 11

J-PlatPatを使った自社調査のFAQ

検索結果ゼロ、専門家調査との違い、商標・特許検索、PDF・CSV、海外調査、定期監視を一般情報として整理します。

Q1. J-PlatPatで検索して何も出なければ、特許侵害リスクはないと言えますか。

一般的には、検索結果ゼロは入力した条件でヒットしなかったことを意味するだけです。検索語、分類、日付、対象メニュー、権利状態、海外文献、非特許文献、未公開出願などによって結果は変わる可能性があります。重要製品では、分類検索、同義語検索、専門家レビューを組み合わせる必要があります。

Q2. 自社調査と弁理士・弁護士の調査は何が違いますか。

一般的には、自社調査は事実確認、候補文献抽出、論点整理に強みがあります。一方で、弁理士・弁護士の調査・評価は、検索式設計、権利範囲の解釈、侵害・無効・登録可能性の法的判断、出願・審判・訴訟・契約対応に強みがあります。重要案件では両者を組み合わせる必要があります。

Q3. 商標調査では、候補名と同じ登録商標だけを見ればよいですか。

一般的には、不十分とされています。称呼が近い商標、外観・観念が近い商標、指定商品・役務が類似する商標を確認する必要があります。具体的な採否判断は、商品・役務、使用態様、証拠関係によって変わるため、弁理士・弁護士等の専門家へ確認する必要があります。

Q4. 特許調査では、キーワード検索だけで足りますか。

一般的には、キーワード検索だけでは足りないことが多いです。技術用語は文献ごとに異なるため、FI、Fターム、IPCなどの分類検索を組み合わせます。J-PlatPatのPMGSや検索結果一覧の分類ランキングを使い、関連分類から再検索することが実務上重要です。

Q5. 検索結果のPDFやCSVを社内で保存してよいですか。

一般的には、J-PlatPatには文献PDFのダウンロードやCSV出力機能があります。ただし、CSV出力には利用申請が必要となる場合があり、著作権、利用上の注意、大量アクセス禁止、社内アクセス権限に留意する必要があります。公開資料への転載は別途確認が必要です。

Q6. J-PlatPatだけで海外展開のFTO調査はできますか。

一般的には、不十分となる可能性があります。海外展開では、対象国の権利、特許ファミリー、各国の法的状態、翻訳、現地商標、意匠、税関、販売国・製造国・輸出入国の法制度が関係します。海外DB、現地代理人、弁理士・弁護士の確認が必要になることがあります。

Q7. 自社で定期監視する場合、どの頻度がよいですか。

一般的には、事業重要度によって頻度を変えます。主力製品・競合重要領域・係争候補は月次または四半期、一般的な競合監視は四半期から半期、商標候補は採用・出願・使用開始直前に再検索する運用が考えられます。重要案件ではRSS機能や定期的な経過確認も選択肢になります。

Q8. 調査結果を取締役会に報告する場合、何を重視すべきですか。

一般的には、検索式の細部よりも、事業影響、残存リスク、意思決定事項、専門家確認の有無、未調査範囲、推奨対応を重視します。取締役会資料では、何が分かったか、何がまだ分からないか、どの選択肢があるか、どのリスクを受容するかを明確にする必要があります。

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J-PlatPatを使った自社調査の結論

検索技術ではなく、知財・法務リスクを早期に見つけるリスク管理の設計として運用します。

J-PlatPatを使った自社調査の進め方で最も重要なのは、検索画面の操作そのものではありません。調査目的を正しく定義し、検索語と分類を組み合わせ、調査ログを残し、検索結果を事業判断に翻訳し、必要な場面で弁理士・弁護士へ接続する仕組みを作ることです。

企業法務において、J-PlatPatは、出願前、製品発売前、ブランド採用前、M&A、競合監視、警告対応、契約交渉の多くの場面で有用な入口になります。一方で、法的結論を保証するものではなく、データ更新、検索範囲、法的評価、海外権利、非特許文献、著作権、利用制限といった限界を持ちます。

次の強調部分は、このページ全体の実務上の結論です。J-PlatPatを単なる検索サイトではなく、研究開発、商品企画、マーケティング、法務、知財、コンプライアンス、経営をつなぐ基盤として読むことが重要です。

自社調査は、一次調査・証跡化・論点整理のプロセスです

どこまで調べ、何が未確認で、次に誰が判断すべきかを明確にすることで、知財・法務リスクを早期に発見し、事業判断の質を高められます。

Reference

J-PlatPatを使った自社調査の参考情報源

公的機関・制度情報

  • INPIT「利用の手引き」
  • INPIT「パンフレット・マニュアル・講習会テキスト等の提供」
  • INPIT「特許情報プラットフォーム講習会」
  • INPIT「J-PlatPat利用上のご注意」
  • INPIT「利用規約」
  • 特許庁「特許公報を検索してみましょう」
  • 特許庁「商標を検索してみましょう」
  • 特許庁「意匠を検索してみましょう」
  • e-Gov法令検索「特許法」

J-PlatPat公式ヘルプ・マニュアル

  • J-PlatPatヘルプ「各サービスのご利用方法」
  • J-PlatPat「データ更新予定」
  • J-PlatPatマニュアル「キーワードで特許・実用新案を検索する」
  • J-PlatPatマニュアル「特許・実用新案分類を照会する」
  • J-PlatPatマニュアル「論理式の直接入力について」
  • J-PlatPatマニュアル「キーワードで商標を検索する」
  • J-PlatPatマニュアル「指定商品・役務名、区分、類似群コードを検索する」
  • J-PlatPatマニュアル「検索結果一覧をCSV出力する」
  • J-PlatPatマニュアル「文献のPDFをダウンロードする」
  • INPIT FAQ「RSS機能の利用方法」