2σ Guide

社内法務の業務範囲を
契約・統治・危機管理まで整理

契約審査にとどまらず、企業の意思決定、統治、リスク管理、紛争予防、規制対応、事業創出支援までを横断して整理します。

3機能守る・導く・作る
12領域主要業務を横断
4段階リスク分類で運用
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社内法務の業務範囲を 契約・統治・危機管理まで整理

契約審査にとどまらず、企業の意思決定、統治、リスク管理、紛争予防、規制対応、事業創出支援までを横断して整理します。

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社内法務の業務範囲を 契約・統治・危機管理まで整理
契約審査にとどまらず、企業の意思決定、統治、リスク管理、紛争予防、規制対応、事業創出支援までを横断して整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 社内法務の業務範囲を 契約・統治・危機管理まで整理
  • 契約審査にとどまらず、企業の意思決定、統治、リスク管理、紛争予防、規制対応、事業創出支援までを横断して整理します。

POINT 1

  • 社内法務の業務範囲の全体像
  • 契約書を見る部署にとどまらない、横断的な法務機能として整理します。
  • 守る機能
  • 進め方を示す機能
  • 価値を作る機能

POINT 2

  • 社内法務の業務範囲を12領域と業界別に整理する
  • 会社の主要機能を横断する法務領域を一覧で確認します。
  • 社内法務の対象は、会社の主要な意思決定領域を横断します。
  • 行ごとに、法務が主導する領域と、事業部門や専門職と協働する領域の違いを読み取ってください。
  • 業種によって重点領域は大きく変わります。

POINT 3

  • 社内法務の業務範囲で中心となる契約法務とガバナンス
  • 契約、機関運営、開示、内部統制を、会社の意思決定プロセスに接続します。
  • 契約法務は社内法務の入口であり、事業リスクを文書に落とし込む作業です。
  • 順番に読むと、文言修正だけでなく、商流・責任・終了時対応まで設計する必要があることが分かります。
  • 業務内容、成果物、スケジュール、対価が実際の商流と一致しているかを確認します。

POINT 4

  • コンプライアンス・個人情報・知財・労務・危機管理の範囲
  • 1. 事実と推測を分ける:発生日、関与者、資料、被害範囲、未確認事項を分けて記録します。
  • 2. 証拠を保全する:メール、チャット、契約、ログ、端末、議事録を削除・改変しないよう管理します。
  • 3. 重大性を判定する:経営陣関与、刑事事件、行政処分、開示、個人情報、役員責任の有無を確認します。
  • 4. 外部専門家へ接続:調査主体、報告先、守秘義務、対外説明を設計します。
  • 5. 社内で是正管理:停止措置、被害回復、再発防止、記録化を進めます。

POINT 5

  • 社内法務の業務範囲と外部専門家・主管部門の役割分担
  • 発注者・通訳者として、社内外の専門性をつなぎます。
  • 社内法務は、専門家の代替ではなく、社内外をつなぐ発注者・通訳者でもあります。
  • 主な役割と社内法務との関係を分けて読むことで、どこまで内製し、どこから専門家に委ねるかが見えます。
  • 社内法務の範囲に入るものと、法務だけでは完結しないものを分けることも重要です。

POINT 6

  • 社内法務の業務範囲を設計する実務フレームワーク
  • 1. 入口を一元化:案件名、部門、契約類型、金額、相手方、期限、背景、論点、資料を集めます。
  • 2. リスクレベルを分類:金銭、規制、刑事、役員責任、個人情報、知財、海外要素を確認します。
  • 3. 社内完結できるか:専門資格業務、高リスク領域、経営判断との接続を見ます。
  • 4. 経営・専門家へ接続:訴訟、行政調査、重大不祥事、M&A、海外法、役員責任 などは早期に相談します。
  • 5. 標準化して対応:ひな形、チェックリスト、決裁、期限管理、ナレッジ化で再利用します。

POINT 7

  • 会社規模別に見る社内法務の業務範囲と相談タイミング
  • 1. 最低限の安全装置を整える
  • 2. 窓口と外部連携を明確にする:契約締結権限、契約管理、債権回収、取引適正化、許認可、就業規則、専門家への相談基準を整えます。
  • 3. 統制と開示へ広げる:取締役会、株主総会、適時開示、内部統制、J-SOX、関連当事者取引、子会社管理、ガバナンス報告を扱います。
  • 4. 各国法と地域法務を接続する:英文契約、制裁、輸出管理、外国個人情報保護法、贈収賄防止、国際訴訟、国際税務、海外子会社管理が加わります。

POINT 8

  • 社内法務の業務範囲で整備すべき規程・ポリシー
  • 文書を現場で使えるルールに変え、監査と改定につなげます。
  • 規程やポリシーは、作るだけではなく、研修、相談窓口、監査、改定履歴管理まで含めて運用する必要があります。
  • 自社に不足している行を見つけることで、次に整えるべきルールを読み取れます。
  • 業務範囲を診断するときは、未整備の項目が多いほど優先度が高くなります。

まとめ

  • 社内法務の業務範囲を 契約・統治・危機管理まで整理
  • 社内法務の業務範囲の全体像:契約書を見る部署にとどまらない、横断的な法務機能として整理します。
  • 社内法務の業務範囲を12領域と業界別に整理する:会社の主要機能を横断する法務領域を一覧で確認します。
  • 社内法務の業務範囲で中心となる契約法務とガバナンス:契約、機関運営、開示、内部統制を、会社の意思決定プロセスに接続します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

社内法務の業務範囲の全体像

契約書を見る部署にとどまらない、横断的な法務機能として整理します。

社内法務の業務範囲は、会社が行う意思決定と業務遂行に含まれる法的リスクを発見し、評価し、制御し、必要に応じて事業価値へ転換する一連の活動です。契約書レビューだけでなく、統治、規程、個人情報、知財、労務、訴訟、M&A、規制対応、危機管理、リーガルオペレーションまで広がります。

下の3つの役割は、社内法務が会社のどの場面で価値を出すかを表しています。違反を防ぐだけでなく、現場が選択肢を比較できるようにする点が重要で、各項目から法務を承認窓口ではなく経営基盤として読むことができます。

Guardian

守る機能

違法行為、契約違反、不正、重大な統制不備を防ぎ、会社が負う法的責任を予防・軽減します。

Navigation

進め方を示す機能

事業部門と経営陣に、リスクの低い進め方、交渉余地、承認条件、代替案を示します。

Creation

価値を作る機能

新規事業、M&A、データ活用、海外展開、ルール形成、事業提携を法的に設計します。

社内法務は万能部門ではありません。営業戦略、採用評価、価格設定、会計処理、税務申告、技術的セキュリティ対策、広報方針などは、それぞれの主管部門が責任を負うのが原則です。法務は、法令、契約、社内規程、ガバナンス、証拠管理、レピュテーション、紛争リスクの観点から、意思決定を支えます。

定義社内法務の業務範囲は、会社の守りと攻めをつなぎ、違法・不当な行為を防ぎながら事業目的を実現するための法的設計と実行支援の範囲です。
Section 01

社内法務の業務範囲を決める定義と6つの基準

用語を整理し、法務へ回すべき案件を判断する軸を確認します。

社内法務、企業法務、コンプライアンス、ガバナンスは重なり合いますが、同じ意味ではありません。下の比較表は、それぞれが何を扱い、なぜ区別が重要かを示すものです。列の違いから、相談先や責任者をどのように分けるべきかを読み取れます。

用語意味実務での焦点
社内法務企業内部に置かれた法務機能です。事業事情、意思決定構造、過去経緯、組織文化を踏まえたリスク調整です。
企業法務会社の事業活動に関する法務全般です。外部専門家、裁判所、監督官庁、取引所との連携も含みます。
コンプライアンス法令、社内規程、企業倫理、契約上の義務、社会的要請への適合です。違反予防、通報、調査、是正、研修、監査を機能させます。
ガバナンス会社が説明責任を果たし、持続的に価値を創造するための統治構造です。会社法上の機関設計、取締役会、内部統制、利益相反管理、情報開示です。

社内法務の関与要否は、担当者の勘ではなく、一定の基準で判断する必要があります。下の一覧は6つの判断軸を並べたものです。何に関係する案件か、どの責任が生じ得るか、どこまで証拠化が必要かを確認すると、法務へ回すべき案件が見えやすくなります。

判断軸確認する内容読み取り方
法令・契約・規程取引、広告、労務、個人情報、知財、会計、資金調達、M&A、許認可に関わるか。関わる場合は法務関与の可能性が高くなります。
責任の重さ損害賠償、行政処分、刑事責任、信用毀損が生じ得るか。影響が大きいほど早期相談が必要です。
反復性と影響度定型反復業務か、高リスクの単発案件か。定型は標準化し、重大案件は深く検討します。
経営判断との関係法的判断と事業判断を分けて説明できるか。最終的にどのリスクを取るかは経営判断です。
独占業務登記、税務、社会保険、特許出願、代理業務など専門資格領域か。社内処理と専門家委任の線引きを確認します。
証拠化・説明責任紛争、監査、取締役会、株主、当局、裁判を見据える必要があるか。後から説明できる記録を残します。
Section 02

社内法務の業務範囲を12領域と業界別に整理する

会社の主要機能を横断する法務領域を一覧で確認します。

社内法務の対象は、会社の主要な意思決定領域を横断します。下の表は、業務区分ごとに主な業務、法務の役割、連携先を整理したものです。行ごとに、法務が主導する領域と、事業部門や専門職と協働する領域の違いを読み取ってください。

区分主な業務法務の役割主な連携先
契約法務NDA、売買、業務委託、SaaS、ライセンス、共同開発、利用規約条項設計、レビュー、交渉支援、テンプレート管理事業部、購買、営業、外部弁護士
商事法務株主総会、取締役会、議事録、会社法対応、登記機関運営、会社法適合性、議案・議事録管理経営陣、総務、司法書士、監査役
コンプライアンス行動規範、研修、内部通報、贈収賄防止、反社対応制度設計、調査、再発防止、規程整備人事、内部監査、外部弁護士
個人情報・データ個人情報保護、委託先管理、越境移転、漏えい対応ルール設計、契約条項、報告・通知支援情シス、セキュリティ、個人情報対応窓口
知財法務商標、特許、著作権、営業秘密、ライセンス権利保護、契約、侵害対応、秘密管理知財部、弁理士、研究開発、外部弁護士
労務法務就業規則、懲戒、解雇、ハラスメント、労組対応法的助言、紛争予防、証拠整理、調査支援人事、社労士、外部弁護士
紛争・訴訟内容証明、交渉、訴訟、仮処分、保全、執行事実整理、証拠収集、外部弁護士管理事業部、外部弁護士、裁判所
M&A・組織再編DD、契約、企業結合、PMI、株式譲渡、事業譲渡法務DD、契約交渉、リスク配分、クロージング支援経営企画、会計士、税理士、弁護士
規制法務金融、医薬、食品、建設、不動産、輸出管理、独禁法業法調査、許認可、行政対応、業務手順設計行政書士、監督官庁、事業部
危機管理不祥事、情報漏えい、製品事故、当局調査、報道対応初動、調査、証拠保全、対外説明、再発防止経営、広報、IT、フォレンジック
開示・証券法務有価証券報告書、適時開示、インサイダー防止開示統制、インサイダー管理、取締役会支援IR、経理、監査法人、証券会社
リーガルオペレーション契約管理、法務KPI、AI、ナレッジ管理、外部事務所管理業務標準化、データ化、予算管理、品質管理IT、DX部門、法務ベンダー

業種によって重点領域は大きく変わります。下の表は、業界ごとに見落としやすい法務領域をまとめたものです。自社の行だけでなく、複数事業を行う会社では該当する行を横断して読むことが重要です。

業界重要な法務領域社内法務の主な業務
IT・SaaS利用規約、個人情報、著作権、AI、クラウド、OSS規約作成、データ処理契約、セキュリティ条項、AI利用ルール
金融・証券金融商品取引法、AML/CFT、顧客管理、適時開示規制対応、当局報告、広告審査、利益相反管理
医薬・ヘルスケア薬機法、臨床研究、医療広告、個人情報、GxP表示審査、研究契約、医療データ、当局対応
食品食品表示、景表法、品質管理、リコール表示確認、回収対応、原材料・産地表示、広告審査
建設・不動産建設業法、宅建業法、取適法、賃貸借請負契約、許認可、紛争、発注者・協力会社管理
製造業製造物責任、品質不正、輸出管理、営業秘密品質問題対応、技術情報管理、サプライヤー契約
グローバル企業制裁、贈収賄、競争法、個人情報越境移転現地法対応、英文契約、海外子会社管理、通商規制
Section 03

社内法務の業務範囲で中心となる契約法務とガバナンス

契約、機関運営、開示、内部統制を、会社の意思決定プロセスに接続します。

契約法務は社内法務の入口であり、事業リスクを文書に落とし込む作業です。下の一覧は、契約レビューで確認する7つの観点を示します。順番に読むと、文言修正だけでなく、商流・責任・終了時対応まで設計する必要があることが分かります。

1

取引実態との整合性

業務内容、成果物、スケジュール、対価が実際の商流と一致しているかを確認します。

契約
2

責任範囲

免責、損害賠償上限、間接損害、逸失利益、第三者請求を整理します。

責任
3

知財・データの帰属

成果物、発明、著作物、ノウハウ、データ、学習済みモデルの帰属を明確にします。

知財
4

情報管理

秘密情報、個人情報、営業秘密、セキュリティ要求、漏えい時の通知義務を確認します。

情報
5

解除・終了時対応

解除事由、期限の利益喪失、原状回復、データ返還・削除、移行支援を定めます。

終了
6

紛争解決

準拠法、管轄、仲裁、協議、証拠、通知方法が適切かを検討します。

紛争
7

業法・規制

独禁法、取適法、景品表示法、個人情報保護法、輸出管理、金融規制を確認します。

規制

商事法務・ガバナンスは、会社の意思決定を後から説明できる形にする領域です。下の比較表は、非上場会社、上場企業、上場準備企業で重くなる論点を並べています。会社の成長段階に応じて、取締役会、株主総会、開示、内部統制のどこを優先すべきかを読み取れます。

会社の段階重点論点法務が整えるもの
非上場会社取締役会、株主総会、役員変更、定款、登記招集手続、決議要件、議事録、司法書士連携
上場準備企業内部統制、関連当事者取引、反社チェック、規程体系契約管理、社内規程、子会社管理、監査法人・証券会社対応
上場企業適時開示、インサイダー防止、有価証券報告書、サステナビリティ開示開示統制、取締役会支援、IR・経理・監査法人との連携
Section 04

コンプライアンス・個人情報・知財・労務・危機管理の範囲

事故化しやすい日常領域と重大化しやすい非日常領域を整理します。

コンプライアンス、個人情報、知財、労務は、日常業務の中で発生しやすく、事故化すると会社全体へ影響する領域です。下の一覧は、各領域で社内法務が何を確認するかを整理しています。各項目の説明から、主管部門に任せきりにせず法務が横断的に関わる理由を読み取れます。

コンプライアンス・内部通報

行動規範、研修、内部通報、贈収賄防止、反社対応、違反時の調査・是正・再発防止を整備します。

個人情報・データ

取得、利用、保管、第三者提供、委託、共同利用、越境移転、漏えい対応を管理します。

知的財産・営業秘密

商標、特許、著作権、営業秘密、ライセンス、共同開発、退職者による情報持ち出しを扱います。

労務法務

就業規則、懲戒、解雇、退職勧奨、ハラスメント、労働組合、労働審判を証拠・手続・公平性の観点から支えます。

時期や人数の基準は、事故対応の優先度を判断するうえで重要です。下の表は、意識すべき制度上の節目をまとめたものです。日付や人数は、報告・通知・社内準備の緊急度を読み取る目安として確認します。

節目意味社内法務の確認事項
2022年4月1日個人データ漏えい等の報告・本人通知義務が実務上重要になった時期です。要配慮個人情報、財産的被害、不正目的、1,000人超の有無を確認します。
概ね3〜5日以内漏えい等の速やかな報告の目安です。初動で対象データ、件数、原因、暫定措置を整理します。
2026年10月1日カスタマーハラスメント等の防止措置義務化が案内されています。相談窓口、被害者保護、調査手順、再発防止を見直します。
2026年1月1日取適法の施行が予定されています。発注、支払、価格協議、返品、減額、やり直しの運用を確認します。
2023年10月1日ステルスマーケティング規制が景品表示法上の重要論点になりました。広告表示、PR表記、インフルエンサー契約、キャンペーン規約を確認します。

重大リスクを発見したときは、順番を誤ると証拠や説明責任に影響します。下の判断の流れは、事実確認から対外説明までの基本順序を示しています。上から順に進め、経営陣関与や刑事・行政リスクが見えた時点で外部専門家への移行を検討します。

重大リスク発見時の基本順序

事実と推測を分ける

発生日、関与者、資料、被害範囲、未確認事項を分けて記録します。

証拠を保全する

メール、チャット、契約、ログ、端末、議事録を削除・改変しないよう管理します。

重大性を判定する

経営陣関与、刑事事件、行政処分、開示、個人情報、役員責任の有無を確認します。

重大
外部専門家へ接続

調査主体、報告先、守秘義務、対外説明を設計します。

限定的
社内で是正管理

停止措置、被害回復、再発防止、記録化を進めます。

Section 05

社内法務の業務範囲と外部専門家・主管部門の役割分担

発注者・通訳者として、社内外の専門性をつなぎます。

社内法務は、専門家の代替ではなく、社内外をつなぐ発注者・通訳者でもあります。下の表は、専門職・実務職ごとの役割を整理したものです。主な役割と社内法務との関係を分けて読むことで、どこまで内製し、どこから専門家に委ねるかが見えます。

専門職・実務職主な役割社内法務との関係
法務担当契約、相談、規程、紛争予防日常法務の中核です。
企業内弁護士社内の法律専門職、経営に近い法的判断高度案件、経営判断、外部弁護士管理で機能します。
外部弁護士訴訟、M&A、不祥事、専門法領域高リスク・専門案件の助言・代理を担います。
司法書士・行政書士登記、許認可、行政申請会社法手続や規制業種の申請で連携します。
弁理士特許、商標、意匠、知財手続出願、権利化、知財戦略で連携します。
社会保険労務士就業規則、社会保険、労務管理人事労務、規程、行政手続で連携します。
税理士・公認会計士税務、監査、内部統制、財務DD、不正調査M&A、IPO、不正調査、会計影響で連携します。
内部監査・リスク管理統制不備、業務監査、全社リスク法的リスクを全社リスクとして把握するために連携します。
フォレンジック専門家PC、スマホ、ログの保全・解析情報漏えい、不正調査で証拠保全を支えます。

社内法務の範囲に入るものと、法務だけでは完結しないものを分けることも重要です。下の比較表は、法務が主に扱う領域と、他部門・専門職が中心となる領域を並べています。責任が法務へ丸ごと移るわけではない点を読み取ってください。

区分主な内容注意点
法務の範囲に入りやすいもの契約、法律相談、商事法務、規程、内部通報、紛争、個人情報、知財契約、労務紛争、M&A、行政対応、危機管理、外部弁護士管理法的論点、証拠、手続、責任分界を整理します。
法務だけでは完結しないもの税務申告、会計処理、社会保険手続、登記申請、特許出願、許認可申請、技術的セキュリティ、採用評価、販売戦略、広報対応専門資格者や主管部門と役割を分けます。
条件付きで注意すべき依頼事実を伏せた相談、形式的な承認依頼、証拠削除後の相談、社外第三者への法律事務提供、専門資格業務の代替依頼違法行為を正当化するための法務利用を避けます。
Section 06

社内法務の業務範囲を設計する実務フレームワーク

依頼受付、リスク分類、決裁、外部専門家、KPIを接続します。

社内法務の業務範囲を設計するには、依頼受付、リスク分類、決裁、外部専門家、KPIをつなげる必要があります。下の表は、案件の重さごとに対応を変えるための分類です。低リスク案件を標準化し重大案件へ資源を集中させる読み方をします。

リスクレベル対応
自社標準NDA、少額定型契約テンプレート・簡易確認で処理します。
相手方雛形、通常の業務委託、個人情報委託法務レビューを行い、必要に応じて交渉します。
高額契約、知財譲渡、損害賠償無制限、個人情報大量処理法務主導、責任者承認、外部弁護士検討を行います。
重大M&A、訴訟、不祥事、行政処分、海外規制経営報告、外部専門家起用、プロジェクト管理を行います。

依頼受付から外部専門家起用までの流れを明確にすると、案件の取りこぼしと法務の抱え込みを減らせます。下の判断の流れは、相談を受けた後に何を確認し、どの段階で経営・専門家へ上げるかを示しています。分岐では、影響度が高いほど上位者へ共有します。

法務依頼を整理する基本順序

入口を一元化

案件名、部門、契約類型、金額、相手方、期限、背景、論点、資料を集めます。

リスクレベルを分類

金銭、規制、刑事、役員責任、個人情報、知財、海外要素を確認します。

社内完結できるか

専門資格業務、高リスク領域、経営判断との接続を見ます。

難しい
経営・専門家へ接続

訴訟、行政調査、重大不祥事、M&A、海外法、役員責任などは早期に相談します。

可能
標準化して対応

ひな形、チェックリスト、決裁、期限管理、ナレッジ化で再利用します。

法務KPIは、スピードだけで評価すると品質を損なうおそれがあります。下の一覧は、法務機能の価値を経営に示すための指標です。処理量、品質、リスク低減、事業貢献を組み合わせて見ることが重要です。

Speed

処理速度

契約レビュー平均リードタイム、緊急案件比率、初動対応日数を測ります。

Quality

品質と再利用

テンプレート利用率、契約管理登録率、期限の事前検知率、ナレッジ化を確認します。

Risk

リスク低減

重大インシデント件数、法改正対応完了率、研修受講率、外部費用管理を見ます。

Section 07

会社規模別に見る社内法務の業務範囲と相談タイミング

成長段階に合わせて、最低限の安全装置から経営基盤へ広げます。

会社規模によって、社内法務に求められる深さは変わります。下の時系列は、企業の成長段階ごとの重点領域を示しています。上から順に読むと、専任部門の有無よりも、成長に応じて法務機能をどう増やすかが重要だと分かります。

スタートアップ・小規模

最低限の安全装置を整える

創業者間契約、資本政策、ストックオプション、利用規約プライバシーポリシー、知財帰属、労務、反社チェックを優先します。

中小企業

窓口と外部連携を明確にする

契約締結権限、契約管理、債権回収、取引適正化、許認可、就業規則、専門家への相談基準を整えます。

上場企業・上場準備

統制と開示へ広げる

取締役会、株主総会、適時開示、内部統制、J-SOX、関連当事者取引、子会社管理、ガバナンス報告を扱います。

グローバル企業

各国法と地域法務を接続する

英文契約、制裁、輸出管理、外国個人情報保護法、贈収賄防止、国際訴訟、国際税務、海外子会社管理が加わります。

社内法務へ相談すべきタイミングは、問題が起きた後ではなく、条件を約束する前です。下の一覧は、早期相談が特に重要な場面をまとめています。項目が多く該当する案件ほど、法務相談を前倒しする必要があります。

相談すべき場面遅れると起きやすい問題
新規事業、提案書・見積書提出、契約条件の約束前後から契約条件を修正できなくなります。
個人情報・顧客データの新利用、広告・SNS施策実施前利用目的、同意、表示、景表法、個人情報の問題が残ります。
外部委託、共同開発、海外取引、資金調達、M&A初期段階秘密情報、知財、準拠法、DD、補償設計の選択肢が減ります。
懲戒、解雇、退職勧奨、クレーム、不正、情報漏えいの疑い証拠、手続、説明責任、二次被害防止が難しくなります。
Section 08

社内法務の業務範囲で整備すべき規程・ポリシー

文書を現場で使えるルールに変え、監査と改定につなげます。

規程やポリシーは、作るだけではなく、研修、相談窓口、監査、改定履歴管理まで含めて運用する必要があります。下の表は、社内法務が整備を支える主要な規程と目的を示します。自社に不足している行を見つけることで、次に整えるべきルールを読み取れます。

規程・ポリシー目的
契約管理規程契約締結、保管、更新、解約、原本管理を統制します。
職務権限規程誰が何を承認できるかを明確化します。
コンプライアンス規程法令遵守体制、教育、違反時対応を定めます。
内部通報規程通報受付、調査、通報者保護、是正を定めます。
個人情報取扱規程個人情報の取得、利用、保管、委託、漏えい対応を定めます。
情報セキュリティ規程情報資産管理、アクセス権限、事故対応を定めます。
営業秘密管理規程秘密情報の区分、表示、アクセス、持出しを定めます。
知的財産管理規程発明、著作物、商標、ライセンスを管理します。
反社会的勢力排除規程反社チェック、契約条項、発覚時対応を定めます。
贈収賄防止規程接待、贈答、寄付、代理店、海外公務員対応を定めます。
インサイダー取引防止規程重要事実、売買管理、情報管理を定めます。
ハラスメント防止規程相談、調査、被害者保護、再発防止を定めます。
AI利用ポリシー生成AIへの入力禁止情報、出力確認、責任分界を定めます。
危機管理規程重大事故、不祥事、情報漏えい時の初動を定めます。

業務範囲を診断するときは、未整備の項目が多いほど優先度が高くなります。下の重要ポイントは、よく見落とされる状態をまとめたものです。契約管理、通報、個人情報、AI、取適法、ハラスメント、外部専門家、法改正、グループ管理のどこに弱点があるかを確認してください。

診断契約審査基準がない、契約管理台帳がない、内部通報の調査手順がない、個人情報漏えい時の報告手順がない、生成AI利用ルールがない、外部弁護士の依頼基準がない、重大リスクを経営会議へ上げる基準がない場合は、社内法務の業務範囲を再設計する必要があります。
Section 09

社内法務の業務範囲に関するFAQ

一般的な制度説明として、体制設計で迷いやすい論点を整理します。

Q1. 社内法務と弁護士は同じですか。

一般的には、同じものではないとされています。社内法務は会社内部の法務機能であり、担当者が弁護士資格を持つとは限りません。企業内弁護士は社内法務の一類型であり、外部弁護士は会社から依頼を受けて助言、代理、訴訟対応等を行います。具体的な役割分担は、案件の性質と専門性に応じて検討する必要があります。

Q2. 社内法務は契約書だけを見ればよいのですか。

一般的には、契約法務は中心業務の一つですが、それだけでは足りないとされています。商事法務、コンプライアンス、個人情報、知財、労務、訴訟、M&A、規制対応、危機管理、開示、AI・データ法務、リーガルオペレーションまで広がる可能性があります。

Q3. 中小企業にも社内法務は必要ですか。

一般的には、法務専任部署が必要とは限りませんが、法務機能は必要とされています。中小企業でも契約、債権回収、労務、個人情報、広告表示、取引適正化、許認可、知財、事業承継は問題となります。具体的な体制は、会社規模やリスクに応じて専門家へ相談する必要があります。

Q4. コンプライアンス部と法務部は分けるべきですか。

一般的には、会社の規模とリスクによって結論が変わります。小規模企業では兼務が現実的な場合があり、大企業、金融、医薬、上場企業、海外展開企業では、法務、コンプライアンス、リスク管理、内部監査を分けつつ連携する設計が考えられます。

Q5. どの案件を外部弁護士に依頼すべきですか。

一般的には、訴訟、行政調査、重大不祥事、刑事事件、M&A、海外法、独禁法、個人情報漏えい、役員責任、重大労務紛争など、会社に重大な損害や責任が生じ得る案件では外部弁護士の利用を検討するとされています。具体的な依頼範囲は、資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

Q6. 社内法務は経営会議に参加すべきですか。

一般的には、新規事業、M&A、海外展開、規制対応、データ活用、不祥事対応では、初期段階から法務が関与する意義が大きいとされています。ただし、法務は経営判断を代替するのではなく、経営判断に必要な法的前提と選択肢を提供する役割です。

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社内法務の業務範囲で次に確認したいこと

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このテーマから次に確認されやすい詳しい解説を8件表示しています。

Reference

社内法務の業務範囲の参考資料

法令・制度資料

  • e-Gov法令検索「会社法」
  • e-Gov法令検索「民法」
  • e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」
  • e-Gov法令検索「労働基準法」
  • e-Gov法令検索「労働契約法」
  • e-Gov法令検索「金融商品取引法」
  • e-Gov法令検索「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」
  • e-Gov法令検索「不正競争防止法」
  • e-Gov法令検索「公益通報者保護法」
  • e-Gov法令検索「弁護士法」

行政・実務資料

  • 経済産業省「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会」掲載資料
  • 個人情報保護委員会「法令・ガイドライン等」
  • 個人情報保護委員会「漏えい等報告・本人への通知の義務化について」
  • 金融庁「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに実施基準の改訂に関する資料」
  • 金融庁「サステナビリティ情報の開示に関する特集ページ」
  • 公正取引委員会「中小受託取引適正化法関係」
  • 公正取引委員会「企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」
  • 経済産業省「AI事業者ガイドライン」
  • 経済産業省「営業秘密を守り活用するための資料」
  • 消費者庁「公益通報者保護法と制度の概要」
  • 消費者庁「ステルスマーケティング規制に関する資料」
  • 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」