許可がない工事依頼が常に違法とは限りません。ただし、許可が必要な規模や内容の工事を無許可業者へ任せると、工事中断、施工不良、返金困難、行政処分に伴う履行不能などが現実化しやすくなります。
許可がない工事依頼が常に違法とは限りません。
まず、許可が不要となり得る工事と、発注者に及ぶ実務上の危険を切り分けます。
建設工事は、設計、見積、契約、工程管理、品質管理、安全管理、下請管理、引渡し後の補修対応までがつながる請負取引です。建設業法は、建設業を営む者の資質向上、請負契約の適正化、適正施工の確保、発注者保護などを目的として、一定規模を超える工事を請け負う業者に建設業許可を求めています。
一方で、すべての工事に許可が必要なわけではありません。建築一式工事では工事1件の請負代金が1,500万円未満の工事、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事、建築一式工事以外では工事1件の請負代金が500万円未満の工事が、軽微な建設工事として許可不要となり得ます。
ただし、金額は税込で見ます。契約を形式上分けた場合や、注文者が材料を支給した場合も、実質的な合計額や材料価格を含めて検討すべき場面があります。そのため、税抜金額や契約書の本数だけで安全と判断するのは危険です。
次の重要ポイントは、無許可業者に工事を頼む問題の中心をまとめたものです。読者にとって重要なのは、建設業法上の許可違反と民法上の契約解除・返金・損害賠償が別問題として扱われる点です。ここから、無許可の事実だけでなく、説明内容、工事の進み具合、支払状況、施工不良、証拠を併せて見る必要があると読み取れます。
許可が必要な工事を無許可で請け負うことは建設業法違反となり得ます。しかし、契約の解除、返金、損害賠償、代金減額、契約不適合責任は、契約書・説明・品質・遅延・損害の有無を総合して検討されます。
次の比較表は、発注者側に起こりやすい被害を、工事中、支払、契約、紛争対応の観点で整理したものです。安さだけでは見えない負担を把握することが重要で、各行から、どの段階で損害が広がりやすいかを読み取れます。
| 場面 | 起こり得る問題 | 発注者側の負担 |
|---|---|---|
| 工事中 | 行政調査、資材未納、職人離脱、現場責任者の不在 | 未完成部分の保全、別業者への引継ぎ、追加費用 |
| 施工品質 | 防水、電気、配管、構造、外装などの不備 | 調査、是正工事、第三者被害への対応 |
| 契約管理 | 見積が一式表示、変更が口頭、保証が曖昧 | 合意内容の立証、過剰請求への反論 |
| 支払 | 前払金流用、未完成、返金不能 | 二重払いに近い支出、回収手続き |
| 紛争対応 | 証拠不足、相手方の資力不足、責任主体の不明確化 | 解除、損害賠償、交渉、調停、訴訟の検討 |
許可の有無だけでなく、工事区分、金額、有効期間、許可業種、一般・特定の区分を確認します。
建設業許可とは、建設工事の完成を請け負う営業について、一定の経営能力、技術能力、誠実性、財産的基礎などを備えた者に与えられる許可です。許可を受けるには、適正な経営体制、社会保険、営業所ごとの営業所技術者等、誠実性、財産的基礎、欠格要件に該当しないことなどが確認されます。
許可があることは施工品質を完全に保証するものではありません。それでも、許可が必要な工事で許可がない場合は、少なくとも制度上の審査を通過していない状態で相当規模の工事を任せることになります。この違いを押さえることが、発注者側のリスク判断の入口です。
次の比較表は、軽微な建設工事として許可不要となり得る範囲を、建築一式工事と専門工事で分けたものです。許可要否の出発点になるため重要で、表から、工事名ではなく工事の実態と税込金額で確認する必要があることを読み取れます。
| 区分 | 許可不要となり得る範囲 | 読み方 |
|---|---|---|
| 建築一式工事 | 工事1件の請負代金が1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事 | 新築や大規模・複雑な工事を総合的な企画、指導、調整のもとで行う場合に問題になります。 |
| 建築一式工事以外 | 工事1件の請負代金が500万円未満 | 外壁、屋根、防水、内装、電気、管、解体などの専門工事ではこの基準が問題になりやすいです。 |
金額は消費税・地方消費税を含めて判断します。たとえば、税抜455万円、消費税10%で総額500万5,000円となる専門工事は、500万円未満ではありません。また、同一の建設業を営む者が工事の完成を2以上の契約に分けて請け負う場合、原則として各契約の合計額で判断されます。注文者支給材料がある場合には、その市場価格などを含めて見ることがあります。
大臣許可と知事許可は、施工できる地域の違いではなく、営業所の所在地による区分です。複数の都道府県に営業所を設けて営業する場合は大臣許可、一つの都道府県内のみに営業所を設けて営業する場合は知事許可です。知事許可だから県外の工事ができない、という理解は正確ではありません。
一般建設業許可と特定建設業許可は、元請として大きな下請契約を使うかに関係します。発注者から直接請け負う工事1件について、下請契約の合計額が5,000万円、建築工事業では8,000万円以上となる下請契約を締結する場合、特定建設業許可が必要とされています。発注者から直接請け負う請負金額そのものには、一般・特定の別による単純な上限があるわけではありません。
次の確認一覧は、許可証や公的情報で見るべき項目を、番号、有効期間、業種、一般・特定に分けて並べています。工事名や名刺の「許可あり」という表示だけでは足りないため重要で、各項目が実際の工事内容に対応しているかを順番に確認する必要があると読み取れます。
許可番号が実在し、国土交通大臣許可か都道府県知事許可かを確認します。表示だけでなく公的情報との一致が重要です。
番号照合契約予定時点と工事期間中に許可が有効かを確認します。更新中や期限切れの説明は書面で根拠を求める必要があります。
期限更新建設工事は2つの一式工事と27の専門工事、合計29種類に分類されます。請け負う工事の実態に対応する業種かを見ます。
29種類実態確認元請が大きな下請契約を組む予定の場合、特定建設業許可が必要になる可能性があります。下請構成も確認します。
下請施工体制「無許可」という言葉だけでなく、軽微工事、必要許可なし、許可業種不一致を分けます。
「無許可業者」と一括りにすると判断を誤ります。軽微な建設工事のみを請け負う業者は、許可がなくても直ちに違法とはいえない場合があります。一方、許可が必要な規模・内容を許可なく請け負う場合や、何らかの許可はあるものの必要な許可業種がない場合は、重大な問題になります。
次の3類型の一覧は、無許可業者と呼ばれる相手を、許可不要となり得る場合、建設業法違反が疑われる場合、業種不一致が問題になる場合に分けたものです。発注者にとって重要なのは、同じ「許可なし」でも対応の緊急度が異なる点で、各類型から確認すべき資料と質問の方向を読み取れます。
少額の修繕、限定的な設備交換、小規模な内装工事などで、軽微な建設工事の範囲に収まる場合です。許可不要でも、契約書、保険、保証、支払条件の確認は必要です。
税込金額、契約分割、施主支給材料、工事の一体性を踏まえると許可が必要なのに、許可がない場合です。行政調査や工事中断の実害につながりやすい類型です。
許可はあるものの、請け負う工事の実態に必要な業種がない場合です。「建設業許可あり」という表示だけでは見落としやすく、許可業種の照合が必要になります。
専門工事で多く問題になるのは500万円基準です。税込で500万円未満か、契約書の本数ではなく実質的に1件の工事か、施主支給材料がある場合に材料価格などを含めるべきかを確認します。店舗改装で内装、電気、空調を同じ業者に依頼し、契約書だけを分けた場合、単純に各契約が500万円未満だから許可不要とはいえません。
リフォームは、外壁、屋根、防水、内装、電気、管、建具、解体、塗装など複数業種にまたがりやすい領域です。家の工事だから常に建築一式工事と扱えるわけではなく、外壁塗装だけ、浴室交換だけ、内装仕上だけといった工事では、専門工事として500万円基準を検討すべき場合があります。
次の判断の流れは、契約前に許可要否を粗く整理するための順番を示しています。発注者にとって重要なのは、安い見積や口頭説明に進む前に、金額、工事の実態、許可業種を切り分けることです。上から順番に確認し、途中で不一致や曖昧さが出た場合は契約条件を固める前に専門家へ確認する必要があると読み取れます。
建築一式工事か、塗装・防水・電気・管・内装などの専門工事かを確認します。
消費税を含む総額、契約分割、施主支給材料の有無を見ます。
専門工事は500万円未満、建築一式工事は1,500万円未満などの基準を照合します。
公的情報で有効期間、許可業種、一般・特定の区分を照合します。
許可不要でも品質、保証、支払条件、証拠化のリスクは残ります。
法令違反だけでなく、工事中断、品質不良、返金困難、保険不備、企業統治まで広がります。
許可が必要な工事を無許可で請け負うことは、建設業法違反となる可能性があります。無許可で建設業を営んだ者には、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が定められ、法人にも罰金が科され得ます。通常の個人施主が単に依頼しただけで直ちに刑事罰を受ける構造ではありませんが、業者が行政調査や刑事対応で工事を続けられなくなれば、発注者に損害が及びます。
企業発注者、元請業者、管理会社、フランチャイズ本部、不動産オーナーなどは、さらに注意が必要です。建設業者が無許可業者等と下請契約を締結した場合、監督処分基準では原則として7日以上の営業停止処分の対象となることが示されています。取引先審査や社内稟議の不備が、コンプライアンス上の問題になることがあります。
次のリスク一覧は、無許可業者への依頼で起こりやすい被害を、現場、契約、支払、保証、企業統治の観点でまとめたものです。発注者にとって重要なのは、問題が一つにとどまらず連鎖しやすい点です。各項目から、自分の工事でどの損害が先に現れそうかを読み取れます。
行政調査、資金不足、職人離脱、資材搬入停止により、仮設足場や解体済み部分が残ることがあります。
防水不良、電気工事の不備、配管不良、外壁・屋根の不良などが生活や営業、安全に影響します。
無許可の事実だけで、直ちに一方的解除や全額返金が認められるとは限りません。
資材購入名目の金銭が別案件や既存債務に使われ、未完成のまま連絡が取れなくなることがあります。
保険証券の名義、対象工事、免責、保証範囲が契約当事者や実際の施工と合わないことがあります。
下請や職人へ丸投げされ、近隣対応、廃材処理、足場、火気、墜落防止などの責任が曖昧になります。
業者が「許可がある」と虚偽説明をして契約した場合、錯誤、詐欺、説明義務違反、不法行為、債務不履行などが問題になり得ます。一方、許可の有無について明確な説明がなく、工事も一定程度進んでいる場合、無許可という事実だけで全額返金につながるとは限りません。
次の比較表は、無許可判明後に検討される法的な切り口を、説明、品質、支払、損害に分けて整理したものです。発注者にとって重要なのは、主張の根拠を一つに絞り込まず、証拠と事実に応じて複数の構成を検討することです。表から、どの資料が不足すると不利になるかを読み取れます。
| 検討軸 | 見る事実 | 必要になりやすい資料 |
|---|---|---|
| 虚偽説明 | 許可がある、申請中で問題ない、別会社名義で対応できるなどの説明 | メール、LINE、SMS、録音メモ、広告表示、名刺 |
| 債務不履行 | 工期遅延、未施工、仕様違い、工程管理の不備 | 契約書、工程表、写真、第三者見積、やり取り |
| 契約不適合 | 仕上がり、漏水、設備不良、構造・安全上の問題 | 図面、仕様書、検査記録、調査報告、補修見積 |
| 過払金 | 前払金や中間金が既施工部分の価値を上回る可能性 | 支払記録、出来高、残工事見積、既施工評価 |
| 損害賠償 | 是正費用、調査費用、仮住まい費用、営業損害、第三者被害 | 領収書、請求書、被害写真、営業資料、事故記録 |
無許可業者との取引では、見積書が「一式」表示、材料や型番が未記載、図面や仕上表がない、追加工事が口頭、変更金額が後出し、完成基準や検査方法が曖昧ということが珍しくありません。安く見えても、後から追加費用と紛争コストが増えれば結果的に高くつくことがあります。
企業発注では、価格だけでなく、許可番号、許可業種、行政処分歴、保険加入、反社会的勢力排除、施工体制、保証条件を確認した記録が重要です。社内稟議では、安価な見積を採用した理由だけでなく、リスクをどう評価したかを文書化しておくことが、後日の説明責任を支えます。
公的情報、行政処分歴、工事内容、契約書類、支払条件を契約前に固めます。
建設業者・宅建業者等企業情報検索システムでは、建設業者を含む事業者情報を検索できます。ただし、新規許可取得や変更内容は概ね1か月程度で掲載されるとされ、情報反映のタイムラグや誤反映があり得ます。見つからない場合は、業者に許可証の写しを求め、必要に応じて許可行政庁へ確認するのが安全です。
行政処分歴は、国土交通省ネガティブ情報等検索サイトで確認できます。建設業者については最近5年分の行政処分等情報が公開されています。ただし、処分歴が出てこないことは優良性の保証ではなく、民事トラブル、掲載期間外の問題、未処分の苦情までは網羅されません。
次の確認項目一覧は、公的情報と業者提出資料を照合するときの見る順番をまとめています。契約前の短時間の確認が後日の大きな損害を防ぐため重要で、各項目から「表示」「公的情報」「契約予定工事」の三つを一致させる必要があると読み取れます。
見積書、契約書、ウェブサイト、公的情報の名称が一致しているか確認します。別会社名義が出る場合は責任主体を整理します。
名義許可番号が実在し、有効期間内かを確認します。申請中や更新中という説明は、書面で根拠を確認します。
期限見積書のタイトルではなく、実際の施工範囲と主要な専門工事に対応する業種があるかを照合します。
業種元請が下請を大きく使う場合は、特定建設業許可が必要になる可能性があります。施工体制を確認します。
下請被保険者、対象工事、保険期間、支払限度額、免責事項、事故時の連絡先を書面で確認します。
保険処分内容、処分理由、時期を確認します。処分歴がない場合も、契約書類や施工体制の確認は必要です。
処分建設業許可の有無にかかわらず、契約書類は発注者保護の中心です。信頼関係があるから契約書は簡単でよい、という発想は建設工事では危険です。現場では予期せぬ変更が起こりやすく、当初合意が曖昧だと後で争いになりやすくなります。
次の書類一覧は、契約前後に整えるべき資料と確認ポイントを対応させたものです。工事内容を後から立証するために重要で、各行から、価格、範囲、仕様、支払、保証、変更合意を分けて記録する必要があると読み取れます。
| 書類 | 確認するポイント |
|---|---|
| 工事請負契約書 | 工事名、場所、範囲、金額、工期、支払条件、解除、遅延、保証、紛争解決 |
| 見積書 | 数量、単価、材料、仕様、諸経費、消費税、除外項目 |
| 図面・仕様書 | 施工範囲、仕上、設備仕様、色、型番、寸法 |
| 工程表 | 着工、主要工程、検査、引渡し |
| 変更合意書 | 追加・減額工事の内容、金額、工期変更 |
| 保険・保証資料 | 保険種類、名義、期間、対象、免責、保証範囲 |
| 完了確認書 | 是正事項、未了事項、引渡日、保証開始日 |
工事前に大半を支払う条件は避けるべきです。契約時金を低く抑え、中間金は出来高や工程完了に連動させ、完了検査後に残金を支払い、是正工事完了まで一部を留保する設計が考えられます。追加工事は事前に金額合意し、口頭追加を認めない運用が重要です。
問い詰める前に証拠を保全し、許可要否、書面確認、支払、解除・返金の順に整理します。
無許可が判明したとき、最初に行うべきことは相手方を問い詰めることではなく、証拠保全です。契約書、見積書、請求書、領収書、名刺、パンフレット、ウェブサイト画面、許可に関する説明、工事写真、工程表、図面、仕様書、支払記録、追加工事のやり取り、近隣苦情や事故の記録、公的検索の結果を保存します。
次の時系列は、無許可が疑われた後の対応を、証拠保全、許可要否の再判定、書面確認、支払判断、法的構成の検討に並べたものです。対応順を誤ると証拠が消えたり主張がぶれたりするため重要で、上から順に進めるほど後の交渉や相談が整理されると読み取れます。
契約書、見積書、やり取り、写真、動画、支払記録、公的検索結果を保存します。施工不良が疑われる場合は、むやみに撤去・補修して証拠を失わないよう注意します。
工事区分、税込金額、契約分割、施主支給材料、同一業者への複数工事、下請規模、許可業種の適合を整理します。
許可番号、許可行政庁、許可業種、有効期間、軽微工事と考える根拠、施工体制、保険・保証、今後の工程をメールや書面で確認します。
支払期限、既施工部分の不具合、未施工、遅延、追加請求、虚偽説明の可能性、残工事を別業者へ依頼する必要性を整理します。
虚偽説明、債務不履行、契約不適合、過払金返還、是正費用や調査費用など、事実に合う主張を検討します。
無許可が疑われると、もう支払わないと考えがちです。しかし、支払停止は契約上の債務不履行と主張される可能性があります。一方で、追加支払を続けると損害が拡大する場合もあります。契約上の支払期限、既施工部分の価値、不具合、遅延、相手方の説明、支払留保の根拠を整理してから判断する必要があります。
次の判断の流れは、支払・解除・専門家相談の関係を整理したものです。発注者にとって重要なのは、無許可判明だけで支払停止や解除を急ぐのではなく、証拠と契約上の根拠を先に整えることです。分岐から、追加支払を止める場面と工事保全を優先する場面を切り分ける必要があると読み取れます。
契約書、見積書、支払記録、写真、相手方説明を保存します。
税込金額、工事区分、分割、材料、許可業種を整理します。
解除通知、支払留保、返金請求の根拠を資料に基づいて整理します。
許可番号、軽微工事と考える根拠、保険、工程を明確にします。
次の資料一覧は、弁護士、建築士、行政書士、第三者検査機関へ相談するときに役立つものをまとめています。短時間で事実を把握してもらうために重要で、一覧から、契約・施工・支払・不具合・希望方針を分けて持参する必要があると読み取れます。
| 資料群 | 具体例 | 使い道 |
|---|---|---|
| 契約資料 | 契約書、見積書、図面、仕様書、工程表 | 合意内容、工事範囲、支払条件を確認する |
| やり取り | メール、LINE、SMS、録音メモ、名刺、広告表示 | 許可説明や追加工事の合意を確認する |
| 施工記録 | 工事前・工事中・工事後の写真、動画、検査記録 | 施工不良、未施工、出来高を確認する |
| 支払記録 | 振込明細、領収書、請求書、入金予定表 | 過払金や未払金の有無を整理する |
| 損害資料 | 補修見積、調査費用、仮住まい費用、営業損害資料 | 損害賠償や返金請求の根拠を整理する |
高額、工事途中、虚偽説明、施工不良、企業対応では、資料を整理して相談する必要性が高まります。
弁護士に相談すべき場面は、工事金額が500万円または1,500万円の基準を超える可能性がある、許可の有無について虚偽説明が疑われる、前払金を支払ったのに工事が進まない、工事途中で解除したい、施工不良を業者が認めない、追加請求が高額で根拠が不明、業者が連絡を拒否している、近隣被害や漏水、火災、事故が起きた、といった場合です。
企業として無許可業者へ発注した可能性がある場合、社内対応、監査、取締役の善管注意義務、購買規程、反社会的勢力排除、労務安全、個人情報や営業秘密管理の問題も絡みます。相手方から内容証明、請求書、訴訟予告が届いた場合も、早期に相談する必要性が高い場面です。
次の相談場面一覧は、弁護士相談の必要性が高くなりやすい状況を、金額、説明、施工、支払、企業対応に分けたものです。早めに相談すべきか判断するために重要で、該当項目が多いほど、通知や支払判断を単独で進めるリスクが高いと読み取れます。
専門工事で税込500万円以上、建築一式工事で1,500万円以上、または契約分割や施主支給材料で基準超過が疑われる場合です。
許可がある、申請中で問題ない、別会社の許可で対応できると説明された経緯がある場合です。
漏水、火災、事故、近隣被害、未施工、資材搬入停止、職人離脱など、現場の安全や生活・営業に影響する場合です。
前払金の返金、既施工部分の価値、不当な追加請求、残工事の二重払いに近い状態が問題になる場合です。
店舗、工場、倉庫、賃貸物件、社宅などで、稟議・監査・取引先審査・施工体制の説明責任が問題になる場合です。
内容証明、請求書、訴訟予告、支払督促などが届いた場合は、回答前に事実と証拠を整理する必要があります。
相談時には、単に無許可業者に頼んだと説明するだけでは不十分です。契約書、見積書、請求書、領収書、図面、写真、仕様書、支払状況一覧、業者とのやり取り、工事の時系列表、公的検索結果、不具合写真、第三者見積、補修見積、希望する解決方針を準備すると、相談の質が上がります。
次の重要ポイントは、相談先ごとの役割を整理するためのものです。建設紛争は法律、建築技術、許可実務が重なるため重要で、どの専門家に何を確認すべきかを読み取れます。
弁護士は解除、損害賠償、交渉、調停、訴訟の整理に関わります。建築士や第三者検査機関は施工不良や是正範囲を確認します。建設業許可に詳しい行政書士は許可要否や業種の確認に役立つことがあります。
個別案件の結論を断定せず、制度と実務上の注意点を一般情報として整理します。
一般的には、軽微な建設工事のみを請け負う場合、建設業許可を受けなくてもよいとされています。ただし、工事内容、税込金額、契約分割、施主支給材料、許可業種の要否によって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、建築一式工事以外の専門工事で500万円未満という基準が許可要否の目安になります。ただし、税込金額、工事の一体性、契約分割、施主支給材料、施工品質、保険、保証、支払条件によってリスクは変わります。具体的な安全性は、契約書類と工事内容を確認して判断する必要があります。
一般的には、同一の建設業を営む者が工事の完成を2以上の契約に分割して請け負う場合、原則として合計額で判断されるとされています。形式的な契約分割は、違法性や不誠実性を疑われる材料になる可能性があります。具体的には、工事目的、施工範囲、見積の一体性、工程の一体性を整理する必要があります。
一般的には、建築一式工事に該当する場合、工事1件の請負代金が1,500万円未満の工事、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事が軽微な建設工事として扱われます。ただし、リフォームや専門工事を安易に建築一式工事と扱うと判断を誤る可能性があります。工事の実態に応じて確認する必要があります。
一般的には、大臣許可と知事許可の別は営業所の所在地による区分であり、施工できる区域の制限ではないとされています。ただし、許可行政庁、有効期間、許可業種、一般・特定の区分、営業所の実態などによって確認事項は変わります。具体的な工事では、公的情報と契約書類を照合する必要があります。
一般的には、許可が必要な工事であれば、請け負う時点で許可があるかが重要とされています。「申請中」「取得予定」という説明だけでは、許可番号、有効期間、許可業種を確認したことにはなりません。具体的な契約判断は、書面で根拠を確認し、必要に応じて専門家へ相談する必要があります。
一般的には、解除の可否は無許可の事実だけでなく、工事内容、契約書、説明内容、施工状況、遅延、不具合、支払状況などによって変わります。解除通知や支払停止を急ぐと、契約上の争点が増える可能性があります。具体的な対応は、証拠を保全して弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、許可業者であることは重要な確認項目ですが、施工品質や保証を絶対的に保証するものではありません。施工実績、契約書、見積内訳、保険、保証、現場責任者、工程表、行政処分歴によってリスクは変わります。具体的な依頼判断では、複数資料を照合する必要があります。
一般的には、公的検索システムには新規許可取得や変更内容の反映に一定の時間がかかるとされています。そのため、検索で見つからないことだけで直ちに断定はできません。ただし、許可証の写し、許可番号、許可行政庁、許可業種、有効期間を確認し、必要に応じて行政庁へ照会する必要があります。
一般的には、行政処分歴がないことは一つの参考情報ですが、優良性を保証するものではありません。民事トラブル、掲載期間外の問題、未処分の苦情、施工品質、保険、保証、契約管理までは網羅されない可能性があります。具体的な発注判断では、処分歴以外の資料も確認する必要があります。
安さだけで判断せず、許可、契約、証拠、支払管理を優先します。
建設業の許可を取得していない業者に工事を頼むリスクは、無許可だから危ないという単純な話ではありません。軽微な建設工事の範囲内であれば、許可がなくても直ちに違法ではない場合があります。しかし、許可が必要な工事を無許可業者が請け負う場合、建設業法違反の問題が生じ、発注者は工事中断、品質不良、前払金回収不能、契約解除の困難、行政処分に伴う履行不能、証拠不足などの深刻なリスクを負います。
許可がある業者に依頼する場合でも、許可業種、有効期間、一般・特定の区分、行政処分歴、契約書、見積内訳、保険、保証、施工体制を確認しなければ、十分なリスク管理とはいえません。
次の重要ポイントは、発注者が契約前後に守るべき基本行動を4つにまとめたものです。工事では契約前の確認が後日の高額損害を防ぐため重要で、ここから、誰が、どの許可で、どの範囲を、どの仕様で、いくらで、いつまでに、どの責任で施工するのかを書面と公的情報で確認する必要があると読み取れます。
工事内容と税込金額を整理し、公的情報で許可番号、許可業種、有効期間、行政処分歴を確認します。契約書、見積書、仕様書、工程表、変更合意、保険・保証資料を整え、無許可が判明した場合は証拠を保全して早期に専門家へ相談することが実効的な予防になります。
法令、公的機関の解説、監督処分基準を中心に整理しています。