2σ Guide

弁護士に過去の犯罪歴を
伝えるべきかどうか

過去の犯罪歴は重大なプライバシー情報です。外部に広げるのではなく、守秘義務を負う弁護士へ秘密として共有し、どこまで使うかを分けて考えるための一般情報を整理します。

原則 秘密共有
7分類 用語整理
9項目 判断基準
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弁護士に過去の犯罪歴を 伝えるべきかどうか

過去の犯罪歴は重大なプライバシー情報です。

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弁護士に過去の犯罪歴を 伝えるべきかどうか
過去の犯罪歴は重大なプライバシー情報です。
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  • 弁護士に過去の犯罪歴を 伝えるべきかどうか
  • 過去の犯罪歴は重大なプライバシー情報です。

POINT 1

  • 弁護士に過去の犯罪歴を伝えるべきかどうかの全体像
  • 秘密として伝えることと外部に開示することを分けて整理します。
  • 秘密として伝え、外部開示は別に判断する
  • 弁護士には原則として伝える
  • 相手方へ出すこととは別

POINT 2

  • 弁護士に過去の犯罪歴を伝える前に用語を分ける
  • 前科と前歴を混同せず、まず事実を整理します。
  • なぜ重要かというと、どの種類の手続だったかによって、資格、刑事処分、家事事件、雇用、入管、説明資料への影響が異なるからです。

POINT 3

  • 弁護士に過去の犯罪歴を伝えるべき理由
  • 1. 今回の件と同種・類似する:刑事、家事、労働、資格、入管、ネット削除などで関連し得ます。
  • 2. 相手方や第三者が知る可能性がある:報道、検索結果、SNS、勤務先、元配偶者、被害者、取引先から出ることがあります。
  • 3. 期限・資格・身柄・安全に影響しそう:執行猶予、欠格事由、保護命令、勾留、退去強制などは早期確認が必要です。
  • 4. 秘密として弁護士に短く伝える:詳しい外部説明をするかどうかは、資料を見て別に判断します。

POINT 4

  • 弁護士に過去の犯罪歴を話した情報は守られるのか
  • 守秘義務、記録管理、証言拒絶の仕組みを一般情報として整理します。
  • 弁護士に伝えた情報がどのように守られるかは、相談前の不安を減らすうえで中心的な論点です。
  • なぜ重要かというと、守秘義務の制度があるからこそ、不利な事実を含む全体像を相談できるからです。

POINT 5

  • 弁護士に過去の犯罪歴をどこまで伝えるべきか
  • 正確な分類より、確認できる手掛かりをそろえることが大切です。
  • 同種・類似なら伝える
  • 前科ではない点も伝える
  • 刑罰と異なるが省かない

POINT 6

  • 弁護士に過去の犯罪歴を伝えるべき事件類型
  • 刑事以外の相談でも、過去の事情が争点や説明範囲に影響します。
  • 過去の犯罪歴が問題になりやすい場面は、刑事事件だけではありません。
  • 身体拘束、勾留、保釈、起訴・不起訴、示談、量刑、執行猶予、再犯防止計画、家族・勤務先対応に影響し得ます。
  • 同種前科、同種前歴、示談済み事件、依存症治療歴、少年事件、海外の有罪判決も伝えます。

POINT 7

  • 弁護士に過去の犯罪歴を伝えないリスク
  • 見通しが誤る
  • 弁護士が前科・前歴なしの前提で処分見込み、量刑、相手方反論、行政手続、資格要件を考えてしまう可能性があります。
  • 突然の主張に遅れる

POINT 8

  • 弁護士に過去の犯罪歴を伝える実務的な方法
  • 1. 詳細を出しすぎない:「過去の刑事手続に関する事情があり、今回の相談に影響するか弁護士に直接確認したい」といった概要にとどめます。
  • 2. 秘密として話したいと明示する:「非常に私的な情報なので、守秘義務の範囲で相談したい」と伝えると、相談の性質が明確になります。
  • 3. 時系列メモを用意する:時期、内容、手続、結果、資料の有無、現在の不安を一枚にまとめます。
  • 4. 話しにくい部分も区切って伝える:必要な範囲を質問してほしい」と伝える方法があります。
  • 5. 追加で思い出したことを共有する:相手方から指摘された事実、提出予定書類の犯罪歴欄、追加資料が出た場合は、自己判断で処理せず共有します。

まとめ

  • 弁護士に過去の犯罪歴を 伝えるべきかどうか
  • 弁護士に過去の犯罪歴を伝えるべきかどうかの全体像:秘密として伝えることと外部に開示することを分けて整理します。
  • 弁護士に過去の犯罪歴を伝える前に用語を分ける:前科と前歴を混同せず、まず事実を整理します。
  • 弁護士に過去の犯罪歴を伝えるべき理由:不利な事実は、隠すより早く管理する方が対応しやすくなります。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

弁護士に過去の犯罪歴を伝えるべきかどうかの全体像

秘密として伝えることと外部に開示することを分けて整理します。

弁護士に過去の犯罪歴を伝えるべきかどうかで迷う場面では、外部に広く明かすことと、守秘義務を負う弁護士へ秘密として共有することを分けて考える必要があります。一般的には、事件処理に関係し得る過去の刑事手続は早めに伝え、どの範囲を外部へ出すかは弁護士と検討する考え方が重要です。

次の重要ポイントは、このページ全体の結論を短く整理したものです。なぜ重要かというと、過去の犯罪歴は重大なプライバシー情報である一方、伏せたままだと見通しや手続選択がずれる可能性があるからです。読者は、共有先を広げるのではなく、秘密として専門家に伝え、使い方を限定するという順番を読み取ってください。

秘密として伝え、外部開示は別に判断する

過去の犯罪歴は、相手方や勤務先へ広げる情報ではありません。まず弁護士に非公開の相談情報として共有し、事件との関連性、資料の必要性、外部説明の要否を分けて検討することが基本になります。

次の一覧は、過去の犯罪歴を相談で扱うときの基本姿勢を3つに分けたものです。読者にとって重要なのは、「話すか隠すか」の二択ではなく、秘密保持、関連性判断、必要最小限の外部対応に分けて考えることです。各項目から、まず弁護士に全体像を渡し、その後に使い方を絞る流れを読み取ってください。

POINT 1

弁護士には原則として伝える

前科、前歴、逮捕歴、不起訴、少年事件、交通関係の刑事処分など、分類が分からない場合でも事実として伝える方が安全です。

POINT 2

相手方へ出すこととは別

弁護士に伝えた情報が、そのまま裁判所、相手方、勤務先、家族へ出されるわけではありません。外部説明は別の判断です。

POINT 3

弱点を法的に管理する

不利な事実は早く分かるほど、資料収集、説明範囲、反論方針、再発防止策を準備しやすくなります。

重要このページは一般的な制度説明です。刑事事件、家事事件、資格審査、在留資格、雇用、インターネット削除などでは結論が変わる可能性があります。具体的な対応は資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
Section 01

弁護士に過去の犯罪歴を伝える前に用語を分ける

前科と前歴を混同せず、まず事実を整理します。

「犯罪歴」という言葉は日常的には広く使われますが、法律相談では前科、前歴、逮捕歴、不起訴、少年事件、交通反則などを分ける必要があります。なぜ重要かというと、どの種類の手続だったかによって、資格、刑事処分、家事事件、雇用、入管、説明資料への影響が異なるからです。次の比較表では、名称の違いと弁護士に伝える必要性を読み取ってください。

用語このページでの意味弁護士に伝える必要性
前科刑事裁判で有罪判決や略式命令等が確定し、刑罰を受けた経歴を指す一般的な用語です。罰金、拘禁刑、執行猶予付き判決などが問題になります。原則として伝えます。同種事件、刑事事件、資格、入管、家事、雇用では特に重要です。
前歴捜査対象になった、逮捕・送検された、不起訴になった、微罪処分になったなど、有罪判決に至らない刑事手続関与を広く指します。関連性が分からなくても伝える方が安全です。前科ではない点も併せて説明します。
逮捕歴被疑者として逮捕された過去です。不起訴、無罪、処分なしでも逮捕された事実は別に残ります。相手方が知っている、報道や検索結果が残っている、同種事件である場合は特に重要です。
起訴猶予・不起訴検察官が起訴しなかった処分です。嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予など理由は異なります。有罪ではないことを前提に、処分理由や資料の有無を伝えます。
執行猶予有罪判決で刑を言い渡しつつ、一定期間、刑の執行を猶予する制度です。期間経過により刑の言渡しの効力が失われる場面があります。有罪判決であるため、時期、猶予期間、満了の有無を伝えます。
少年事件の保護処分家庭裁判所で保護観察、少年院送致等となった場合です。通常の刑罰とは異なります。前科ではないと自己判断で省略せず、年齢、時期、処分内容を伝えます。
交通反則・行政処分反則金、免許停止、行政処分などです。刑罰とは異なる場合があります。交通事故、免許、職業運転、刑事事件、保険、労務では関連し得ます。
整理のコツ正確な分類が分からなくても、「過去にこのような手続があった」と事実を伝えれば足ります。分類や現在の影響は、資料を見ながら弁護士が確認できます。
Section 02

弁護士に過去の犯罪歴を伝えるべき理由

不利な事実は、隠すより早く管理する方が対応しやすくなります。

弁護士の助言は、相談者から提供された事実を前提に組み立てられます。ここで重要なのは、不利な情報ほど早く共有されると、資料確認、説明範囲、反論準備、手続選択を検討しやすいことです。次の一覧では、犯罪歴を早めに共有する理由を、助言の前提、弱点への備え、外部開示との区別から読み取ってください。

理由 1

助言の前提が変わる

同じ窃盗の疑いでも、初めての事件、同種前科、執行猶予中、過去の不起訴では、身体拘束、示談、処分見込み、量刑、勤務先対応の優先順位が変わります。

理由 2

弱点は早いほど対処できる

相手方、捜査機関、裁判所、行政庁、勤務先、報道、検索結果から後で発覚すると、方針修正が大きくなります。早期共有により、関連性や資料を先に確認できます。

理由 3

外部に出す情報を絞れる

弁護士に伝えることは、相手方や裁判所へそのまま出すことではありません。むしろ、どの情報を出さないか、出すならどの範囲かを検討できます。

次の判断の流れは、過去の犯罪歴を伝えるか迷ったときの整理順を表します。読者にとって重要なのは、自分で関連性を切り捨てる前に、同種性、相手方の認識、手続や資格への影響を順に見ることです。上から下へ進み、一つでも当てはまる場合は秘密として弁護士へ共有する方向で考えてください。

迷ったときの判断の流れ

今回の件と同種・類似する

刑事、家事、労働、資格、入管、ネット削除などで関連し得ます。

相手方や第三者が知る可能性がある

報道、検索結果、SNS、勤務先、元配偶者、被害者、取引先から出ることがあります。

期限・資格・身柄・安全に影響しそう

執行猶予、欠格事由、保護命令、勾留、退去強制などは早期確認が必要です。

秘密として弁護士に短く伝える

詳しい外部説明をするかどうかは、資料を見て別に判断します。

Section 03

弁護士に過去の犯罪歴を話した情報は守られるのか

守秘義務、記録管理、証言拒絶の仕組みを一般情報として整理します。

弁護士に伝えた情報がどのように守られるかは、相談前の不安を減らすうえで中心的な論点です。なぜ重要かというと、守秘義務の制度があるからこそ、不利な事実を含む全体像を相談できるからです。次の比較表では、法律、職務規程、刑事手続、民事手続、記録管理のどこで秘密保持が問題になるかを読み取ってください。

根拠・場面内容読み取り方
弁護士法23条弁護士または弁護士であった者には、職務上知り得た秘密を保持する権利と義務があります。秘密を漏らしてはならない義務であると同時に、第三者から開示を迫られたとき秘密保持を主張する根拠にもなります。
弁護士職務基本規程秘密の保持、事件記録の保管・廃棄、事務職員等への指導監督が定められています。予約や受付では詳細を最小限にし、弁護士本人との相談で詳しく話す運用が実務的です。
刑法134条弁護士等が正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らした場合、秘密漏示罪が問題になります。守秘義務はマナーではなく、法制度上の中核的な義務です。
刑事訴訟法・民事訴訟法弁護士等が職務上知り得た秘密について、一定の場合に証言拒絶が問題になります。万能の絶対的秘匿ではないため、例外や本人の承諾の有無は個別に確認します。
日弁連の説明依頼者が秘密を守られると思うからこそ本当のことを打ち明けられ、十分な弁護活動や法令遵守の助言が可能になると説明されています。過去の犯罪歴を伝えることは、制度が想定する相談の重要場面です。
確認事項「絶対にどんな場合も外部に知られない」と単純化するのは危険です。本人の同意、法律上の例外、差し迫った重大な危害の防止などが問題になる可能性があるため、不安がある場合は話す前に例外的な場面を確認してください。
Section 04

弁護士に過去の犯罪歴をどこまで伝えるべきか

正確な分類より、確認できる手掛かりをそろえることが大切です。

どこまで伝えるかは、時期、事件の種類、手続の結果、資料、現在の影響に分けると整理しやすくなります。読者にとって重要なのは、罪名や処分名を完璧に覚えていなくても、弁護士が追加確認できる手掛かりを渡せることです。次の表では、最低限そろえたい情報と具体例を読み取ってください。

項目伝える内容の例意味
時期2018年頃、令和2年、大学生のとき、10年以上前など刑の効力、時効、資格制限、記録や資料の確認に関係します。
場所東京都内、大阪、海外、勤務先、家庭内など警察署、裁判所、行政庁、海外手続の確認につながります。
事件の種類窃盗、暴行、傷害、詐欺、横領、薬物、交通事故、DV、ストーカー、性犯罪など今回の相談との同種性や相手方の主張との関連を検討します。
手続の経過逮捕、任意聴取、送検、起訴、不起訴、略式命令、公判、少年審判など前科か前歴か、資料取得の必要性を確認します。
結果罰金、拘禁刑、執行猶予、不起訴、起訴猶予、無罪、保護観察、少年院送致など資格、量刑、申告書、家事事件、入管などの影響を検討します。
資料判決書、略式命令、不起訴処分告知書、罰金納付書、示談書、報道記事、検索結果など口頭の記憶より正確に確認できます。
現在の影響執行猶予中、資格制限が気になる、勤務先に知られたくない、相手方が知っているなど相談で優先すべき課題を決める材料になります。

次の一覧は、古い事件や前科ではない手続をどう扱うかを整理したものです。なぜ重要かというと、「前科ではない」「昔のこと」と自己判断して省くと、相手方の主張や資格・入管・家事事件への影響を見落とす可能性があるからです。各項目から、短くでも伝えて関連性判断を任せるべき場面を読み取ってください。

古い事件

同種・類似なら伝える

今回の事件と似ている、相手方が知る可能性がある、検索結果や報道が残っている、資格や採用に関係しそうな場合は、古くても伝える方が安全です。

逮捕だけ・不起訴

前科ではない点も伝える

前科ではないこと自体が重要な説明になる場合があります。処分理由や資料の有無を確認できるよう、過去の手続として共有します。

少年事件

刑罰と異なるが省かない

少年事件は更生や社会復帰への配慮が強い領域ですが、家事事件、資格、安全、報道などで現在の相談に関係する場合があります。

海外・入管

日本法だけで決めない

海外ビザや在留資格では、conviction、arrest、charge などの用語が日本法の前科・前歴と一致しないことがあります。

Section 05

弁護士に過去の犯罪歴を伝えるべき事件類型

刑事以外の相談でも、過去の事情が争点や説明範囲に影響します。

過去の犯罪歴が問題になりやすい場面は、刑事事件だけではありません。読者にとって重要なのは、離婚、労働、資格、入管、インターネット削除などでも、信用性、安全、欠格事由、外部説明の範囲に影響し得ることです。次の一覧では、分野ごとに何が問題になり、弁護士へ何を伝えるべきかを読み取ってください。

1

刑事事件

身体拘束、勾留、保釈、起訴・不起訴、示談、量刑、執行猶予、再犯防止計画、家族・勤務先対応に影響し得ます。同種前科、同種前歴、示談済み事件、依存症治療歴、少年事件、海外の有罪判決も伝えます。

刑事身柄
2

民事・損害賠償

詐欺、暴行、名誉毀損、横領、反社会的勢力との関係が疑われる取引などでは、信用性、損害、和解条件、相手方の前科主張への対応が問題になります。

民事証拠
3

離婚・親権・DV

子の安全、監護環境、DV、薬物、性的被害、ストーカー、保護命令、面会交流条件に関係し得ます。現在の生活安定や再発防止策も併せて整理します。

家事安全
4

労働・採用・懲戒

職務との関連性、経過年数、就業規則、採用時の質問、虚偽申告、社内流布、名誉毀損、プライバシー侵害が問題になります。

労働申告
5

資格・許認可・役員就任

一定の刑罰歴が欠格事由や登録拒否事由になることがあります。罪名、刑の種類、罰金か拘禁刑か、執行猶予、期間満了、申請書の文言を確認します。

資格審査
6

入管・海外渡航

在留資格、退去強制、上陸拒否、帰化、永住、海外ビザでは、国や手続ごとに申告範囲が異なります。質問票の文言を一つずつ確認する必要があります。

入管海外
7

ネット削除・名誉毀損

逮捕歴、前科、不起訴事件が検索結果や記事、掲示板、SNSに残る場合、削除、発信者情報開示、プライバシー侵害、忘れられる利益が問題になります。

ネット削除
Section 06

弁護士に過去の犯罪歴を伝えないリスク

隠すことで、見通しと防御準備がずれる可能性があります。

過去の犯罪歴を弁護士に伝えない場合のリスクは、単に「怒られる」という問題ではありません。重要なのは、見通し、相手方対応、信頼関係、有利な補足事情の準備がまとめて弱くなる可能性です。次のリスク一覧では、何が起き得るかと、どこを早めに修正すべきかを読み取ってください。

見通しが誤る

弁護士が前科・前歴なしの前提で処分見込み、量刑、相手方反論、行政手続、資格要件を考えてしまう可能性があります。

突然の主張に遅れる

相手方が報道、SNS、勤務先、裁判資料、元配偶者などから情報を出した場合、関連性、証拠能力、プライバシー侵害への反論準備が遅れます。

信頼関係が損なわれる

重要な事実を意図的に隠していたと分かると、追加調査、方針変更、費用増加、辞任や委任契約の解消が問題になることがあります。

説明機会を失う

更生、治療、被害弁償、示談、家族支援、再犯防止策、就労継続など、過去を補足する事情を準備できなくなります。

実務原則外部に広げるかどうかは慎重に、弁護士には早めに伝える。この順番を守ることで、不必要な公開を避けながら、必要な防御や説明を準備しやすくなります。
Section 07

弁護士に過去の犯罪歴を伝える実務的な方法

受付では概要、相談では必要範囲を整理して伝えます。

伝え方は、予約段階と弁護士本人との相談段階で分けると安全です。なぜ重要かというと、予約フォームや代表電話では事務職員や外部システムが関与することがあり、詳細を出しすぎない方がよい場合があるからです。次の時系列では、どの順番で、どの程度まで伝えるかを読み取ってください。

予約時

詳細を出しすぎない

「過去の刑事手続に関する事情があり、今回の相談に影響するか弁護士に直接確認したい」といった概要にとどめます。

相談冒頭

秘密として話したいと明示する

「非常に私的な情報なので、守秘義務の範囲で相談したい」と伝えると、相談の性質が明確になります。

資料整理

時系列メモを用意する

時期、内容、手続、結果、資料の有無、現在の不安を一枚にまとめます。不明点は不明と書いて構いません。

相談中

話しにくい部分も区切って伝える

「関連しそうな過去がありますが、非常に話しにくい内容です。必要な範囲を質問してほしい」と伝える方法があります。

相談後

追加で思い出したことを共有する

相手方から指摘された事実、提出予定書類の犯罪歴欄、追加資料が出た場合は、自己判断で処理せず共有します。

次の比較表は、相談時に使いやすい短い言い方を整理したものです。読者にとって重要なのは、自分で法的評価を断定せず、事実と不安を区別して伝えることです。文言の違いから、受付では概要、相談では必要範囲という使い分けを読み取ってください。

場面伝え方の例目的
予約段階過去の刑事手続に関する事情があり、今回の相談に影響するか弁護士本人に直接確認したいです。詳細を広げず、相談枠と担当分野を確認します。
相談開始時過去の犯罪歴に関する私的な情報です。守秘義務の範囲で、今回の事件にどこまで関係するか判断していただきたいです。秘密情報として扱う前提を確認します。
分類が不明前科なのか前歴なのか正確には分かりません。過去にこのような手続があった、という事実としてお伝えします。法的評価を弁護士に委ねます。
話しにくい場合関係しそうな過去がありますが、非常に話しにくい内容です。必要な範囲を質問していただけますか。一気に話せない場合でも、重要情報の存在を知らせます。
Section 08

弁護士に伝えても弁護士ができないこと

秘密を守ることと違法行為を助けることは別です。

弁護士に過去の犯罪歴を伝えることは重要ですが、弁護士が違法行為の隠蔽や虚偽証拠の提出を助けられるという意味ではありません。ここが重要なのは、相談者を守ることと、不正な行為を助長することは別だからです。次の比較表では、相談してよいことと期待してはいけないことを読み取ってください。

相談してよいこと期待してはいけないこと
過去の犯罪歴が今回の事件に影響するか犯罪歴を隠すために虚偽書類を作る方法
警察、検察、裁判所への対応嘘の供述を考えてもらうこと
相手方にどこまで説明すべきか証拠を廃棄・改ざんする方法
資格、勤務先、家族への説明範囲被害者や証人を脅す方法
更生、再発防止策、治療歴の整理今後の違法行為の実行方法
報道や検索結果の削除可能性事実と異なる削除理由を作ること
注意弁護士職務基本規程では、違法・不正な行為の助長や、偽証・虚偽陳述をそそのかすこと、虚偽と知りながら証拠を提出することが禁じられています。弁護士の役割は、法的に許される範囲で権利と正当な利益を守ることです。
Section 09

弁護士に過去の犯罪歴を伝える際の通報不安と照会制度

守秘義務、弁護士会照会、前科等のプライバシーを区別します。

「弁護士が警察へ通報するのではないか」「弁護士なら相手の前科を自由に調べられるのではないか」という不安や誤解は、制度ごとに分けて考える必要があります。読者にとって重要なのは、守秘義務にも例外的検討場面があり、弁護士会照会にも必要性・相当性の審査があることです。次の一覧では、通報不安、照会制度、プライバシー保護の違いを読み取ってください。

通報不安

当然に警察へ通報する制度ではない

一般論として、弁護士が相談で聞いた過去の犯罪歴を当然に警察へ通報する制度ではありません。ただし、本人の同意、法律上の例外、差し迫った重大な危害の防止など、個別事情で検討が必要な場面はあり得ます。

弁護士会照会

自由に犯罪歴を調べる制度ではない

弁護士法23条の2に基づく照会は、受任事件の処理に必要な事項について弁護士会が審査する制度です。興味本位で他人の犯罪歴を自由に調べられる仕組みではありません。

プライバシー

前科等は重大な私的情報

最高裁判例でも、前科等は名誉・信用に関わる重大な情報であり、みだりに公開されない利益が問題になります。だからこそ、守秘義務の枠内で必要な範囲に限って扱う必要があります。

話す前の確認不安が強い場合は、「この内容が外部に伝わる可能性がある例外的な場面があれば、話す前に説明してほしい」と確認してから相談を始める方法があります。
Section 10

弁護士に過去の犯罪歴を伝える相談でよくある質問

個別事案の断定を避け、一般的な考え方として整理します。

相談だけでも弁護士に過去の犯罪歴を話してよいですか。

一般的には、法律相談の目的で弁護士に過去の犯罪歴を話すことは、守秘義務を前提とした制度上の重要な場面とされています。ただし、相談記録、連絡方法、同席者の有無、外部に伝わる例外的な場面は個別事情で変わる可能性があります。具体的には弁護士等の専門家へ確認する必要があります。

弁護士に話したら、裁判所や相手方にも必ず出されますか。

一般的には、弁護士に秘密として話すことと、裁判所や相手方へ開示することは別とされています。ただし、法令上の義務、手続の性質、依頼者の利益、証拠関係によって扱いは変わります。外部説明の範囲は資料を確認したうえで弁護士等へ相談する必要があります。

前科ではなく、不起訴や逮捕だけでも話すべきですか。

一般的には、今回の相談に関係する可能性がある場合、不起訴や逮捕だけの手続も短く共有する方が安全とされています。前科ではないこと自体が重要な説明になる場合もあります。事件内容、相手方の認識、報道の有無で結論は変わるため、弁護士等へ相談する必要があります。

かなり昔の事件でも話す必要がありますか。

一般的には、同種事件、資格・許認可、入管、勤務先、家事事件、インターネット削除、相手方が知っている場合などでは、古い事件でも関連し得ます。経過年数だけで省略できるとは限りません。具体的な影響は弁護士等へ確認する必要があります。

弁護士に過去の犯罪歴を話すと依頼を断られますか。

一般的には、過去の犯罪歴があるだけで当然に受任不可になるとは限りません。ただし、専門分野、利益相反、事件内容、証拠関係、信頼関係、費用、不正行為への協力を求めているかどうかで受任可否は変わります。具体的には相談先の弁護士へ確認する必要があります。

家族や勤務先に知られたくない場合はどう整理すればよいですか。

一般的には、弁護士に話すことと家族・勤務先へ知らせることは別です。連絡先、郵送先、メール件名、電話可能時間、留守電の可否、請求書や委任契約書の送付方法を相談時に確認します。個別の安全性や連絡方法は弁護士等へ相談する必要があります。

相手方が過去の犯罪歴を言いふらした場合は問題になりますか。

一般的には、前科等は重大なプライバシー情報であり、真実であってもみだりに公開されない利益が法的に問題になる可能性があります。ただし、発言内容、範囲、目的、公益性、証拠関係で結論は変わります。具体的には弁護士等へ相談する必要があります。

前科が消えたと聞いた場合でも伝えるべきですか。

一般的には、刑法上の刑の言渡しの効力と、過去の事実、記録、報道、申告書の文言、資格要件は別に検討されることがあります。自己判断で省略せず、秘密として弁護士に伝え、現在の手続に関係するか確認する必要があります。

Reference

参考資料・出典

法令、公的資料、弁護士会資料を中心に整理しています。

法令・公的資料

  • e-Gov法令検索「弁護士法」
  • e-Gov法令検索「刑法」
  • e-Gov法令検索「刑事訴訟法」
  • e-Gov法令検索「民事訴訟法」
  • 法務省「拘禁刑下の矯正処遇等について」
  • 個人情報保護委員会「弁護士法第23条の2に基づく照会と個人データ提供に関するFAQ」

司法・弁護士会資料

  • 最高裁判所第三小法廷昭和56年4月14日判決
  • 日本弁護士連合会「弁護士職務基本規程」
  • 日本弁護士連合会「守秘義務と依頼者情報に関する解説」
  • 日本弁護士連合会「弁護士会照会制度に関する解説」
  • 日本弁護士連合会「少年の推知報道に関する会長声明」