2σ Guide

裁判員に選ばれたら
どんなことをするのか

名簿記載通知から質問票、選任手続、公判、評議・評決、判決宣告、守秘義務まで、裁判員制度の具体的な順番を一般向けに整理します。

6人 裁判員の原則人数
6〜8週 呼出しの目安
1万500円以内 裁判員等の日当
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裁判員に選ばれたら どんなことをするのか

名簿記載通知から質問票、選任手続、公判、評議・評決、判決宣告、守秘義務まで、裁判員制度の具体的な順番を一般向けに整理します。

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裁判員に選ばれたら どんなことをするのか
名簿記載通知から質問票、選任手続、公判、評議・評決、判決宣告、守秘義務まで、裁判員制度の具体的な順番を一般向けに整理します。
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  • 裁判員に選ばれたら どんなことをするのか
  • 名簿記載通知から質問票、選任手続、公判、評議・評決、判決宣告、守秘義務まで、裁判員制度の具体的な順番を一般向けに整理します。

POINT 1

  • 裁判員に選ばれたらどんなことをするのか具体的な流れ
  • 名簿記載通知から判決後の守秘義務まで、順番に押さえます。
  • 裁判員の流れは、候補者段階と参加段階を分けて理解します
  • 実際に通知や呼出しを受けた場合は、届いた書類の記載、担当裁判所の案内、裁判所からの連絡を優先してください。
  • 次の重要ポイントは、初めて通知を受け取った人が特に誤解しやすい点をまとめたものです。

POINT 2

  • 裁判員制度とは何か ― 対象事件と選ばれる人
  • 重大な刑事事件に市民の視点を反映する制度です。
  • 裁判員候補者
  • 補充裁判員
  • 裁判員制度の基本を理解するには、何を判断する制度なのか、どの事件が対象なのか、誰が選ばれ得るのかを分ける必要があります。

POINT 3

  • 名簿記載通知と質問票が届いたら何をするか
  • 1. 名簿記載通知・調査票:翌年に裁判員になる可能性があることを知らせる通知です。
  • 2. 翌年1月1日から12月31日が原則:一般的には、裁判所へ行く可能性がある期間が翌年2月後半からその翌年2月ころまでになることがあります。
  • 3. 名簿からさらにくじで候補者選定:裁判員裁判の対象事件が起訴されると、その事件ごとに候補者が選ばれます。
  • 4. 選任手続期日のお知らせ・質問票:裁判の日程を前提に、健康、仕事、育児、介護、遠隔地居住などの支障を記入します。

POINT 4

  • 選任手続期日に裁判所で行うこと
  • 1. 裁判所へ出頭:呼出状、本人確認書類、必要書類、振込先情報など案内されたものを持参します。
  • 2. 事件概要と手続説明:候補者が理解できるよう、手続の説明が行われます。
  • 3. 非公開の質問手続:事件との関係、不公平な裁判のおそれ、辞退希望の有無や理由を確認します。
  • 4. 裁判員・補充裁判員に選任:その後、説明と宣誓を経て審理に参加します。
  • 5. その事件では参加しない:不選任やくじの結果により、その事件の裁判員にはなりません。

POINT 5

  • 裁判員に選ばれた後の説明・宣誓・公判
  • 法律知識より、法廷で見聞きした証拠に基づく判断が求められます。
  • 裁判員に選ばれると、いよいよ裁判に参加します。
  • ただし、事前に法律を勉強しておかなければならないわけではありません。
  • 各項目から、裁判官の説明を受けながら、法廷の証拠に基づいて考える役割であることを読み取ってください。

POINT 6

  • 評議・評決・判決宣告で裁判員がすること
  • 裁判官と議論し、有罪・無罪や量刑について結論を決めます。
  • 裁判員の意見は裁判官と同じ重みを持ちます
  • 審理で証拠を調べた後、裁判員と裁判官は評議を行います。
  • 刑事裁判の結論に関わる重要な場面なので、各行から、議論、結論形成、判決までの違いを読み取ってください。

POINT 7

  • 裁判員に選ばれたら辞退できる場合・できない場合
  • 理由なく辞退することはできませんが、法令上の辞退事由があります。
  • 年齢・学生・過去の経験
  • 病気・けが
  • 育児・介護・出産

POINT 8

  • 裁判員に選ばれたときの仕事・日当・旅費
  • 休暇、不利益取扱い、日当、交通費の基本を確認します。
  • 日当・旅費は支払われますが、実費や給与と同じとは限りません
  • 会社員や自営業者にとって、仕事への影響と費用面は特に気になるところです。
  • 制度利用で不利益を受けないために重要です。

まとめ

  • 裁判員に選ばれたら どんなことをするのか
  • 裁判員に選ばれたらどんなことをするのか具体的な流れ:名簿記載通知から判決後の守秘義務まで、順番に押さえます。
  • 裁判員制度とは何か ― 対象事件と選ばれる人:重大な刑事事件に市民の視点を反映する制度です。
  • 名簿記載通知と質問票が届いたら何をするか:名簿段階と事件ごとの呼出しを分けて対応します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

裁判員に選ばれたらどんなことをするのか具体的な流れ

名簿記載通知から判決後の守秘義務まで、順番に押さえます。

裁判員制度は、ふだん刑事裁判に関わらない市民が、裁判官とともに重大な刑事事件の審理に参加し、有罪・無罪や刑の内容について判断に関わる制度です。通知を受け取ると、仕事は休めるのか、法律を知らなくてもよいのか、家族や会社に話してよいのか、SNS投稿はどこまで禁止されるのかと不安になりやすい分野です。

このページでは、裁判員候補者名簿に載る段階、事件ごとに呼ばれる段階、選任手続、公判、評議・評決、判決宣告、裁判終了後の守秘義務までを、実務の順番に沿って整理します。実際に通知や呼出しを受けた場合は、届いた書類の記載、担当裁判所の案内、裁判所からの連絡を優先してください。

重要このページは一般的な制度説明です。勤務先とのトラブル、守秘義務違反が疑われる行為、事件関係者との接触など、個別の法的判断が必要な場合は、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

次の比較表は、裁判員に選ばれるまでと選ばれてからの流れを一続きで示しています。通知の意味を取り違えると、まだ決定していない段階で過度に不安になったり、出頭義務がある段階で放置したりするおそれがあるため重要です。左から順に、段階、届くもの、意味、注意点を読み取ってください。

段階届くもの・行うことその時点の意味注意点
前年秋ころ候補者名簿の作成本人への通常通知前です。市区町村の選挙管理委員会が選んだ候補者予定者を基に作成されます。
前年11月ころ名簿記載通知・調査票翌年に裁判員になる可能性がある通知です。すぐに裁判所へ行く必要はありません。辞退事由等があれば調査票で知らせます。
事件ごと名簿から候補者をくじで選定特定事件の裁判員候補者になります。まだ裁判員に決定したわけではありません。
6〜8週間前ころ選任手続期日のお知らせ・質問票裁判所に来る日時が示されます。正当な理由なく出頭しないと過料の対象となることがあります。
選任手続期日裁判所で質問・辞退判断・くじ裁判員6人、必要に応じ補充裁判員を選びます。候補者のプライバシー保護のため非公開です。
選任後説明・宣誓・公判出席裁判官と一緒に審理に参加します。法律知識は不要で、裁判官から説明があります。
審理から判決証拠調べ、評議・評決、判決宣告法廷の証拠に基づいて判断します。評議の秘密など、終了後も守秘義務が残ります。

次の重要ポイントは、初めて通知を受け取った人が特に誤解しやすい点をまとめたものです。制度の負担感を整理するために重要です。ここでは、名簿記載は決定通知ではないこと、法律知識の事前学習は必須ではないこと、終了後も秘密保持が残ることを確認してください。

裁判員の流れは、候補者段階と参加段階を分けて理解します

名簿記載、事件ごとの呼出し、選任手続、裁判員としての参加は別の段階です。今どの段階にいるかを確認すると、準備すべきことが見えやすくなります。

Section 01

裁判員制度とは何か ― 対象事件と選ばれる人

重大な刑事事件に市民の視点を反映する制度です。

裁判員制度の基本を理解するには、何を判断する制度なのか、どの事件が対象なのか、誰が選ばれ得るのかを分ける必要があります。裁判員制度は平成21年5月21日から始まった制度と説明されており、令和4年4月1日から裁判員になることができる年齢は18歳以上となりました。次の比較表は、制度の中心部分を整理したものです。各行から、裁判員が民事事件ではなく重大な刑事事件に関わること、18歳以上が対象になり得ること、法律専門職などは就けない場合があることを読み取ってください。

項目内容読者が押さえる点
制度の目的国民の視点や感覚を刑事裁判に反映させ、裁判を分かりやすく身近なものにする制度です。法律専門家だけでなく、一般国民が裁判官と共同で判断します。
合議体原則として裁判員6人と裁判官3人で構成されます。裁判員は単独で判断を背負うわけではありません。
対象事件殺人罪、強盗致死傷罪、現住建造物等放火罪、危険運転致死罪など一定の重大な刑事事件です。離婚、相続、交通事故賠償、労働紛争などの民事事件を判断する制度ではありません。
年齢衆議院議員の選挙権を有する人から選ばれ、現在は18歳・19歳も対象になり得ます。18歳・19歳が実際に名簿に記載されるのは令和5年分からと説明されています。
就けない人一定の刑に処せられた人、職務遂行に著しい支障がある人、司法関係者、警察官、自衛官、事件関係者など。弁護士、裁判官、検察官などの法律専門職は制度趣旨上、職務に就けない類型に含まれます。

次の一覧は、裁判員、裁判員候補者、補充裁判員の違いを整理したものです。似た用語を混同すると、まだ候補者の段階なのに裁判員に決まったと誤解しやすいため重要です。それぞれの役割と、どの時点で何をする人なのかを読み取ってください。

候補者

裁判員候補者

名簿に記載され、具体的事件について裁判員になる可能性がある人です。名簿記載通知が届いた段階では、まだ裁判員に決まったわけではありません。

参加者

裁判員

選任手続を経て実際に選ばれ、法廷での審理、証拠調べ、評議、評決、判決宣告に関わる人です。

備え

補充裁判員

裁判員が途中で職務を続けられなくなる場合に備えて選ばれる人です。1事件につき最大6人まで選任され、最初から審理に出席し、必要に応じて評議で意見を聴かれることがあります。

Section 02

名簿記載通知と質問票が届いたら何をするか

名簿段階と事件ごとの呼出しを分けて対応します。

通知が届いたときに最初に確認すべきなのは、それが名簿記載通知なのか、具体的事件の選任手続期日のお知らせなのかです。次の時系列は、届く書面と対応の順番を表しています。上から下へ、名簿に載っただけの段階、事件ごとに呼ばれる段階、質問票で事情を伝える段階を読み取ってください。

前年11月ころ

名簿記載通知・調査票

翌年に裁判員になる可能性があることを知らせる通知です。裁判所へすぐ行く必要はありません。

名簿の有効期間

翌年1月1日から12月31日が原則

一般的には、裁判所へ行く可能性がある期間が翌年2月後半からその翌年2月ころまでになることがあります。

事件ごと

名簿からさらにくじで候補者選定

裁判員裁判の対象事件が起訴されると、その事件ごとに候補者が選ばれます。

6〜8週間前

選任手続期日のお知らせ・質問票

裁判の日程を前提に、健康、仕事、育児、介護、遠隔地居住などの支障を記入します。

次の比較表は、調査票と質問票の違いを整理しています。どちらも候補者の負担を軽減するための情報確認ですが、聞かれる内容が違います。列ごとに、まだ日程が決まっていない段階と、具体的事件の日程が分かった段階の違いを確認してください。

書面届く場面主に確認されること注意点
調査票名簿記載通知と同封裁判員になれない職業、1年を通じた辞退事由、日程に左右されない事情。返送しなかったから直ちに処罰されるわけではありませんが、該当事情がある人は早めに知らせる意味があります。
質問票事件ごとの候補者に送付具体的裁判日程を前提とする仕事、病気、介護、育児、重要用務など。虚偽記載は30万円以下の過料、選任手続での虚偽陳述は50万円以下の罰金の対象となることがあります。
呼出状選任手続期日のお知らせ裁判所に来る日時・場所・持ち物など。正当な理由なく来ない場合、10万円以下の過料に処せられることがあります。

裁判の日数が5日以内の事件では、1事件あたり70人程度の候補者にお知らせを送る運用が説明されています。この時点でも裁判員に決定したわけではなく、選任手続を経て6人の裁判員と、必要に応じ補充裁判員が選ばれます。

Section 03

選任手続期日に裁判所で行うこと

非公開の質問手続で、辞退事由や公平性を確認します。

選任手続期日は、候補者の事情を確認し、裁判員または補充裁判員を選ぶための重要な場面です。次の判断の流れは、当日の大まかな進行を示しています。順番を知ることで、裁判所で突然すべてを判断するのではなく、説明、質問、辞退判断、くじという手順で進むことを読み取ってください。

選任手続期日の基本的な順番

裁判所へ出頭

呼出状、本人確認書類、必要書類、振込先情報など案内されたものを持参します。

事件概要と手続説明

候補者が理解できるよう、手続の説明が行われます。

非公開の質問手続

事件との関係、不公平な裁判のおそれ、辞退希望の有無や理由を確認します。

選ばれる
裁判員・補充裁判員に選任

その後、説明と宣誓を経て審理に参加します。

選ばれない
その事件では参加しない

不選任やくじの結果により、その事件の裁判員にはなりません。

次の比較表は、選任手続で確認される主な事情を整理しています。候補者のプライバシーと裁判の公平性の両方に関わるため重要です。各行から、辞退希望だけでなく、事件との関係や公平性も正確に伝える必要があることを読み取ってください。

確認されること内容候補者の対応
辞退希望病気、仕事、介護、育児、遠隔地など、参加が難しい事情。質問票に書いた内容と矛盾しないよう、事実を具体的に述べます。
事件との関係被告人、被害者、証人、捜査関係者、事件現場などとの関係。大した関係ではないと思っても、聞かれた範囲で正確に答えます。
公平性事件について強い予断があるか、公平な判断が難しい事情があるか。報道や個人的経験による影響が気になる場合は、隠さず説明します。
候補者の負担健康状態、長期日程への対応、仕事や家庭への影響。必要資料があれば持参し、追加事情があればいつ発生したかを説明します。

選任手続には、裁判官だけでなく検察官と弁護人も関与します。これは、裁判員が公平な立場で審理に参加できるかを確認するためです。選ばれなかった候補者は、その事件について裁判員として参加することはありません。

Section 04

裁判員に選ばれた後の説明・宣誓・公判

法律知識より、法廷で見聞きした証拠に基づく判断が求められます。

裁判員に選ばれると、いよいよ裁判に参加します。ただし、事前に法律を勉強しておかなければならないわけではありません。次の一覧は、選任後に行う主なことを整理しています。各項目から、裁判官の説明を受けながら、法廷の証拠に基づいて考える役割であることを読み取ってください。

裁判官からの説明

裁判手続、裁判員の権限や義務について説明を受けます。審理中も必要に応じて説明を受けられ、裁判官へ質問することもできます。

法律知識不要

宣誓

公平誠実に職務を行うことを宣誓します。正当な理由なく宣誓を拒むと過料の対象となることがあります。

義務

証拠調べ

書類、証拠物、証人や被告人の話などを法廷で見聞きします。報道や噂ではなく、法廷で取り調べられた証拠を基に考えます。

法廷の証拠

証人・被告人への質問

裁判員から証人等に質問できる場合があります。分からない点は、評議や手続説明の中で確認します。

疑問を整理

精神的負担への配慮

重大事件では負担の大きい証拠が問題になることがあります。必要な証拠を厳選し、形式を工夫する配慮が説明されています。

支援窓口

次の比較表は、公判で裁判員が見聞きする情報と、判断に使ってはいけない情報を整理しています。刑事裁判では、証拠に基づく判断が中心になるため重要です。列ごとに、法廷で扱われた情報か、それ以外の情報かを区別して確認してください。

情報の種類扱い理由
法廷で取り調べられた証拠判断材料になります。裁判員は起訴状に書かれた犯罪行為を被告人が行ったかどうか、法廷の証拠に基づいて判断します。
証人・被告人の話法廷で見聞きした内容は判断材料になります。発言内容、態度、他の証拠との整合性などを慎重に見ます。
報道・インターネット情報判断材料にしません。裁判で取り調べられていない情報に基づく判断は、公平な裁判を損なうおそれがあります。
被告人の自白それだけで直ちに結論を出すわけではありません。認めている事件でも、証拠に基づいて有罪・無罪と刑を判断する必要があります。

裁判員裁判では、一般の人が理解しやすいよう、争点の判断に必要な証拠を厳選し、できる限り法廷で見たり聞いたりするだけで事件内容を理解できるようにすることが目指されています。

Section 05

評議・評決・判決宣告で裁判員がすること

裁判官と議論し、有罪・無罪や量刑について結論を決めます。

審理で証拠を調べた後、裁判員と裁判官は評議を行います。次の比較表は、評議、評決、量刑、判決宣告の役割を整理したものです。刑事裁判の結論に関わる重要な場面なので、各行から、議論、結論形成、判決までの違いを読み取ってください。

場面裁判員がすること重要な考え方
評議法廷で見聞きした証拠に基づき、被告人が有罪か無罪か、有罪ならどの刑が相当かを議論します。完璧な法律用語で話す必要はなく、疑問、納得できた点、分からない点を率直に述べます。
評決評議を尽くしても全員一致しない場合、多数決で結論を決めます。裁判員の意見は裁判官と同じ重みを持ちます。ただし、被告人に不利な判断には裁判官1人以上の賛成が必要です。
量刑有罪の場合に刑の重さを考えます。犯罪の内容、結果の重大性、被害者側の事情、反省、更生可能性、同種事件の傾向などを見ます。
判決宣告法廷で裁判長が判決を言い渡す場面に出席します。判決後、裁判員としての職務は終了しますが、守秘義務は残ります。

次の重要ポイントは、裁判員の意見の重みを整理したものです。裁判員はお飾りではなく、裁判官と同じ重みの意見を持つ一方で、被告人に不利な結論を裁判員だけで決めない仕組みがあるため重要です。この仕組みから、市民参加と刑事裁判の慎重さの両方を読み取ってください。

裁判員の意見は裁判官と同じ重みを持ちます

評決が多数決になる場合でも、被告人に不利な判断には、裁判員だけでなく少なくとも裁判官1人以上が多数意見に加わる必要があります。

裁判員裁判の判決書は、裁判員と裁判官の議論の結果に基づいて裁判官が作成し、裁判官のみが署名・押印します。裁判員が判決書に署名・押印することはなく、判決書に裁判員の氏名が記載されることもありません。

Section 06

裁判員に選ばれたら辞退できる場合・できない場合

理由なく辞退することはできませんが、法令上の辞退事由があります。

裁判員制度は、広く国民が参加する制度であるため、理由なく辞退することはできません。ただし、参加する人の負担が過重にならないよう、法律や政令で辞退事由が定められています。次の一覧は、代表的な辞退事由を分類したものです。自分の事情がどの類型に近いかを読み取ってください。

定型

年齢・学生・過去の経験

70歳以上、地方公共団体の議会議員の会期中、学生・生徒、一定期間内の裁判員や検察審査員経験などが挙げられます。

健康

病気・けが

重い病気やけがにより裁判所へ行くことや職務を行うことが難しい場合があります。

家庭

育児・介護・出産

親族や同居人の介護・養育、小さな子どもの世話、妊娠中または出産後8週間以内、出産立会いなどが問題になります。

仕事

重要な用務

事業上の重要な用務を本人が処理しなければ著しい損害が生じるおそれがある場合は、辞退申出の対象になり得ます。

生活

災害・遠隔地・重大不利益

重大災害からの生活再建、遠隔地居住による出頭困難、身体上・精神上・経済上の重大な不利益が問題になります。

次の比較表は、辞退を申し出るタイミングを整理したものです。調査票で申し出なかった場合でも後で事情を伝えられる場面がありますが、期限内の対応が重要です。各行から、いつ、どのように、どの程度具体的に書くかを確認してください。

タイミング使う書面・手続主な内容
名簿段階調査票1年を通じた辞退事由や日程に左右されない事情を伝えます。
事件ごとの呼出し後質問票具体的な裁判日程を前提に、仕事、病気、介護、育児などを説明します。
選任手続当日非公開の質問手続質問票で説明しきれなかった事情や、新たに生じた事情を伝えます。

子どもを法廷の裁判員席や評議の席に同席させることはできません。小さな子どもがいて預け先がない場合、介護が必要な親族等がいて代替者がいない場合などは、質問票や選任手続で具体的事情を説明します。

Section 07

裁判員に選ばれたときの仕事・日当・旅費

休暇、不利益取扱い、日当、交通費の基本を確認します。

会社員や自営業者にとって、仕事への影響と費用面は特に気になるところです。次の比較表は、休暇、会社への報告、日当・旅費・宿泊料の扱いを整理しています。制度利用で不利益を受けないために重要です。各列から、法律上認められる休みと、会社制度に委ねられる部分の違いを読み取ってください。

項目基本的な扱い注意点
仕事に必要な休み裁判員の職務に必要な時間を請求した場合、使用者は拒めないとされています。裁判員として休んだことを理由に解雇などの不利益な扱いをすることは禁止されています。
有給・無給裁判員休暇を有給にするか無給にするか、特別休暇制度を設けるかは企業の判断です。就業規則や社内規程を確認します。
会社への報告休暇取得や勤務調整のため、必要な範囲で上司・人事・同僚に話すことは問題ないとされています。不特定多数に知らせる状態やSNS投稿は避けます。
証明書出頭や職務従事について、裁判所から証明を受けられる場合があります。勤務先の手続に必要な場合は、裁判所の案内に従って申し出ます。
日当裁判員候補者・選任予定裁判員は1日8450円以内、裁判員・補充裁判員は1日1万500円以内で決められると説明されています。時間に応じて決められ、給与の補償そのものではありません。
旅費・宿泊料裁判所へ行った場合には旅費が支払われ、宿泊が必要と認められる場合は宿泊料も支払われます。実費と完全に一致するとは限らず、原則として経済的な経路・交通手段で計算されます。

次の重要ポイントは、支払と会社対応の実務をまとめたものです。制度上の支払はあるものの、仕事を休んだ分の全額補填ではないため重要です。ここでは、振込時期や経路計算、会社制度の確認が必要なことを読み取ってください。

日当・旅費は支払われますが、実費や給与と同じとは限りません

旅費や日当などは原則として本人名義の預貯金口座へ振り込まれ、選任手続の日または裁判の最終日から約1週間から10日程度が目安とされています。

裁判員裁判の日程は事件によって異なりますが、裁判所の資料では、裁判員が裁判手続に参加した日数は多くの事件で7日前後、丸1日かかる日でも実際の審理や評議は1日5〜6時間程度と説明されています。仕事や家庭の調整では、この日数と時間の目安を確認しつつ、最終的には届いた書面の日程を優先してください。

交通費は、会社へ立ち寄るために迂回した場合でも、自宅から裁判所へ直接行く経路で計算されるとされています。自家用車で行く場合の扱いもありますが、駐車場に限りがあるため、なるべく公共交通機関の利用が求められます。

Section 08

守秘義務とSNSで話してよいこと・いけないこと

公表禁止、会社・家族への共有、評議の秘密を分けて理解します。

裁判員や候補者であることを公にすること、評議の秘密を漏らすことは、裁判の公正と候補者の安全に関わる重要な問題です。次の比較表は、話してよい範囲と避けるべき範囲を整理しています。各行から、必要な相談のための共有と、不特定多数への公表の違いを読み取ってください。

場面一般的な扱い注意点
候補者・裁判員であることSNS、ブログ、ウェブサイトなどで不特定多数が知り得る状態にすることは禁止される場合があります。通知書や呼出状の写真投稿は避けます。本人の同意があっても第三者の投稿が問題になることがあります。
会社・家族への相談休暇取得、勤務調整、育児・介護の相談のため、必要な範囲で話すことは問題ないとされています。話す相手を必要最小限にし、事件内容や評議内容を不用意に話さないようにします。
評議の秘密誰がどの意見を述べたか、賛否の人数、評決の多数決の人数などは漏らしてはいけません。裁判終了後も守秘義務が残ります。
職務上知った秘密記録から知った被害者など事件関係者のプライバシー、他の裁判員の氏名などが含まれます。公開法廷で見聞きしたことと、非公開の情報を慎重に区別します。
一般的な感想公開法廷で見聞きしたことや、裁判員として参加した一般的な感想は基本的に話せる場合があります。不安があれば、話さない、または裁判所に確認します。

次の一覧は、裁判員の安全確保とプライバシー保護に関する仕組みを整理しています。重大事件に参加する不安を理解するうえで重要です。ここでは、接触禁止、氏名・住所の非公開、裁判所内の動線配慮などを読み取ってください。

事件関係者の接触禁止

事件に関して裁判員に接触することは禁止され、頼み事や脅しには刑罰が科される場合があります。

個人情報の管理

裁判員の名前や住所は公にされず、裁判所が個人情報を厳重に管理します。

裁判所内の配慮

法廷や評議室への移動時に事件関係者等と接触しないよう、部屋の配置や警備が工夫されます。

例外的な事件

事件関係者から危害を加えられるおそれがある例外的な事件では、裁判官のみで審理することもあります。

公開の法廷で審理に参加する以上、裁判員が完全に顔を見せずに裁判を行うことはできません。一方で、氏名・住所等の個人情報は公にされない仕組みがあり、接触や働きかけを防ぐ法的ルールも整備されています。

Section 09

裁判官・検察官・弁護人と法律知識への不安

裁判員は助言を受けながら、証拠と常識に基づいて意見を述べます。

裁判員に選ばれた人の多くは、法律を知らないのに有罪・無罪や刑を判断してよいのかと悩みます。次の一覧は、裁判官、検察官、弁護人の役割と、裁判員との関わりを整理しています。各項目から、裁判員自身が弁護士に事件判断を相談する制度ではなく、法廷と評議の中で判断する仕組みであることを読み取ってください。

裁判官

手続を進行し法律を説明

公判を進行し、法律上の説明を行い、裁判員とともに評議・評決に参加します。評議では論点整理や発言機会の確保にも配慮します。

検察官

犯罪事実を立証する側

起訴状に書かれた事実が証拠により認められること、有罪の場合にどのような刑が相当かを主張・立証します。

弁護人

被告人の防御権を支える側

無罪主張や量刑上の事情について、被告人に有利な事情、反省、更生環境、被害弁償、家族の支援などを主張することがあります。

次の重要ポイントは、法律知識への不安を整理するものです。裁判員には法律専門家のような条文暗記が求められるわけではないため重要です。ここでは、裁判官の説明を受けながら、法廷の証拠と社会生活上の経験に照らして考えることを読み取ってください。

法律知識の事前学習より、証拠に基づく慎重な判断が大切です

有罪・無罪判断の前提として法律知識が必要な場合は、裁判官から分かりやすく説明されます。疑問が残る場合は、その疑問を評議で率直に述べることが重要です。

裁判員裁判における弁護士の役割は、裁判員に助言することではなく、被告人の弁護を担うことです。裁判員としての手続や義務に関する疑問は、まず裁判所に確認します。一方、勤務先から不利益扱いを受けた、守秘義務やSNS投稿に関して法的リスクがある、事件関係者から接触を受けたなど、制度の周辺で個別の法的問題が生じた場合には、弁護士等への相談が選択肢となります。

Section 10

裁判員候補者・裁判員がしてはいけないこと

無断欠席、虚偽回答、SNS公表、秘密漏えいを避けます。

不安があるときに最も避けるべきなのは、放置、虚偽回答、SNS投稿、秘密漏えいです。次の比較表は、特に避けるべき行為と理由を整理しています。各行から、なぜ問題になるのか、どの利益を守るためのルールなのかを読み取ってください。

避けるべき行為理由安全な対応
正当な理由なく選任手続期日に行かない呼出状に基づく出頭義務があり、10万円以下の過料に処せられることがあります。事情がある場合は、書面の連絡先へ速やかに連絡します。
質問票や選任手続でうそをつく過料や罰金の対象となることがあります。分からないことは確認中と伝え、事実に基づいて説明します。
SNS等で候補者・裁判員であることを公表する接触・働きかけの防止、プライバシー保護のため法律上禁止される場合があります。必要な相手にだけ、必要な範囲で共有します。
評議の秘密や職務上知った秘密を漏らす裁判の公正、自由な評議、関係者のプライバシー保護に反します。公開法廷の内容と秘密情報を区別し、不安があれば話さないか裁判所へ確認します。

次の比較表は、通知が届いたときから裁判員に選ばれた後までの実務確認事項をまとめたものです。段階ごとにやることを分けると、漏れや不安を減らせるため重要です。各行から、届いた書類、持ち物、連絡、守秘義務のどれを確認すべきかを読み取ってください。

場面確認すること目的
名簿記載通知裁判員に決定した通知ではないこと、調査票、辞退事由、SNS投稿をしないこと。過度な不安と不適切な公表を避けます。
質問票裁判所へ行く日時、場所、返信期限、健康・仕事・育児・介護などの支障。正確な回答と辞退申出の機会を逃さないためです。
選任手続期日呼出状、本人確認書類、筆記具、必要書類、振込先情報、携帯電話や持込制限。当日慌てず、質問に正確に答えるためです。
選任後裁判官の説明、証拠に基づく判断、評議での発言、守秘義務、心身の不調時の連絡。一人で抱え込まず、手続に沿って参加するためです。
Section 11

裁判員に選ばれたらどんなことをするのかFAQ

一般的な制度説明として、よくある不安を整理します。

Q1. 名簿記載通知が届いたら、必ず裁判所へ行くのですか。

一般的には、名簿記載通知は翌年に裁判員になる可能性があることを知らせる通知であり、届いた段階ですぐ裁判所へ行く必要はありません。具体的事件で候補者に選ばれた場合に、選任手続期日のお知らせと質問票が送られます。

Q2. 裁判員に選ばれる確率は高いのですか。

一般的には、全国の事件数や地域、年度によって変動します。名簿に載ったとしても、実際に具体的事件で呼ばれ、さらに裁判員に選任される人はその一部です。厳密な統計は裁判所の公表資料で確認する必要があります。

Q3. 法律の知識がありません。事前に勉強すべきですか。

一般的には、法律知識や事前の勉強は必要ないとされています。裁判員に選ばれた人には、裁判官から裁判手続、権限、義務等について説明があり、審理中も必要に応じて説明を受けられます。

Q4. 会社に通知を見せてもよいですか。

一般的には、休暇取得や勤務調整のため、必要に応じて会社の上司・同僚・人事担当者に話したり、裁判所から送付された書類を見せたりすることは問題ないとされています。ただし、SNSやブログなど不特定多数に公表することは避ける必要があります。

Q5. 仕事が忙しいので辞退できますか。

一般的には、単に忙しいというだけでは辞退は難しいと考えられます。ただし、事業上の重要な用務を本人が処理しなければ著しい損害が生じるおそれがある場合などは、辞退を申し出る余地があります。具体的事情は、質問票や選任手続で説明する必要があります。

Q6. 裁判員の期間中、自宅に帰れますか。

一般的には、裁判が1日で終わらない場合でも、裁判員制度では自宅に帰ることができると説明されています。ただし、日程や集合時刻などは事件ごとに異なるため、担当裁判所の案内を確認してください。

Q7. 判決に自分の名前が載りますか。

一般的には、裁判員裁判の判決書は裁判官が作成し、裁判官のみが署名・押印します。裁判員が署名・押印することはなく、判決書に裁判員の氏名が記載されることもありません。

Q8. 裁判が終わった後、感想を話してもよいですか。

一般的には、公開の法廷で見聞きしたことや裁判員として参加した一般的な感想を話すことは問題ない場合があります。ただし、評議の経過、誰がどの意見を述べたか、評決の人数、記録から知った事件関係者のプライバシーなどは守秘義務の対象です。

Q9. 裁判員に選ばれたことで会社から不利益を受けた場合はどうすればよいですか。

一般的には、裁判員として仕事を休んだことを理由に解雇などの不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。まずは社内窓口に相談し、必要に応じて労働基準監督署、総合労働相談コーナー、弁護士等の専門家へ相談することが考えられます。

Q10. 家族が裁判員になったことをSNSに投稿してもよいですか。

一般的には、裁判員や候補者であることを公にすることは法律上禁止される場合があります。本人の同意がある場合でも第三者による公表が問題になる場面があるため、SNS投稿は避ける必要があります。

Section 12

裁判員に選ばれたら書類確認・正確な回答・証拠に基づく判断が基本

一人で背負う制度ではなく、裁判官の説明を受けながら参加します。

裁判員に選ばれたらどんなことをするのか具体的な流れは、名簿記載通知で翌年の候補者になる可能性を知らされ、具体的な事件ごとに呼出しを受け、裁判所の選任手続で裁判員6人が選ばれ、選ばれた人は裁判官と一緒に公判・評議・評決・判決宣告に参加する、という順番で整理できます。

次の重要ポイントは、手続全体を通じて大切な三つの姿勢をまとめたものです。初めての通知や参加で不安になったときに立ち戻る軸として重要です。ここでは、書類確認、正確な回答、証拠に基づく判断を読み取ってください。

届いた書類を読み、事情を正確に伝え、法廷の証拠に基づいて考えます

裁判員制度は、法律専門家だけではなく、社会で生活する一般の人の感覚を刑事裁判に反映させるための制度です。責任は軽くありませんが、一人で背負う制度でもありません。

名簿記載通知、調査票、選任手続期日のお知らせ、質問票はそれぞれ意味が異なります。健康、仕事、育児・介護、遠隔地居住などの事情は正確に説明し、裁判員に選ばれた後は、裁判官の説明を受けながら、証拠と常識に基づいて意見を述べる役割を担います。分からないことや不安があるときは、裁判所に確認し、必要に応じて公的機関や専門家へ相談しながら、落ち着いて手続を進めることが重要です。

Reference

この記事の参考情報源

裁判所資料

  • 裁判所「裁判員の選ばれ方」
  • 裁判所「裁判員制度Q&A」
  • 裁判所「裁判員の選任資格に関する法改正について」
  • 裁判所「裁判員や裁判員候補者であることを公にすることは法律上禁止されていますので、ご注意ください」
  • 裁判所「裁判員制度の実施状況等に関する資料」

法令・労務関連資料

  • e-Gov法令検索「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」
  • e-Gov法令検索「労働基準法」第7条
  • 厚生労働省関係資料「従業員が裁判員等に選ばれた場合の質問整理」