2σ Guide

遺言書を弁護士に
作成依頼する
費用と流れ

相談料、遺言書作成料、公証人手数料、証人費用、実費、死亡後の遺言執行者報酬まで分けて整理し、初回相談から作成後の見直しまでの進め方を確認します。

10万から20万円台 定型的な作成料の一例
1万3000円 1億円以下の遺言加算
3,900円 法務局保管申請手数料
本ページは株式会社Dプロフェッションズ(医師/医療機関/弁護士/弁護士法人ではありません)が運営しています。
一般的な情報提供を目的としており医療上の助言や法律相談等を行うものではありません。
広告(PR)を掲載しています。広告は編集内容や推奨を意味しません。
Video

遺言書を弁護士に 作成依頼する 費用と流れ

最初に、見積りで混同しやすい費目を分けて確認します。

動画を読み込み中…
2σ GUIDE ・ VIDEO
遺言書を弁護士に 作成依頼する 費用と流れ
最初に、見積りで混同しやすい費目を分けて確認します。
動画の文字起こし(全文テキスト)

2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 遺言書を弁護士に 作成依頼する 費用と流れ
  • 最初に、見積りで混同しやすい費目を分けて確認します。

POINT 1

  • 遺言書を弁護士に依頼する費用の全体像
  • 最初に、見積りで混同しやすい費目を分けて確認します。

POINT 2

  • 遺言書を弁護士に依頼する前に知る用語
  • 遺言書、公証人、遺言執行者の役割を分けて理解します。
  • 弁護士の役割
  • 公証人の役割
  • 遺言執行者の役割

POINT 3

  • 遺言書の弁護士費用は固定基準では決まらない
  • 相談料、作成料、定額型、時間制の違いを確認します。
  • 2004年4月1日以降は個別見積りが基本
  • 相談料と作成料は分けて考える
  • 現在の弁護士費用は、全国一律の報酬基準で機械的に決まるものではありません。

POINT 4

  • 公正証書遺言の公証人手数料と計算例
  • 弁護士費用とは別に、公証役場へ支払う法定手数料があります。
  • 妻に全財産5,000万円を相続させる場合
  • 妻6,000万円、長男4,000万円の場合
  • 公正証書遺言を作成する場合、弁護士費用とは別に公証役場へ公証人手数料を支払います。

POINT 5

  • 自筆証書遺言を弁護士に支援してもらう費用
  • 本人が書く方式でも、設計・助言・形式確認の支援を受けられます。
  • 自筆証書遺言は、遺言者本人が作成する遺言です。
  • 弁護士が全文を代筆して、それを本人の自筆証書遺言にすることはできません。
  • 弁護士ができるのは、本人が有効な遺言を書けるように設計、助言、確認する支援です。

POINT 6

  • 遺言書を弁護士に依頼する流れ
  • 1. 初回相談の予約:家族構成、主な財産、急ぎかどうかを伝えます。
  • 2. 資料整理と方針確認:相続人、財産、希望内容、紛争可能性を確認します。
  • 3. 方式を選ぶ:公正証書遺言、自筆証書遺言、法務局保管制度のどれを使うか検討します。
  • 4. 公証役場と調整:案文、証人、日時、手数料、本人確認資料を整えます。
  • 5. 本人が自書:自書範囲、日付、署名、押印、訂正方法を確認します。

POINT 7

  • 遺言書の弁護士費用シミュレーション
  • 公正証書遺言、自筆証書遺言、事業承継で費用の見え方が変わります。
  • 以下の金額は、理解のための概算モデルです。
  • 実際の費用は、依頼先、公証役場、地域、財産内容、業務範囲により異なります。
  • 相続人が近い親族に限られ、財産内容が標準的でも、公証人手数料、証人費用、実費が別に乗ることを読み取る必要があります。

POINT 8

  • 遺言書を弁護士に依頼するメリットと注意点
  • 遺留分
  • 遺留分を無視した遺言書は当然に無効となるわけではありませんが、死亡後に 遺留分侵害額請求が行われる可能性があります。
  • 認知症・判断能力
  • 高齢、認知症、入院、精神疾患、薬の影響があると、後日遺言能力が争われることがあります。

まとめ

  • 遺言書を弁護士に 作成依頼する 費用と流れ
  • 遺言書を弁護士に依頼する費用の全体像:最初に、見積りで混同しやすい費目を分けて確認します。
  • 遺言書を弁護士に依頼する前に知る用語:遺言書、公証人、遺言執行者の役割を分けて理解します。
  • 遺言書の弁護士費用は固定基準では決まらない:相談料、作成料、定額型、時間制の違いを確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

遺言書を弁護士に依頼する費用の全体像

最初に、見積りで混同しやすい費目を分けて確認します。

遺言書を弁護士に作成してもらう場合、費用は一つの金額だけで決まるものではありません。弁護士に支払う相談料・作成料、公正証書遺言で公証役場へ支払う手数料、証人費用、戸籍や登記事項証明書などの実費、死亡後に発生する遺言執行者報酬を分けて考える必要があります。

次の比較表は、遺言書作成で発生しやすい費目を、支払先や発生時期が分かるように整理したものです。読者にとって重要なのは、作成時に支払う費用と死亡後に発生する費用を分けて読み取り、見積りの範囲を確認できるようにすることです。

費目内容目安・考え方
法律相談料初回相談・継続相談の費用30分または1時間単位で設定されることが多く、無料相談を行う事務所もあります。
遺言書作成料事情聴取、法的検討、文案作成の費用定型的な内容か、複雑な内容かで大きく変わります。定型的な公正証書遺言では10万円・20万円という例もあります。
公証人手数料公正証書遺言を作る場合に公証役場へ支払う法定手数料財産を受ける人ごとの価額を基準に計算し、総額1億円以下では遺言加算1万3000円が加わります。
証人費用公正証書遺言に必要な証人2名の費用弁護士や公証役場側で手配する場合に日当が発生することがあります。
実費戸籍、住民票、登記事項証明書、評価証明書、郵送費、交通費など数千円から数万円程度になりやすく、不動産・会社株式・海外財産があると増えることがあります。
遺言執行者報酬死亡後に遺言内容を実現する業務の費用遺言書作成料とは別に考えます。遺産額、財産の種類、相続人の数、争いの有無で変わります。
関連専門家費用税理士、司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士などの費用相続税、相続登記、不動産評価、事業承継が関係する場合に発生し得ます。
結論見積りでは、弁護士に支払う作成料、公証役場へ支払う手数料、死亡後の遺言執行者報酬を分けて確認することが大切です。何が作成料に含まれ、何が別費用になるかを早い段階で確認します。

見積りで確認する3つの軸

  1. 弁護士に支払う作成料に、資料確認、公証役場調整、文案修正、当日立会いが含まれるか。
  2. 公正証書遺言にする場合、公証人手数料、正本・謄本等の交付費用、証人費用が別か。
  3. 弁護士を遺言執行者に指定する場合、死亡後の報酬をどのように計算するか。
Section 01

遺言書を弁護士に依頼する前に知る用語

遺言書、公証人、遺言執行者の役割を分けて理解します。

遺言書とは、死亡後の財産承継や一定の身分関係上の事項について、遺言者の最終意思を法律上有効な形で残す文書です。民法は遺言の方式を厳格に定めており、方式に違反すると、意思が明らかでも法的には無効となる可能性があります。

次の比較表は、民法上の普通方式の遺言を、作成方法と実務上の位置づけで整理したものです。遺言方式ごとに費用、手間、安全性が変わるため、どの方式を選ぶかを検討するときは、形式面の違いと死亡後の手続を読み取ることが重要です。

種類概要実務上の位置づけ
自筆証書遺言遺言者が本文等を自書し、日付・氏名を書き、押印する方式です。財産目録は一定条件で自書以外も可能です。費用を抑えやすい一方、方式違反、内容不明確、紛失、発見されないリスクがあります。法務局保管制度を使うと安全性が高まります。
公正証書遺言公証人が関与し、証人2名以上の立会いのもとで作成する方式です。形式面の安全性が高く、検認不要です。弁護士が関与する遺言書作成では、最終的にこの方式が選ばれることが多いです。
秘密証書遺言内容を秘密にしつつ、公証人と証人の関与で遺言書の存在を証明する方式です。現在の実務では利用頻度は低めです。内容の有効性までは公証人が確認しないため、専門家の検討が重要です。

次の役割一覧は、弁護士、公証人、遺言執行者が担当する場面を分けて示しています。遺言書作成では複数の専門的役割が関係するため、誰が何をしてくれるのかを読み取ることで、費用の見積りや依頼範囲を確認しやすくなります。

Lawyer

弁護士の役割

遺言者の意思を法律上実現しやすい条項に翻訳し、相続人、財産、債務、遺留分、税務、登記、紛争可能性を確認します。公証役場との事前調整や、死亡後を見据えた遺言執行者の設計も関係します。

Notary

公証人の役割

公正証書を作成する公的立場の専門職です。公正証書遺言では本人から内容を確認し、法律上の方式に従って証書を作成します。中立的な立場であり、特定の相続人側の交渉方針を立てる役割とは異なります。

Executor

遺言執行者の役割

遺言者の死亡後、預貯金の解約、財産分配、不動産登記に関する連携、株式や投資信託の手続、遺贈の履行などを担います。報酬は作成料とは別に定められるのが通常です。

弁護士に相談する意義が大きい場面

  • 相続人の不仲、疎遠、過去の紛争がある。
  • 前婚の子、認知した子、養子、内縁配偶者、世話をしてくれた人が関係する。
  • 特定の相続人に多く残したい、または相続させたくない相続人がいる。
  • 会社株式、収益不動産、農地、借地権、共有不動産、海外財産がある。
  • 遺留分侵害額請求認知症、判断能力、入院、施設入所が問題になり得る。
Section 02

遺言書の弁護士費用は固定基準では決まらない

相談料、作成料、定額型、時間制の違いを確認します。

現在の弁護士費用は、全国一律の報酬基準で機械的に決まるものではありません。2004年4月1日以降、弁護士会の報酬基準は廃止され、各弁護士・各事務所が報酬基準に基づいて依頼者と協議し、報酬を定める仕組みになっています。

次の強調表示は、費用を考える前提となる制度変更を示しています。弁護士費用を比較するときは、過去の報酬基準ではなく、現在の個別見積り、業務範囲、追加費用の条件を読み取ることが重要です。

2004年4月1日以降は個別見積りが基本

遺言書の種類、財産規模、相続人の数、紛争可能性、業務範囲、緊急性、他士業連携の有無によって費用が変わります。

相談料と作成料は分けて考える

遺言書作成の入り口は法律相談です。家族関係、財産内容、希望する分け方、不安点、相続人間の関係性、税務上の懸念などを整理します。法律相談料は30分または1時間単位で設定されることが多く、初回無料の場合でも時間、相談範囲、資料確認の深さに制限があることがあります。

次の比較表は、遺言書作成料の目安を事案の複雑さごとに整理したものです。金額は一律の基準ではないため、読者は自分の家族関係、財産内容、紛争可能性がどの段に近いかを読み取り、見積りの前提を確認する材料にします。

事案類型内容弁護士作成料の考え方
定型的・簡易な遺言相続人が少なく、財産が預貯金・自宅程度で、分け方も明確な場合10万円台から20万円台程度が一つの目安になりやすいですが、事務所により異なります。
標準的な公正証書遺言不動産、預貯金、有価証券があり、遺留分や二次相続も検討する場合20万円台から40万円台程度になることがあります。資料収集や公証役場調整を含むか確認が必要です。
複雑な遺言会社株式、事業承継、収益不動産、相続人多数、前婚の子、紛争可能性がある場合50万円以上、場合によっては100万円以上となることもあります。時間制を併用することもあります。
緊急・病床対応入院中、判断能力低下の懸念、短期間で公正証書化が必要な場合通常費用に加え、出張日当、緊急対応費、公証人出張費などが発生し得ます。

次の比較表は、定額型と時間制の違いを、向いている事案と確認点で整理したものです。費用の予測しやすさと追加費用の発生しやすさが変わるため、どちらの方式か、上限や中間報告があるかを読み取ることが重要です。

方式内容向いている事案確認点
定額型遺言書作成一式として一定額を定める方式です。内容が比較的定型的で、作業量を見積もりやすい事案です。打合せ回数、文案修正回数、公証役場調整、証人手配、当日立会いが含まれるか確認します。
時間制作業時間に単価を乗じて計算する方式です。事業承継、複雑な財産評価、多数回の打合せ、税理士・司法書士連携が必要な事案です。費用総額の上限、中間報告の方法、想定時間、追加作業の扱いを確認します。
確認相続税や登記の相談は、弁護士の作成料に当然含まれるとは限りません。税理士、司法書士、不動産鑑定士などの費用が別になるかを確認します。
Section 03

公正証書遺言の公証人手数料と計算例

弁護士費用とは別に、公証役場へ支払う法定手数料があります。

公正証書遺言を作成する場合、弁護士費用とは別に公証役場へ公証人手数料を支払います。公証人手数料は、公証人手数料令で定められており、原則として、遺言で財産を受ける人ごとに、その人が取得する財産価額を基準に算定します。

次の比較表は、公正証書遺言の目的価額に応じた基本手数料を整理したものです。遺産総額を一括で見るのではなく、受け取る人ごとにどの段へ当てはまるかを読み取ることが、実際の手数料計算で重要になります。

目的の価額手数料
50万円以下3,000円
50万円超100万円以下5,000円
100万円超200万円以下7,000円
200万円超500万円以下13,000円
500万円超1,000万円以下20,000円
1,000万円超3,000万円以下26,000円
3,000万円超5,000万円以下33,000円
5,000万円超1億円以下49,000円
1億円超3億円以下49,000円に、超過額5,000万円までごとに15,000円を加算
3億円超10億円以下109,000円に、超過額5,000万円までごとに13,000円を加算
10億円超291,000円に、超過額5,000万円までごとに9,000円を加算

次の計算例は、同じ公正証書遺言でも、誰がいくら取得するかによって手数料が変わることを示しています。金額の違いを比較することで、受益者ごとに計算するという仕組みを読み取れます。

Example A

妻に全財産5,000万円を相続させる場合

5,000万円は「3,000万円超5,000万円以下」に当たり、基本手数料は33,000円です。目的価額の合計が1億円以下なので、遺言加算13,000円が加わり、基本的な作成手数料部分は46,000円となります。

Example B

妻6,000万円、長男4,000万円の場合

妻分は49,000円、長男分は33,000円で合計82,000円です。さらに遺言加算13,000円が加わり、基本的な作成手数料部分は95,000円となります。

出張作成の場合は、通常の手数料に追加費用が生じます。遺言者が病気、高齢、入院、施設入所などにより公証役場へ出向けない場合は、公証人が病院、自宅、老人ホーム、介護施設等に出張して作成することがあります。

出張病床や施設で作成する場合、目的価額による手数料が加算されることがあり、公証人の日当は1日2万円、4時間以内の場合は1万円と説明されています。交通費や弁護士の同行日当が別に発生することもあります。

2025年10月1日以降、公正証書作成手続はデジタル化され、法務大臣が指定する公証人が作成する公正証書は原則として電磁的記録で作成されることになりました。一定の要件を満たし、公証人が相当と認める場合には、ウェブ会議を利用した方式も可能です。ただし、遺言は本人の真意と判断能力確認が特に重要なため、利用可否は慎重に判断されます。

Section 04

自筆証書遺言を弁護士に支援してもらう費用

本人が書く方式でも、設計・助言・形式確認の支援を受けられます。

自筆証書遺言は、遺言者本人が作成する遺言です。弁護士が全文を代筆して、それを本人の自筆証書遺言にすることはできません。弁護士ができるのは、本人が有効な遺言を書けるように設計、助言、確認する支援です。

次の一覧は、自筆証書遺言で弁護士が支援し得る作業を、相談から完成後の確認までの順番で整理したものです。本人が書く方式でも支援範囲が広いことを読み取り、見積りに何が含まれるかを確認することが重要です。

1

内容設計

遺言内容のヒアリング、相続関係・財産関係の整理、遺留分リスクの説明を行います。

設計
2

文案と自書範囲の助言

文案の作成または助言、自書すべき範囲、日付、署名、押印、訂正方法を確認します。

形式
3

法務局保管制度の利用支援

保管申請の流れや必要書類を整理し、完成した遺言書の形式確認を支援します。

保管

法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用すると、法務局で自筆証書遺言を保管してもらえます。保管の申請手数料は1件3,900円です。相続開始後に関係相続人等が請求する遺言書情報証明書は1通1,400円、遺言書保管事実証明書は1通800円とされています。法務局で保管されている自筆証書遺言について交付される遺言書情報証明書は、家庭裁判所の検認が不要です。

次の比較表は、自筆証書遺言のメリットとデメリットを観点別に整理したものです。公証人手数料を抑えられる一方、形式ミスや内容面の審査不足が残るため、費用の安さだけでなく死亡後の安全性を読み取る必要があります。

観点メリットデメリット
費用公証人手数料が不要です。法務局保管制度を使っても保管申請は3,900円です。弁護士による設計・確認を依頼すれば作成支援費用がかかります。
手軽さ自分で作成できます。全文自書が原則で、形式ミスが無効につながりやすいです。
秘密性内容を他人に見せず作成しやすいです。秘密にしすぎると死亡後に発見されない可能性があります。
安全性法務局保管制度を使えば紛失・改ざんリスクが下がります。法務局は遺言内容の法的妥当性までは審査しません。
死亡後手続法務局保管制度利用時は検認不要です。保管制度を使わない自筆証書遺言は検認が必要です。
考え方自筆証書遺言は費用を抑えたい場合に有力です。ただし、遺留分、相続税、不動産の共有、代償金、予備的条項が関係する場合、安く作った遺言が後の紛争コストを増やすことがあります。
Section 05

遺言書を弁護士に依頼する流れ

相談予約から保管・見直しまで、手順を段階ごとに整理します。

遺言書を弁護士に作成してもらう場合は、初回相談、資料整理、見積り・委任契約、相続人・財産調査、文案作成、公証役場調整または自筆証書作成支援、作成当日、保管、見直しという順序で進みます。

次の判断の流れは、依頼前から作成後までの大きな分岐を示しています。どの段階で方式選択、見積り確認、専門家連携が必要になるかを読み取ることで、準備不足による手戻りを避けやすくなります。

遺言書作成の進め方

初回相談の予約

家族構成、主な財産、急ぎかどうかを伝えます。

資料整理と方針確認

相続人、財産、希望内容、紛争可能性を確認します。

方式を選ぶ

公正証書遺言、自筆証書遺言、法務局保管制度のどれを使うか検討します。

公正証書
公証役場と調整

案文、証人、日時、手数料、本人確認資料を整えます。

自筆証書
本人が自書

自書範囲、日付、署名、押印、訂正方法を確認します。

次の時系列は、実務上よく出てくる工程を順番に並べたものです。各段階で何を確認するかを読み取ることで、相談前の準備、契約前の費用確認、作成後の保管・見直しまで抜け漏れを減らせます。

Step 1

初回相談の予約

電話、メール、問い合わせフォームで、遺言書作成希望、方式の希望、家族構成、主な財産、急ぎかどうか、本人が相談に来られるかを伝えます。

Step 2

相談前の資料整理

配偶者・子・前婚の子・養子の有無、預貯金、不動産、株式、生命保険、債務、誰に何を残したいかをメモにします。

Step 3

初回相談と方針確認

本人意思、判断能力、相続人の範囲、財産概要、遺留分、相続税、不動産登記、遺言執行者の必要性を確認します。

Step 4

見積りと委任契約

作成料、公正証書対応、証人手配、実費、出張日当、修正回数、他士業連携、死亡後の執行報酬を確認します。

Step 5

相続人調査と財産調査

戸籍で相続人を確認し、登記事項証明書、固定資産評価証明書、通帳、証券資料、保険証券、株主名簿、債務資料などを整理します。

Step 6

遺言内容の設計

誰に何を渡すかだけでなく、不動産共有、遺留分の支払原資、受遺者の先死亡に備える予備的条項、二次相続を検討します。

Step 7

文案作成

財産の特定、相続させる・遺贈する表現、残余財産条項、予備的条項、遺言執行者の権限、付言事項を整えます。

Step 8

公証役場との調整

公正証書遺言では、案文確認、必要資料提出、手数料見積り、証人2名、作成日時、出張作成、本人確認資料を調整します。

Step 9

作成当日

本人確認、意思確認、内容の読み上げまたは確認、遺言者・証人の確認、署名・押印または電子サイン等、作成完了、正本・謄本等の交付へ進みます。

Step 10

保管と家族への伝え方

公正証書遺言は公証役場または日本公証人連合会のシステム上で保存されます。自筆証書遺言は法務局保管制度や信頼できる保管場所を検討します。

Step 11

定期的な見直し

結婚、離婚、再婚、出生、受遺者の死亡、財産構成の変化、不動産の売却、税制改正、法改正、遺言執行者候補の事情変更があれば見直します。

次の比較表は、見積り・委任契約の段階で確認する項目を理由とともに整理したものです。費用トラブルを避けるには、金額だけでなく、どの作業が含まれ、どの作業が別料金になるかを読み取ることが重要です。

確認項目確認する理由
遺言書作成料基本費用を把握するためです。
公正証書遺言対応の有無公証役場との調整、案文送付、当日立会いが含まれるか確認するためです。
証人手配費用公正証書遺言には証人2名が必要なためです。
実費戸籍、住民票、登記事項証明書、郵送費、交通費などの負担者を確認するためです。
出張日当高齢、病気、施設入所の場合に必要となることがあるためです。
修正回数追加修正が有料になるか確認するためです。
税理士・司法書士連携費用税務や登記は別専門家費用になることがあるためです。
遺言執行者報酬死亡後の費用を把握するためです。
解約時の清算方法途中で依頼をやめる場合の費用を把握するためです。
Section 06

遺言書の弁護士費用シミュレーション

公正証書遺言、自筆証書遺言、事業承継で費用の見え方が変わります。

以下の金額は、理解のための概算モデルです。実際の費用は、依頼先、公証役場、地域、財産内容、業務範囲により異なります。

次の比較表は、比較的シンプルな公正証書遺言の費用モデルを整理したものです。相続人が近い親族に限られ、財産内容が標準的でも、公証人手数料、証人費用、実費が別に乗ることを読み取る必要があります。

ケースAの前提内容
遺言者・相続人70代、妻、子2人
財産と希望自宅不動産3,000万円、預貯金2,000万円。妻に自宅、預貯金は妻と子に分配。
費用イメージ相談料0円から2万円程度、作成料10万円から30万円程度、公証人手数料数万円から10万円程度、証人費用0円から数万円程度、実費数千円から2万円程度。合計15万円から45万円程度が一つの目安です。

次の比較表は、法務局保管制度を利用する自筆証書遺言の費用モデルを示しています。公証人手数料を抑えられる一方で、本人が書く方式であること、法務局が内容の法的妥当性までは審査しないことを読み取ることが重要です。

ケースBの前提内容
遺言者・相続人60代、子2人
財産と希望預貯金、上場株式。ほぼ均等に分けるが、介護してくれた長女に少し多く残したい。
費用イメージ相談料0円から2万円程度、作成支援・チェック料10万円から25万円程度、法務局保管申請手数料3,900円、実費数千円から1万円程度。合計10万円台から30万円程度が一つの目安です。

次の比較表は、事業承継を含む公正証書遺言の費用モデルを示しています。財産評価、税務、登記、会社経営の承継が絡むため、遺言書だけでなく周辺制度や他士業連携も含めて費用を読み取る必要があります。

ケースCの前提内容
遺言者・相続人会社経営者、配偶者、長男、長女
財産と希望自社株式、事業用不動産、預貯金、生命保険。長男に経営権を集中させ、長女には金融資産で配慮したい。
費用イメージ弁護士作成料は50万円から100万円以上となることがあります。公証人手数料は財産価額・受益者数により数万円から数十万円以上、税理士費用、司法書士費用、死亡後の遺言執行者報酬が別途発生し得ます。
複雑案件会社株式、種類株式、株主間契約、生命保険、贈与、民事信託、任意後見、死後事務委任、納税資金対策が関係する場合、遺言書だけで十分とは限りません。
Section 07

遺言書を弁護士に依頼するメリットと注意点

無効リスク、遺留分、判断能力、不動産、税務、登記まで見ておきます。

弁護士に依頼する最大の利点は、遺言者の希望を、死亡後に実行しやすい法律文書へ落とし込めることです。本人が亡くなった後は説明できないため、文言の曖昧さ、財産表示の誤り、相続人の漏れ、遺留分への無配慮は大きなリスクになります。

次の比較表は、弁護士に依頼する意味を観点別に整理したものです。どのリスクを下げられるのかを読み取り、費用を単なる文書作成料ではなく、将来の紛争予防コストとして評価することが重要です。

観点弁護士に依頼する意味
無効リスクの低減自筆証書遺言の方式、日付、署名押印、訂正方法、公正証書遺言の進め方を確認できます。
文言の明確化「任せる」「多めに渡す」など曖昧な表現を避け、財産、取得者、割合、条件を特定しやすくなります。
遺留分対策誰に遺留分があるか、侵害の可能性、支払原資、付言事項の要否を検討できます。
遺言執行の設計預貯金解約、不動産承継、遺贈、株式移転など、死亡後の手続まで見据えられます。
他士業連携相続税は税理士、不動産登記は司法書士など、必要に応じて連携しやすくなります。

次の注意点一覧は、遺言書作成で特に問題になりやすい論点をまとめたものです。どの論点も死亡後の争い、手続停止、追加費用につながるため、自分の状況に該当する項目があるかを読み取ることが大切です。

遺留分

遺留分を無視した遺言書は当然に無効となるわけではありませんが、死亡後に遺留分侵害額請求が行われる可能性があります。支払原資、生命保険、付言事項を検討します。

認知症・判断能力

高齢、認知症、入院、精神疾患、薬の影響があると、後日遺言能力が争われることがあります。作成時期、診断書、面談記録、公正証書化を検討します。

不動産の共有

兄弟姉妹で共有させる遺言は一見公平でも、売却、賃貸、修繕、建替え、管理費負担で対立しやすくなります。単独承継、代償金、売却清算を検討します。

預貯金口座の記載

口座番号まで細かく列挙すると、将来の解約や金融機関変更で記載と実際の財産が合わないことがあります。明確性と変動への柔軟性のバランスが必要です。

付言事項

家族への思いや理由を記載できますが、通常は財産分配のような法的拘束力はありません。強い非難を書きすぎると紛争を激化させることがあります。

相続税

基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。正味の遺産額が基礎控除額を超える場合、申告・納税が必要となる可能性があります。期限は原則として、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内とされています。

相続登記

不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をする必要があります。不動産表示が不正確だと登記で補正や追加資料が必要になることがあります。

限界弁護士だけで相続対策のすべてが完結するとは限りません。相続税申告は税理士、不動産登記は司法書士、不動産評価は不動産鑑定士、境界・表示登記は土地家屋調査士の専門領域です。
Section 08

遺言書作成を依頼する弁護士の選び方とチェックリスト

相続・遺言の経験、費用説明、本人意思の確認姿勢を見ます。

遺言書作成は、民法の知識だけでなく、家族関係、感情対立、税務、登記、金融機関実務、介護、事業承継を横断する分野です。依頼前には、取扱経験、費用説明、本人意思を尊重する姿勢、説明力を確認します。

次の一覧は、弁護士を選ぶときに確認したい観点を、初回相談で質問しやすい形に整理したものです。費用の安さだけではなく、死亡後の手続まで見据えられるかを読み取ることが重要です。

1

相続・遺言の取扱経験

公正証書遺言の作成支援、遺言執行者経験、遺留分を見据えた文案作成、不動産や会社株式がある案件の経験を確認します。

経験
2

費用説明の明確さ

相談料、作成料、公証役場費用、証人費用、実費、出張費、追加費用、遺言執行者報酬を説明してくれるかを確認します。

費用
3

本人意思を尊重する姿勢

同席した家族だけでなく遺言者本人の意思を確認し、必要に応じて本人と単独で面談する時間を設けるかを見ます。

本人意思
4

相性と説明力

専門用語ばかりで説明が分かりにくい、質問しにくい、急かされる、費用説明が曖昧と感じる場合は比較検討も選択肢になります。

説明

次の比較表は、相談前、見積り時、作成前に整理する項目を分けたものです。段階ごとに必要な情報が異なるため、いま何を準備すればよいかを読み取り、相談時間を有効に使います。

段階確認すること
相談前家族構成、相続人候補、財産一覧、不動産資料、預貯金・証券口座一覧、借入金・保証債務、誰に何を残したいか、争いになりそうな点、遺言執行者候補、質問事項を整理します。
見積り時作成料、公証役場費用、証人費用、戸籍取得代行、公証役場調整、当日立会い、出張費・日当、修正回数、税理士・司法書士費用、遺言執行者報酬、清算方法を確認します。
作成前本人意思、相続人の範囲、財産の記載、不動産表示、残余財産条項、予備的条項、遺留分、相続税・納税資金、遺言執行者、死亡後の連絡先、保管方法を確認します。
Section 09

遺言書の弁護士費用と依頼に関するFAQ

個別の結論は事情で変わるため、一般的な制度説明として確認します。

Q1. 遺言書は弁護士に依頼しないと作れませんか。

一般的には、法律上の要件を満たせば本人だけで自筆証書遺言を作成できるとされています。公正証書遺言も、公証役場へ相談して作ることは可能です。ただし、相続人間の争い、不動産や会社株式、特定の人に多く残す希望、遺留分や相続税が関係する場合は、個別事情によって検討事項が変わります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 公正証書遺言なら弁護士は不要ですか。

一般的には、公証人が関与するため方式面の安全性は高いとされています。ただし、公証人は中立的に公正証書を作成する立場です。相続紛争を見越した設計、遺留分対策、相続人間の対立への備え、遺言執行設計は、財産内容や家族関係によって判断が変わります。具体的には弁護士等の専門家に相談する必要があります。

Q3. 弁護士に依頼したら公正証書遺言にする必要がありますか。

一般的には、自筆証書遺言、法務局保管制度、公正証書遺言のいずれを選ぶかは、費用、緊急性、財産内容、紛争可能性、本人の体調などによって変わるとされています。紛争予防を重視する場合に公正証書遺言が選ばれることはありますが、個別事情により適した方式は異なります。具体的な方式選択は専門家へ相談する必要があります。

Q4. 公正証書遺言の証人は誰でもよいですか。

一般的には、公正証書遺言には証人2名以上の立会いが必要とされています。ただし、未成年者、推定相続人、受遺者、これらの配偶者・直系血族など、証人になれない人がいます。家族を証人にできるかは関係性で変わるため、具体的には公証役場や弁護士等へ確認する必要があります。

Q5. 弁護士費用はいつ支払いますか。

一般的には、委任契約時に着手時費用または作成料を支払い、実費は都度精算または終了時精算とされることがあります。ただし、支払時期や清算方法は依頼先の報酬基準や契約内容で変わります。遺言執行者報酬は死亡後の執行業務が発生した段階で遺産から支払う形で定められることが多いため、作成時費用とは分けて確認する必要があります。

Q6. 作成後に内容を変更できますか。

一般的には、遺言者が生存中で遺言能力を有していれば、遺言は変更・撤回できるとされています。ただし、古い遺言書との矛盾、保管場所、撤回条項の書き方によって混乱が生じる可能性があります。具体的な変更方法は、既存の遺言書と新しい希望内容を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。

Q7. 認知症になってからでも遺言書を作れますか。

一般的には、認知症の診断があることだけで直ちに遺言書が無効になるとは限らないとされています。問題は、遺言時に内容を理解し判断する能力があったかどうかです。ただし、後日争われやすいため、医師の診断書、公正証書遺言、面談記録などを検討する必要があります。具体的には医師や弁護士等へ相談する必要があります。

Q8. 葬儀や納骨の希望を書けば法的に拘束できますか。

一般的には、葬儀方法、納骨、供養、ペットの世話、家族へのメッセージなどは付言事項として記載できるとされています。ただし、財産承継条項と異なり、すべてが法的に強制できるわけではありません。法的拘束力が必要な事項は、死後事務委任契約、任意後見契約、民事信託などの併用を検討する場合があります。

Q9. 相続税対策も弁護士に頼めますか。

一般的には、弁護士は相続法や紛争予防を扱い、相続税申告や税額計算は税理士の専門領域とされています。弁護士が税理士資格を有している場合や税理士と連携している場合もありますが、相続税が見込まれる場合は、税理士を含めた専門家連携が必要になることがあります。

Q10. 遺言執行者は家族と弁護士のどちらがよいですか。

一般的には、家族を遺言執行者にすると費用を抑えやすい一方、相続人間で対立がある場合は中立性が問題になることがあります。弁護士を遺言執行者にすると専門的に進めやすい反面、報酬が発生します。紛争可能性、財産の複雑さ、相続人以外への遺贈の有無により結論は変わります。

Q11. 法テラスを利用できますか。

一般的には、経済的に余裕がない方は、法テラスの無料法律相談や弁護士・司法書士費用等の立替制度を利用できる可能性があります。利用には収入・資産などの要件があり、同一問題について無料相談は原則3回までとされています。ただし、遺言書作成そのものが対象になるか、どの範囲まで利用できるかは個別確認が必要です。

Q12. 相談だけで依頼しなくてもよいですか。

一般的には、法律相談を受けたからといって、直ちに正式依頼が必要になるわけではありません。相談後に見積りを確認し、複数の専門家と比較してから決めることもあります。ただし、相談内容、緊急性、本人の判断能力、資料の有無によって対応方針は変わるため、具体的な進め方は相談時に確認する必要があります。

Section 10

遺言書の方式を選ぶときの実務的な考え方

費用だけでなく、紛争予防と実行しやすさを合わせて考えます。

遺言書の方式は、安さだけで選ぶものではありません。本人が説明できない死亡後に効力を持つ文書であるため、作成時の費用、方式の安全性、相続人間の関係、財産の種類、執行のしやすさを合わせて検討します。

次の判断の流れは、公正証書遺言、自筆証書遺言+法務局保管制度、弁護士相談の必要性を整理したものです。自分の状況がどの分岐に近いかを読み取り、費用と安全性のバランスを考える材料にします。

方式選択の目安

相続人間の争いを避けたい・高齢で能力争いが心配

不動産、会社株式、遺贈、遺言執行者指定、検認回避も関係します。

公正証書遺言を検討

形式面の安全性が高く、死亡後の手続が進めやすくなります。

費用を抑えたい・内容が比較的シンプル

本人が文字を書け、法務局へ出頭でき、紛失や検認を避けたい場合です。

自筆証書遺言+法務局保管制度を検討

ただし、法務局は内容の法的妥当性までは審査しません。

複雑な事情がある場合は弁護士相談を検討

相続させたくない人、前婚の子、遺留分、不動産共有、家族からの圧力、会社経営、相続税、判断能力、死後手続の担い手不足がある場合です。

まとめ

遺言書を弁護士に作成してもらう場合の費用と依頼の流れを理解するには、まず費用を分解して考える必要があります。弁護士に支払う費用には、相談料、遺言書作成料、出張日当、実費、遺言執行者報酬などがあります。公正証書遺言にする場合は、これとは別に公証人手数料、正本・謄本等の交付費用、証人費用が発生します。

依頼の流れは、初回相談、資料整理、見積り・委任契約、相続人・財産調査、文案作成、公証役場調整、作成当日、保管、見直しという順序で進みます。弁護士に依頼する価値は、単に文書を作ることではなく、遺言者の意思を法律上有効で、死亡後に実行しやすく、相続人間の紛争を起こしにくい形へ整えることにあります。

Reference

参考資料・根拠情報

制度や手数料の確認に用いた公的・中立的な資料名です。

法令・公的機関

  • e-Gov法令検索「民法」
  • 裁判所「遺言書の検認」
  • 法務省「自筆証書遺言書保管制度について」
  • 法務省「自筆証書遺言書保管制度の手数料一覧」
  • 政府広報オンライン「不動産の相続登記義務化」
  • 国税庁「相続税がかかる場合」
  • 国税庁「相続税の計算」

公証実務・法律相談制度

  • 日本公証人連合会「公正証書遺言の作成手数料」
  • 日本公証人連合会「手数料」
  • 日本公証人連合会「公正証書」
  • 日本公証人連合会「Web会議を利用した公正証書の作成の流れについて」
  • 日本弁護士連合会「市民のための弁護士報酬ガイド」
  • 日本弁護士連合会「弁護士報酬について」
  • 法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」
  • 法テラス「相続トラブルに関する相談案内」