年金分割で動くのは相手の年金総額ではなく、婚姻期間中の厚生年金記録です。対象、計算式、概算例、請求期限、情報通知書と家庭裁判所手続を順番に確認します。
年金分割で動くのは相手の年金総額ではなく、婚姻期間中の厚生年金記録です。
まず、相手の年金を半分受け取る制度ではない点と、金額差を左右する要素を押さえます。
離婚時の年金分割で将来もらえる年金がいくら変わるかに、一律の答えはありません。制度が直接動かすのは、元配偶者が将来受け取る年金総額や現在の預貯金ではなく、婚姻期間中の厚生年金の計算基礎となる標準報酬月額・標準賞与額の記録です。老齢基礎年金そのものは分割されません。
この重要ポイントは、年金分割で何が増減するかを最初に区別するためのものです。読者にとって重要なのは、話合いで使う「50%」が現金や年金月額の半分ではないと理解し、下の要約から確認すべき順番を読み取ることです。
分割対象となる婚姻期間中の双方の厚生年金記録合計について、分割を受ける側の分割後持分を最大50%に近づけるという考え方です。婚姻前後の厚生年金、老齢基礎年金、企業年金や退職金などは別に確認します。
将来の年金額の変化は、主に四つの要素で決まります。この一覧は、何を集めれば概算や公的見込額に近づけるかを示すもので、各項目がそろわないと金額を断定できない点を読み取ってください。
婚姻期間中のうち、厚生年金記録が分割対象となる月がどれだけあるかで、年額の変化が大きく変わります。
双方の標準報酬月額・標準賞与額の差が大きいほど、分割で移る記録も大きくなりやすくなります。
合意分割では法定範囲内の按分割合、3号分割では原則2分の1という固定割合が中心になります。
給付乗率、再評価率、生年月日、従前額保障、加算、受給開始時期などにより、正式額は概算とずれます。
2003年4月以後の単純モデルでは、分割で受ける側へ移る平均標準報酬額が月20万円、対象期間が120月なら、年額増加の概算は約13万1,544円、月額換算では約1万962円です。ただし、これは再評価率、従前額保障、加算、税・社会保険料などを省いた説明用の計算です。
公的年金の記録と、財産分与で別に扱う財産を混同しないための整理です。
合意分割も3号分割も、中心は厚生年金保険料や年金額算定の基礎となる標準報酬月額・標準賞与額の改定です。分割した側は移した記録を差し引いた記録で、分割を受けた側は移された記録を加えた状態で、老齢厚生年金などが計算されます。
次の比較表は、年金分割の直接対象かどうかを項目ごとに整理したものです。離婚条件の話合いでは、公的年金の記録で扱う部分と、財産分与などで別に検討する部分を分けて読むことが重要です。
| 項目 | 直接の対象 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 婚姻期間中の厚生年金の標準報酬月額・標準賞与額 | 対象 | 合意分割または3号分割の要件に従って改定されます。 |
| 厚生年金の報酬比例部分 | 効果が及ぶ | 改定後記録を基礎に再計算されます。 |
| 厚生年金基金の代行部分 | 効果が及ぶ | 報酬比例部分に含まれるものとして扱われます。 |
| 老齢基礎年金 | 対象外 | 国民年金部分は年金分割で増減しません。 |
| 婚姻前・離婚後の厚生年金記録 | 原則対象外 | 対象期間は婚姻期間等に限定されます。 |
| iDeCo、企業年金の独自給付、個人年金保険 | 対象外 | 財産分与その他の論点として別途検討します。 |
| 退職金・預貯金・不動産・有価証券 | 対象外 | 年金分割ではなく財産分与で検討します。 |
| 遺族年金の受給権 | 対象外 | 別制度で受給要件が異なります。 |
用語の意味を先にそろえると、情報通知書や調停資料を読み間違えにくくなります。次の一覧では、金額計算や手続で繰り返し出てくる語を、どの記録・割合・立場を指すかに注目して読んでください。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 婚姻期間 | 法律婚の期間を基本とする分割対象期間です。事実婚には別の要件があります。 |
| 厚生年金記録 | 標準報酬月額・標準賞与額など、厚生年金の給付計算の基礎となる記録です。 |
| 対象期間標準報酬総額 | 分割対象期間の標準報酬記録を、再評価率等により評価して合計した額です。 |
| 按分割合 | 合意分割後に、分割を受ける側が持つ対象期間標準報酬総額の割合です。 |
| 第1号改定者 | 対象期間標準報酬総額が多く、通常は記録を分割する側です。 |
| 第2号改定者 | 対象期間標準報酬総額が少なく、通常は記録の分割を受ける側です。 |
| 第3号被保険者 | 厚生年金加入者等に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者で、法定要件を満たす国民年金上の区分です。 |
| 離婚時みなし被保険者期間 | 分割を受けたことにより、厚生年金被保険者であったものと扱われる期間です。 |
| 情報通知書 | 合意分割の対象期間、双方の対象期間標準報酬総額、按分割合の範囲等を示す公的資料です。 |
利用できる離婚時期、対象期間、相手方の合意の要否、障害年金例外を分けて確認します。
合意分割と3号分割は、どちらも厚生年金記録を改定する制度ですが、対象期間と割合の決まり方が異なります。次の比較表は、どちらの制度を検討する場面かを見分けるためのもので、時期、対象期間、相手方の合意の要否を中心に読み取ってください。
| 比較項目 | 合意分割 | 3号分割 |
|---|---|---|
| 利用できる離婚等 | 2007年4月1日以後 | 2008年5月1日以後 |
| 主な対象期間 | 婚姻期間中の厚生年金記録 | 2008年4月1日以後の婚姻期間中の第3号被保険者期間 |
| 割合 | 法定範囲内で合意、または裁判所が決定 | 2分の1で固定 |
| 相手方の合意 | 必要。まとまらなければ裁判手続 | 不要 |
| 主な利用場面 | 共働き、専業・扶養期間、婚姻期間全体の記録差を調整 | 扶養配偶者だった期間の固定分割 |
| 請求者 | 当事者の一方または双方 | 第3号被保険者であった側 |
| 主な例外 | 法定範囲外の割合は不可 | 分割される側の障害厚生年金と対象期間が重なる場合は請求不可となることがあります。 |
専業主婦・専業主夫等だった期間は、2008年4月を境に扱いを分ける必要があります。この時系列は、どの期間を3号分割で考え、どの期間を合意分割で検討するかを示すもので、期間の順番と制度の対応を読み取ることが重要です。
婚姻が制度開始前から続いていた場合でも、離婚日等の要件を満たせば、婚姻期間中の厚生年金記録を対象に合意分割を検討します。
この期間は3号分割の対象ではありません。要件を満たす場合は、合意分割で反映できるか確認します。
相手方の厚生年金記録を原則2分の1ずつにする期間です。合意分割を請求した場合、対象期間に3号分割対象期間が含まれると、3号分割の請求も同時にあったものとみなされます。
按分割合の考え方、老齢厚生年金の報酬比例部分、具体例の概算を整理します。
合意分割では、分割対象期間について再評価等を反映した対象期間標準報酬総額を比べます。記録が多い側をS1、少ない側をS2、分割後に少ない側へ持たせる割合をrとすると、按分割合の範囲と移る記録は次のように考えます。
数字を入れると、S1が4,500万円、S2が1,500万円、合計6,000万円の場合、分割前の少ない側の持分は25%です。按分割合40%なら900万円分の記録が移り、50%なら1,500万円分の記録が移ります。ここで移るのは現金ではなく、年金額計算の基礎となる記録です。
老齢厚生年金の報酬比例部分は、2003年3月以前と2003年4月以後で計算基礎が異なります。次の比較表は、対象期間がどちらに当たるかで使う平均額と乗率が変わることを示しており、期間を分けて読む必要があります。
| 加入期間 | 基本式 | 注意点 |
|---|---|---|
| 2003年3月以前 | 平均標準報酬月額 × 7.125 ÷ 1000 × 加入月数 | 賞与を含まない平均標準報酬月額を基礎にします。 |
| 2003年4月以後 | 平均標準報酬額 × 5.481 ÷ 1000 × 加入月数 | 標準報酬月額に加えて標準賞与額も反映されます。 |
2003年4月以後だけの単純モデルでは、年額と月額の概算は次の式で桁を確認できます。これは正式な見込額ではなく、分割で移る平均標準報酬額と対象月数が年金額へどう反映されるかを読むための式です。
次の比較表は、仮想事例を月額変化の桁感で並べたものです。対象月数と移る平均標準報酬額が大きいほど年額・月額の概算が増え、記録差が小さい場合や厚生年金記録がない場合は変化が小さいことを読み取ってください。
| 事例 | 対象月数 | 移る平均標準報酬額 | 年額変化の概算 | 月額変化の概算 |
|---|---|---|---|---|
| 10年間、記録差が大きい共働き | 120月 | 20万円 | 13万1,544円 | 1万962円 |
| 15年間の3号分割 | 180月 | 20万円 | 19万7,316円 | 1万6,443円 |
| 15年間の共働きで記録差が小さい | 180月 | 2万5,000円 | 約2万4,665円 | 約2,055円 |
| 双方とも主に国民年金のみ | 該当なし | 0円 | 0円 | 0円 |
3号分割の事例で月額約1万6,443円増える場合でも、65歳から85歳まで20年間の名目額を単純合計した約394万6,320円は、現在価値、物価・賃金改定、マクロ経済スライド、税・保険料を考慮しない参考値にすぎません。
再評価率、賞与、従前額保障、振替加算、税・保険料まで見る必要があります。
概算式は制度理解に役立ちますが、正式な裁定額を再現するものではありません。次の一覧は、概算と実額がずれる代表的な理由をまとめたもので、単に月給差だけを見ても正確な判断にならない点を読み取ってください。
過去の標準報酬は現在の賃金水準等に読み替えられます。昔の給与明細の平均だけでは正式額になりません。
2003年3月以前は平均標準報酬月額、2003年4月以後は賞与を含む平均標準報酬額を使います。
1946年4月1日以前生まれの人などでは給付乗率が異なる場合があり、従前額保障が使われることもあります。
2003年4月以後は賞与も反映されます。月例賃金が近くても賞与差で記録差が広がることがあります。
公務員等の共済期間がある場合、実施機関が複数になり、通知や計算も分かれることがあります。
戸籍上の婚姻期間や要件を満たす事実婚期間が基礎となり、実際の同居期間と一致するとは限りません。
年金額の増加と銀行口座に残る手取り増加も一致するとは限りません。次の比較表は、報酬比例部分の増加から、振替加算停止や税・保険料などを確認する必要がある場面を示しています。
| 論点 | 確認すべきこと |
|---|---|
| 振替加算 | 離婚時みなし被保険者期間を含めて厚生年金被保険者期間が240月以上となると、振替加算が停止する場合があります。 |
| 受給開始年齢 | 分割後記録に基づく老齢厚生年金は、自分の受給資格要件と支給開始年齢を満たしてから効果が現れます。 |
| 受給中の人 | すでに老齢厚生年金を受けている場合は、原則として分割請求月の翌月分から年金額が変更されます。 |
| 税・社会保険料 | 公的年金等の収入増加により、所得税・住民税、医療保険・介護保険料等が変わる場合があります。 |
| 繰上げ・繰下げ | 受け取り始める時期、在職中の調整、他の年金との併給調整なども最終的な受取額に影響します。 |
情報通知書、分割後年金見込額、標準報酬改定請求を別々の手続として扱います。
正式な金額に近づくには、給与明細や自己計算だけでなく、公的記録を起点にします。次の判断の流れは、合意分割を検討するときに、何を請求し、何を比較し、最後に何を提出するかを示しています。順番を読み取り、情報通知書の取得と分割請求を混同しないことが重要です。
婚姻日、離婚予定日、厚生年金・共済・第3号被保険者期間を確認します。
対象期間、双方の対象期間標準報酬総額、按分割合の範囲を確認します。
該当する場合は、分割後年金見込額の3パターンを希望できることがあります。
年額・月額の違いを離婚条件の検討材料にします。
概算式で桁を見つつ、正式記録を優先します。
情報通知書や裁判所の結論だけでは、年金記録は改定されません。
情報通知書は、合意分割の対象期間や按分割合の範囲を確認するための資料です。離婚前でも離婚後でも、一人で請求できますが、離婚前に一人で請求した場合は請求者のみに、離婚後に一人で請求した場合は請求者と元配偶者の双方に通知される点に注意が必要です。
標準的に準備する資料は、個別事情で変わります。次の一覧は、年金事務所や裁判所に進む前に何を集めるかを示すもので、戸籍、割合を明らかにする書類、事実婚や秘匿に関する資料など、事情ごとの追加資料を読み取ってください。
| 資料 | 主な使い道 |
|---|---|
| 基礎年金番号または個人番号を確認できる書類 | 情報提供請求や標準報酬改定請求で本人確認に使います。 |
| 戸籍謄本・戸籍抄本等 | 婚姻日・離婚日を確認します。 |
| 情報通知書 | 対象期間、標準報酬総額、按分割合の範囲を確認します。 |
| 公正証書、公証人認証書面、所定の合意書 | 合意した按分割合を明らかにします。 |
| 審判書・判決書と確定証明書、調停調書・和解調書 | 裁判手続で割合が定まったことを示します。 |
| 事実婚関係と解消を示す資料 | 事実婚が関係する場合に対象期間等を確認します。 |
| 住所・氏名の秘匿決定がある場合の裁判所書類 | 安全面に配慮した手続を検討します。 |
2026年4月1日前の離婚等は原則2年、以後は原則5年です。
2025年成立の年金制度改正により、2026年4月から年金分割の請求期限が改正されました。ただし、過去の離婚が一律に5年へ延びたわけではありません。次の比較表では、離婚等をした日によって原則期限が分かれる点を読み取ってください。
| 離婚等をした日 | 原則の分割請求期限 | 注意点 |
|---|---|---|
| 2026年3月31日以前 | 離婚等をした日の翌日から起算して2年以内 | 改正後も従来の2年ルールが残ります。 |
| 2026年4月1日以後 | 離婚等をした日の翌日から起算して5年以内 | 5年はこの日以後の離婚等に適用されます。 |
期限管理では、交渉中、情報通知書の取り寄せ中、弁護士への相談中といった事情だけで当然に止まらない点が重要です。次の時系列は、通常期限のほか、裁判手続後の6か月特例や死亡後1か月の制約を並べたもので、どの時点から急ぐ必要があるかを読み取ってください。
2026年4月1日前なら2年、以後なら5年を基準にします。合意形成中でも期限管理は別に必要です。
期限内に審判・調停等を申し立て、結果が期限後に確定・成立した場合などは、確定・成立日の翌日から6か月以内に請求できる特例があります。
行政請求前に当事者の一方が死亡した場合、死亡日から1か月以内に限って請求が認められる特例が問題になります。
専業、共働き、自営業、受給中、障害年金、事実婚、連絡不能、死亡を分けて確認します。
同じ年金分割でも、婚姻中の働き方や現在の受給状況で確認事項が変わります。次の一覧は、状況ごとにどの制度・記録・期限を優先して見るかを示しており、自分に近い行から必要な資料と相談先を読み取ってください。
3号分割で2分の1ずつにできる期間がある一方、2008年3月以前は合意分割の検討対象です。
性別や世帯主名義ではなく、対象期間標準報酬総額の多い側から少ない側へ記録が移ります。
国民年金記録は分割対象外です。ただし会社員や法人役員として厚生年金加入月があれば対象になり得ます。
分割請求月の翌月分から変更される場合があります。振替加算、加給年金、税・保険料も確認します。
分割される側の障害厚生年金と対象期間が重なる場合、3号分割が認められないことがあります。
単なる同居では足りません。関係と解消を示す資料が必要になることがあります。
3号分割のみなら合意不要の場合があります。合意分割では調停・審判を検討します。
割合確定後の死亡などでは1か月の制約が問題になります。制度確認と法的手続を急いで整理します。
よくある誤解を先に消しておくと、話合いや相談の時間を有効に使えます。次の比較表は、制度名から連想しやすい誤解と正しい理解を並べたもので、特に「自動的に分割される」「国民年金も半分になる」「2026年から全員5年」の誤りに注意して読んでください。
| 誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 相手の年金を半分もらえる | 婚姻期間中の厚生年金記録を法定範囲で分割します。 |
| 離婚すれば自動的に分割される | 標準報酬改定請求が必要です。 |
| 情報通知書を取れば分割完了 | 情報通知書は判断資料であり、分割請求ではありません。 |
| 国民年金も半分になる | 老齢基礎年金は分割対象外です。 |
| 3号分割は婚姻期間全部に使える | 原則2008年4月1日以後の第3号被保険者期間だけです。 |
| 3号分割には必ず相手の署名が必要 | 原則として相手方の合意は不要です。 |
| 分割すれば受給資格期間も相手から移る | 自分の加入期間等で受給資格要件を満たす必要があります。 |
| 2026年から全員5年になった | 2026年4月1日前の離婚等は原則2年のままです。 |
| 裁判所で割合が決まれば終了 | その後に行政上の分割請求が必要です。 |
| 月給の差だけで正確に計算できる | 標準報酬、賞与、再評価、期間区分等が必要です。 |
| 増額がそのまま手取り増額になる | 振替加算、税・保険料等で差が生じ得ます。 |
公式記録は年金事務所、紛争対応は弁護士、税や年金実務は専門家へ分けて確認します。
年金額の公式記録や行政試算は年金事務所の領域ですが、争い、期限、財産分与、安全配慮がある場面では法的手続の整理も重要です。次の一覧は、相談を急ぎやすい場面を整理したもので、どの論点が年金事務所だけでは終わりにくいかを読み取ってください。
相手方が拒否する、連絡に応じない、条件を付ける場合は、調停・審判の申立てや期限管理を検討します。
合意分割交渉だけを続けるか、裁判手続を申し立てるか、どの書類を先に取得するかを短期間で整理します。
期限財産分与、退職金、企業年金、不動産、住宅ローン、養育費、慰謝料等とあわせて検討します。
財産分与相手方との同席や直接交渉が安全とは限らないため、公正証書、代理人、家庭裁判所の秘匿制度等を検討します。
安全配慮通常より短い期限や例外要件が問題になり得るため、制度確認と法的手続の整理を並行します。
例外外国年金、海外居住、複数の実施機関、記録訂正などが重なる場合は全体像を把握しにくくなります。
複数制度相談先ごとに扱える範囲を分けると、確認漏れを減らせます。次の比較表は、どの専門先に何を聞くかを整理したもので、公式記録、法的紛争、税務、証書作成を分担して読むことが重要です。
| 相談先 | 主な役割 | 向く相談 |
|---|---|---|
| 年金事務所・街角の年金相談センター | 公的記録、情報通知書、分割後見込額、請求様式、行政手続 | 正式な対象期間・記録・見込額、提出方法 |
| 弁護士 | 離婚条件の交渉、調停・審判・訴訟、契約書・公正証書案、期限戦略 | 合意できない、争いがある、財産分与と一体で決めたい |
| 社会保険労務士 | 年金制度・記録・請求支援の専門的助言 | 年金計算や手続を詳細に整理したい |
| 公証人 | 公正証書の作成 | 合意内容を公的証書にする |
| 税理士 | 税務上の影響 | 年金・退職金・資産移転の税負担を確認したい |
| 家庭裁判所 | 按分割合の調停・審判等 | 当事者間で合意できない |
弁護士へ相談する場合は、資料を事前にそろえるほど相談時間を使いやすくなります。次の一覧は、年金分割と離婚条件を同時に検討するための準備資料を示しており、年金記録だけでなく財産分与資料や希望条件も持参する必要があると読み取ってください。
| 持参資料 | 確認できること |
|---|---|
| 年金分割のための情報通知書 | 対象期間標準報酬総額と按分割合の範囲 |
| ねんきん定期便、年金記録、年金証書、年金額改定通知書 | 現在の記録と受給状況 |
| 戸籍謄本等 | 婚姻日・離婚日 |
| 離婚協議書、公正証書案、調停・訴訟書類 | 現在の離婚条件と手続状況 |
| 双方の職歴と厚生年金・共済加入歴のメモ | 記録差と実施機関の見通し |
| 退職金規程、企業年金資料、iDeCo等の資料 | 年金分割と別に検討する財産 |
| 財産一覧、住宅ローン資料、交渉経過、希望条件 | 離婚条件全体の調整 |
個別判断ではなく、制度の一般的な考え方として確認してください。
一般的には、婚姻期間中の標準報酬差と対象月数が分からなければ算出できないとされています。2003年4月以後だけの単純モデルでは、移る平均標準報酬額20万円、対象120月なら月額約1万962円です。ただし、正式額は年金記録、再評価率、受給状況などで変わるため、具体的には情報通知書と公的見込額を確認する必要があります。
一般的には、そのような制度ではないとされています。50%は分割対象期間の双方の厚生年金記録合計に対する、分割後の受ける側の持分です。ただし、婚姻前後の記録、老齢基礎年金、企業年金等の扱いで全体像は変わるため、具体的には資料を整理して確認する必要があります。
一般的には、合意分割の情報通知書は離婚前でも請求できるとされています。離婚前に一人で請求した場合、原則として通知書は請求者だけに交付されます。ただし、DVや住所秘匿など安全面が関係する場合は、年金事務所や弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、3号分割は要件を満たせば相手方の合意は不要とされています。合意分割は合意が必要ですが、まとまらない場合は家庭裁判所の調停・審判等を利用する仕組みがあります。ただし、期限や証拠関係で対応が変わるため、具体的な方針は弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、婚姻期間中に厚生年金記録がなければ、その人の国民年金記録は分割対象外とされています。ただし、会社員や法人役員として厚生年金に加入していた月があれば対象になり得ます。具体的には年金記録を確認する必要があります。
一般的には、要件を満たせば標準報酬記録の分割を受けることは可能とされています。ただし、老齢年金を受けるには自分自身の加入記録等で受給資格要件を満たす必要があります。個別の受給見通しは年金事務所等で確認する必要があります。
一般的には、3号分割の対象は原則2008年4月1日以後の第3号被保険者期間とされています。それ以前の婚姻期間は、要件を満たす合意分割を検討することになります。具体的には婚姻期間と加入記録を確認する必要があります。
一般的には、請求期限等の要件を満たせば分割が問題になります。現に老齢厚生年金を受けている場合、分割請求月の翌月分から年金額が変更される取扱いがあります。ただし、加算や税・保険料への影響は個別に変わるため、公的窓口や専門家へ確認する必要があります。
一般的には、情報通知書は判断資料であり、分割請求そのものではないとされています。期限を止めるものではないため、割合を確定し、標準報酬改定請求まで期限内に行う必要があります。期限が近い場合は早期に確認する必要があります。
一般的には、離婚等が2026年4月1日前であれば原則2年のルールが適用され、改正による5年は原則として2026年4月1日以後の離婚等が対象とされています。ただし、裁判手続に関する特例などが問題になることがあるため、具体的には日付と手続状況を確認する必要があります。
一般的には、離婚前に一人で請求した場合は請求者のみに、離婚後に一人で請求した場合は請求者と元配偶者の双方に交付されるとされています。ただし、安全配慮が必要な事情では、年金事務所や弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、公正証書等で按分割合を明らかにしただけでは終了しないとされています。期限内に標準報酬改定請求を行う必要があります。ただし、公正証書の文言や添付書類で手続が変わるため、作成前に確認する必要があります。
一般的には、自動的には記録改定されないとされています。審判・調停等の後、年金事務所等で分割請求をする必要があります。具体的には確定証明書や調書など必要書類を確認する必要があります。
一般的には、報酬比例部分が増えても、振替加算が停止するなど総額の増加が小さくなる場合があるとされています。税・保険料後の手取りも別に変わり得ます。具体的には個別の受給状況を確認する必要があります。
一般的には、第3号被保険者資格の喪失と事実婚解消が認められる場合など、法定要件を満たせば対象になり得るとされています。ただし、単なる同居では足りず、関係と解消を示す資料が必要になるため、具体的には公的窓口へ確認する必要があります。
一般的には、死亡が関係すると通常より短い期限が問題になることがあります。割合確定後に行政請求前の一方が死亡した場合は、死亡日から1か月以内の特例が問題になります。ただし、事実関係ごとに可否が変わるため、具体的には年金事務所と弁護士等へ確認する必要があります。
一般的には、離婚時年金分割の直接の対象ではないとされています。ただし、財産分与上の評価対象になる可能性は別にあります。具体的には公的年金分割の割合と、退職金等の財産分与を分けて整理する必要があります。
金額確認、期限、離婚条件全体を一枚で点検します。
手続に進む前に、金額、期限、離婚条件全体を分けて確認すると抜け漏れを減らせます。次の比較表は、チェックすべき項目を三つの領域に分けたもので、未確認の欄が多いほど公的窓口や専門家への確認が必要だと読み取ってください。
| 領域 | 確認項目 |
|---|---|
| 金額確認 | 婚姻日と離婚日、2003年3月以前と2003年4月以後の月数、2008年4月以後の第3号期間、双方の厚生年金・共済加入歴、情報通知書、按分割合の範囲、振替加算、税・社会保険料を確認します。 |
| 期限・手続 | 離婚日が2026年4月1日前か以後か、原則期限、情報通知書と分割請求の違い、合意書・公正証書・調停調書等、6か月特例、死亡時1か月の制約、共済組合等への手続を確認します。 |
| 離婚条件全体 | 預貯金、不動産、有価証券、退職金、企業年金、iDeCo、住宅ローン、養育費、婚姻費用、慰謝料、年金分割との安易な相殺の有無を確認します。 |
概算に使う項目は、後から公的資料と照合できる形で残すと便利です。次の記入欄は、情報通知書や見込額を確認する前後で埋めるためのもので、空欄が正式額を出せない理由になり得ると読み取ってください。
| 確認項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 婚姻日 | |
| 離婚日・予定日 | |
| 原則請求期限 | |
| 2003年3月以前の対象月数 | |
| 2003年4月以後の対象月数 | |
| 2008年4月以後の第3号期間 | |
| 自分の対象期間標準報酬総額 | |
| 相手方の対象期間標準報酬総額 | |
| 按分割合の下限 | |
| 希望する按分割合 | |
| 按分割合50%時の公的見込額 | |
| 分割なしの公的見込額 | |
| 希望割合時の公的見込額 | |
| 振替加算への影響 | |
| 税・保険料への影響 | |
| 共済・企業年金・退職金の有無 | |
| 専門家への確認事項 |
最後に、2003年4月以後だけの単純モデルでは、月額変化の概算は「分割で移る平均標準報酬額 × 5.481 ÷ 1000 × 対象月数 ÷ 12」で確認します。50%分割で双方の平均標準報酬額を単純比較できる場合、分割で移る平均標準報酬額は「多い側の平均標準報酬額-少ない側の平均標準報酬額」を2で割った額です。
公的機関の制度案内と法令を中心に確認しています。