2σ Guide

デジタル遺産に相続税は
かかるのか

暗号資産、NFT、電子マネー、ポイント、SNS、クラウド、著作権、収益サイトなどを、財産性、承継可能性、評価可能性の三つの軸で整理します。

3軸 財産性・承継・評価
3,000万+600万×人 基礎控除の式
10か月 申告と納税の原則期限
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デジタル遺産に相続税は かかるのか

暗号資産、NFT、電子マネー、ポイント、SNS、クラウド、著作権、収益サイトなどを、財産性、承継可能性、評価可能性の三つの軸で整理します。

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デジタル遺産に相続税は かかるのか
暗号資産、NFT、電子マネー、ポイント、SNS、クラウド、著作権、収益サイトなどを、財産性、承継可能性、評価可能性の三つの軸で整理します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • デジタル遺産に相続税は かかるのか
  • 暗号資産、NFT、電子マネー、ポイント、SNS、クラウド、著作権、収益サイトなどを、財産性、承継可能性、評価可能性の三つの軸で整理します。

POINT 1

  • デジタル遺産に相続税はかかるのかの全体像
  • 課税対象に含まれることと、実際に税額が発生することを分けます。
  • 基礎控除額は3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
  • デジタル遺産に相続税がかかるかは、名称ではなく実質で判断します。
  • 金銭的価値があり、相続人が承継し得る権利または経済的利益であれば課税対象に含まれる可能性があります。

POINT 2

  • デジタル遺産と相続税の用語整理
  • 課税財産、承継可能性、評価可能性を分けます。
  • 用語の整理は、税務上の判断対象を誤らないために重要です。
  • 民法上の承継と税務上の評価は重なりますが、完全に同じではありません。

POINT 3

  • デジタル遺産の課税対象を判定する三つの軸
  • 財産性
  • 承継可能性
  • 評価可能性
  • 財産性、承継可能性、評価可能性を順に確認します。

POINT 4

  • 課税対象になりやすいデジタル遺産の一覧
  • 残高、収益、権利、売買実例のあるものを重点的に確認します。
  • 課税対象になりやすいものは、残高、売買実例、収益、権利、請求権があるものです。

POINT 5

  • 暗号資産とNFTの相続税評価
  • 死亡時点の価額、秘密鍵、売買実例、権利内容を資料化します。
  • 暗号資産は、価格変動、秘密鍵、取引所、海外口座、所得税との接点があるため、デジタル遺産の相続税で最も専門性が高い分野です。
  • 次の比較一覧は管理形態ごとの実務上の問題を示し、残高証明で進められる場合と秘密鍵が核心になる場合を読み取ってください。
  • 評価資料は、後から税務調査や相続人間の説明に耐えるために残します。

POINT 6

  • 電子マネー、SNS、著作権、収益サイトの課税範囲
  • 規約、収益、承継可否、債務控除を個別に確認します。
  • SNSやクラウド内のデータは、通常の思い出データか、収益や著作権に結びつくデータかで税務上の扱いが変わります。
  • 著作権、ドメイン、ゲーム内資産、サブスクリプション、国外プラットフォームは、評価だけでなく契約や国際手続も問題になります。
  • 類似ドメインの売買事例、アクセス数、被リンク、ブランド性、月間売上、利益率、直近12か月の収益、譲渡可能性を確認します。

POINT 7

  • デジタル遺産の評価原則と証拠化
  • 死亡時の時価を説明できる資料を優先順位で集めます。
  • 評価原則は、死亡時点の価額をどの資料で説明するかという問題です。
  • 次の優先順位は客観性の高い資料から順に並べており、スクリーンショットだけでは不十分な場合があることを読み取ってください。
  • 評価が難しい財産では、なぜその評価額になったかを説明できる評価メモが重要です。

POINT 8

  • 相続税申告、申告漏れ、デジタル負債
  • 1. 課税価格の合計額を出す:不動産、預貯金、有価証券、デジタル遺産、みなし相続財産、債務等を整理します。
  • 2. 基礎控除額を差し引く:3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数を確認します。
  • 3. 法定相続分に応ずる取得金額を計算:各財産に個別税率を掛ける方式ではありません。
  • 4. 相続税の総額を各相続人へ按分:実際の取得割合に応じて負担を整理します。

まとめ

  • デジタル遺産に相続税は かかるのか
  • デジタル遺産に相続税はかかるのかの全体像:課税対象に含まれることと、実際に税額が発生することを分けます。
  • デジタル遺産と相続税の用語整理:課税財産、承継可能性、評価可能性を分けます。
  • 課税対象になりやすいデジタル遺産の一覧:残高、収益、権利、売買実例のあるものを重点的に確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

デジタル遺産に相続税はかかるのかの全体像

課税対象に含まれることと、実際に税額が発生することを分けます。

デジタル遺産に相続税がかかるかは、名称ではなく実質で判断します。金銭的価値があり、相続人が承継し得る権利または経済的利益であれば課税対象に含まれる可能性があります。反対に、単なる思い出の写真、個人的なメッセージ、本人専用のログイン資格、利用規約上譲渡できない会員資格などは、相続実務上は重要でも評価対象にならない、または評価額が限定的になる場合があります。

次の比較表は、相続税でよく混同される論点を実務上の結論に整理したものです。左列は判断する論点、右列は読むべき結論であり、課税対象に含まれることと実際に税額が出ることを分けて理解することが重要です。

論点実務上の結論
デジタル遺産は相続税の対象になるか金銭的価値があり、相続で承継される財産なら対象になり得ます。
全てのアカウントが課税対象かSNS、メール、クラウドなどは、内容や利用規約により財産性がない場合があります。
暗号資産は対象か対象になり得ます。国税庁FAQでも相続または遺贈で取得した暗号資産の評価方法が示されています。
NFTは対象か経済的価値があるNFTは対象になり得ます。売買実例、精通者意見、類似資産の評価が問題になります。
電子マネーやコード決済残高は対象か残高として返金請求権や利用価値があれば対象になり得ます。
ポイントやマイルは対象か利用規約上、相続、譲渡、換金、承継が可能かで結論が分かれます。
SNSやメールは対象かアカウントそのものは財産性が乏しいことが多い一方、収益化アカウント、著作物、事業用データは別途評価される可能性があります。
パスワードは財産かパスワード自体は通常、相続税の評価対象ではありません。ただし財産発見と管理に極めて重要です。
相続税申告が必要かデジタル遺産を含めた正味の遺産額が基礎控除額を超えるかで判断します。
申告期限原則として、相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。

相続税で最初に確認する数式は基礎控除です。次の強調欄は計算の入口を示しており、デジタル遺産だけでなく不動産、預貯金、有価証券、生命保険金、債務、葬式費用などを含めた全体で見ることを読み取ってください。

基礎控除額は3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

デジタル遺産が課税財産に含まれても、正味の遺産額が基礎控除額以下であれば、通常は相続税申告と納税は不要です。反対に、一つ一つが少額でも、ネット証券、暗号資産、電子マネー、ポイント、収益サイト、外国口座を合計すると基礎控除額を超えることがあります。

Section 01

デジタル遺産と相続税の用語整理

課税財産、承継可能性、評価可能性を分けます。

用語の整理は、税務上の判断対象を誤らないために重要です。次の一覧は、デジタル遺産、デジタル遺品、課税財産、民法上の相続の違いを示し、税法上は個別の財産性と評価額を見ることを読み取るためのものです。

用語意味相続税での見方
デジタル遺産死亡時に存在するデジタル環境に関連する財産、権利、契約上の地位、情報、データ、アカウント、識別子、利用権、収益機会の総称です。独立した税法上の財産区分ではないため、個々の対象が財産に当たるかを判断します。
デジタル遺品スマートフォン、パソコン、写真、メール、SNS投稿、クラウドデータ、サブスクリプション、ID、パスワードなどを含む生活実務上の言葉です。生活上重要でも、金銭的価値がなければ課税評価の対象にならない場合があります。
相続税の課税財産相続または遺贈により取得した財産、みなし相続財産などです。正味の遺産額が基礎控除額を超えるかで申告と納税の要否を確認します。
民法上の相続相続開始時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するのが原則です。一身専属的なもの、利用規約上承継できないもの、評価額がないものは別途検討します。

民法上の承継と税務上の評価は重なりますが、完全に同じではありません。次の比較表は、相続承継の考え方と課税評価の入口を並べており、財産権、本人専属性、規約、評価可能性を分けて読むことが重要です。

種類相続承継の考え方課税評価の入口
預金、証券、暗号資産、電子マネー残高金銭的価値がある財産または債権として承継され得ます。残高、時価、評価資料を確認します。
著作権の財産権部分相続され得ます。印税、ライセンス、作品収益を確認します。
著作者人格権一身専属性が強く、譲渡や相続の対象とはなりません。財産評価とは分けて人格的利益を確認します。
SNSアカウントのログイン資格利用規約上、本人限定で相続承継が否定されることが多いです。通常の個人利用では評価対象になりにくい一方、収益化や未収金は別に見ます。
メール、写真、動画データデータの内容と権利性によります。人格的利益、プライバシー、著作権が交錯します。職業的作品、事業データ、未収収益があれば評価可能性があります。
サブスクリプション契約本人専用の利用契約で、相続より解約や死亡後精算の対象になることが多いです。死亡時の未払料金が債務控除の対象になるかを確認します。
Section 02

デジタル遺産の課税対象を判定する三つの軸

財産性、承継可能性、評価可能性を順に確認します。

課税対象の判定は、財産性、承継可能性、評価可能性の三つを順に確認します。次の三つの項目は、デジタル遺産を税務上どう扱うかの判断軸を示しており、どこで結論が分かれるかを読み取るためのものです。

AXIS 1

財産性

暗号資産、電子マネー残高、証券、未収広告収入、ドメイン名、収益サイト、著作権収入、NFTなどは金銭的価値が問題になります。

AXIS 2

承継可能性

会員資格、ゲームアカウント、ポイント、クラウド契約、サブスクリプションは利用規約で譲渡禁止、相続不可、死亡時失効が定められていることがあります。

AXIS 3

評価可能性

相続開始時点の時価を合理的に評価できるかを確認します。暗号資産は取引価格、NFTは売買実例や専門家意見、収益サイトは収益や取引事例を資料化します。

次の判断の流れは、名称ではなく実質を見る手順を表しています。上から順に確認し、金銭的価値、承継可能性、評価資料がそろうほど課税対象性の検討が必要になることを読み取ってください。

デジタル遺産の課税対象性を判定する順番

金銭的価値があるか

残高、収益、売買実例、未収金、権利価値を確認します。

相続人が承継または請求できるか

規約、本人専属性、死亡時失効、公式手続を確認します。

死亡時点の価額を評価できるか

残高証明、価格資料、取引履歴、専門家意見を集めます。

正味の遺産額全体で申告要否を判断

基礎控除、債務、他の相続財産と合わせて税理士等に確認します。

30万円相当の暗号資産のように、あるデジタル資産が課税財産に含まれる可能性があっても、相続財産全体の正味額が基礎控除額以下であれば、通常は相続税申告と納税は不要です。反対に、少額のデジタル資産が多数ある場合や、死亡時に暗号資産やNFTの価格が上がっている場合は全体計算に影響します。

Section 03

課税対象になりやすいデジタル遺産の一覧

残高、収益、権利、売買実例のあるものを重点的に確認します。

課税対象になりやすいものは、残高、売買実例、収益、権利、請求権があるものです。次の一覧は具体例、課税上の見方、主な確認資料を並べており、見落としやすい資料をどこから集めるかを読み取るためのものです。

分類具体例課税上の見方主な確認資料
暗号資産BTC、ETH、その他トークン経済的価値があり課税対象になり得ます。交換業者の残高証明、取引履歴、死亡日の価格
NFTデジタルアート、ゲームNFT、コレクションNFT市場価値があれば課税対象になり得ます。取引所履歴、売買実例、専門家評価
電子マネー交通系、流通系、プリペイド型残高や返金請求権があれば対象になり得ます。残高照会、利用規約、返金条件
コード決済QR決済残高、送金残高金銭的価値があれば対象になり得ます。アプリ残高、運営会社の相続手続
ポイント共通ポイント、ECポイント相続可否、換金性、利用可能性で判断します。会員規約、残高証明、移行可否
マイル航空マイル家族承継制度や死亡時手続の有無で判断します。会員規約、死亡時移行制度
ネット銀行預金残高通常の預金として対象です。残高証明、取引明細
ネット証券株式、投資信託、債券通常の有価証券として対象です。残高証明、評価資料
FX、CFD等証拠金、未決済建玉財産または債務として対象になり得ます。建玉明細、評価損益、取引報告書
収益サイトブログ、アフィリエイトサイト事業用資産、未収金、営業権類似価値が問題になります。収益明細、アクセス解析、契約書
SNS収益動画配信、ライブ配信、広告収入未収入金や事業価値が問題になります。プラットフォーム明細、支払予定額
ドメイン名高価値ドメイン譲渡市場があれば評価対象になり得ます。登録情報、売買事例、査定
著作権電子書籍、写真、音楽、動画財産権部分は相続対象になり得ます。印税明細、契約書、登録情報
ゲーム内資産アイテム、スキン、通貨換金性、譲渡可能性、規約で判断します。利用規約、取引実例、残高
クラウド上の事業データ顧客リスト、設計データ事業価値、営業秘密、著作物として評価され得ます。契約書、業務資料、売上資料
Section 04

暗号資産とNFTの相続税評価

死亡時点の価額、秘密鍵、売買実例、権利内容を資料化します。

暗号資産は、価格変動、秘密鍵、取引所、海外口座、所得税との接点があるため、デジタル遺産の相続税で最も専門性が高い分野です。次の比較一覧は管理形態ごとの実務上の問題を示し、残高証明で進められる場合と秘密鍵が核心になる場合を読み取ってください。

内容相続実務上の問題
カストディ型暗号資産交換業者などが顧客口座で管理します。残高証明、相続手続、口座凍結、名義変更、換金が問題になります。
自己管理型ウォレット、秘密鍵、シードフレーズを本人が管理します。秘密鍵の有無、相続人間の管理、紛失、盗難、評価が問題になります。

評価資料は、後から税務調査や相続人間の説明に耐えるために残します。次の一覧は、暗号資産の数量、価格、客観証拠、移転可能性、国外財産、申告根拠を示す資料を並べており、どの資料が何のために必要かを読み取ってください。

資料目的
死亡日時点の残高課税対象数量の確定
死亡日の取引価格評価額の算定
交換業者の残高証明客観的証拠化
取引履歴入出金、売買、移転の確認
ウォレットアドレスオンチェーン残高確認
秘密鍵の管理状況移転可能性、紛争予防
海外取引所の明細国外財産、為替換算、本人確認
税理士の評価メモ申告根拠と税務調査対応

NFTは画像そのものではなく、トークン、メタデータ、関連コンテンツ、利用許諾、著作権処理、プラットフォーム規約の組み合わせとして評価します。次の一覧は、評価時に見る要素を示し、単なる売出価格だけでなく、成約、権利内容、流動性を読むことが重要です。

要素確認内容
コレクション名市場で認知されたプロジェクトか
取引市場OpenSea等の市場で売買実例があるか
最終売買価格直近の売買価格と死亡時点との近接性
フロア価格同一コレクションの最低売出価格
個体差レア属性、シリアル番号、作者、限定性
流動性実際に売買成立しているか、単なる売出価格か
権利内容著作権、商用利用権、展示権、二次利用可否
プラットフォーム規約アカウント承継やトークン移転可否
取引停止リスクマーケット閉鎖、規制、詐欺、盗難疑い

死亡後に価格が上がったり下がったりしても、相続税評価は原則として相続開始時点が出発点です。ただし、死亡時刻に近い価格、交換業者ごとの差、複数市場の価格差、流動性、取引停止、上場廃止、ロックアップなどが問題になるため、価格情報の出典、取得日時、スクリーンショット、APIデータ、取引所名を保存します。

Section 05

電子マネー、SNS、著作権、収益サイトの課税範囲

規約、収益、承継可否、債務控除を個別に確認します。

電子マネー、ポイント、マイル、SNS、クラウドは、税額への影響が小さい場合もありますが、見落としやすく相続人間の疑いにつながりやすい対象です。次の一覧は確認項目と意味を示し、残高や規約だけでなく死亡後利用の有無も見ることが重要です。

確認項目実務上の意味
残高財産価値の基礎
返金可否相続人が金銭化できるか
死亡時失効条項財産性の有無に影響
本人確認手続相続人による請求可能性
利用規約の改定時期死亡日時点の権利内容を確認
チャージ原資家族資金か本人資金かの紛争予防

SNSやクラウド内のデータは、通常の思い出データか、収益や著作権に結びつくデータかで税務上の扱いが変わります。次の一覧は、例外的に財産価値が問題になる場面を示しており、個人利用と事業利用を分けて読むことが重要です。

場面課税上の論点
収益化SNS未収広告収入、チャンネル価値、事業用資産
写真家のクラウド著作権、作品在庫、販売可能性
作家の執筆データ著作権、印税、出版契約
事業者のメール売掛金、契約、顧客情報、営業秘密
動画配信者のアカウント広告収入、スポンサー契約、未収金
オンラインサロン会員契約、未収会費、事業承継

著作権、ドメイン、ゲーム内資産、サブスクリプション、国外プラットフォームは、評価だけでなく契約や国際手続も問題になります。次の一覧は、対象ごとに何を確認するかを示し、税務と規約、事業承継、債務控除がつながることを読み取ってください。

著作権とコンテンツ収益

電子書籍の印税請求権、音楽配信のロイヤルティ、写真販売、動画素材、ソフトウェア著作権、YouTube等の未収広告収入を確認します。

収益権利

ドメインと収益サイト

類似ドメインの売買事例、アクセス数、被リンク、ブランド性、月間売上、利益率、直近12か月の収益、譲渡可能性を確認します。

評価事業
EC

ECアカウントと在庫

アカウント承継、売掛金、未発送注文、返品債務、在庫、販売データ、レビュー、ブランド登録、知的財産権を確認します。

売掛債務
G

ゲーム内資産

アカウント譲渡、アイテム売買、死亡時取扱い、換金市場、権利内容、永続性、取引実例、本人依存性を確認します。

規約換金性

サブスクリプション

動画配信、音楽配信、クラウド、SaaSなどは解約、未払料金、債務控除の可否を確認します。

解約債務

国外プラットフォーム

日本の相続税申告対象範囲、プロベート、外貨換算、外国税制、翻訳、公証、アポスティーユを確認します。

国際期限
Section 06

デジタル遺産の評価原則と証拠化

死亡時の時価を説明できる資料を優先順位で集めます。

評価原則は、死亡時点の価額をどの資料で説明するかという問題です。次の優先順位は客観性の高い資料から順に並べており、スクリーンショットだけでは不十分な場合があることを読み取ってください。

優先順位評価資料読み方
1運営会社、金融機関、交換業者が発行する残高証明本人性と残高の客観性が高い資料です。
2死亡日時点の公式価格、取引所価格、取引報告書相続開始時点の価額を説明する中心資料です。
3実際の成約価格、売買実例NFT、ドメイン、収益サイトなどの市場価値を示します。
4専門家による鑑定、評価意見評価通達で直接定めにくい財産の説明に使います。
5スクリーンショット、APIデータ、オンチェーンデータ補助資料として、取得時刻、URL、取得者を残します。
6相続人の説明書、メモ、家計簿、メール他の資料を補うものとして整理します。

評価が難しい財産では、なぜその評価額になったかを説明できる評価メモが重要です。次の一覧は、評価メモに書く項目を示し、財産概要、時点、方法、根拠、制約、結論、作成者を分けて読むことが必要です。

項目記載内容
財産の概要種類、サービス名、アカウント、ウォレット、権利内容
相続開始時点死亡日時、時差、タイムゾーン
評価方法取引価格、売買実例、収益還元、専門家意見など
評価根拠証明書、規約、取引履歴、スクリーンショット
制約要因譲渡制限、ロック、秘密鍵不明、流動性欠如
結論評価額とその理由
作成者税理士、弁護士、専門家、相続人代表者
Section 07

相続税申告、申告漏れ、デジタル負債

10か月期限、総額計算、見落としやすい資産と債務を確認します。

相続税申告では、デジタル遺産だけを切り出して税率を掛けるのではありません。次の判断の流れは、課税価格の合計、基礎控除、法定相続分、税率、按分という順序を示し、少額のデジタル資産でも全体の税率帯に影響することを読み取るためのものです。

相続税総額の基本的な計算順序

課税価格の合計額を出す

不動産、預貯金、有価証券、デジタル遺産、みなし相続財産、債務等を整理します。

基礎控除額を差し引く

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数を確認します。

法定相続分に応ずる取得金額を計算

各財産に個別税率を掛ける方式ではありません。

相続税の総額を各相続人へ按分

実際の取得割合に応じて負担を整理します。

申告漏れが起きやすいものは、紙の資料がなく、家族が存在を知らないものです。次の一覧は見落としやすいデジタル遺産と理由を示し、調査開始時点で重点的に探す対象を読み取ってください。

申告漏れが起きやすいもの理由
海外暗号資産口座郵便物がない、英語手続、家族が存在を知らない
自己管理ウォレット秘密鍵、シードフレーズが見つからない
NFT相続人が価値を理解していない
EC売上、広告収益入金予定とアカウントが分離している
ポイント、マイル金額が見えにくい
クラウド上の著作物作品と収益権が見落とされる
サブスクリプション債務死亡後も引落しが続く
ロボアドバイザー通帳がなく存在に気づかない

デジタル負債は、プラス財産と同じくらい早く確認する必要があります。次の一覧は死亡時に存在する債務控除の検討対象を示し、死亡後に相続人が放置して発生させた費用とは分けて読むことが重要です。

種類
未払利用料クラウド、サーバー、SaaS、サブスクリプション
未払広告費EC、広告出稿、SNS広告
未払仕入代金オンライン販売の仕入債務
返品、返金義務EC取引、デジタルコンテンツ販売
FX、CFD損失追証、決済損
クレジットカード債務アプリ課金、月額契約
サーバー解約違約金契約条件による
Section 08

相続人間紛争と専門職の役割分担

存在隠し、使い込み、評価争い、無断閲覧に備えます。

デジタル遺産の紛争は、移転が速く、証拠が消えやすく、匿名性がある場合があるため、早期の証拠保全が重要です。次の一覧は紛争類型と具体例を示し、税務だけでなく遺産分割や損害回復にも影響することを読み取ってください。

紛争類型具体例
存在隠し一部相続人だけが暗号資産口座を知っていた
使い込み疑い死亡後に電子マネーやポイントが利用された
秘密鍵独占一人の相続人だけがウォレットを移転できる
評価争いNFTや収益サイトの評価額で対立
アカウント削除重要データを削除してしまった
プライバシー侵害メールやSNSを無断閲覧した
収益分配死亡後も広告収益が発生している

専門職の役割分担を知ると、税務と紛争を同時に整理しやすくなります。次の一覧は主な相談先と役割を示しており、暗号資産やNFTの課税判断だけでなく、登記、遺言、事業、知的財産へ広がることを読み取ってください。

専門職主な役割
税理士相続税申告、評価、暗号資産やNFTの課税判断、税務調査対応
弁護士相続紛争、遺留分、使い込み疑い、証拠保全、交渉、調停、審判、訴訟
司法書士相続登記、名義変更、戸籍収集、裁判所提出書類作成支援
行政書士紛争や税務、登記申請を除く遺産分割協議書等の書類作成支援
公証人公正証書遺言の作成手続
遺言執行者遺言内容の実現、財産目録作成、相続手続の実行
信託銀行等遺言信託、遺言書保管、執行支援、相続手続支援
公認会計士非上場会社、事業承継、収益サイト、会社価値分析
弁理士商標、特許、知的財産の名義変更、権利調査
不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅地建物取引士不動産評価、境界、分筆、相続不動産売却で関与
FP、社会保険労務士、家庭裁判所関係者資産全体、遺族年金、調停、審判、特別代理人等で関与

不動産がある相続では、デジタル遺産と同時に相続登記にも注意が必要です。法務省は、相続により不動産を取得した相続人は取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があり、正当な理由がないのに申請しない場合には10万円以下の過料の対象となると説明しています。

Section 09

相続開始後の手順とデジタル終活

30日、3か月、10か月の順で資料を整備します。

相続開始後の実務手順は、30日、3か月、10か月で分けると見落としを減らせます。次の時系列は、初期保全、放棄判断、申告準備の順を示し、期限が近いものほど先に資料化することを読み取ってください。

最初の30日

端末、明細、アカウントを保全する

スマートフォン、パソコン、外付けディスク、ハードウェアウォレットを確保し、端末を初期化せず、クレジットカード明細、銀行引落履歴、メール、郵便物から口座、取引所、サブスクリプションを把握します。

3か月以内

相続放棄や限定承認を検討する

デジタル負債が疑われる場合、FX、CFD、クレジット、サブスクリプション、事業債務を早期に調査します。

10か月以内

相続税申告資料を整える

財産目録、デジタル遺産一覧表、残高証明、取引履歴、利用規約、評価根拠資料、遺産分割協議書、未収金、未払金の一覧、相続人全員の合意記録を準備します。

生前対策としての財産目録は、家族が財産の存在を見つけ、税務申告の漏れを防ぐために使います。次の一覧は記載項目と例を示し、パスワードそのものではなく存在、手続、保管場所を整理することを読み取ってください。

項目記載例
サービス名取引所名、銀行名、証券会社名、クラウド名
種類暗号資産、電子マネー、ポイント、SNS、著作権
アカウントIDメールアドレス、ユーザー名
財産性残高あり、収益あり、単なる連絡用など
相続手続死亡時窓口、必要書類
保管場所契約書、端末、ハードウェアウォレット
注意事項パスワードの保管方法、二段階認証、秘密鍵

税務調査では、評価額だけでなく、なぜその評価になったかの説明が問われやすくなります。次の一覧は、確認されやすい項目を示し、電子資料の保存日時、取得者、出典、PDF化、スクリーンショット、CSVファイル、ハッシュ値なども意識して読むことが重要です。

調査項目具体的な確認
取引所口座国内外の交換業者、入出金履歴、銀行口座との連動
ウォレットオンチェーン残高、送金履歴、秘密鍵管理
価格評価死亡時点の価格ソース、評価方法
未収収益広告、アフィリエイト、EC売上、印税
ポイント高額残高、換金性、事業利用
贈与生前の暗号資産移転、家族への送金
所得税との整合生前の確定申告、雑所得、事業所得
相続人の移転行為死亡後の売却、送金、ログイン、使用
Section 10

デジタル遺産の相続税でよくある質問

課税対象性、評価、ログイン、国外財産の考え方を一般情報として整理します。

FAQは、個別の税額や法的結論を断定するものではありません。各回答では、一般的な税務上の考え方、判断が変わる事情、税理士や弁護士等へ相談すべき場面を読み取ってください。

Q1. デジタル遺産が少額なら申告しなくてよいですか。

一般的には、少額のデジタル遺産だけで相続税が発生するとは限りません。ただし、相続税の要否はデジタル遺産を含む正味の遺産額全体が基礎控除額を超えるかで判断されます。少額でも財産目録に記載し、具体的には税理士等へ相談する必要があります。

Q2. 暗号資産の秘密鍵が見つからない場合、評価額はゼロですか。

一般的には、直ちにゼロとはいえません。ウォレットの存在、復元可能性、バックアップ、取引所口座、アクセス可能性、秘密鍵の保管状況によって判断が変わります。移転不能で経済的価値を実現できないと説明するには客観的資料が必要で、具体的には税理士等へ相談する必要があります。

Q3. 故人のスマートフォンにログインして残高を確認してよいですか。

一般的には、端末を確認する必要がある場面はありますが、サービスへのログインは利用規約や法令上の問題を伴うことがあります。特にクラウド、メール、SNS、第三者との通信は慎重に扱い、具体的な対応は弁護士等へ相談する必要があります。

Q4. SNSアカウント自体に相続税はかかりますか。

一般的には、通常の個人SNSアカウントは相続税の評価対象にならないことが多いと考えられます。ただし、収益化アカウント、スポンサー契約、未収広告収入、著作物、事業用データがある場合は扱いが変わる可能性があります。

Q5. ポイントやマイルは相続税の対象ですか。

一般的には、利用規約によって判断が変わります。本人専用で死亡時に失効する場合は評価が困難ですが、家族承継、商品交換、電子マネー化、換金が可能な場合は財産性が問題になります。高額残高がある場合は運営会社に死亡時取扱いを確認し、税理士等へ相談する必要があります。

Q6. NFTは購入価格で評価しますか。

一般的には、購入価格ではなく相続開始時点の価額を検討します。市場価格、売買実例、専門家意見、類似資産評価、流動性を総合します。購入価格は参考資料にはなりますが、死亡時の時価を置き換えるものではありません。

Q7. サブスクリプションの未払料金は債務控除できますか。

一般的には、死亡時に現に存在し、確実と認められる債務であれば検討対象になります。ただし、死亡後に相続人が契約を放置したことで発生した費用は、被相続人の死亡時債務とは別に整理する必要があります。

Q8. デジタル遺産の存在を一部相続人が隠していた場合はどうなりますか。

一般的には、遺産分割、損害賠償、不当利得、使い込み、税務上の申告漏れなど複数の問題が生じる可能性があります。暗号資産や電子マネーは移転履歴が残る場合もありますが、早期に証拠保全しないと回復が困難になることがあります。

Q9. 外国の取引所にある暗号資産も日本の相続税対象ですか。

一般的には、相続人や被相続人の住所、居住期間、在留資格、財産の所在などにより判断が変わります。日本の相続税で国外財産が対象になる場合があり、外国の税制や手続も関係するため、国際相続に詳しい税理士、弁護士等へ相談する必要があります。

Q10. 端末本体と中のデータは同じ評価ですか。

一般的には、同じではありません。スマートフォンやパソコン本体は動産として評価されますが、中のデータ、アカウント、著作権、暗号資産、電子マネー、収益権は別に検討します。端末本体の価値は小さくても、中に高額な秘密鍵や事業データがある場合があります。

Section 11

デジタル遺産に相続税がかかるかの結論

名称ではなく、財産性、承継可能性、評価可能性で判断します。

結論の一覧は、課税対象性の判断を実務に戻すためのものです。次の五つは、デジタル遺産が課税対象に含まれるか、申告資料をどう整えるかを読むための最終確認です。

CHECK 1

金銭的価値があるか

暗号資産、NFT、電子マネー、コード決済残高、ネット証券、未収広告収入、著作権収入、収益サイト、ドメイン名などを確認します。

CHECK 2

承継または請求できるか

相続人が払い戻し、移転、換金、名義変更、請求をできるかを規約と公式手続で確認します。

CHECK 3

死亡時点の価額を評価できるか

残高証明、価格資料、取引履歴、売買実例、専門家意見、制約要因を保存します。

CHECK 4

ログインや移転が適法にできるか

利用規約、通信の秘密、第三者の個人情報、不正アクセス、相続人間の合意を確認します。

CHECK 5

透明に扱っているか

証拠を保存し、相続人全員で情報を共有し、必要に応じて弁護士、税理士等へ相談します。

デジタル遺産は見えにくく、消えやすく、移転しやすく、評価が難しい財産です。相続税の申告期限は原則10か月であり、調査や評価に時間がかかることを考えると、相続開始直後から財産目録、残高証明、利用規約、評価資料を整備することが重要です。

Reference

デジタル遺産の相続税の参考資料

相続税、暗号資産、NFT

  • 国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」
  • 国税庁「No.4105 相続税がかかる財産」
  • 国税庁「No.4126 相続財産から控除できる債務」
  • 国税庁「No.4108 相続税がかからない財産」
  • 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
  • 国税庁「No.4155 相続税の税率」
  • 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」
  • 国税庁「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」

デジタル終活、金融、知的財産

  • 国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』 スマホの中の見えない契約で遺された家族が困らないために」
  • 日本銀行「暗号資産とは何ですか?」
  • 金融庁「暗号資産の利用者のみなさまへ」
  • 文化庁「著作権テキスト」

法令、プラットフォーム、登記

  • e-Gov法令検索「民法 第896条」
  • 警視庁「不正アクセス禁止法」
  • Googleアカウントヘルプ「アカウント無効化管理ツールについて」
  • Googleアカウントヘルプ「亡くなられたユーザーのアカウントに関するリクエストを送信する」
  • Appleサポート「Apple Account の故人アカウント管理連絡先を追加する方法」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」