2σ Guide

相続手続きは自分でできるのか
弁護士に頼むべきか

本人で進めやすい相続と、弁護士、司法書士、税理士などへ相談すべき相続を、期限、争い、財産内容、登記、税務、費用の観点から整理します。

3か月 相続放棄の原則期限
10か月 相続税申告期限
3年 相続登記の原則期限
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相続手続きは自分でできるのか 弁護士に頼むべきか

本人で進めやすい 相続と、弁護士、司法書士、税理士などへ相談すべき相続を、期限、争い、財産内容、登記、税務、費用の観点から整理します。

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相続手続きは自分でできるのか 弁護士に頼むべきか
本人で進めやすい 相続と、弁護士、司法書士、税理士などへ相談すべき相続を、期限、争い、財産内容、登記、税務、費用の観点から整理します。
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  • 相続手続きは自分でできるのか 弁護士に頼むべきか
  • 本人で進めやすい 相続と、弁護士、司法書士、税理士などへ相談すべき相続を、期限、争い、財産内容、登記、税務、費用の観点から整理します。

POINT 1

  • 相続手続きは自分でできるのか弁護士に頼むべきかの結論
  • 書類作成能力だけでなく、紛争性、期限、税務、登記、不動産評価を総合して判断します。
  • 争いがなく単純なら自分で進めやすく、争いがあるなら早期相談が合理的です
  • 自分で進めやすい相続
  • 専門家を使い分ける相続

POINT 2

  • 相続手続きの期限と基本用語を先に押さえる
  • 3か月、4か月、10か月、3年の期限と、相続人、遺産分割、遺留分、相続登記などを整理します。
  • 被相続人
  • 法定相続分
  • 遺産分割協議

POINT 3

  • 自分で相続手続きを進める場合の実務手順
  • 1. 遺言書を探す:公正証書遺言、法務局保管の自筆証書遺言、自宅保管の遺言を確認します。
  • 2. 相続人を確定する:出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍をたどり、前婚の子、養子、認知、代襲相続を確認します。
  • 3. 財産と債務を調査する:預貯金、証券、保険、不動産、自動車、貸付金、デジタル資産、借入金、保証債務、税金を確認します。
  • 4. 財産目録を作る:金融機関、支店、口座種別、残高基準日、不動産の所在、評価額、共有持分、証券の銘柄と数量を整理します。
  • 5. 遺産分割協議を行う:相続人全員で合意し、金融機関や法務局で使える内容の協議書を作成します。
  • 6. 名義変更と払戻しを進める:預金、証券、不動産、自動車、保険など提出先ごとに必要書類を確認します。
  • 7. 相続税の要否を判断する:基礎控除額は3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数です。

POINT 4

  • 弁護士に頼むべき相続と頼まない方が合理的な相続
  • 相続人どうしで揉めている
  • 連絡拒否、押印拒否、資料不開示、調停見込みがある場合は交渉と証拠整理が必要です。
  • 遺言の有効性に疑いがある
  • 認知症、入院中、介護者の関与、筆跡、複数遺言、作成経緯を検討します。

POINT 5

  • 専門職ごとの役割と依頼前に準備する資料
  • 弁護士、司法書士、税理士、行政書士、公証人、不動産関連職などの役割を分けて考えます。
  • 相続では、専門職ごとに担当できる範囲が違います。
  • 相談先を誤ると時間と費用が増えるため、案件の中心課題を読み取ってください。
  • 弁護士相談の精度は、資料の完璧さではなく、事実関係の整理で上がります。

POINT 6

  • 弁護士へ頼む範囲と費用を考える視点
  • 相談だけ、書面チェック、交渉代理、調停代理、審判や訴訟代理を段階的に分けます。
  • 依頼範囲
  • 着手金と報酬金
  • 他専門家費用

POINT 7

  • 相続手続でよくある失敗と事例別の判断
  • 相続人を一人漏らす
  • 前婚の子、認知された子、養子、代襲相続人が後から判明すると協議をやり直すことがあります。
  • 期限を誤解する
  • 相続放棄は原則3か月、相続税は10か月で、協議未了でも自動的には延びません。

POINT 8

  • 相続手続きは自分でできるのか弁護士に頼むべきかのFAQ
  • 本人対応と専門家相談の境界について、一般情報として整理します。
  • Q1. 相続手続きは本当に自分でできますか。
  • Q2. 弁護士に頼むと、かえって揉めませんか。
  • Q3. 司法書士と弁護士のどちらに相談すべきですか。

まとめ

  • 相続手続きは自分でできるのか 弁護士に頼むべきか
  • 相続手続きは自分でできるのか弁護士に頼むべきかの結論:書類作成能力だけでなく、紛争性、期限、税務、登記、不動産評価を総合して判断します。
  • 相続手続きの期限と基本用語を先に押さえる:3か月、4か月、10か月、3年の期限と、相続人、遺産分割、遺留分、相続登記などを整理します。
  • 自分で相続手続きを進める場合の実務手順:遺言確認、相続人確定、財産調査、財産目録、協議、名義変更、税務判断の順に進めます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

相続手続きは自分でできるのか弁護士に頼むべきかの結論

書類作成能力だけでなく、紛争性、期限、税務、登記、不動産評価を総合して判断します。

相続手続きは自分でできるのか弁護士に頼むべきかという問いは、単に書類を作れるかどうかでは決まりません。相続人どうしの関係、遺言の有効性、相続放棄や相続税の期限、不動産登記、財産評価、証拠収集、親族関係の緊張度を総合して判断します。

次の重要ポイントは、このページの結論を示しています。自分で進めやすい条件と、弁護士や専門家へ相談すべき条件を分けて読むことで、全面委任か単発相談かまで判断しやすくなります。

争いがなく単純なら自分で進めやすく、争いがあるなら早期相談が合理的です

相続人が明確で全員協力的、財産が単純、相続税や相続放棄の難しい判断がなく、登記も単純なら本人で進められる手続は多くあります。一方、意見対立、遺言の有効性、遺留分、使い込み、特別受益、寄与分、相続放棄期限、調停見込みがある場合は、弁護士への早期相談が検討されます。

次の3つの項目は、判断の全体像を短く整理したものです。左から順に、自分でできる条件、専門職を使い分ける考え方、弁護士相談の段階性を読み取ってください。

Self

自分で進めやすい相続

相続人と財産が単純で、全員が協力的で、期限に余裕があり、税務や登記の難所が少ない場合です。

Specialist

専門家を使い分ける相続

登記は司法書士、相続税は税理士、書類整理は行政書士、不動産評価や境界は各専門職が候補です。

Lawyer

弁護士相談が重要な相続

相続人間の対立、遺言無効、遺留分、使い込み、調停、訴訟、相続放棄の法的判断がある場合です。

Section 01

自分でできる相続と弁護士に頼むべき相続の判断軸

7つの判断軸で、本人対応と専門家相談の境界を確認します。

判断軸は、相続手続を自分で進めるか、弁護士や専門家へ相談するかを分ける基準です。次の表は、同じ項目について自分で進めやすい状態と相談が必要になりやすい状態を並べています。右列に当てはまる項目が多いほど、早めに専門家へ確認する必要性が高いと読み取れます。

判断軸自分で進めやすい状態弁護士または専門家へ相談すべき状態
相続人配偶者と子など、人数が少なく関係も明確前婚の子、認知、養子、代襲相続、疎遠な兄弟姉妹、海外居住者がいる
紛争性全員が協力し、分け方に異議がない連絡拒否、感情対立、遺産隠し疑い、協議不成立、調停見込みがある
財産預金と少額の保険程度不動産、非上場株式、事業、貸付金、海外財産、負債がある
遺言公正証書遺言などで内容が明確自筆証書遺言の形式不備、遺言能力疑い、内容の不公平、複数遺言がある
税務明らかに基礎控除内相続税申告が必要、評価が難しい、税務調査リスクがある
登記不動産がない、または単純な相続登記共有、未登記、古い抵当権、私道、農地、境界、数次相続がある
期限余裕を持って調査できる相続放棄3か月、準確定申告4か月、相続税10か月、登記3年の期限が迫る

次の判断の流れは、最初に争いと期限を見て、その後に税務、登記、不動産評価へ進む順番を示しています。分岐で右側に進むほど、本人だけで抱えず相談を検討する場面が増えることを読み取ってください。

自分で進めるか専門家へ相談するかの順番

相続人全員が協力的か確認

連絡不能、対立、資料不開示がないかを確認します。

期限や争点が迫っているか

3か月、4か月、10か月、3年、遺留分の1年を確認します。

争いまたは期限リスクあり
弁護士や専門家へ早期相談

方針設計だけの相談も含めて検討します。

争いがなく単純
本人中心で進める余地

戸籍、財産目録、協議書、提出先書類を一つずつ確認します。

Section 02

相続手続きの期限と基本用語を先に押さえる

3か月、4か月、10か月、3年の期限と、相続人、遺産分割、遺留分、相続登記などを整理します。

期限と用語は、本人対応の可否を判断する前提です。次の表は、主要期限と主な相談先を時期順に並べています。日数だけでなく、どの期限が短く、誰に確認すべきかを読み取ってください。

時期の目安主な手続自分でできる可能性主な相談先
7日以内死亡届の提出高い市区町村、葬祭事業者、医師
早期遺言書の有無確認中程度法務局、公証役場、弁護士、司法書士
早期戸籍収集、相続人調査中程度市区町村、司法書士、行政書士、弁護士
早期財産債務調査中程度金融機関、税理士、弁護士、司法書士
3か月以内相続放棄、限定承認事案による弁護士、司法書士、家庭裁判所
4か月以内準確定申告事案による税理士、税務署
10か月以内相続税申告、納税難しい場合が多い税理士、税務署
3年以内相続登記事案による法務局、司法書士、弁護士
争いがあるとき遺産分割調停、審判、訴訟本人申立ても可能だが難度が高い弁護士、家庭裁判所

基本用語は、どの専門家に相談するかを決めるうえでも重要です。次の一覧は、相続で最初に出会いやすい概念と実務上の意味をまとめています。用語の定義だけでなく、どの場面で問題になるかを読み取ってください。

Person

被相続人

亡くなった人です。相続は被相続人の死亡で始まり、財産上の権利義務が対象になります。

Heir

相続人

配偶者は常に相続人となり、子、直系尊属、兄弟姉妹の順に相続人となります。

Share

法定相続分

民法が定める相続分の基準です。全員合意があれば異なる分け方も可能です。

Meeting

遺産分割協議

誰がどの遺産を取得するかを全員で決める話し合いです。一人でも欠けると原則として有効な協議になりません。

Reserved

遺留分

兄弟姉妹以外の一定の相続人に保障される最低限の取り分です。相続開始と侵害を知った時から1年、相続開始から10年という期間制限が重要です。

Renounce

相続放棄

家庭裁判所に申述して、被相続人の権利義務を承継しない手続です。原則3か月以内に判断します。

Register

相続登記

亡くなった人名義の不動産を相続人名義へ変更する登記です。2024年4月1日から義務化され、正当な理由なく申請しない場合は10万円以下の過料対象となり得ます。同日前の相続で未登記の不動産は2027年3月31日までの猶予期限にも注意します。

List

法定相続情報一覧図

法務局で証明を受ける相続関係の一覧図です。登記、預金払戻し、税務、年金手続で使えることがあります。

Section 03

自分で相続手続きを進める場合の実務手順

遺言確認、相続人確定、財産調査、財産目録、協議、名義変更、税務判断の順に進めます。

本人中心で進める場合でも、順番を外すと手続が止まります。次の時系列は、自分で進めるときの主な作業を上から順に並べたものです。各段階で何を確認し、どこで専門家確認を挟むべきかを読み取ってください。

Step 01

遺言書を探す

公正証書遺言、法務局保管の自筆証書遺言、自宅保管の遺言を確認します。自宅で見つかった自筆証書遺言は検認要否を確認します。

Step 02

相続人を確定する

出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍をたどり、前婚の子、養子、認知、代襲相続を確認します。

Step 03

財産と債務を調査する

預貯金、証券、保険、不動産、自動車、貸付金、デジタル資産、借入金、保証債務、税金を確認します。

Step 04

財産目録を作る

金融機関、支店、口座種別、残高基準日、不動産の所在、評価額、共有持分、証券の銘柄と数量を整理します。

Step 05

遺産分割協議を行う

相続人全員で合意し、金融機関や法務局で使える内容の協議書を作成します。対立がある場合は弁護士確認を検討します。

Step 06

名義変更と払戻しを進める

預金、証券、不動産、自動車、保険など提出先ごとに必要書類を確認します。

Step 07

相続税の要否を判断する

基礎控除額は3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数です。不動産、名義預金、生前贈与、保険、死亡退職金がある場合は税理士確認が重要です。

本人対応であっても、見落としがあると後から専門家費用や手続時間が増えます。次の比較表は、比較的進めやすい作業と、確認を挟みたい作業を分けています。左列だけで完結すると考えず、右列に該当したら相談を入れることを読み取ってください。

作業本人で進めやすい場合専門家確認を挟みたい場合
戸籍収集配偶者と子のみで戸籍のつながりが単純兄弟姉妹相続、甥姪、数次相続、海外居住者がいる
財産目録預金、保険、少額証券が中心不動産、非上場株式、事業用資産、借金、保証がある
協議書作成全員合意で財産も単純不動産、代償金、後日判明財産、債務、換価分割、共有がある
名義変更金融機関の所定書類で足りる登記、未登記建物、古い抵当権、数次相続、調停調書が絡む
税務判断明らかに基礎控除内で複雑な財産がない不動産、名義預金、生前贈与、保険、死亡退職金、非上場株式がある
Section 04

弁護士に頼むべき相続と頼まない方が合理的な相続

紛争性がある相続では弁護士が中心になり、争いがない場合は別専門職が主担当になることもあります。

弁護士相談が必要になりやすい場面は、単なる書類不備ではなく法的紛争や期限判断が含まれる場面です。次の一覧は、弁護士が中心になりやすい典型例を示しています。どの項目も証拠や手続選択が結果に影響することを読み取ってください。

相続人どうしで揉めている

連絡拒否、押印拒否、資料不開示、調停見込みがある場合は交渉と証拠整理が必要です。

遺言の有効性に疑いがある

認知症、入院中、介護者の関与、筆跡、複数遺言、作成経緯を検討します。

遺留分が問題になる

請求額、財産評価、生前贈与、時効管理を法的に組み立てます。

預金の使い込みが疑われる

取引履歴、医療介護記録、領収書、生活費水準を時系列で整理します。

特別受益や寄与分がある

住宅資金、事業資金、介護、家業従事の法的評価と証拠化が必要です。

相続放棄や限定承認が難しい

3か月期限、単純承認リスク、財産調査、他の相続人への影響を確認します。

家庭裁判所手続が見込まれる

調停、審判、訴訟、特別代理人、不在者財産管理人などでは手続戦略が重要です。

会社や不動産評価が絡む

非上場株式、保証債務、不動産評価、境界、代償金は複数専門職の連携が必要です。

一方で、すべてを弁護士へ依頼するのが合理的とは限りません。次の比較表は、争いがない場合に主担当になりやすい専門職と、弁護士が関与する条件を示しています。中心課題が登記か税務か書類かを読み分けてください。

主な課題最優先の相談先弁護士の関与
不動産の相続登記だけをしたい司法書士争いがある場合、遺産分割交渉が必要な場合
相続税申告をしたい税理士遺産分割争い、税務訴訟、法的紛争がある場合
争いのない協議書を作りたい行政書士、司法書士、弁護士内容に対立がある場合
公正証書遺言を作りたい公証人、弁護士、司法書士、行政書士、信託銀行等紛争予防設計や複雑財産がある場合
境界や分筆が必要土地家屋調査士境界紛争や遺産分割紛争がある場合
不動産の価格が争点不動産鑑定士評価を用いた交渉、調停、訴訟が必要な場合
年金や社会保険の手続社会保険労務士、年金事務所争いがある場合
Section 05

専門職ごとの役割と依頼前に準備する資料

弁護士、司法書士、税理士、行政書士、公証人、不動産関連職などの役割を分けて考えます。

相続では、専門職ごとに担当できる範囲が違います。次の表は、主な役割と典型場面を対応させています。相談先を誤ると時間と費用が増えるため、案件の中心課題を読み取ってください。

専門職、機関主な役割相談すべき典型場面
弁護士紛争予防、交渉、調停、審判、訴訟、遺留分、使い込み、遺言無効もめている、もめそう、代理交渉が必要、遺留分や使い込みがある
司法書士相続登記、不動産名義変更、登記用書類、戸籍収集、法定相続情報不動産がある、相続登記をしたい、戸籍が複雑
税理士相続税申告、準確定申告、財産評価、税務代理、税務調査対応基礎控除を超えそう、土地や株式がある、特例を使いたい
行政書士紛争、税務、登記申請を除く書類作成、相続人関係説明図争いがなく、書類整理や協議書作成を進めたい
公証人、遺言執行者公正証書遺言、遺言内容の実現、財産引渡し、名義変更遺言作成、遺言執行者指定、執行者選任が必要な場合
不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅地建物取引士時価評価、境界確認、分筆、売却、査定、媒介評価、境界、売却、空き家、土地分割が問題になる場合
家庭裁判所関係者調停、審判、記録管理、調査、鑑定人や専門委員の活用遺産分割調停、特別代理人、不在者、後見、訴訟前提問題がある場合
会計、事業、知財、年金の専門職非上場株式、会社財務、事業承継、特許商標、遺族年金会社、事業、知的財産、社会保険給付が相続に含まれる場合

弁護士相談の精度は、資料の完璧さではなく、事実関係の整理で上がります。次の一覧は、相談前に持参または準備したい資料を目的別に示しています。不完全な段階でも、どの資料を追加で集めるかを確認できることを読み取ってください。

1

人と関係を示す資料

死亡日、本籍、最後の住所、相続人一覧、家族関係図、連絡状況を整理します。

相続人
2

遺言と財産を示す資料

遺言書、預金通帳、残高証明、取引履歴、証券資料、固定資産税通知書、登記事項証明書、名寄帳を準備します。

財産
3

債務と争点を示す資料

借入金、保証、督促状、税金滞納、生前贈与、介護、家業従事、相手からの手紙、メール、メッセージを整理します。

争点
4

困りごとの時系列

何に困っているか、いつ誰が何をしたかを時系列でまとめます。感情だけでなく、証拠で確認できる事実を整理します。

相談準備
Section 06

弁護士へ頼む範囲と費用を考える視点

相談だけ、書面チェック、交渉代理、調停代理、審判や訴訟代理を段階的に分けます。

弁護士に頼むといっても、最初から全面委任だけが選択肢ではありません。次の比較表は、依頼範囲を段階ごとに分けたものです。自分で集められる資料と、弁護士に任せるべき判断や交渉を分けて読むことが重要です。

依頼範囲内容向いている場面
法律相談だけ相続人、財産、争点、期限、必要な専門家を整理します。自分で進めたいが最初の設計を確認したい場合
書面チェック協議書案、通知書、遺留分請求書、調停申立書などを確認します。争いは軽いが、法的な落とし穴を避けたい場合
交渉代理弁護士が代理人として相手方と交渉します。相手が感情的、連絡不能、資料を開示しない場合
調停代理主張書面、証拠、期日対応を行います。遺産分割調停、遺留分関連調停を見据える場合
審判、訴訟代理調停不成立後の審判、遺言無効、使い込み返還、遺産確認などに対応します。専門的な訴訟活動が必要な場合

費用は金額だけで判断せず、依頼範囲と効果を合わせて見る必要があります。次の一覧は、弁護士費用を確認するときの観点をまとめています。着手金や報酬金だけでなく、別専門家費用や見込み違い時の説明まで読むことが大切です。

Scope

依頼範囲

相談だけか、交渉代理までか、調停や訴訟までかを確認します。

Fee

着手金と報酬金

計算基準、経済的利益の定義、実費、日当、途中解約時の扱いを確認します。

Team

他専門家費用

司法書士、税理士、不動産鑑定士などの費用が別に必要か確認します。

Plan

方針変更

見込み違いがあった場合の説明、報告方法、方針変更時の費用を確認します。

専門家を選ぶ際は、経験だけでなく、線引きの明確さも重要です。相続案件の経験、争いのある相続と争いのない相続のどちらに強いか、登記、税務、不動産評価との連携、料金体系、期限管理、報告方法、利益相反の有無を確認します。

Section 07

相続手続でよくある失敗と事例別の判断

相続人漏れ、期限誤解、不動産共有、名義預金、死亡後出金、税務判断、登記放置を避けます。

よくある失敗は、手続の最初ではなく、数か月後や次の相続で問題になることがあります。次の一覧は、代表的な失敗と、その影響を整理したものです。どの項目も早い段階で確認すれば回避しやすい点を読み取ってください。

相続人を一人漏らす

前婚の子、認知された子、養子、代襲相続人が後から判明すると協議をやり直すことがあります。

期限を誤解する

相続放棄は原則3か月、相続税は10か月で、協議未了でも自動的には延びません。

不動産を共有にする

売却、賃貸、修繕、固定資産税、次の相続で問題が広がりやすくなります。

名義預金を見落とす

原資、管理者、通帳印鑑の保管、入出金経緯を確認しないと税務や分割で問題になります。

死亡後の預金引出しを軽く考える

葬儀費用など正当な支出でも、領収書、使途、金額の説明を残す必要があります。

税理士に相談せず分割する

配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例、二次相続、売却時の所得税を見落とすことがあります。

登記を後回しにする

相続登記義務化により、過料リスクと次の相続での複雑化リスクがあります。

事例ごとの判断は、争い、財産、期限、専門家の必要性を同時に見ると整理しやすくなります。次の表は、7つの典型例と最初の対応をまとめています。自分の状況と近い行を見て、どの専門家を優先するかを読み取ってください。

事例判断の目安優先する相談先
預金800万円のみ、母と子2人で協力的相続税申告は通常不要と考えられ、戸籍、協議書、銀行書類で進めやすい可能性があります。単発相談、行政書士、司法書士
死亡前に1,000万円が引き出された取引履歴、生活費、医療費、贈与、意思能力を確認する必要があります。弁護士
長男に全財産とする遺言に次男が納得できない遺留分侵害額請求の可能性があり、期間制限があります。弁護士、税理士
不動産があり全員合意している紛争がなければ相続登記と必要書類の整理が中心です。司法書士、税理士
不動産の取得者で対立している現物分割、代償分割、換価分割、共有を法的、経済的、税務的に検討します。弁護士、不動産鑑定士、司法書士、税理士
被相続人が会社経営者株式評価、議決権、役員変更、金融機関対応、保証債務、事業承継税制を確認します。弁護士、税理士、公認会計士
相続人に未成年者がいる利益相反がある遺産分割では特別代理人の選任が必要になることがあります。弁護士、司法書士、家庭裁判所
Section 08

相続手続きは自分でできるのか弁護士に頼むべきかのFAQ

本人対応と専門家相談の境界について、一般情報として整理します。

Q1. 相続手続きは本当に自分でできますか。

一般的には、争いがなく、相続人と財産が単純で、期限に余裕がある場合は、本人が進められる手続も多いとされています。ただし、相続税、不動産登記、遺留分、使い込み、調停が絡む場合は結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q2. 弁護士に頼むと、かえって揉めませんか。

一般的には、弁護士が入ることで相手が身構える場合もありますが、既に対立している場面では論点整理や感情的応酬の抑制につながることがあります。ただし、親族関係や交渉経緯によって影響は変わります。具体的には、相談だけにするか代理通知まで行うかを弁護士等へ確認する必要があります。

Q3. 司法書士と弁護士のどちらに相談すべきですか。

一般的には、不動産の相続登記が中心で争いがない場合は司法書士、相続人間の対立、交渉、遺留分、使い込みがある場合は弁護士が候補とされています。ただし、登記と紛争が同時にある場合は連携が必要です。具体的な相談先は、財産内容と争点を整理して確認する必要があります。

Q4. 税理士はいつ必要ですか。

一般的には、相続税申告が必要または必要か不明な場合に税理士相談が検討されます。不動産、非上場株式、名義預金、生前贈与、多額の生命保険金がある場合は判断が複雑になる可能性があります。具体的には、10か月期限を意識して早めに資料を整理する必要があります。

Q5. 遺産分割協議書は自分で作ってもよいですか。

一般的には、争いがなく財産が単純であれば本人作成が可能な場合があります。ただし、不動産表示、後日判明財産、債務負担、代償金、換価分割、共有持分があると、提出先で使えない内容になる可能性があります。具体的には、専門家の確認を受ける必要があります。

Q6. 相続放棄は自分でできますか。

一般的には、家庭裁判所への申述手続自体は本人で行える場合があります。ただし、3か月期限、単純承認リスク、財産調査、次順位相続人への影響によって判断は変わります。借金や保証債務が疑われる場合は、弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q7. 遺言書があれば遺産分割協議は不要ですか。

一般的には、全財産について明確に指定され、遺言執行者もいる場合は協議が不要または限定的になることがあります。ただし、遺言に記載のない財産、曖昧な文言、遺留分問題があると協議や紛争対応が必要になる可能性があります。具体的には、遺言の形式と内容を確認する必要があります。

Q8. 相続人の一人が認知症の場合はどうなりますか。

一般的には、本人が有効に協議できない場合、成年後見制度などの利用が必要になることがあります。利益相反がある場合は特別代理人等も問題となります。具体的には、相続人の判断能力、代理権、利益相反を整理し、弁護士または司法書士へ相談する必要があります。

Q9. 不動産を共有で相続すれば公平ですか。

一般的には、共有は一見公平に見えても、将来の売却、賃貸、修繕、固定資産税、次の相続で問題が大きくなる可能性があります。ただし、家族関係や利用予定によって選択肢は変わります。具体的には、代償分割や換価分割も含めて専門家へ確認する必要があります。

Q10. 途中から弁護士に頼めますか。

一般的には、途中から弁護士に相談や依頼をすることは可能です。ただし、既に不利な合意書に署名した、期限を過ぎた、証拠を失った後では選択肢が狭まる可能性があります。具体的には、迷った段階で資料を整理して相談する必要があります。

Section 09

実務チェックリストと総合結論

自分で進めてもよい可能性、弁護士、司法書士、税理士へ相談すべき条件を整理します。

最後に、相談先の判断を点検します。次の一覧は、自分で進めてもよい可能性が高い条件と、弁護士、司法書士、税理士へ相談すべき条件を並べています。該当数が多い欄ほど、優先する相談先として読み取ってください。

Self

自分で進めてもよい可能性が高い条件

相続人全員が判明し連絡が取れ、分け方に概ね合意し、借金や保証債務がなく、遺言書に争いがなく、基礎控除を明らかに下回り、不動産や特別な相続人がなく、期限に余裕がある場合です。

Lawyer

弁護士へ相談すべき条件

協議への反対、連絡拒否、遺言の有効性、遺留分、使い込み、特別受益、寄与分、借金、相続放棄期限、調停見込み、相手方弁護士、会社、不動産評価の対立がある場合です。

Register

司法書士へ相談すべき条件

不動産の相続登記、複雑な戸籍収集、数次相続、相続人申告登記、家庭裁判所提出書類の作成支援が必要な場合です。

Tax

税理士へ相談すべき条件

正味の遺産額が基礎控除を超えそう、不動産、死亡前3年から7年以内の生前贈与、名義預金、非上場株式、小規模宅地等の特例、未分割申告がある場合です。

相続手続きは自分でできるのか弁護士に頼むべきかという問いへの実務的な答えは、争いがなく財産と相続人が単純なら本人で進められる余地があり、争いがある、または争いになりそうなら弁護士へ早期相談する、という整理になります。不動産は司法書士、税金は税理士、書類整理は行政書士、評価や境界は各専門家を使い分けることが、費用を抑えつつ安全に進める基本です。

最も避けたいのは、問題があると感じながら先延ばしにすることです。相続放棄、準確定申告、相続税申告、相続登記、遺留分には期限があります。相続人どうしで揉めている、遺言や使い込みが疑われる、借金がある、不動産や会社がある場合は、最初の判断が結果を大きく左右します。

Reference

相続手続きの判断に関する参考資料

公的機関、裁判所、税務、専門職団体

  • 法務省「死亡届」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
  • 法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続」
  • 法務局「法定相続情報証明制度」
  • 国税庁「相続税の申告と納税」
  • 国税庁「相続税がかかる場合」
  • 国税庁「相続人の範囲と法定相続分」
  • 国税庁「納税者が死亡したときの確定申告、準確定申告」
  • 裁判所「相続の承認又は放棄の期間の伸長」
  • 裁判所「遺産分割調停」
  • 法務省「自筆証書遺言書保管制度」
  • 法務省「公証制度について」
  • 日本弁護士連合会「相続に関する相談案内」
  • 日本司法書士会連合会「司法書士の業務」
  • 日本税理士会連合会「税理士とは」
  • 国税庁「税理士法に関する案内」
  • 日本行政書士会連合会「行政書士の業務」
  • 裁判所「調停委員」
  • 裁判所「家庭裁判所調査官」
  • 裁判所「専門委員制度について」
  • 日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」
  • e-Gov法令検索「民法」