2σ Guide

単純承認とみなされてしまう
行為一覧

相続放棄や限定承認を検討している人が、預金、不動産、家財、債務、保険、年金、3か月の期限で何を避けるべきかを整理します。

3か月 相続放棄と限定承認の基本期限
921条 法定単純承認を定める民法の条文
940条 放棄後の保存義務で問題になる条文
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単純承認とみなされてしまう 行為一覧

相続放棄や限定承認を検討している人が、預金、不動産、家財、債務、保険、年金、3か月の期限で何を避けるべきかを整理します。

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単純承認とみなされてしまう 行為一覧
相続放棄や限定承認を検討している人が、預金、不動産、家財、債務、保険、年金、3か月の期限で何を避けるべきかを整理します。
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  • 単純承認とみなされてしまう 行為一覧
  • 相続放棄や限定承認を検討している人が、預金、不動産、家財、債務、保険、年金、3か月の期限で何を避けるべきかを整理します。

POINT 1

  • 単純承認とみなされてしまう行為一覧の全体像
  • 危険行為と保存行為を最初に分けます。
  • 単純承認とみなされてしまう行為は、相続 放棄や限定承認を検討している人にとって最初に確認すべきテーマです。
  • リスク欄は絶対的な結論ではなく、目的、金額、時期、証拠、他の相続人や債権者への影響で変わる点を読み取ってください。

POINT 2

  • 単純承認を避けたいときの最重要原則
  • 1. 使わない、売らない、名義変更しない:被相続人の財産を生活費、返済、分配、売却、相続登記に使わないことが基本です。
  • 2. 取り立てない、債務を認めない:貸金、賃料、売掛金を受け取らず、債権者へ相続人として払うと約束しないようにします。
  • 3. 調査、保存、証拠化に徹する:戸籍、残高証明、登記事項証明、写真、財産目録、領収書、相談記録を残します。
  • 4. 3か月以内に方針を決める:判断できない場合は、家庭裁判所への熟慮期間伸長を検討します。

POINT 3

  • 法定単純承認の基礎と3つの選択肢
  • 権利義務を無限に承継
  • 初めから相続人でなかった扱い
  • プラス財産の範囲で責任を負う
  • 民法921条、熟慮期間、相続放棄、限定承認を整理します。

POINT 4

  • 単純承認リスクは相続財産か処分行為かで判断する
  • 1. 対象は相続財産か:被相続人名義の財産か、遺族固有の権利かを分けます。
  • 2. 相続人として認識していたか:相続開始と自分の地位を知っていたかが問題になります。
  • 3. 価値、帰属、利用関係を変えるか:売却、使用、名義変更、取立て、廃棄なら危険度が上がります。
  • 4. 保存行為の範囲に入るか:現状維持、滅失防止、価値減少防止にとどまるかを見ます。
  • 5. 債権者や他の相続人の信頼を害するか:相続人が財産を承継したと見える行為かを確認します。

POINT 5

  • 預貯金、現金、金融資産で単純承認とみなされやすい行為
  • 証券口座への移管
  • 相続人名義の証券口座へ移すと、承継した外観が強くなります。
  • 売却や解約
  • 株式売却、投資信託解約、配当金の使用は、相続財産の処分と評価されやすい行為です。

POINT 6

  • 葬儀費用、医療費、税金の支払いは財源と証拠が重要
  • 支払いの必要性と処分性を分けて見ます。
  • 葬儀費用、医療費、施設費、税金は、死亡直後に請求が来やすく、感情的にも支払いたくなる場面です。
  • 社会通念上相当な範囲であれば、直ちに法定単純承認としない余地があります。
  • ただし過大な費用、香典返し、墓石、法要まで広げると危険です。

POINT 7

  • 不動産の売却、登記、管理は単純承認リスクが高い
  • 保存に近い対応
  • 施錠、防犯、漏水防止、郵便物保管、写真撮影、財産リスト化は必要な管理として説明しやすい行為です。
  • 危険な対応
  • 売却依頼、賃貸募集、過大なリフォーム、自分や親族の居住、敷地内物品の売却は危険です。

POINT 8

  • 家財、形見分け、自動車、デジタル遺産の注意点
  • 片付けと処分を分けて考えます。
  • 家財、形見分け、自動車、デジタル遺産は、日常的な片付けに見えても相続財産の処分になりやすい分野です。
  • 自動車とデジタル遺産は、登録やアカウントが絡むため、単なる物の整理よりも複雑です。
  • 売却、廃車、名義変更、保険解約返戻金の使用、自分や家族の継続使用は危険です。

まとめ

  • 単純承認とみなされてしまう 行為一覧
  • 単純承認とみなされてしまう行為一覧の全体像:危険行為と保存行為を最初に分けます。
  • 単純承認を避けたいときの最重要原則:最初の3か月で財産を動かさないための考え方です。
  • 単純承認リスクは相続財産か処分行為かで判断する:5段階で危険度を確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

単純承認とみなされてしまう行為一覧の全体像

危険行為と保存行為を最初に分けます。

単純承認とみなされてしまう行為は、相続放棄や限定承認を検討している人にとって最初に確認すべきテーマです。相続財産を売る、使う、分ける、名義変更する、取り立てる、隠すといった行為は危険度が高く、調査や保存にとどめる行為とは分けて考える必要があります。

次の一覧は、財産の種類ごとに、どの行為が高リスクで、どの行為が調査や保存に近いのかを整理したものです。リスク欄は絶対的な結論ではなく、目的、金額、時期、証拠、他の相続人や債権者への影響で変わる点を読み取ってください。

分類行為単純承認リスク実務上の考え方
預貯金被相続人名義の預金を引き出し、自分や家族の生活費に使う高い相続財産の消費として処分行為と評価されやすい行為です。
預貯金預金を引き出して自分の口座に入れ、混同させる高い保管目的でも、混同や使用があると危険です。別管理と記録化が必要です。
預貯金死亡届、口座凍結、残高証明、取引履歴の取得低い財産調査や保存、手続準備にとどまるのが通常です。
不動産相続不動産を売却する非常に高い典型的な処分行為で、相続放棄と両立しにくい行為です。
不動産雨漏りの応急修理、施錠、防犯対応低いから中程度現状維持に必要な保存行為なら許容されやすい一方、過大な改装は危険です。
動産高価な時計、宝飾品、美術品を形見として持ち帰る高い場合あり経済的価値があれば取得、隠匿、私的消費と評価され得ます。
債権貸金、売掛金、未収賃料を請求し、受領する高い債権の取立ては処分行為と評価される可能性があります。
債務被相続人の債務について相続人として支払約束をする高い債務承認、弁済合意、分割払い合意の外観を作ります。
保険受取人指定のある死亡保険金を請求する通常は低い受取人固有の権利と整理されるのが原則ですが、税務は別に確認します。
期間3か月以内に相続放棄または限定承認をしない高い熟慮期間の経過による法定単純承認が問題になります。
放棄後相続放棄後に財産を隠す、私的に使う非常に高い民法921条3号が明示的に法定単純承認とする類型です。
最重要相続放棄の可能性が少しでもあるなら、財産を使わない、売らない、分けない、名義変更しない、取り立てないことが基本です。判断前は調査、保存、記録、期限管理に徹します。
Section 01

単純承認を避けたいときの最重要原則

最初の3か月で財産を動かさないための考え方です。

迷ったときの初動原則は、行為をするかどうかを判断する前の安全線です。次の時系列は、相続放棄を残したい人が最初の3か月で守るべき行動を順番に並べています。前の段階ほど、財産を動かさないための基本です。

原則1

使わない、売らない、名義変更しない

被相続人の財産を生活費、返済、分配、売却、相続登記に使わないことが基本です。

原則2

取り立てない、債務を認めない

貸金、賃料、売掛金を受け取らず、債権者へ相続人として払うと約束しないようにします。

原則3

調査、保存、証拠化に徹する

戸籍、残高証明、登記事項証明、写真、財産目録、領収書、相談記録を残します。

原則4

3か月以内に方針を決める

判断できない場合は、家庭裁判所への熟慮期間伸長を検討します。

安全線を超えるかどうかは、財産の価値や帰属を変えるかで見ます。死亡届、戸籍取得、残高証明取得、写真撮影、施錠、応急修理は通常は調査や保存に近い行為です。一方、売却、払戻し後の使用、遺産分割、名義変更、債権回収は危険度が高くなります。

Section 03

単純承認リスクは相続財産か処分行為かで判断する

5段階で危険度を確認します。

単純承認リスクの判断では、対象が相続財産か固有権か、行為が処分か保存かを分けます。次の判断の流れは、上から下へ5段階で確認するものです。途中で危険要素が強くなるほど、実行前に専門家確認が必要になります。

単純承認リスクを判断する5段階

対象は相続財産か

被相続人名義の財産か、遺族固有の権利かを分けます。

相続人として認識していたか

相続開始と自分の地位を知っていたかが問題になります。

価値、帰属、利用関係を変えるか

売却、使用、名義変更、取立て、廃棄なら危険度が上がります。

保存行為の範囲に入るか

現状維持、滅失防止、価値減少防止にとどまるかを見ます。

債権者や他の相続人の信頼を害するか

相続人が財産を承継したと見える行為かを確認します。

相続財産と固有権の区別は、保険、年金、葬祭費で特に重要です。次の一覧では、相続財産に当たりやすいものと、固有権として整理されることが多いものを対比して確認してください。

相続財産に当たりやすいもの固有権として整理されることが多いもの
被相続人名義の預貯金、不動産、自動車、貴金属、美術品受取人指定のある死亡保険金
貸金債権、売掛金、未収賃料、投資信託、暗号資産遺族年金、一定の遺族が自己の名で請求する未支給年金
個人事業の在庫、売掛金、知的財産権、損害賠償請求権健康保険や自治体制度に基づく葬祭費、埋葬料、給付金の一部
Section 04

預貯金、現金、金融資産で単純承認とみなされやすい行為

引き出し、使用、調査の違いを確認します。

預貯金と金融資産は、単純承認リスクが最も起こりやすい領域です。次の比較表は、引き出し、保管、使用、調査を分けて示しています。リスク欄が高い行為ほど、財産を自分のものとして扱う外観が強くなる点を読み取ってください。

行為リスク解説
引き出した預金を自分の生活費に使う非常に高い相続財産の私的消費です。
引き出した預金を自分の借金返済に使う非常に高い自己利益のために相続財産を処分しています。
引き出した預金を相続人間で分配する非常に高い遺産分割または相続財産処分に近い行為です。
引き出した預金で被相続人の債務を返済する高い相続財産を使った債務弁済と見られやすい行為です。
引き出した預金を葬儀費用に充てる中程度社会通念上相当な範囲なら救済余地がありますが、金額や使途で争点になります。
凍結前に引き出して別口座で保管する中程度から高い混同、使用、説明不足があると危険です。
残高証明や取引履歴を取得する低い調査行為であり、通常は処分に当たりません。

株式、投資信託、暗号資産も相続財産に当たることがあります。以下の注意一覧では、価格変動を避けたいという理由だけで売却や移管をすると、処分行為と評価されやすいことを読み取ってください。

証券口座への移管

相続人名義の証券口座へ移すと、承継した外観が強くなります。

売却や解約

株式売却、投資信託解約、配当金の使用は、相続財産の処分と評価されやすい行為です。

暗号資産の移動

ウォレット移動、換金、利用は、財産の帰属や価値を変える危険行為です。

Section 05

葬儀費用、医療費、税金の支払いは財源と証拠が重要

支払いの必要性と処分性を分けて見ます。

葬儀費用、医療費、施設費、税金は、死亡直後に請求が来やすく、感情的にも支払いたくなる場面です。次の一覧では、何を支払うかだけでなく、どの財産から支払うか、証拠が残っているかが重要であることを確認してください。

葬儀費用

社会通念上相当な範囲であれば、直ちに法定単純承認としない余地があります。ただし過大な費用、香典返し、墓石、法要まで広げると危険です。

中程度

医療費、施設費

被相続人の預金から支払うと債務弁済と見られやすくなります。固有財産からの任意立替えでも、債務承認文言に注意します。

注意

税金、保険料、公共料金

税務上の申告や納付と、民法上の単純承認は別です。還付金を受け取って使う行為は慎重に扱います。

別制度

支払いをする前後では、証拠化の有無で説明のしやすさが変わります。領収書、見積書、請求書、香典帳、支払日、支払先、支払原資、残額の保管状況を残します。

Section 06

不動産の売却、登記、管理は単純承認リスクが高い

相続登記義務化と放棄判断の順序も確認します。

不動産は金額が大きく、売却、登記、賃貸、修繕のどれも単純承認リスクに直結しやすい財産です。次の比較表は、所有者として振る舞う行為と、調査や保存に近い行為を分けています。

行為リスク理由
売却契約を締結する非常に高い不動産の所有権移転を目的とする処分行為です。
買主から手付金を受け取る非常に高い取引当事者として相続不動産を処分する外観が明確です。
抵当権を設定する非常に高い相続財産を担保に供する行為です。
贈与する非常に高い無償処分であり、債権者を害する危険もあります。
遺産分割協議で取得者を決める高い相続財産の帰属を確定させる行為です。
相続登記を申請する高い相続により所有権を取得した外観を作ります。
固定資産税評価証明を取得する低い調査行為にとどまります。
登記事項証明書を取得する低い調査行為にとどまります。
施錠、雨漏り応急修理、防犯対策低いから中程度保存行為に当たり得ますが、過大な工事は危険です。

空き家や賃貸不動産では、放置すると近隣被害や入居者対応の問題が出ます。次の一覧は、保存に近い対応と処分に近い対応を分けたものです。必要最小限の管理にとどめ、売却、賃貸、リフォームへ進まないことを読み取ってください。

保存に近い対応

施錠、防犯、漏水防止、郵便物保管、写真撮影、財産リスト化は必要な管理として説明しやすい行為です。

危険な対応

売却依頼、賃貸募集、過大なリフォーム、自分や親族の居住、敷地内物品の売却は危険です。

賃貸物件

賃料の受領、振込先変更、契約更新、敷金返還合意、原状回復合意は慎重に扱います。

Section 07

家財、形見分け、自動車、デジタル遺産の注意点

片付けと処分を分けて考えます。

家財、形見分け、自動車、デジタル遺産は、日常的な片付けに見えても相続財産の処分になりやすい分野です。次の比較表では、写真撮影やリスト化のような保存に近い行為と、高価品の持ち帰りや売却のような危険行為を分けて確認してください。

行為リスク解説
家財をリスト化し、写真を撮る低い調査、保存行為です。
腐敗物、危険物、衛生上問題のある物を処理する低いから中程度必要性があれば保存行為に近いですが、証拠を残します。
経済的価値の低い日用品を最低限整理する中程度範囲が広いと廃棄処分と見られます。
高価な時計、宝石、美術品を持ち帰る高い相続財産の取得や隠匿と評価され得ます。
ブランド品、骨董品、コレクションを売却する非常に高い典型的な処分行為です。
形見分けとして高価品を分配する高い遺産分割に近い行為です。
遺品整理業者に一括処分を依頼する高い財産価値のある物まで廃棄、売却される危険があります。

自動車とデジタル遺産は、登録やアカウントが絡むため、単なる物の整理よりも複雑です。以下の注意一覧では、名義変更、廃車、解約返戻金、暗号資産移動などが、価値や帰属を変える行為になり得ることを読み取ってください。

自動車

売却、廃車、名義変更、保険解約返戻金の使用、自分や家族の継続使用は危険です。

高リスク

デジタル遺産

暗号資産の移動、ネット銀行送金、証券売買、電子マネー使用、収益アカウントの換金は慎重に扱います。

高リスク
Section 08

債権の取立てと借金対応は単純承認リスクが高い

債務承認、保証債務、還付金を確認します。

被相続人の債権を取り立てたり、借金について相続人として支払約束をしたりすると、単純承認リスクが高くなります。次の比較表では、債務対応のうち、何が承認の外観を作るのかを確認してください。

行為リスク解説
被相続人の預金から借金を返す高い相続財産の処分に当たり得ます。
相続人として分割払い合意をする高い債務承認や相続承認の外観が強くなります。
債権者の書式に相続人として署名する高い承認意思を示す証拠になり得ます。
自分の固有財産から任意に一部支払う低いから中程度相続財産処分ではありませんが、債務承認文言に注意します。
請求書や契約書を保管し、債務額を調査する低い調査行為です。
債権者に相続放棄検討中と通知する低い債務承認でない文言にします。

保証債務、過払金、還付金、返戻金は、死亡時点で見えにくいことがあります。お金が戻る場合でも、被相続人に帰属する権利を相続人が行使するなら、取立てや取得として問題になり得ることを確認してください。

注意過払金、税金の還付金、保険の解約返戻金、施設の返還金は、相続財産に当たる可能性があります。請求、受領、使用の前に、相続放棄の方針と財産の性質を確認します。
Section 09

生命保険、年金、退職金は固有権と税務を分ける

受け取れるお金と相続財産を混同しないための整理です。

生命保険、年金、退職金、社会保険給付は、民法上の単純承認と税務上の扱いが一致しないことがあります。次の比較一覧は、固有権として扱われやすいものと、相続財産性の確認が必要なものを分けています。

死亡保険金

受取人指定がある場合

受取人固有の権利と整理されるのが原則です。ただし、相続税ではみなし相続財産になる場合があります。

未支給年金

一定の遺族が請求する場合

法令上の受給権者固有の権利と整理されることがあります。相続税ではなく一時所得とされる場面があります。

退職金、未払給与

会社規程で性質が変わる

死亡退職金、弔慰金、未払給与は、支給対象者、会社規程、税務処理で結論が変わります。

保険や年金を請求するときは、相続財産ではないと思い込むのではなく、契約内容や制度上の請求者を確認します。受取人の表示、保険料負担者、請求者、退職金規程、未支給年金の請求順位、税務上の扱いを確認します。

Section 10

事業、会社、非上場株式、知的財産の単純承認リスク

営業継続や権利行使を慎重に扱います。

被相続人が事業をしていた場合、売上、在庫、売掛金、買掛金、従業員、会社株式、知的財産が一体となります。次の一覧では、営業継続や株主権行使が、相続財産を承継した外観を作りやすいことを読み取ってください。

個人事業の継続

売上受領、仕入れ、従業員への指示、契約更新は、事業資産と債務の承継と見られやすい行為です。

非上場株式と会社経営

株主権行使、代表者変更、役員選任、株式譲渡交渉は、株式の権利行使として危険です。

知的財産

特許、商標著作権、ライセンス、収益化、ロイヤルティ請求は、財産の処分や利用に当たり得ます。

会社や事業は止められない場面もあります。以下の一覧は、緊急対応として許されやすい範囲と、専門職連携が必要な範囲を分けるためのものです。

保存に近い対応

火災や衛生被害の防止、帳簿や契約書の保全、従業員や取引先への最低限の連絡にとどめます。

保存

専門職連携

弁護士、税理士、公認会計士、中小企業診断士、司法書士、金融機関で、相続放棄と事業継続の矛盾を整理します。

要確認
Section 11

相続放棄後にしてはいけない行為と保存義務

放棄後の隠匿、消費、清算人を確認します。

相続放棄が受理された後でも、相続財産を自由に扱えるわけではありません。次の一覧は、放棄後に特に危険な行為と、保存義務として求められる対応を分けています。

禁止方向

隠匿、私的消費、悪意の不記載

現金、通帳、権利証、宝石、時計、美術品を隠す、売る、使う、財産目録から意図的に外す行為は非常に危険です。

保存方向

引渡しまで保管する

放棄時に占有していた財産は、相続人または相続財産清算人に引き渡すまで、自己の財産と同一の注意で保存します。

清算方向

相続財産清算人の検討

相続人がいない、全員放棄する、不動産や債務が残る場合には、家庭裁判所で清算人選任が問題になります。

放棄後の保存義務では、何を持っているか、誰へ渡すか、どのように保管しているかを説明できることが重要です。写真と財産リストを作り、次順位相続人へ連絡し、引渡し方法を確認します。

Section 12

3か月を過ぎた場合と行為後の対応

熟慮期間、期間伸長、期限後の救済可能性を整理します。

3か月を過ぎること自体が、法定単純承認の典型的なリスクです。ただし、相続財産や債務の存在を知らず、調査が困難だった場合には、例外的な救済が問題になることがあります。次の時系列は、期限前と期限後で取るべき対応が変わることを示します。

死亡を知った時

熟慮期間の起算点を意識

自己のために相続開始があったことを知った時から3か月が基本になります。

3か月以内

放棄、限定承認、伸長を検討

財産や債務が不明なら、期間伸長の申立てを検討します。

期限後

督促や債務判明時は早急に相談

督促状、封筒、受領日、調査経緯、財産処分の有無を整理します。

すでに何かをしてしまった場合は、行為の内容を正確に分解します。以下の判断の流れでは、何をしたか、対象が何か、保存行為として説明できるかを順番に確認してください。

すでに行為をした場合の確認順序

何をしたかを特定

金額、時期、目的、使途、相手方、残額を整理します。

対象が相続財産か確認

固有権、相続財産、税務上のみなし財産を分けます。

保存行為と説明できるか検討

現状維持や緊急対応にとどまるか、価値や帰属を変えたかを見ます。

処分の疑いがあれば専門家へ

申述書や照会回答書で事実を正確に説明します。

Section 13

単純承認とみなされるか迷いやすいケース別判断例

葬儀、車、賃料、保険、年金、督促を整理します。

具体例では、同じ行為でも金額、使途、証拠、時期によって危険度が変わります。次の事例一覧は、よくある場面ごとに、何を整理して専門家へ相談すべきかを示します。

親の預金から葬儀費用を払った

支出金額、支出項目、葬儀の相当性、領収書、他用途への使用を整理します。

証拠

車を廃車した後にローンが判明

車両価値、廃車理由、還付金や売却代金の有無、保管費や危険性を確認します。

動産

アパート家賃を受け取った

賃料は相続財産に当たり得ます。受領済み賃料の使用、分別保管、管理会社との連絡を整理します。

債権

生命保険金を受け取った

受取人指定があれば固有権と整理されやすい一方、保険種類、受取人表示、税務を確認します。

固有権

未支給年金を請求した

一定の遺族が自己の名で請求する権利と整理されることがあります。税務上の扱いも確認します。

制度

3か月後に督促状が届いた

督促状、封筒、受領日、死亡を知った日、財産調査の経緯を整理し、早急に相談します。

期限
Section 14

専門職別の視点と安全な初動チェックリスト

相談先と時期別の行動を整理します。

専門職ごとに見るポイントが違います。単純承認リスクは民法だけでなく、登記、税務、金融、不動産、会社、年金が交差するため、次の一覧で相談先の役割を確認してください。

法律

弁護士、司法書士

法定単純承認、相続放棄、債権者対応、不動産登記、家庭裁判所提出書類を確認します。

税務

税理士

相続税、準確定申告、保険金、退職金、葬式費用、債務控除、限定承認の税務を確認します。

実務

金融機関、保険会社、市区町村

書類が届出や照会なのか、財産取得や払戻しなのかを確認します。

安全な初動は、時期ごとにやることを分けると実行しやすくなります。次の時系列では、死亡直後から相続放棄後まで、やってよいことと避けることを順番で読み取ってください。

死亡直後から1週間

公的手続と保管を優先

死亡届、火葬許可、通帳や保険証券の保管、写真撮影、預金を引き出さない対応をします。

1か月以内

相続人、財産、債務を調べる

戸籍、不動産、金融機関、保険会社、年金、信用情報、保証債務を確認します。

3か月以内

放棄、限定承認、伸長を決める

遺産分割、名義変更、売却、払戻し、債務承認を急がないようにします。

Section 15

単純承認とみなされてしまう行為のFAQ

一般情報型でよくある疑問を整理します。

FAQでは、個別事案の結論を断定せず、一般的な制度説明と注意点にとどめます。実際には、金額、目的、使途、証拠、時期、財産の性質で結論が変わるため、具体的な対応は資料を整理して専門家へ相談する必要があります。

被相続人の預金を1円でも引き出したら、相続放棄できませんか。

一般的には、引出しの目的、金額、使途、保管状況によって判断が変わります。引き出して自分の生活費、借金、相続人への分配に使った場合はリスクが高くなります。

葬儀費用を払ったら相続放棄できませんか。

一般的には、葬儀費用の支払いだけで直ちに相続放棄が不可能になるとは限りません。社会通念上相当な範囲か、相続財産から支払ったか、証拠があるかで評価が変わります。

死亡保険金を受け取っても相続放棄できますか。

一般的には、受取人指定のある死亡保険金は受取人固有の権利として整理されることが多いです。ただし、税務上は相続税の対象になる場合があります。

遺産分割協議で何ももらわないことにすれば相続放棄と同じですか。

一般的には、同じではありません。遺産分割で取得分をゼロにしても、家庭裁判所で相続放棄をした扱いにはなりません。

親の家を片付けただけで単純承認になりますか。

一般的には、片付けの内容によって変わります。写真撮影、リスト化、施錠、危険物の処理など保存行為にとどまればリスクは相対的に低い一方、高価品の持ち帰り、売却、一括廃棄は危険です。

3か月を過ぎたら終わりですか。

一般的には、3か月経過は重大なリスクです。ただし、相続財産や債務を知らず、調査が困難で、そう信じた相当な理由がある場合には、例外的に相続放棄が認められる余地があります。

Section 16

単純承認リスクの危険度別一覧と結論

避ける行為、事情次第の行為、低リスクの行為を分けます。

最後に、危険度別の一覧で、避けるべき行為、事情次第で危険になる行為、通常はリスクが低い行為を整理します。3つの分類を見比べ、相続財産の価値や帰属を変えるかどうかを読み取ってください。

非常に高い

原則として避ける行為

不動産売却、相続登記、遺産分割協議書への署名、預金使用、債権取立て、借金返済、高価な遺品の分配、株式や暗号資産の売却、放棄後の隠匿などです。

事情次第

目的、金額、証拠で変わる行為

葬儀費用、医療費、公共料金、家財整理、賃貸住宅の明渡し、敷金返還、修繕、税務申告、退職金や未払給与の請求などです。

相対的に低い

調査や保存にとどまる行為

死亡届、戸籍取得、残高証明、登記事項証明、保険契約照会、書類保管、施錠、防犯、写真撮影、固有権としての保険金や年金請求などです。

この記事の結論は、相続放棄の可能性がある間は、財産を動かさず、調べて、守って、記録し、期限を管理することです。次の強調部分は、最初の3か月で取るべき基本方針をまとめています。

調べる、守る、記録する、期限を延ばす、相談する

相続財産を使う、売る、分ける、名義変更する、取り立てる、隠す行為は避けます。死亡届、戸籍収集、残高証明、施錠、応急修理などは必要な範囲で行い、証拠を残します。

Reference

この記事の参考情報源

公的資料名と裁判例名のみを掲載します。

法令、公的資料

  • e-Gov法令検索「民法」
  • 裁判所「相続の放棄の申述」
  • 裁判所「相続の承認又は放棄の期間の伸長」
  • 裁判所「相続財産清算人の選任」
  • 法務省「相続登記の申請義務化」
  • 国税庁「相続財産から控除できる葬式費用」
  • 国税庁「相続財産から控除できる債務」
  • 国税庁「相続税の課税対象になる死亡保険金」
  • 国税庁「未支給年金の課税関係」
  • 国税庁「相続税法基本通達 第13条関係 債務控除」

裁判例、判断枠組み

  • 最高裁昭和37年6月21日判決
  • 最高裁昭和42年4月27日判決
  • 最高裁昭和59年4月27日判決
  • 大阪高裁平成10年2月9日決定
  • 福岡高裁宮崎支部平成10年12月22日決定
  • 東京地裁平成12年3月21日判決
  • 大阪高裁平成14年7月3日決定