2σ Guide

遺産分割協議書を
行政書士に作成してもらう場合の費用

公式統計の平均額・最頻値、実費、追加費用、他士業との分担まで整理し、見積書でどこを確認すべきかを解説します。

69,752円 協議書作成の平均額
55,000円 協議書作成の最頻値
78.3% 10万円未満の割合
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遺産分割協議書を 行政書士に作成してもらう場合の費用

公式統計の平均額・最頻値、実費、追加費用、他士業との分担まで整理し、見積書でどこを確認すべきかを解説します。

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遺産分割協議書を 行政書士に作成してもらう場合の費用
公式統計の平均額・最頻値、実費、追加費用、他士業との分担まで整理し、見積書でどこを確認すべきかを解説します。
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2σ GUIDE ・ VIDEO

  • 遺産分割協議書を 行政書士に作成してもらう場合の費用
  • 公式統計の平均額・最頻値、実費、追加費用、他士業との分担まで整理し、見積書でどこを確認すべきかを解説します。

POINT 1

  • 遺産分割協議書を行政書士に作成してもらう場合の費用の全体像
  • まず、協議書作成料だけでなく、実費・登記・税務・紛争対応まで含めて費用を分けて見ます。
  • 費用は「協議書作成料」ではなく総コストで判断します
  • 遺産分割協議書を行政書士に作成してもらう場合の費用には、全国一律の定価はありません。
  • 日本行政書士会連合会は、行政書士報酬は各行政書士が自由に定めるものとしており、5年ごとの報酬額統計調査を公表しています。

POINT 2

  • 遺産分割協議書を行政書士に依頼する前に押さえる基本用語
  • 費用を比べる前に、書類・専門職・実費・登記の意味を確認します。
  • 遺産分割協議書
  • 行政書士
  • 相続登記

POINT 3

  • 遺産分割協議書の行政書士費用は業務範囲で大きく変わる
  • 行政書士に向く作業と、弁護士・司法書士・税理士が中心になる作業を分けます。
  • 法定相続情報証明制度は無料で利用できますが、戸籍等の取得費用や作成支援を専門職に依頼する費用は別に考えます。

POINT 4

  • 遺産分割協議書を行政書士に作成してもらう場合の費用相場
  • 公式統計の平均額・最頻値・10万円未満の割合から、中心帯を読み解きます。
  • 日本行政書士会連合会の令和7年度報酬額統計調査によると、遺産分割協議書の作成は平均69,752円、最頻値55,000円です。
  • 相続人及び相続財産の調査は平均61,722円、最頻値50,000円です。
  • どちらも消費税込み・実費別の統計です。

POINT 5

  • 遺産分割協議書の行政書士費用は公開料金例でも幅がある
  • 単体作成、調査込み、包括型では、見積りの意味が大きく変わります。
  • 公開料金表は市場観察資料であり、法定価格ではありません。
  • 金額だけでなく、協議書だけの作成なのか、調査や手続代行まで含むのかを読み取ることが重要です。

POINT 6

  • 遺産分割協議書の行政書士費用に差が出る主な理由
  • 相続人調査が重い
  • 本籍地が多い、転籍が多い、再婚・前婚の子がいる、代襲相続や数次相続がある場合は、戸籍収集と相続関係の整理が増えます。
  • 財産調査が重い
  • 不動産、預金、証券、投資信託、非上場株式、貸付金、事業用資産、債務や保証関係があると、財産特定に時間がかかります。

POINT 7

  • 遺産分割協議書の行政書士費用以外にかかる実費と登録免許税
  • 証明書費用、郵送費、登記費用、税務費用など、総額に入る費用を整理します。
  • 固定資産評価額2,000万円なら登録免許税は原則8万円
  • 実費は、行政書士の利益ではなく、証明書発行手数料や郵送費など外部へ支払う費用です。
  • 見積書で「報酬」と「実費」が分かれていないと、あとから追加請求のように見えやすいため、最初に確認しておく必要があります。

POINT 8

  • 不動産・相続税・争いがある相続では行政書士費用だけで判断しない
  • 1. 相続人全員の大枠合意がある:合意内容を書面化する段階なら、行政書士への依頼が候補になります。
  • 2. 不動産が含まれる:不動産がある場合は、相続登記の期限と登録免許税を確認します。
  • 3. 司法書士連携を確認:登記に耐える記載と申請費用を含めて見積ります。
  • 4. 書類整理を中心に確認:実費と納品物の範囲を見ます。
  • 5. 相続税や争いの可能性がある:基礎控除、申告期限、対立の有無を確認します。
  • 6. 税理士・弁護士の関与を検討:税務判断や交渉・調停対応は、行政書士費用とは別の検討になります。

まとめ

  • 遺産分割協議書を 行政書士に作成してもらう場合の費用
  • 遺産分割協議書を行政書士に作成してもらう場合の費用の全体像:まず、協議書作成料だけでなく、実費・登記・税務・紛争対応まで含めて費用を分けて見ます。
  • 遺産分割協議書を行政書士に依頼する前に押さえる基本用語:費用を比べる前に、書類・専門職・実費・登記の意味を確認します。
  • 遺産分割協議書の行政書士費用は業務範囲で大きく変わる:行政書士に向く作業と、弁護士・司法書士・税理士が中心になる作業を分けます。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

遺産分割協議書を行政書士に作成してもらう場合の費用の全体像

まず、協議書作成料だけでなく、実費・登記・税務・紛争対応まで含めて費用を分けて見ます。

遺産分割協議書を行政書士に作成してもらう場合の費用には、全国一律の定価はありません。日本行政書士会連合会は、行政書士報酬は各行政書士が自由に定めるものとしており、5年ごとの報酬額統計調査を公表しています。最新の令和7年度調査では、遺産分割協議書の作成は平均69,752円、最頻値55,000円、10万円未満の回答が78.3%です。

ただし、この統計額は消費税込み・実費別です。見積書を見るときは、行政書士の報酬、証明書取得などの実費、不動産登記・相続税申告・紛争対応に伴う他士業費用を分けて考える必要があります。

次の重要ポイントは、費用の全体像を3つの視点に分けたものです。協議書だけの金額と、相続手続全体の総額を混同しないことが重要で、この一覧からどの費用がどの段階で発生するのかを読み取ってください。

費用は「協議書作成料」ではなく総コストで判断します

書類作成のみなら5万〜7万円前後、戸籍収集や財産調査まで含めると10万〜15万円台に乗りやすく、不動産・税務・紛争があると司法書士・税理士・弁護士等の費用も別に検討します。

  • 行政書士報酬 ― 遺産分割協議書の案文作成、相続関係の整理、財産資料の整理などに対する費用です。
  • 実費・立替金 ― 戸籍、除籍、改製原戸籍、住民票、印鑑証明書、固定資産評価証明書、登記事項証明書、郵送費などです。
  • 他士業・他機関費用 ― 相続登記の司法書士報酬と登録免許税、相続税申告の税理士報酬、争いがある場合の弁護士費用、家庭裁判所手続に関する費用などです。
注意行政書士は、争いのない書類整理には適しますが、法律上の紛争、税務、登記申請を主担当として扱う専門職ではありません。個別の見通しや対応方針は、資料を整理したうえで弁護士・司法書士・税理士等へ相談する必要があります。
Section 01

遺産分割協議書を行政書士に依頼する前に押さえる基本用語

費用を比べる前に、書類・専門職・実費・登記の意味を確認します。

遺産分割協議書とは、相続人全員が、誰がどの財産を取得するかについて合意した内容を書面化したものです。不動産、預貯金、有価証券、出資持分などの名義変更・払戻し・解約の基礎資料になり、相続登記では相続人全員の実印押印と印鑑証明書添付が基本となります。

行政書士は、官公署提出書類、権利義務に関する書類、事実証明に関する書類の作成等を扱う専門職です。遺産分割協議書は、行政書士業務の代表例として整理されています。ただし、他法令で他士業に専属する業務は扱えません。

次の一覧は、費用比較で混同しやすい基本用語を整理したものです。用語の意味を取り違えると、安く見える見積りと手続全体の総額を比べてしまうため、各項目がどの費用に関係するのかを読み取ってください。

Document

遺産分割協議書

相続人全員の合意内容を記録する書面です。不動産や預貯金の手続で提出を求められることが多く、財産の特定や押印方法の正確さが重要です。

Professional

行政書士

争いのない範囲で、遺産分割協議書、相続人関係説明図、法定相続情報一覧図の作成支援、戸籍・財産資料の整理などを扱います。

Actual Cost

実費

戸籍、住民票、印鑑証明書、固定資産評価証明書、登記事項証明書、郵送費、交通費など、外部へ支払う費用です。

Registration

相続登記

亡くなった人名義の不動産を相続人名義へ変更する登記です。2024年4月1日から申請義務化され、登録免許税も問題になります。

相続登記は、相続により不動産取得を知った日から3年以内の申請義務があり、遺産分割成立が後日になった場合には、その成立日からさらに3年以内の申請義務が問題になります。正当な理由なく義務違反があると、10万円以下の過料の可能性があります。

Section 02

遺産分割協議書の行政書士費用は業務範囲で大きく変わる

行政書士に向く作業と、弁護士・司法書士・税理士が中心になる作業を分けます。

行政書士に依頼しやすい典型業務は、遺産分割協議書の案文作成、相続人関係説明図の作成、法定相続情報一覧図の作成補助、戸籍・除籍・改製原戸籍の収集、財産目録の作成補助、預貯金解約や名義変更に伴う書類整理などです。

一方で、相続人間に対立がある場合、登記申請が必要な場合、相続税申告が必要な場合は、行政書士だけで完結させる設計にしないほうが安全です。法定相続情報証明制度は無料で利用できますが、戸籍等の取得費用や作成支援を専門職に依頼する費用は別に考えます。

次の比較表は、相続手続の局面ごとに中心となりやすい専門職を整理したものです。費用の見積りでは「誰に頼むか」よりも「どの工程を誰が担当するか」が重要なので、右列から行政書士報酬だけで比較してよい場面かどうかを読み取ってください。

局面中心候補費用比較で見る点
合意済みの内容を書面化したい行政書士協議書作成、添付資料整理、押印案内の範囲を確認します。
不動産の名義変更が必要司法書士相続登記の司法書士報酬と登録免許税を別建てで見ます。
相続税の要否判断や申告が必要税理士基礎控除、評価、申告期限、特例適用の検討費用を見ます。
相続人間でもめている弁護士交渉、調停、審判を見据えた法的整理の費用を見ます。
合意内容を公的な証書にしたい公証人公正証書化する目的と手数料を確認します。
未成年者・後見利用者がいる家庭裁判所手続を見据えた専門家特別代理人、臨時保佐人、臨時補助人の要否を確認します。
境界争いがあるなら弁護士、相続登記があるなら司法書士、相続税があるなら税理士が中心になります。行政書士費用の安さだけで依頼先を決めると、後工程で手戻りが生じる可能性があります。
Section 03

遺産分割協議書を行政書士に作成してもらう場合の費用相場

公式統計の平均額・最頻値・10万円未満の割合から、中心帯を読み解きます。

日本行政書士会連合会の令和7年度報酬額統計調査によると、遺産分割協議書の作成は平均69,752円、最頻値55,000円です。相続人及び相続財産の調査は平均61,722円、最頻値50,000円です。どちらも消費税込み・実費別の統計です。

次の比較表は、公的統計の主要数値を並べたものです。平均額だけを見ると総額を誤解しやすいため、最頻値と10万円未満の割合もあわせて読み、単体作成と調査込みで費用感が変わる点を確認してください。

項目平均額最頻値10万円未満の割合読み方
遺産分割協議書の作成69,752円55,000円78.3%単体作成の中心は5万円台〜7万円前後です。
相続人及び相続財産の調査61,722円50,000円83.0%戸籍や財産確認を頼むと別項目で費用化しやすいです。
単純合算した参考値131,474円105,000円個別案件で変動一括依頼では重複作業の調整もありますが、10万円台を想定する目安になります。

次の割合の比較は、10万円未満に収まる回答がどれくらい多いかを示しています。数字が大きいほど比較的低額帯の回答が多いことを意味するため、特殊な高額案件だけでなく、多数派の価格帯をつかむために確認してください。

協議書作成
78.3%
相続調査
83.0%
いずれも10万円未満の割合です。実費や他士業費用は別に確認します。

補助的に公表資料の分布まで見ると、協議書作成では2万〜4万円未満が27.4%、4万〜6万円未満が26.4%で、両者で53.8%を占めます。一方、10万円以上の価格帯も21.7%あり、相続人が多い、財産が複雑、修正が多い案件では平均を超えることがあります。

Section 04

遺産分割協議書の行政書士費用は公開料金例でも幅がある

単体作成、調査込み、包括型では、見積りの意味が大きく変わります。

公開されている行政書士の料金表を見ると、協議書作成だけなら3万円台〜5万円台の掲示がある一方、相続人調査・財産調査・法定相続情報一覧図・金融機関手続まで含むと10万円超や財産額連動型も見られます。公開料金表は市場観察資料であり、法定価格ではありません。

次の比較表は、複数の公開料金表に現れる表示方法を一般化したものです。金額だけでなく、協議書だけの作成なのか、調査や手続代行まで含むのかを読み取ることが重要です。

表示タイプ見えやすい価格帯含まれやすい内容注意点
協議書単体型30,000円〜55,000円前後合意内容を協議書案へ落とし込む作業戸籍収集、財産調査、銀行手続は別料金になりやすいです。
部分積み上げ型80,000円〜150,000円前後戸籍収集、相続人調査、財産調査、法定相続情報一覧図など相続人数、金融機関数、市区町村数で加算されます。
包括型10万円台後半〜数十万円、又は財産額連動遺産整理、預貯金解約、資料整理、協議書作成など協議書1通の単価と比べず、受任範囲全体で判断します。
他士業連携型行政書士報酬に別費用が追加司法書士、税理士、弁護士等との分担登記、税務、紛争対応の費用を別建てで確認します。
比較軸3万円の見積りと12万円の見積りは、受任範囲が違えば比較になりません。価格の高低ではなく、業務範囲、実費、加算条件、納品物、他士業連携の有無を同じ条件で見ます。
Section 05

遺産分割協議書の行政書士費用に差が出る主な理由

価格差は不透明さだけでなく、相続人・財産・不動産・修正対応の重さから生じます。

費用差が出る大きな理由は、協議書の文面だけでなく、その前提となる相続人調査と財産調査の難度が案件ごとに違うためです。相続人の人数、本籍地の数、再婚・前婚の子、代襲相続、数次相続などがあると、戸籍収集と読み解きに時間がかかります。

次の注意点の一覧は、行政書士費用が上がりやすい要素を整理したものです。各項目は、見積りの加算条件や追加作業に直結するため、自分の案件に当てはまるものが多いほど、協議書単体の価格より高くなりやすいと読み取ってください。

相続人調査が重い

本籍地が多い、転籍が多い、再婚・前婚の子がいる、代襲相続や数次相続がある場合は、戸籍収集と相続関係の整理が増えます。

財産調査が重い

不動産、預金、証券、投資信託、非上場株式、貸付金、事業用資産、債務や保証関係があると、財産特定に時間がかかります。

相続人の人数が多い

説明、確認、押印回収、修正対応の手間が増えます。料金表で人数加算があるのは、この実務負担を反映したものです。

不動産がある

登記事項証明書や固定資産評価証明書との整合が必要です。後続の相続登記まで見据えるため、司法書士連携も重要になります。

修正回数や緊急性が高い

相続人の意向変更や急ぎ対応が多いと、確認・再作成の工数が増え、特急対応費が付くこともあります。

ワンストップ範囲が広い

戸籍収集、財産資料整理、一覧図作成、銀行手続まで含めると、協議書1通の作成費とは別の費用感になります。

また、未成年者、成年後見利用者、行方不明者、海外居住者がいる場合は、通常の協議書作成とは別に家庭裁判所手続や追加資料が問題になりやすくなります。行政書士費用の安さだけで選ばず、早めに必要な専門職の範囲を確認することが大切です。

Section 06

遺産分割協議書の行政書士費用以外にかかる実費と登録免許税

証明書費用、郵送費、登記費用、税務費用など、総額に入る費用を整理します。

実費は、行政書士の利益ではなく、証明書発行手数料や郵送費など外部へ支払う費用です。見積書で「報酬」と「実費」が分かれていないと、あとから追加請求のように見えやすいため、最初に確認しておく必要があります。

次の比較表は、協議書作成料とは別に発生しやすい費用を分類したものです。列ごとに「何のための費用か」「誰の担当になりやすいか」を読み、行政書士報酬だけでは総額が見えない理由を確認してください。

費用の種類典型例担当・支払先の目安確認ポイント
証明書関係の実費戸籍、除籍、改製原戸籍、住民票、印鑑証明書自治体、行政書士が立替える場合あり取得通数と市区町村数で増えます。
財産資料の実費固定資産評価証明書、登記事項証明書、残高証明書、取引履歴自治体、法務局、金融機関不動産数や金融機関数で変わります。
郵送・交通費郵送費、定額小為替、交通費、速達料郵便局、交通機関など遠方の相続人や本籍地が多いと増えます。
相続登記費用司法書士報酬、登録免許税司法書士、国登録免許税は原則として不動産価額の1,000分の4です。
税務・紛争対応費用税理士報酬、弁護士費用、家庭裁判所手続関連費用税理士、弁護士、裁判所など行政書士費用とは別の検討軸になります。

次の強調表示は、不動産がある相続で特に見落としやすい登録免許税の重さを示しています。協議書作成料より登記の法定費用が大きくなる場合があるため、固定資産評価額から概算額を読み取ることが重要です。

固定資産評価額2,000万円なら登録免許税は原則8万円

相続による所有権移転登記の登録免許税は、原則として不動産価額の1,000分の4です。固定資産評価額2,000万円の場合、2,000万円×0.4%で8万円となり、これに司法書士報酬が別途かかる可能性があります。

相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。これを超えそうな場合や、土地評価、生命保険金、過去贈与、特例適用が問題になる場合は、協議書作成費より税務判断の精度が重要になります。

Section 07

不動産・相続税・争いがある相続では行政書士費用だけで判断しない

相続登記義務化、10か月の申告期限、紛争化の可能性を前提に、依頼先を分けて考えます。

不動産がある相続では、遺産分割協議書だけ作れても、相続登記まで完了しなければ手続全体は終わりません。協議書中の不動産表示や取得者の特定が不正確だと、後続の登記で補正・再作成が必要になることがあります。

次の判断の流れは、行政書士だけで見積り比較をしてよいか、他の専門職を前提にすべきかを整理したものです。上から順に確認し、どの分岐に当てはまるかによって、費用の中心が行政書士報酬から登記・税務・紛争対応へ移ることを読み取ってください。

依頼先を分ける判断の流れ

相続人全員の大枠合意がある

合意内容を書面化する段階なら、行政書士への依頼が候補になります。

不動産が含まれる

不動産がある場合は、相続登記の期限と登録免許税を確認します。

該当する
司法書士連携を確認

登記に耐える記載と申請費用を含めて見積ります。

該当しない
書類整理を中心に確認

実費と納品物の範囲を見ます。

相続税や争いの可能性がある

基礎控除、申告期限、対立の有無を確認します。

税理士・弁護士の関与を検討

税務判断や交渉・調停対応は、行政書士費用とは別の検討になります。

相続税の申告期限は、通常、死亡を知った日の翌日から10か月以内です。遺産分割が申告期限までにまとまらない場合、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例の扱いが重要になることがあり、具体的な税務判断は税理士領域です。

また、使い込み疑い、生前贈与の評価、遺留分侵害額請求、連絡拒否、強い反対などがある場合、必要なのは書式整備ではなく法的整理と交渉設計です。一般的には、争いがある場面では弁護士の関与を先に検討する必要があります。

Section 08

遺産分割協議書を行政書士に依頼するときの見積チェックリスト

料金の射程、加算条件、実費、他士業連携、納品物、期限を同じ条件で比べます。

見積書を比較するときは、遺産分割協議書の文案作成のみか、戸籍収集・相続人関係説明図・法定相続情報一覧図・財産目録・預貯金解約資料の整理まで含むのかを必ず確認します。ここが曖昧だと、安く見える見積りほど後から費用が増える可能性があります。

次の確認項目の一覧は、見積書を横並びにするときに使う視点です。各項目は、料金に含まれる作業と別料金になりやすい作業を見分けるために重要で、依頼前にどこまで納品されるのかを読み取ってください。

1

料金の射程

協議書の文案だけか、戸籍収集、相続人関係説明図、法定相続情報一覧図、財産目録、預貯金解約資料まで含むかを確認します。

範囲
2

加算条件

相続人数、本籍地数、市区町村数、不動産数、金融機関数、修正回数、休日・至急対応の加算を確認します。

加算
3

実費の扱い

証明書取得費、郵送費、交通費、登記事項証明書、評価証明書、印鑑証明書の取得費が込みか別かを確認します。

実費
4

他士業との連携

不動産がある場合の司法書士連携、相続税が問題になる場合の税理士連携、争い化した場合の弁護士紹介を確認します。

連携
5

納品物

協議書原案だけか、製本、押印案内、金融機関提出用説明、登記や銀行で使う添付資料整理まであるかを確認します。

納品
6

期限管理

相続登記の3年以内の申請義務や相続税の10か月申告期限を前提にした進行管理があるかを確認します。

期限

次のモデル別比較は、同じ「遺産分割協議書を行政書士に作成してもらう場合」でも、前提条件で費用の見方が変わることを示しています。財産や相続人の状態を自分の案件に近い行へ当てはめ、どの費用を追加で見るべきかを読み取ってください。

モデル状況費用の見方追加確認
合意済みで単純相続人が少なく、財産も自宅と預金などに限られる協議書作成中心で3万〜7万円前後+実費が目安になりやすい不動産があれば登記費用を別に見ます。
調査が必要戸籍収集や財産確認が未了相続人調査・財産調査が加わり10万円台を想定します取得資料と加算条件を確認します。
未成年者等がいる特別代理人や後見関係が問題になる協議書作成料だけでは判断できません家庭裁判所手続と専門家関与を確認します。
手続全体を任せたい不動産、複数銀行、証券、保険などがある遺産整理・相続手続代行として数十万円や財産額連動もあり得ます協議書単価とは分けて比較します。
Section 09

遺産分割協議書の行政書士費用でよくある質問

自作、全部任せられるか、費用を抑える方法、未成年者、相談先の考え方を整理します。

Q1. 遺産分割協議書だけなら自分で作ったほうが安いですか

一般的には、費用だけを見れば自己作成のほうが低額になる場合があります。ただし、相続人の漏れ、財産の特定不足、不動産表示の誤り、押印方法の不備があると、銀行・法務局・税務で手戻りが生じる可能性があります。特に不動産がある場合は、登記まで見据えた文言設計について専門家へ確認する必要があります。

Q2. 行政書士に頼めば相続手続全部が終わりますか

一般的には、行政書士は争いのない書類作成・資料整理で力を発揮する専門職とされています。ただし、相続登記、相続税申告、紛争対応は別領域です。案件の内容によっては、司法書士、税理士、弁護士、家庭裁判所、公証人の関与が必要になる可能性があります。

Q3. 費用を抑える方法はありますか

一般的には、集められる資料を自分で準備する、相続人間の基本合意を先に整理する、法定相続情報証明制度を活用する、不動産がある場合は最初から司法書士連携を確認する、といった方法が考えられます。ただし、必要資料や手続の順番は案件により変わるため、具体的な進め方は専門家に確認する必要があります。

Q4. 相続人の一部が未成年です。協議書だけ作れば足りますか

一般的には、未成年者と親権者が共同相続人で利益相反になる場合、家庭裁判所で特別代理人選任が必要になることがあります。成年後見利用者が共同相続人の場合にも、特別代理人・臨時保佐人・臨時補助人が問題になる可能性があります。具体的な対応は、相続関係と資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。

Q5. どの専門家に最初に相談すべきですか

一般的には、争いがある場合は弁護士、不動産登記が必要な場合は司法書士、相続税が発生しそうな場合は税理士、争いがなく書類整理が中心の場合は行政書士が候補になります。ただし、財産内容、相続人の状況、期限、証拠関係によって適切な相談先は変わります。具体的な見通しは、資料を整理して専門家へ確認する必要があります。

Section 10

遺産分割協議書を行政書士に作成してもらう場合の費用は総額で見る

協議書作成料の安さだけでなく、案件との適合性を見て依頼先を選びます。

遺産分割協議書を行政書士に作成してもらう場合の費用は、最新の公的統計では平均69,752円、最頻値55,000円です。相続人及び相続財産の調査は平均61,722円、最頻値50,000円で、書類作成のみなら5万〜7万円前後、調査込みなら10万〜15万円台が現実的目安になります。

次の要点は、このページで確認した費用判断をまとめたものです。協議書作成料、実費、登録免許税、他士業費用を切り分けることで、見積書のどこを比べるべきかを読み取ってください。

Point 1

定価はない

行政書士報酬は自由設定であり、公的統計は相場感をつかむ材料です。法定料金や業界統一価格ではありません。

Point 2

実費は別に見る

戸籍、印鑑証明書、評価証明書、登記事項証明書、郵送費、交通費などは、報酬とは別に確認します。

Point 3

不動産は登記まで見る

相続登記義務化により、協議書作成費だけでなく、司法書士報酬と登録免許税を含めて設計します。

Point 4

争い・税務は別領域

紛争、相続税、後見・未成年者などがある場合は、弁護士・税理士等の関与を前提にします。

最も失敗しにくい比較方法は、「協議書1通いくらか」ではなく、「相続手続全体をどこまで、いくらで、誰が担当するのか」を見積書で可視化することです。争いがなく、相続関係の書類整理を正確に進めたい案件では、行政書士は有力な選択肢です。反対に、紛争、税務、不動産登記が主論点なら、他士業を中心に据える必要があります。

Reference

参考資料

公的機関・職能団体・公開料金表をもとに、制度と費用の前提を確認しています。

公的機関・職能団体の資料

  • 日本行政書士会連合会「報酬額の統計」
  • 日本行政書士会連合会「令和7年度報酬額統計調査の結果」
  • 日本行政書士会連合会「遺言・相続」
  • 日本行政書士会連合会「行政書士の業務」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • 法務局「登記申請手続のご案内(相続登記 ― 遺産分割協議編)」
  • 法務局「法定相続情報証明制度について」
  • 裁判所「遺産分割調停」
  • 裁判所「特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合)」
  • 裁判所「成年被後見人等に関する特別代理人・臨時保佐人・臨時補助人の選任」
  • 国税庁「登録免許税の税額表」
  • 国税庁「相続税の計算」
  • 国税庁「相続税の申告と納税」
  • 日本弁護士連合会「相続に関する相談案内」
  • 日本司法書士会連合会「相続登記相談センター特設サイト」
  • 日本税理士会連合会「税理士とは」
  • 日本公証人連合会「公正証書遺言」

費用例の補助資料

  • 行政書士事務所の公開料金表(複数事例)
  • 相続手続支援に関する公開料金表(複数事例)