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弁護士に頼むと
裁判になるのか

交通事故で弁護士へ相談・依頼しただけで裁判になるのかを、示談交渉、ADR、民事調停、訴訟の違いと、裁判になりやすい争点から整理します。

76.3% 訴訟内の和解率
12.3か月 平均審理期間
13,746件 令和6年終局事件
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弁護士に頼むと 裁判になるのか

交通事故で弁護士へ相談・依頼しただけで裁判になるのかを、示談交渉、ADR、民事調停、訴訟の違いと、裁判になりやすい争点から整理します。

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弁護士に頼むと 裁判になるのか
交通事故で弁護士へ相談・依頼しただけで裁判になるのかを、示談交渉、ADR、民事調停、訴訟の違いと、裁判になりやすい争点から整理します。
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  • 弁護士に頼むと 裁判になるのか
  • 交通事故で弁護士へ相談・依頼しただけで裁判になるのかを、示談交渉、ADR、民事調停、訴訟の違いと、裁判になりやすい争点から整理します。

POINT 1

  • 弁護士に頼むと裁判になるのかへの結論
  • 相談、依頼、示談交渉、ADR、訴訟を分けて考えます。
  • 弁護士に頼むことは裁判化ではなく、手続選択の専門化です
  • 交通事故で弁護士に相談したこと、または正式に依頼したことだけで、当然に裁判になるわけではありません。
  • 交通事故の民事紛争は、多くの場合、まず保険会社との示談交渉から始まります。

POINT 2

  • 弁護士依頼と裁判を分けるための用語整理
  • 1. 受任通知と資料整理:相手方保険会社へ窓口を通知し、事故証拠、医療記録、収入資料、物損資料を集めます。
  • 2. 示談交渉:損害計算書や意見を提示し、保険会社の回答や再提示を検討します。
  • 3. 交渉でまとまらない:争点、増額見込み、費用、時間、本人の負担、時効を確認します。
  • 4. ADRや民事調停を検討:訴訟以外の第三者関与手続で合意可能性を探ります。
  • 5. 訴訟を選ぶ場合:重要争点、時効、高額損害、相手方の支払拒否などがある場合に検討します。

POINT 3

  • 交通事故で弁護士に頼む前に知る損害賠償の基本構造
  • 損害項目、自賠責保険、任意保険、労災や社会保障との関係を確認します。
  • 損害項目が多く、証拠で説明しにくいほど、紛争化しやすくなります。
  • 項目の行ごとに、どの証拠が不足すると争点になりやすいかを読み取ってください。
  • 自賠責保険は人身損害の最低限の補償を行う強制保険で、傷害による損害の限度額は被害者1人につき120万円とされています。

POINT 4

  • 弁護士に頼むと実際には何が起きるか
  • 1. 事故と証拠を確認する
  • 2. 保険会社の窓口を切り替える:弁護士が相手方保険会社へ通知し、以後の交渉窓口になります。
  • 3. 事故、医療、収入、物損を固める:交通事故証明書、診断書、カルテ、画像、休業損害証明書、修理見積、ドライブレコーダー映像などを集めます。
  • 4. 証拠で説明できる請求を組み立てる:保険会社提示額、自賠責基準、任意保険の考え方、裁判基準を比較し、根拠のある請求額を検討します。
  • 5. 合意できれば裁判にならず終了する:損害計算書や意見書を提示し、保険会社の反論や再提示を受けて、合意可能性を探ります。
  • 6. 交渉がまとまらない場合に比較する:再交渉、ADR、交通事故紛争処理センター、日弁連交通事故相談センター、民事調停、訴訟を検討します。

POINT 5

  • 交通事故で裁判になりやすい争点と裁判になりにくい特徴
  • 過失割合に大きな争いがある
  • 治療の必要性や期間が争われる
  • むち打ち、腰痛、神経症状、慢性疼痛では、治療が事故によるものか、どこまで必要かが争われることがあります。

POINT 6

  • 交通事故訴訟の現実とADRの役割
  • 訴訟になっても和解で終わる割合が高いこと、ADRが機能していることを確認します。
  • 斡旋終了4,597件のうち和解成立4,038件
  • 審査終了470件のうち和解成立432件
  • 1回から3回で72.3パーセント

POINT 7

  • 裁判を避けたい交通事故被害者の実務戦略
  • 1. 事故直後から証拠を残す:警察届出、相手方情報、現場写真、車両損傷、標識、信号、ドライブレコーダー映像、目撃者を確保します。
  • 2. 医師の診断と通院の一貫性を重視する:初診遅れ、通院空白、症状説明不足は争いを招きやすいため、症状を具体的に伝えます。
  • 3. 示談書に署名前に確認する:治療終了、後遺障害、休業損害、慰謝料、過失割合、既払金、清算条項を確認します。
  • 4. 弁護士費用特約とADRを確認する:費用負担を抑えながら、示談交渉、ADR、民事調停を比較します。
  • 5. 争点を狭める:過失割合、治療期間、後遺障害、休業損害、逸失利益、物損ごとに必要資料を整理します。

POINT 8

  • 裁判化を左右する医療、事故解析、保険、生活再建の資料
  • 医学的証拠、車両技術、保険実務、労務福祉の観点を統合します。
  • 交通事故の裁判化を左右するのは、法律だけではありません。
  • 医学的証拠、事故解析、車両技術、保険実務、労務、福祉が重なります。
  • 弁護士は、これらの資料を損害賠償の主張として整理します。

まとめ

  • 弁護士に頼むと 裁判になるのか
  • 弁護士に頼むと裁判になるのかへの結論:相談、依頼、示談交渉、ADR、訴訟を分けて考えます。
  • 弁護士依頼と裁判を分けるための用語整理:相談、依頼、示談、ADR、民事調停、訴訟の違いを確認します。
  • 交通事故で弁護士に頼む前に知る損害賠償の基本構造:損害項目、自賠責保険、任意保険、労災や社会保障との関係を確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

弁護士に頼むと裁判になるのかへの結論

相談、依頼、示談交渉、ADR、訴訟を分けて考えます。

交通事故で弁護士に相談したこと、または正式に依頼したことだけで、当然に裁判になるわけではありません。弁護士の役割は、裁判を起こすこと自体ではなく、証拠、損害、費用、時間、心理的負担を踏まえて、示談交渉、ADR、民事調停、訴訟のどの道筋が合理的かを整理することです。

交通事故の民事紛争は、多くの場合、まず保険会社との示談交渉から始まります。交渉でまとまらない場合でも、交通事故紛争処理センター、日弁連交通事故相談センターの示談あっせん、そんぽADRセンター、民事調停など、訴訟以外の選択肢があります。

次の重要ポイントは、このページの結論を一つにまとめたものです。弁護士依頼と訴訟開始は別の段階であり、裁判を避けたい人ほど、早期に争点と証拠を整理する意味があることを読み取ってください。

弁護士に頼むことは裁判化ではなく、手続選択の専門化です

相談だけで裁判になることはありません。正式依頼後も、通常は保険会社との示談交渉から始まり、交渉でまとまらない場合にADR、民事調停、訴訟などを比較して選びます。

次の割合比較は、令和6年に終局した民事第一審の交通損害賠償事件について、判決、和解、取下げの比率を視覚的に整理したものです。棒が高いほど割合が大きく、仮に訴訟になっても判決より和解で終わる割合が高いことを読み取れます。

76.3%
和解
18.5%
判決
3.6%
取下げ
Section 01

弁護士依頼と裁判を分けるための用語整理

相談、依頼、示談、ADR、民事調停、訴訟の違いを確認します。

交通事故の相談では、「相談」「依頼」「示談」「ADR」「民事調停」「訴訟」「裁判」という言葉が混同されやすくなります。言葉の意味を分けると、弁護士に会うことと裁判所で争うことが同じではないと分かります。

次の比較表は、各手続の意味、裁判所との関係、読者が読み取るべき注意点を整理したものです。上から順に、負担の軽い相談段階から、裁判所の判断を得る訴訟まで進む構造です。

用語意味読み取るべき注意点
相談弁護士に事情を説明し、見通しや対応方針を確認する段階です。相手方に通知されるとは限らず、裁判所への申立てでもありません。
依頼または委任委任契約を結び、交渉、後遺障害申請、ADR、訴訟などを任せることです。依頼範囲と費用、訴訟へ移る場合の追加費用を確認します。
示談損害賠償額、支払方法、過失割合、清算条項などを合意して紛争を終えることです。署名後は追加請求が難しくなるため、損害が未確定の段階では慎重に確認します。
ADR裁判によらず、公正な第三者が関与して民事上の紛争解決を図る手続です。あっせん、調停、仲裁などがあり、手続ごとに拘束力や進め方が異なります。
民事調停裁判所で行われる話合い型の手続です。勝敗を決めるより、合意による解決を目指す非公開の手続です。
訴訟裁判所に訴状を提出し、主張と証拠に基づいて判断を求める手続です。判決だけでなく、裁判上の和解、取下げ、認諾などで終わることもあります。

次の判断の流れは、弁護士に頼んだ後の標準的な進み方を示しています。上から下へ進んでも、各段階で合意できればそこで終了するため、依頼した瞬間に訴訟へ進むわけではないことを確認してください。

弁護士依頼後の手続選択

受任通知と資料整理

相手方保険会社へ窓口を通知し、事故証拠、医療記録、収入資料、物損資料を集めます。

示談交渉

損害計算書や意見を提示し、保険会社の回答や再提示を検討します。

交渉でまとまらない

争点、増額見込み、費用、時間、本人の負担、時効を確認します。

ADRや民事調停を検討

訴訟以外の第三者関与手続で合意可能性を探ります。

訴訟を選ぶ場合

重要争点、時効、高額損害、相手方の支払拒否などがある場合に検討します。

Section 02

交通事故で弁護士に頼む前に知る損害賠償の基本構造

損害項目、自賠責保険、任意保険、労災や社会保障との関係を確認します。

交通事故の損害賠償は、民法の不法行為責任と自動車損害賠償保障法の仕組みを軸に、治療費、休業損害、慰謝料、逸失利益、物損などを積み上げて考えます。損害項目が多く、証拠で説明しにくいほど、紛争化しやすくなります。

次の比較表は、損害項目ごとに、主な内容と裁判になりやすさへの影響を整理しています。項目の行ごとに、どの証拠が不足すると争点になりやすいかを読み取ってください。

分類主な内容裁判になるかどうかへの影響
治療関係費治療費、薬代、入院費、通院交通費、診断書料など。治療の必要性や相当性が争われると紛争化しやすくなります。
休業損害事故による収入減、家事従事者の損害。収入資料や休業の必要性が争われやすい項目です。
入通院慰謝料けがによる精神的苦痛。通院期間、実通院日数、症状の重さが問題になります。
後遺障害慰謝料後遺障害が残った精神的苦痛。等級、画像所見、神経症状、労働能力への影響が争点になりやすい項目です。
後遺障害逸失利益将来の収入減。高額化しやすく、裁判リスクが高まります。
物損修理費、代車費用、評価損、全損時価額など。金額が小さくても過失割合で争われることがあります。
将来介護費重度後遺障害での介護費。医療、福祉、家族介護、施設介護の評価が重要です。
死亡損害葬儀費、死亡慰謝料、死亡逸失利益。遺族、相続、扶養関係、刑事手続との関係も問題になります。

自賠責保険は人身損害の最低限の補償を行う強制保険で、傷害による損害の限度額は被害者1人につき120万円とされています。任意保険は不足部分や物損などをカバーする民間保険で、弁護士に依頼すると多くの場合、相手方任意保険会社との交渉を弁護士が引き受けます。

整理通勤中または業務中の事故では、労災保険、健康保険、傷病手当金、障害年金なども関係します。労災、自賠責、任意保険、健康保険の使い方は、治療費、休業補償、過失相殺、後の精算に影響するため、弁護士や社会保険労務士、勤務先、医療機関窓口との連携が必要になることがあります。
Section 03

弁護士に頼むと実際には何が起きるか

受任通知、資料収集、損害算定、示談交渉、手続選択の流れを確認します。

弁護士に頼むと、まず受任通知で保険会社との窓口が切り替わり、事故証拠、医療記録、収入資料、物損資料を集めます。その後、損害額を算定し、保険会社との示談交渉を行います。交渉で合意できれば、裁判所は関与しません。

次の時系列は、相談段階から交渉、手続選択までの代表的な流れを示しています。順番に意味があり、資料収集と損害算定を丁寧に行うほど、裁判外で解決できる可能性を検討しやすくなります。

相談段階

事故と証拠を確認する

事故日時、道路状況、警察届出、交通事故証明書、傷病名、通院頻度、提示額、費用特約、労災や健康保険の利用状況を確認します。

受任通知

保険会社の窓口を切り替える

弁護士が相手方保険会社へ通知し、以後の交渉窓口になります。これは訴訟開始通知ではありません。

資料収集

事故、医療、収入、物損を固める

交通事故証明書、診断書、カルテ、画像、休業損害証明書、修理見積、ドライブレコーダー映像などを集めます。

損害額算定

証拠で説明できる請求を組み立てる

保険会社提示額、自賠責基準、任意保険の考え方、裁判基準を比較し、根拠のある請求額を検討します。

示談交渉

合意できれば裁判にならず終了する

損害計算書や意見書を提示し、保険会社の反論や再提示を受けて、合意可能性を探ります。

手続選択

交渉がまとまらない場合に比較する

再交渉、ADR、交通事故紛争処理センター、日弁連交通事故相談センター、民事調停、訴訟を検討します。

次の比較表は、交渉がまとまらない場合の選択肢を並べたものです。場所、特徴、向いている事案を横に比較することで、訴訟だけが次の一手ではないことを読み取れます。

手続場所特徴向いている事案
再交渉保険会社との交渉追加資料で説得します。争点が金額の一部に限られる事案。
ADR民間または公的ADR機関第三者が調整します。裁判ほど重くしたくないが中立意見が必要な事案。
交通事故紛争処理センター専門機関法律相談、和解あっせん、審査の流れがあります。保険会社との対人賠償交渉が膠着した事案。
日弁連交通事故相談センター専門機関無料相談、示談あっせんなどがあります。比較的早期に弁護士の中立的調整を受けたい事案。
民事調停簡易裁判所非公開の話合い型手続です。当事者間の合意可能性が残る事案。
訴訟裁判所証拠に基づく権利判断です。争点が大きい、高額、時効が近い、相手が譲歩しない事案。
Section 04

交通事故で裁判になりやすい争点と裁判になりにくい特徴

過失割合、治療、後遺障害、休業損害、時効などの争点を整理します。

弁護士が入ったから裁判になるのではありません。裁判になりやすいのは、事故そのもの、損害額、医学的因果関係、時効、相手方の支払姿勢などについて、裁判所の判断を要する争点がある場合です。

次の重要項目の一覧は、裁判になりやすい代表的な争点をまとめています。各項目は、交渉で合意しにくくなる理由を示しているため、自分の事故に当てはまる争点がどれかを読み取ってください。

過失割合に大きな争いがある

信号、一時停止、右折直進、進路変更、横断歩道、自転車や歩行者との事故では、実況見分、写真、映像、車両損傷、目撃者供述の評価が重要です。

治療の必要性や期間が争われる

むち打ち、腰痛、神経症状、慢性疼痛では、治療が事故によるものか、どこまで必要かが争われることがあります。

後遺障害等級に争いがある

非該当、低い等級、医学的実態とのずれがある場合、異議申立て、紛争処理、訴訟を検討することがあります。

休業損害や逸失利益が高額である

会社員、個人事業主、会社役員、家事従事者、学生、高齢者で算定方法が異なり、金額が大きいほど慎重な争いになりやすい項目です。

事故と症状の因果関係が争われる

既往症、加齢性変化、別事故、通院空白、初診遅れがあると、事故との関係が争われやすくなります。

死亡事故や重度後遺障害がある

医療、介護、労務、福祉、相続、刑事手続が交錯し、高額で複雑な損害評価が必要になります。

相手方が無保険または支払能力に問題がある

任意保険がない、支払わない、連絡が取れない場合、訴訟、支払督促、強制執行、政府保障事業、自賠責請求などを検討します。

時効が近い

交渉だけでは権利を失うおそれがあるため、訴訟提起、調停申立て、催告後の法的措置、承認取得などを検討します。

反対に、証拠が整理され、争点が狭く、保険会社が合理的に譲歩できる場合は、弁護士が入っても訴訟まで進まず、交渉やADRで終わることがあります。裁判を避けるためには、弱く交渉するのではなく、争点を減らして証拠で説明できる状態を作ることが重要です。

Section 05

交通事故訴訟の現実とADRの役割

訴訟になっても和解で終わる割合が高いこと、ADRが機能していることを確認します。

「裁判」と聞くと、多くの人は判決まで進む場面を想像します。しかし、民事訴訟は判決だけでなく、取下げ、認諾、裁判上の和解などで終わることがあります。交通事故訴訟でも和解で終わる割合が高いとされています。

次の比較表は、令和6年に終局した民事第一審の交通損害賠償事件について、事件数、平均審理期間、判決、和解、取下げ、それ以外を整理したものです。件数と割合の両方を見ることで、訴訟になった後も和解が中心的な終わり方であることを読み取れます。

項目件数割合
事件数13,746件100パーセント
平均審理期間12.3か月なし
判決2,549件18.5パーセント
和解10,487件76.3パーセント
取下げ500件3.6パーセント
それ以外210件1.5パーセント

次の一覧は、交通事故紛争処理センターの2024年度取扱事案分類に関する数値を整理したものです。訴訟以外の専門的な解決経路でも和解成立が多く、来訪回数も1回から3回までで全体の72.3パーセントを占めるとされる点を読み取れます。

あっせん

斡旋終了4,597件のうち和解成立4,038件

交通事故紛争処理センターでは、法律相談と和解あっせんを通じて裁判外の合意形成を図る手続が用意されています。

審査

審査終了470件のうち和解成立432件

あっせんでまとまらない場合でも、審査会による審査を経て解決に向かう仕組みがあります。

来訪回数

1回から3回で72.3パーセント

和解成立までの来訪回数が少ない事案も多く、訴訟以外の解決経路が現実に機能していることが分かります。

注意これらの統計は、弁護士に依頼した事件全体のうち何パーセントが訴訟になるかを示すものではありません。事故類型、重症度、保険会社、地域、証拠、時期によって、訴訟に進む割合は変わります。
Section 06

裁判を避けたい交通事故被害者の実務戦略

証拠、医療、示談書、費用特約、ADR、争点整理を確認します。

裁判を避けたい人にとって重要なのは、弁護士を避けることではなく、事故直後から証拠を残し、医療記録を整え、示談書に署名する前に損害を確認し、ADRも選択肢に入れることです。

次の判断の流れは、裁判を避けるために事故直後から行うべき対応を順番に整理したものです。順番に意味があり、証拠保全、医療記録、示談前確認、特約確認、争点整理の順に進めることで、裁判外解決の可能性を検討しやすくなります。

裁判を避けたい人の実務戦略

事故直後から証拠を残す

警察届出、相手方情報、現場写真、車両損傷、標識、信号、ドライブレコーダー映像、目撃者を確保します。

医師の診断と通院の一貫性を重視する

初診遅れ、通院空白、症状説明不足は争いを招きやすいため、症状を具体的に伝えます。

示談書に署名前に確認する

治療終了、後遺障害、休業損害、慰謝料、過失割合、既払金、清算条項を確認します。

弁護士費用特約とADRを確認する

費用負担を抑えながら、示談交渉、ADR、民事調停を比較します。

争点を狭める

過失割合、治療期間、後遺障害、休業損害、逸失利益、物損ごとに必要資料を整理します。

次の比較表は、争点を狭めるために必要な資料と解決方針を整理しています。左列で争点を特定し、中央列で資料を確認し、右列で裁判外の合意に近づけるための方向性を読み取ってください。

争点必要な資料解決方針
過失割合事故証明、実況見分、写真、映像。基本過失割合と修正要素を整理します。
治療期間診断書、カルテ、通院記録。医学的必要性を説明します。
後遺障害後遺障害診断書、画像、検査。等級認定または異議申立てを検討します。
休業損害源泉徴収票、給与明細、休業証明。事故による収入減を立証します。
逸失利益年収、労働能力喪失率、症状。将来損害の根拠を整理します。
物損修理見積、写真、時価資料。修理費、全損、評価損を検討します。
Section 07

裁判化を左右する医療、事故解析、保険、生活再建の資料

医学的証拠、車両技術、保険実務、労務福祉の観点を統合します。

交通事故の裁判化を左右するのは、法律だけではありません。医学的証拠、事故解析、車両技術、保険実務、労務、福祉が重なります。弁護士は、これらの資料を損害賠償の主張として整理します。

次の一覧は、専門領域ごとの着眼点を整理したものです。各項目は、裁判化を避けるためにも、裁判を選ぶ場合にも重要になる資料や説明の方向を表しています。自分の事故で不足している観点を読み取ってください。

医学的証拠

初診の時期、画像検査、神経学的所見、症状固定、後遺障害診断書が重要です。画像に異常がないから症状が存在しないとは限りませんが、後遺障害評価では客観資料が重視されます。

診断後遺障害

事故解析と車両技術

衝突部位、損傷方向、ブレーキ痕、破片散乱位置、映像、EDR、信号サイクル、道路照明、回避可能性などが、過失割合の客観化に役立ちます。

過失割合映像

保険実務

保険会社は約款、支払基準、医療照会、社内決裁に基づいて支払を判断します。弁護士は証拠、裁判例、損害項目、医療記録の言葉で交渉します。

示談提示額

労務と生活再建

休職、退職、復職、労災、傷病手当金、障害年金、介護保険、福祉制度が関係します。重度後遺障害では将来介護費の説明にも生活資料が重要です。

休業損害福祉

弁護士が勝手に裁判を起こすことは通常ありません。訴訟提起には、訴状、証拠、印紙や郵券、訴訟委任状、方針確認が必要です。依頼時には、交渉だけか、ADRや訴訟も含むか、追加費用、和解案の判断者、控訴判断の手順を確認する必要があります。

次の比較表は、裁判を選ぶべき場合と、慎重に考えるべき場合を並べています。左列の状況があるほど訴訟の合理性が高まりやすく、右列の状況があるほど費用、期間、心理的負担を慎重に比較する必要があります。

裁判を選ぶ合理性が高まりやすい場合裁判に慎重であるべき場合
提示額が明らかに低く差額が大きい。争点金額が小さく、弁護士費用特約がない。
重要争点について相手方が譲歩しない。証拠が乏しく、見通しが低い。
時効を止める必要がある。本人が長期化に耐えにくい。
相手方が誠実に対応しない。早期の生活資金が必要で、早期解決を優先したい。
将来介護費など、裁判基準での判断が必要。相手方提示が裁判基準にかなり近い。
Section 08

弁護士に頼むと裁判になるのかに関するFAQ

相談通知、示談交渉だけの依頼、本人出席、ADR、後遺障害、物損まで確認します。

次のFAQは、弁護士依頼と裁判化に関するよくある不安を一般情報として整理したものです。各回答では、制度上の考え方と、事故態様、証拠、損害額、時効などで結論が変わる点を確認してください。

弁護士に相談しただけで、相手方に知られますか。

一般的には、相談しただけでは相手方に通知されません。正式に依頼し、弁護士が受任通知を送ると、相手方保険会社に弁護士介入が知られます。具体的な通知時期や範囲は依頼内容によって変わります。

弁護士に依頼したら保険会社との関係が悪くなりますか。

一般的には、必ず悪くなるわけではありません。保険会社は弁護士対応に慣れており、争点や資料が整理されることで交渉が進みやすくなる場合もあります。ただし、争点や相手方の対応によって進行は変わります。

裁判をしたくないと弁護士に言ってよいですか。

一般的には、裁判を避けたい希望は弁護士に伝えるべき重要事項です。弁護士は依頼者の希望を踏まえ、交渉、ADR、民事調停、訴訟の優先順位を検討します。ただし、時効や重大争点がある場合は法的手段が必要になる可能性があります。

示談交渉だけ依頼できますか。

一般的には、示談交渉だけ、後遺障害申請まで、ADRまで、訴訟までなど、委任契約で業務範囲を定めることができます。費用や追加手続の扱いは契約内容によって異なります。

訴訟になったら毎回裁判所に行く必要がありますか。

一般的には、多くの期日は弁護士が対応します。ただし、本人尋問が行われる場合や和解の重要局面では、本人の出席が必要または望ましいことがあります。具体的な負担は裁判所、争点、証拠によって変わります。

裁判になったら必ず判決まで行きますか。

一般的には、必ず判決まで行くわけではありません。交通損害賠償事件では、令和6年終局事件の和解率が76.3パーセントとされ、判決より和解で終わる割合が高いとされています。

ADRと裁判の違いは何ですか。

一般的には、ADRは裁判によらず、公正な第三者が関与して紛争解決を図る手続です。非公開で柔軟な運用が可能な場合がありますが、手続の種類により拘束力、強制執行、時効への影響が異なります。

後遺障害が非該当でも裁判で認められることはありますか。

一般的には、可能性はあります。ただし、医学的証拠、症状経過、検査所見、仕事や生活への影響を具体的に立証する必要があります。非該当だから直ちに裁判すべきとは限らず、異議申立て、医証補充、ADR、訴訟の順序を検討します。

物損だけでも弁護士に頼む意味はありますか。

一般的には、弁護士費用特約がある場合は物損でも相談する価値があります。過失割合、評価損、代車費用、全損時価額が争われることがあります。ただし、費用特約がない少額物損では費用倒れに注意が必要です。

保険会社から示談書が届いたらどうすればよいですか。

一般的には、署名前に治療終了、後遺障害、休業損害、慰謝料、過失割合、既払金、将来請求の放棄条項を確認する必要があります。不安がある場合は、署名前に弁護士等の専門家へ相談することが重要です。

次の表は、相談前にそろえるとよい資料をまとめたものです。資料の行ごとに、事故、医療、収入、物損、費用、労災のどの争点を説明するかが異なるため、不足している資料を読み取ってください。

資料目的
交通事故証明書事故の発生、当事者、事故類型の確認。
診断書傷病名、治療期間、医学的因果関係の確認。
診療報酬明細書治療内容と費用の確認。
後遺障害診断書後遺障害申請、異議申立て、訴訟の中核資料。
保険会社の提示書現在の争点と提示額の確認。
休業損害証明書休業損害の算定。
源泉徴収票、確定申告書収入基礎の確認。
修理見積、車両写真物損、事故態様、衝撃の確認。
ドライブレコーダー映像過失割合と事故態様の確認。
弁護士費用特約の保険証券費用負担の確認。
労災関係書類業務災害、通勤災害、第三者行為災害の確認。
Reference

参考資料

参考資料

  • 最高裁判所「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書 資料2」
  • 裁判所「民事訴訟」
  • 裁判所「民事調停」
  • 法務省「かいけつサポート 制度について」
  • 国土交通省「交通事故にあったらまずどうする?」
  • 国土交通省「自賠責保険・共済の限度額と補償内容」
  • 国土交通省「後遺障害等級表」
  • 自動車安全運転センター「交通事故に関する証明書」
  • 損害保険料率算出機構「当機構で行う損害調査」
  • 公益財団法人 交通事故紛争処理センター「法律相談、和解あっせんおよび審査の流れ」
  • 公益財団法人 交通事故紛争処理センター「取扱事案分類」
  • 公益財団法人 日弁連交通事故相談センター
  • 法テラス「民事法律扶助業務」
  • 法テラス「交通事故と弁護士特約、自賠責保険、任意保険に関する一般向け説明」
  • 法テラス「自賠責保険とは、どのような保険ですか」
  • 厚生労働省系労働局「第三者行為災害について」
  • e-Gov法令検索「民法」
  • e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法」