示談提示書の合計額ではなく、慰謝料、休業損害、逸失利益、過失相殺、既払金控除、物損などの前提を分解して確認するための実務的な読み方です。
示談提示書の合計額ではなく、慰謝料、休業損害、逸失利益、過失相殺、既払金控除、物損などの前提を分解して確認するための実務的な読み方です。
日数、単価、基礎収入、割合、期間、控除、根拠資料に分けて確認します。
保険会社の損害賠償額計算書は、治療費、休業損害、慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益、過失相殺、既払金控除などが整然と並ぶため、合計額だけを見ると妥当そうに見えます。しかし、低い計算は合計額ではなく、各項目の前提に入り込みます。
この強調表示は、計算書を見るときに最初に押さえるべき結論を示しています。なぜ重要かというと、損害項目の名前が合っていても、日数、単価、割合、期間、控除の置き方で最終額が大きく変わるためです。まずは合計額ではなく、どの前提がいくらの根拠になっているかを読み取ってください。
点検の軸は、日数、単価、基礎収入、割合、期間、控除、根拠資料の7つです。小さな前提差が重なると、提示額全体を大きく押し下げます。
次の一覧は、保険会社の損害賠償額計算書で特に確認したい7つの前提を並べたものです。読者にとって重要なのは、どの損害項目でも同じ見方で分解できる点です。自分の計算書で、各前提の根拠資料が示されているかを読み取ってください。
治療期間、実通院日数、休業日数、症状固定日までの期間が短く処理されていないかを見ます。
慰謝料の日額、休業損害の日額、介護単価、代車費用の単価が低く置かれていないかを確認します。
給与、事業所得、家事労働、若年者の将来収入が実態より低く評価されていないかを見ます。
過失割合、労働能力喪失率、生活費控除率、素因減額の割合が金額全体へ与える影響を確認します。
労働能力喪失期間、将来介護期間、代車必要期間、休車期間が機械的に短縮されていないかを見ます。
既払金、自賠責既払、労災、健康保険、人身傷害保険の控除対象と順序を分けて確認します。
診断書、診療記録、休業損害証明書、収入資料、事故資料、修理資料が計算に反映されているかを見ます。
このページは一般的な情報提供です。時効、後遺障害申請、異議申立て、訴訟移行、労災や健康保険との調整は、事故日、症状固定日、契約内容、既払状況、証拠の有無によって結論が変わる可能性があります。具体的な対応は、書類一式を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
費目名だけで判断せず、式、基準、資料、未計上理由まで分解します。
損害賠償額計算書とは、交通事故によって発生した損害を項目別に整理し、保険会社が支払うと考える金額を一覧化した書類です。名称は示談金計算書、損害額明細、賠償金提示書などに分かれますが、見るべき構造は共通しています。
次の比較表は、計算書に並びやすい大項目と、低い計算が入りやすい視点を整理したものです。なぜ重要かというと、項目名だけでは妥当性が分からず、内訳と計算式を見ないと低額化の理由を発見できないためです。自分の書類で、該当項目の内訳が空欄や一式になっていないかを読み取ってください。
| 大項目 | 典型的な内訳 | 低い計算が入りやすい視点 |
|---|---|---|
| 治療関係費 | 治療費、薬代、装具、文書料、通院交通費 | 未計上、必要性否認、期間制限 |
| 休業損害 | 給与所得者、事業所得者、家事従事者、有給休暇 | 日額、休業日数、証明不足 |
| 入通院慰謝料 | 入院期間、通院期間、実通院日数 | 対象日数、基準の選択 |
| 後遺障害慰謝料 | 後遺障害等級に応じた慰謝料 | 等級、基準差、併合の反映 |
| 後遺障害逸失利益 | 基礎収入、労働能力喪失率、喪失期間、中間利息控除 | すべての変数 |
| 死亡損害 | 葬儀費、死亡慰謝料、死亡逸失利益 | 生活費控除、基礎収入、扶養関係 |
| 物損 | 修理費、時価額、代車費、評価損、休車損 | 時価、必要期間、営業損害 |
| 減額 | 過失相殺、素因減額、既往症、好意同乗 | 割合、医学的根拠、事故態様 |
| 控除 | 既払金、自賠責既払、労災、健康保険、人身傷害 | 控除の対象、控除順序 |
次の判断の流れは、計算書を受け取った直後に確認する順番を示しています。順番が重要なのは、最初に合計額だけを見ると、どの前提が低いのか分からなくなるためです。上から順に、金額、式、資料、未計上理由へ分解して読むことが大切です。
まず総額ではなく、各損害項目の内訳を確認します。
単価、日数、基礎収入、割合、期間、控除が分かる形にします。
自賠責基準、任意保険会社側の提示、裁判例を踏まえた水準を区別します。
医療記録、収入資料、事故資料、物損資料のどれを見たか確認します。
未計上項目や控除の理由は、後で検証できる形で確認します。
とくに確認したいのは、各項目の計算式、採用した基準、日数の数え方、収入資料、後遺障害等級と判断理由、過失割合の根拠、既払金控除の内訳、未計上項目の理由です。
自賠責基準、任意保険会社側の提示、裁判例を踏まえた水準を分けます。
損害賠償額計算書の読み方で最初につまずきやすいのは、基準の違いです。同じ慰謝料や休業損害でも、自賠責基準、任意保険会社側の提示、裁判例を踏まえた水準では意味が異なります。
次の比較一覧は、3つの基準の役割を並べたものです。読者にとって重要なのは、保険会社の提示が最終的な法的評価そのものとは限らない点です。どの基準に近い金額なのかを読み取ると、交渉で確認すべき論点が見えてきます。
基本的な補償を迅速かつ定型的に支払うための基礎的な基準です。傷害部分には被害者1人につき120万円の限度額があります。
自賠責で足りない部分を上乗せする場面でも、示談段階では社内基準や交渉上の判断により低めに提示されることがあります。
裁判所は証拠に基づき個別事案の損害額を認定します。提示額と裁判例を踏まえた水準を区別して検討します。
次の表は、このページで扱う主な数値をまとめたものです。なぜ重要かというと、これらの数値が計算書にそのまま使われている場合でも、個別事情によって検討すべき余地が残るためです。数値だけでなく、どの費目に適用されているかを読み取ってください。
| 数値 | 関係する項目 | 読み取るべきこと |
|---|---|---|
| 120万円 | 自賠責の傷害部分 | 治療費、文書料、休業損害、慰謝料が同じ枠で扱われる点を確認します。 |
| 1日6,100円 | 自賠責基準の休業損害 | 立証資料により実額が問題となる余地があるかを見ます。 |
| 1日4,300円 | 自賠責基準の慰謝料 | 対象日数がどのように数えられたかを確認します。 |
| 14級32万円 | 自賠責基準の後遺障害慰謝料等 | 保険会社提示が自賠責基準に近いかを確認します。 |
| 12級94万円 | 自賠責基準の後遺障害慰謝料等 | 等級と基準差の両方を見ます。 |
| 3パーセント | 法定利率、ライプニッツ係数 | 事故日や適用時期により逸失利益計算へ影響する点を確認します。 |
自賠責基準は基本補償のための定型的な支払基準です。任意保険会社の提示が自賠責基準に近い場合、裁判例を踏まえた水準より低くなる可能性があります。
入通院慰謝料と休業損害は、傷害部分の提示額を左右する中心項目です。ここで低い計算が入ると、後遺障害がない事案でも示談金が大きく変わります。
次の比較表は、慰謝料、120万円枠、休業損害の日額、休業日数で確認すべき点をまとめています。なぜ重要かというと、どれも日数や単価の小さな違いが積み重なる項目だからです。計算書の対象日数と資料上の実態が一致しているかを読み取ってください。
| 箇所 | 低くなる形 | 確認する資料 |
|---|---|---|
| 入通院慰謝料 | 実通院日数だけを重視し、治療期間や症状の重さが反映されない | 診断書、診療明細、通院予約、検査記録 |
| 傷害部分120万円 | 治療費で枠を使い、休業損害や慰謝料の任意保険上積みが薄くなる | 治療費明細、自賠責充当額、既払金一覧 |
| 休業損害の日額 | 基本給だけ、1日6,100円、前年所得だけで処理される | 源泉徴収票、給与明細、確定申告書、売上台帳 |
| 休業日数 | 通院日だけ、医師の休業指示日だけ、半日休業を拾わない | 休業損害証明書、勤怠表、シフト表、業務日報 |
自賠責支払基準では慰謝料は1日4,300円とされますが、対象日数は単純な治療期間全日数ではなく、傷害の態様や実治療日数などを踏まえて決められます。たとえば治療期間180日、実通院日数30日の場合、4,300円 × 60日 = 258,000円と提示されることがあります。
ここで大切なのは、通院回数が少ない理由です。医師の予約体制、リハビリ枠の不足、仕事、育児、介護、遠距離通院などの事情がある場合は、通院制約と治療の実質を資料で説明できるかが問題になります。
次の一覧は、休業損害で職業ごとに低くなりやすい前提を示しています。なぜ重要かというと、給与所得者、事業所得者、家事従事者では必要資料も計算の着眼点も違うためです。自分の働き方に近い項目で、どの資料が不足しているかを読み取ってください。
前年所得を365日で割るだけでは、季節変動、受注不能、納期遅延、外注費増加、取引先喪失が見落とされることがあります。
確定申告売上台帳専業、兼業、高齢家族の介護、子育て中の家事負担がゼロ扱いになったり、実通院日だけに限定されたりすることがあります。
家事分担代替負担有給休暇は、給与が支払われても本来別目的で使えた休暇を事故のために消費した経済的価値があります。計算書で有給使用日が休業日数から外れている場合は、休業損害証明書の記載と照合します。
後遺障害の有無、慰謝料、基礎収入、喪失率、喪失期間、死亡逸失利益を確認します。
後遺障害が認められるかどうかは、損害賠償額計算書の金額を大きく変えます。後遺障害が認められると、後遺障害慰謝料と逸失利益が問題となり、非該当のままでは傷害慰謝料と休業損害だけで終わることがあります。
次の式は、逸失利益で保険会社が低く置きやすい変数を示しています。なぜ重要かというと、基礎収入、喪失率、喪失期間、係数のどれか一つが低いだけでも最終額が変わるためです。式の中で、どの変数が自分の資料と違うかを読み取ってください。
基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
次の表は、後遺障害と逸失利益で点検すべき変数をまとめたものです。読者にとって重要なのは、等級が同じでも、収入資料や仕事への影響、期間の置き方で金額が変わる点です。各変数の根拠が書面で示されているかを読み取ってください。
| 変数 | 低くなる典型 | 確認する資料 |
|---|---|---|
| 後遺障害の有無 | 診断書の記載が薄く、非該当のまま示談提示される | 後遺障害診断書、画像、神経学的検査、症状経過 |
| 後遺障害慰謝料 | 14級32万円、12級94万円など自賠責基準に近い | 認定等級、併合、生活や職業上の影響 |
| 基礎収入 | 事故前年だけ、申告所得だけ、家事労働や若年者の将来収入を低く見る | 源泉徴収票、賃金統計、確定申告、事業資料 |
| 労働能力喪失率 | 等級は認めるが仕事への影響は小さいとして割合を下げる | 職務内容、配置転換、同僚補助、作業制限 |
| 労働能力喪失期間 | 14級は5年、12級は10年など機械的に短く置く | 年齢、職業、医学的所見、治療経過 |
| 死亡逸失利益 | 生活費控除率を高く置き、扶養関係や家族構成を十分に見ない | 家族構成、収入の使途、扶養状況、年金資料 |
次の一覧は、後遺障害で低い計算につながりやすい資料不足を示しています。なぜ重要かというと、認定結果や逸失利益の変数は、医療記録と生活・就労資料の質に左右されるためです。どの資料を補うべきかを読み取ってください。
事故直後から症状が続いているか、診断名と症状が整合しているかを確認します。
X線、CT、MRI、神経学的検査、可動域測定、筋力や知覚の記録があるかを見ます。
症状固定時の記載に、必要事項、角度、部位、露出性、生活への影響が入っているかを確認します。
収入が維持されていても、本人の努力、職場配慮、配置転換、将来昇進への制限を整理します。
兼業主婦、専業主婦、専業主夫、高齢家族の介護では、家事労働能力の低下を具体化します。
若年者、資格取得直後、転職予定、再雇用、高齢者就労では、事故がなければ得られた収入を検討します。
死亡事故では、死亡慰謝料、葬儀費、死亡逸失利益が問題になります。死亡逸失利益は、基礎収入 × (1 - 生活費控除率) × 就労可能年数に対応するライプニッツ係数という構造で考えられ、生活費控除率が高いほど金額は低くなります。
過失割合、素因減額、治療打切り、既払金控除、調整額を分解します。
損害額そのものが計算された後でも、過失相殺、素因減額、既払金控除、治療打切り、調整額の置き方で最終提示額は大きく変わります。ここは合計額の直前で低額化が起きやすい箇所です。
次の表は、減額と控除で確認すべき論点を整理したものです。なぜ重要かというと、総損害額が高くても、割合や控除順序の処理で支払額が大きく下がるためです。金額欄の前後で何が差し引かれているかを読み取ってください。
| 箇所 | 低い計算の形 | 点検する視点 |
|---|---|---|
| 過失相殺 | 基本過失割合だけを示し、修正要素を検討しない | 実況見分調書、信号、防犯カメラ、ドライブレコーダー |
| 素因減額、既往症 | 経年性変化、軽微事故、治療期間が長すぎるなどとされる | 事故前後の症状差、画像、神経学的所見、車両損傷 |
| 治療打切り | 保険会社の支払終了日を症状固定日と同じように扱う | 主治医の判断、治療継続の必要性、後遺障害診断書の時期 |
| 既払金控除 | 既払金一式として、支払先や費目が分からないまま控除する | 支払日、支払先、費目、過失相殺前後の控除順序 |
| 遅延損害金と弁護士費用相当額 | 示談段階の提示で最初から十分に含まれていない | 訴訟になった場合の見通しと提示額を区別する |
| 調整額、特別加算、一式 | 各項目を低く置いた後、少額の調整だけを足す | 調整前の各項目が妥当か、何の不足を補うのか |
過失割合は損害額全体に影響します。たとえば総損害額が1,000万円で被害者過失が20パーセントとされると、過失相殺後は800万円です。1割の違いでも金額差は大きくなります。
次の判断の流れは、最終提示額に近い部分で控除や清算条項を確認する順番を示しています。読者にとって重要なのは、署名後に追加請求が難しくなる可能性がある点です。どの段階で専門家に確認すべきかを読み取ってください。
治療費、休業損害、慰謝料、逸失利益、物損、将来費用を並べます。
過失割合、素因減額、既往症、因果関係否認の根拠を分けます。
自賠責、労災、健康保険、人身傷害、内払金を費目別に整理します。
本件事故について追加請求をしない内容になっていないか確認します。
口頭説明ではなく、計算式と未計上理由を書面で確認します。
通院交通費、付添費、文書料、将来介護費、時価額、評価損、代車費を確認します。
大きな慰謝料や逸失利益に目が行きがちですが、通院交通費、付添看護費、入院雑費、文書料、装具費、将来介護費、物損も、漏れると損害全体を低く見せます。
次の一覧は、計算書に最初から十分に入っていないことがある費目をまとめたものです。なぜ重要かというと、一つひとつは小さく見えても、領収書や必要性の説明がないと未計上になりやすいためです。自分の領収書や見積書と照合して、どの費目が抜けているかを読み取ってください。
公共交通機関、自家用車のガソリン代、駐車場代、高速料金、転院や検査への移動、付添者の交通費を確認します。
子ども、高齢者、重傷者、脳損傷、歩行困難、手術後などでは、医師の指示や看護必要性を確認します。
診断書料、診療報酬明細書料、交通事故証明書、住民票、装具、松葉杖、コルセット、眼鏡、補聴器を確認します。
走行距離、グレード、オプション、修復歴、中古車市場価格、買替諸費用が反映されているかを確認します。
代車必要期間、同等車種、部品入荷遅延、タクシーや配送車など営業車両の稼働資料を確認します。
将来費用では、家族介護を無償と見て低く評価する、介護期間を短く見る、介護単価を低く置く、医師やリハビリ職、ケアマネジャーの意見書がないといった理由で金額が低くなることがあります。
事故、医療、保険、工学、車両、労務、福祉の視点で低い前提を探します。
交通事故の損害算定は法律だけで完結しません。現場、医療、保険、工学、車両、労務、福祉が重なるため、計算書の低い前提は複数の専門領域にまたがって現れます。
次の一覧は、専門職ごとの点検視点を計算書の読み方に置き換えたものです。読者にとって重要なのは、どの資料を誰の視点で補うと前提を修正しやすいかを把握できる点です。自分の争点が医療、過失、収入、物損、生活再建のどこにあるかを読み取ってください。
実況見分調書、交通事故証明書、信号、標識、速度、前方不注視などから過失割合の整合性を確認します。
過失割合診断名、症状の一貫性、画像所見、神経学的所見、症状固定時期、日常生活動作を確認します。
医療記録基準差、争点整理、証拠収集、時効、示談条項、訴訟に移行した場合の費用対効果を確認します。
法的整理支払基準、契約内容、既払金、医療照会、事故態様調査、任意保険と自賠責の関係を確認します。
調査構造車両損傷位置、ドライブレコーダー、EDR、速度、制動、衝突角度、視認可能性を確認します。
事故解析修理範囲、骨格部位損傷、時価額、修復歴、評価損、代車必要期間、営業車両の休車損を確認します。
物損休業損害証明書、勤怠、給与、賞与、労災、復職可否、配置転換、退職や契約更新への影響を確認します。
収入補償介護、家事、育児、通院付添、PTSD、不眠、不安、住宅改修、家族負担、移動支援を確認します。
生活影響書類全体、治療、休業、後遺障害、減額と控除、物損を順番に確認します。
保険会社から損害賠償額計算書を受け取ったら、順番を決めて確認すると見落としを減らせます。感情的に拒絶することでも、急いで署名することでもなく、計算式を分解して証拠と照合することが出発点です。
次の表は、実務上の確認事項を6つの領域に分けたものです。なぜ重要かというと、損害項目ごとに必要資料が異なり、どこか一領域だけを見ても不足を発見しきれないためです。自分の計算書で未確認の領域を読み取ってください。
| 領域 | 確認事項 |
|---|---|
| 書類全体 | 作成日、損害項目ごとの計算式、採用基準、未計上項目の理由、既払金の内訳、清算条項 |
| 治療と慰謝料 | 初診日、最終通院日、症状固定日、入院日数、通院日数、検査日の漏れ、慰謝料の基準と日数、治療打切りの根拠 |
| 休業損害 | 日額計算、有給休暇、残業代、手当、賞与減額、半日休業、時短勤務、家事従事者、事業所得者の売上減や外注費 |
| 後遺障害 | 後遺障害診断書、認定票または非該当理由、等級、後遺障害慰謝料、逸失利益の基礎収入、喪失率、喪失期間、係数 |
| 減額と控除 | 過失割合の根拠、修正要素、素因減額、既往症、因果関係否認、控除の対象と順序、労災や人身傷害保険との調整 |
| 物損 | 修理見積、写真、損傷部位、時価額、評価損、代車費、休車損、買替諸費用、物損示談の過失割合 |
次の一覧は、増額余地が比較的大きくなりやすい典型事案をまとめたものです。読者にとって重要なのは、相談価値が高い場面を早めに見分けることです。自分の事故が複数当てはまる場合、書類一式を整理して専門家に確認する必要性が高まります。
等級認定、非該当でも症状残存、骨折、手術、靱帯損傷、神経損傷、脳外傷、高次脳機能障害、めまい、耳鳴り、視覚障害、歯牙障害、醜状痕がある場合です。
休業期間が長い、事業所得者、会社役員、フリーランス、家事従事者としての損害が計上されていない場合です。
過失割合に納得できない、ドライブレコーダーや警察記録の確認が必要、物損で事故態様が人身に影響する場合です。
治療打切りが早い、既往症や素因減額を主張されている、症状固定日が早すぎると感じる場合です。
死亡逸失利益、生活費控除、将来介護費、家屋改造費、近親者の慰謝料が問題になる場合です。
全損、評価損、休車損、調整額、一式、早期解決加算など、内訳が分からない提示が中心の場合です。
相談前資料を整理し、説明請求、異議申立て、紛争処理制度、ADR、訴訟を検討します。
弁護士等の専門家へ相談する場合、資料が整理されているほど、計算書のどこが低いかを確認しやすくなります。事故、医療、収入、保険、物損の資料を分けて準備します。
次の表は、相談前にそろえる資料を分野ごとにまとめたものです。なぜ重要かというと、計算書の前提を修正するには、主張だけでなく資料との照合が必要になるためです。手元にある資料と不足している資料を読み取ってください。
| 分野 | 主な資料 |
|---|---|
| 事故関係 | 交通事故証明書、事故発生状況報告書、実況見分調書、刑事記録の入手状況、ドライブレコーダー、防犯カメラ、写真、現場図 |
| 医療関係 | 診断書、診療報酬明細書、診療録、画像、検査結果、後遺障害診断書、認定票、非該当理由書、処方薬、リハビリ記録 |
| 収入、休業関係 | 休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細、賞与明細、勤怠表、有給休暇取得記録、確定申告書、帳簿、家事分担表 |
| 保険、支払関係 | 損害賠償額計算書、示談案、示談書案、既払金一覧、自賠責保険の支払通知、労災、健康保険、人身傷害保険の支払資料 |
| 物損関係 | 修理見積書、請求書、車両写真、査定資料、中古車価格資料、代車費用資料、営業車両の売上、稼働資料 |
次の時系列は、計算書に疑問がある場合に検討される制度の流れを示しています。読者にとって重要なのは、いきなり訴訟だけを考えるのではなく、説明請求、自賠責の異議申立て、紛争処理制度、ADR、弁護士依頼という段階がある点です。自分の不服がどの段階に合うかを読み取ってください。
各項目の計算式、根拠資料、未計上理由をメールや書面で確認します。
後遺障害等級や自賠責の支払内容に不服がある場合、追加資料を整理して申立てを検討します。
自賠責保険金、共済金の支払に関する紛争で、公正中立な第三者機関の利用が検討されます。
損害賠償の紛争について、法律相談、和解あっ旋、審査などの制度が用意されています。
示談で解決できない場合、交渉、調停、訴訟を検討します。弁護士費用特約の有無も確認します。
個別事案の断定を避け、一般的な制度説明として整理します。
一般的には、保険会社の提示は保険会社がその時点で支払うと考える金額であり、被害者側が法的に主張し得る金額と一致するとは限らないとされています。ただし、事故態様、証拠、既払金、保険契約によって評価は変わります。具体的な対応は、資料を整理したうえで弁護士等の専門家へ相談する必要があります。
一般的には、自賠責基準は基本補償のための定型的な支払基準とされています。ただし、傷害内容、治療期間、後遺障害、収入資料などによって、裁判例を踏まえた水準との関係は変わります。具体的な見通しは、計算式と根拠資料を確認したうえで専門家へ相談する必要があります。
一般的には、後遺障害、長期休業、過失割合争い、事業所得、家事従事者、死亡事故、重度障害では、専門的検討により金額差が明らかになることがあります。ただし、事故態様、負傷程度、証拠、既払金、保険契約によって結果は変わります。具体的な見通しは弁護士等へ相談する必要があります。
一般的には、症状が残っている場合、非該当理由や異議申立ての余地を示談前に確認する必要があるとされています。ただし、症状、医学的資料、時期、示談条項によって判断は変わります。具体的な対応は、後遺障害資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。
一般的には、限界という表現が交渉上の説明である可能性があります。ただし、その根拠が自賠責限度額、任意保険会社側の基準、証拠不足、過失割合のどれかによって対応は変わります。具体的には、根拠を書面で確認し、資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。
一般的には、物損示談を人身損害と分けて扱うこと自体はあります。ただし、過失割合や事故態様の記載が人身損害の交渉に影響する可能性があります。具体的には、人身損害を除く趣旨や過失割合の扱いを確認したうえで、必要に応じて専門家へ相談する必要があります。
一般的には、自賠責基準では休業損害が原則1日6,100円とされています。ただし、給与、事業所得、家事労働、有給休暇、賞与減額などの立証資料により、実額が問題となる可能性があります。具体的な計算は、収入資料を整理したうえで専門家へ相談する必要があります。
一般的には、通院回数は慰謝料計算に影響することがあります。ただし、通院回数が少ない理由、傷害内容、医師の指示、仕事や育児の制約、治療の実質によって評価は変わります。具体的な見通しは、診療記録や通院事情を整理して専門家へ相談する必要があります。
合計額ではなく、根拠資料に支えられた前提かどうかを確認します。
保険会社の損害賠償額計算書のどこに低い計算が隠れているかを見抜くには、合計額を眺めるだけでは足りません。慰謝料の対象日数、休業損害の日額、家事従事者の評価、後遺障害等級、逸失利益の基礎収入、労働能力喪失率、喪失期間、過失割合、素因減額、既払金控除、物損評価、将来費用の未計上を一つずつ確認します。
次の一覧は、最後に戻るべき7つの点検軸を再整理したものです。なぜ重要かというと、どの損害項目でもこの7つに分ければ、低い前提を発見しやすくなるためです。計算書を読み返すときは、各軸に根拠資料があるかを読み取ってください。
治療期間、通院日数、休業日数、症状固定日を確認します。
慰謝料、休業損害、介護費、代車費の単価を確認します。
給与、事業所得、家事労働、将来収入を確認します。
過失割合、喪失率、生活費控除率、素因減額を確認します。
喪失期間、将来介護期間、代車必要期間を確認します。
既払金、自賠責、労災、健康保険、人身傷害保険を確認します。
医療、収入、事故、車両、生活への影響を示す資料を確認します。
交通事故の損害賠償は、医療、法律、保険、労務、工学、福祉が交差する領域です。だからこそ、損害賠償額計算書は、合計額ではなく前提に分けて読み解く価値があります。