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自賠責保険の傷害部分
120万円の内訳と使い切り後

治療費、休業損害、慰謝料が同じ120万円枠を使う仕組みと、使い切った後に確認する任意保険、健康保険、労災、後遺障害申請を整理します。

120万円 傷害部分上限
6,100円 休業損害日額
4,300円 慰謝料日額
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自賠責保険の傷害部分 120万円の内訳と使い切り後

治療費、休業損害、慰謝料が同じ120万円枠を使う仕組みと、使い切った後に確認する任意保険、健康保険、労災、後遺障害申請を整理します。

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自賠責保険の傷害部分 120万円の内訳と使い切り後
治療費、休業損害、慰謝料が同じ120万円枠を使う仕組みと、使い切った後に確認する任意保険、健康保険、労災、後遺障害申請を整理します。
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  • 自賠責保険の傷害部分 120万円の内訳と使い切り後
  • 治療費、休業損害、慰謝料が同じ120万円枠を使う仕組みと、使い切った後に確認する任意保険、健康保険、労災、後遺障害申請を整理します。

POINT 1

  • 自賠責保険の傷害部分120万円の全体像
  • 120万円は慰謝料だけでも治療費だけでもなく、治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料を合算する枠です。
  • 120万円は費目別の固定配分ではありません
  • 傷害部分の総額上限
  • 治療禁止ではない

POINT 2

  • 自賠責保険の120万円枠と後遺障害・死亡部分の違い
  • 自賠責保険の支払限度額を傷害、後遺障害、死亡に分けて整理します。
  • 傷害部分は治療中の損害を中心に見る枠
  • 120万円は固定配分ではない
  • 表の金額差から、治療中の120万円だけで全損害を評価しないことを読み取ってください。

POINT 3

  • 自賠責保険の傷害部分120万円の内訳
  • 治療関係費、文書料、休業損害、傷害慰謝料が同じ枠に入ることを確認します。
  • 列は、費目の大分類、代表的な内容、支払基準の読み方を表します。
  • 全てが同じ120万円枠を使うため、どの費目が大きくなりやすいかを読み取ることが重要です。
  • 治療に必要かつ妥当な実費が中心です。

POINT 4

  • 自賠責保険120万円枠がどのように減っていくか
  • 治療費、交通費、診断書、休業損害、慰謝料が重なる典型例を見ます。
  • 健康保険利用により枠消費を抑える場合
  • 休業損害が大きい場合
  • 次の横棒グラフは、上の典型例で各費目が合計143万2,000円の中でどの程度を占めるかを視覚的に整理したものです。

POINT 5

  • 自賠責保険120万円を使い切ったらどうなるか
  • 1. 医師に治療継続と症状固定を確認:治療の必要性、通院頻度、就労制限、検査の要否を確認します。
  • 2. 加害者側の任意保険を確認:一括対応の終了理由、超過分対応、休業損害、慰謝料提示を確認します。
  • 3. 資料を残して交渉継続:医療記録、領収書、休業資料を整理します。
  • 4. 別の請求先を検討:人身傷害、労災、健康保険、加害者本人、後遺障害申請を確認します。

POINT 6

  • 任意保険・健康保険・労災・人身傷害をどう使うか
  • 120万円超過後に検討する保険と社会保障制度を整理します。
  • 加害者が任意保険に加入している場合
  • 加害者が任意保険に加入していない場合
  • 健康保険と労災保険

POINT 7

  • 被害者請求・加害者請求・一括払制度・仮渡金
  • 自賠責保険への請求方法を制度ごとに分けて確認します。
  • 任意保険なし
  • 一括対応拒否
  • 後遺障害申請

POINT 8

  • 自賠責保険120万円と過失割合・重過失減額
  • 7割未満、7割以上10割未満、20万円ルールと事故資料の重要性を確認します。
  • 傷害部分では、被害者の過失割合が7割未満か、7割以上10割未満かが大きな境目です。

まとめ

  • 自賠責保険の傷害部分 120万円の内訳と使い切り後
  • 自賠責保険の傷害部分120万円の全体像:120万円は慰謝料だけでも治療費だけでもなく、治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料を合算する枠です。
  • 自賠責保険の120万円枠と後遺障害・死亡部分の違い:自賠責保険の支払限度額を傷害、後遺障害、死亡に分けて整理します。
  • 自賠責保険の傷害部分120万円の内訳:治療関係費、文書料、休業損害、傷害慰謝料が同じ枠に入ることを確認します。
  • 本動画は一般的な情報提供であり、法律上の助言ではありません。記載の数値・金額・期間は目安です。個別事情で結論は変わります。
Overview

自賠責保険の傷害部分120万円の全体像

120万円は慰謝料だけでも治療費だけでもなく、治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料を合算する枠です。

自賠責保険の傷害部分120万円とは、交通事故で負傷した被害者について、治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料などを合計して支払われる上限額です。重要なのは、120万円が「慰謝料だけの枠」でも「治療費だけの枠」でもなく、複数の損害費目が同じ枠を使うという点です。

次の強調表示は、120万円を理解するうえで最も重要な読み方を示しています。治療費が多くなれば慰謝料や休業損害の残りが減り、休業損害が大きくなれば治療費や慰謝料との兼ね合いが問題になります。総枠として読むことが、使い切った後の対応を考える出発点です。

120万円は費目別の固定配分ではありません

治療費、通院交通費、診断書料、休業損害、傷害慰謝料などが同じ枠の中で競合します。使い切った後は、任意保険、人身傷害、健康保険、労災、後遺障害部分、加害者本人への請求などを分けて確認します。

次の3つの要点は、120万円を使い切る前後で特に混同しやすい点を整理しています。どれも結論を急がず、医療、保険、法律、社会保険を分けて読むことが重要です。

枠の性質

傷害部分の総額上限

傷害による損害について、治療中の費用や休業損害、慰謝料を合算して120万円まで支払う枠です。

使い切り

治療禁止ではない

120万円を使い切っても医学的な治療必要性が直ちになくなるわけではありません。支払主体の問題と分けて考えます。

別枠

後遺障害部分は別

症状固定後に後遺障害が残る場合、傷害部分とは別に後遺障害部分の限度額が問題になります。

Section 01

自賠責保険の120万円枠と後遺障害・死亡部分の違い

自賠責保険の支払限度額を傷害、後遺障害、死亡に分けて整理します。

次の比較表は、自賠責保険の支払限度額を傷害、後遺障害、死亡に分けて示しています。読者にとって重要なのは、傷害部分120万円が治療中の損害を中心にした枠であり、後遺障害や死亡とは限度額の考え方が別である点です。表の金額差から、治療中の120万円だけで全損害を評価しないことを読み取ってください。

損害の区分支払限度額の概要主な内容
傷害による損害120万円治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料など
後遺障害による損害75万円から4,000万円等級に応じた逸失利益、慰謝料等
死亡による損害3,000万円葬儀費、逸失利益、慰謝料など

傷害部分は治療中の損害を中心に見る枠

傷害部分とは、事故でけがをしてから、治癒または症状固定までに発生する損害を中心に評価する枠です。症状固定は、症状が安定し、医学上一般に認められた医療を行っても医療効果が期待できなくなった時期を指し、医師が判断します。

区別保険会社の一括対応終了は支払実務上の判断であり、医学的な症状固定そのものではありません。主治医の判断、治療経過、検査結果を確認する必要があります。

120万円は固定配分ではない

「治療費に何万円、慰謝料に何万円、休業損害に何万円」とあらかじめ配分されているわけではありません。認定される損害費目を積み上げた合計額について、限度額まで支払われます。たとえば治療費だけで100万円になれば、残りの枠は20万円しかありません。

Section 02

自賠責保険の傷害部分120万円の内訳

治療関係費、文書料、休業損害、傷害慰謝料が同じ枠に入ることを確認します。

次の表は、傷害部分120万円に入る主な費目と支払基準の考え方をまとめたものです。列は、費目の大分類、代表的な内容、支払基準の読み方を表します。全てが同じ120万円枠を使うため、どの費目が大きくなりやすいかを読み取ることが重要です。

大分類代表的な内容支払基準の考え方
治療関係費診察料、手術料、投薬料、処置料、入院料、看護料、通院交通費、義肢等、診断書等必要かつ妥当な実費が中心
文書料交通事故証明書、印鑑証明書、住民票など発行に必要かつ妥当な実費
休業損害事故による収入減、有給休暇使用、家事従事者の休業損害原則1日6,100円。立証により上限まで実額
傷害慰謝料精神的、肉体的苦痛に対する補償1日4,300円。対象日数は傷害の状態、実治療日数などを勘案

次の一覧は、治療関係費の中でも争点になりやすい項目を整理しています。必要かつ妥当な実費か、医師の必要性判断があるか、領収書や診療記録があるかを読むことで、後から説明が必要になりやすい費用を把握できます。

1

診療・入院・投薬・手術

治療に必要かつ妥当な実費が中心です。自由診療、既往症、過剰な治療頻度は争点になり得ます。

治療関係費
2

通院交通費

公共交通機関、タクシー利用の必要性、通院日、医療機関名、金額、領収書を記録します。

実費資料
3

看護料・諸雑費

看護料は医師の必要性判断や年齢、介助状況が重要です。入院中の諸雑費は原則1日1,100円が問題になります。

付添・入院
4

施術・装具・診断書

整骨院等の施術、義肢、眼鏡、補聴器、診断書費用は、必要性、医師の関与、資料の整合性を確認します。

資料整合

次の比較表は、休業損害の立証資料を職業別にまとめています。休業損害は120万円枠を大きく消費しやすいため、誰がどの資料を準備するかを読むことが重要です。たとえば原則額で30日休業すれば18万3,000円、60日休業すれば36万6,000円となり、治療費と競合します。

属性主な資料実務上の注意点
給与所得者休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細、有給休暇取得記録欠勤日、有給使用日、遅刻早退、減収額を整理します。
自営業者確定申告書、帳簿、売上資料、受注キャンセル資料事故と売上減少の因果関係が争点になりやすいです。
会社役員役員報酬の労務対価部分の資料、決算書、議事録利益配当的部分と労務対価部分の区別が問題になります。
家事従事者家族構成、家事内容、通院日、症状経過実収入がなくても休業損害が認められ得ます。
学生・無職者アルバイト収入資料、就労予定資料就労意思と能力の有無が問題になり得ます。
Section 03

自賠責保険120万円枠がどのように減っていくか

治療費、交通費、診断書、休業損害、慰謝料が重なる典型例を見ます。

次の表は、治療費が高く、休業損害と傷害慰謝料が同じ120万円枠を圧迫する典型例です。金額欄では各費目の積み上がりを読み、合計143万2,000円から上限120万円を差し引いた23万2,000円が自賠責だけでは補えない部分だと確認してください。

費目金額
治療費90万円
通院交通費3万円
診断書等1万円
休業損害24万4,000円
傷害慰謝料25万8,000円
合計143万2,000円
自賠責傷害部分から支払可能な上限120万円
自賠責だけでは不足する額23万2,000円

次の横棒グラフは、上の典型例で各費目が合計143万2,000円の中でどの程度を占めるかを視覚的に整理したものです。棒の長さは合計額に対するおおよその割合を表し、治療費が最も大きく、休業損害と傷害慰謝料も無視できないことを読み取れます。120万円枠内でどの費目が残額を圧迫するかを確認してください。

治療費
63%
傷害慰謝料
18%
休業損害
17%
交通費等
3%
割合は143万2,000円を母数にした概算です。

健康保険利用により枠消費を抑える場合

交通事故治療でも、業務上または通勤災害でない場合には健康保険を使って治療を受けられることがあります。健康保険利用により窓口負担や保険請求上の整理が変わり、120万円枠の使い方に影響する場合があります。ただし、第三者行為による傷病届、保険者の求償、任意保険会社との関係、労災該当性を確認する必要があります。

休業損害が大きい場合

高収入者や自営業者では、休業損害が大きくなりやすいです。自賠責基準では原則1日6,100円ですが、立証により一定の上限まで実額が問題になります。現実の減収が大きい場合、任意保険会社との交渉、民事上の損害額算定、確定申告書や帳簿の分析が重要になります。

Section 04

自賠責保険120万円を使い切ったらどうなるか

医学的治療の必要性と、自賠責の残枠、任意保険、社会保険、後遺障害を分けて確認します。

次の比較表は、120万円を使い切ったときに分けて考えるべき問題を整理しています。列は、何の問題か、何を意味するか、結論がどちらに向かいやすいかを表します。治療を続ける必要性と、どの保険が支払うかを混同しないことが重要です。

問題意味結論の方向性
医学上の治療継続まだ治療が必要か医師の判断が中心です。
自賠責傷害部分の残枠120万円のうち未使用額があるか使い切れば同じ枠からは原則追加なしです。
任意保険の支払超過分を任意保険が支払うか加害者の責任、契約、争点により異なります。
被害者自身の保険人身傷害、搭乗者傷害等が使えるか自身や家族の契約確認が必要です。
社会保険健康保険、労災保険が使えるか事故の性質と届出により異なります。
後遺障害症状固定後に障害が残るか別枠の後遺障害部分が問題になります。

次の判断の流れは、120万円を使い切った後に確認する順番を示しています。上から医療、任意保険、自己保険、社会保険、後遺障害へ進むことで、支払主体と請求先を整理できます。どの分岐でも、事故態様、証拠、契約内容、医師の判断により結論が変わります。

使い切った後の確認順序

医師に治療継続と症状固定を確認

治療の必要性、通院頻度、就労制限、検査の要否を確認します。

加害者側の任意保険を確認

一括対応の終了理由、超過分対応、休業損害、慰謝料提示を確認します。

対応あり
資料を残して交渉継続

医療記録、領収書、休業資料を整理します。

対応なし
別の請求先を検討

人身傷害、労災、健康保険、加害者本人、後遺障害申請を確認します。

Section 05

任意保険・健康保険・労災・人身傷害をどう使うか

120万円超過後に検討する保険と社会保障制度を整理します。

次の比較一覧は、120万円超過後に検討される主な制度と注意点をまとめたものです。どの制度も、支払対象、届出、求償、二重取りの調整が異なります。表の制度名ごとに、何を確認すべきかを読み取ってください。

制度使う場面注意点
任意保険の対人賠償加害者が任意保険に加入している場合治療の必要性、因果関係、通院頻度、過失割合、後遺障害が争点になります。
人身傷害保険被害者自身や家族の契約に付いている場合支払範囲、搭乗中か歩行中か、家族範囲、求償は約款で変わります。
健康保険業務中・通勤災害でない交通事故治療第三者行為による傷病届、保険者の求償、示談との関係に注意します。
労災保険業務中または通勤中の交通事故治療費、休業補償、求償・控除、会社や労働基準監督署との連携が問題になります。
加害者本人への請求任意保険がない、または支払が争われる場合法的に請求できることと現実の回収可能性は別問題です。

加害者が任意保険に加入している場合

多くの交通事故では、任意保険会社が自賠責部分を含めて一括して賠償金を支払う一括払制度が使われます。被害者からは治療費が病院へ直接支払われているように見えても、任意保険会社の内部では自賠責分と任意保険分が区別されます。

加害者が任意保険に加入していない場合

自賠責の傷害部分120万円を超える損害は、原則として加害者本人に請求することになります。被害者請求、自身の保険、健康保険や労災、示談交渉、支払誓約、訴訟、強制執行の検討が必要になる場合があります。

健康保険と労災保険

交通事故でも健康保険を使える場合がありますが、第三者行為による傷病届が必要です。業務中または通勤中の事故では労災保険が問題になり、同一損害について自賠責、任意保険、労災から重複して二重取りすることはできません。

Section 06

被害者請求・加害者請求・一括払制度・仮渡金

自賠責保険への請求方法を制度ごとに分けて確認します。

次の比較表は、加害者請求、被害者請求、一括払制度、仮渡金の違いを整理しています。制度ごとに請求主体、目的、注意点が異なるため、どの場面でどの制度が使いやすいかを読み取ってください。特に、被害者請求は任意保険会社に任せず自賠責へ直接請求する方法として重要です。

制度主な内容注意点
加害者請求加害者が被害者へ賠償金を支払い、その後に自賠責へ請求します。実際に支払ったことを示す資料が必要です。
被害者請求被害者が加害者の自賠責保険会社へ直接請求します。加害者側から賠償が受けられない場合や後遺障害申請を主導したい場合に重要です。
一括払制度任意保険会社が自賠責分を含めて被害者へ支払う実務です。治療期間や症状固定をめぐり保険会社と意見対立が生じることがあります。
仮渡金すぐに治療費等が必要な場合に、死亡290万円、傷害40万円、20万円、5万円を請求できる制度です。上乗せ給付ではなく、後に精算される性質があります。

次の一覧は、被害者請求が重要になりやすい場面をまとめています。任意保険会社の対応が止まったとき、後遺障害申請を自分で整えたいとき、過失割合に争いがあるときなど、手続を主導する必要性を読み取ってください。

場面1

任意保険なし

加害者が任意保険に入っていない場合、自賠責から最低限の回収を図るために重要です。

場面2

一括対応拒否

任意保険会社が治療費や損害の一括対応を拒否した場合、被害者が自ら自賠責へ請求できます。

場面3

後遺障害申請

資料を自分で整え、後遺障害等級認定を主導したい場合に検討されます。

場面4

示談停滞

加害者側との示談が進まない場合でも、一定の範囲で直接請求を検討できます。

Section 07

自賠責保険120万円と過失割合・重過失減額

7割未満、7割以上10割未満、20万円ルールと事故資料の重要性を確認します。

次の比較表は、自賠責保険における重大な過失による減額の考え方を整理しています。民事上の過失相殺とは別の仕組みであるため、列ごとに自賠責での扱いと民事上の最終賠償の違いを読み取ってください。傷害部分では、被害者の過失割合が7割未満か、7割以上10割未満かが大きな境目です。

過失の目安自賠責傷害部分での考え方注意点
7割未満重大な過失による減額なしとされる場面があります。民事上の過失相殺や任意保険の最終提示とは別に検討されます。
7割以上10割未満傷害に係る損害で2割減額が問題になります。最終回収額には過失割合が大きく影響します。
20万円ルール傷害による損害額が20万円未満の場合はその額とし、減額により20万円以下となる場合は20万円とする整理があります。最低限の被害者保護を反映した仕組みです。

次の一覧は、過失割合が争われる場合に保存すべき資料を分野別に示しています。事故態様は120万円超過後の任意保険や加害者本人への請求額にも影響するため、警察資料、映像、車両、医療、工学的資料を分けて確認してください。

分野重要資料
警察交通事故証明書、実況見分調書、供述調書、現場写真
映像ドライブレコーダー、防犯カメラ、信号周期、車載カメラ
車両損傷部位、修理見積、EDR、ECU、タイヤ痕、破片位置
医療受傷部位と衝突態様の整合性
工学鑑定速度、衝突角度、回避可能性、視認性
Section 08

自賠責保険120万円と後遺障害・必要資料・時効

傷害部分と後遺障害部分は別枠であり、症状固定前の示談には注意が必要です。

次の一覧は、後遺障害を見落としやすい症状、関係しやすい診療科、注意点をまとめています。症状固定時に残った障害は、傷害部分120万円とは別枠で評価される可能性があります。表では、症状ごとにどの診療科と資料を確認するかを読み取ってください。

症状関係しやすい診療科注意点
頚部痛、腰痛、しびれ整形外科神経学的所見、画像、症状の一貫性
骨折後の可動域制限整形外科、リハビリ科可動域測定、左右差、癒合状態
頭痛、記憶障害、集中困難脳神経外科、神経心理頭部画像、神経心理検査、家族の観察
めまい、耳鳴り、難聴耳鼻咽喉科聴力検査、平衡機能検査
視力低下、複視眼科事故との因果関係、検査結果
顔面瘢痕形成外科写真、部位、大きさ、露出部か
歯牙破折、咬合障害歯科、口腔外科歯科診断書、補綴内容
PTSD、不眠、抑うつ精神科、心療内科事故との因果関係、治療経過

次の資料一覧は、120万円を使い切る前に整理しておきたい医療、収入、事故態様の資料をまとめています。資料の種類ごとに目的が異なるため、何を証明するための資料なのかを読み取ってください。示談前、後遺障害申請前、時効が近い場面で特に重要になります。

資料群主な資料目的
医療資料診断書、診療報酬明細書、領収書、画像、検査結果、リハビリ記録、後遺障害診断書傷病名、治療内容、費用、後遺障害の裏付け
収入・休業資料休業損害証明書、源泉徴収票、給与明細、確定申告書、帳簿、家族構成資料、医師の就労制限意見休業損害、逸失利益、就労制限の説明
事故態様資料交通事故証明書、事故発生状況報告書、ドライブレコーダー、現場写真、車両損傷写真、修理見積、目撃者情報過失割合、衝突態様、因果関係の説明
示談前確認症状固定前や後遺障害申請前に「今後一切請求しない」という清算条項を含む示談をすると、後から追加請求が難しくなる可能性があります。

請求期限と時効

自賠責保険の被害者請求は、傷害は事故発生の翌日から3年以内、後遺障害は症状固定日の翌日から3年以内、死亡は死亡日の翌日から3年以内と案内されています。加害者請求は、損害賠償金を支払った翌日から3年以内です。治療が長引く場合や交渉が停滞する場合は、時効更新の対応も確認します。

Section 09

自賠責保険120万円を使い切る前後の実務チェック

事故直後、治療中、使い切りそうな段階、症状固定時に分けて整理します。

次の時系列は、事故直後から症状固定時までの確認事項を段階別に整理しています。順番に読むことで、治療、保険、休業資料、後遺障害申請、示談のどこで判断を止めるべきかが分かります。120万円の残額だけでなく、証拠と治療経過を途切れさせないことが重要です。

事故直後から治療初期

届出と早期受診

警察への人身事故届、交通事故証明書、早期受診、診断書、領収書、ドライブレコーダーや現場写真を保存します。

治療中

費用と症状の記録

通院日、交通費、症状変化、保険会社の支払状況、休業損害資料、健康保険や労災の利用可否を確認します。

120万円に近づく段階

残額と超過分を確認

自賠責の既払額、任意保険の超過分対応、人身傷害、労災、健康保険、弁護士費用特約、示談案を整理します。

症状固定時

後遺障害と示談を確認

後遺障害診断書、画像、検査結果、神経学的所見、申請方法、休業損害、逸失利益、慰謝料を整理します。

次の専門職別一覧は、120万円を使い切る前後で関わる視点を整理したものです。医療、法律、保険、事故調査、社会保障は互いに影響するため、どの専門領域が何を確認するかを読み取ってください。

視点主な役割
医師・リハビリ職傷病名、治療効果、症状固定、就労制限、後遺障害の有無、日常生活動作を評価します。
弁護士治療費、休業損害、慰謝料、後遺障害、逸失利益、過失割合、既払金控除を総合的に整理します。
保険実務・損害調査事故との因果関係、治療の必要性、相当性、損害額、過失割合、他保険との調整を確認します。
警察・事故鑑定実況見分、現場写真、信号周期、映像、車両損傷、速度、回避可能性を分析します。
社会保険労務士・福祉職労災、休業補償、障害年金、障害福祉、介護、生活支援、復職支援を検討します。
Section 10

自賠責保険120万円の支払に疑問がある場合

支払額、後遺障害等級、重過失減額に不服があるときの確認順序と相談場面を整理します。

次の比較表は、自賠責保険の支払に疑問や不服がある場合に、どの順序で確認するかを示しています。支払金額、後遺障害等級、重大な過失による減額は、認定理由を確認し、どの資料が不足しているかを読むことが重要です。単に納得できないというだけでなく、医療記録、画像、検査、事故態様資料を追加できるかを確認してください。

順序確認すること資料の見方
1保険会社の認定理由を取り寄せる支払金額、後遺障害等級、減額割合、判断理由を確認します。
2問題点を特定する治療の必要性、因果関係、症状の一貫性、過失資料のどこが争点かを分けます。
3追加資料を検討する医療記録、画像、検査結果、事故態様資料、休業資料を補えるか確認します。
4異議申立てを検討する前回認定を覆す資料や説明が必要です。
5紛争処理や訴訟を検討する自賠責保険・共済紛争処理機構や裁判手続の利用可能性を確認します。

次の注意要素は、120万円を使い切った後に弁護士等の専門家へ相談する必要性が高くなりやすい場面をまとめています。金額だけでなく、治療継続、後遺障害、回収可能性、過失割合、労災や社会保障が絡むかを読み取ってください。個別の見通しは事故態様や資料で変わります。

治療費が120万円に近い

任意保険の超過分対応、健康保険、労災、後遺障害を整理する必要があります。

治療費打ち切りを通知された

医師の意見、症状固定の時期、今後の請求方針を分けて検討します。

休業損害が大きい

収入資料、休業の必要性、民事上の損害額を精査する必要があります。

後遺障害が残りそう

後遺障害診断書、画像、検査、被害者請求の進め方が重要です。

加害者が任意保険に入っていない

回収可能性、訴訟、強制執行、被害者側保険の検討が必要になる場合があります。

過失割合に争いがある

事故資料、映像、実況見分、工学的資料の分析が最終回収額に影響します。

Section 11

自賠責保険120万円のFAQ

120万円の意味、治療費、健康保険、後遺障害、過失、示談案について一般情報として整理します。

Q1. 自賠責の120万円は慰謝料120万円という意味ですか。

一般的には、120万円は治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料などを合計した傷害部分の上限とされています。治療費が多ければ、慰謝料や休業損害として自賠責から受け取れる残額は少なくなる可能性があります。

Q2. 治療費だけで120万円を超えたら、慰謝料はゼロですか。

一般的には、自賠責の傷害部分からは、既に120万円を使い切っていれば追加支払いは原則難しくなります。ただし、加害者側の任意保険、加害者本人、被害者自身の人身傷害保険、労災保険、健康保険、後遺障害部分など、別の検討対象があります。

Q3. 120万円を超えたら病院に通えなくなりますか。

一般的には、通院の必要性は医学的判断の問題であり、自賠責枠の残額だけで決まるものではありません。ただし、誰が治療費を立て替え、最終的に誰へ請求するかは別問題です。健康保険、労災、任意保険会社との関係を確認する必要があります。

Q4. 保険会社から治療費打ち切りと言われました。症状固定という意味ですか。

一般的には、保険会社の一括対応終了と、医師が判断する医学的な症状固定は同じではありません。主治医に治療継続の必要性、症状固定の見通し、後遺障害診断書の要否を確認し、資料を整理する必要があります。

Q5. 健康保険を使うと慰謝料が減りますか。

一般的には、健康保険を使うこと自体で慰謝料が当然に減るわけではないとされています。治療費の増加を抑えることで、120万円枠内に慰謝料や休業損害が残りやすくなることがあります。ただし、第三者行為による傷病届と保険者の求償に注意が必要です。

Q6. 業務中や通勤中の事故でも健康保険を使えますか。

一般的には、業務上または通勤災害の場合は労災保険が問題になります。健康保険ではなく労災保険を利用すべき場合があるため、会社、労働基準監督署、弁護士等の専門家へ確認する必要があります。

Q7. 休業損害は有給休暇を使った日も対象ですか。

一般的には、国の支払基準では有給休暇を使用した場合も休業損害の対象になるとされています。ただし、休業の必要性、医師の意見、職種、資料によって判断が変わる可能性があります。

Q8. 主婦や主夫でも休業損害は認められますか。

一般的には、家事従事者については休業による収入の減少があったものとみなされる扱いがあります。ただし、家事の内容、症状、通院状況、家族構成などを整理する必要があります。

Q9. 整骨院の費用は自賠責で認められますか。

一般的には、免許を有する柔道整復師等による施術費用は、必要かつ妥当な実費として扱われる可能性があります。ただし、医師の診断、施術の必要性、期間、頻度、医療機関との関係が争点になりやすく、後遺障害を見据える場合は医師の診断書や画像所見が重要です。

Q10. 自賠責を使い切った後に後遺障害申請はできますか。

一般的には、傷害部分120万円と後遺障害部分は別枠です。症状固定時に後遺障害が残っている場合、後遺障害診断書を作成し、等級認定を申請することを検討します。具体的な見通しは、症状、検査、画像、治療経過で変わります。

Q11. 被害者にも過失があると自賠責は減額されますか。

一般的には、被害者に重大な過失がある場合に減額されます。傷害部分では、被害者の過失割合が7割未満なら減額なし、7割以上10割未満では2割減額とされる整理があります。ただし、民事上の過失相殺や任意保険の最終賠償額とは別に検討されます。

Q12. 示談案が届きました。120万円を超えていなければ妥当ですか。

一般的には、120万円以内かどうかだけで示談案の妥当性は判断できません。治療費、休業損害、慰謝料、過失割合、後遺障害の有無、任意保険の基準、民事上の損害額を総合的に検討する必要があります。

Reference

自賠責保険120万円の参考資料

公的資料・制度資料

  • 国土交通省「自賠責保険・共済の限度額と補償内容」
  • 国土交通省「支払までの流れと請求方法」
  • 国土交通省「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」
  • 損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率」
  • 警察庁掲載資料、国土交通省物流・自動車局保障制度参事官室「自動車損害賠償責任保険制度について」
  • 全国健康保険協会「第三者行為による傷病届」
  • 厚生労働省関連ページ「第三者行為災害」
  • 国土交通省「政府保障事業」
  • 国土交通省「支払に疑問、不服がある場合には」
  • 一般財団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構「初めての方へ」
  • e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法」
  • e-Gov法令検索「自動車損害賠償保障法施行令」